投写型映像表示装置
【課題】 投写面上に投写される映像の視認性の向上を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、投写面400を撮像する撮像装置300と、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部250と、撮像装置300によって撮像された画像に基づいて、投写面400の色を特定する特定部260と、投写面400の色に応じて、投写面400上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う素子制御部270とを備える。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、投写面400を撮像する撮像装置300と、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部250と、撮像装置300によって撮像された画像に基づいて、投写面400の色を特定する特定部260と、投写面400の色に応じて、投写面400上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う素子制御部270とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
これに対して、外部環境(周囲の明るさ)や投写面の色に応じて、投写面上に投写される映像の色(ホワイトバランス)を補正する投写型映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−202771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、黒板などのように、投写面の光反射率が低いケースにおいて、投写面上に投写される映像の色(ホワイトバランス)を補正すると、輝度が極端に低下することが考えられる。これによって、投写面上に投写される映像の視認性が著しく低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写面上に投写される映像の視認性の向上を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、前記投写面を撮像する撮像装置(撮像装置300)と、前記投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部(抽出部250)と、前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記投写面の色を特定する特定部(特定部260)と、前記投写面の色に応じて、前記投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部(例えば、素子制御部270)とを備える。
【0008】
第1の特徴において、文字強調処理は、前記抽出された文字を太字に変換する処理、前記抽出された文字を拡大する処理、前記抽出された文字の色を変更する処理、前記抽出された文字の色及び前記抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つである。
【0009】
第1の特徴において、前記映像補正部は、前記抽出された文字以外の領域に対して、前記文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。
【0010】
第1の特徴において、前記映像補正部は、前記色補正処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定する。
【0011】
第1の特徴において、前記映像補正部は、外光量に応じて、前記投写面上に表示される映像の輝度を低下する輝度低下処理を行う。前記映像補正部は、前記輝度低下処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投写面上に投写される映像の視認性の向上を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る投写テストパターン画像における交点を算出する方法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図12】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図13】変更例1に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図14】変更例2に係る強調量を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、投写面を撮像する撮像装置と、投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部と、撮像装置によって撮像された画像に基づいて、投写面の色を特定する特定部と、投写面の色に応じて、投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部とを備える。
【0017】
実施形態では、映像補正部は、投写面の色に応じて、投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。従って、色補正処理(壁色補正)を行うことによって輝度が低下する場合であっても、文字強調処理によって文字が強調されるため、少なくとも文字の視認性の低下を抑制することができる。
【0018】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0019】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像装置300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0020】
撮像装置300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像装置300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。撮像装置300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0021】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な投写可能範囲(以下、投写可能範囲410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される投写枠を有する。
【0022】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0023】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能範囲410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能範囲410の歪みを補正する方法についても説明する。
【0024】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0025】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0026】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0027】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0028】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0029】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0030】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0031】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0032】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0033】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0034】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0035】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0036】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0037】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0038】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0039】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0040】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0041】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0042】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0043】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0044】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0045】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0046】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、算出部240と、抽出部250と、特定部260と、素子制御部270とを有する。
【0047】
映像信号受付部210は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0048】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成するテストパターン画像を記憶する。また、3つ以上の線分は、所定読み出し方向に対して傾きを有する。
【0049】
なお、所定読み出し方向は、テストパターン画像を構成する所定ラインの向き(例えば、水平方向)である。後述するように、取得部230は、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像を構成する所定ライン毎に、所定ラインに対応する撮像画像データを取得する。
【0050】
以下において、テストパターン画像の一例について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4〜図7に示すように、テストパターン画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0051】
詳細には、図4に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0052】
或いは、図5に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図6に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0053】
或いは、図6に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0054】
或いは、図7に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図7に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能範囲の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、取得部230(水平方向)に対して傾きを有する。
【0055】
取得部230は、撮像装置300から撮像画像を取得する。具体的には、取得部230は、撮像装置300から、テストパターン画像における所定読み出し方向に沿ってテストパターン画像の撮像画像データを順に取得する。言い換えると、取得部230は、ラインバッファを有しており、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像を構成する所定ライン毎に、所定ラインに対応する撮像画像データをラインバッファに格納する。すなわち、取得部230は、フレームバッファを必要としないことに留意すべきである。
【0056】
取得部230は、所定読み出し方向に沿って順にラインバッファから撮像画像データを読み出し、読み出された撮像画像データに基づいて、撮像画像における3つ以上の交点を取得する。
【0057】
具体的には、取得部230は、以下の手順によって、撮像画像における3つ以上の交点を取得する。ここでは、テストパターン画像が図5に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0058】
第1に、取得部230は、図9に示すように、ラインバッファから読み出された撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを取得する。
【0059】
第2に、取得部230は、図10に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像における4つの線分(Lt1〜Lt4)を取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像における4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を取得する。
【0060】
第3に、取得部230は、図10に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像における4つの交点(Pt1〜Pt4)を取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像における4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を取得する。
【0061】
算出部240は、テストパターン画像における3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像における3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部240は、投写ユニット110の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0062】
なお、以下においては、記憶部220に記憶されたテストパターン画像を記憶テストパターン画像と称する。撮像画像に含まれるテストパターン画像を撮像テストパターン画像と称する。投写面400に投写されたテストパターン画像を投写テストパターン画像と称する。
【0063】
第1に、算出部240は、投写テストパターン画像における4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶テストパターン画像の交点Ps1、撮像テストパターン画像の交点Pt1、投写テストパターン画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0064】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図10を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0065】
(1)算出部240は、記憶テストパターン画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【数1】
【0066】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0067】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0068】
同様に、算出部240は、撮像テストパターン画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像装置300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【数2】
【0069】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0070】
ここでは、撮像装置300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像装置300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像装置300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0071】
(2)算出部240は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部240は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【数3】
【0072】
(3)算出部240は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【数4】
【0073】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像装置300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像装置300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0074】
(4)算出部240は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部240は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。或いは、算出部240は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。
【0075】
これによって、算出部240は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部240は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0076】
第2に、算出部240は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部240は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【数5】
【0077】
これによって、算出部240は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部240は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0078】
図3に戻って、抽出部250は、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する。具体的には、抽出部250は、取得部230によって撮像された画像に基づいて、既知の文字認識技術を用いて、文字を抽出してもよい。或いは、抽出部250は、映像入力信号のヒストグラム解析に基づいて、文字を抽出してもよい。例えば、文字を含む領域では、文字の色及び背景の色についてのみピーク値が観測されるため、文字を抽出することが可能である。
【0079】
例えば、取得部230によって撮像された画像に基づいて、既知の文字認識技術を用いて文字を抽出するケースでは、抽出部250は、算出部240によって算出された位置関係(投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係)に基づいて、抽出された文字の座標を特定する。
【0080】
特定部260は、取得部230によって取得される撮像画像に基づいて、投写面400の色を特定する。なお、投写面400の色を特定する場合には、後述する素子制御部270は、白色映像が投写面400に表示されるように液晶パネル50を制御する。
【0081】
素子制御部270は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。
【0082】
例えば、素子制御部270は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する。すなわち、素子制御部270は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0083】
また、第1実施形態では、素子制御部270は、(A)色補正処理及び(B)文字強調処理を行う。すなわち、素子制御部270は、映像補正部を構成する。
【0084】
(A)色補正処理では、特定部260によって特定される投写面400の色に応じて、投写面400に表示される映像の色を補正する処理である。詳細には、素子制御部270は、特定部260によって特定される投写面400の色と対応する信号成分を映像入力信号から減算する。
【0085】
(B)文字強調処理では、抽出部250によって抽出された文字を強調する処理である。文字強調処理は、抽出された文字を太字に変換する処理(太字処理)、抽出された文字を拡大する処理(拡大処理)、抽出された文字の色を変更する処理(色変更処理)、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理(反転処理)の少なくともいずれか1つである。
【0086】
なお、文字強調処理は、抽出された文字の字体を変換する処理(字体変換処理)、抽出された文字に下線を引く処理(下線処理)などであってもよい。
【0087】
また、文字強調処理の種類は、投写面400上に表示される映像に応じて選択されることが好ましい。例えば、太字処理は、いずれの映像にも適用可能である。拡大処理は、文字以外の領域(余白)を十分に有する映像に適用される。
【0088】
色変更処理は、文字と文字以外の領域(背景)との間に十分な輝度差を有する映像に適用される。例えば、色変更処理は、文字の色が青であり、文字以外の領域(背景)の色が白である場合に、文字の色を青から黒に変更する処理である。
【0089】
反転処理は、文字のみを含む映像に適用される。或いは、反転処理は、文字以外の領域(背景)の輝度が文字の輝度よりも高い映像に適用される。例えば、反転処理は、文字の色が黒であり、文字以外の領域(背景)の色が白である場合に、文字の色を白に変更し、文字以外の領域(背景)の色を黒に変更する処理である。
【0090】
字体変換処理及び下線処理は、例えば、太字及び細字が混在する映像に適用される。このような映像に対して太字処理が適用されると、太字及び細字の区別がつきにくくなる。従って、このようなケースにおいて、字体変換処理又は下線処理は、太字処理が適用される前に既に太字であった文字に適用される。
【0091】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0092】
図11に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、準備画像を表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写面400上に準備画像を投写する。
【0093】
なお、準備画像は、例えば、ブルーバックの画像であってもよく、ブラックバックの画像であってもよい。
【0094】
ステップ20において、撮像装置300は、投写面400を撮像する。具体的には、撮像装置300は、投写面400に設けられた投写可能範囲410を撮像する。
【0095】
なお、ステップ20では、投写型映像表示装置100は、投写可能範囲410を特定できるように、投写面400上に白色映像を表示することが好ましい。
【0096】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にテストパターン画像を表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写可能範囲410上にテストパターン画像を投写する。
【0097】
ステップ40において、撮像装置300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像装置300は、投写可能範囲410上に投写されたテストパターン画像を撮像する。
【0098】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、準備画像を再表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写面400上に準備画像を投写する。
【0099】
ステップ60において、投写型映像表示装置100は、撮像画像を構成する所定ライン毎に取得された撮像画像データに基づいて、テストパターン画像における3つ以上の交点を取得する。
【0100】
ステップ70において、投写型映像表示装置100は、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像の撮像画像に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、投写型映像表示装置100は、テストパターン画像における4つの交点(Ps1〜Ps4)及び撮像画像における4つの交点(Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。
【0101】
ステップ80において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に投写される映像を補正する。投写面400上に投写される映像の補正は、(1)映像の台形補正、(2)フォーカス補正、(3)ズーム補正(レンズシフト補正或いは光学補正)、(4)映像の局所歪み補正などである。
【0102】
ステップ90において、投写型映像表示装置100は、投写面400の色に応じて、投写面400に表示される映像の色を補正する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御によって、投写面400上に表示される映像の色を補正する。
【0103】
ステップ100において、投写型映像表示装置100は、強調処理を行う。強調処理の詳細については、図12を参照しながら説明する。
【0104】
図12に示すように、ステップ110において、投写型映像表示装置100は、対象領域をセットする。対象領域は、1画素であってもよく、複数の画素の集合であってもよい。或いは、対象領域は、フレーム全体であってもよい。或いは、対象領域は、投写面400に表示される映像を複数に分割した領域であってもよい。或いは、対象領域は、投写面400に表示される映像全体であってもよい。
【0105】
ステップ120において、投写型映像表示装置100は、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する。
【0106】
ステップ130において、投写型映像表示装置100は、対象領域が文字を含む文字領域であるか否かを判定する。対象領域が文字領域である場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ140の処理に移る。一方で、対象領域が文字領域でない場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ150の処理に移る。
【0107】
ステップ140において、投写型映像表示装置100は、ステップ110で抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御によって、文字強調処理を行う。
【0108】
なお、文字強調処理は、上述したように、抽出された文字を太字に変換する処理、抽出された文字を拡大する処理、抽出された文字の色を変更する処理、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つである。
【0109】
なお、文字強調処理は、抽出された文字の字体を変換する処理、抽出された文字に下線を引く処理などであってもよい。
【0110】
ステップ150において、投写型映像表示装置100は、全対象領域の処理が終了しているか否かを判定する。全対象領域の処理が終了している場合には、投写型映像表示装置100は、一連の処理を終了する。一方で、全対象領域の処理が終了していない場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ120の処理に戻る。
【0111】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部270は、投写面400の色に応じて、投写面400上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。従って、色補正処理(壁色補正)を行うことによって輝度が低下する場合であっても、文字強調処理によって文字が強調されるため、少なくとも文字の視認性の低下を抑制することができる。
【0112】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例1では、文字領域以外の領域の処理について説明する。
【0113】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、変更例1に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、変更例1に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。なお、図13は、図11に示す強調処理(ステップ100)の詳細である。すなわち、図13に示すフローは、図12に示すフローの変更例である。
【0114】
なお、図13では、図12と同様のステップについては、同様の符号を付している。すなわち、図13では、ステップ160の処理が追加されている。
【0115】
ステップ160において、投写型映像表示装置100(素子制御部270)は、文字領域以外の領域に対して、文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。なお、映像強調処理は、輪郭強調処理、コントラスト強調処理及び彩度強調処理の少なくともいずれか1つである。
【0116】
なお、映像強調処理の種類は、投写面400上に表示される映像に応じて選択されることが好ましい。例えば、輪郭強調処理は、周波数が全体的に低い映像に適用される。なお、周波数が全体的に低いほど、輪郭強調処理の強調量が大きいことが好ましい。コントラスト強調処理は、コントラストが低い映像に適用される。コントラストが低いほど、コントラスト強調処理の強調量が大きいことが好ましい。彩度強調処理は、彩度が低い映像に適用される。彩度が低いほど、彩度強調処理の強調量が大きいことが好ましい。
【0117】
(作用及び効果)
変更例1では、素子制御部270は、文字領域以外の領域に対して、文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。従って、文字以外の領域の視認性も向上する。
【0118】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例2では、文字強調処理又は映像強調処理の強調量について説明する。
【0119】
具体的には、図14に示すように、文字強調処理又は映像強調処理の強調量は、輝度低下量に基づいて決定される。すなわち、上述した素子制御部270は、輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。なお、輝度低下量が大きいほど、文字強調処理又は映像強調処理の強調量が大きいことが好ましい。
【0120】
ここで、輝度低下量としては、色補正処理に伴う輝度の低下量、或いは、輝度低下処理に伴う輝度の低下量である。或いは、輝度低下量は、色補正処理に伴う輝度の低下量及び輝度低下処理に伴う輝度の低下量の合計である。
【0121】
ここで、色補正処理では、上述したように、投写面400の色に対応する信号成分が映像入力信号から減算される。従って、色補正処理に伴って映像の輝度が低下する。
【0122】
また、輝度低下処理は、外光量に応じて、光源10から出射される光量を減少する処理である。詳細には、外光量が大きい場合には、コントラストが低下するため、光源10から出射される光量の減算量が小さい。一方で、外光量が小さい場合には、コントラストが低下しないため、光源10から出射される光量が大きい。これによって、外光量が小さい場合に、光源10の消費電力を抑制することができる。このように、輝度低下処理に伴って映像の輝度が低下する。
【0123】
なお、文字強調処理の強調量は、文字の太字化度合い、文字の拡大化度合いなどである。また、映像強調処理の強調量は、輪郭強調度合い、コントラスト強調度合い、彩度強調度合いなどである。
【0124】
(作用及び効果)
変更例1では、素子制御部270は、色補正処理に伴う輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。或いは、素子制御部270は、輝度低下処理に伴う輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。従って、文字強調処理によって適切に文字の視認性を向上することができる。或いは、映像強調処理によって適切に文字以外の領域の視認性を向上することができる。
【0125】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0126】
実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルを例示したに過ぎない。光変調素子は、DMD(Digital Micromirror Device)や反射型の液晶パネルであってもよい。
【0127】
実施形態では、光源として、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)を例示した。しかしながら、光源は、白色光源であってもよい。
【0128】
実施形態では、文字強調処理及び映像強調処理が素子制御部270によって行われる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、光源10から出射される赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを個別に制御できる場合には、光源10を制御する光源制御部によって文字強調処理及び映像強調処理が行われてもよい。
【0129】
実施形態では、文字強調処理として、抽出された文字を太字に変換する処理、抽出された文字を拡大する処理、抽出された文字の色を変更する処理、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理などを例示した。これらの処理の組み合わせについては、投写面400の色に応じて決定されてもよい。
【0130】
実施形態では、映像強調処理として、輪郭強調処理、コントラスト強調処理及び彩度強調処理を例示した。これらの処理の組み合わせについては、投写面400の色に応じて決定されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…算出部、250…抽出部、260…特定部、270…素子制御部、300…撮像装置、400…投写面、410…投写可能範囲
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
これに対して、外部環境(周囲の明るさ)や投写面の色に応じて、投写面上に投写される映像の色(ホワイトバランス)を補正する投写型映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−202771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、黒板などのように、投写面の光反射率が低いケースにおいて、投写面上に投写される映像の色(ホワイトバランス)を補正すると、輝度が極端に低下することが考えられる。これによって、投写面上に投写される映像の視認性が著しく低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写面上に投写される映像の視認性の向上を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、前記投写面を撮像する撮像装置(撮像装置300)と、前記投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部(抽出部250)と、前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記投写面の色を特定する特定部(特定部260)と、前記投写面の色に応じて、前記投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部(例えば、素子制御部270)とを備える。
【0008】
第1の特徴において、文字強調処理は、前記抽出された文字を太字に変換する処理、前記抽出された文字を拡大する処理、前記抽出された文字の色を変更する処理、前記抽出された文字の色及び前記抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つである。
【0009】
第1の特徴において、前記映像補正部は、前記抽出された文字以外の領域に対して、前記文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。
【0010】
第1の特徴において、前記映像補正部は、前記色補正処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定する。
【0011】
第1の特徴において、前記映像補正部は、外光量に応じて、前記投写面上に表示される映像の輝度を低下する輝度低下処理を行う。前記映像補正部は、前記輝度低下処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投写面上に投写される映像の視認性の向上を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る投写テストパターン画像における交点を算出する方法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図12】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図13】変更例1に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図14】変更例2に係る強調量を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、投写面を撮像する撮像装置と、投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部と、撮像装置によって撮像された画像に基づいて、投写面の色を特定する特定部と、投写面の色に応じて、投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部とを備える。
【0017】
実施形態では、映像補正部は、投写面の色に応じて、投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。従って、色補正処理(壁色補正)を行うことによって輝度が低下する場合であっても、文字強調処理によって文字が強調されるため、少なくとも文字の視認性の低下を抑制することができる。
【0018】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0019】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像装置300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0020】
撮像装置300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像装置300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。撮像装置300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0021】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な投写可能範囲(以下、投写可能範囲410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される投写枠を有する。
【0022】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0023】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能範囲410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能範囲410の歪みを補正する方法についても説明する。
【0024】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0025】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0026】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0027】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0028】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0029】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0030】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0031】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0032】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0033】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0034】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0035】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0036】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0037】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0038】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0039】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0040】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0041】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0042】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0043】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0044】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0045】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0046】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、算出部240と、抽出部250と、特定部260と、素子制御部270とを有する。
【0047】
映像信号受付部210は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0048】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成するテストパターン画像を記憶する。また、3つ以上の線分は、所定読み出し方向に対して傾きを有する。
【0049】
なお、所定読み出し方向は、テストパターン画像を構成する所定ラインの向き(例えば、水平方向)である。後述するように、取得部230は、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像を構成する所定ライン毎に、所定ラインに対応する撮像画像データを取得する。
【0050】
以下において、テストパターン画像の一例について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4〜図7に示すように、テストパターン画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0051】
詳細には、図4に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0052】
或いは、図5に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図6に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0053】
或いは、図6に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定読み出し方向(水平方向)に対して傾きを有する。
【0054】
或いは、図7に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図7に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能範囲の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、取得部230(水平方向)に対して傾きを有する。
【0055】
取得部230は、撮像装置300から撮像画像を取得する。具体的には、取得部230は、撮像装置300から、テストパターン画像における所定読み出し方向に沿ってテストパターン画像の撮像画像データを順に取得する。言い換えると、取得部230は、ラインバッファを有しており、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像を構成する所定ライン毎に、所定ラインに対応する撮像画像データをラインバッファに格納する。すなわち、取得部230は、フレームバッファを必要としないことに留意すべきである。
【0056】
取得部230は、所定読み出し方向に沿って順にラインバッファから撮像画像データを読み出し、読み出された撮像画像データに基づいて、撮像画像における3つ以上の交点を取得する。
【0057】
具体的には、取得部230は、以下の手順によって、撮像画像における3つ以上の交点を取得する。ここでは、テストパターン画像が図5に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0058】
第1に、取得部230は、図9に示すように、ラインバッファから読み出された撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを取得する。
【0059】
第2に、取得部230は、図10に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像における4つの線分(Lt1〜Lt4)を取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像における4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を取得する。
【0060】
第3に、取得部230は、図10に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像における4つの交点(Pt1〜Pt4)を取得する。すなわち、取得部230は、テストパターン画像における4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を取得する。
【0061】
算出部240は、テストパターン画像における3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像における3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部240は、投写ユニット110の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0062】
なお、以下においては、記憶部220に記憶されたテストパターン画像を記憶テストパターン画像と称する。撮像画像に含まれるテストパターン画像を撮像テストパターン画像と称する。投写面400に投写されたテストパターン画像を投写テストパターン画像と称する。
【0063】
第1に、算出部240は、投写テストパターン画像における4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶テストパターン画像の交点Ps1、撮像テストパターン画像の交点Pt1、投写テストパターン画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0064】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図10を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0065】
(1)算出部240は、記憶テストパターン画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【数1】
【0066】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0067】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0068】
同様に、算出部240は、撮像テストパターン画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像装置300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【数2】
【0069】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0070】
ここでは、撮像装置300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像装置300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像装置300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0071】
(2)算出部240は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部240は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【数3】
【0072】
(3)算出部240は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【数4】
【0073】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像装置300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像装置300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0074】
(4)算出部240は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部240は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。或いは、算出部240は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。
【0075】
これによって、算出部240は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部240は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0076】
第2に、算出部240は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部240は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【数5】
【0077】
これによって、算出部240は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部240は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0078】
図3に戻って、抽出部250は、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する。具体的には、抽出部250は、取得部230によって撮像された画像に基づいて、既知の文字認識技術を用いて、文字を抽出してもよい。或いは、抽出部250は、映像入力信号のヒストグラム解析に基づいて、文字を抽出してもよい。例えば、文字を含む領域では、文字の色及び背景の色についてのみピーク値が観測されるため、文字を抽出することが可能である。
【0079】
例えば、取得部230によって撮像された画像に基づいて、既知の文字認識技術を用いて文字を抽出するケースでは、抽出部250は、算出部240によって算出された位置関係(投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係)に基づいて、抽出された文字の座標を特定する。
【0080】
特定部260は、取得部230によって取得される撮像画像に基づいて、投写面400の色を特定する。なお、投写面400の色を特定する場合には、後述する素子制御部270は、白色映像が投写面400に表示されるように液晶パネル50を制御する。
【0081】
素子制御部270は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。
【0082】
例えば、素子制御部270は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する。すなわち、素子制御部270は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0083】
また、第1実施形態では、素子制御部270は、(A)色補正処理及び(B)文字強調処理を行う。すなわち、素子制御部270は、映像補正部を構成する。
【0084】
(A)色補正処理では、特定部260によって特定される投写面400の色に応じて、投写面400に表示される映像の色を補正する処理である。詳細には、素子制御部270は、特定部260によって特定される投写面400の色と対応する信号成分を映像入力信号から減算する。
【0085】
(B)文字強調処理では、抽出部250によって抽出された文字を強調する処理である。文字強調処理は、抽出された文字を太字に変換する処理(太字処理)、抽出された文字を拡大する処理(拡大処理)、抽出された文字の色を変更する処理(色変更処理)、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理(反転処理)の少なくともいずれか1つである。
【0086】
なお、文字強調処理は、抽出された文字の字体を変換する処理(字体変換処理)、抽出された文字に下線を引く処理(下線処理)などであってもよい。
【0087】
また、文字強調処理の種類は、投写面400上に表示される映像に応じて選択されることが好ましい。例えば、太字処理は、いずれの映像にも適用可能である。拡大処理は、文字以外の領域(余白)を十分に有する映像に適用される。
【0088】
色変更処理は、文字と文字以外の領域(背景)との間に十分な輝度差を有する映像に適用される。例えば、色変更処理は、文字の色が青であり、文字以外の領域(背景)の色が白である場合に、文字の色を青から黒に変更する処理である。
【0089】
反転処理は、文字のみを含む映像に適用される。或いは、反転処理は、文字以外の領域(背景)の輝度が文字の輝度よりも高い映像に適用される。例えば、反転処理は、文字の色が黒であり、文字以外の領域(背景)の色が白である場合に、文字の色を白に変更し、文字以外の領域(背景)の色を黒に変更する処理である。
【0090】
字体変換処理及び下線処理は、例えば、太字及び細字が混在する映像に適用される。このような映像に対して太字処理が適用されると、太字及び細字の区別がつきにくくなる。従って、このようなケースにおいて、字体変換処理又は下線処理は、太字処理が適用される前に既に太字であった文字に適用される。
【0091】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0092】
図11に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、準備画像を表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写面400上に準備画像を投写する。
【0093】
なお、準備画像は、例えば、ブルーバックの画像であってもよく、ブラックバックの画像であってもよい。
【0094】
ステップ20において、撮像装置300は、投写面400を撮像する。具体的には、撮像装置300は、投写面400に設けられた投写可能範囲410を撮像する。
【0095】
なお、ステップ20では、投写型映像表示装置100は、投写可能範囲410を特定できるように、投写面400上に白色映像を表示することが好ましい。
【0096】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にテストパターン画像を表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写可能範囲410上にテストパターン画像を投写する。
【0097】
ステップ40において、撮像装置300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像装置300は、投写可能範囲410上に投写されたテストパターン画像を撮像する。
【0098】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、準備画像を再表示する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御などによって、投写面400上に準備画像を投写する。
【0099】
ステップ60において、投写型映像表示装置100は、撮像画像を構成する所定ライン毎に取得された撮像画像データに基づいて、テストパターン画像における3つ以上の交点を取得する。
【0100】
ステップ70において、投写型映像表示装置100は、撮像装置300によって撮像された撮像画像のうち、テストパターン画像の撮像画像に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、投写型映像表示装置100は、テストパターン画像における4つの交点(Ps1〜Ps4)及び撮像画像における4つの交点(Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。
【0101】
ステップ80において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に投写される映像を補正する。投写面400上に投写される映像の補正は、(1)映像の台形補正、(2)フォーカス補正、(3)ズーム補正(レンズシフト補正或いは光学補正)、(4)映像の局所歪み補正などである。
【0102】
ステップ90において、投写型映像表示装置100は、投写面400の色に応じて、投写面400に表示される映像の色を補正する。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御によって、投写面400上に表示される映像の色を補正する。
【0103】
ステップ100において、投写型映像表示装置100は、強調処理を行う。強調処理の詳細については、図12を参照しながら説明する。
【0104】
図12に示すように、ステップ110において、投写型映像表示装置100は、対象領域をセットする。対象領域は、1画素であってもよく、複数の画素の集合であってもよい。或いは、対象領域は、フレーム全体であってもよい。或いは、対象領域は、投写面400に表示される映像を複数に分割した領域であってもよい。或いは、対象領域は、投写面400に表示される映像全体であってもよい。
【0105】
ステップ120において、投写型映像表示装置100は、投写面400に表示される映像の中から、文字を抽出する。
【0106】
ステップ130において、投写型映像表示装置100は、対象領域が文字を含む文字領域であるか否かを判定する。対象領域が文字領域である場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ140の処理に移る。一方で、対象領域が文字領域でない場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ150の処理に移る。
【0107】
ステップ140において、投写型映像表示装置100は、ステップ110で抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。すなわち、投写型映像表示装置100は、液晶パネル50の制御によって、文字強調処理を行う。
【0108】
なお、文字強調処理は、上述したように、抽出された文字を太字に変換する処理、抽出された文字を拡大する処理、抽出された文字の色を変更する処理、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つである。
【0109】
なお、文字強調処理は、抽出された文字の字体を変換する処理、抽出された文字に下線を引く処理などであってもよい。
【0110】
ステップ150において、投写型映像表示装置100は、全対象領域の処理が終了しているか否かを判定する。全対象領域の処理が終了している場合には、投写型映像表示装置100は、一連の処理を終了する。一方で、全対象領域の処理が終了していない場合には、投写型映像表示装置100は、ステップ120の処理に戻る。
【0111】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部270は、投写面400の色に応じて、投写面400上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う。従って、色補正処理(壁色補正)を行うことによって輝度が低下する場合であっても、文字強調処理によって文字が強調されるため、少なくとも文字の視認性の低下を抑制することができる。
【0112】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例1では、文字領域以外の領域の処理について説明する。
【0113】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、変更例1に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、変更例1に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。なお、図13は、図11に示す強調処理(ステップ100)の詳細である。すなわち、図13に示すフローは、図12に示すフローの変更例である。
【0114】
なお、図13では、図12と同様のステップについては、同様の符号を付している。すなわち、図13では、ステップ160の処理が追加されている。
【0115】
ステップ160において、投写型映像表示装置100(素子制御部270)は、文字領域以外の領域に対して、文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。なお、映像強調処理は、輪郭強調処理、コントラスト強調処理及び彩度強調処理の少なくともいずれか1つである。
【0116】
なお、映像強調処理の種類は、投写面400上に表示される映像に応じて選択されることが好ましい。例えば、輪郭強調処理は、周波数が全体的に低い映像に適用される。なお、周波数が全体的に低いほど、輪郭強調処理の強調量が大きいことが好ましい。コントラスト強調処理は、コントラストが低い映像に適用される。コントラストが低いほど、コントラスト強調処理の強調量が大きいことが好ましい。彩度強調処理は、彩度が低い映像に適用される。彩度が低いほど、彩度強調処理の強調量が大きいことが好ましい。
【0117】
(作用及び効果)
変更例1では、素子制御部270は、文字領域以外の領域に対して、文字強調処理とは異なる映像強調処理を行う。従って、文字以外の領域の視認性も向上する。
【0118】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例2では、文字強調処理又は映像強調処理の強調量について説明する。
【0119】
具体的には、図14に示すように、文字強調処理又は映像強調処理の強調量は、輝度低下量に基づいて決定される。すなわち、上述した素子制御部270は、輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。なお、輝度低下量が大きいほど、文字強調処理又は映像強調処理の強調量が大きいことが好ましい。
【0120】
ここで、輝度低下量としては、色補正処理に伴う輝度の低下量、或いは、輝度低下処理に伴う輝度の低下量である。或いは、輝度低下量は、色補正処理に伴う輝度の低下量及び輝度低下処理に伴う輝度の低下量の合計である。
【0121】
ここで、色補正処理では、上述したように、投写面400の色に対応する信号成分が映像入力信号から減算される。従って、色補正処理に伴って映像の輝度が低下する。
【0122】
また、輝度低下処理は、外光量に応じて、光源10から出射される光量を減少する処理である。詳細には、外光量が大きい場合には、コントラストが低下するため、光源10から出射される光量の減算量が小さい。一方で、外光量が小さい場合には、コントラストが低下しないため、光源10から出射される光量が大きい。これによって、外光量が小さい場合に、光源10の消費電力を抑制することができる。このように、輝度低下処理に伴って映像の輝度が低下する。
【0123】
なお、文字強調処理の強調量は、文字の太字化度合い、文字の拡大化度合いなどである。また、映像強調処理の強調量は、輪郭強調度合い、コントラスト強調度合い、彩度強調度合いなどである。
【0124】
(作用及び効果)
変更例1では、素子制御部270は、色補正処理に伴う輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。或いは、素子制御部270は、輝度低下処理に伴う輝度低下量に基づいて、文字強調処理又は映像強調処理の強調量を決定する。従って、文字強調処理によって適切に文字の視認性を向上することができる。或いは、映像強調処理によって適切に文字以外の領域の視認性を向上することができる。
【0125】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0126】
実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルを例示したに過ぎない。光変調素子は、DMD(Digital Micromirror Device)や反射型の液晶パネルであってもよい。
【0127】
実施形態では、光源として、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)を例示した。しかしながら、光源は、白色光源であってもよい。
【0128】
実施形態では、文字強調処理及び映像強調処理が素子制御部270によって行われる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、光源10から出射される赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを個別に制御できる場合には、光源10を制御する光源制御部によって文字強調処理及び映像強調処理が行われてもよい。
【0129】
実施形態では、文字強調処理として、抽出された文字を太字に変換する処理、抽出された文字を拡大する処理、抽出された文字の色を変更する処理、抽出された文字の色及び抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理などを例示した。これらの処理の組み合わせについては、投写面400の色に応じて決定されてもよい。
【0130】
実施形態では、映像強調処理として、輪郭強調処理、コントラスト強調処理及び彩度強調処理を例示した。これらの処理の組み合わせについては、投写面400の色に応じて決定されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…算出部、250…抽出部、260…特定部、270…素子制御部、300…撮像装置、400…投写面、410…投写可能範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面を撮像する撮像装置と、
前記投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部と、
前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記投写面の色を特定する特定部と、
前記投写面の色に応じて、前記投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記文字強調処理は、前記抽出された文字を太字に変換する処理、前記抽出された文字を拡大する処理、前記抽出された文字の色を変更する処理、前記抽出された文字の色及び前記抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記映像補正部は、前記抽出された文字以外の領域に対して、前記文字強調処理とは異なる映像強調処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記映像補正部は、前記色補正処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記映像補正部は、外光量に応じて、前記投写面上に表示される映像の輝度を低下する輝度低下処理を行い、
前記映像補正部は、前記輝度低下処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面を撮像する撮像装置と、
前記投写面に表示される映像の中から、文字を抽出する抽出部と、
前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記投写面の色を特定する特定部と、
前記投写面の色に応じて、前記投写面上に表示される映像の色を補正する色補正処理を行うとともに、抽出された文字を強調する文字強調処理を行う映像補正部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記文字強調処理は、前記抽出された文字を太字に変換する処理、前記抽出された文字を拡大する処理、前記抽出された文字の色を変更する処理、前記抽出された文字の色及び前記抽出された文字の色と背景の色とを反転する処理の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記映像補正部は、前記抽出された文字以外の領域に対して、前記文字強調処理とは異なる映像強調処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記映像補正部は、前記色補正処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記映像補正部は、外光量に応じて、前記投写面上に表示される映像の輝度を低下する輝度低下処理を行い、
前記映像補正部は、前記輝度低下処理に伴う輝度低下量に応じて、前記文字強調処理の強調量又は前記映像強調処理の強調量を決定することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−175201(P2011−175201A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40935(P2010−40935)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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