説明

投影装置、投影装置の光源ランプ駆動方法及びプログラム

【課題】高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減する。
【解決手段】光源ランプ19からの光を用いて光像を形成し出射する表示エンコーダ14,ビデオRAM15、表示駆動部16、空間的光変調素子17及び投影レンズ22を含む投影系と、電源切断時に光源ランプ19の冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を記憶するメモリ部30と、電源投入を指示するキー入力部28と、電源の投入が指示された際にメモリ部30が記憶する識別情報に応じて光源ランプ19の点灯駆動をタイマ部31を用いて所定時間遅延させる制御部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水銀灯などの高圧放電灯を光源ランプとして使用する投影装置、投影装置の光源ランプ駆動方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタ装置の光源ランプとして使用する高圧放電灯の再始動時における電極根元放電を防止することを目的として、開放電圧を制御することで、高圧放電灯の再始動の際に入力電圧が増加していた場合でも開放電圧は上昇することがなく、始動パルスにより発生したグロー放電が高圧放電灯の負電極の根元からガラスの内壁に沿ってしまった場合でもアーク転移にまで至らず、結果として電極根元放電による破損や光中心のずれ、並びにランプ電圧変化や色変化が発生するのを防止するようにした技術が考えられていた。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開平09−069394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献の技術は、光源ランプである高圧放電灯がなんらかの理由により突然消灯してしまった場合、例えば電源コードを誤って抜いてしまった場合などにも、電源が復旧された時点で電極根元放電の発生を防止しながら再点灯を即時実行するための技術である。
【0004】
しかしながら、現実的には高圧放電灯がある程度以上の温度となった状態では、始動パルスによって必ず再点灯するとは限らず、数回再点灯を試みて必要な電圧を印加しても高圧放電灯が再点灯するまでには至らないケースが多々あり得る。そしてそのようなケースでは、高圧放電灯は電極部等が著しく劣化し、その寿命を大幅に縮めてしまうこととなる。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図ることで、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能な投影装置、投影装置の光源ランプ駆動方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、光源ランプからの光を用いて光像を形成し出射する投影手段と、電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶する記憶手段と、電源の投入を指示する指示手段と、この指示手段で電源の投入が指示された際に上記記憶手段が記憶する識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載記載の発明は、光源ランプからの光を用いて光像を形成し出射する投影手段と、電源の投入を指示する指示手段と、上記光源ランプの温度を検出する温度検出手段と、上記指示手段で電源の投入が指示された際に上記温度検出手段により上記光源ランプの温度を検出させ、検出した温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置の光源ランプ駆動方法であって、電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶する記憶工程と、電源の投入を指示する指示工程と、この指示工程で電源の投入が指示された際に上記記憶工程で記憶した識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御工程とを有したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置の光源ランプ駆動方法であって、電源の投入を指示する指示工程と、この指示工程での指示に対応して上記光源ランプの温度を検出する温度検出工程と、この温度検出工程で検出した光源ランプの温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御工程とを有したことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶する記憶ステップと、電源の投入を指示する指示ステップと、この指示ステップで電源の投入が指示された際に上記記憶ステップで記憶した識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、電源の投入を指示する指示ステップと、この指示ステップでの指示に対応して上記光源ランプの温度を検出する温度検出ステップと、この温度検出ステップで検出した光源ランプの温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、電源切断時に光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶しておくことで、次の電源投入時には必要により光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、電源投入時に光源ランプの温度を検出して実際に必要な場合にのみ光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となると共に、無駄に光源ランプの点灯を遅らせてしまうのを回避できる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、電源切断時に光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶しておくことで、次の電源投入時には必要により光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、電源投入時に光源ランプの温度を検出して実際に必要な場合にのみ光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となると共に、無駄に光源ランプの点灯を遅らせてしまうのを回避できる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、電源切断時に光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に更新記憶しておくことで、次の電源投入時には必要により光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、電源投入時に光源ランプの温度を検出して実際に必要な場合にのみ光源ランプの点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプの劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となると共に、無駄に光源ランプの点灯を遅らせてしまうのを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明をプロジェクタ装置に適用した場合の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、このプロジェクタ装置10の電子回路の機能構成について説明するものである。同図中、入出力コネクタ部11を介して外部機器より入力された各種規格の画像信号が、入出力インタフェース(I/F)12、システムバスSBを介して画像変換部13で所定のフォーマットの画像信号に統一された後に、表示エンコーダ14へ送られる。
【0020】
表示エンコーダ14は、送られてきた画像信号をビデオRAM15に展開記憶させた上でこのビデオRAM15の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部16に出力する。
【0021】
この表示駆動部16は、送られてきた画像信号に対応して適宜フレームレート、例えば30[フレーム/秒]に従ったより高速な時分割駆動で空間的光変調素子(SOM)17を表示駆動するもので、この空間的光変調素子17に対して、例えばリフレクタ18内に配置された超高圧水銀灯等の光源ランプ19が出射する高輝度の白色光をカラーホイール20を介して適宜原色に着色し、ミラー21を介して照射することで、その反射光で光像が形成され、投影レンズ22を介してここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0022】
しかるに、上記リフレクタ18の光源ランプ19近傍には、光源ランプ19の温度を検出するための温度センサ23が設置されており、その検出温度は温度検出部24によってデジタル化されて、上記システムバスSBを介して後述する制御部27へ送られる。
【0023】
また、上記リフレクタ18内の光源ランプ19を冷却するべく、モータ(M)25により定速で回転駆動されるファン26が配設され、その冷却風がリフレクタ18と光源ランプ19に導かれる。
【0024】
上記各回路のすべての動作制御を司るのが制御部27である。この制御部27は、CPUと、このプロジェクタ装置10内で実行される動作プログラムを記憶したROM、及びワークメモリ等により構成され、上記入出力コネクタ部11を介して外部機器から入力された制御指令あるいはこのプロジェクタ装置10に設けられるキー入力部28からのキー操作信号、あるいはIr受信部29がこのプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからのキー操作に応じて送られてきた赤外線(Ir)信号を受信した内容に対応して各種等動作を実行させる。
【0025】
この制御部27にはまた、システムバスSBを介してメモリ部30、タイマ部31、及び音声処理部32が接続される。
メモリ部30は、制御部27から送られてくる各種制御情報を一時的に記憶する不揮発性のメモリでなり、記憶した内容を制御部27の指示に従って適宜読出す。
タイマ部31は、制御部27の指示に応じて適宜所定時間の計時動作を実行する。
音声処理部32は、PCM音源等の音源回路を備え、投影表示動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ33を駆動して拡声放音させる。
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図2は、キー入力部28に備えられる電源キー操作により電源オフを指示した場合、及びIr受信部29により図示しないこのプロジェクタ装置10専用のリモコンから電源オフのキー操作信号を受信した場合に制御部27が実行する処理内容を示すもので、その当初には上記した電源オフが指示されるのを待機する(ステップA01)。
【0026】
そして、電源オフが指示された時点でこれを判断し、メモリ部30に電源オフに伴う処理途中であることを示すフラグをセットし(ステップA02)、併せて光源ランプ19を消灯設定すると共に(ステップA03)、タイマ部31による光源ランプ19の冷却に必要な所定時間、例えば5[分]の計時を開始させる(ステップA04)。
【0027】
その後、ファン26により消灯された光源ランプ19への送風が継続される間、上記タイマ部31による計時動作が終了したか否かを繰返し判断することで(ステップA05)、上記所定時間が経過するのを待機する。
所定時間が経過したと判断すると、光源ランプ19は確実に冷却されたものとして制御部27はこれを判断してモータ25への通電を切断し、それまで定速回転させていたファン26を停止させると共に(ステップA06)、メモリ部30の電源オフの処理途中であることを示すフラグをクリアし(ステップA07)、以上で電源オフの指示に伴う正常な終了処理を終えたものとして、プロジェクタ装置10全体の電源をオフ設定する(ステップA08)。
【0028】
なお、上記ステップA07でメモリ部30にセットしたフラグをクリアする前のタイミングで電源の瞬間停止があった場合、もしくは電源キーの操作により電源オフが指示されたのではなく、プロジェクタ装置10の電源コードが引き抜かれるなどの理由で突然電源の供給が切断された場合などには、メモリ部30に電源オフに伴う処理途中であることを示すフラグをセットした状態で電源がオフされることとなる。
【0029】
次に図3によりプロジェクタ装置10の電源がオフされている状態から、キー入力部28に備えられる電源キー操作により電源オンが指示された場合、及びIr受信部29により図示しないこのプロジェクタ装置10専用のリモコンから電源オンのキー操作信号を受信した場合の動作について説明する。
【0030】
同図は制御部27が実行する処理内容を示すもので、その当初には上記した電源オンが指示されるのを待機する(ステップB01)。
【0031】
そして、電源オンが指示された時点でこれを判断し、ファン26を回転させて光源ランプ19への送風を開始させた後(ステップB02)、メモリ部30の内容を確認して(ステップB03)、電源オフに伴う処理途中であることを示すフラグがセットされているか否かを判断する(ステップB04)。
【0032】
ここで、当該フラグがセットされていないと判断した場合には問題ないが、セットされていたと判断した場合には、前回このプロジェクタ装置10の電源をオフした際に光源ランプ19を冷却するための充分な冷却時間をとっておらず、したがって現在も光源ランプ19の温度がまだ充分に低下していない可能性があることとなるので、あらためてタイマ部31による光源ランプ19の冷却に必要な所定時間、例えば5[分]の計時を開始させる(ステップB05)。
【0033】
その後、ファン26による光源ランプ19への送風が継続される間、上記タイマ部31による計時動作が終了したか否かを繰返し判断することで(ステップB06)、上記所定時間が経過するのを待機する。
そして所定時間が経過したと判断すると、光源ランプ19は確実に冷却されたものとして制御部27はこれを判断し、光源ランプ19を点灯駆動させて(ステップB07)、入出力コネクタ部11に入力される外部機器からの画像信号に基づいた投影動作を実行する準備状態に移行し(ステップB08)、以上でこの図3の処理を終了して、投影動作及び上記図2の電源オフの待機状態に移行する。
【0034】
このように、電源オフ時に光源ランプ19の冷却動作を正常に終了したか否かを識別するためのフラグを識別情報として不揮発性のメモリであるメモリ部30に記憶しておくことで、次の電源オン操作時には必要により光源ランプ19の点灯開始を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、超高圧水銀灯などの高圧放電灯でなる光源ランプ19の劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となる。
【0035】
なお、上記図3に示した処理では、電源オン操作時にメモリ部30に前回の電源オフに伴う処理途中であることを示すフラグがセットされていたと判断した場合に、実際には光源ランプ19の温度が充分低下しているにも拘わらず、さらにタイマ部31を用いて所定時間だけ光源ランプ19の冷却を行なってしまう可能性もあった。
【0036】
したがって、光源ランプ19の温度を正確に把握することで、必要な場合にのみ光源ランプ19の冷却を行なうものとしてもよい。
【0037】
図4は、そのような本実施の形態の動作の変形例を示すものであり、上記図3で示した動作に代えて実行するもので、その当初には上記した電源オンが指示されるのを待機する(ステップC01)。
【0038】
そして、電源オンが指示された時点でこれを判断し、ファン26を回転させて光源ランプ19への送風を開始させた後(ステップC02)、メモリ部30の内容を確認して(ステップC03)、電源オフに伴う処理途中であることを示すフラグがセットされているか否かを判断する(ステップC04)。
【0039】
ここで、当該フラグがセットされていないと判断した場合には問題ないが、セットされていたと判断した場合には、前回このプロジェクタ装置10の電源をオフした際に光源ランプ19を冷却するための充分な冷却時間をとっておらず、したがって現在も光源ランプ19の温度がまだ充分に低下していない可能性があることとなるので、次に温度検出部24により温度センサ23を用いて光源ランプ19の温度を検出させ、その温度が異常、すなわち冷却動作が必要であるほど高温であるか否かを判断する(ステップC05)。
【0040】
このとき、光源ランプ19の温度が異常ではなく正常な範囲で充分低い温度となっており、通電により確実に点灯させることができると判断した場合にも問題ないが、まだ確実な点灯が見込めず、点灯の失敗により劣化させてしまう可能性のある温度状態であると判断した場合には、あらためてタイマ部31による光源ランプ19の冷却に必要な所定時間、例えば5[分]の計時を開始させる(ステップC06)。
【0041】
その後、ファン26による光源ランプ19への送風が継続される間、上記タイマ部31による計時動作が終了したか否かを繰返し判断することで(ステップC07)、上記所定時間が経過するのを待機する。
そして所定時間が経過したと判断すると、光源ランプ19は確実に冷却されたものとして制御部27はこれを判断し、光源ランプ19を点灯駆動させて(ステップC08)、入出力コネクタ部11に入力される外部機器からの画像信号に基づいた投影動作を実行する準備状態に移行し(ステップC09)、以上でこの図4の処理を終了して、投影動作及び上記図2の電源オフの待機状態に移行する。
【0042】
このように、電源オフ時に光源ランプ19の冷却動作を正常に終了したか否かを識別するためのフラグを識別情報として不揮発性のメモリであるメモリ部30に記憶しておくことで、次の電源オン操作時には前回の電源オフ時に冷却動作を正常に終了したか否かを判断することができると共に、正常に終了しなかったと判断した場合でも、さらに光源ランプ19の温度を検出することで、実際に必要であると判断した場合にのみ、光源ランプ19の点灯を所定時間遅延してその温度が充分低下してから再点灯駆動するようにしたので、高圧放電灯でなる光源ランプ19の劣化を確実に防止し、高価な高圧放電灯の長寿命化を図って、ユーザの経済的な負担を軽減することが可能となると共に、上記所定時間の光源ランプ19の点灯の遅延動作を行なう必要がない場合には、速やかに光源ランプ19を点灯させることができ、無駄に光源ランプ19の点灯を遅らせてしまうのを回避できる。
【0043】
なお、上記実施の形態では、光源ランプ19が超高圧水銀灯でなるものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、光源ランプ19は他の高圧放電灯で構成されるものとしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態で説明した光源ランプ19の点灯を遅延させる所定時間は、使用する光源ランプ19の種類や熱容量、ファン26の冷却能力等によって適宜設定できるものである。
【0045】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0046】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の一形態に係るプロジェクタ装置の電子回路の機能構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係る電源オフ時の光源ランプに関する処理内容を示すフローチャート。
【図3】同実施の形態に係る電源オン時の光源ランプに関する処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態に係る電源オン時の光源ランプに関する他の処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0048】
10…プロジェクタ装置、11…入出力コネクタ部、12…入出力インタフェース(I/F)、13…画像変換部、14…表示エンコーダ、15…ビデオRAM、16…表示駆動部、17…空間的光変調素子(SOM)、18…リフレクタ、19…光源ランプ、20…カラーホイール、21…ミラー、22…投影レンズ、23…温度センサ、24…温度検出部、25…モータ(M)、26…ファン、27…制御部、28…キー入力部、29…Ir受信部、30…メモリ部、31…タイマ部、32…音声処理部、33…スピーカ、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源ランプからの光を用いて光像を形成し出射する投影手段と、
前回の電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に記憶する記憶手段と、
電源の投入を指示する指示手段と、
この指示手段で電源の投入が指示された際に上記記憶手段が記憶する識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
光源ランプからの光を用いて光像を形成し出射する投影手段と、
電源の投入を指示する指示手段と、
上記光源ランプの温度を検出する温度検出手段と、
上記指示手段で電源の投入が指示された際に上記温度検出手段により上記光源ランプの温度を検出させ、検出した温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項3】
光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置の光源ランプ駆動方法であって、
前回の電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に記憶する記憶工程と、
電源の投入を指示する指示工程と、
この指示工程で電源の投入が指示された際に上記記憶工程で記憶した識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御工程と
を有したことを特徴とする投影装置の光源ランプ駆動方法。
【請求項4】
光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置の光源ランプ駆動方法であって、
電源の投入を指示する指示工程と、
この指示工程での指示に対応して上記光源ランプの温度を検出する温度検出工程と、
この温度検出工程で検出した光源ランプの温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御工程と
を有したことを特徴とする投影装置の光源ランプ駆動方法。
【請求項5】
光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、
前回の電源切断時に上記光源ランプの冷却動作を正常に終了したか否かを識別する識別情報を不揮発的に記憶する記憶ステップと、
電源の投入を指示する指示ステップと、
この指示ステップで電源の投入が指示された際に上記記憶ステップで記憶した識別情報に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
光源ランプからの光により光像を形成して投影する投影装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、
電源の投入を指示する指示ステップと、
この指示ステップでの指示に対応して上記光源ランプの温度を検出する温度検出ステップと、
この温度検出ステップで検出した光源ランプの温度に応じて上記光源ランプの点灯駆動を所定時間遅延させる点灯制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−32111(P2006−32111A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208959(P2004−208959)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】