説明

戸挟み検出装置

【課題】戸先ゴムの異常を検出することが可能な戸挟み検出装置を提供すること。
【解決手段】圧力ユニット11は、戸先ゴム5aに形成した円筒部の内圧を検出する圧力センサの出力信号に応じた圧力信号を送信する。コントローラ14は、ターミナルユニット12を介して受信した圧力信号の値に基づいて戸先ゴム5aに亀裂や破断などの異常が生じているか否かを判定し、異常が生じている場合に戸先ゴム5aが破断している旨を示す戸先ゴム検知信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアが閉じるときに鞄等が挟まったことを検出する車両用の戸挟み検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道等の車両には、車両用ドアが閉じた際に持ち物等が挟まったことを検出する戸挟み検出装置が設けられているものがある。この戸挟み検出装置は、例えば、車両用ドアの先端部に戸先ゴムが設けられ、車両用ドアが閉じた際の戸先ゴムの押圧状態を検出することにより、戸挟み状態であるか否かを検出する。すなわち、この戸挟み検出装置は、車両用ドアが閉じた際に持ち物等が挟まると、戸先ゴムが通常とは異なった状態で押圧されることから、その戸先ゴムの押圧状態の変化を検出することによって、戸挟み状態を検出する。例えば、特許文献1に開示された戸挟み検出装置は、戸先ゴム内に空間を形成し、空間内の圧力変化を検出することにより、戸先ゴムの変形、即ち押圧状態を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−8121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような戸先ゴムは、連続使用による経年変化に起因して亀裂や孔等が生じる。すると、戸先ゴム内の空間から空気が漏れるため、所望の圧力変化がおきなくなる場合があり、戸先ゴムの変形、即ち押圧状態を検出することができなくなる虞れがある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、戸先ゴムの異常を検出することが可能な戸挟み検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の乗降口を開閉するドアに設けられ、弾性変形可能な中空部を有する戸先ゴムと、前記中空部の内圧に応じた圧力信号を出力する圧力センサと、前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力信号の最低値を検出する開閉圧力検出手段と、前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力信号の最低値に基づいて戸挟み判定値を演算する判定値演算手段と、前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力センサから出力される圧力信号を前記戸挟み判定値と比較することに基づいて戸挟みの有無を検出する戸挟み検出手段とを備えた戸挟み検出装置において、前記開閉圧力検出手段により閉鎖された際に、所定のタイミングで前記圧力センサから出力される圧力信号を取り込み、この圧力信号に基づいて戸先ゴムの破断を判定して、異常信号を出力する破断検知手段を備えた。従って、戸先ゴムに亀裂や破断などの異常が生じている場合には、圧力信号が通常時と異なる値となる。この圧力信号を検出することにより、戸先ゴムの異常を容易に検知することができる。そして、戸先ゴムに破断等が生じている場合には異常信号により通知されるため、戸先ゴムの異常を容易に確認することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記所定のタイミングは、所定の期間内における複数のタイミングであり、前記破断検知手段は、前記複数のタイミングで、前記圧力センサからそれぞれ取り込まれる複数の圧力信号に基づいて、圧力信号が所定のレベル低下したことをもって前記戸先ゴムの破断を判定する。これにより、戸先ゴムに小さな亀裂や破断が生じているときに、その戸先ゴムの異常を容易に検出することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記破断検知手段は、前記ドアの開閉に関わらずに圧力信号のレベルが変動しないことをもって前記戸先ゴムの破断を判定する。これにより、戸先ゴムに大きな亀裂や破断が生じているときに、その戸先ゴムの異常を容易に検出することができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記ドアの閉止時において前記圧力センサから出力される圧力信号を閉鎖圧力とする閉鎖圧力検出手段を有し、前記破断検知手段は、前記閉鎖圧力と前記最低値とを比較して前記戸先ゴムの破断を判定する。これにより、ドア閉止時の閉鎖圧力を設定することができ、戸先ゴムの異常を検出することができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記中空部の内部と連通され弾性変形可能に形成された圧力変更部を備え、車両には、前記中空部と前記圧力変更部とのうちの少なくとも一方を強制的に弾性変形させる圧力設定部材が設けられ、前記破断検知手段は、前記強制的な弾性変形に対して前記圧力センサから出力される圧力信号に基づいて前記戸先ゴムの破断を判定する。これにより、ドア閉止時の内圧を設定することができ、戸先ゴムの異常を検出することができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記圧力変更部は、前記中空部と前記圧力センサとを接続し、少なくとも一部が弾性変形可能に形成された接続管である。これにより、戸先ゴムに形成した中空部の内圧を容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上記述したように、本発明によれば、戸先ゴムの異常を検出することが可能な戸挟み検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】車両の一部側面図。
【図2】戸先ゴムの平断面図。
【図3】車両用ドアの要部を示す縦断面図。
【図4】戸挟み検出装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】ドアの開閉と圧力信号の関係を示すタイミング図。
【図6】ドアの開閉と圧力信号の関係を示す波形図。
【図7】ドアの開閉と圧力信号の関係を示す波形図。
【図8】車体側マイコンの動作を示すフローチャート。
【図9】車体側マイコンの動作を示すフローチャート。
【図10】ドア側マイコンの動作を示すフローチャート。
【図11】別の車両の一部側面図。
【図12】別の車両用ドアの要部を示す縦断面図。
【図13】別の車両用ドアの要部を示す縦断面図。
【図14】別の戸挟み検出装置の概略構成を示す斜視図。
【図15】別の戸挟み検出装置の概略構成を示す説明図。
【図16】(a)〜(c)は別の戸挟み検出装置の概略構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、車両に相当する列車の車体1には2枚のドア2a,2bが車体1の前後方向(図1の左右方向)へスライド可能に取着されている。両ドア2a,2bはドアモータ等のアクチュエータ(図示略)に機械的に連結され、アクチュエータの駆動に基づいて前後方向へスライドし、車体1の乗降口3を開閉する。
【0015】
各ドア2a,2bの先端部には、ドア2a,2bの略全高に亘って戸先ゴム5a,5bが取着されている。各ドア2a,2bの戸先ゴム5a,5bは、ドア閉止時において、両ドア2a,2bの取付状態に応じて、互いに密着した状態、又は所定の隙間を空けて対向する。両戸先ゴム5a,5bが密着した状態、より詳しくは、先端同士が干渉して弾性変形した状態になると、両ドア2a,2b間の合わせ部分を隙間無く塞ぐようになる。
【0016】
ドア2aには、圧力ユニット11が取着されている。圧力ユニット11は、例えばドア2aの上部に配置されている。圧力ユニット11は圧力センサを有し、この圧力センサにて戸先ゴム5aに形成した弾性変形可能な中空部の内圧を検出する。そして、圧力ユニット11は、検出した圧力に応じた圧力信号を車体1に取着されたターミナルユニット12に送信する。圧力ユニット11とターミナルユニット12は所定の方式(例えば電磁誘導方式)により信号を送受信するように構成されている。従って、図1では、圧力ユニット11とターミナルユニット12が車体1の上下方向に配置されているように示しているが、通信の方式に応じた位置(例えば同じ高さ)に配置固定されている。
【0017】
ターミナルユニット12は、ケーブル13を介してコントローラ14に接続されている。ケーブル13は、2本のケーブル13a,13bをコネクタ13c,13dにより接続して構成されている。ターミナルユニット12は、コントローラ14からの制御信号に応答して圧力ユニット11に測定開始信号を送信し、その信号に応答して圧力ユニット11から送信される圧力信号を受信する。そして、ターミナルユニット12は、受信した信号をコントローラ14に出力する。コントローラ14は、ターミナルユニット12から出力される圧力信号に基づいて、戸挟み及び戸先ゴム5aの状態を検出する。
【0018】
ドア2b及び戸先ゴム5bについても、ドア2a及び戸先ゴム5aと同様に構成されているため、図1において圧力ユニット11等を省略し、ドア2b及び戸先ゴム5bに対する説明を省略する。
【0019】
戸先ゴム5aの構成を説明する。
図2に示すように、ドア2aの先端部には凹部4が形成されている。これら凹部4は上面が開口するものであり、凹部4内には戸先ゴム5aの取付部21が装着されている。この取付部21は凹部4内に上方から圧入されることに基づいて凹部4内に固定されたものであり、取付部21の中央部には基準圧力室22が形成されている。この基準圧力室22は、図3に示すように、上下面が開口する縦長な空間状をなすものであり、基準圧力室22内には下端部に位置して2個の栓23が圧入され、2個の栓23は基準圧力室22の下端部を気密状態に塞いでいる。
【0020】
図2に示すように、取付部21には、幅狭部24が一体形成されており、幅狭部24には凹部4の外部に位置して断面略半円筒形状の戸当り部25が一体形成されている。この戸当り部25は上下面が開口する縦長な筒状をなすものである。戸当り部25は、ドア2aの上下方向に沿って延びるとともに、ドア2aの凹部4を覆うように形成された板状の基部25aと、基部25aの図面上下両端に接続された半円状の当接部25bとから構成されている。戸当り部25の内周面(基部25a)には規制壁部26が一体形成されている。この規制壁部26は戸当り部25の前後方向の中心から車外側へ偏った部分に位置するものであり、規制壁部26の厚さ寸法は戸当り部25の厚さ寸法より厚く設定されている。
【0021】
戸当り部25の内周面には第1の連結板27および第2の連結板28が一体形成されている。第1の連結板27の基端部は基部25aと一体的に接続され、第2の連結板28の基端部は当接部25bと一体的に接続されている。これら第1の連結板27および第2の連結板28の先端部には中空部に相当する縦長な円筒部29が一体形成されており、第1の連結板27および第2の連結板28は円筒部29を戸当り部25の前後方向の中心から車内側へ偏った部分に保持している。この円筒部29は上下面が開口する空間状の検出用圧力室30を形成するものであり、検出用圧力室30内には、図3に示すように、下端部に位置して2個の栓31が圧入され、2個の栓31は検出用圧力室30の下面を気密状態に塞いでいる。
【0022】
戸当り部25はドア2の閉鎖時にドア2が相手側のドア2に衝突するときの衝撃を緩和したり、戸当り部25間に鞄等の異物が挟まったときの衝撃を緩和したりするものであり、戸当り部25間に異物が挟まったときには下記の挙動を呈する。尚、図2において、戸先ゴム5aの図面上方を車外、戸先ゴム5aの図面下方を車内とする。
【0023】
戸当り部25間に異物が挟まると、当接部25bが車外及び車内の少なくとも一方に向って膨らみ、第1の連結板27の基端部と、第2の連結板28の基端部との位置関係が相対的に変化する。具体的には、第1の連結板27の基端部と第2の連結板28の基端部との間の距離が変化する。その結果、第1の連結板27の先端部と第2の連結板28の先端部が接続された円筒部29が潰されるので、検出用圧力室30の体積が変化する、つまり検出用圧力室30の内圧が変化する。このとき、取付部21には当接部25bを変形する力が作用しないので、取付部21が一定形状に保持されるため、基準圧力室22の内圧は変化しない。
【0024】
なお、当接部25bが規制壁部26に当接すると、当接部25bのそれ以上の変形が防止される。このため、第1の連結板27の基端部と第2の連結板28の基端部との相対的な移動が規制される、つまり円筒部29の変形量(潰し量)が規制される。従って、規制壁部26は、検出用圧力室30の内圧の上限を設定する。また、規制壁部26は、円筒部29の破損を防止する。
【0025】
図3に示すように、戸当り部25内には、上下端部に位置して芯ゴム32が固定されている。芯ゴム32は、その先端が、規制壁部26の先端よりも突出するように形成されている。従って、芯ゴム32は、図1に示すように、ドア2a,2bを閉じたドア閉止時において、両ドア2a,2bの先端にそれぞれ取着された芯ゴム32が互いの当接部25bを介して当接することにより、両ドア2a,2bの移動を規制するとともに、両ドア2a,2b間の合わせ部分を隙間無く塞ぐ。
【0026】
また、芯ゴム32は、当接部25bが互いに干渉してわずかに弾性変形した状態とする。上記したように、当接部25bの変形により、円筒部29が潰れ、検出用圧力室30の内圧が変化する。従って、芯ゴム32は、ドア閉止時における検出用圧力室30の内圧を、ドア閉止時以外における検出用圧力室30の内圧よりもわずかに高くする。なお、ドア閉止時においても、取付部21には当接部25bを変形する力が作用しないので、取付部21が一定形状に保持され、基準圧力室22の内圧は変化しない。
【0027】
戸先ゴム5aの基準圧力室22内には、圧力ユニット11の取着位置に対応して上端部に位置して基準チューブ41の第1端部が圧入され、基準チューブ41の第2端部は基準パイプ42の第1端部に接続されている。基準パイプ42の第2端部は基準チューブ43の第1端部に接続され、基準チューブ43の第2端部は圧力ユニット11に接続されている。圧力ユニット11は、ドア2の上端面に例えばねじ止めされている。基準チューブ41,43はシリコンゴムを材料に形成されている。基準パイプ42は金属を材料に形成されたものであり、基準パイプ42には第1の圧抜孔(図示略)が形成されている。これら基準チューブ43は基準パイプ42および基準チューブ41と共に第1の圧力通路44を構成する。つまり、戸先ゴム5aの基準圧力室22は、第1の圧力通路44を介して圧力ユニット11に接続されている。
【0028】
戸先ゴム5aの検出用圧力室30内には上端部に位置して検出チューブ45の第1端部が圧入され、検出チューブ45の第2端部は検出パイプ46の第1端部に接続されている。検出パイプ46の第2端部は検出チューブ47の第1端部に接続され、検出チューブ47の第2端部は圧力ユニット11に接続されている。これら検出チューブ45,47はシリコンゴムを材料に形成されている。検出パイプ46は金属を材料に形成されたものであり、検出パイプ46には第2の圧抜孔(図示略)が形成されている。検出チューブ47は検出パイプ46および検出チューブ45と共に第2の圧力通路48を構成する。つまり、戸先ゴム5aの検出用圧力室30は、第2の圧力通路48を介して圧力ユニット11に接続されている。
【0029】
ドア2には、固定部材49が取着されている。固定部材49には、基準パイプ42及び検出パイプ46が挿通されており、これらパイプ42,46は固定部材49を構成する合成樹脂製のパイプベース、取付金具、及び取付金具内に固定された接着性を有するシール材により、移動不能に支持されている。そして、各パイプ42,46にそれぞれ形成された第1及び第2の圧抜孔(図示略)は、接着性のシール材により、気密状態に塞がれている。
【0030】
次に、圧力ユニット11,ターミナルユニット12,コントローラ14の電気的構成を図4に従って説明する。
圧力ユニット11は、二次コイルL2およびコンデンサC1を並列接続してなる共振回路52,全波整流回路53,定電圧回路54,ドア側マイクロコンピュータ55(ドア側マイコン55と称する),クロック抽出回路56,アンド回路57,復調回路58,圧力センサ59,NPN型のトランジスタQ1,抵抗R1を有している。共振回路52は二次コイルL2で誘起される交流電力をコンデンサC1に充電する。全波整流回路53はコンデンサC1の放電電力を全波整流することに基づいて直流化する。定電圧回路54は全波整流回路53からの直流電圧を定電圧化する。ドア側マイコン55は定電圧回路54から直流電源が印加されることに基づいて駆動する。つまり、圧力ユニット11とターミナルユニット12は、ドアの移動に従って、両コイルL1,L2が電磁誘導可能な範囲内で通信可能となり、両コイルL1,L2によって直流電圧の生成ができないときに通信不能となる。
【0031】
また、クロック抽出回路56はコンデンサC1に充電される交流電力の周波数に同期したクロック信号を生成し、アンド回路57に出力する。また、復調回路58は二次コイルL2からの出力信号に基づいて復調データを生成する。
【0032】
ドア側マイコン55はCPU,ワークエリアとして機能するRAM,制御プログラムが予め記録されたROMを主体に構成されたものである。ドア側マイコン55は復調回路58からの復調データに基づいて二次コイルL2の出力信号の内容を判定する。また、ドア側マイコン55は接続された圧力センサ59の出力信号に応じて信号を生成し、アンド回路57に出力する。
【0033】
アンド回路57はクロック抽出回路56からのクロック信号とドア側マイコン55からの出力信号とを演算処理することに基づいて駆動信号を生成する。トランジスタQ1はアンド回路57から供給される駆動信号に応答してオンオフする。
【0034】
ターミナルユニット12は、発振回路60,分周回路61,増幅器62,コンデンサC2および一次コイルL1を直列接続してなる共振回路63,抵抗R2,R3,NPN型のトランジスタQ2,バッファ64,復調回路65を有している。発振回路60は設定周波数の電力信号を分周回路61に出力する。分周回路61は発振回路60からの電力信号を分周して増幅器62に出力する。
【0035】
増幅器62は電力信号を増幅して共振回路63に出力する。共振回路63は増幅器62からの電力信号に応じた周波数で発振し、一次コイルL1にて磁界を発生させる。バッファ64はコントローラ14から供給される信号を増幅して駆動信号としてトランジスタQ2に出力する。トランジスタQ2は駆動信号に応答してオンオフする。このトランジスタQ2のオン時にはコンデンサC2の充電電荷が抵抗R3を介して放電され、一次コイルL1の発振レベルが低下する。
【0036】
コントローラ14は、車載の電源装置80に電気的に接続され、電源装置80から駆動電源が供給される。
コントローラ14は、フィルタ回路70,車体側マイクロコンピュータ71(車体側マイコン71と称する),入力回路72,出力回路73を有している。フィルタ回路70はターミナルユニット12の復調回路65から復調データが与えられることに基づいて復調データからノイズ成分を除去し、ノイズ成分が除去された復調データを発振回路60から出力される発振周波数に同期して車体側マイコン71に出力する。車体側マイコン71はフィルタ回路70からの復調データに基づいて戸挟みの有無を判定する。
【0037】
車体側マイコン71はCPU,ワークエリアとして機能するRAM,制御プログラムが予め記録されたROMを主体に構成されている。マイコン71は、制御プログラムを実行することにより、開閉圧力検出手段と判定値演算手段と戸挟み検出手段と閉開圧力検出手段と閉鎖圧力検出手段と破断検知手段として機能する。
【0038】
マイコン71には乗務員が戸開操作および戸閉操作することに基づく戸開信号および戸閉信号が入力回路72を介して入力される。マイコン71は、戸挟み検出信号及び戸先ゴム検知信号を出力回路73を介して出力する。車体1には図示しない制御装置及び表示ランプが備えられ、その制御装置は、コントローラ14から出力される信号に応答して表示ランプを点灯または消灯させる。例えば、制御装置は、戸挟み検出信号に基づいて、戸挟みがある旨の信号(例えばHレベル)に応答して異常表示ランプを点灯させ、戸挟みがない旨の信号(例えばLレベル)に応答して異常表示ランプを消灯させる。また、制御装置は、戸先ゴム検知信号に基づいて、異常ありの旨の信号(例えばHレベル)に応答して異常報知ランプを点灯させ、異常なしの旨の信号(例えばLレベル)に応答して異常報知ランプを消灯させる。
【0039】
次に上記構成の作用を説明する。
ターミナルユニット12は電源が投入されると、共振回路63は分周回路61からの電力信号に応じた周波数で発振する。ドア2の閉鎖時には、一次コイルL1と二次コイルL2が磁気的に結合することにより二次コイルL2に誘導起電力が発生し、定電圧回路54からドア側マイコン55に電源が印加される。
【0040】
ドア側マイコン55はパワーオンリセットレベルの電源が印加されると、図10のステップS31へ移行し、定電圧回路54からの電源が定格レベルに達したかを判定する。ここで「YES」と判定するとステップS32へ移行し、測定開始信号の有無を判定する。
【0041】
コントローラ14の車体側マイコン71は電源が投入されると、図1のステップS1へ移行し、図4のバッファ64を介してトランジスタQ2にパルス状の測定開始信号を出力する。すると、トランジスタQ2が測定開始信号に応じてオンオフされ、一次コイルL1の発振レベルが測定開始信号に応じてHレベルおよびLレベルに変化する。このため、二次コイルL2の発振レベルが測定開始信号に応じてHレベルおよびLレベルに変化し、二次コイルL2が一次コイルL1からの測定開始信号を受信する。
【0042】
二次コイルL2の発振レベルが変化すると、復調回路58が測定開始信号を復調してドア側マイコン55に出力する。すると、ドア側マイコン55は図10のステップS32で測定開始信号を検出し、ステップS33へ移行する。ここで、マイコン55は、圧力センサ59からの出力信号を検出し、パルス状の圧力信号Pを設定する。この圧力信号Pは図3の基準圧力室22の内圧と検出用圧力室30の内圧との差圧を示すものであり、ドア側マイコン55は圧力信号Pを設定すると、図10のステップS34へ移行し、圧力信号Pを図4のアンド回路57に出力する。
【0043】
アンド回路57は圧力信号Pが与えられると、クロック抽出回路56からのクロック信号と圧力信号Pとに基づいて駆動信号を生成し、トランジスタQ1に出力する。すると、二次コイルL2の発振レベルがハイレベルになるタイミング(一次コイルL1の発振レベルがハイレベルになるタイミング)でトランジスタQ1がオンされ、一次コイルL1のインダクタンスが変化する。このインダクタンスの変化を復調回路65が復調データとしてフィルタ回路70に出力し、フィルタ回路70が発振回路60の発振周波数に同期して車体側マイコン71に出力する。
【0044】
車体側マイコン71はフィルタ回路70から復調データが与えられると、図8のステップS2で圧力信号Pが有ると判定してステップS3へ移行し、圧力信号Pの値を閉鎖圧力P0に設定(代入)する(P→P0)。尚、ステップS3において、マイコン71は、閉鎖圧力P0と圧力信号Pとを比較し、圧力信号Pが閉鎖圧力P0より大きい場合に圧力信号Pの値を閉鎖圧力P0に設定する。つまり、マイコン71は、圧力信号Pの値の最大値を閉鎖圧力P0に設定する。
【0045】
次に、マイコン71は、ステップS4において、図4の入力回路72からの戸開信号の有無を判定する。ここで、戸開信号が無いこと検出すると、図8のステップS1に復帰し、ステップS4で戸開信号を検出するまでステップS1〜S4を繰返す。従って、ドア側マイコン55が圧力信号Pの送信を繰返し、車体側マイコン71が閉鎖圧力P0(ドア2の閉鎖時の圧力)を更新することになる(図5の区間K1)。尚、図5はドア側マイコン55から車体側マイコン71に送信される圧力信号Pの時間変化を示すものである。
【0046】
車体側マイコン71は図8のステップS4で戸開信号を検出すると、ステップS5へ移行し、最低閉開圧力P1に最大値P1max を設定する(P1max →P1)。この最大値P1max はドア2が閉鎖位置から開放されるときの閉開圧力の最大値であり、車体側マイコン71は「P1max →P1」を実行すると、ステップS6へ移行し、ドア側マイコン55に測定開始信号を送信する。すると、ドア側マイコン55が上述の手順で圧力信号Pを送信し、車体側マイコン71が圧力信号Pを受信する。尚、最低閉開圧力P1の最大値P1max は車体側マイコン71のROMに予め記録されたものである。
【0047】
車体側マイコン71は圧力信号Pを受信すると、図8のステップS7で「YES」と判定してステップS8へ移行し、閉開圧力P1aに圧力信号Pを設定する。そして、ステップS9へ移行し、最低閉開圧力P1と閉開圧力P1aとを比較する。ここで、「最低閉開圧力P1≧閉開圧力P1a」を検出したときにはステップS10へ移行し、閉開圧力P1aを最低閉開圧力P1に設定する(P1a→P1)。
【0048】
車体側マイコン71は「閉開圧力P1a→最低閉開圧力P1」を実行すると、ステップS11へ移行し、図4の入力回路72からの戸閉信号の有無を判定する。ここで、戸閉信号が無いこと検出すると、図8のステップS6に復帰し、ステップS6〜S11を繰返す。従って、ドア側マイコン55が圧力信号Pの送信を繰返し、車体側マイコン71が最低閉開圧力P1を最低値に更新することになる(図5の区間K2)。
【0049】
ドア2が閉鎖位置から開放位置に移動する途中で二次コイルL2が一次コイルL1から外れると、ドア側マイコン55に対する電源の供給が遮断され、ドア側マイコン55がオフされる。この状態では車体側マイコン71が図8のステップS6で測定開始信号を送信してもドア側マイコン55から圧力信号Pが送信されないので、車体側マイコン71はステップS7で「NO」と判定してステップS11へ移行し、戸閉信号を検出するまでステップS6,S7,S11を繰返す。
【0050】
車体側マイコン71はステップS11で戸閉信号を検出すると、図9のステップS12へ移行し、ドア側マイコン55に測定開始信号を送信する。
戸閉信号の出力直後はドア2aが開放位置付近に存在しているので、二次コイルL2が一次コイルL1の前方から外れ、ドア側マイコン55に対する電源の供給が遮断されている。このため、車体側マイコン71から測定開始信号が送信されてもドア側マイコン55から圧力信号Pが送信されないので、車体側マイコン71はステップS13で「NO」と判定してステップS12に復帰し、測定開始信号の送信を繰返す。
【0051】
ドア2が開放位置から閉鎖される移動途中で二次コイルL2が一次コイルL1の前方に対向すると、ドア側マイコン55が起動し、測定開始信号を受信して圧力信号Pを送信する。すると、車体側マイコン71はステップS13で「YES」と判定してステップS14へ移行し、最低開閉圧力P2に圧力信号Pの値を設定する(P→P2)。
【0052】
次に、マイコン71はステップS15へ移行し、ドア側マイコン55に測定開始信号を送信する。すると、ドア側マイコン55が上述の手順で圧力信号Pを送信する。車体側マイコン71は圧力信号Pを受信すると、ステップS16で「YES」と判定してステップS17へ移行し、開閉圧力P2aに圧力信号Pの値を設定する(P→P2a)。そして、ステップS18へ移行し、最低開閉圧力P2と開閉圧力P2aとを比較する。
【0053】
<戸先ゴムに亀裂や孔等が生じていない場合の制御内容について>
(A)戸挟みが無い場合
図6の実線は戸挟みが無い場合の圧力信号Pを示している。この場合にはドア2が閉鎖される直前で圧力信号Pが高まり(T1〜T2)、一定値となる(T2〜)。
【0054】
車体側マイコン71は図9のステップS18で「開閉圧力P2a≦最低開閉圧力P2」を検出すると(例えば図5のT1以前)、戸挟みが無いと判定して図9のステップS23へ移行し、戸閉信号の状態を判定する。この戸閉信号はドア2が開放位置から閉鎖位置に移動することに基づいて出力停止されるものであり、車体側マイコン71はステップS23で戸閉信号を検出すると、ステップS15に復帰する。従って、ドア側マイコン55が圧力信号Pの送信を繰返し、車体側マイコン71が最低開閉圧力P2を更新することになる(図5の区間K3)。
【0055】
車体側マイコン71は図9のステップS18で「開閉圧力P2a>最低開閉圧力P2」を検出すると(例えば図5のaのT1〜T2)、ステップS19へ移行し、下記(1)式を演算することに基づいて戸挟み判定値P3を算出する。
P3=(P0−P1)+P2+しきい値ΔP ……(1)
車体側マイコン71は戸挟み判定値P3を算出すると、ステップS20へ移行し、先のステップS17で記録した開閉圧力P2aをステップS19で算出した戸挟み判定値P3と比較する。ここで「開閉圧力P2a<戸挟み判定値P3」を検出したときには戸挟みが無いと判定してステップS21へ移行し、戸挟み検出信号の出力をオフする(この場合には戸挟み検出信号は出力されていない)。そして、ステップS23で戸閉信号の出力停止を検出するまで上記一連の動作を繰返し、ステップS23で戸閉信号の出力停止を検出すると、ステップS24に移行する。
【0056】
車体側マイコン71はステップS24へ移行すると、戸先ゴム破断判定処理を行う。マイコン71は、圧力信号Pの値に基づいて、戸先ゴム5aに亀裂や破断などの異常が生じているか否かを判定する。上記したように、圧力信号Pの値は、ドア2aが閉鎖される直前で大きくなり、一定値となる。従って、マイコン71は、圧力信号Pの値に基づいて、圧力信号Pの値が大きくなった後に、一定値となっているか否かを判定する。マイコン71は、圧力信号Pの値が予めマイコン71に記憶された基準値(図1に示すドア2a,2bが閉まった状態の時の圧力信号の値)とほぼ等しく、一定値を保っている場合に、ステップS25において異常なし、つまり「YES」と判定してステップS28に移行し、戸挟み検出信号の出力をオフにして図8のステップS1に復帰する。
【0057】
尚、基準値を、ドア2aが閉じるときの圧力信号の値と、ドア2aが正常に閉じたときの圧力信号の値との差としてもよい。この場合、マイコン71は、ドア2aが閉鎖するまでの間に圧力ユニット11から受信する圧力信号Pの値(例えば、最低開閉圧力P2)に喜寿値を加算した値をしきい値とし、そのしきい値を圧力信号Pの値が越えている又は等しいか否かに基づいて、戸先ゴム5aに異常が生じているか否かを判定する。
【0058】
(B)戸挟みが有る場合
図6の二点鎖線は戸挟みが有る場合の圧力信号Pを示している。この場合には戸挟みが生じることに基づいて圧力信号Pが急激に高まり(T3〜T4)、一定の異常値に保持される(T4〜T5)。そして、ドア2の再開が始まると、圧力信号Pが急激に小さくなり(T5〜T6)、ドア2の開放状態で一定の通常値になる(T6〜)。
【0059】
車体側マイコン71は図9のステップS18で「開閉圧力P2a>最低開閉圧力P2」を検出し、ステップS19で戸挟み判定値P3を算出し、ステップS20で「開閉圧力P2a≧戸挟み判定値P3」を検出する。そして、戸挟みが有ると判定してステップS20からS22へ移行し、戸挟み検出信号の出力をオンする。すると、図4の出力回路73から車両の制御装置に戸挟み検出信号が供給される。そして、制御装置がその戸挟み検出信号に応答して異常表示ランプを点灯させることに基づいて乗務員に戸挟みが報知される。
【0060】
乗務員は戸挟みを検出すると、再開スイッチ(図示せず)を操作する。この再開スイッチの操作時にはアクチュエータを駆動することに基づいてドア2が再開されるので、鞄等を抜取ることに基づいて戸挟みを解消できる。このドア2の再開時には戸閉信号が継続的に出力されており、車体側マイコン71はドア2が再開されているにも拘らずステップS23からS15に復帰し、ドア側マイコン55に測定開始信号を送信する。
【0061】
車体側マイコン71は測定開始信号を送信すると、ステップS16で圧力信号Pを検出し、ステップS17で圧力信号Pを開閉圧力P2aに設定し、ステップS18で開閉圧力P2aと最低開閉圧力P2とを比較する。そして、開閉圧力P2aと最低開閉圧力P2との比較結果に基づいてステップS19またはS23へ移行し、戸挟み判定値P3の算出処理または戸閉信号の状態を判定する。
【0062】
<戸先ゴムに亀裂や孔等が生じている場合の制御内容について>
(C)戸挟みが無い場合について
図7の実線は戸挟みが無い場合の圧力信号Pを示している。この場合には車両用ドア2が閉鎖される直前で圧力信号Pが高まり(T1〜T2)、高値に達する(T2)。この後、円筒部29内の空気が亀裂等を通して漏れることに基づいて圧力信号Pが低下し(T2〜T3)、一定の通常値になる(T2a〜)。
【0063】
車体側マイコン71は図9のステップS18で「開閉圧力P2a≦最低開閉圧力P2」を検出すると(例えば図7のT1以前)、図9のステップS23で戸閉信号の状態を判定する。
【0064】
車体側マイコン71はステップS18で「開閉圧力P2a>最低開閉圧力P2」を検出すると(例えば図7のT1〜T2)、図9のステップS19で戸挟み判定値P3を算出する。次に、ステップS20で「開閉圧力P2a<戸挟み判定値P3」を検出し、ステップS21で戸挟み検出信号の出力をオフする(この場合には戸挟み検出信号は出力されていない)。そして、ステップS23で戸閉信号の出力停止を検出するまで上記一連の動作を繰返し、ステップS23で戸閉信号の出力停止を検出すると、ステップS24に移行する。
【0065】
車体側マイコン71はステップS24へ移行すると、戸先ゴム破断判定処理を行う。戸先ゴム5aに亀裂や孔等が生じている場合、圧力信号Pの値は、ドア2aが閉鎖される直前で大きくなった後、低下する。従って、マイコン71は、圧力信号Pの値に基づいて、圧力信号Pの値が減少している場合、戸先ゴム5aに亀裂等が生じていると判定する。そして、ステップS25において異常あり、つまり「NO」と判定してステップS26に移行する。
【0066】
車体側マイコン71はステップS26で戸先ゴム検知信号の出力をオンする。すると、図4の出力回路73から車両の制御装置に戸先ゴム検知信号が供給される。そして、制御装置がその戸先ゴム検知信号に応答して異常報知ランプを点灯させることに基づいて乗務員に戸先ゴム5aの異常が報知される。その後、マイコン71はステップS27に移行して戸挟み検出信号の出力をオフにして図8のステップS1に復帰する。
【0067】
(D)戸挟みが有る場合について
図7の二点鎖線は戸挟みが有る場合の圧力信号Pを示している。この場合には戸挟みが生じることに基づいて圧力信号Pが急激に高まり(T3〜T4)、異常値に達する(T4)。この後、円筒部29内の空気が亀裂等を通して漏れることに基づいて圧力信号Pが低下し(T4〜T5)、一定の通常値になる(T5〜T6)。
【0068】
ドア2の再開が始まると(T6)、円筒部29に作用していた押潰力が小さくなるので、円筒部29が弾性復帰する。このとき、圧力信号Pが急激に低下し、負圧になる(T6〜T7)。この後、戸当り部25内の空気が圧力差で円筒部29内に亀裂等を通して流入することに基づいて圧力信号Pが高まり(T7〜T8)、通常値になる(T8〜)。以下、戸挟みが有る場合の車体側マイコン71の制御内容について説明する。
【0069】
車体側マイコン71は図8のステップS18で「開閉圧力P2a>最低開閉圧力P2」を検出し、ステップS19で戸挟み判定値P3を算出し、ステップS20で「開閉圧力P2a≧戸挟み判定値P3」を検出する。そして、ステップS22で戸挟み検出信号の出力をオンすることにより異常表示ランプが点灯し、乗務員に戸挟みが報知される。すると、乗務員が再開スイッチを操作することに基づいてドア2を再開するので、鞄等を抜取ることに基づいて戸挟みを解消できる。
【0070】
車体側マイコン71はドア2が再開されているにも拘らず戸閉信号が有るので、ステップS23からS15に復帰する。そして、ステップS16で圧力信号Pを検出し、ステップS17で圧力信号Pを開閉圧力P2aに設定し、ステップS18で開閉圧力P2aと最低開閉圧力P2とを比較する。この開閉圧力P2aは、図7のT6〜T8に示すように、負圧であり、通常時の最低開閉圧力P2より小さい。従って、車体側マイコン71は図8のステップS18からステップS23へ移行する。
【0071】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ドア側マイコン55は、戸先ゴム5aに形成した円筒部29の内圧を検出する圧力センサ59の出力信号に応じた圧力信号を、二次コイルL2を介して送信する。車体側マイコン71は、ターミナルユニット12の一次コイルL1を介して受信した圧力信号Pの値に基づいて戸先ゴム5aに亀裂や破断などの異常が生じているか否かを判定し、異常が生じている場合に戸先ゴム5aが破断している旨を示す戸先ゴム検知信号を出力する。乗務員は、制御装置が戸先ゴム検知信号に応答して点灯させる異常報知ランプにより、戸先ゴム5aの異常(劣化)を確認することができる。そして、乗務員が保守員に戸先ゴム5aの交換を要請することにより、劣化した戸先ゴム5aによる戸挟みの誤検出を防止することができる。
【0072】
(2)ドア2が開放位置から閉鎖されるときの最低開閉圧力P2に基づいて戸挟み判定値P3を算出し、ドア2が開放位置から閉鎖されるときの開閉圧力P2aと比較した。このため、ドア2の開放状態で戸先ゴム5aの戸当り部25に直射日光が当ったときには急激な温度上昇分を含んだ圧力値P2aと急激な温度上昇分を含んだ戸挟み判定値P3とが比較されるようになるので、急激な温度上昇分がキャンセルされ、戸挟みの有無を正確に判定することができる。
【0073】
(3)戸挟み判定値P3を算出するときの圧力値としてドア2が開放位置から閉鎖されるときの最低値P2を使用した。このため、ドア2が開放位置から閉鎖されるときに乗客が戸当り部25に寄掛かっていたり、乗客や物が戸当り部25にぶつかったりしたときには検出用圧力室30の内圧が一時的に上昇するが、一時的な上昇圧力が戸挟み判定値P3の算出に使用されることがなくなるので、この点からも戸挟みの有無を正確に判定することができる。
【0074】
(4)ドア2aを閉鎖するときにターミナルユニット12及びコントローラ14が最初に受け取る圧力信号Pの値を最低開閉圧力P2として設定し、検出した開閉圧力P2aが最低開閉圧力P2より大きいときに戸挟みを判定するようにした。従って、戸挟み判定値P3が負圧に基づいて異常小値に設定されることがなくなるので、ドア2が再開状態から閉鎖されるときに開閉圧力P2aが正圧側に戻った程度で戸挟み判定値P3を越えることがなくなり、戸挟みの誤検出が防止される。
【0075】
(5)ドア2が閉鎖されているときの閉鎖圧力P0とドア2が閉鎖状態から開放されるときの最低閉開圧力P1との差分に基づいて戸挟み判定値P3を補正した。このため、ドア2の閉鎖状態で戸先ゴム5aの円筒部29に作用する押圧力が閉鎖圧力P0と最低閉開圧力P1との差分として検出され、戸挟み判定値P3が差分に基づいて補正されるので、ドア2や戸先ゴム5aの組付誤差・製造誤差等による押圧力のばらつきがキャンセルされる。従って、衣服が挟まった程度で開閉圧力P2aが戸挟み判定値P3を越えたり、鞄等が挟まれても戸挟み判定値P3を越えたりしないことが防止されるので、戸挟みの検出精度を従来に比べて高めることができる。
【0076】
(6)ドア側マイコン55から車体側マイコン71に圧力信号Pを送信し、車体側マイコン71が圧力信号Pに基づいて戸挟みの有無を検出するようにした。このため、電源が供給・遮断されるドア側マイコン55で戸挟みの有無を判定する場合とは異なり、圧力信号Pを保管する不揮発性メモリが不要になるので、部品コストが安くなる。しかも、不揮発性メモリを交換する等のメンテナンスが不要になるので、保守点検が簡単になる。
【0077】
(7)第1の圧力通路44および第2の圧力通路48に第1の圧抜孔および第2の圧抜孔を設けたので、第1の圧力通路44の基準チューブ41および第2の圧力通路48の検出チューブ45を圧力センサ59に接続した後に基準圧力室22内および検出用圧力室30内に圧入すると、基準圧力室22内および検出用圧力室30内が第1の圧抜孔および第2の圧抜孔を通して外部に開放される。この状態でドア2に固定部材49を固定し、第1の圧抜孔および第2の圧抜孔を固定部材49のシール材により塞げば、基準圧力室22内および検出用圧力室30内が同レベルの大気圧になる。従って、戸先ゴム5aの戸当り部25が相手側の戸当り部25に接触した程度で基準圧力室22の内圧と検出用圧力室30の内圧との差圧が戸挟みの判定レベルを越えたり、鞄等が挟まっても差圧が戸挟みの判定レベルを越えたりしないことが防止されるので、戸挟みの検出精度が一層高まる。
【0078】
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態において、マイコン71は、圧力信号Pの値を基準値と比較することにより戸先ゴム5aに異常が生じているか否かを判定するようにしたが、その他の方法により判定するようにしてもよい。戸先ゴム5aに異常が生じている場合、図7に示すように、圧力信号Pの値は、空気の漏れに従って低下する。従って、マイコン71は、ドア2aが閉鎖した後や戸挟みを検出した後に、所定のタイミングで圧力信号Pの値を記憶し、次の所定期間経過した後(例えばタイマ機能により時間を計測する)の圧力信号Pの値と記憶した値とを比較し、圧力信号Pの値が低くなっているときに戸先ゴム5aに異常が生じていると判定するようにしても良い。
【0079】
また、戸先ゴム5aに異常が生じている場合、時間経過に従って圧力信号Pの値は一定の通常値になる。従って、マイコン71は、圧力信号Pの値が一旦上昇することを検知した後、所定時間経過した後(図7のT2a,T5以降)に圧力信号Pの値が通常値であることを検知し、異常と判定してもよい。
【0080】
また、戸先ゴム5aに生じる亀裂が大きい場合、圧力信号Pの値が上昇しない場合がある。このような場合、ドア2aの開閉に関わらず圧力信号Pの値が変化しないことにより、戸先ゴム5aに異常が生じていると判定するようにしてもよい。
【0081】
・上記実施形態において、マイコン71は、圧力信号Pの値を基準値と比較することにより戸先ゴム5aに異常が生じているか否かを判定するようにしたが、圧力信号Pの値と基準値とを比較する処理を複数回実行し、同じ比較結果が複数回連続した場合に異常が生じていると判定するようにしてもよい。また、圧力信号Pの値を複数記憶し、その複数の値を処理(例えば、平均化、積分)した値と基準値とを比較するようにしてもよい。
【0082】
・上記実施形態に対し、通信可能な状態において、戸先ゴムの異常検出をキャンセルするようにしてもよい。検出のキャンセルは、例えば、圧力の検出を行わない、検出した圧力の判定を行わない、判定基準値を変更する、判定結果を出力しない、などにより行うことが可能である。この検出をキャンセルする期間は、適宜設定される。例えば、挟み込まれた物体を取り去ったときに一時的に圧力が変動するため、このような期間をキャンセルする期間として設定してもよい。
【0083】
また、外部から供給される信号に応じて検出をキャンセルするようにしてもよい。上記例では車両のドアに設けた戸先ゴムの異常を検出するため、車両の速度に応じた信号を供給し、その信号に応じて検出をキャンセルするようにしてもよい。
【0084】
・上記実施形態においては、戸先ゴム5aに基準圧力室22を形成したが、これに限定されるものではなく、基準圧力室22を省略しても良い。この構成の場合、圧力センサ59から検出用圧力室30の内圧のみに応じた圧力信号Pを出力し、圧力信号Pに基づいて戸挟みの有無を検出すると良い。
【0085】
・上記各実施形態においては、戸挟み判定値P3を最低閉開圧力P1に基づいて補正したが、これに限定されるものではなく、例えば戸開信号の出力から設定時間が経過したときの閉開圧力P1aに基づいて戸挟み判定値P3を補正しても良い。この場合、最低開閉圧力P2の更新の可否を判定するにあたって、開閉圧力P2aを戸開信号の出力から設定時間が経過したときの閉開圧力P1aと比較すると良い。
【0086】
・上記各形態においては、ドア2が閉鎖位置から開放されるときの最低圧力値として最低開閉圧力P2を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば最低開閉圧力P2の次に小さい圧力値を用いても良く、要はドア2が閉鎖位置から開放されるときの最低付近の圧力値を使用すれば良い。請求項に記載された「圧力信号の最低値」は当該概念で定義されるものである。また、戸当り部25内に円筒部29を設け、円筒部29の内圧を検出する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば規制壁部26,第1の連結板27,第2の連結板28,円筒部29を廃止し、戸当り部25の内圧を検出しても良い。
【0087】
・上記各形態に対し、図11に示すように、車体91に備えた圧力設定部材92により閉鎖圧力P0を設定するようにしてもよい。この圧力設定部材92は例えばカモイ受金であり、図12に示すように、車体91の乗降口3の上部下面に取着される取付部92aと、その取付部92aの下面中央から下方向に向って延びる設定部92bとから構成されている。圧力設定部材92は、両ドア2a,2bの中心(図において一点鎖線で示す)に設定部92bが配置されるように固定される。
【0088】
設定部92bは、ドア閉止時に、戸先ゴム5aの戸当り部25と係合するように設定されている。ドア閉止時におけるドア2a,2bの位置は、車体91に対する取付のばらつきや、ドア2a,2bを開閉するアクチュエータの状態、等によりばらつく。このばらつきにより、両ドア2a,2bの戸当り部25が変形しない場合がある。このような場合には、閉鎖圧力P0が正しく設定されない。
【0089】
設定部92bは、図13に示すように、ドア閉止時に、戸当り部25を変形させる。つまり、設定部92bは、ドア2a,2bの位置ばらつきをふくめて戸当り部25が確実に変形するように、ドア2a,2bの開閉方向の幅が設定されている。そして、この戸当り部25の変形により、上記実施形態と同様に、円筒部29が潰され、検出用圧力室30の内圧が、ドア閉止時以外の場合と比べて高くなる。
【0090】
図4に示すマイコン71は、この時の検出用圧力室30の内圧を検出し、その検出結果を閉鎖圧力P0とする。このように、圧力設定部材92を設けることにより、閉鎖圧力P0を確実に設定することができ、戸先ゴム5a,5bの異常を検出することができる。
【0091】
なお、圧力設定部材は、戸先ゴム5aを介して円筒部29を弾性変形するもののみならず、圧力センサ59の検出圧力を強制的に変化させるものであればよい。例えば、図3に示す検出チューブ(接続管)45,47は、シリコンゴムを材料に形成されているため、弾性変形が可能である。このため、これら検出チューブ45,47のうちの少なくとも一方を強制的に弾性変形させるように形成された圧力設定部材を車両に配置する。このように、戸先ゴム5a以外に設けた弾性変形可能な部分を強制的に弾性変形させることにより戸先ゴム5aに形成した圧力室の内圧を変化させ、閉鎖圧力P0を確実に設定することができ、戸先ゴム5a,5bの異常を検出することができる。なお、検出チューブ45,47の材料は、弾性変形可能であればよく、シリコンゴムに限定されない。
【0092】
また、圧力設定部材により強制的に弾性変形させる部分(圧力変更部)は管状の部材のみならず、例えばダイヤフラム状に形成した部分や、ベローズを強制的に変形させるようにしてもよい。
【0093】
例えば、図16(a)〜(c)に示すように、ドア111の先端に取着された戸先ゴム112は導圧管113を介して圧力ポート部114と接続され、その圧力ポート部114には弾性変形可能なベローズ115が結合されている。また、この圧力ポート部114は圧力センサ116と結合され、その圧力センサ116はターミナルユニット117に接続されている。ターミナルユニット117は、車体に固定された案内シャフト118によってドア111の開閉方向に沿って案内される。案内シャフト118の一端(図16(a)において右端)には圧力設定部材119が固定されている。ドア111の開閉により案内シャフト118に沿って、ターミナルユニット117、圧力センサ116、圧力ポート114、ベローズ115が移動し、圧力設定部材119によりベローズ115が潰れる。このような構成により、戸先ゴム112の異常を検出する。
【0094】
・上記各形態においては、ドア2が閉鎖位置付近に存在しているときだけ二次コイルL2を一次コイルL1に磁気的に結合させたが、これに限定されるものではなく、例えばドア2の移動範囲の全域で二次コイルL2を一次コイルL1に磁気的に結合させても良い。また、車体1側から圧力ユニット11に非接触で電源を供給したが、これに限定されるものではなく、例えば電源ケーブルを使用して供給しても良い。また、圧力ユニット11からターミナルユニット12に対して非接触で信号を伝達するようにしたが、圧力ユニット11による検出信号を、通信ケーブルを介してターミナルユニット12に送信するようにしてもよい。
【0095】
例えば、図14に示すように、コントローラ101が図示しない車両に配設されている。このコントローラ101は、ケーブル102a,102bを介してターミナルユニット103a,103bと接続されている。ターミナルユニット103a,103bは、車両に設けられたドア104a,104bの上端に固定されている。そして、ケーブル102a,102bは、ドア104a,104bの開閉に関わらずコントローラ101と各ターミナルユニット103a,103bとの間の通信等を可能とするように構成されている。
【0096】
各ターミナルユニット103a,103bは圧力センサ(センサヘッド)105a,105bとそれぞれ接続されている。各圧力センサ105a,105bは、ドア104a,104bそれぞれの先端に取着された戸先ゴム106a,106b内にそれぞれ配置されている。各圧力センサ105a,105bは、それぞれ戸先ゴム106a,106bに形成された圧力室(図示略)の内圧に応じた圧力信号をそれぞれ出力する。ターミナルユニット103a,103bは、それぞれ圧力センサ105a,105bから出力される圧力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換部を含み、変換後のデジタル信号をコントローラ101に送信する。コントローラ101は、各ターミナルユニット103a,103bから受信する信号に基づいて、各戸先ゴム106a,106bの破断を判定する。
【0097】
なお、図14では、圧力センサ105a,105bを戸先ゴム106a,106b内に配置したが、図15に示すように、圧力センサ105aをドア104aの上端に固定するようにしてもよい。この場合、圧力センサ105aは、戸先ゴム106aに形成された圧力室と連通する導圧管107aを介して、圧力室の内圧を検出し、その検出圧力に応じた圧力信号を出力する。なお、図15では、ドア104aに対する構成のみを示したが、図14に示すドア104bに対しても同様に構成することができる。
【0098】
なお、ケーブルを用いて電力供給及び信号伝達を行う場合、図1に示す構成では、圧力ユニット11とターミナルユニット12とを一体化する、ターミナルユニット12とコントローラ14を一体化する、圧力ユニット11とターミナルユニット12とコントローラ14とを一体化する等、構成を適宜変更してもよい。また、図15に示す構成では、圧力センサ105aとターミナルユニット103aを一体として構成してもよい。ユニットを一体化することにより、取り付け、取り外し等の簡略化、ユニット間を接続する配線の省略、等を図ることができる。
【0099】
・上記各形態では、圧力ユニット11等をドアの上部に配置したが、配置位置は上部に限定されず、例えばドアの下部に配置してもよい。
・上記各形態においては、乗降口3を2枚のドア2により開閉したが、これに限定されるものではなく、例えば1枚のドア2により開閉しても良い。この場合、ドア2の閉鎖時に戸先ゴム5aが車体1に当接することになる。また、上記各形態では、本発明をスライドするドア2に適用したが、折りたたみ式のドアに適用しても良い。また、上記各形態においては、本発明を列車のドア2に適用したが、これに限定されるものではなく、例えばバスのドア,船舶のドア,飛行機のドア等の車両のドア全般に適用できる。
【符号の説明】
【0100】
2a,2b…ドア、3…乗降口、5a,5b…戸先ゴム、11…圧力ユニット、12…ターミナルユニット、14…コントローラ、22…基準圧力室、29…円筒部(中空部)30…検出用圧力室、59…圧力センサ、71は車体側マイクロコンピュータ(開閉圧力検出手段,判定値演算手段,戸挟み検出手段,破断検出手段)、P…圧力信号、P0…閉鎖圧力、P2…最低値、P3…戸挟み判定値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗降口を開閉するドアに設けられ、弾性変形可能な中空部を有する戸先ゴムと、
前記中空部の内圧に応じた圧力信号を出力する圧力センサと、
前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力信号の最低値を検出する開閉圧力検出手段と、
前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力信号の最低値に基づいて戸挟み判定値を演算する判定値演算手段と、
前記ドアが開放状態から閉鎖される毎に前記圧力センサから出力される圧力信号を前記戸挟み判定値と比較することに基づいて戸挟みの有無を検出する戸挟み検出手段と
を備えた戸挟み検出装置において、
前記開閉圧力検出手段により閉鎖された際に、所定のタイミングで前記圧力センサから出力される圧力信号を取り込み、この圧力信号に基づいて戸先ゴムの破断を判定して、異常信号を出力する破断検知手段を備えた
ことを特徴とする戸挟み検出装置。
【請求項2】
前記所定のタイミングは、所定の期間内における複数のタイミングであり、
前記破断検知手段は、前記複数のタイミングで、前記圧力センサからそれぞれ取り込まれる複数の圧力信号に基づいて、圧力信号が所定のレベル低下したことをもって前記戸先ゴムの破断を判定することを特徴とする請求項1に記載の戸挟み検出装置。
【請求項3】
前記破断検知手段は、前記ドアの開閉に関わらずに圧力信号のレベルが変動しないことをもって前記戸先ゴムの破断を判定することを特徴とする請求項1に記載の戸挟み検出装置。
【請求項4】
前記ドアの閉止時において前記圧力センサから出力される圧力信号を閉鎖圧力とする閉鎖圧力検出手段を有し、
前記破断検知手段は、前記閉鎖圧力と前記最低値とを比較して前記戸先ゴムの破断を判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の戸挟み検出装置。
【請求項5】
前記中空部の内部と連通され弾性変形可能に形成された圧力変更部を備え、
車両には、前記中空部と前記圧力変更部とのうちの少なくとも一方を強制的に弾性変形させる圧力設定部材が設けられ、
前記破断検知手段は、前記強制的な弾性変形に対して前記圧力センサから出力される圧力信号に基づいて前記戸先ゴムの破断を判定する、
ことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載の戸挟み検出装置。
【請求項6】
前記圧力変更部は、前記中空部と前記圧力センサとを接続し、少なくとも一部が弾性変形可能に形成された接続管である、ことを特徴とする請求項5記載の戸挟み検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−76566(P2012−76566A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222792(P2010−222792)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】