手動式防水扉装置
【課題】手動式の防水扉装置であって、装置の低背化、コンパクト化が容易で、防水扉の起立及び収納操作が安全で且つ容易な防水扉装置の提供を目的とする。
【解決手段】防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする
【解決手段】防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大雨や洪水時等に、建築物内、地下道内、駐車場内等に雨水が浸入しないように、出入口を閉塞する防水扉装置に関し、特に手動で操作しやすい防水扉装置に係る。
【背景技術】
【0002】
平常時には防水扉を出入口の床面に収納(埋設)しておき、大雨や洪水時に、起立して出入口を閉塞する防水扉の設置ニーズが高い。
出入口の床面に埋設施工することを考えると、防水扉の設置深さが浅いほど、即ち装置の低背化が好ましく、防水時の水圧等を考えると起立状態での建築物等とのシール圧が高い方が望ましい。
特にコスト面から手動で防水扉を起立回動したり床面に収納する手動式の防水扉装置にあっては、速やかに防水扉の起立が可能であり、かつ建築物等とのシール圧を確保できるものが要求されている。
また、手動式の場合に防水扉の収納操作が安全で且つ容易でなければならない。
【0003】
特許文献1には、ねじりコイルバネとガスダンパとを組み合せた扉の起立補助装置を開示するがガスダンパは小型化が難しく装置の低背化の障害になるだけでなく、コストアップ要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−83595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は手動式の防水扉装置であって、装置の低背化、コンパクト化が容易で、防水扉の起立及び収納操作が安全で且つ容易な防水扉装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防水扉装置は、防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする。
【0007】
このように防水扉を起立方向に向けて押し上げる回動アームを複数本設け、回動アームの復元力に差を設けたことにより次のように作用する。
収納時は防水扉が概ね水平状態にあり、扉を押し上げるには最も大きなトルクが必要になるが、複数本の回動アームで押し上げるようにしたので個々の回動アームは小型化でき扉がある程度の角度まで、例えば約45度まで起立すると押し上げ力は回動初期に比較して小さくてよいので扉を押し上げるのに直接作用する回動アームの本数を減らすことができる。
回動アームをトーションバネで扉の起立方向に付勢した場合に、全ての回動アームを起立状態から収納状態との間に復元力が生じるようにすると、手で扉を収納しようとした際の初期の反発力が大きいものになるが、本発明にあっては複数の回動アームの復元力に差を設ける手段として扉が倒れる方向に回動し、扉の裏面側が回動アームの先端に当接する角度を複数本あるそれぞれの回動アーム毎に調整することで扉が倒れるに従って復元力が大きくなるので扉の重量を支えながら扉の収納が可能であるとともに収納始めの反発力を小さく抑えることができる。
【0008】
トーションバネはトーションコイルでもトーションバーでもよいがトーションコイルを採用し、コイル径の異なるものを径方向に二重、三重等、複数配設すると、より小さなトーションコイルの組み合せでよくなり、装置のコンパクト化、低背化が可能になる。
また、トーションバネの復元力は調整可能であるのが好ましい。
【0009】
本発明にあって、回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げる構造を採用してもよい。
このようにすると、回動リンクと従動リンクとの直線状伸長状態を容易にロックできるので防水扉の押し上げ回動機構と、この防水扉の起立状態を水圧に耐えるように保持するための防水扉起立保持機構の一体化が可能になり、小型化、省スペース化を図ることができる。
【0010】
本発明においては、扉の回動時に収納側壁との干渉を避けつつ、起立状態で高いシール圧を確保するには、防水扉の回動支点はスライド支持カム装置により支持され、当該スライド支持カム装置は、扉の回動支点を支持するスライダーと、回動支点を出入口閉塞方向に移動するカムを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては回動起立する防水扉の裏面側を押し上げる回動アームを複数本に分けて備え、複数の回動アームの復元力に差を設けたので回動アームの復元力で扉の裏面側を支える際に、扉の重心移動に応じて必要な復元力を調整することが容易になり、装置の低背化、コンパクト化に寄与するとともに簡単な構造で扉の開閉操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】防水扉装置の扉が起立した状態の傾斜図を示す。
【図2】扉の起立角度と複数本ある回動アームとの位置関係を示す。
【図3】回動アームの平面図を示す。
【図4】回動アームの組立図を示す。
【図5】回動アームの部品構成例を示す。
【図6】回動アームの部品傾斜図を示す。
【図7】扉の開閉に伴うスライド支持カム装置と起立保持装置の動きを示す。
【図8】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図9】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図10】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図11】起立保持装置の動作説明図を示す。
【図12】起立保持装置をロックした状態を示す。
【図13】リンク機構からなる回動アームの例を示す。
【図14】リンク式回動アームの部品構成例を示す。
【図15】リンク式回動アームの動きを示す。
【図16】リンク式回動アームを複数設けた例を示す。
【図17】リンク式回動アームの配置例を示す。
【図18】リンク式回動アームの配置例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る防水扉装置10の全体構成例を図1に示す。
防水装置10は建築物等の出入口の床面に埋設する略箱形の収納部12と、この収納部に水平状態で収納し、起立状態になると出入口を閉塞する防水扉(以下、扉と称する)11を有する。
収納部12は縦壁12a、扉起立側の縦壁12b、及び左右の側壁12c、12dで形成され、扉11が収納された状態(平常時)では、図7(a)に示すように、収納部12の開口部を扉11が塞ぎ、この上を通行できるようになっている。
なお、図示を省略したが扉11の収納された状態をロックできるようになっている。
【0014】
扉11の裏面側と収納部12との間には、扉11を手で持ち上げ起立状態にするのを補助するための第1回動アーム13及び第2回動アーム14を有する。
本実施例は2本の回動アームを備えた例を示すが2本以上であれば数に制限はない。
扉の回動部には扉11が起立する際に扉の側部が収納部の縦壁と干渉するのを防止しつつ、起立状態で建物側にスライドし、シール圧を向上させるスライド支時カム装置30を有し、扉の起立状態をロックする起立保持装置20を有する。
【0015】
回動アームの構造について説明する。
図3は回動アームとその両側に設けたトーションバネ15の組立平面図を示し、図4〜6には回動アームと片側のトーションバネとの構成例を示す。
本実施例では第1回動アーム13と第2回動アーム14とを同じ構造にし、復元位置(角度)のみを変化させた例を示し、以下、第1回動アーム13を例に説明する(以下、必要に応じて単に回動アームと称する)。
回動アーム13は先端部13aが扉11の裏面側に当接し、押し上げるようになっていて扉の起立角度に応じて当接位置が移動しやすいように車輪を取り付けた例になっている。
回動アーム13の根元側にはトーションバネ15との連結部13bを有し、トーションバネ15の復元力又はこの復元力に対抗して回動する。
収納部12の底部に固定したベース部16aからシャフト16eを支持する軸受け部16bを立設し、回動アーム13は両側の軸受け部16bにてシャフト16e及びトーションバネ15を介して回動可能に支持されている。
本実施例ではトーションバネ15として径の大きいコイルバネ大15aと、それよりも径が小さく、コイルバネ大15aの内側に配設したコイルバネ小15bとの二重構造を採用した。
コイルバネ大小の一方の固定端部15c、15dは回動アーム13の連結部13bの側面に設けた差し込み孔13cに差し込み固定し、他方の固定端部15c、15dは固定盤16cの側面差し込み孔16j、16kに差し込み固定される。
この固定盤16cは軸受け部16bに設けた円弧状長孔16dに挿通したボルト16fでめねじ部16iに締結されていて、このボルト16fをゆるめ、例えば図3に示すように棒状の治具40を固定盤16cの外周部に設けた差し込み孔16gに差し込み回動調整可能になっている。
これにより、トーションバネの復元力を調整することができる。
本実施例では、図1及び2に示すように第1回動アーム13は扉11が約45度傾斜した際に先端部13aが扉11の裏面に当接し、第2回動アーム14は扉11の起立状態にてすでに扉11の裏面に当接し、扉の起立方向に付勢力が働くようになっている。
このように第1回動アーム13と第2回動アーム14とで扉11の裏面との当接角度を異ならせた場合にトーションバネ15による復元力の発生位置が異なることになる。
例えば図2(a)に示した扉11が収納部12に収納された状態からロックを解除し、回動し始める状態では最も大きなトルクが必要であり、第1及び第2回動アームの両方にて押し上げる。
図2(c)に示すように扉が約45度位まで起立方向に回動すると扉の重心が回動軸側に移動し、第1回動アーム13の復元力が無くなっても第2回動アーム14の復元力のみで起立方向に補助する。
逆に扉11を手で収納方向に倒し込む場合には、扉の重量を当初は第2回動アームで支えるように補助を受けながら回動し、扉の重心が外側に移動し、重くなると2本の回動アームにて支えるように倒れるので操作する人は小さな反発力に対抗しつつ扉11を収納部12に収納できる。
【0016】
次にスライド支持カム装置30について説明する。
扉11の裏面で下端部aより少し上部部分をカム34に連結部11aにて連結したスライド支持カム装置30に固定してある。
図10は左右一対のスライダー支持部32のうち、手前側を除いた状態を示し、スライド支持カム装置30は、底部側に固定するベース部31から左右対向して立設したスライダー支持部32を有し、このスライダー支持部32の対向面にスライド溝部32aを形成し、このスライド溝32aに沿って、水平方向にスライダー33が移動自在になっている。
左右のスライダー33はカム34とピン33bを介して回動自在に連結してある。
カム34は、略斜め「へ」字状のカム溝34aを形成し、このカム溝34aに挿通したシャフト35を介してスライダー支持部32に連結してある。
扉の重量は主にスライダー33にて支持し、扉の回動支点はピン33bとなる。
これにより、扉が約45度起立するまでは、図4に示すように駆動リンク21が回動し、連動リンク22により扉が起立する際に、図10に示すように、カム溝34aが扉の回動支点33b側に向けて斜め下方に形成してあるので、扉11がカム溝34aに沿って、出入口の閉塞とは反対方向に移動する。
この動きにより、扉の端部aが収納部の縦壁12bより離れるように動き、縦壁と扉端部aが干渉するのを防止する。
【0017】
扉11が約45度以上に起立すると、図9及び図10に示すように、カム溝34aが上記とは逆に、扉11の回動支点33bとは離れるように斜め下方に向けて形成してあるので、扉11の重量をスライダー33にて支えながらカム溝34aに沿って、閉塞側に水平移動する。
これにより、扉11が立設した図9(c)に示す状態では、扉11の表面が出入口に設けた建築物側のシール部材1に圧接するようになる。
【0018】
次に起立保持装置20について図11、12に基づいて説明する。
起立保持装置20は扉11が不本意に収納側に倒れるのを防止する。
扉11の裏面に軸部21aで軸連結した第1リンク21及び第1リンクの扉11とは反対側の軸部22aで軸連結した第2リンク22とを有し、第1リンク21と第2リンク22とは、軸部22aが扉11とは反対方向に移動するように屈曲することで扉11が収納部12に収納され、扉11が起立すると、それに伴って第1リンク21と第2リンク22とが展開し、扉11の起立状態では図11(c)、図12に示すように直線状になる。
この際に直線状態をロックするためにロックピン25を有し、第1リンク21の仮置き孔21cに差してあったロックピン25を抜き、第1リンク21のピン孔21bと第2リンクのピン孔22bとが合致した状態で、このピン孔にロックピン25を差し込む。
これにより第1リンク21と第2リンク22が不本意に屈曲するのを防止する。
なお、ロックピン25は取付け部25bに紐25aで繋いである。
また、第2リンク22の上面に沿って、プレート22cを第1リンク21側の上面に突出してあり、反対側に折れ曲がるのを防止する。
扉11を収納する際にはフットアーム23のフットプレート23bを踏むとフットアーム23と第2リンク22とを軸連結部23aで軸連結した先に設けた作用部23cが第2リンク22の下側をてこの原理で押し上げ、第1リンク21と第2リンク22とが折れ曲がる方向に回動し扉が傾倒する。
【0019】
上記の実施例にあっては、扉を押し上げて回動するための回動アームと、扉の起立状態を水圧に耐えるように保持するための起立保持装置とが別々に設けられている。
本実施例は、回動アームの先端がローラ部材を介して扉の裏面に接しているので扉の水平移動に伴う回動アームの長さ調整が容易である利点があるものの、回動アームの設置スペースと起立保持装置の設置スペースの両方が必要となる。
そこで次に回動アームと起立保持装置とを一体化し省スペース化を図るのに有効な実施例について説明する。
【0020】
図13にリンク方式の回動アームの構造例を示し、その部品構成例を図14に示す。
軸受部材116hに軸支されコイル状のトーションバネ15により扉起立方向にバネ付勢されたシャフト116cを有する。
回動ブラケット116aをシャフト116cに沿わせ、締め付けブラケット116bとこの回動ブラケット116aとをボルト116dにて締結し、シャフト116cの回動によりこの回動ブラケット116aが回動する。
回動ブラケット116aのシャフト116cの取付け時にシャフト116cの回動位置を調整することでトーションバネ15による復元力の大きさを調整する。
回動ブラケット116aの側面には2つの取付孔116fを有し、この取付孔を用いて回動リンク113をボルト113dで固定連結し、回動リンク113の先端側は連結孔113bを介して従動リンク213の連結孔213b及び回動ピン113aにてリンク連節してある。
従動リンク213の先端側は取付孔213cと取付ピン213aを用いて扉11の裏面に設けた軸着ブラケット11bの連結孔11cに回動自在に軸着してある。
これにより図15に示すようにバネ付勢されたシャフト116cの回動により回動リンク113が回動し、従動リンク213の先端が扉11を押し上げ起立方向に回動する。
【0021】
回動リンク113にロック孔R1を設け、これに対応して従動リンク213にロック孔R2を有する。
回動リンク113と従動リンク213とが図15(b)、(c)に示すように折れ曲がった状態ではロック孔R1,R2の位置がずれているが、図15(a)に示すように回動リンク113と従動リンク213が直線上に伸長した状態ではロック孔R1,R2の位置が一致し、この状態でロックピン25をロック孔R1,R2に差し込むことで起立保持状態が維持でき、且つ、不本意に扉が倒れ込むのを防止する。
また本実施例では、先の実施例と同様にフットアーム23をシャフト116cに回動自在に取り付けてあり、フットアーム23は足で踏み込むためのフットプレート23bと対向して作用部23cを有し、図15(a)に示すように回動リンク113及び従動リンク213が直線上になった状態では回動ブラケット116aに締結した締め付けブラケット116bの扉側に突出部116gを有し、この下側にフットアーム23の作用部23cが位置するようになっている。
これによりロックピン25を取り外し、フットプレート23bを足で踏むと作用部23cが締め付けブラケット116bの扉側の突出部116gを押し上げ、これにより、回動ブラケット116aが扉の閉じる方向に少し回動し、リンクが連節部で折れ曲がり、それ以降は手で扉を閉じることができる。
【0022】
リンク式回動アーム1つでもスペースがコンパクトになるメリットがあるが図16には上記リンク式回動アームを2つ、バネ付勢力及び取付位置をずらして配設した例を示す。
なお、スライド支持カム装置も所定の間隔をあけて取り付けてある。
このようにすると、扉の押し上げに寄与するバネの復元力の大きさに差が生じ、扉が水平方向に閉じた状態から起立方向初期には、それぞれのリンク式回動アームの復元力が作用し、大きなトルクを発生させ複数のリンク式回動アームの復元力に差があるので、扉11の起立角度が大きくなるにつれて1つのトーションバネの回動復帰による復元力の減少以上に大きく減少させることができる。
これにより扉11を手で閉じる際には起立状態からの回動初期に小さな力で回動し、扉11が倒れ込み重心が扉先端側に移動するにつれて、複数のリンク式回動アームのトータル復元力で支えるようにしつつ、従来のような大きな反発力が生じることなく完全に扉を閉じることができる。
【0023】
図17は小さな扉11に対して1つのリンク式回動アーム113,213を配置した例を示し、図18(a)に大きな扉11に対して3つのリンク式回動アーム(113,213)、(114,214)を配設した例を示し、図18(b)にシャフトを長くすることで両側に2つのリンク式回動アームを配設した例を示すように、各種組み合せによる扉装置となることができる。
【符号の説明】
【0024】
10 防水扉装置
11 防水扉
12 収納部
13 第1回動アーム
14 第2回動アーム
15 トーションバネ
16 復元力調整部
20 起立保持装置
30 スライド支持カム装置
113 回動リンク
213 従動リンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、大雨や洪水時等に、建築物内、地下道内、駐車場内等に雨水が浸入しないように、出入口を閉塞する防水扉装置に関し、特に手動で操作しやすい防水扉装置に係る。
【背景技術】
【0002】
平常時には防水扉を出入口の床面に収納(埋設)しておき、大雨や洪水時に、起立して出入口を閉塞する防水扉の設置ニーズが高い。
出入口の床面に埋設施工することを考えると、防水扉の設置深さが浅いほど、即ち装置の低背化が好ましく、防水時の水圧等を考えると起立状態での建築物等とのシール圧が高い方が望ましい。
特にコスト面から手動で防水扉を起立回動したり床面に収納する手動式の防水扉装置にあっては、速やかに防水扉の起立が可能であり、かつ建築物等とのシール圧を確保できるものが要求されている。
また、手動式の場合に防水扉の収納操作が安全で且つ容易でなければならない。
【0003】
特許文献1には、ねじりコイルバネとガスダンパとを組み合せた扉の起立補助装置を開示するがガスダンパは小型化が難しく装置の低背化の障害になるだけでなく、コストアップ要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−83595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は手動式の防水扉装置であって、装置の低背化、コンパクト化が容易で、防水扉の起立及び収納操作が安全で且つ容易な防水扉装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防水扉装置は、防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする。
【0007】
このように防水扉を起立方向に向けて押し上げる回動アームを複数本設け、回動アームの復元力に差を設けたことにより次のように作用する。
収納時は防水扉が概ね水平状態にあり、扉を押し上げるには最も大きなトルクが必要になるが、複数本の回動アームで押し上げるようにしたので個々の回動アームは小型化でき扉がある程度の角度まで、例えば約45度まで起立すると押し上げ力は回動初期に比較して小さくてよいので扉を押し上げるのに直接作用する回動アームの本数を減らすことができる。
回動アームをトーションバネで扉の起立方向に付勢した場合に、全ての回動アームを起立状態から収納状態との間に復元力が生じるようにすると、手で扉を収納しようとした際の初期の反発力が大きいものになるが、本発明にあっては複数の回動アームの復元力に差を設ける手段として扉が倒れる方向に回動し、扉の裏面側が回動アームの先端に当接する角度を複数本あるそれぞれの回動アーム毎に調整することで扉が倒れるに従って復元力が大きくなるので扉の重量を支えながら扉の収納が可能であるとともに収納始めの反発力を小さく抑えることができる。
【0008】
トーションバネはトーションコイルでもトーションバーでもよいがトーションコイルを採用し、コイル径の異なるものを径方向に二重、三重等、複数配設すると、より小さなトーションコイルの組み合せでよくなり、装置のコンパクト化、低背化が可能になる。
また、トーションバネの復元力は調整可能であるのが好ましい。
【0009】
本発明にあって、回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げる構造を採用してもよい。
このようにすると、回動リンクと従動リンクとの直線状伸長状態を容易にロックできるので防水扉の押し上げ回動機構と、この防水扉の起立状態を水圧に耐えるように保持するための防水扉起立保持機構の一体化が可能になり、小型化、省スペース化を図ることができる。
【0010】
本発明においては、扉の回動時に収納側壁との干渉を避けつつ、起立状態で高いシール圧を確保するには、防水扉の回動支点はスライド支持カム装置により支持され、当該スライド支持カム装置は、扉の回動支点を支持するスライダーと、回動支点を出入口閉塞方向に移動するカムを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては回動起立する防水扉の裏面側を押し上げる回動アームを複数本に分けて備え、複数の回動アームの復元力に差を設けたので回動アームの復元力で扉の裏面側を支える際に、扉の重心移動に応じて必要な復元力を調整することが容易になり、装置の低背化、コンパクト化に寄与するとともに簡単な構造で扉の開閉操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】防水扉装置の扉が起立した状態の傾斜図を示す。
【図2】扉の起立角度と複数本ある回動アームとの位置関係を示す。
【図3】回動アームの平面図を示す。
【図4】回動アームの組立図を示す。
【図5】回動アームの部品構成例を示す。
【図6】回動アームの部品傾斜図を示す。
【図7】扉の開閉に伴うスライド支持カム装置と起立保持装置の動きを示す。
【図8】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図9】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図10】スライド支持カム装置の動作説明図を示す。
【図11】起立保持装置の動作説明図を示す。
【図12】起立保持装置をロックした状態を示す。
【図13】リンク機構からなる回動アームの例を示す。
【図14】リンク式回動アームの部品構成例を示す。
【図15】リンク式回動アームの動きを示す。
【図16】リンク式回動アームを複数設けた例を示す。
【図17】リンク式回動アームの配置例を示す。
【図18】リンク式回動アームの配置例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る防水扉装置10の全体構成例を図1に示す。
防水装置10は建築物等の出入口の床面に埋設する略箱形の収納部12と、この収納部に水平状態で収納し、起立状態になると出入口を閉塞する防水扉(以下、扉と称する)11を有する。
収納部12は縦壁12a、扉起立側の縦壁12b、及び左右の側壁12c、12dで形成され、扉11が収納された状態(平常時)では、図7(a)に示すように、収納部12の開口部を扉11が塞ぎ、この上を通行できるようになっている。
なお、図示を省略したが扉11の収納された状態をロックできるようになっている。
【0014】
扉11の裏面側と収納部12との間には、扉11を手で持ち上げ起立状態にするのを補助するための第1回動アーム13及び第2回動アーム14を有する。
本実施例は2本の回動アームを備えた例を示すが2本以上であれば数に制限はない。
扉の回動部には扉11が起立する際に扉の側部が収納部の縦壁と干渉するのを防止しつつ、起立状態で建物側にスライドし、シール圧を向上させるスライド支時カム装置30を有し、扉の起立状態をロックする起立保持装置20を有する。
【0015】
回動アームの構造について説明する。
図3は回動アームとその両側に設けたトーションバネ15の組立平面図を示し、図4〜6には回動アームと片側のトーションバネとの構成例を示す。
本実施例では第1回動アーム13と第2回動アーム14とを同じ構造にし、復元位置(角度)のみを変化させた例を示し、以下、第1回動アーム13を例に説明する(以下、必要に応じて単に回動アームと称する)。
回動アーム13は先端部13aが扉11の裏面側に当接し、押し上げるようになっていて扉の起立角度に応じて当接位置が移動しやすいように車輪を取り付けた例になっている。
回動アーム13の根元側にはトーションバネ15との連結部13bを有し、トーションバネ15の復元力又はこの復元力に対抗して回動する。
収納部12の底部に固定したベース部16aからシャフト16eを支持する軸受け部16bを立設し、回動アーム13は両側の軸受け部16bにてシャフト16e及びトーションバネ15を介して回動可能に支持されている。
本実施例ではトーションバネ15として径の大きいコイルバネ大15aと、それよりも径が小さく、コイルバネ大15aの内側に配設したコイルバネ小15bとの二重構造を採用した。
コイルバネ大小の一方の固定端部15c、15dは回動アーム13の連結部13bの側面に設けた差し込み孔13cに差し込み固定し、他方の固定端部15c、15dは固定盤16cの側面差し込み孔16j、16kに差し込み固定される。
この固定盤16cは軸受け部16bに設けた円弧状長孔16dに挿通したボルト16fでめねじ部16iに締結されていて、このボルト16fをゆるめ、例えば図3に示すように棒状の治具40を固定盤16cの外周部に設けた差し込み孔16gに差し込み回動調整可能になっている。
これにより、トーションバネの復元力を調整することができる。
本実施例では、図1及び2に示すように第1回動アーム13は扉11が約45度傾斜した際に先端部13aが扉11の裏面に当接し、第2回動アーム14は扉11の起立状態にてすでに扉11の裏面に当接し、扉の起立方向に付勢力が働くようになっている。
このように第1回動アーム13と第2回動アーム14とで扉11の裏面との当接角度を異ならせた場合にトーションバネ15による復元力の発生位置が異なることになる。
例えば図2(a)に示した扉11が収納部12に収納された状態からロックを解除し、回動し始める状態では最も大きなトルクが必要であり、第1及び第2回動アームの両方にて押し上げる。
図2(c)に示すように扉が約45度位まで起立方向に回動すると扉の重心が回動軸側に移動し、第1回動アーム13の復元力が無くなっても第2回動アーム14の復元力のみで起立方向に補助する。
逆に扉11を手で収納方向に倒し込む場合には、扉の重量を当初は第2回動アームで支えるように補助を受けながら回動し、扉の重心が外側に移動し、重くなると2本の回動アームにて支えるように倒れるので操作する人は小さな反発力に対抗しつつ扉11を収納部12に収納できる。
【0016】
次にスライド支持カム装置30について説明する。
扉11の裏面で下端部aより少し上部部分をカム34に連結部11aにて連結したスライド支持カム装置30に固定してある。
図10は左右一対のスライダー支持部32のうち、手前側を除いた状態を示し、スライド支持カム装置30は、底部側に固定するベース部31から左右対向して立設したスライダー支持部32を有し、このスライダー支持部32の対向面にスライド溝部32aを形成し、このスライド溝32aに沿って、水平方向にスライダー33が移動自在になっている。
左右のスライダー33はカム34とピン33bを介して回動自在に連結してある。
カム34は、略斜め「へ」字状のカム溝34aを形成し、このカム溝34aに挿通したシャフト35を介してスライダー支持部32に連結してある。
扉の重量は主にスライダー33にて支持し、扉の回動支点はピン33bとなる。
これにより、扉が約45度起立するまでは、図4に示すように駆動リンク21が回動し、連動リンク22により扉が起立する際に、図10に示すように、カム溝34aが扉の回動支点33b側に向けて斜め下方に形成してあるので、扉11がカム溝34aに沿って、出入口の閉塞とは反対方向に移動する。
この動きにより、扉の端部aが収納部の縦壁12bより離れるように動き、縦壁と扉端部aが干渉するのを防止する。
【0017】
扉11が約45度以上に起立すると、図9及び図10に示すように、カム溝34aが上記とは逆に、扉11の回動支点33bとは離れるように斜め下方に向けて形成してあるので、扉11の重量をスライダー33にて支えながらカム溝34aに沿って、閉塞側に水平移動する。
これにより、扉11が立設した図9(c)に示す状態では、扉11の表面が出入口に設けた建築物側のシール部材1に圧接するようになる。
【0018】
次に起立保持装置20について図11、12に基づいて説明する。
起立保持装置20は扉11が不本意に収納側に倒れるのを防止する。
扉11の裏面に軸部21aで軸連結した第1リンク21及び第1リンクの扉11とは反対側の軸部22aで軸連結した第2リンク22とを有し、第1リンク21と第2リンク22とは、軸部22aが扉11とは反対方向に移動するように屈曲することで扉11が収納部12に収納され、扉11が起立すると、それに伴って第1リンク21と第2リンク22とが展開し、扉11の起立状態では図11(c)、図12に示すように直線状になる。
この際に直線状態をロックするためにロックピン25を有し、第1リンク21の仮置き孔21cに差してあったロックピン25を抜き、第1リンク21のピン孔21bと第2リンクのピン孔22bとが合致した状態で、このピン孔にロックピン25を差し込む。
これにより第1リンク21と第2リンク22が不本意に屈曲するのを防止する。
なお、ロックピン25は取付け部25bに紐25aで繋いである。
また、第2リンク22の上面に沿って、プレート22cを第1リンク21側の上面に突出してあり、反対側に折れ曲がるのを防止する。
扉11を収納する際にはフットアーム23のフットプレート23bを踏むとフットアーム23と第2リンク22とを軸連結部23aで軸連結した先に設けた作用部23cが第2リンク22の下側をてこの原理で押し上げ、第1リンク21と第2リンク22とが折れ曲がる方向に回動し扉が傾倒する。
【0019】
上記の実施例にあっては、扉を押し上げて回動するための回動アームと、扉の起立状態を水圧に耐えるように保持するための起立保持装置とが別々に設けられている。
本実施例は、回動アームの先端がローラ部材を介して扉の裏面に接しているので扉の水平移動に伴う回動アームの長さ調整が容易である利点があるものの、回動アームの設置スペースと起立保持装置の設置スペースの両方が必要となる。
そこで次に回動アームと起立保持装置とを一体化し省スペース化を図るのに有効な実施例について説明する。
【0020】
図13にリンク方式の回動アームの構造例を示し、その部品構成例を図14に示す。
軸受部材116hに軸支されコイル状のトーションバネ15により扉起立方向にバネ付勢されたシャフト116cを有する。
回動ブラケット116aをシャフト116cに沿わせ、締め付けブラケット116bとこの回動ブラケット116aとをボルト116dにて締結し、シャフト116cの回動によりこの回動ブラケット116aが回動する。
回動ブラケット116aのシャフト116cの取付け時にシャフト116cの回動位置を調整することでトーションバネ15による復元力の大きさを調整する。
回動ブラケット116aの側面には2つの取付孔116fを有し、この取付孔を用いて回動リンク113をボルト113dで固定連結し、回動リンク113の先端側は連結孔113bを介して従動リンク213の連結孔213b及び回動ピン113aにてリンク連節してある。
従動リンク213の先端側は取付孔213cと取付ピン213aを用いて扉11の裏面に設けた軸着ブラケット11bの連結孔11cに回動自在に軸着してある。
これにより図15に示すようにバネ付勢されたシャフト116cの回動により回動リンク113が回動し、従動リンク213の先端が扉11を押し上げ起立方向に回動する。
【0021】
回動リンク113にロック孔R1を設け、これに対応して従動リンク213にロック孔R2を有する。
回動リンク113と従動リンク213とが図15(b)、(c)に示すように折れ曲がった状態ではロック孔R1,R2の位置がずれているが、図15(a)に示すように回動リンク113と従動リンク213が直線上に伸長した状態ではロック孔R1,R2の位置が一致し、この状態でロックピン25をロック孔R1,R2に差し込むことで起立保持状態が維持でき、且つ、不本意に扉が倒れ込むのを防止する。
また本実施例では、先の実施例と同様にフットアーム23をシャフト116cに回動自在に取り付けてあり、フットアーム23は足で踏み込むためのフットプレート23bと対向して作用部23cを有し、図15(a)に示すように回動リンク113及び従動リンク213が直線上になった状態では回動ブラケット116aに締結した締め付けブラケット116bの扉側に突出部116gを有し、この下側にフットアーム23の作用部23cが位置するようになっている。
これによりロックピン25を取り外し、フットプレート23bを足で踏むと作用部23cが締め付けブラケット116bの扉側の突出部116gを押し上げ、これにより、回動ブラケット116aが扉の閉じる方向に少し回動し、リンクが連節部で折れ曲がり、それ以降は手で扉を閉じることができる。
【0022】
リンク式回動アーム1つでもスペースがコンパクトになるメリットがあるが図16には上記リンク式回動アームを2つ、バネ付勢力及び取付位置をずらして配設した例を示す。
なお、スライド支持カム装置も所定の間隔をあけて取り付けてある。
このようにすると、扉の押し上げに寄与するバネの復元力の大きさに差が生じ、扉が水平方向に閉じた状態から起立方向初期には、それぞれのリンク式回動アームの復元力が作用し、大きなトルクを発生させ複数のリンク式回動アームの復元力に差があるので、扉11の起立角度が大きくなるにつれて1つのトーションバネの回動復帰による復元力の減少以上に大きく減少させることができる。
これにより扉11を手で閉じる際には起立状態からの回動初期に小さな力で回動し、扉11が倒れ込み重心が扉先端側に移動するにつれて、複数のリンク式回動アームのトータル復元力で支えるようにしつつ、従来のような大きな反発力が生じることなく完全に扉を閉じることができる。
【0023】
図17は小さな扉11に対して1つのリンク式回動アーム113,213を配置した例を示し、図18(a)に大きな扉11に対して3つのリンク式回動アーム(113,213)、(114,214)を配設した例を示し、図18(b)にシャフトを長くすることで両側に2つのリンク式回動アームを配設した例を示すように、各種組み合せによる扉装置となることができる。
【符号の説明】
【0024】
10 防水扉装置
11 防水扉
12 収納部
13 第1回動アーム
14 第2回動アーム
15 トーションバネ
16 復元力調整部
20 起立保持装置
30 スライド支持カム装置
113 回動リンク
213 従動リンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、
防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする防水扉装置。
【請求項2】
回動アームはトーションバネにより防水扉の起立方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の防水扉装置。
【請求項3】
トーションバネの復元力が調整可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の防水扉装置。
【請求項4】
回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水扉装置。
【請求項5】
防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態となることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、
防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを有し、回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げるものであり、回動リンクと従動リンクとの直線状伸長状態をロックするロック手段を有することを特徴とする防水扉装置。
【請求項6】
防水扉の回動支点はスライド支持カム装置により支持され、当該スライド支持カム装置は、扉の回動支点を支持するスライダーと、回動支点を出入口閉塞方向に移動するカムを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防水扉装置。
【請求項1】
防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態になることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、
防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを複数本有し、当該複数本の回動アームの復元力に差を設けたことを特徴とする防水扉装置。
【請求項2】
回動アームはトーションバネにより防水扉の起立方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の防水扉装置。
【請求項3】
トーションバネの復元力が調整可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の防水扉装置。
【請求項4】
回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水扉装置。
【請求項5】
防水扉を出入口の床面に設けた収納部に概ね水平状態に収納し、当該防水扉が回動し起立状態となることで当該出入口を閉塞する防水扉装置であって、
防水扉はアームの先端部で防水扉の裏面側を押し上げる復元力が付加された回動アームを有し、回動アームは、復元力が付加された回動リンクと、先端部が防水扉の裏面側に枢着された従動リンクとのリンク構造になっていて、従動リンクは回動リンクの起立方向の回動に従動し、前記防水扉を起立方向に押し上げるものであり、回動リンクと従動リンクとの直線状伸長状態をロックするロック手段を有することを特徴とする防水扉装置。
【請求項6】
防水扉の回動支点はスライド支持カム装置により支持され、当該スライド支持カム装置は、扉の回動支点を支持するスライダーと、回動支点を出入口閉塞方向に移動するカムを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防水扉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−140786(P2011−140786A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1396(P2010−1396)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(000154495)株式会社福井鉄工所 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(000154495)株式会社福井鉄工所 (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]