説明

抗コリン作用薬とPDE5−阻害剤に基づく新規な医薬組成物

本発明は、抗コリン作用薬とPDE 5-阻害剤に基づく新規な医薬組成物、その調製方法及び肺高血圧症の治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、抗コリン作用薬とPDE 5-阻害剤に基づく新規な医薬組成物、その調製方法及び肺高血圧症の治療における使用に関する。
【0002】
本発明は、抗コリン作用薬とPDE 5-阻害剤に基づく新規な医薬組成物、その調製方法及び肺高血圧症の治療における使用に関する。
肺高血圧症は、臨床スペクトルが広い。本態性肺高血圧症は、まれであるが若い人たちの致命的な疾患である。更にまた、肺高血圧症は、COPDのような慢性閉塞性気道疾患の共通の障害の結果である。肺循環における圧力の上昇の結果として、肺性心に続いて心不全になることがある。
驚くべきことに、1以上の抗コリン作用薬を1以上のPDE 5-阻害剤と共に用いる場合には、呼吸器の炎症性及び/又は閉塞性疾患の治療において予想外に有益な治療効果を見ることができる。
上述の効果は、2つの活性物質が単一の活性物質製剤において同時に投与される場合にも個別の製剤において連続して投与される場合にも見ることができる。本発明によれば、単一製剤において同時に活性物質成分を投与することが好ましい。
本発明の範囲内で用いることができる塩1とは、対イオン(アニオン)としてのチオトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム、トロスピウムに加えて、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、好ましくは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン又はパラトルエンスルホン酸イオンを含有する化合物を意味する。本発明の範囲内の全ての塩1の中でメタンスルホン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物が好ましく、メタンスルホン酸塩、臭化物が特に重要である。臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化イプラトロピウム、臭化グリコピロニウム、及び塩化トロスピウム、好ましくは臭化チオトロピウム及び臭化グリコピロニウムより選ばれる塩1が、本発明によれば著しく重要である。臭化チオトロピウムが特に好ましく、国際出願公開第02/30928号に開示される結晶性一水和物の形態が好ましい。
【0003】
他の好ましい実施態様においては、抗コリン作用薬1は、トロペノール2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、スコピン2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド、トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド、トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロマイド、トロペノール9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、及びスコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイドからなる化合物の群より選ばれる。上述のメトブロマイドの代わりに、抗コリン作用薬は、対応するフルオライド、クロライド、ヨーダイド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネート、好ましくは対応するクロライド、ヨーダイド、スルフェート、メタンスルホネート又はパラトルエンスルホネートより選ぶことができる。
【0004】
他の好ましい実施態様においては、抗コリン作用薬1は、トロペノール2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、スコピン2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、及びスコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートからなる化合物の群より選ばれる。上述のメトブロマイドの代わりに、抗コリン作用薬は、対応するフルオライド、クロライド、ヨーダイド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネート、好ましくは対応するクロライド、ヨーダイド、スルフェート、メタンスルホネート又はパラトルエンスルホネートより選ぶことができる。
他の好ましい実施態様においては、抗コリン作用薬1は、下記式1a
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、X - は、1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるアニオンである。)
の化合物より選ばれ、そのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形態の化合物より選ばれてもよい。
好ましい薬剤併用は、式1a(式中、X - は、1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、メタンスルホン酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンより選ばれるアニオンである。)の塩を含み、そのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形態で含んでもよい。
好ましい薬剤併用は、式1a(式中、X - は、1個の負電荷をもつアニオン、好ましくは塩素アニオン、臭素アニオン及びメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンより選ばれるアニオンである。)の塩を含み、そのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形態の塩を含んでもよい。
特に好ましい薬剤併用は、式1aの化合物をブロマイドの形態で含む。
下記式1a-enのエナンチオマーを含む薬剤併用が特に重要である。
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、X - は、上述の意味を有するのがよい。)
上述の化合物1の全てがアニオンと組合わせた薬理的に活性なカチオンからなる塩である。本出願の範囲内で化合物1'について述べることは、薬理的に活性なカチオンについて述べることとして理解されるべきである。
本発明の範囲内で、上記の抗コリン作用薬1と共に用いられるPDE 5-阻害剤2は、好ましくはシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、NCX-911、Sch-444877、FR-229934、4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフィニル)プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン、1-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-[キノゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、(+)-cis-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチル-5-メチルシクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン、フラズロシリン、cis-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン、1-メチル5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル}-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、GF-196960、E8010、E4010、Bay-38-3045、Bay-38-9456、FR226807、Sch-51866、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-1(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、4-(4-クロロベンジル)アミノ-6,7,8-トリメトキシキナゾリン、7,8-ジヒドロ-8-オキソ-6-[2-プロポキシフェニル]-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリン、1-[3-[1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-7,8-ジヒドロ-8-オキソ-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリン-6-イル]-4-プロポキシフェニル]カルボキシアミド、2-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-スルホニル)フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f]-[1,2,4]-トリアジン-4-オン、及び1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンからなる群より選ばれ、それらの薬学的に許容しうる酸付加塩の形態で、水和物及び/又は溶媒和物の形態で選ばれてもよく、また、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で選ばれてもよい。
【0009】
1の治療的に有効な量と、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、NCX-911、Sch-444877、FR-229934、4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフィニル)プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン、1-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-[キノゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、(+)-cis-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチル-5-メチルシクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン、フラズロシリン、cis-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン、1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル}-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、GF-196960、E8010、E4010、Bay-38-3045、Bay-38-9456、FR226807、Sch-51866、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]−2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、2-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-スルホニル)フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f]-[1,2,4]-トリアジン-4-オン、及び1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンより選ばれ、それらの薬学的に許容しうる酸付加塩の形態で、水和物及び/又は溶媒和物の形態で選ばれてもよく、また、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で選ばれてもよい1つ以上、好ましくは1つの化合物2の治療的に有効な量を含む医薬組成物が本発明の組成物の中で特に好ましい。
【0010】
1の治療的に有効な量と、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]−2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、2-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-スルホニル)フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f]-[1,2,4]-トリアジン-4-オン、及び1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンより選ばれ、バルデナフィル、シルデナフィル、及びタダラフィルが特に好ましく、それらの薬学的に許容しうる酸付加塩の形態で、水和物及び/又は溶媒和物の形態で選ばれてもよく、また、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で選ばれてもよい1つ以上、好ましくは1つの化合物2の治療的に有効な量を含む医薬組成物が本発明の組成物の中で特に更に好ましい。
上述のPDE 5-阻害剤2は、薬学的に許容しうる酸で酸付加塩を形成することができる。代表的な塩としては、以下: 酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、 安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エディシル酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフト酸、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチルブロマイド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩が挙げられる。
【0011】
更に、化合物2が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容しうる塩には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩; アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩; 適切な有機リガンドで形成された塩、例えば、第四級アンモニウム塩が含まれてもよい。
化合物1及び2は、キラル中心を有することができ、ラセミ体、ラセミ混合物として、また、個々のジアステレオマー、又はエナンチオマーとして存在することができ、全ての異性体が本発明に含まれる。それ故、化合物がキラルである場合、実質的に一方を含まない別々のエナンチオマーは本発明の範囲内に含まれる。エナンチオマーの全ての混合物も更に含まれる。また、本発明の化合物の多形体や水和物も本発明の範囲内に含まれる。
用語“治療的に有効な量”は、研究者又は臨床医が探求している、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的な応答を誘発する量の薬剤又は医薬剤を意味する。
本発明の活性物質12の薬剤併用は、好ましくは吸入によって投与される。適切なカプセル(インハレット)に装填される適切な吸入用粉末は、適切な粉末吸入器を用いて投与することができる。或はまた、適切な吸入エアゾールの適用によって薬剤が吸入されてもよい。これらには、例えば、噴射剤ガスとして、HFA134a、HFA227又はそれらの混合物を含有する吸入エアゾールも含まれる。薬剤は、また、活性物質12からなる薬剤併用の適切な溶液を用いて吸入することができる。
それ故、一態様においては、本発明は活性物質12の併用を含む医薬組成物に関する。
他の態様においては、本発明は1以上の塩12を含む医薬組成物に関する。それらの溶媒和物又は水和物の形態で含んでもよい。活性物質は、単一製剤で合わせてもよく、2つの個別製剤で含まれてもよい。本発明によれば、単一製剤に活性物質12を含む医薬組成物が好ましい。
他の態様においては、本発明は、活性物質12の治療的に有効な量に加えて、薬学的に許容しうる賦形剤を含有する医薬組成物に関する。他の態様においては、本発明は、12の治療的に有効な量に加えていかなる薬学的に許容しうる賦形剤も含まない医薬組成物に関する。
【0012】
本発明は、また、本態性肺高血圧症及び慢性閉塞性気道疾患に対する続発性の肺高血圧症が挙げられる、肺高血圧症を治療するのに治療的に有効な量の12を含む医薬組成物を調製するための活性物質12の使用に関する。更にまた、本発明は、肺高血圧症の次の形: 解明されてない肺高血圧症、原発性多因性肺高血圧症、血栓性肺高血圧症、塞栓性肺高血圧症、先天性心疾患に対する続発性の肺高血圧症、肺静脈閉鎖性疾患(PVOD)、肺静脈高血圧症、実質性肺疾患における肺高血圧症、肺移植における肺高血圧症、低酸素症動脈症による肺高血圧症、肺毛細血管血管腫症、肝疾患、肺血管の内側の欠損、肺血管の誤整列、腫瘍塞栓、薬物乱用者の肺、肺住血吸虫症、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の1つ以上を治療するのに治療的に有効な量の活性物質12を含有する医薬組成物を調製するための活性物質12の使用を含む。本発明の活性物質の併用は、PDE 5阻害剤による治療が治療の観点から禁忌を示す場合にのみ用いられない。
本発明は、また、PDE 5阻害剤による治療が治療の観点から禁忌を示さないとすれば、同時又は連続した投与によって肺高血圧症を治療するのに治療的に有効な投与量の上記の医薬組成物12の併用の同時又は連続使用に関する。
本発明の12の活性物質併用において、成分12は、それらのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物の形態であってもラセミ体の形態であってもよい。
活性物質12が本発明の活性物質併用において用いることができる割合は、可変である。活性物質12は、おそらくそれらの溶媒和物又は水和物の形態である。化合物12の選択によっては、本発明の範囲内で用いることができる質量比は、種々の化合物の異なる分子量及びそれらの異なる効力に基づいて変わる。一般に、本発明の薬剤併用は、化合物12を1:300〜50:1の範囲にある質量比で、好ましくは1:250〜40:1で含有することができる。化合物12としてチオトロピウム塩を含有する特に好ましい薬剤併用において、質量比は、チオトロピウム1'2が、1:150〜30:1、より好ましくは1:50〜20:1の比で有する範囲で最も好ましい。
例えば、それらに本発明の範囲を制限しない本発明の12の好ましい併用は、チオトロピウム1'2を以下の質量比: 1:50; 1:49; 1:48; 1:47; 1:46; 1:45; 1:44; 1:43; 1:42; 1:41; 1:40; 1:39; 1:38; 1:37; 1:36; 1:35; 1:34; 1:33; 1:32; 1:31; 1:30; 1:29; 1:28; 1:27; 1:26; 1:25; 1:24; 1:23; 1:22; 1:21; 1:20; 1:19; 1:18; 1:17; 1:16; 1:15; 1:14; 1:13; 1:12; 1:11; 1:10; 1:9; 1:8; 1:7; 1:6; 1:5; 1:4; 1:3; 1:2; 1:1; 2:1; 3:1; 4:1; 5:1; 6:1; 7:1; 8:1; 9:1; 10:1; 11:1; 12:1; 13:1; 14:1; 15:1; 16:1; 17:1; 18:1; 19:1; 20:1で含有することができる。
【0013】
活性物質12の併用を含有する本発明の医薬組成物は、通常、活性物質12が、一回量につき1〜10000μg、好ましくは0.1〜2000μg、より好ましくは1〜1000μg、更により好ましくは5〜500μg、本発明によれば好ましくは10〜300μg、好ましくは20〜200μgの投与量で共に有するように投与される。例えば、本発明の活性物質12の併用は、一回量につき全体の用量が約20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg等であるようなカチオン1'2の量を含有する。これらの用量範囲において、活性物質1'2は、上記質量比で有するのがよい。
例えば、それらに本発明の範囲を制限しない本発明の活性物質12の併用は、各々一回量において5μgの1'と25μgの2、5μgの1'と50μgの2、5μgの1'と100μgの2、5μgの1'と125μgの2、5μgの1'と200μgの2、5μgの1'と250μgの2、10μgの1'と25μgの2、10μgの1'と50μgの2、10μgの1'と100μgの2、10μgの1'と125μgの2、10μgの1'と200μgの2、10μgの1'と250μgの2、18μgの1'と25μgの2、18μgの1'と50μgの2、18μgの1'と100μgの2、18μgの1'と125μgの2、18μgの1'と200μgの2、18μgの1'と250μgの2、20μgの1'と25μgの2、20μgの1'と50μgの2、20μgの1'と100μgの2、20μgの1'と125μgの2、20μgの1'と200μgの2、20μgの1'と250μgの2、36μgの1'と25μgの2、36μgの1'と50μgの2、36μgの1'と100μgの2、36μgの1'と125μgの2、36μgの1'と200μgの2、36μgの1'と250μgの2、40μgの1'と25μgの2、40μgの1'と50μgの2、40μgの1'と100μgの2、40μgの1'と125μgの2、40μgの1'と200μgの2又は40μgの1'と250μgの2が投与されるようにカチオン1'2の量を含有することができる。
本発明の活性物質12の活性物質の併用剤は、吸入により投与することが好ましい。このために、成分12は吸入に適した形態で役に立たなければならない。吸入用製剤としては、吸入用粉末、噴射剤を含有する定量エアゾール又は噴射剤を含有しない吸入用溶液が含まれる。活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用粉末は、活性物質だけで又は活性物質と生理的に許容しうる賦形剤との混合物からなってもよい。本発明の範囲内の用語噴射剤を含有しない吸入用溶液には濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液が含まれる。本発明の製剤は、活性物質12の組合わせを1つの製剤で一緒にか又は2つの個別製剤で含有してもよい。本発明の範囲内で用いることができるこれらの製剤は、明細書の次のパートで更に詳述される。
【0014】
A) 本発明の活性物質12の併用剤を含む吸入用粉末:
本発明の吸入用粉末は、活性物質12だけで又は適切な生理的に許容しうる賦形剤と混合して含有することができる。
活性物質12が生理的に許容しうる賦形剤と混合して存在する場合には、本発明の吸入用粉末を調製するために次の生理的に許容しうる賦形剤を用いることができる:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクロース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖類又は多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤の混合物。好ましくは単糖類又は二糖類が用いられ、ラクトース又はグルコースの使用が好ましく、特に、全部ではないが水和物の形態で用いられる。本発明のために、ラクトースが特に好ましい賦形剤であるが、ラクトース一水和物が最も好ましい。
本発明の吸入用粉末の範囲内の賦形剤の最大平均粒径は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmである。上記賦形剤に平均粒径が1〜9μmの微細な賦形剤部分を加えることがしばしば適切であると思われることがある。これらの微細な賦形剤は、可能な上記賦形剤の群より選ばれる。最後に、本発明の吸入用粉末を調製するために、平均粒径が、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1〜5μmの微粉化活性物質12が賦形剤混合物に添加される。粉砕し微粉化し、最後にそれらの成分を共に混合することにより、本発明の吸入用粉末を製造する方法は、従来技術から既知である。本発明の吸入用粉末は、活性物質12も含有する単一粉末混合物の形態か又は活性物質1又は2のみを含む個別の吸入用粉末の形態で調製し投与することができる。
本発明の吸入用粉末は、従来技術から既知の吸入器を用いて投与することができる。活性物質12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、米国特許出願第4570630号に記載される計量チャンバを用いて又はドイツ特許出願第36 25 685A号に記載される他の手段によって供給部から一回量を送り出す吸入器によって投与することができる。好ましくは、活性物質12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、国際出願公開第94/28958号に記載される吸入器に用いられるカプセル(いわゆるインハレットを製造するために)へ充填される。
【0015】
インハレットにおいて本発明の薬剤併用を用いるのに特に好ましい吸入器を図1に示す。
図1の吸入器は、2つの窓2を有するハウジング1、空気注入口があり且つスクリーンハウジング4によって固定されたスクリーン5を備えているデッキ3、2つの鋭いピン7とスプリング8に対して可動カウンタを備えた押しボタンがあるデッキ3に接続した吸入チャンバ6、ハウジング1、デッキ3及びぱっと開いたり閉じたりすることを可能にするスピンドル10によるカバー11に接続したマウスピース12、並びにカプセルチャンバ6の周辺でスクリーンハウジング4とスクリーン5の下の中央領域における直径が1mm未満の3つの孔13を特徴とする。主なエアフローは、デッキ3とヒンジに近いベース1との間の吸入器に入る。デッキは、この範囲で短い幅を有し、空気のための入口スリットを形成する。その後、フローが逆流し、流入管を通ってカプセルチャンバ6に入る。その後、フローは、更に、フィルタとフィルタホルダを通ってマウスピースに送られる。フローの小さい部分がマウスピースとデッキとの間のデバイスに入り、その後フィルタホルダとデッキとの間を主流へ流れる。生成許容量に基づき、フィルタホルダとデッキとの間にスリットの実際には幅があることからこのフローは若干不正確である。それ故、新規な又は再生されたツールの場合には、吸入器の流動抵抗は、目標値を少し外れることがある。この偏差を修正するために、カプセルチャンバ6の周辺でスクリーンハウジング4の下の中央領域にデッキがある。これらの孔13を通って、ベースから主な空気流に空気を流し、吸入器の流動抵抗をこのように僅かに減少させる。これらの孔13の実際の直径は、ツールにおける適当な挿入物によって選ぶことができるので、平均流動抵抗を目標値に等しくすることができる。
本発明の吸入用粉末を上記好ましい使用のカプセル(吸入器)へ充填する場合には、各カプセルへ充填する量は、1カプセル当たり1〜30mg、好ましくは3〜20mg、特に5〜10mgの吸入用粉末でなければならない。本発明によれば、これらのカプセルは一緒にか又は別個に各一回量について上述した活性物質1'2の投与量を含有する。
【0016】
B) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射剤ガス駆動吸入エアゾール:
本発明の噴射剤ガスを含有する吸入エアゾールは、噴射剤ガスに溶解した又は分散した形態の物質12を含有することができる。活性物質12は、個別製剤又は単一製剤で存在することができ、活性物質12を各々溶解するか、分散させるか又は成分の一方だけ又は双方を溶解し、もう一方又は双方を分散させる。本発明の吸入エアゾールを調製するために用いることができる噴射剤ガスは、従来技術から既知である。適切な噴射剤ガスは、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素又はメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素より選ばれる。上記噴射剤ガスは、それだけで又は混合物で用いることができる。特に好ましい噴射剤ガスは、TG134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)及びTG227(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)及びそれらの混合物より選ばれたハロゲン化アルカン誘導体である。
本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、共溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤又はpH調整剤のような他の成分を含むことができる。これらの成分はすべて当該技術において既知である。
本発明の噴射剤を含む吸入エアゾールは、5質量%までの活性物質1及び/又は2を含有することができる。本発明のエアゾールは、例えば、0.002〜5質量%、0.01〜3質量%、0.015〜2質量%、0.1〜2質量%、0.5〜2質量%又は0.5〜1質量%の活性物質1及び/又は2を含有する。
活性物質1及び/又は2が分散された形態で存在する場合には、活性物質粒子の平均粒径は、10μmまで、好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは1〜5μmであることが好ましい。
上記本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において既知の吸入器(MDI = 定量吸入器)を用いて投与することができる。従って、他の態様においては、本発明は、これらのエアゾールを投与するのに適した1種以上の吸入器と組合わせた上記噴射剤駆動エアゾールの形態での医薬組成物に関する。更に、本発明は、本発明の上記噴射剤ガス含有エアゾールを含有することを特徴とする吸入器に関する。本発明は、また、適切な吸入器に用いることができる適切なバルブを備えるとともに本発明の上記噴射剤ガス含有吸入エアゾールの1つを含有するカートリッジに関する。適切なカートリッジ及びこれらのカートリッジを本発明の噴射剤ガスを含有する吸入用エアゾールで充填する方法は従来技術から既知である。
【0017】
C) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液:
本発明の活性物質併用を噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形態で用いることが特に好ましい。用いられる溶媒は、水溶液又はアルコール溶液、好ましくはエタノール溶液であってもよい。溶媒は、水単独であっても水とエタノールの混合物であってもよい。水と比較したエタノールの相対割合は制限されず、最大が70容量%まで、特に60容量%まで、最も好ましくは30容量%までである。残りの容量は水を利用する。活性物質12を別個に又は一緒に含有する溶液又は懸濁液は、適切な酸を用いてpH2〜7、好ましくは2〜5に調整される。pHは無機又は有機酸より選ばれた酸を用いて調整することができる。特に適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に適切な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸が挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸や硫酸である。活性物質の1種と酸付加塩を既に形成した酸を用いることも可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸、クエン酸が好ましい。所望される場合には、特に酸化する性質のほかに他の性質を、例えば、香味剤、抗酸化剤又は錯化剤としてもつ酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合に上記酸の混合物を用いることができる。本発明によれば、pHを調整するために塩酸を用いることが特に好ましい。
本発明によれば、安定剤又は錯化剤としてエデト酸(EDTA)又はその既知の塩の1種、エデト酸ナトリウムの添加は本発明に不要である。他の実施態様は、この化合物又はこれらの化合物を含有することができる。好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムに基づく含量は100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、更に好ましくは20mg/100ml未満である。一般的には、エデト酸ナトリウムの含量が0〜10mg/100mlである吸入可能な溶液が好ましい。
共溶媒及び/又は他の賦形剤は本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液に添加することができる。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を有するもの、例えば、アルコール-特にイソプロピルアルコール、グリコール-特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール又はポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。これに関連した賦形剤や添加剤なる用語は、活性物質でなく、活性物質製剤の定性的性質を改善するために生理的に適切な溶媒中で1種又は複数種の物質と配合され得る薬理的に許容しうる物質を示している。好ましくは、これらの物質は、薬理作用がなく、所望の治療に関連して認知できる薬理作用がなく、少なくとも望ましくない薬理作用がない。賦形剤や添加剤としては、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドンのような界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終医薬製剤の寿命を保証又は延長する抗酸化剤及び/又は保存剤、香味剤、ビタミン及び/又は当該技術において既知の他の添加剤が含まれる。添加剤には、また、等張剤として塩化ナトリウムのような生理的に許容しうる塩が含まれる。
【0018】
好ましい賦形剤としては、pH、ビタミンA、ビタミンE、トコフェノロ−ル又はヒト体内で生じる同様のビタミン又はプロビタミンを調整するために既に用いられていなければ、例えば、アスコルビン酸のような抗酸化剤が含まれる。
保存剤は、病原体による汚染から製剤を保護するために用いることができる。適切な保存剤は、当該技術において既知のもの、特に塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩の従来技術より既知の濃度のものである。上記保存剤は、好ましくは50mg/100mlまで、更に好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。
好ましい製剤は、溶媒の水と活性物質12の組合わせに加えて、塩化ベンザルコニウムとエデト酸のみを含有する。他の好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムは存在しない。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液は、特に治療的吸入に適したエアゾールを生じる数秒以内で少量の液体製剤を治療的必要量で噴射させることができる種類の吸入器を用いて投与される。本発明の範囲内の好ましいネブライザは、エアゾールの吸入可能部分が治療的に有効な量に相当するようにして100μl未満、好ましくは50μl未満、更に好ましくは20〜30μlの活性物質溶液の量を、好ましくは1回の噴霧作用で平均粒径が20μm未満、好ましくは10μm未満のエアゾールを形成するように噴射させることができるものである。
吸入用液体医薬組成物の定量の噴射剤を含まずに送り出すこの種類の装置は、例えば、国際出願公開第91/14468号や国際出願公開第97/12687号(特に図6aと図6bを参照のこと)に記載されている。その中に記載されているネブライザ(装置)はRespimat(登録商標)の名前で知られている。
このネブライザ(Respimat(登録商標))は、活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用エアゾールを生じるように有利に用いることができる。形が円筒状であり、便利なサイズの長さが9cm未満から15cmまで、幅が2〜4cmであることから、患者がその装置をどこにでも運ぶことができる。ネブライザによって、吸入用エアゾールを生じるように小さなノズルを通って高圧を用いて所定量の医薬製剤がスプレーされる。
【0019】
好ましいアトマイザは、本質的にハウジング上部と、ポンプハウジングと、ノズルと、ロッキングメカニズムと、スプリングハウジングと、スプリングと、貯蔵容器とからなり、
- 該ハウジング上部に固定されかつ一端に該ノズル又はノズル配置をもつノズルボディを含むポンプハウジング、
- バルブボディをもつ中空プランジャ、
- 該中空プランジャが固定され且つ該ハウジング上部内にあるパワーテイクオフフランジ、
- 該ハウジング上部内にあるロッキングメカニズム、
- 回転軸受によって該ハウジング上部に回転可能に取り付けられた、スプリングがその中にあるスプリングハウジング、
- スプリングハウジングに軸方向に取り付けられたハウジング下部
を特徴とする。
バルブボディをもつ中空プランジャは、国際出願公開第97/12687号に開示された装置に対応している。ポンプハウジングのシリンダの中に部分的に突出し、シリンダ内で軸方向に移動可能である。特に図1〜図4、特に図3と説明の関連部分に言及されている。スプリングが作動する時にバルブボディをもつ中空プランジャによって5〜60 Mpa(約50〜600バール)、好ましくは10〜60 Mpa(約100〜600バール)が液体、計量の活性物質溶液に高圧の最後に加えられる。1スプレーにつき10〜50μlの容量が好ましくは、10〜20μlの容量が更に好ましく、15μlの容量が最も好ましい。
バルブボディは、ノズルボディに面した中空プランジャの端に取り付けられていることが好ましい。
ノズルボディ内のノズルは微細構造であること、即ち、マイクロテクノロジーによって製造されることが好ましい。微細構造バルブボディは、例えば、国際出願公開第94/07607号に開示され、その明細書の内容、特にその中の図1と、関連がある説明は本願明細書に含まれるものとする。
ノズルボディは、例えば、2枚のシートが一緒に固定されたガラス及び/又はシリコンからなり、少なくとも1枚はノズル入口端をノズル出口端に接続する1以上の微細構造チャンネルを有する。ノズル出口端に深さ2〜10μm(ミクロン)、幅5〜15μm(ミクロン)の少なくとも1つの丸い又は丸くない穴があり、深さ4.5〜6.5μm(ミクロン)、長さ7〜9μm(ミクロン)が好ましい。
【0020】
ノズル穴が複数、好ましくは2つある場合には、ノズルボディのノズルの噴霧の向きは相互に平行してもよく、ノズル穴の向きに相互に傾斜してもよい。出口端に少なくとも2つのノズル穴をもつノズルボディにおいては、噴霧の向きは相互に20〜160oの角度、好ましくは60〜150oの角度、最も好ましくは80〜100oの角度であってもよい。ノズル穴は、好ましくは10〜200μm(ミクロン)の間隔、更に好ましくは10〜100μm(ミクロン)の間隔、最も好ましくは30〜70μm(ミクロン)で配列している。50μm(ミクロン)の間隔が最も好ましい。それ故、噴霧の向きはノズル穴の領域に適合する。
液体医薬製剤は600バールまで、好ましくは200〜300バールのエントリー圧でノズルボディに当たり、ノズル穴を通って吸入用エアゾールへ噴霧される。エアゾールの好ましい粒子径又は小滴は20μm(ミクロン)まで、好ましくは3〜10μm(ミクロン)である。
ロッキングメカニズムは、機械エネルギーの貯蔵としてスプリング、好ましくは円筒形圧縮コイルばねを有する。スプリングは、ロッキング部分の位置で決まる動きを作動部分としてのパワーテイクオフフランジに作用する。パワーテイクオフフランジの移動は上止め具と下止め具によって正確に制限される。スプリングは、好ましくは、パワーステップアップギア、例えば、ヘリカルスラストギアを介してハウジング上部がハウジング下部のスプリングハウジングに対して回転するときに生じる外部トルクによってバイアスがかかる。この場合、ハウジング上部とパワーテイクオフフランジは単一又は複数のV形ギアを有する。
ロッキング面が係合しているロッキング部分は、パワーテイクオフフランジの周りにリングで配列している。例えば、固有に半径方向に弾性的に変形可能であるプラスチック又は金属のリングからなる。リングはアトマイザ軸に対して垂直な角度の面に配列している。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分のロッキング面はパワーテイクオフフランジの通路に移動し、スプリングが緩むのを防止する。ロッキング部分はボタンによって作動する。作動ボタンはロッキング部分に接続又は結合している。ロッキングメカニズムを作動させるために、作動ボタンを環状面に平行に、好ましくはアトマイザの中に移動し、それにより変形可能リングが環状面で変形する。ロッキングメカニズムの構成の詳細は、国際出願公開第97/20590号に記載されている。
ハウジング下部は、スプリングハウジング上に軸方向に押され、取付部と、スピンドルの駆動部と、液体用貯蔵容器とを包含している。
【0021】
アトマイザが作動したとき、ハウジングの上部はスプリングハウジングを保持している下部に相対して回転する。それによりスプリングが圧縮し、コイルスラストギアによってバイアスがかけられ、ロッキングメカニズムが自動的に係合する。回転角度は、好ましくは360度の整数部分、例えば、180度である。スプリングにバイアスがかかると同時に、ハウジング上部のパワーテイクオフ部分が一定距離だけ移動し、中空プランジャがポンプハウジングのシリンダー内に引っ張られ、結果として貯蔵容器から液体の一部がノズルの前の高圧チャンバへ吸引される。
所望される場合には噴霧させるべき液体を含有する多くの置換可能貯蔵容器をアトマイザへ次々に押入れ、続けて用いることができる。貯蔵容器は、本発明の水性エアゾール製剤を含有している。噴霧プロセスは、作動ボタンを弱く押圧することにより開始する。結果として、ロッキングメカニズムがパワーテイクオフ部分の通路を開放する。バイアスをかけたスプリングがプランジャを押してポンプハウジングのシリンダーへ入る。液体がアトマイザのノズルから噴霧の形態で出る。
構成の詳細は、本願明細書に含まれるものとする国際出願公開第97/12683号と同第97/20590号に開示されている。
アトマイザ(ネブライザ)の部品は、その機能に適した材料から製造されている。アトマイザのハウジングと動作が可能である場合には他の部分もプラスチックから、例えば、射出成形によって製造されることが好ましい。医療用の場合、生理的に安全な材料が用いられる。
国際出願公開第97/12687号の図6a/bは、本発明の水性エアゾール製剤を吸入させるために有利に使用し得るRespimat(登録商標)ネブライザを示した図であり、この明細書の記載は本出願に含まれるものとする。
国際出願公開第97/12687号の図6aは、スプリングにバイアスがかけられたアトマイザの中の縦断面図であり、国際出願公開第97/12687号の図6bはスプリングが緩んだアトマイザの中の縦断面図である。ハウジング上部(51)はポンプハウジング(52)を有し、その端にアトマイザノズルのためのホルダ(53)が取り付けられている。ホルダ内にノズルボディ(54)とフィルタ(55)がある。ロッキングメカニズムのパワーテイクオフフランジ(56)に固定された中空プランジャ(57)がポンプハウジングのシリンダの中に一部突出している。その端に中空プランジャがバルブボディ(58)を備えている。中空プランジャはシール(59)によって密封されている。スプリングが緩んだときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(60)はハウジング上部内側にある。スプリングのバイアスがかけられたときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(61)はパワーテイクオフフランジ上にある。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分(62)は止め具(61)とハウジング上部の支持体(63)との間に移動する。作動ボタン(64)はロッキング部分に接続している。ハウジング上部の端は口金(65)であり、載置し得る保護カバー(66)によって密封されている。
【0022】
圧縮スプリング(68)をもつスプリングハウジング(67)は、スナップインラグ(69)と回転軸受によってハウジング上部に回転可能に取り付けられている。ハウジング下部(70)は、スプリングハウジングの上に押される。スプリングハウジング内部に噴霧すべき液体(72)の取り替え可能な貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器はストッパ(73)で密封され、中空プランジャが貯蔵容器の中に突出し、その端が液体(活性物質溶液の供給部)に浸漬している。
機械的カウンタのスピンドル(74)はスプリングハウジングの外側に取り付けられている。駆動ピニオン(75)はハウジング上部に面したスピンドルの端にある。スピンドル上にスライダ(76)がある。
上記ネブライザは、吸入に適したエアゾールを生じる本発明のエアゾール製剤を噴霧させるのに適している。
本発明の製剤を上記方法(Respimat(登録商標))を用いて噴霧させる場合には、吸入器の全動作(スプレー動作)のすべての少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%で追い出される量は、許容する一定量がこの量の25%以下、好ましくは20%に対応しなければならない。好ましくは5〜30mg、最も好ましくは5〜20mgの製剤が各動作に対する一定質量として送り出される。
しかしながら、本発明の製剤は上記以外の吸入器、例えば、ジェットストリーム吸入器又は他の固定ネブライザを用いて噴霧させることもできる。
従って、他の態様においては、本発明は、上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形態でこれらの製剤を投与するのに適した装置と、好ましくはRespimat(登録商標)と共に組合わせた医薬製剤に関する。好ましくは、本発明は、Respimat(登録商標)の名称で知られる装置と共に本発明の活性物質12の組合わせを特徴とする噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液に関する。更に、本発明は、上記本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液を含むことを特徴とする上記吸入用装置、好ましくはRespimat(登録商標)に関する。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液は、濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液又は懸濁液、また、Respimat(登録商標)に用いられるように設計された上記溶液や懸濁液の形態を取ることができる。用時調製製剤は、例えば、濃縮物から等張生理食塩水を添加することにより作ることができる。用時調製滅菌製剤は、ベンチュリ原理又は他の原理により超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる固定型又は携帯型エネルギー作動ネブライザを用いて投与することができる。
従って、他の態様においては、本発明は、濃縮物又は用時調製滅菌製剤の形態を取る上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形態で、これらの溶液を投与するのに適した装置と組合わせた医薬組成物であって、該装置がベンチュリ原理又は他の方法による超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる自立型又は携帯型エネルギー作動ネブライザであることを特徴とする、前記医薬組成物に関する。
以下の実施例は、本発明の範囲を一例としての以下の実施態様に制限せずに詳細に本発明を説明するためのものである。
【0023】
製剤の実施例
A) 吸入用粉末:








【0024】







【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】インハレットにおいて本発明の薬剤併用を用いるのに特に好ましい吸入器を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の抗コリン作用薬(1)を1以上のPDE 5阻害剤(2)と共に含み、それらのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物の形態で又はラセミ体の形態で含んでもよく、溶媒和物又は水和物の形態で含んでもよく、また、薬学的に許容しうる賦形剤と一緒に含んでもよいことを特徴とする、医薬組成物であって、抗コリン作用薬が、
a)チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、及びトロスピウム塩からなり、それらのジアステレオマー、又はエナンチオマー又はそれらの混合物の形態であってもよい群、又は
b)トロペノール2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、スコピン2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロマイド、スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド、トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロマイド、トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、スコピン3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロマイド、トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロマイド、シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロマイド、トロペノール9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、スコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロマイド、又はそれらの対応するフルオライド、クロライド、ヨーダイド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネートからなり、それらのジアステレオマー、又はエナンチオマー又はそれらの混合物の形態であってもよい化合物の群、又は
c)下記式1a
【化1】

(式中、X- は、1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンより選ばれるアニオンである。)
で表され、そのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形態であってもよい化合物
より選ばれる、前記医薬組成物。
【請求項2】
活性物質12が、共に含まれる単一製剤であるか又は2つの個別製剤であることを特徴とする、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
活性物質1が、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、メタンスルホネート、スルフェート又はパラトルエンスルホネートの形態、好ましくはブロマイドの形態であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
PDE 5阻害剤2が、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、NCX-911、Sch-444877、FR-229934、4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフィニル)プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン、1-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-[キノゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、(+)-cis-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチル-5-メチルシクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン、フラズロシリン、cis-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート、4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン、1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン、1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル}-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩、GF-196960、E8010、E4010、Bay-38-3045、Bay-38-9456、FR226807、Sch-51866、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-1(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、4-(4-クロロベンジル)アミノ-6,7,8-トリメトキシキナゾリン、7,8-ジヒドロ-8-オキソ-6-[2-プロポキシフェニル]-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリン、1-[3-[1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-7,8-ジヒドロ-8-オキソ-1H-イミダゾ[4,5-g]キナゾリン-6-イル]-4-プロポキシフェニル]カルボキシアミド、2-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-スルホニル)フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f]-[1,2,4]-トリアジン-4-オン、及び1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンより選ばれ、それらの薬学的に許容しうる酸付加塩の形態で、水和物及び/又は溶媒和物の形態で選ばれてもよく、また、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で選ばれてもよいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
吸入に適した製剤の形態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
吸入用粉末、噴射剤を含有する定量エアゾール、噴射剤を含有しない吸入用溶液又は噴射剤を含有しない懸濁液より選ばれる製剤であることを特徴とする、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
活性物質12とを、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、多価アルコール、塩、又はこれらの賦形剤の混合物より選ばれる生理的に許容しうる適切な賦形剤と混合して含む吸入用粉末であることを特徴とする、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
活性物質12とを溶解された形態又は分散された形態で含む噴射剤を含有する吸入用エアゾールであることを特徴とする、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項9】
噴射剤ガスとして、炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン又はハロ炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体を含有することを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
噴射剤ガスが、TG134a、TG227又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
溶媒として水、エタノール又は水とエタノールとの混合物を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液であることを特徴とする、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項12】
pHが、2-7、好ましくは2-5であることを特徴とする、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
肺高血圧症を治療する薬剤を調製するための請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2008−532973(P2008−532973A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500170(P2008−500170)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060382
【国際公開番号】WO2006/094924
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】