説明

成形部品を製造するための成形機

【課題】高い製造品質を伴った費用効果的な製造を行うことができるようにする。
【解決手段】ワイヤ、チューブまたは他の細長いワークピース120を成形することによって成形部品を製造するための成形機100は、複数の機械シャフトと、それらを駆動するための複数の電気駆動装置を有する駆動システムと、製造工程特有の動作プログラムに従った製造工程において、機械シャフトの動作運動を調整制御するための制御装置150と、製造工程用の成形機の動作速度を設定するための速度設定装置とを有する。オペレータ情報システムは、オペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して出力するために使用され、これにより、オペレータが、製造に必要なエネルギー消費量を表す少なくとも1つの最適化基準に対して、動作速度を最適化することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤ、チューブまたは他の細長いワークピースを成形することによって成形部品を製造するための成形機であって、複数の機械シャフトと、前記機械シャフトを駆動するための複数の電気駆動装置(M1、M2、M3、M4、M5)を有する駆動システム(200)と、製造工程特有の動作プログラムに従った前記製造工程において、前記機械シャフトの動作運動を調整制御するための制御装置(150)と、前記製造工程用の前記成形機の動作速度を設定するための速度設定装置とを有する成形機において、製造に必要なエネルギー消費量を考慮する少なくとも1つの最適化基準に対して、前記動作速度を最適化するために、オペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して出力するためのオペレータ情報システムを備える成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機は、主に、自動的な製造工程において、適切な工具を使用して成形することにより、ワイヤ、チューブ、テープ等のような半完成品から、部分的に複雑な形状を有する比較的小さなまたは比較的大きな連続成形部品を製造することができる工作機械である。成形機は、例えば、ワイヤ材料、テープ材料またはチューブ材料から、曲がった部品を製造するための曲げ機、あるいは圧縮ばね、引張りばね体、脚ばねまたは他のばね状の成形部品を製造するためのばね機であり得る。さらに、成形機は、例えば、ねじ、釘、鋲等を量産するためのワイヤ釘機として構成してもよい。
【0003】
コンピュータで数値制御される成形機は、複数の機械シャフトと、それらを駆動するための複数の電気駆動装置を有する駆動システムと、製造工程特有のコンピュータ読み取り可能な動作プログラムに従った製造工程において、機械シャフトの動作運動を調整制御するための統合されたコンピュータを有する制御装置とを有する。この動作プログラムは、特に、完成した成形部品の所望の幾何学的形状と、成形部品を製造するために行われる動作ステップと、異なる方法で(例えば機械の近くでまたは機械から離れて)プログラムされ得るNC設定の形態の上記ステップの順序とを記憶する。動作プログラムは、各成形部品のために製造工程中に連続して実行され、駆動装置のための制御信号に変換され、このようにして、機械シャフトの調整された運動を生成する。
【0004】
製造工程の生産性、したがって、製造される成形部品の費用は、製造能力、すなわち、単位時間当たりの完成した成形部品の数によって同時に明確に決定される。製造能力は、製造工程に関連する最も重要な製造データに属する。原則として、できるだけ高い製造能力が望まれる。製造中に実現することができる製造能力は、成形機の動作速度に、すなわち、動作プログラムのステップが全体的に機械シャフトの運動順序に変換される当該速度に依存する。しかし、動作速度に依存する製造能力は、所望に応じて向上させることができないが、その理由は、動作速度が、機械で規定されたおよび/または成形部品で規定された特定の限界値を超えて増加するときに、多くの場合、製造される成形部品の十分な品質をもはや保証することができないからである。
【0005】
このため、成形機は、一般に、製造工程用の成形機の動作速度を設定するための速度設定装置を含む。設定された動作速度は、プログラムされた速度のスケーリングを考慮すれば、製造工程のプログラムされた全ての製造ステップについて同じ効果を有する。
【0006】
設備のよい成形機はディスプレイ装置を含み、このディスプレイ装置は、オペレータのための重要な製造データ、例えば、現在の製造能力、現在設定されている動作速度に対応するサイクル時間(成形部品を製造するのに必要な時間)、所望の数の部品が完成するまでの残りの製造時間等を表示する。
【0007】
いくつかの成形機は、製造される成形部品の製造品質を表す品質信号を生成するためのオンライン測定システムを有する。例えば、完成した成形部品の長さが測定される。品質信号は、完成直後に、製造された成形部品を優良部品(公差内の長さ)と不良部品(公差外の長さ)とに分類するように分類装置を制御するために処理される。
【0008】
いくつかのシステムでは、変化曲線の形態の測定された多数の成形部品に関して、製造工程の公差限界と共に、オンライン測定からの個々の測定結果を同時にグラフィック表示することができ、このようにして、製造工程が所望の品質を提供しているかどうかについて、または工程の変更が必要であるかどうかについて、オペレータが迅速な制御を行うことが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの課題は、製造工程に関連する多数の境界条件に対する成形機の最適化された動作が可能であるように、冒頭に記載したタイプの成形機を改良することである。特に、高い製造品質を伴った費用効果的な製造を行うことができるようにすることが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題および他の課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する成形機を提供する。有利な発展形態は従属請求項に記載される。全ての請求項の用語は、参照により明細書の内容に含まれる。
【0011】
一般的なタイプの成形機は、製造に必要なエネルギー消費量を考慮する少なくとも1つの最適化基準に対して、動作速度を最適化するために、オペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して出力するためのオペレータ情報システムを含む。これは、製造能力を最大化することを目的した最適化基準ではない。本発明により、成形機のオペレータは、製造工程がエネルギー効率に関してさらに最適化されるように、再現可能な、定性的なおよび/または定量的な情報に基づいて、成形機を意図的に設定することができるようになる。特に、本発明により、単に、エネルギー消費量の増加が、実際に利用可能な製造能力の向上でおよび/または製造品質の向上でも表される程度に、電気エネルギーの不要な消費が回避されおよび/または電気エネルギーの消費が増加されるべく、オペレータが成形機を設定することが可能になる。この場合、エネルギー効率に関して最適化される製造工程は、できるだけ有利なエネルギー消費量を含む複数の境界条件に対してできるだけ有利な妥協に達するように意図される。特に、費用の理由から、さらには環境保護の理由から、できるだけ少ない電力消費量が有利である。
【0012】
いくつかの実施形態では、駆動システムは、その複数の駆動装置、特に全ての駆動装置と1つ以上の電力供給ユニットとを互いに接続する中間回路を有し、成形機の制御装置は、中間回路の利用状態を表す中間回路状態信号を検出するように、および制御のための上記信号を処理するように設定される。この目的のために、中間回路状態信号、例えば、中間回路で発生する中間回路電圧、またはそれから導出される電気信号を制御装置の適切な入力部に供給することができる。
【0013】
工作機械では、エネルギーを回収するための中間回路がそれ自体知られている。機械シャフトの運動の制動時に、発電機を使用して電気エネルギーを回収することができる。中間回路にフィードバックされたエネルギーは、中間回路のコンデンサバッテリまたは他の電気エネルギー蓄積装置で緩和することができ、高電力要求の段階で、加速する駆動装置に対して利用可能にすることができる。再分配によって他の駆動装置に対して利用可能にすることができない余剰電気エネルギーは、エネルギー損失を受け入れて供給網にフィードバックされるか、または中間回路に関連する制動抵抗器等で消費される。中間回路を介して電気エネルギーを再分配するこれらの動作、おそらくは、エネルギーの無駄な消費は、自動的に、および中間回路を有する従来の駆動システムのオペレータに見えずに生じる。本発明の実施形態において、この情報は、成形機の動作を最適化するために用いられる。
【0014】
一実施形態は、オペレータ情報システムが、中間回路状態信号に基づいて、成形機のディスプレイユニットの、中間回路の現在の利用状態を表すディスプレイを制御するように設定されることを意図する。この場合、中間回路が、純粋な蓄積装置、およびエネルギーにとって有利な再分配モードで動作されているかどうかについて、または中間回路の受容能力を一時的に超え、その結果、製造工程用の駆動システムの内部で利用する必要がなく廃棄しなければならない余剰エネルギーが発生しているかどうかについて、オペレータが一目で認識することができるように、ディスプレイが適切に構成される。次に、オペレータは、例えば、余剰エネルギーの発生が回避されるように、動作速度を設定することができる。
【0015】
さらに、中間回路が、純粋な蓄積装置および再分配モードでのみ動作されて、余剰エネルギーが発生しないように、動作速度が制御装置によって自動的に制限されるべく、中間回路の利用状態を表す中間回路状態信号を検出すること、および上記信号を処理することが可能である。このことは、おそらく、オペレータを無視して、あるいはさらに、オペレータ情報システムなしに行うことができる。
【0016】
エネルギー効率の最適化に関連して、中間回路を使用する再分配によって、製造工程用の他の駆動装置を動作させるために使用することができない電気エネルギーの当該部分は、できるだけ小さく保持されるべきである。したがって、いくつかの実施形態では、オペレータ情報システムは、この余剰エネルギーを表す余剰エネルギー信号を処理するように設定され、その結果、オペレータは、設定された動作速度で余剰エネルギーが発生するときを、おそらくは、その範囲を認識することができる。このため、オペレータ情報システムは、成形機のディスプレイユニットの、発生する余剰電気エネルギーの量を定性的に(例えば、はい/いいえの純粋な表示を考慮して)または定量的に表すディスプレイを制御するように設定することができる。いくつかの実施形態では、オペレータ情報システムは、余剰信号を処理するように、およびその余剰信号を用いて、消費される余剰エネルギーの量を表す工程パラメータ、すなわち定量的基準を決定するように設定される。
【0017】
一実施形態では、中間回路の現在の利用状態を表すディスプレイは、余剰エネルギーの消費量を表すディスプレイと組み合わされる。オペレータは、動作速度が増加するときに、中間回路の利用が、利用限界に近づいているときを、おそらくは、余剰電気エネルギーが発生するように上記限界を超えるときを特に簡単に認識することができる。したがって、余剰エネルギーの消費を回避するために、組み合わされたディスプレイにより、動作速度を予想して正確に設定することが可能になる。
【0018】
この場合、電気中間回路の動作を検出して処理するために、特に表示するために提供される手段は、中間回路を有するいくつかの従来の駆動システムの装置に関する費用よりも少なくすることが可能であるが、その理由は、中間回路を有するいくつかの従来の駆動システムが、中間回路で発生する電気中間回路電圧を伝達することができる(予め未使用の)接続部を既に有しているからである。中間回路電圧は制御装置に伝達され、それに対して利用可能にすることができる。ここで、その中間回路電圧は、例えば、1つ以上の比較値と比較して、上記中間回路状態信号および/または余剰エネルギー信号を生成することができ、次に、これらの信号は、ソフトウェアを使用してさらに処理することができ、そしてスクリーンまたは別のディスプレイ装置に表示することができる。したがって、比較的少ない費用で、大きな技術的利点を可能な限り実現することができる。
【0019】
成形機の駆動システムが中間回路を有するかどうかに関係なく、別の手段を成形機で実現することができる。いくつかの実施形態は、成形機によって消費される電力を検出するための、およびこの電力を表す電力信号を生成するための電力検出装置を有する。したがって、成形機全体によって現在消費されている電力(単位時間当たりのエネルギー)は、電力検出装置を使用して検出することができ、成形機の動作の制御時を考慮することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、オペレータ情報システムは、電力信号を処理するように、およびその電力信号を用いて、製造される各成形部品用の成形機によって必要とされる電気エネルギーに比例する工程パラメータを決定するように設定される。例えば、各成形部品のエネルギーの予め規定された最大値を超えないように、動作を制限すべく、この工程パラメータを使用して、例えば、成形機を自動的に制御することができる。
【0021】
成形機によって消費された電力が、異なる動作速度で検出される場合、工程で検出された電力信号を用いて、動作速度に対する工程パラメータ「成形部品毎のエネルギー」の依存性を決定することができる。この場合、電力信号を用いて、動作速度の関数として工程パラメータ「成形部品毎のエネルギー」を表すオペレータ情報の項目を決定することができる。このオペレータ情報を例えばグラフの形態でスクリーンに表示することができる。
【0022】
いくつかの実施形態は、製造される成形部品の製造品質を表す少なくとも1つの品質信号を生成するためのオンライン測定システムを有する。オンライン測定システムは、例えば、接続された画像処理システムを有するカメラシステムを有することが可能であり、このカメラシステムによって、製造される成形部品の形状をリアルタイムで検出することができ、所望の形状と比較して、製造される成形部品を「不良部品」として直ちに検出することができ、公差を超える場合には上記部品を拒絶することができる。いくつかの実施形態では、オペレータ情報システムは、品質信号を処理するように、およびその品質信号を用いて、製造される成形部品の規定可能な数以内における製造品質の変化に比例する工程パラメータを決定するように設定される。この工程パラメータおよびそれに対応するデータを処理して、動作速度の関数としてこの工程パラメータを表すオペレータ情報の項目を作成することができる。このようにして、オペレータは、動作速度が、製造される成形部品の品質にどのように影響を与えているかを直ちに認識することができる。これによって、特定の動作速度範囲において、品質が特に優れているかまたは特に劣っていることをオペレータが認識する場合、そのオペレータは、好ましくない動作速度範囲を回避しようとすることができ、可能な限り別の工程パラメータの考察と組み合わせて、エネルギー効率、場合によっては他の基準についてだけでなく、製造品質についても最適化されるこのような動作速度を設定しようとすることができる。
【0023】
オペレータ情報の少なくとも1つの項目が、動作速度の関数として、プログラムされた製造工程の工程パラメータ特性を決定して表示するように、オペレータ情報システムが設定されると特に有利であり得る。このオペレータ情報は、現在設定されている動作速度に依存しておらず、例えば2次元グラフの形態で、例を挙げると、動作速度(例えばオーバーライド速度)の適切な基準が一方の軸にプロットされ、対応する工程パラメータの値が他方の軸にプロットされるx−yグラフの形態で、グラフィック表示することができる。x−yグラフは、例えば、散乱線図、線グラフ、棒チャート、コラムチャートまたはヒストグラムとして表示され得る。オペレータ情報のこの形態の2次元グラフ表示は、オペレータが特に容易に理解し、したがって直ちに利用することができるような動作速度と工程パラメータとの関数関係を表し、その結果、オペレータは、工程パラメータに対する動作速度の影響の詳細な表示の提供を受け、それに応じて動作速度を最適に設定することができる。必要に応じて、準3次元線図を用いて、より複雑な依存性を表示することもできる。
【0024】
オペレータ情報のこのタイプの表示は、一般的なタイプの全ての成形機で行うことができ、エネルギー消費量に関連するオペレータ情報が決定されずおよび/または表示されない場合に、利点を可能な限り提供することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、オペレータ情報システムは、少なくとも1つの動作モードにおけるオペレータ情報の以下の項目、すなわち、
中間回路の現在の利用状態、
中間回路で発生する余剰電気エネルギーの量、
動作速度の関数としての、中間回路で消費される余剰エネルギー、
動作速度の関数としての、製造される各成形部品の成形機によって消費される電気エネルギー、
動作速度の関数としての、製造される成形部品の規定可能な数以内における製造品質の変化の少なくとも2つを同時に表示するように設定される。
【0026】
結果として、オペレータは、可能な限り競合する複数の基準に対して、動作速度を非常に容易に最適に設定することができる。
【0027】
動作速度と、その影響を受ける1つ以上の工程パラメータとの関数関係を示すために用いることができるデータは、製造中に記録することができ、可能な限り、製造工程中に何度も更新することができる。さらに、実際の製造が開始する前の設定動作中に関係を自動的に検出することが可能である。
【0028】
これらおよび他の特徴は、請求項からだけでなく、明細書および図面からも明らかになり、個々の特徴は、本発明の実施形態においておよび他の分野において、サブコンビネーションの形でそれら自体または複数でそれぞれ実現され、本願書類で保護が請求される、有利でありかつそれ自体保護することができる実施形態を表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】曲げ機を制御して動作させるための機械シャフトおよび機械装置用の駆動装置を有する曲げ機の曲げユニットの概略側面図を示している。
【図2】中間回路を有する駆動システムの本質的な構成要素を概略的に示している。
【図3】第1の動作モードにおけるオペレータ情報システムのディスプレイユニットのスクリーン面の図を示している。
【図4】第2の動作モードにおける図4に示したようなオペレータ情報システムのディスプレイユニットのスクリーン面の図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
制御される機械シャフトを有するCNCワイヤ曲げ機として構成される成形機の実施例を用いて、本発明の実施形態の種々の態様について以下に説明する。
【0031】
図1は、機械シャフト用の駆動システムの関連する駆動装置を有し、かつ曲げ機を制御して動作させるための装置を有するCNC曲げ機の曲げユニット100の概略側面図を示している。曲げユニットは、以下で曲げヘッドとも呼ばれる曲げ工具130の係合領域に、未だ曲がっていないワークピース120(丸いワイヤ)を送るために使用される送りユニット110を有する。送りユニットは、例えばグリッパまたはトングを有することが可能であるか、あるいはワークピースの未だ曲がっていないセクションを搬送する送りローラを有することが可能であり、このワークピースは、ワークピースストック(例えばワイヤコイル、リール)から来て、曲げ工具の方向において、挿入された直線ユニットを通過する。
【0032】
曲げ工具130は、中心軸線ZAを中心に回転可能であり、かつ互いに離間して配置される2つの曲げマンドレル(曲げマンドレル136のみを見ることができ、他方の曲げマンドレルは視野方向においてワークピースに隠れている)が頂面に配置されるマンドレルプレート132と、中心軸線ZAからある半径方向距離に配置されかつマンドレルプレート132の中心軸線を中心に旋回可能な曲げピン138とを有する。
【0033】
曲げヘッド130は、互いに垂直な2つの方向(機械座標系MKのx方向およびy方向)において、送り軸線125に垂直に(または機械座標系MKのz方向に垂直に)直線状に配置することができる。ワークピースは、そのワークピース軸線を中心に回転可能であり、軸方向に(z方向に平行に)配置することができる。制御されつつ駆動されかつ大文字(例えばA、B、C、W、Z)を用いて各々が示されている機械シャフトは、小文字を用いて示されている機械座標系の座標軸と区別しなければならない。図1を用いて、機械シャフトの従来の表示物について説明する。送りユニット110は、(グリッパフィードとも呼ばれる)直線状のCシャフトを使用して、ワークピース軸線に平行に(したがってx軸に平行に)直線状に移動させることができる。このため、サーボモータM1を使用して駆動が行われる。Aシャフト(ワークピースの回転軸線)を使用して、ワークピース軸線125を中心とするワークピースの(理論上)無限の回転が可能であり、この場合、サーボモータM2が駆動装置として使用される。他の機械シャフトは曲げ工具130に関連する。曲げヘッド130は、WシャフトのサーボモータM3を使用して、(機械座標系のz軸に平行に延びる)中心軸線ZAを中心に無限に回転可能である。曲げピン138は、YシャフトのサーボモータM4を使用して、曲げヘッドの中心軸線ZAを中心に無限に旋回させることができる。この場合、中心軸線ZAは、曲げ中心点を規定し、したがって、曲げ軸線とも呼ばれる。曲げ工具は、全体として、ワークピース軸線に垂直な2つの方向において、すなわち、モータM5を使用する、中心軸線ZAに平行に延びるZシャフトを使用して、およびモータ(図示せず)を使用する、Zシャフトに垂直に延びるBシャフト(図示せず)を使用して、直線状に移動させることができる。直線運動モータの各々はサーボモータまたは電気直線駆動装置(ダイレクトドライブ)であり得る。
【0034】
完全に曲がった成形部品は、電気的または油圧的に駆動される分離装置(図示せず)を使用して、未だ曲がっていないワークピースセクションから分離される。
【0035】
機械シャフト用の駆動装置の全てが、特に、中央コンピュータユニットおよびメモリユニットを含む制御装置150に電気的に接続される。制御装置で動作する制御ソフトウェアを使用して、全ての機械シャフトの運動を、高度な時間決定で可変に制御することができる。
【0036】
例えば、工程近くにリアルタイムで、製造中における公差変動を定量的に検出することができるように、成形機には、製造された成形部品の製造品質を表す品質信号を生成するオンライン測定システムが設けられる。オンライン測定システムは、制御装置150に接続されるCCDカメラ170を有し、関連する画像処理システムは制御装置150の部分である。品質信号は、特に、分類装置(図示せず)を制御して、完成直後に、製造された成形部品を優良部品(公差内の品質)と不良部品(公差外の品質)とに、さらに必要に応じて、3つ以上のカテゴリに分類するように処理される。
【0037】
制御装置に接続されたディスプレイおよび操作ユニット160は、機械オペレータに対するインターフェースとして使用される。機械オペレータは、曲げ工程に関連する特定のパラメータ、例えば、所望の曲がった部品形状(形状データ)と、異なるワークピース特性(ワークピースデータ)と、曲げ工程が開始する前の操作ユニットの工具データとを入力することができる。それらから、製造工程特有であり、かつ製造工程中に機械シャフトの運動を調整制御するために使用されるNC動作プログラムが作成される。
【0038】
ディスプレイおよび操作ユニットには、速度設定装置の操作要素として使用されるノブ165が取り付けられ、オペレータは、このノブ165を使用して、製造工程用の成形機の動作速度を無段階に設定することができる。さらに、操作要素は、押しボタン、スライドコントローラ等の形態であってもよい。ディスプレイユニットがタッチセンシティブスクリーン(タッチスクリーン)を有する場合、ソフトウェアベースの操作要素も可能である。
【0039】
いわゆる「オーバーライド速度」を用いて、動作速度が設定される。この場合、「オーバーライド」という用語は、通常0%〜100%の範囲で選択することができる動作速度の無次元基準を意味する。オーバーライドまたはオーバーライド速度は、プログラムされた速度をスケーリングするという意味において、製造工程のプログラムされた全ての製造ステップについて同じ効果を有する。この場合、プログラムされた個々の動作ステップ間の速度比は変化しないままである。オーバーライドは一般に直線的に作用せず、例えば、100%のオーバーライドにおける動作速度が、50%のオーバーライドにおける動作速度の2倍にならないかもしれない。
【0040】
図2は、成形機の駆動システム200の本質的な構成要素を概略的に示している。駆動システムは成形機の機械シャフトの全ての電気駆動装置を含み、簡単にするために、図2には、サーボモータM1、M2、M3およびM4のみが示されている。成形機の駆動システムは、一般に、5つ以上の、例えば、11個以上の、さらに21個以上の駆動装置を有する。しかし、駆動装置はそれよりも少なくてもよい。駆動装置M1〜M4は、図1の同じ表示物を有する駆動装置に対応し得る。さらに、図2の駆動システムは、同一または同様の形状の他の成形機に、例えば、脚ばね機、ばねコイリング機にまたはワイヤ釘機に使用することも可能である。
【0041】
各駆動装置M1〜M4自体は、コントローラ電子装置を含む駆動制御ユニットR1、R2、R3およびR4を有する。駆動装置および駆動制御ユニットは別々に図示されているが、コンパクトなユニットに組み合わせることも可能である。駆動制御ユニットは、制御回路220を介してCNCコントローラの制御装置150に接続される。同様に制御回路220を介して制御装置150に接続される供給ユニット230は、駆動装置に電力を供給するために設けられる。
【0042】
駆動システムは、複数の駆動装置、特に、電気駆動装置の全てを互いにおよび電力供給ユニット230に接続する電気中間回路250を有する。中間回路は、駆動装置間における電気エネルギーの分配を改善することを可能にするエネルギー蓄積装置として使用される。例えば、電気駆動装置は、加速段階中に、例えば移動を開始するときに、いくつかの状況下で比較的短時間に、非常に大量の電気エネルギーを必要とする。他方、電気エネルギーは、発電機を使用する遅延段階中に別の駆動装置によって回収することができ、中間回路に送ることができる。中間回路の接続を用いて電気エネルギーを再分配することにより、1つ以上の駆動装置の制動動作中に放出される電気エネルギーを中間回路に送り返すことが可能になり、このようにして、例えば加速度を大きくするために、上記エネルギーを他の駆動装置に利用することができる。したがって、供給ユニットの負担が全体的に軽減される。
【0043】
中間回路は、本質的に、電気エネルギーを蓄積するのに適切でありかつ電気エネルギーを容量的および/または誘導的に蓄積することができるシステムである。中間回路の能力、すなわち、電気エネルギーを蓄積する中間回路の能力は、駆動システムが、典型的な多くの動作モードで完全に利用されないように、関連する駆動装置のエネルギー要求に適合させることが可能である。このため、例えば、追加のコンデンサを接続することによって、中間回路能力を向上させることが可能である。しかし、比較的大量のエネルギーがフィードバックされる段階において、中間回路能力が使い果たされて、中間回路によって再分配して利用可能にすることができない余剰エネルギーが発生する状態が起きる可能性がある。これらの状況のために、中間回路は、それに発生する余剰電気エネルギーを消費するための、例えば電気抵抗器(「制動抵抗器」)の形態の消費装置252を有する。
【0044】
現在の中間回路電圧に比例するかまたはそれに対応する電圧信号は、中間回路の信号出力部254から伝達することができる。中間回路が利用される範囲が大きくなると、すなわち、中間回路の蓄積能力が用いられる範囲が大きくなると、それだけ、中間回路電圧が増加する。典型的な中間回路電圧範囲は、例えば、500V(少量の利用)〜820V(能力限界時)のDCであり得る。信号出力部254は制御装置150の入力部に電気的に接続されるので、中間回路の利用状態を表す中間回路状態信号が、電圧信号の形態でこの入力部に印加される。このようにして、中間回路の利用状態に関する情報をコントローラに利用することができる。信号出力部254の電圧が、中間回路の能力限界を表す閾値よりも高く増加する場合、このことは、駆動システムの内部で利用することができない、すなわち、別の形で消費しなければならない余剰エネルギーが生じることを示している。信号出力部254に印加された電圧信号が、中間回路の能力限界を表す比較値とこのように比較される場合、制御装置の判定システムは、駆動システム全体が、エネルギー効率にとって有利な(中間回路の利用限界に未だ達していない)状態にあるかどうか、あるいは駆動装置に対してエネルギーを無駄に消費する好ましくない過負荷範囲にあるかどうかを容易に決定することができる。
【0045】
成形機の駆動システム全体、および成形機の別の負荷部、例えば、制御装置150、ディスプレイおよび操作ユニット160、ならびに別の構成要素には、主接続部270を介して電気エネルギーが供給される。主接続部のリード線内には電力計275が接続され、この電力計は、成形機によって消費される電力を常に検出し、この電力を使用して、これを表しかつ例えば、現在消費されている電力に比例するDC電圧の形態で電力計の出力部に存在する電力信号(単位時間当たりのエネルギー)を生成する。電力計の信号出力部は、電力信号用の判定回路も含む制御ユニット250に電気的に接続される。この信号出力部は、常時動作における成形機全体の現在の電力消費量を表す信号を制御ソフトウェアに供給する電力検出装置を形成する。
【0046】
成形機はオペレータ情報システムを有し、このオペレータ情報システムは、特に、中間回路状態信号、電力信号、品質信号、余剰エネルギー信号および他のデータ、ならびに機械の動作に関する信号を処理し、上記信号およびデータを使用して、オペレータ情報を決定し、これにより、オペレータが成形機の動作速度を最適化することが可能になり、特に、最適化されたエネルギー消費量が考慮される。関連するオペレータ情報は、ディスプレイおよび操作ユニット160の部分であるスクリーン162によってオペレータに表示される。
【0047】
図3および図4の各々は、オペレータ情報システムの種々の動作モードにおけるスクリーン面の図を示している。中間回路の現在の利用状態を表示するマルチセグメント垂直ディスプレイ310は、図の左側部分に配置される。互いに重なっている16個の矩形セグメントを含む下方のグループ311は、エネルギーが再分配されるだけで、余剰エネルギーが生じない中間回路の有利な利用範囲に関連する。この有利な範囲は、利用限界未満の距離で終了するので、中間回路の利用状態が、有利な範囲を一時的に超えているという事実があったとしても、利用できないエネルギー消費量を生じさせない。点灯するセグメントの数は、一番下から一番上までの中間回路電圧にほぼ比例して増加する。オペレータが、ざっと見ても、エネルギーにとって有利な利用状態であることがすぐに分かるように、全てのセグメントが緑色に点灯する。
【0048】
下方のグループのセグメントの上方に離間して配置されかつ3つの矩形セグメントを有する中間のグループのセグメント312は、利用限界範囲に関連している。これらのセグメントは、最大利用範囲未満である中間回路電圧になお属しているが、点灯する黄色のセグメントは、中間回路がその利用限界に近づいており、その結果、利用の僅かな増加により、エネルギー効率の損失が既に生じているであろうというような警告を表示する。
【0049】
中間のグループの上方に離間して配置される最上の1つのセグメント313は、余剰電気エネルギーが中間回路に発生するときに、すなわち、電気エネルギーが無駄に消費されたことにより、工程のエネルギー効率が低下するときに、赤色に点灯する。セグメントのカラーコードおよびグループにより、中間回路のエネルギー損失が、可能ならば確実に回避されるように、オペレータが、予想を正確にしてオーバーライド速度を設定することがより容易になる。
【0050】
余剰エネルギーが消費される場合に警告音を発する音響的な警告指示を制御するために、必要に応じて、余剰エネルギー信号を処理することもできる。
【0051】
中間回路情報のためのマルチセグメントディスプレイの右側の上下に図示されているx−yグラフの各々は、一見すると、動作速度に関する選択された工程パラメータの依存性を示している。これらのグラフは、現在設定されている動作速度に関連せず、動作速度の設定範囲全体にわたる依存性を示している。無次元オーバーライド速度(OVR)は、両方の例において、動作速度の基準として選択され、オペレータは操作ノブ165を使用して、このオーバーライド速度を0%〜100%の間で無段階に設定することができる。動作速度に対する工程パラメータの依存性がグラフィックで示されるように意図される工程パラメータの各々は、y軸にプロットされる。
【0052】
上方のグラフは、「過負荷記録」と呼ぶことができ、動作速度またはオーバーライド速度の関数として、中間回路で消費または廃棄される余剰エネルギーOL(過負荷OL)を半定量的に、すなわち、正確な相対比で表す。過負荷記録のための測定点を生成するために、成形部品の連続試験が0%〜100%の種々のオーバーライド速度で行われ、中間回路の消費された余剰エネルギーが定量的に検出される。この「試運転」は、ソフトウェアを用いて形成されるECOボタン320を操作することによって行われる。成形機の設定動作中に、過負荷記録を行うことができる。システムの動作中に、過負荷記録を行うことも可能である。
【0053】
オペレータは、実施例において70%のオーバーライド速度までは余剰エネルギーが中間回路で実質的に発生せず、これに対して、70%よりも高いオーバーライド速度では余剰エネルギーが中間回路で廃棄されることを過負荷記録からすぐに理解することができる。したがって、このことを回避しようとする場合、オペレータは70%以下のオーバーライド速度を設定する。
【0054】
図3の下方のグラフは、動作速度に対する、製造された成形部品の品質QUALの依存性を示している。変化記録の選択図には、製造された成形部品の規定可能な数以内における製造品質の変化が、測定点を用いて動作速度の関数として示されている。この場合、「変化」という用語は、所望の理想的な形状からの、製造された成形部品の公差ずれを意味する。変化記録は、オンライン測定システムを使用して検出される品質信号に基づく。ソフトウェアを用いて形成された測定チャンネルボタン330を操作することによって、変化記録の作成を開始することができる。例示的な実施形態では、測定システムにカメラが設けられる場合、測定チャンネルボタンをカメラボタンと呼ぶこともできる。他のオンライン測定システムは、例えば、レーザ測定システムによってまたは機械的に動作する。変化曲線は、実際の製造前の設定動作中に成形部品の一連の試験を用いて、さらに必要ならば、製造中に動的に記録することができる。
【0055】
図3の変化曲線の例は、多くの成形機および製造工程で観察される最初に驚くべき傾向を示している。このことは、特に低い測定変動値が、比較的低い(例えば20%よりも低い)オーバーライド速度および非常に高い(例えば70%〜80%よりも高い)オーバーライド速度で生じ、これに対して、最大の変動または変化が、(例えば40%〜60%の範囲の)平均速度で生じることによるものである。
【0056】
図3で同時に表示されるオペレータ情報の関連する考察により、オペレータが、余剰エネルギーの消費に関連する動作速度を最適化することが補助される。無駄なエネルギー消費を最小にするために、最高の品質が望まれる場合、オペレータは、比較的高い品質変化の範囲(約50%のOVR)を回避するために、30%以下のオーバーライド速度を設定する。製造品質と余剰エネルギーの消費との優れた妥協が望まれる場合、約80%のオーバーライド速度で動作を行うことが可能であり、例えば、この場合、余剰エネルギーはほとんど消費されず、それと同時に製造品質の変化も比較的小さい。高い製造能力を実現することができる。
【0057】
図4は、オペレータ情報の異なる項目が右上のx−yグラフに表示されるという点で、図3に示した動作モードとは異なる別の動作モードのスクリーンを示している。
【0058】
右上方に示したグラフにおいて、測定点は電気エネルギーENを示しており、この電気エネルギーは、各成形部品を製造するための成形機によって消費され、(OVRで示した)動作速度の関数としてグラフにプロットされている。この記録は、電力計275からの電力信号を用いて制御装置により得られたデータに基づく。この場合も、これらのエネルギー値を記録するための試運転は、設定動作中にまたは製造中の段階に、ソフトウェアを用いて形成されたECOボタン320を操作することによって開始することができる。
【0059】
実施例で示されている測定値は、多くのタイプの機械で観察される傾向を示しており、このことによれば、曲がった各部品に必要な電気エネルギーは、オーバーライド速度または動作速度に対してバスタブ状のプロファイルを有し、このプロファイルは、当然、機械のタイプおよび曲がった部品に依存している。図4の2つのグラフの関連する考察により、オペレータが、小さな公差変動(下方のグラフ)と比較的少ないエネルギー消費とを有する極めてエネルギー効率的な動作点を一目で決定することが可能になる。実施例において、オペレータは、おそらく、70%〜80%の範囲のオーバーライド速度を選択し、ここで、一方では、公差変動が極めて小さく(下方のグラフ)、他方では、曲がった部品毎のエネルギー消費量も同様に極めて小さい値を有する。
【0060】
図3および図4に示したオペレータ情報システムの例示的なディスプレイにより、オペレータが、小さな公差変動を有する特にエネルギー効率的な動作点を一目で決定することが可能になる。その結果、製造される成形部品の品質を低下させることなく、製造工程の電力消費量を少なく保持することができる。さらに、オペレータには中間回路の利用状態のディスプレイ310が提供されるので、オペレータは、オーバーライド速度の設定時にエネルギーが散逸されない動作点を直ちに認識することができる。
【0061】
中間回路の状態を容易に認識することができるグラフ表示、オーバーライドの関数としてのエネルギー散逸の表示、および/またはオーバーライドに対して各成形部品に必要なエネルギーの表示により、オペレータが、最もエネルギー効率的な機械の動作点を決定して設定することが容易に可能になり、この動作点では、エネルギーが散逸されないかまたはほとんど散逸されない。オンライン測定システムまたは他のセンサを組み合わせることにより、オペレータは、結果値の特に小さな変動が実現されるオーバーライド速度を設定することもできる。したがって、エネルギー効率および変化または品質の組み合わせに関連して、製造工程を最適化することもできる。
【0062】
いくつかの成形機は、異なる工具構成による、すなわち、成形工具の異なる空間的/物理的構成による所望の機能を提供し得る。オペレータは、可能な限り、ディスプレイを使用して、エネルギーの観点から、成形機を別の工具装置に変えることがおそらく有利であり得るかどうかを決定することができる。さらに、例えばマルチヘッド機で特定の成形部品を製造する際に、または第2のシステムで(例えば保持トングで)加工中に、異なる順序を用いてもよい。この場合、ディスプレイを使用して、複数の可能な方法のいずれがエネルギーに関して特に有利であるかを決定することができる。連続製造前に本発明を使用して、異なる工具構成、および/または動作の異なる順序をエネルギー消費量に関連して比較することができる。これらの方法を用いて、動作速度の設定に関係なくエネルギーを最適化することができる。
【0063】
これに関連して、本発明は、さらに、ワイヤ、チューブまたは他の細長いワークピースを成形することによって成形部品を製造するための成形機であって、この成形機が、複数の機械シャフトと、それらを駆動するための複数の電気駆動装置を有する駆動システムと、製造工程特有の動作プログラムに従った製造工程において、機械シャフトの動作運動を調整制御するための制御装置とを有し、この成形機が、製造に必要なエネルギー消費量を考慮する少なくとも1つの最適化基準に対して、工具構成、および/または製造工程の動作順序を最適化するために、オペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して出力するためのオペレータ情報システムによって特徴付けられる成形機に関する。
【符号の説明】
【0064】
100 曲げユニット
110 送りユニット
120 未だ曲がっていないワークピース
125 軸線
130 曲げ工具
132 マンドレルプレート
136 曲げマンドレル
138 曲げピン
150 CNCコントローラの制御装置
160 ディスプレイおよび操作ユニット
162 スクリーン
165 操作ノブ
170 CCDカメラ
200 駆動システム
220 制御回路
230 電力供給ユニット
250 制御ユニット
252 消費装置
254 中間回路の信号出力部
270 主接続部
275 電力計
310 マルチセグメント垂直ディスプレイ
311 下方のグループ
312 中間のグループのセグメント
313 最上の1つのセグメント
320 ボタン
EN 電気エネルギー
M1 駆動装置(サーボモータ)
M2 駆動装置(サーボモータ)
M3 駆動装置(Wシャフトのサーボモータ)
M4 駆動装置(Yシャフトのサーボモータ)
M5 モータ
MK 機械座標系
OVR オーバーライド速度
QUAL 品質
R1 駆動制御ユニット
R2 駆動制御ユニット
R3 駆動制御ユニット
R4 駆動制御ユニット
ZA 曲げヘッドの中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ、チューブまたは他の細長いワークピースを成形することによって成形部品を製造するための成形機であって、
複数の機械シャフトと、
前記機械シャフトを駆動するための複数の電気駆動装置(M1、M2、M3、M4、M5)を有する駆動システム(200)と、
製造工程特有の動作プログラムに従った前記製造工程において、前記機械シャフトの動作運動を調整制御するための制御装置(150)と、
前記製造工程用の前記成形機の動作速度を設定するための速度設定装置と、
を有する成形機において、
製造に必要なエネルギー消費量を考慮する少なくとも1つの最適化基準に対して、前記動作速度を最適化するために、オペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して出力するためのオペレータ情報システムを備えることを特徴とする成形機。
【請求項2】
前記駆動システム(200)が、前記駆動システムの複数の駆動装置、特に、全ての駆動装置(M1、M2、M3、M4、M5)と少なくとも1つの電気供給ユニット(230)とを互いに接続する中間回路(250)を有し、前記成形機の前記制御装置(150)が、前記中間回路(250)の利用状態を表す中間回路状態信号を検出するように、および制御のための前記信号を処理するように設定される請求項1に記載の成形機。
【請求項3】
前記オペレータ情報システムが、前記中間回路状態信号に基づいて、前記成形機のディスプレイユニット(162)の、前記中間回路の現在の利用状態を表すディスプレイ(310)を制御するように設定される請求項2に記載の成形機。
【請求項4】
前記中間回路(250)の受容能力を超えると、余剰電気エネルギーが発生し、前記オペレータ情報システムが、前記余剰エネルギーを表す余剰エネルギー信号を処理するように設定され、前記オペレータ情報システムが、好ましくは、前記成形機のディスプレイユニット(162)の、発生する余剰電気エネルギーの量を表すディスプレイ(313)を制御するように設定される請求項2または3に記載の成形機。
【請求項5】
前記中間回路の前記現在の利用状態を表す前記ディスプレイが、余剰エネルギーの消費量を表すディスプレイと組み合わされる請求項2〜4のいずれか1項に記載の成形機。
【請求項6】
前記成形機が、前記成形機によって消費される電力を検出するための、および前記電力を表す電力信号を生成するための電力検出装置(275)を備え、前記オペレータ情報システムが、好ましくは、前記電力信号を処理するように、および前記電力信号を用いて、製造される各成形部品用の前記成形機によって必要とされる前記電気エネルギーに比例する工程パラメータ(EN)を決定するように設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形機。
【請求項7】
前記成形機が、製造される成形部品の製造品質を表す少なくとも1つの品質信号を生成するためのオンライン測定システムを備え、前記オペレータ情報システムが、好ましくは、前記品質信号を処理するように、および前記品質信号を用いて、製造される成形部品の規定可能な数以内における前記製造品質の変化に比例する工程パラメータ(QUAL)を決定するように設定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形機。
【請求項8】
前記オペレータ情報システムが、動作速度の関数として前記プログラムされた製造工程の工程パラメータ特性を表すオペレータ情報の少なくとも1つの項目を決定して表示するように設定され、前記オペレータ情報が、好ましくは、グラフィックで、特に2次元グラフの形態で表示される請求項1の上位概念に記載の、特に請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形機。
【請求項9】
前記工程パラメータが、以下の群、すなわち、
中間回路で消費される余剰エネルギーの量と、
製造される各成形部品用の前記成形機によって消費される電気エネルギーと、
製造される成形部品の規定可能な数以内における製造品質の変化とから選択される請求項8に記載の成形機。
【請求項10】
前記オペレータ情報システムが、少なくとも1つの動作モードにおける前記成形機のディスプレイ装置(162)の動作情報の以下の項目、すなわち、
中間回路の現在の利用状態、
中間回路で発生する余剰電気エネルギーの量、
前記動作速度の関数としての、中間回路で消費される余剰エネルギー、
前記動作速度の関数としての、製造される各成形部品用の前記成形機によって消費される電気エネルギー、
前記動作速度の関数としての、製造される成形部品の規定可能な数以内における製造品質の変化の少なくとも2つを同時に表示するように設定される請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−183456(P2011−183456A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−31632(P2011−31632)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500146945)ヴァフィオス アクチェンゲゼルシャフト (11)
【氏名又は名称原語表記】WAFIOS Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】