説明

抗ウイルス剤としての、イミダゾール及びチアゾール誘導体

本発明は、C型肝炎感染の予防及び治療に有用な、式(I)の化合物


(式中、R、R、A、B、D、E、F、G及びArは、本明細書中で定義される通りである。)及び医薬適合性のそれらの塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス性ポリメラーゼ、特にC型肝炎ウイルス(HCV)ポリメラーゼの阻害剤として作用し得る化合物、C型肝炎ウイルスによる感染の治療及び予防におけるこのような化合物の使用、及びこれらの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非経口で伝染する、散発性の非A、非B型肝炎(NANB−H)の主要な原因物質である。全世界の人口のおよそ1%が侵されると考えられている。ウイルスによる感染の結果、慢性肝炎及び肝硬変が起こり得、肝細胞癌に進む可能性がある。現在、組換えインターフェロンαを用いた治療(単独又はリバビリンとの併用)によりごく少数例で一部治療が成功しているが、ワクチンも確立された治療法も存在しない。従って、新規かつ広く効果的な治療が強く望まれている。
【0003】
メタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)など、ウイルスにコードされる幾つかの酵素が治療的介入のための推定標的となっている。これらの中で、ポリメラーゼは、ウイルスの複製において重要な役割を果たし、従って、C型肝炎に対する闘いにおける重要な標的となっている。
【0004】
当分野において、特定のイミダゾール及びチアゾール誘導体が開示されているが、C型肝炎ウイルス(HCV)ポリメラーゼの阻害剤として有用なものとして開示されているものはない。
【0005】
欧州特許出願0407102A1(Merck & Co.,Inc.)は、一般式(A)の置換イミダゾ−縮合5−員環複素環化合物を開示している:
【0006】
【化4】

【0007】
(式中、R、R2a、R2b、R3a、R3b、R、A、B、C、r及びXは、その明細書中で定義されている。)。これらの化合物は、アンジオテンシンIIアンタゴニストとして有用である。
【0008】
欧州特許出願0461040A1(Roussel−Uclaf)は、一般式(B)のイミダゾール誘導体を開示している:
【0009】
【化5】

【0010】
(式中、Aは、炭素環又は複素環の他の部分を表し、R、R、R、R、R、R及びYは、その明細書中で定義されている。)。これらの化合物は、アンジオテンシンIIアンタゴニスト活性について試験された。
【0011】
国際出願公開WO98/37075(Boehringer Ingelheim Pharma KG)は、一般式(C)の二置換複素環を開示している:
【0012】
【化6】

【0013】
(式中、Hetは、式:
【0014】
【化7】

の二環式複素環であり、R、A、B、E、Ar、R、D、G、X、Y及びZは、その明細書中で定義されている。)。薬理学的特性(特にトロンビンを阻害し、トロンビン時間を延長させることにおいて。)を有するものとして、式(C)の化合物(式中、Eは、RNH−C(=NH)−基である。)が開示されている。
【0015】
国際出願公開WO99/00372(藤沢薬品工業)は、一般式(D)のスルホンアミド化合物を開示している:
【0016】
【化8】

【0017】
(式中、Aは、ベンズイミダゾリル、インドリル、4,7−ジヒドロベンズイミダゾリル及び2,3−ジヒドロベンズオキサジニルを除く、場合によっては置換されているポリ複素環基を表し、R、R及びXは、その明細書中で定義されている。)。これらの化合物は、血糖低下作用に基づいて治療可能な疾患及びcGMP−PDE阻害、平滑溶解性(leiolytic)、気管支拡張性作用、血管拡張性作用、平滑筋細胞阻害性作用及び抗アレルギー性作用に基づき治療可能な疾患の治療において有用である。
【0018】
しかし、これらの開示のいずれも、C型肝炎ウイルス感染の治療に関するものではない。
【0019】
Khozeevaら(Zhurnal Organicheskoi Khimii,1977、13、232)は、次の構造の化合物を開示している:
【0020】
【化9】

【0021】
Abignenteら(Farmaco、1981、36、893)は、次の構造の化合物及びその調製のための方法を開示している:
【0022】
【化10】

【0023】
Robertら(European Journal of Medicinal Chemistry、1975、10、59)は、次の構造の化合物及びその調製のための工程を開示している:
【0024】
【化11】

【0025】
同様に、これらの開示のいずれも、C型肝炎ウイルス感染の治療に関するものではない。
【0026】
今般、驚くべきことに、上記で参照したある一定の公知の化合物を含む、特定のイミダゾール及びチアゾール誘導体が、C型肝炎ウイルス(HCV)ポリメラーゼ酵素の阻害剤として作用することが見い出された。
【0027】
従って、ある局面では、本発明は、C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品製造のための、式(I)の化合物:
【0028】
【化12】

【0029】
[式中、
A、B及びDは、それぞれ、C、N、O又はSであり;
E及びFは、C又はNであり;
五員環内の点線の丸は、環が不飽和又は部分飽和であり得ることを示し;
は、水素又はC1−6アルキルであり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシ又はアリールであり;
Gは、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル(該C1−6アルキル及びC2−6アルケニル基は、C1−4アルコキシもしくは5個以下のフッ素原子により場合によっては置換されている。)、又は3から8環原子の非芳香族環(該環は、二重結合を含有し得る、及び/又はO、S、SO、SOもしくはNH部分を含有し得、該環は、場合によってはメチル、エチル又はフッ素により置換されている。)、又はアリールであり;
Arは、少なくとも1個の芳香族環を含有する部分であり、5、6、9又は10環原子(場合によっては、N、O及びSから独立に選択される、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)を有する。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用を提供する。
【0030】
本発明のある実施形態では、A、B及びDは、C、N又はSである。好ましくは、BがCであるとき、AはSであり、BがSであるとき、AはCである。好ましくは、DはNである。
【0031】
別の実施形態では、両方の5員環が不飽和である。
【0032】
別の実施形態では、Rは、水素又はC1−4アルキルである。好ましくは、Rは水素、メチル又はエチルである。より好ましくは、Rは水素である。
【0033】
別の実施形態では、Rは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はアリールである。好ましくは、Rは、C1−4アルキル又はアリールである。より好ましくは、Rはメチル又はフェニルである。好ましくは、Rは存在しない。
【0034】
別の実施形態では、Gは、水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである。好ましくは、Gは、水素、シクロヘキシル、シクロヘキセニル又はフェニルである。より好ましくは、Gは、シクロヘキシル又はシクロヘキセニルである。
【0035】
別の実施形態では、Arは、N、O及びSから独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合によっては含有する、5又は6員の芳香族環である。好ましくは、Arは、フェニル、1−ピリジル、2−ピリジル、3−ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルなどの、0、1又は2個のN原子を含有する6員環である。より好ましくは、Arはフェニルである。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品製造のための、式(Ia)の化合物:
【0037】
【化13】

【0038】
[式中、
A、B、R、G及びArは、式(I)に関して定義した通りであり、点線は、単結合又は二重結合を表す。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用を提供する。
【0039】
好ましくは、BがCであるとき、AはSであり、BがSであるとき、AはCである。より好ましくは、AはCであり、BはSである。
【0040】
好ましくは、Rは、C1−6アルキル又はアリールである。より好ましくは、Rは、メチル又はフェニルである。好ましくは、Rは存在しない。
【0041】
好ましくは、Gは、水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである。より好ましくは、Gは、シクロヘキシル又はシクロヘキセニルである。より好ましくは、Gは、シクロヘキシルである。
【0042】
好ましくは、Arは、0、1又は2個のN原子を含有する6員環である。より好ましくは、Arはフェニルである。
【0043】
本発明のさらなる実施形態では、C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品の製造のための、式(Ib)の化合物:
【0044】
【化14】

【0045】
[式中、
A、D、R、G及びArは、式(I)に関して定義した通りであり、点線は、単結合又は二重結合を表す。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用を提供する。
【0046】
好ましくは、DがNであるとき、AはSであり、DがSであるとき、AはNである。より好ましくは、AはSであり、DはNである。
【0047】
好ましくは、Rは、C1−6アルキル又はアリールである。より好ましくは、Rは、メチル又はフェニルである。好ましくは、Rは存在しない。
【0048】
好ましくは、Gは、水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである。
【0049】
好ましくは、Arは、0、1又は2個のN原子を含有する6員環である。より好ましくは、Arはフェニルである。
【0050】
式(I)において、又は任意の置換基において、任意の可変要素が1回を超えて現れる場合、各出現でのその定義は、他のそれぞれの出現でのその定義と無関係である。
【0051】
本明細書中で使用する場合、基として又は基の一部としての、「アルキル」又は「アルコキシ」は、直鎖又は分枝鎖であるものとする。適切なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルが挙げられる。適切なアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ及びt−ブトキシが挙げられる。
【0052】
本明細書中で使用するシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し得る。
【0053】
本明細書中で使用する場合、基として又は基の一部としての「アルケニル」という用語は、直鎖又は分枝鎖であるものとする。適切なアルケニル基の例としては、ビニル及びアリルが挙げられる。
【0054】
本明細書中で使用するシクロアルケニル基は、例えば1−もしくは2−シクロブテニル、1−、2−もしくは3−シクロペンテニル又は1−、2−もしくは3−シクロヘキセニルを表し得る。
【0055】
本明細書中で使用する場合、基として又は基の一部としての「アリール」という用語は、炭素環式芳香族環を意味する。適切なアリール基の例としては、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0056】
本明細書中で使用する場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表す。好ましいハロゲンは、フッ素及び塩素である。
【0057】
化合物又は基が、「場合によっては置換されている」ものとして述べられる場合、1以上の置換基が存在し得る。直接又は連結基を介してのいずれかで、任意の置換基を、それらが様々な方法で置換する、化合物又は基に結合させることができ、連結基の例としては次のものが挙げられる:アミン、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホンアミド、スルファミド、スルホキシド、尿素、チオ尿素及びウレタン。必要に応じて、任意の置換基それ自身が、別の置換基で置換され得、後者は前者に直接連結されるか、又は上記で例示したものなどの連結基を介して連結される。
【0058】
本発明の範囲内の具体的な化合物としては:
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ]3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル-3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸;及び医薬適合性のそれらの塩が挙げられる。
【0059】
医薬品において使用する場合、式(I)の化合物の塩は、無毒性の医薬適合性の塩である。しかし、本発明による化合物又はそれらの無毒性の医薬適合性塩の調製において、その他の塩が有用であり得る。本発明の化合物の適切な医薬適合性の塩としては、例えば本発明による化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸又は硫酸などの医薬適合性の酸の溶液と混合することにより形成され得る酸付加塩が挙げられる。アミン基の塩はまた、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニル又はアラルキル部分などの適切な有機基を担う、四級アンモニウム塩も含み得る。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、適切な医薬適合性のそれらの塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩);及びアルカリ土類金属塩(例えばカルシウムもしくはマグネシウム塩)などの金属塩を挙げることができる。
【0060】
塩が不溶性である溶媒又は媒体中で、又は真空除去もしくは凍結乾燥により除去される水などの溶媒中で、生成物の遊離塩基形態を1以上当量の適切な酸と反応させることによって、又は存在する塩の陰イオンを適切なイオン交換樹脂上の別の陰イオンに交換することによってなど、慣用的な方法により、塩を形成させ得る。
【0061】
本発明は、その範囲内に、上記式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは、式(I)の化合物の官能性誘導体であり、これは、式(I)の所望の化合物へとインビボで容易に変換可能である。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に対する慣用的方法は、例えば、「Design of Prodrugs」、H.Bundgaard編、Elsevier、1985に記載されている。
【0062】
プロドラッグは、活性薬物を放出するために体内での変換を必要とし、親薬剤分子よりも送達特性が向上している、生物活性物質(「親薬剤」又は「親分子」)の薬理学的に不活性な誘導体であり得る。インビボでの変換は、例えば、カルボン酸エステル、リン酸エステルもしくは硫酸エステルの化学的もしくは酵素的加水分解又は反応性の官能基の還元もしくは酸化など、ある種の代謝プロセスの結果であり得る。
【0063】
本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物及びそれらの塩の溶媒和物、例えば水和物を含む。
【0064】
本発明はまた、その範囲内に、式(I)の化合物の、あらゆる鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体及び互変異性体も含み得る。当然のことながら、このような異性体の全て及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。
【0065】
本発明の別の局面では、C型肝炎ウイルスポリメラーゼを阻害する方法及び/又はC型肝炎ウイルスによる疾患を治療もしくは予防する方法が提供され、この方法は、その症状がある、ヒト又は動物(好ましくは哺乳動物)対象に、上述の医薬組成物又は式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物(上記で定義される通りである。)又は医薬適合性のそれらの塩の、治療的もしくは予防的有効量を投与することを含む。「有効量」とは、対象に対して薬効を生じさせるのに十分な量、又は少なくとも対象の症状を変化させるのに十分な量を意味する。
【0066】
本発明のさらなる実施形態では、抗ウイルス剤などのウイルス感染の治療用の1以上のその他の薬剤及び/又は免疫調節薬(例えば、α、β又はγ−インターフェロンなど、特にα−インターフェロン)と組み合わせた、C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品製造のための、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物又は医薬適合性のそれらの塩の使用が提供される。適切な抗ウイルス剤としては、リバビリン及びC型肝炎ウイルス(HCV)ポリメラーゼの阻害剤(例えば、メタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)の阻害剤など。)が挙げられる。
【0067】
本発明のさらなる局面は、医薬適合性の担体と組み合わせた、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、又は
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸;又は医薬適合性のそれらの塩を含有する医薬組成物を提供する。この組成物は任意の適切な形態であり得、これは、意図する投与方法に依存する。例えば、錠剤、カプセル又は経口投与用の液体、又は非経口投与用の溶液もしくは懸濁液の形態であり得る。少なくとも1つの活性成分又は医薬適合性のそれらの塩を1以上の医薬適合性アジュバント、希釈剤もしくは担体と、及び/又は1以上のその他の治療もしくは予防的活性物質と混合することにより、組成物を調製し得る。
【0068】
本発明のさらなる局面は、治療での使用のための、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸;又は医薬適合性のそれらの塩を提供する。
【0069】
本発明のさらなる局面は、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸;又は医薬適合性のそれらの塩を提供する。
【0070】
化合物を投与する投与速度は、使用する具体的な化合物の活性、代謝安定性及びその化合物の作用の長さ、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与様式及び投与時間、排泄速度、薬物併用、特定の症状の重症度及び治療を行う受容者を含む様々な要素に依存する。C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防の場合、適切な投与レベルは、1日あたり0.02〜5又は10gのオーダー(経口投与量は、2倍〜5倍高い。)であり得る。例えば、1日に1回〜3回、本化合物の10〜50mg/kg(体重)の投与がよいであろう。適切な値は日常的な試験により選択可能である。本化合物を単独で、又はその他の治療と組み合わせて、同時にもしくは連続的に、投与し得る。例えば、当業者にとって公知の、抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染症薬又はワクチンの有効量と組み合わせて、本化合物を投与し得る。経口、静脈内、皮膚及び皮下投与などの何らかの適切な経路で本化合物を投与し得る。適切な部位に直接、又はある一定のタイプの細胞などの特定部位を標的とする形で、本化合物を投与し得る。適切な標的方法は既知である。
【0071】
本明細書中の前の部分で述べた文書において開示される方法により、及び下記で述べるような有機合成の技術分野で公知の方法により、一般式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を調製し得る。
【0072】
一般的方法(A)に従い、式(II)の化合物:
【0073】
【化15】

【0074】
(式中、Ar及びGは式(I)で定義した通りである。)を、チオグリコール酸メチルと反応させることにより、式(I)の化合物(式中、AはSであり、B及びFはCであり、D及びEはNであり、Rは存在しない。)を調製し得る。この反応は、好都合には、エタノールなどの適切な溶媒中、ナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下で行われる。
【0075】
式(III)の化合物:
【0076】
【化16】

【0077】
(式中、Ar及びGは、式(I)で定義した通りである。)を、オキシ塩化リン及びDMFから予め形成させたVilsmeier−Haack試薬と反応させることにより、式(II)の化合物を形成させ得る。
【0078】
市販されていない場合、添付の実施例で述べる方法と類似の方法により、又は当分野で公知の標準的方法により、式(III)の出発物質を調製し得る。
【0079】
当然のことながら、上記方法の何れかから最初に得られた式(I)の任意の化合物は、必要に応じて、その後、当分野で公知の技術により、式(I)のさらなる化合物を作り出し得る。
【0080】
具体的な例として、慣用的なエステル化手段により(例えば、塩酸などの無機酸の存在下で式R−OHの適切なアルコールを用いた処理により)、式(I)の化合物(式中、Rは水素を表す。)を対応する化合物(式中、Rは水素以外を表す。)に変換させ得る。標準的なけん化技術により(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムなどのアルカリ試薬を用いた処理により)、式(I)の化合物(式中、Rは水素以外を表す。)を対応する化合物(Rは水素を表す。)に変換させ得る。
【0081】
本発明による化合物の調製に対して上記で述べた方法の何れかから生成物の混合物が得られる場合、分取HPLC又は、適切な溶媒系と組み合わせた、例えばシリカ及び/又はアルミナを用いたカラムクロマトグラフィーなどの慣用的方法により、適切な段階でそこから所望の生成物を分離することができる。
【0082】
上記合成順序の何れかの際に、任意の関連する分子上の感受性または反応性の強い基を保護することが必要であり得る、及び/又は望ましいものであり得る。Protective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編、Plenum Press、1973;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Syntehsis,John Wiley & Sons,第3版、1999に記載のものなどの慣用的な保護基を用いて、これを達成することができる。当分野で公知の方法を用いて、都合の良いその後の段階で保護基を除去することができる。
【0083】
次の実施例は、本発明を例証する。
【0084】
酵素阻害アッセイ(実施例i)においてHCV RNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)に対する阻害活性について本発明の化合物を試験したところ、一般的にそのIC50は50μM以下である。
【0085】
i)インビトロでのHCV NS5B酵素阻害アッセイ
WO96/37619は、酵素をコードする組換えバキュロウイルスに感染した昆虫細胞からの、組換えHCV RdRpの産生について述べている。精製した酵素は、テンプレートとしてRNAを用いて、インビトロでRNAポリメラーゼ活性を保持することが分かった。この参考文献は、プライマー又はヘテロポリマーテンプレートとして、ポリ(A)及びオリゴ(U)を用いた重合アッセイについて述べている。酸不溶性の放射活性を測定することにより、トリチウム化したUTP又はNTPの取り込みを定量する。本発明者らは、このアッセイを利用して、HCV RdRpの阻害剤として上述の様々な化合物をスクリーニングした。次のようにして放射性UMPの取り込みを測定した。20mM Tris/HCl pH7.5、5mM MgCl、1mM DTT、50mM NaCl、0.03%N−オクチルグルコシド、1μCi[H]−UTP(40Ci/mmol、NEN)、10μM UTP及び10μg/mLポリ(A)又は5μM NTPs及び5μg/mLヘテロポリマーテンプレートを含有する緩衝液中で、標準反応(50μL)を行った。ポリ(A)テンプレートにおいて作用するアッセイにおけるプライマーとして、オリゴ(U)12(1μg/mL、Genset)を添加した。最終NS5B酵素濃度は、5nMであった。アセンブリの順序は、1)化合物、2)酵素、3)テンプレート/プライマー、4)NTPであった。22℃にて1時間インキュベートした後、20%TCA 50μLを添加し、試料をDE81フィルターに添加することにより、反応を停止させた。1M NaHPO/NaHPO、pH7.0を含有する5%TCAでこのフィルターをよく洗浄し、水、次いでエタノールでリンスし、風乾し、シンチレーションカウンターにおいて、フィルターに結合した放射活性を測定した。上記で示した様々な濃度の各化合物の存在下でこの反応を行うことにより、式:%残留活性=100/(1+[I]/IC50(式中、[I]は、阻害剤濃度であり、「s」は、阻害曲線の傾きである。)を利用してIC50値を求めた。
【0086】
ii)一般的手法
溶媒は全て、市販品を得て(Fluka、puriss)、さらに精製することなく使用した。ルーチンの脱保護及びカップリング段階を除き、オーブン乾燥した(110℃)ガラス容器中、窒素雰囲気下で反応を行った。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で運転しているロータリーエバポレーターで濃縮した(乾燥剤のろ過後)。公開されている手段(W.C.Stillら、J.Org.Chem.1978、43、2923)に従うか、又はプレパックカラムを用いた半自動フラッシュクロマトグラフィーシステムにて、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーを行った。
【0087】
通常、市販業者から直接試薬を入手した(及び、供給されたままで使用した。)が、限定数の内部組織コレクションからの化合物を用いた。後者の場合、科学文献で報告されているか又は当業者に公知であるルーチンの合成段階を用いて、試薬を容易に得ることができる。
【0088】
300〜600MHzの(報告されている)周波数で運転しているBruker AMシリーズのスペクトロメーターにおいて、H nmrスペクトルを記録した。テトラメチルシランに対する、非交換性プロトンに対応するシグナルに対する化学シフト(δ)(及び可視の場合、交換性プロトン)を、100万分の一(ppm)で記録し、基準として残留溶媒ピークを用いて測定する。多重度(s、シングレット;d、ダブレット、t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;br、ブロード及びそれらの組合せ);ヘルツの結合定数;プロトン数の順にシグナルを一覧にする。ネガティブ(ES)又はポジティブ(ES)イオン化モードで運転しているPerkin Elmer API 100において、マススペクトル(MS)データを得て、親イオンの場合のみ、質量電荷比(m/z)として結果を記録する。Water 486吸収検出器を備えたWater Delta Prep 4000分離モジュールにおいて、又は、Gilson分取システムにおいて、分取スケールのHPLC分離を行った。全ケースにおいて、15〜25mL/分の流速で、水とアセトニトリルとの(両者とも0.1%TFAを含有する。)直線的勾配により、化合物を溶出した。
【0089】
実施例において次の略語を使用する。DMF:ジメチルホルムアミド;DCM:ジクロロメタン;DMSO:ジメチルスルホキシド;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;MeOH:メタノール;AcOEt:酢酸エチル;MeCN:アセトニトリル;EtO:エチルエーテル;CHCl:クロロホルム;CDCl:クロロホルム−d;CDOD:メチル−dアルコール−d;HCl:塩化水素;NaOH:水酸化ナトリウム;NaHCO:炭酸水素ナトリウム;NHCl:塩化アンモニウム;NHOH:水酸化アンモニウム;min:分;h:時間;eq.:当量;RT:室温;MS:分子ふるい;RP−HPLC:逆相高圧液体クロマトグラフィー;EtN:トリエチルアミン;NH:アンモニア;AcOH:酢酸;NaN:アジ化ナトリウム;PPh:トリフェニルホスフィン;TPAP:過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム;MeMgBr:臭化メチルマグネシウム;NBS:N−ブロモスクシンイミド;NaOMe:ナトリウムメトキシド;NMO:4−メチルモルホリンN−オキシド;Br:臭素。
【実施例1】
【0090】
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸
段階1:エチルN−シクロヘキシルグリシネート
エタノール中のグリシンエチルエステル塩酸塩の溶液(0.22M)を酢酸ナトリウム(1.5eq.)及びシアノホウ素ナトリウム(1.6eq.)で処理した。生じた懸濁液にシクロヘキサノン(1eq.)を滴下添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌し、次いでHCl水溶液(6N)を用いてpH2に酸性化した。溶媒を蒸発させ、残渣を水で希釈した。水相をEtOで抽出し、次いで、塩基性pHになるまで、NaOH水溶液(2N)を水相に添加した。生じた水相をEtOで抽出し、合わせた有機相を食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、濃縮し、油状物質として表題化合物(89%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ0.9−1.0(m,2H),1.1−1.2(m,5H),1.5−1.8(m,6H),2.1(bs,1H),2.3−2.4(m,1H),3.3(s,2H),4.08(q,J7.2Hz,2H);MS(ES)m/z186(M+H)
【0091】
段階2:N−シクロヘキシルグリシンアミド
エチルN−シクロヘキシルグリシネート(段階1より)を含有する圧力容器にNHのメタノール性溶液(2M、5eq.)を添加した。この容器を閉じ、反応混合物を100℃で一晩加熱した。続いて溶媒を蒸発させ、その後、石油エーテルとともに摩砕し、ろ過して、表題化合物を固体として得た(73%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ0.9−1.2(m,5H),1.5−1.8(m,5H),2.2−2.3(m,1H),3.0(s,2H),3.3−3.4(m,1H),7.0(bs,1H),7.2(bs,1H);MS(ES)w/z157(M+H)
【0092】
段階3:1−シクロヘキシル−2−フェニル−1,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン
−シクロヘキシルグリシンアミド(段階2より)をトリエチルオルトベンゾアート(1.03eq.)及び氷AcOHの触媒量で処理した。反応混合物を120℃で1.5時間加熱し、次いでRTに冷却し、濃縮した。残渣にアセトンを添加し、生じた沈殿物をろ過し、固体として表題化合物を得た(52%)。H NMR(300MHz,CDCl,300K)δ1.1−1.3(m,3H),1.5−1.9(m,7H),3.8−3.9(m,1H),4.0(s,2H),7.5−7.6(m,5H);MS(ES)m/z243(M+H)
【0093】
段階4:4−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルブアルデヒド
氷冷DMF(3eq.)にオキシ塩化リン(7eq.)を添加した。混合物をそのままRTになるまで放置し、次いで、予備形成したVilsmeier−Haack試薬に1−シクロヘキシル−2−フェニル−1,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(段階3より)を添加した。混合物を1時間加熱還流し、次いでRTに冷却し、氷冷水に注いだ。形成された淡黄色沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥させ、固体として表題化合物を得た(82%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.1−1.4(m,3H),1.6−1.8(m,5H),2.3−2.5(m,2H),4.2−4.3(m,1H),7.5(m,5H),9.8(s,1H);MS(ES+)m/z289(M+H)
【0094】
段階5:エチル1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボキシレート
RTで、エタノール中のチオグリコール酸メチルの溶液(1.15M、1.2eq.)をエタノール中のナトリウムの撹拌溶液(0.17M、1.2eq.)に滴下添加した。次いで4−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルブアルデヒド(段階4より)を15分間にわたり分割添加し、反応混合物を18時間加熱還流した。冷却後、混合物を濃縮し、残渣をDCM及び水で希釈した。水相を分離し、DCMで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで粗製物を精製し(1:9、AcOEt/石油エーテル)、固体として表題化合物を得た(31%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.2−1.4(m,6H),1.7−1.2(m,7H),4.2−4.3(m,1H),4.40(q,J8Hz,2H),7.5−7.6(m,5H),7.8(s,1H);MS(ES+)m/z355(M+H)
【0095】
段階6:1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸
MeOH/THF(1:1)中のエチル1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボキシレート(段階5より)の溶液(0.25M)をNaOH水溶液(1N溶液、2eq.)で処理し、反応物をRTにて4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、HCl水溶液(1N)で酸性化した。生じた沈殿物をろ過により集め、RP−HPLCにより精製し(条件:Waters X−TERRA MS C18、5ミクロン、19x100mm;流速:20mL/分;勾配:A:HO+0.1%TFA;B:MeCN+0.1%TFA;80% A定組成2分、40%Aまで7分直線的、定組成1分、20%Aまで2分間直線的、定組成1分、次いで0%Aまで2分間直線的)、固体として表題化合物を得た(40%)。H NMR(300MHz,DMSO−d+TFA,300K)δ1.2−1.4(m,3H),1.5−1.6(m,1H),1.8−2.1(m,6H),4.3(m,1H),7.5−7.6(m,5H),8.0(s,1H);MS(ES)m/z327(M+H)
【実施例2】
【0096】
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸
段階1:N−シクロヘキシルベンズアミド
0℃にて、DCM中の、塩化ベンジル(1.1eq.)及びEtN(1.5eq.)の撹拌溶液(0.14M)に、DCM中のシクロヘキシルアミンの溶液(0.47M)を滴下添加した。反応混合物をRTで0.5時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させ、残渣をAcOEt中に溶解した。有機層を連続的にHCl水溶液(1N)、NaHCO水溶液(飽和溶液)及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を得て(95%)、これをそのまま次の反応で使用した。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.1−1.3(m,3H),1.3−1.5(m,2H),1.6−1.7(m,1H),1.7−1.8(m,2H),2.0−2.1(m,2H),3.9−4.0(m,1H),6.1(bs,1H),7.3−7.4(m,2H),7.4−7.5(m,1H),7.7−7.8(m,2H);MS(ES+)m/z204(M+H)
【0097】
段階2:N−(アジドアセチル)−N−シクロヘキシルベンズアミド
トルエン中のN−シクロヘキシルベンズアミド(段階1より)の溶液(0.2M)を塩化クロロアセチル(1.1eq.)で処理した。反応混合物を3時間還流させ、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をDMSO中に溶解し、この溶液(0.2M)にNaN(3eq.)を添加した。反応混合物をRTで1時間撹拌し、次いでこれを水に注ぎ、EtOで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(AcOEt/石油エーテル、10%AcOEt〜20%AcOEt)、固体として表題化合物を得た(64%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.1−1.3(m,3H),1.5−1.6(m,1H),1.8−1.9(m,4H),2.1−2.2(m,2H),3.8(s,2H),4.0−4.1(m,1H),7.4−7.5(m,2H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(m,2H);MS(ES+)m/z309(M+Na)、297(M+H)
【0098】
段階3:3−シクロヘキシル−2−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン
トルエン中のN−(アジドアセチル)−N−シクロヘキシルベンズアミド(段階2より)の溶液(0.06M)をPPh(1.1eq.)で処理した。反応混合物をRTで4.5時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1:1 AcOEt/石油エーテル)、固体として表題化合物を得た(77%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.1−1.3(m,3H),1.5−1.6(m,1H),1.6−1.7(m,2H),1.7−1.8(m,2H),2.2−2.3(m,2H),3.5−3.6(m,1H),4.2(s,2H),7.5−7.6(m,5H);MS(ES+)m/z243(M+H)
【0099】
段階4:5−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルブアルデヒド
0℃にて、CHCl中のDMFの溶液(0.95M、4eq.)に、オキシ塩化リン(3eq.)を滴下添加した。反応混合物をRTに温め、次いでCHCl中の3−シクロヘキシル−2−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(段階3より)の溶液(0.16M)を添加した。反応混合物を2時間加熱還流し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をオキシ塩化リン中に溶解し、生じた溶液(0.12M)を18時間還流させた。次いで、この溶液を濃縮し、AcOEt及び水で残渣を希釈した。混合物をRTで15分間撹拌し、次いでこれをNaOH水溶液(2N)でpH7に中和した。層を分離し、水層をAcOEtで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、粗製物を得て、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(AcOEt/石油エーテル、15%AcOEt〜20%AcOEt)、固体として表題化合物を得た(56%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.2−1.3(m,3H),1.6−1.7(m,1H),1.8−1.9(m,4H),2.2−2.3(m,2H),4.1−4.3(m,1H),7.5−7.6(m,5H),10.0(s,1H);MS(ES)m/z289(M+H)
【0100】
段階5:3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸
RTにて、MeOH中のNaOMeの溶液(1.44M、4eq.)に、チオグリコール酸メチル(1.5eq.)を添加し、次いで、MeOH中の5−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルブアルデヒド(段階4より)の溶液(0.12M)を添加した。反応混合物を2時間還流させた。溶媒蒸発後、残渣をAcOEtで希釈し、NHCl水溶液(飽和溶液)を添加し、層を分離し、水層をAcOEtで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、残渣を得て、THF中に溶解し、生じた溶液(0.24M)をNaOH水溶液(1N、4.2eq.)で処理した。反応混合物を60℃にて2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、AcOEtを添加した。有機層をNaOH水溶液(1N)で2回洗浄し、HCl水溶液(6N)を用いて、合わせた水層をpH1に酸性化した。酸性水層をAcOEtで抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、粗製物を得て、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(MeOH/DCM、5%MeOH〜15%MeOH)、固体として表題化合物を得た(32%)。H NMR(300MHz,DMSO−d,300K)δ1.2−1.3(m,3H),1.5−1.7(m,1H),1.8−2.0(m,6H),4.2−4.3(m,1H),7.5−7.6(m,5H),7.7(s,1H);MS(ES)m/z327(M+H)
【実施例3】
【0101】
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸
段階1:1−(5−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)エタノン
0℃にて、EtO中の5−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルブアルデヒド(実施例2、段階4より)の溶液(0.08M)をMeMgBr(EtO中の3M溶液、1eq.)で処理した。反応混合物を0℃で45分間撹拌し、次いでNHCl水溶液(飽和溶液)で反応停止させ、AcOEtで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させた。生じた残渣をCHCN中に溶解し、溶液(0.08M)を4Å MS、NMO(1.1eq.)及びTPAP(0.1eq.)で処理した。反応混合物をRTで2時間撹拌した。溶媒蒸発後、粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(7:1 AcOEt/石油エーテル)、固体として表題化合物を得た(38%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ1.2−1.3(m,3H),1.6−1.7(m,1H),1.8−1.9(m,4H),2.3−2.4(m,2H),2.6(s,3H),4.1−4.3(m,1H),7.5−7.6(m,5H);MS(ES+)m/z303(M+H)
【0102】
段階2:3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸
MeOH中のNaOMeの溶液(0.24M、8eq.)に、RTでチオグリコール酸メチル(3.0eq.)を添加し、次いで、MeOH中の1−(5−クロロ−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)エタノン(段階1より)の溶液(0.015M)を添加した。反応物を20時間還流させ、次いで溶媒を蒸発させ、生じた残渣をTHF中に溶解し、RTにて3.5時間、溶液(0.06M)をNaOH水溶液(1N、16eq.)で処理した。次いで、MeOHの少量及びNaOH水溶液(1N、65eq.)を添加した。反応混合物を60℃にて5時間加熱し、次いでこれを濃縮し、水を添加した。TFAで酸性化した後、粗製物をRP−HPLCにより精製し(条件:Waters X−TERRA MS C18、10ミクロン、19x150mm;流速:18mL/分;勾配:A:HO+0.05%TFA;B:MeCN+0.05%TFA;80%A定組成2分、70%Aまで2分直線的、60%Aまで2分間直線的、50%Aまで2分間直線的、定組成6分、45%Aまで2分間直線的、定組成2分、次いで35%Aまで1分間直線的)、固体として表題化合物を得た(15%)。H NMR(300MHz,CDOD,300K)δ1.3−1.4(m,3H),1.6−1.7(m,1H),1.9−2.1(m,6H),2.7(s,3H),4.3−4.4(m,1H),7.6−7.7(m,5H);MS(ES+)m/z341(M+H)
【実施例4】
【0103】
6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸
段階1:エチル2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート
−10℃の、水/ジオキサン(1:1)中のエチル3−エトキシアクリレートの溶液(1M)をNBS(1.1eq.)で処理した。反応混合物をRTで1時間撹拌し、次いでチオ尿素(1eq.)を添加し、反応物を80℃にて1時間加熱した。RTに冷却した後、NHOH水溶液(飽和溶液)を添加した。生じたスラリーをRTで10分間撹拌し、ろ過した。生じたケーキを水で洗浄し、乾燥させ、黄白色の固体として表題化合物を得た(66%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ1.23(t,J6.8Hz,3H),4.17(q,J6.8Hz,2H),7.66(s,1H),7.83(s,2H);MS(ES)m/z173(M+H)
【0104】
段階2:6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸
エタノール中の2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(段階1より)の溶液(0.2M)に、2−ブロモ−1−フェニルエタノン(1eq.)を添加した。反応混合物を一晩加熱還流した。冷却後、溶媒を濃縮し、残渣をAcOEtで希釈した。有機相を水、次いで食塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。残渣をEtOで処理し、粗製物を得て、これをエタノール/水(3:1)中に溶解し、NaOH水溶液(1N、4eq.)を添加した。反応混合物を3時間還流させた。冷却後、混合物をHCl水溶液(3N)で酸性化し、生じた沈殿物をろ過により単離し、固体として表題化合物を得た(26%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ7.29(t,J7.3Hz,1H),7.41(t,J7.5Hz,2H),7.85(d,J7.2Hz,2H),8.25(s,1H),8.67(s,1H);MS(ES)w/z245(M+H)
【実施例5】
【0105】
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸
エチル6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボキシレートを無水酢酸(4.25eq.)、氷酢酸(35eq.)、シクロヘキサノン(6eq.)及び85%リン酸(2.2eq.)で処理した。反応混合物を120℃で一晩加熱した。冷却後、反応物を氷冷NHOH(飽和溶液)で処理し、AcOEtで抽出した。合わせた有機層をHCl水溶液(1N)、NaHCO水溶液(飽和溶液)及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1:5 AcOEt/石油エーテル)、エチル5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボキシレートを得た。上記化合物をエタノール中に溶解し、生じた溶液(0.5M)をNaOH(1N溶液、4eq.)で処理した。混合物を80℃で1時間加熱した。冷却後、これをHCl水溶液(3N)で酸性化し、HPLCにより精製し(条件:Waters X−TERRA MS C18、10ミクロン、19x150mm;流速:18mL/分;勾配:A:HO+0.05%TFA;B:MeCN+0.05%TFA;60% A定組成2分、20%Aまで12分直線的)、固体として表題化合物を得た(5%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ1.7(m,4H),2.2(m,4H),6.11(bs,1H),7.29(t,J7.3Hz,1H),7.42(t,J7.5Hz,2H),7.71(d,J7.4Hz 2H);MS(ES+)m/z325(M+H)
【実施例6】
【0106】
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸
段階1:1−シクロヘキシル−2−フェニルエタノン
0℃の、DCM中のシクロヘキサンカルボン酸の溶液(0.25M)に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.5eq.)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでEtN(1.5eq.)及びN,O−ジメチヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3eq.)を添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌し、次いで濃縮した。生じた残渣をAcOEtで希釈し、HCl水溶液(1N)、NaHCO水溶液(飽和溶液)及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。この粗製物をTHF中に溶解させ、生じた溶液(0.4M)を−78℃に冷却した。塩化ベンジルマグネシウム(THF中の1M溶液、1.2eq.)を滴下添加した後、反応混合物をRTになるまで放置して温め、次いでNHCl水溶液(飽和溶液)で反応停止させ、AcOEtで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1:19AcOEt/石油エーテル)、無色の油状物質として表題化合物を得た(54%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ1.2(m,5H),1.6(m,5H),3.79(s,2H),7.1−7.4(m,5H)。
【0107】
段階2:4−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−5−フェニル−1,3−チアゾール−2−アミン
RTの、ジオキサン中の1−シクロヘキシル−2−フェニルエタノン(段階1より)の溶液(1M)に、ジオキサン中のBr(1.05eq.)の溶液(0.1M)を滴下添加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで水で希釈した。水相をAcOEtで抽出し、合わせた有機層を水、NaHCO水溶液(飽和溶液)及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1:25 AcOEt/石油エーテル)、2−ブロモ1−シクロヘキシル−2−フェニルエタノンを得た。上記化合物をジオキサン(0.5M)中に溶解し、チオ尿素(1.05eq.)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流し、次いで冷却し、水(40eq.)及びNH水溶液(33%溶液、3.75eq.)を添加し、生じた混合物をRTで10分間撹拌した。次いで、生じた沈殿物をろ過し、固体として表題化合物を得た(44%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ1.5(m,4H),1.9(m,2H),2.1(m,2H),5.7(s,1H),6.9(bs,2H),7.2(m,1H),7.3(m,4H);MS(ES+)m/z257(M+H)
【0108】
段階3:3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸
エタノール中の4−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−5−フェニル−1,3−チアゾール−2−アミン(段階2より)の溶液(0.2M)をブロモピルビン酸エチル(2eq.)で処理し、及びEtN(2.2eq.)を添加した。反応混合物を3時間加熱還流し、ついでに冷却し、AcOEtで希釈した。有機溶液を水及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥させ、蒸発させた。粗製物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1:5 AcOEt/石油エーテル)、エチル3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボキシレートを得た。上記化合物をエタノール中に溶解し(0.5M)、NaOH水溶液(1N溶液、4eq.)で処理した。反応混合物を80℃にて1時間加熱し、次いで冷却し、HCl水溶液(3N)で酸性化し、生じた固体をろ過し、固体として表題化合物(24%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO,300K)δ1.6(m,4H),2.1(m,2H),2.2(m,2H),6.2(bs,1H),7.5(m,5H),8.2(s,1H);MS(ES+)m/z325(M+H)
【0109】
次の表は、さらなる例を示す:
【0110】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品製造のための、式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
A、B及びDは、それぞれ、C、N、O又はSであり;
E及びFは、C又はNであり;
五員環内の点線の丸は、環が不飽和又は部分飽和であり得ることを示し;
は、水素又はC1−6アルキルであり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシ又はアリールであり;
Gは、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル(該C1−6アルキル及びC2−6アルケニル基は、C1−4アルコキシもしくは5個以下のフッ素原子により場合によっては置換されている。)、又は3から8環原子の非芳香族環(該環は、二重結合を含有し得、及び/又はO、S、SO、SOもしくはNH部分を含有し得、該環は、場合によってはメチル、エチル又はフッ素により置換されている。)、又はアリールであり;
Arは、少なくとも1個の芳香族環を含有する部分であり、5、6、9又は10環原子(場合によっては、N、O及びSから独立に選択される、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)を有する。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用。
【請求項2】
A、B及びDが、C、N又はSである、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項3】
AがSであり、BがCである、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項4】
AがCであり、BがSである、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項5】
DがNである、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項6】
両方の5員環が不飽和である、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
が水素又はC1−4アルキルである、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項8】
が水素である、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
がC1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はアリールである、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
がメチル又はフェニルである、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
が存在しない、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
Gが水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである、請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
Gがシクロヘキシル又はシクロヘキセニルである、請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
Arが、N、O及びSから独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合によっては含有する、5又は6員の芳香族環である、請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
Arがフェニルである、請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品の製造のための、式(Ia)の請求項1に記載の化合物:
【化2】

[式中、
A、B、R、G及びArは、請求項1で定義される通りであり、点線は、単結合又は二重結合を表す。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用。
【請求項17】
AがCであり、BがSである、請求項16に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項18】
がC1−6アルキル又はアリールである、請求項16又は請求項17に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項19】
が存在しない、請求項16又は請求項17に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項20】
Gが、水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである、請求項16〜請求項19の何れか1項に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項21】
Gがシクロヘキシルである、請求項16〜請求項20の何れか1項に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項22】
Arが、0、1又は2個のN原子を含有する6員環である、請求項16〜請求項21の何れか1項に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項23】
Arがフェニルである、請求項16〜請求項22の何れか1項に記載の式(Ia)の化合物の使用。
【請求項24】
C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品の製造のための、式(Ib)の請求項1に記載の化合物:
【化3】

[式中、
A、D、R、G及びArは、請求項1で定義される通りであり、点線は、単結合又は二重結合を表す。]又は医薬適合性のそれらの塩の使用。
【請求項25】
AがSであり、DがNである、請求項24に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項26】
がC1−6アルキル又はアリールである、請求項24又は請求項25に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項27】
が、メチル又はフェニルである、請求項24〜請求項26の何れか1項に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項28】
が存在しない、請求項24又は請求項25に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項29】
Gが、水素、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル又はアリールである、請求項24〜請求項28の何れか1項に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項30】
Arが、0、1又は2個のN原子を含有する6員環である、請求項24〜請求項29の何れか1項に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項31】
Arがフェニルである、請求項24〜請求項30の何れか1項に記載の式(Ib)の化合物の使用。
【請求項32】
請求項1に記載の式(I)の化合物{式(I)の化合物は、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸から選択される};及び医薬適合性のそれらの塩の使用。
【請求項33】
症状に罹患している、ヒト又は動物対象に、請求項1〜請求項32の何れか1項に記載の式(I)の化合物又は医薬適合性のそれらの塩の治療的もしくは予防的有効量を投与することによる、C型肝炎ウイルスポリメラーゼを阻害する、及び/又はC型肝炎ウイルスによる疾患を治療もしくは予防する方法。
【請求項34】
抗ウイルス剤などのウイルス感染の治療のための1以上の他の薬剤及び/又はα−、β−もしくはγ−インターフェロン、特にα−インターフェロンなどの免疫調節剤と組み合わせた、C型肝炎ウイルスによる感染の治療又は予防用の医薬品の製造のための、請求項1〜請求項32の何れか1項に記載の式(I)の化合物又は医薬適合性のそれらの塩の使用。
【請求項35】
医薬適合性の担体とともに、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、又は
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸;又は医薬適合性のそれらの塩を含む医薬組成物。
【請求項36】
治療で使用するための、
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6ジ−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸から選択される、式(I)の化合物及び医薬適合性のそれらの塩。
【請求項37】
1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−チエノ[3,2−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2−フェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−6−メチル−2−フェニル−3−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
3−シクロヘキシル−2,6−ジフェニル−3H−チエノ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸、
5,6−ジフェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
6−フェニルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−カルボン酸、
5−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−2−カルボン酸、
3−シクロヘキシ−1−エン−1−イル−2−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−カルボン酸から選択される式(I)の化合物;及び医薬適合性のそれらの塩。

【公表番号】特表2008−506762(P2008−506762A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522038(P2007−522038)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/050111
【国際公開番号】WO2006/008556
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】