説明

手摺り

【課題】 建造物側である下地部分の曲線形状に一致した曲面形状を持つ手摺りを得る。
【解決手段】 所定の間隔をおいて縦方向に配置される複数個の手摺り子30と、左右両端が固定されており複数個の手摺り子の上端を同時に支持する上横芯材20と、上横芯材を覆う被覆部材40とを少なくとも備える。そこにおいて、上横芯材20は、断面形状が略長方形である長尺の板材21であり、長方形の長辺を垂直として横方向に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物に付設される手摺りに関し、特に、設置箇所の下地部分が曲線形状をなすベランダなどにおいて、その曲線に沿うようにして手摺り子を容易に配設することを可能とした手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
ベランダや階段における手摺り、橋の欄干としての手摺り、ショッピングモールなどでの装飾用の手摺り、公園の池の回りに設けられる手摺り、など多くの手摺りが存在する。それらの手摺りは、多数本の手摺り子と、手摺り子の上端を支持する上横芯材と、手摺り子の下端を支持する下地部分または下横芯材と、上横芯材と用いられる場合には下横芯材の両端を固定的に支持する縦支柱などで構成される。
【0003】
使用箇所や使用目的に応じて、すべての部材を、木質材料、金属材料、樹脂材料、石材などで作る場合もあり、構造的な強度は芯材に持たせ、外観形状は該芯材を発泡樹脂製の装飾部材のような材料で被覆することにより得るようにした手摺りも多用されている。後者の手摺りの一例が特許文献1に記載されており、そこでは、手摺り子は手摺り子用縦芯材とそれを被覆する発泡樹脂製の装飾部材で構成され、また、手摺り子を支持する上横芯材と下横芯材、および上横芯材と下横芯材の両端を固定する縦支柱は、ともに、発泡樹脂製の装飾部材で被覆されている。このような手摺りは、軽量でありかつ任意の外観形状を容易に持たせることができる利点がある。
【0004】
手摺りを施工する場合、下地部分が直線である場合には、上横芯材や下横芯材も直線的な形状でよく、その製造もまた現場での位置あわせも容易である。しかし、下地部分が曲線形状であるベランダなどに曲線に沿って手摺りを施工するような場合には、上横芯材や下横芯材をその曲線に合致した形状に製造する必要があり、現場での位置あわせが困難となる場合が起こる。
【0005】
特許文献2には手摺り子を支持する横芯材を、樹脂製バーの軸芯に心金を通した構造の筒状の可撓性部材、あるいは多数枚の平板をリンクを介して接続した屈曲部材で構成した手摺りが記載されている。このような筒状の可撓性部材あるいは水平方向に屈曲自在な部材を上下の横芯材として用い、その間に手摺り子を支持することにより、施工現場で下地部分の曲線に対する位置合わせ行いながら手摺りを作っていくことが、ある程度は可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−146988号公報
【特許文献2】特開平5−340053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献2に記載される形状の横芯材、すなわち複数個の手摺り子の上下端を同時に支持するための部材は、変形可能であり作業の自由度が高い。しかし、記載される筒状の可撓性部材は垂直方向へも曲がってしまうので、水平に多数個の手摺り子を設置する部材としては現場調整が容易でない。また、多数枚の平板をリンクを介して接続した屈曲部材は、部品数が多く組み立ても容易でないとともに、それを手摺りの上横芯材として用いる場合には、やはり鉛直方向への曲がりに注意を払いながら手摺り子との組み付けを行うことが必要であり、現場調整作業は容易とはいえない。さらに、屈曲部材の全体を装飾部材で被覆することは困難であり、外観意匠性を低下させる恐れもある。
【0008】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、下地部分が水平方向に湾曲した曲線形状をなしている箇所においても、その曲線に対応するように容易に加工することができかつ施工することのできる手摺りを提供することを目的とする。さらに、高い外観意匠を要求される場合にも、それに容易に対処することのできる手摺りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による手摺りは、所定の間隔をおいて縦方向に配置される複数個の手摺り子と、両端が固定されており複数個の手摺り子の上端を同時に支持する上横芯材と、上横芯材を覆う被覆部材とを少なくとも備える手摺りであって、上横芯材は断面形状が略長方形である長尺の板材であり、長方形の長辺を垂直として横方向に配置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明による手摺りでは、手摺り子の上端側を支持する上横芯材として、断面形状が略長方形である長尺の板材を用い、それを長方形の長辺を垂直とした姿勢で用いている。この形状の上横芯材は、水平方向にはほぼ自由に湾曲した形状をとることができるので、その形状を建造物側である下地部分の曲線形状に容易に一致させることができる。一方、鉛直方向には曲がらないので、施工現場での手摺り子との組み付け作業はきわめて容易である。また、上横芯材は被覆部材で被覆されるので、外観意匠も向上する。
【0011】
好ましくは、板材の側面には、パイプなど適宜の受け部材が手摺り子の配置ピッチに合わせて必要個数だけ取り付けられ、その受け部材に手摺り子の上端を挿入する等により、手摺り子の上端の位置決めが行われる。
【0012】
本発明による手摺りにおいて、手摺り子の下端側の取り付け態様は任意であるが、例えば建造物側の下地部分に直接取り付ける場合に、下地部分の曲がりがどのようなものであっても、下地部分の手摺り子の取り付けピッチと、上横芯材の受け部材の配置ピッチとを合わせておけば、上横芯材は水平方向には任意の曲がることができるので、下地部分の曲がりに沿った形状の手摺りを確実に構築することができる。下地部分の曲がりに施工誤差が生じたような場合でも、それに容易に対処できる。
【0013】
本発明による手摺りにおいて、複数個の手摺り子の下端を、前記した上横芯材と同じ下横芯材により支持するようにしてもよい。この場合でも、上横芯材と下横芯材の双方に設ける手摺り子受け部材の配置ピッチを等しくしておくことにより、容易かつ確実に任意の曲率あるいは曲がりを持つ手摺りが得られる。
【0014】
上横芯材および下横芯材は、全体が長手方向に直線状をなす単に平板状のものであってもよく、長手方向に走る波形形状をなすものであってもよい。後者の場合には、施工現場での水平方向の曲げ加工が一層容易となる利点がある。
【0015】
本発明による手摺りにおいて、上横芯材や下横芯材の両端は建物構造部に固定されていてもよく、建物構造部に立設した縦支柱に対して固定されていてもよい。施工現場の状況に応じて、適宜選択すればよい。
【0016】
本発明において、手摺り子は、その上下端に上横芯材や下支持部材あるいは下地部分への取り付け部を備えることを条件に、任意の構成および形状のものを用いることができる。しかし、内部を貫通する手摺り子用縦芯材を有し、該手摺り子用縦芯材の周囲に発泡樹脂製の装飾部材が装着されている形態の手摺り子部材は、軽量化と外観意匠の観点から好ましい。その際に、発泡樹脂製である装飾部材の耐候性や耐衝撃性を向上させるために補強層を設けることはさらに好ましい。
【0017】
また、上横芯材や下横芯材を覆う被覆部材も、限定されるものではないが、加工性と施工性、また軽量化と外観意匠の観点から、発泡樹脂製の装飾部材であることが好ましく、特に施工性の観点から、長手方向に沿って2分割されている装飾部材であることがより好ましい。この場合にも、装飾部材の耐候性や耐衝撃性を向上させるために、表面を適宜の補強層で覆うことが好ましい。
【0018】
前記のように、上横芯材や下横芯材の左右両端を建物構造部に立設した縦支柱に固定する場合も、軽量化と外観意匠の観点から、当該縦支柱は、内部を貫通する縦支柱用縦芯材を有し、その周囲に発泡樹脂製の装飾部材を装着している形態であることは好ましく、さらに、発泡樹脂製の装飾部材が同様な補強層を備えることはさらに好ましい。
【0019】
本発明による手摺りにおいて、好ましくは用いられる構造部材として機能する手摺り子用縦芯材および縦支柱用縦芯材は、手摺りに掛かる荷重を支えることができる強度を持つことを条件に任意の材料であってよいが、施工性などの観点から、木質材料、金属材料、樹脂材料などは好ましい材料である。上横芯材と下横芯材の材料は、曲げ加工が容易であることから、金属材料や樹脂材料が好ましい。
【0020】
本発明において、用いる場合のそれぞれの被覆部材の樹脂材料には、スチレン系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂を発泡させたものであることが好ましい。しかし、それに限らない。また、これら樹脂発泡体はビーズ型内発泡品でもよく、硬質ウレタンの型内発泡品を使用することもできる。樹脂と発泡剤との混合物を押出機で押出発泡させる方法で得られる押出発泡品でもよい。これら発泡品には適宜造形を施すこともできる。造形する方法として、例えば熱線ヒータを使用して切断する方法を用いることができる。これら発泡体の発泡倍率は5〜100倍、好ましくは20〜60倍が好適である。
【0021】
補強層は、従来のこの種建築用装飾材で表面層を形成するものとして使用されてきたものを任意に用いることができる。例えば、適宜の骨材や合成樹脂系エマルジョンを含んだモルタル組成物(ポリマーセメントモルタル、左官用既調合モルタル、軽量サンドモルタルなど)や石膏系組成物、骨材を混入した樹脂系組成物のようなものが好ましい。耐候性のある樹脂系塗材、例えば、アクリル系樹脂塗材、アクリルウレタン系樹脂塗材、アクリルシリコン系樹脂塗材、ウレタン系樹脂塗材などを用いることもできる。なかでも、速硬化性・無溶剤のウレタン樹脂(エフレタン:商標名)が好ましい。塗り厚は1回0.5mmであり、0.5mm〜10mmの範囲で主にスプレー状に吹き付ける。外観仕上げの点およびコスト面から3〜4回吹き付けで約1.5mm〜2.0mmがより好ましい。従来この種の建築用装飾材で中間層として使用されてきた耐アルカリ性のネット状物を用いることもできる。例えば、無機繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維や炭素繊維が挙げられる。セラミック繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、ポリチラノカルボシラン繊維、カルボシラン繊維などが挙げられる。中でも、ガラス繊維が入手価格の点、取り扱い易さの点などから、好適に使用できる。これらの無機繊維を織るまたは編むことによりネット状物を得ることができる。繊維強化モルタルなどであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、加工と施工が容易でありながら、建造物側である下地部分の曲線形状に一致した曲面形状を持つ手摺りが容易に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明による手摺りを好ましい実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による手摺りの概要を説明するための図であり、図2はそこで用いる上または下横芯材を説明する斜視図である。図3は本発明による手摺りの一形態を分解して示す斜視図であり、図4はそれを側方から見た断面図である。図5は組み立て後の手摺りを一部断面で示す側面図であり、図6は本発明による手摺りの他の形態を一部断面で示す側面図である。図7は本発明による手摺りのさらに他の形態を示す図3に相当する図であり、図8はそれを側方から見た図4に相当する図である。図9は組み立て後の手摺りを一部断面で示す側面図であり、図10は本発明による手摺りのさらに他の形態を一部断面で示す側面図である。
【0024】
図1で、1は建物構造部を示しており、ここでは前縁2が前方に向けて凸状に湾曲した曲線となったベランダ3を例示している。このベランダ3を下地部材とし、その湾曲した前縁2にほぼ沿うようにして手摺り10を構築する場合を例として、以下に、本発明による手摺り10の第1の形態を説明する。
【0025】
図1に示す手摺り10は、上横芯材20と、多数本の手摺り子30と、上横芯材20を被覆する被覆部材40、とを基本的に備える(なお、被覆部材40は図1には示されない)。上横芯材20は、図2aに示すように、断面形状が略長方形である長尺の板材21であり、長方形の長辺を垂直とした姿勢で横方向に配置される。下地部材であるベランダ3の上面側には、適宜のピッチでかつ湾曲した前縁2に沿うようにしての多数のアンカー部材4が埋め込まれており、このアンカー部材4のピッチと同じピッチで、前記上横芯材20を構成する板部材21の側面には、鉛直方向にパイプ22が溶着されている。アンカー部材4は手摺り子30の下端側を支承する受け部材として機能し、パイプ22が手摺り子30の上端側を支承する受け部材として機能する。
【0026】
手摺り子30は、図3、図4に示すように、ビーズ型内発泡成形法などで適宜形状に成形された発泡樹脂製の装飾部材31を有し、その外側表面は適宜の補強層32で覆われている。装飾部材31の中心には鉛直方向に貫通孔33が形成されており、該貫通孔33には手摺り子用縦芯材34が挿通されている。この例において、手摺り子用縦芯材34は長尺のネジ鋼棒であり、その下端は下地部材側のアンカー部材4にネジ込まれる。
【0027】
上横芯材20を被覆する被覆部材40は、この例では下被覆部材41と上被覆部材42に2分割されており、いずれも、ビーズ型内発泡成形法などで成形された発泡樹脂製の装飾部材43、44を有し、互いに対向する面を除き、その他の面には、手摺り子30と同様、適宜の補強層45、46が形成されている。被覆部材40は、全体として、前記多数のアンカー部材4が形成する曲がり形状に一致するあるいはほぼ一致する曲率を有しており、下被覆部材41には、前記した上横芯材20が長方形断面の長辺を垂直とした姿勢で入り込むことのできる溝47が長手方向に形成されている。また、上横芯材20に溶着したパイプ22が位置する箇所には、貫通孔48とされている。
【0028】
施工に際して、下被覆部材41の溝47内に上横芯材20を埋め込む。埋め込む前は、上横芯材20はほぼ直線状であるが、板材21の断面形状とその姿勢は前記のとおりであり、水平方向には容易に曲がることができるので、下被覆部材41の溝47内に埋め込むことは容易である。一方、ベランダ3の上面側に埋め込んだ各アンカー部材4に対して、手摺り子30の前記手摺り子用縦芯材34の下端をネジ込みながら、必要本数の手摺り子30を立設する。それにより、図1に示すように、湾曲した姿勢で多数本の手摺り子30が立設した姿勢となる。
【0029】
そこに、溝47内に上横芯材20を埋め込んだ下被覆部材41を、そのパイプ22内に手摺り子用縦芯材34の上端が通過するようにして取り付け、その両端を建物側に固定する。この例では、建物側、すなわちベランダの一部である建物構造部に立設した縦支柱50の内部を貫通する縦支柱用縦芯材51に上横芯材20の端部をネジ止め固定している。また、図示の例で、縦支柱用縦芯材51の周囲には発泡樹脂製の装飾部材52が装着されており、その表面には、上横芯材20の場合と同様の補強層が形成されている。
【0030】
アンカー部材4が形成する曲がりと下被覆部材41の曲がりが完全に一致していれば、下被覆部材41の手摺り子30側への取り付けは容易である。しかし、両者間に多少の製造誤差あるいは施工誤差があっても、下被覆部材41は発泡樹脂製であって柔軟性があり加工性に優れており、上横芯材20も水平方向には曲がりやすいので、施工現場で曲がりを調整しながら、両者を一体に組み付けることは容易である。また、誤差の大きい場合であっても、発泡樹脂製でありカッターなどの簡易な工具で容易に加工できるので、組み付けることは容易である。
【0031】
その後、必要に応じて、手摺り子用縦芯材34の上端にナット49をネジ込んで、上横芯材20と手摺り子30との組み付けを安定させ、その後、接着剤などを用いて、上被覆部材42を下被覆部材41に貼り付ける。それにより、図5に示すような手摺り10が完成する。
【0032】
なお、下被覆部材41に形成する前記溝47は、上被覆部材42側に形成してもよく、両方に形成してもよい。この場合も、上被覆部材42も発泡樹脂製であり柔軟性があり加工性にも優れているので、施工現場での調整は同様にして行うことができる。
【0033】
図6は、本発明による手摺り10の第2の形態を示しており、ここでは、上横芯材20の建物側への固定が、建物構造部に立設した縦支柱50にではなく、建物構造部に埋め込んだアンカー4aに対してなされている点で、上記した第1の形態のものと異なっている。この場合でも、本発明による上横芯材20の持つ優位性は第1の形態で説明したと同じようにして発揮されることは説明を要しない。なお、同じ機能を奏する部材には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0034】
図7〜図9に示す第3の形態の手摺り10は、手摺り子30の下端部が、建物構造部ではなく、下横芯材20Aにより固定されている点で第1の形態と相違しており、他の構成は第1の形態と同じである。同じ機能を奏する部材には同じ符号を付し、説明は省略する。下横芯材20Aの構成は、上記した上横芯材20と同じであり、その両端は、建物構造部に立設した縦支柱50の内部を貫通する縦支柱用縦芯材51にネジ止め固定されている。また、下横芯材20Aは、下被覆部材41Aと上被覆部材42Aとからなる被覆部材40Aで全体が被覆されている。被覆部材40Aは上横芯材20を被覆する被覆部材40と同じものであるが、下被覆部材41Aと上被覆部材42Aは、図示のように、上横芯材20に対する場合と上下を反転させて用いられている。また、ベランダ3側にはアンカー部材4は埋め込まれない。この第3の形態による手摺りにおいても、本発明による上横芯材20(および下横芯材20A)の持つ優位性は第1の形態で説明したと同じようにして発揮されることは容易に理解されよう。
【0035】
図10に示す第4の形態の手摺り10は、上横芯材20と下横芯材20Aの建物側への固定が、建物構造部に立設した縦支柱50にではなく、建物構造部に埋め込んだアンカー4aに対してなされている点で、上記した第3の形態のものと異なっている。この場合でも、本発明による上横芯材20の持つ優位性は第1の形態で説明したと同じようにして発揮されることは説明を要しない。なお、ここでも、同じ機能を奏する部材には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0036】
上記の各形態では、上横芯材20あるいは下横芯材20Aとして、図2aに示すように、板材21として、長手方向に直線状をなす単に平板状のものを用いるようにしたが、図2bに示すように、長手方向に走る波形形状をなす板材21aを用いることもできる。この場合は、施工現場での水平方向の曲げ加工が一層容易となる利点がある。
【0037】
さらに、上記の各形態では、上横芯材20あるいは下横芯材20Aを被覆する被覆部材40、40Aを2分割したものとして示したが、上横芯材20あるいは下横芯材20Aが覆われることが条件に、1つの部材で構成することもできる。その場合には、上横芯材20あるいは下横芯材20Aを取り付けた後に、被覆部材を上からあるいは下から、装着することも可能となる。また、本発明による手摺りは曲面状をなす手摺りとして好適なものであるが、直線上の手摺りであっても、同じようにして構築できることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による手摺りの概要を説明する図。
【図2】本発明による手摺りで用いる上または下横芯材を説明する斜視図。
【図3】図3は本発明による手摺りの第1の形態を分解して示す斜視図。
【図4】図3に示す手摺りを側方から見た断面図。
【図5】組み立て後の第1の形態の手摺りを一部断面で示す側面図。
【図6】本発明による手摺りの第2の形態を示す図5に相当する図。
【図7】本発明による手摺りの第3の形態を示す図3に相当する図。
【図8】図8に示す手摺りを側方から見た、図4に相当する図。
【図9】組み立て後の第3の形態の手摺りを一部断面で示す側面図。
【図10】本発明による手摺りの第4の形態を示す図9に相当する図。
【符号の説明】
【0039】
1…建物構造部、2…前縁、3…ベランダ、4、4a…アンカー、10…手摺り、20…上横芯材、20A…下横芯材、21…長尺の板材、22…パイプ(手摺り子の受け部材)、30…手摺り子、31、43、44…装飾部材、32、45、46…補強層、33…貫通孔、34…手摺り子用縦芯材、40、40A…被覆部材、41、41A…下被覆部材、42、42A…上被覆部材、47…溝、50…縦支柱、51…縦支柱用縦芯材、52…装飾部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔をおいて縦方向に配置される複数個の手摺り子と、左右両端が固定されており複数個の手摺り子の上端を同時に支持する上横芯材と、上横芯材を覆う被覆部材とを少なくとも備える手摺りであって、上横芯材は断面形状が略長方形である長尺の板材であり、長方形の長辺を垂直として横方向に配置されていることを特徴とする手摺り。
【請求項2】
手摺り子の下端は建物構造部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の手摺り。
【請求項3】
左右両端が固定されており複数個の手摺り子の下端を同時に支持する下横芯材と、下横芯材を覆う被覆部材とをさらに備えており、下横芯材は断面形状が略長方形である長尺の板材であり、長方形の長辺を垂直として横方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の手摺り。
【請求項4】
上横芯材およびまたは下支持部材の両端は、建物構造部およびまたは建物構造部に立設した縦支柱に対して固定されていることを特徴とする請求項1または3に記載の手摺り。
【請求項5】
手摺り子は内部を貫通する手摺り子用縦芯材を有しており、手摺り子用縦芯材の周囲には発泡樹脂製の装飾部材が装着されていることを特徴とする請求項1または3に記載の手摺り。
【請求項6】
発泡樹脂製の装飾部材は補強層を備えることを特徴とする請求項5に記載の手摺り。
【請求項7】
上横芯材およびまたは下横心材を覆う被覆部材は発泡樹脂製の装飾部材でありかつ長手方向に沿って2分割されていることを特徴とする請求項1または3に記載の手摺り。
【請求項8】
発泡樹脂製の装飾部材は補強層を備えることを特徴とする請求項7に記載の手摺り。
【請求項9】
縦支柱がある場合、縦支柱は内部を貫通する縦支柱用縦芯材を有しており、縦支柱用縦芯材の周囲には発泡樹脂製の装飾部材が装着されていることを特徴とする請求項4に記載手摺り。
【請求項10】
発泡樹脂製の装飾部材は補強層を備えることを特徴とする請求項9に記載の手摺り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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