説明

抗生物質化合物の調製方法

【課題】抗生物質化合物の調製方法の提供。
【解決手段】カルバペネム抗生物質化合物溶液の調製の方法とその応用は、静脈注射或いは筋肉注射に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカルバペネム抗生物質化合物溶液を調製する新しく簡易なプロセスとその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
カルバペネム(carbapenem)は、β-ラクタム系抗生物質(β-lactam)の一種で、他のβ-ラクタム系抗生物質に比べ、より広範な抗菌活性を備える。式(I)の化合物は、珍しいカルバペネム構造を備えるため、典型的な細菌性β-ラクタマーゼ(β- lactamase)に対する抵抗性を備える。一方、カルバペネムは、多くの深刻な細菌感染の最後の防衛線とされる。それら細菌は、グラム陽性菌及び陰性菌、好気性細菌及び嫌気性細菌を含む。しかし、カルバペネムの不安定な特性は、商業生産において問題となる。環境温度が上昇すると、その二量体反応及び加水分解反応を加速し、カルバペネムの品質も悪化し始める。エルタペネムを例とすると、-20℃以上で不安定となるため、低温で貯蔵しなければならない。そのため、安定形式であるカルバペネム抗生物質の配合及び製造プロセス、特に、ソディウム類のカルバペネムを、式(II)の化合物に転換する調製方法においては、多くの研究がなされている。式(I)、(II)の化合物は以下の通りである。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
特許文献1に開示するプロセスは、エルタペネムモノソディウム類(ertapenem monosodium)を転換して安定させる配合の詳細なステップである。全過程は、10個以上のステップを含む。
特許文献2は、カルバペネム抗生物質に用いる類似プロセスを開示する。それは、以下のステップを含む。
(1)pH値が約6.0〜12.0範囲の二酸化炭素ソース溶液を入れる。
(2)ある有効量のアルカリと活性成分を、該二酸化炭素ソース溶液を入れた反応ポット内に加え、pH値を約6.0〜9.0に維持し、しかも温度を約-3℃〜約15℃に維持する。
(3)ステップ(2)の溶液をフリーズドライし、式(I)の化合物の含水量が10%以下の最終安定配合産物を産生する。
後続の特許中実際のプロセスでは、注射用水を3回注入し、重量を測り、及びカルバペネムとアルカリを交替に添加しpH値範囲を慎重に維持する等の10個以上のステップを用いる。
【0006】
従来の抗生物質化合物の調製方法の上記した欠点に鑑み、本発明人が研究し開発した異なるプロセスは、カルバペネム或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物(Hydrate)、或いは溶媒和物(Solvate)の転換に用いることができる。これにより、産生されるカルバペネム最終産物は、受け入れ可能な劣化程度、固態安定性及び投与量溶液の安定性を備える。本発明は、プロセスを単純化し、数回の加水及び滴定を不要とできるばかりか、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる(ready-to-use)注射液を提供することができる。本発明の別種のプロセスでは、反溶剤を直接使用し、最終産物の結晶を得るため、フリーズドライを行う必要がない。本発明は、商業化可能で、コストが極めて低く、しかもシンプルな製造方法を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願公開公報第2001/32172 A1号
【特許文献2】WO特許第2002/34750 A1号
【特許文献3】米国特許号第5,478,820号
【特許文献4】国際出願公開公報第2002/34750号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする第一の課題は、簡単で、しかも商業上実行可能なカルバペネム抗生物質である式(I)の化合物の安定産物溶液の製造方法と応用を提供することである。
本発明が解決しようとする第二の課題は、極めて低コストで、簡易で、しかも商業上実行可能な結晶プロセスを提供することができる抗生物質化合物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は下記の抗生物質化合物の調製方法を提供する。
抗生物質化合物の調製方法は、以下の式(I)の化合物溶液を製造する。
【0010】
【化3】

【0011】
或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物(Hydrate)或いは溶媒和物(Solvate)で、R1 は、1-ヒドロキシルエチル、1-フッ化エチル、或いはヒドロキシルメチルで、R2及びR3はそれぞれ、水素、或いはC1-C6アルキル基で、R4 及びR5 はそれぞれ、水素、C1-C6アルキル基、或いはアルカリ金属或いはアルカリ土金属で、該アルカリ金属或いはアルカリ土金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムで、R6 及びR7 はそれぞれ、水素、ハロゲン基、シアノ基、ナイトロ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、C1-C6 アルキルアミノ基、ジ-C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6 アルコキシ基、C1-C6アルコキシカルボニル基 、アミンメチルアシル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、ジ-C1-C6アルコキシカルボニル基、アシルアミン基、C1-C6アシルアルキルアミン基、トリフルオロメチル、スルホン酸、C1-C6アミノアルキルアシル基、C1-C6アルキルアシル基(N-(C1-C6)-アルキル基)アミノ基、C1-C6アルキルスルホニルアミノ基、C1-C6アルキル基-S(O)n で、その中nは、0〜2で、
そのステップは以下の通りで、
(a)炭酸塩ソースとアルカリ(base)を、温度0℃〜25℃で希釈剤中に溶解させ、第一溶液を形成し、該炭酸塩ソースの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0.5〜1.5で、しかも該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0〜1.0で、
(b)該式(I)の化合物と該第一溶液を、温度-5℃〜25℃で混合し、式(I)の化合物溶液を形成し、
本発明方法は、以下の修正により、改良したプロセスを達成することができ、10個を超えた製造ステップを減らし、多重滴定を単純化し、しかももとのプロセス中の制限を緩和し、本方法ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0.7〜1.0である時、滴定が不要で、pH値は自然に約6.5〜約8.5に落ち着き、本発明の別種の実施例では、ステップ(a)の該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0.1以上で、しかも0.7以下である時には、一部分のアルカリを加えるだけでpH値を維持でき、上記した該式(I)の化合物溶液は、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる注射液とすることができ、該式(I)の化合物溶液をフリーズドライ後、該安定したフリーズドライ産物を得ることができ、25℃以下で安定的に輸送でき、該安定フリーズドライ産物は、適当な希釈剤に溶解させ、注射治療に用いられ、本発明はさらに、極めて低コストで、簡易で、しかも商業上実行可能な結晶プロセスを提供でき、前記のpH値が約6.5〜約8.5の式(I)の化合物溶液を、有機反溶剤により、安定的な式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物に直接転換し、フリーズドライを必要とせず、式(II)の化合物は以下の通りである。
【0012】
【化4】

【0013】
R1〜R7の定義は、前記の式(I)の化合物の通りで、R8は水素、C1-C6アルキル基、或いはアルカリ金属或いはアルカリ土金属で、該アルカリ金属或いはアルカリ土金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の抗生物質化合物の調製方法は、簡単で、しかも商業上実行可能なカルバペネム抗生物質である式(I)の化合物の安定産物溶液の製造方法と応用を提供することができ、さらに極めて低コストで、簡易で、しかも商業上実行可能な結晶プロセスを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において使用する「水和物」は公知の定義で、物理上水と結合する式(I)と式(Ia)の化合物を含む。
【0016】
本発明において使用する「一モルに相当する量」とは、各一モルの有効カルバペネム(或いは有効薬物)が、一モル二酸化炭素ソース(source)或いはアルカリソースに対応することを定義する。
【0017】
本発明において使用する「有効カルバペネム」とは、β-ラクタム(β-lactam)、不安定及び安定したカルバペネム、及び/或いはカルバペネムを含むアルカリ金属塩或いはアルカリ土金属塩の実際量を指す。
【0018】
本発明が開示する医薬組成物,その包含式(I)の化合物及びそのソディウム類、安定形式及び水和物。式(I)の化合物は、静脈注射或いは筋肉注射に最適なカルバペネム類抗生物質。
【0019】
本発明の方法は、二酸化炭素ソースを使用する必要がある。好ましい二酸化炭素ソースは、二酸化炭素で、炭酸塩と重炭酸塩は好ましくは、炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムで、溶液中に混合、溶解させ、これにより溶液は6.5〜8.5等の適したpH値を達成する。式(I)の化合物のモノソディウム(monosodium)のもとのpH値は、約5〜6である。
【0020】
式(I)の化合物は、Betts氏等の、1995年12月26日に公告された特許文献3に基づき、合成し産生する。特許文献3は、本発明の参考資料である。
【0021】
通常、安定的な式(I)の化合物の産生には、調製済みの溶液(reconstituted solution)をフリーズドライし、それには式(I)の化合物、炭酸塩ソース及びアルカリを混合する。多くの状況下では、好ましくは式(I)の化合物と該重炭酸ナトリウム等の炭酸塩ソース及び該水酸化ナトリウム等のアルカリを、希釈剤中に溶解させる。続いて、前記結果の組成物をフリーズドライし、粉末組成物を産生する。その内には、式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、或いは水和物を含む。
【0022】
本発明の二酸化炭素ソースは、気体、固体、液体或いは水溶液形式で、しかも二酸化炭素、重炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム及びその混合物が組成するグループから選択する。
【0023】
本発明のアルカリは、固体、液体或いは水溶液形式で、しかも水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、リチウムメトキシド(lithium methoxide)、ナトリウムエトキシド(sodium ethoxide)、ポタジウムエトキシド(potassium ethoxide)、リチウムtert-ブトキシド(lithium tert-butoxide)、ソディウムtert-ブトキシド(sodium tert-butoxide)、ポタジウムtert-ブトキシド(potassium tert-butoxide)及びその混合物が組成するグループから選択する。
【0024】
本発明の希釈剤は、注射用水、塩化ナトリウム 注射液、抗菌注射用水、及び塩酸リドカイン注射液が組成するグループから選択する。
【0025】
本発明方法は、以下の修正により、改良したプロセスを達成することができる。すなわち、10個を超えた製造ステップを減らし、多重滴定を単純化し、しかももとのプロセス中の制限を緩和することができる。本方法の新規ステップは、競合他社(メルク社)の製品品質と比べ、より高品質で、しかも安定したカルバペネム抗生物質を提供することができる(高速液体クロマトグラフィーによる分析で、純度は94 % 以上)。本方法は、以下ステップを含む。
(a)炭酸塩ソースとアルカリ(base)を、温度0℃〜25℃で希釈剤中に溶解させ、第一溶液を形成する。該炭酸塩ソースの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0.5〜1.5で、しかも該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0〜1.0である。
(b)該式(I)の化合物と該第一溶液を、温度-5℃〜25℃で混合し、式(I)の化合物溶液を形成する。
【0026】
最後に、本発明 式(I)の化合物溶液は、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる注射液とする。別に、該式(I)の化合物溶液をフリーズドライ後、或いは該式(I)の化合物溶液と有機反溶剤を混合、結晶させた後、該安定産物を適当に希釈剤に溶解させ、細菌性感染の治療に適用する。
【0027】
本発明プロセスは、生産ステップを単純化できる他、製造上の制限を緩和でき、最終産物は、高品質を保持することができる。ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0.7〜1.0である時、該ステップ(a)の温度範囲は0℃〜25℃で、好ましくは0℃〜15℃である。該式(I)の化合物溶液のpH値は、一切の別の手順を加えなくとも、自然に6.5〜8.5の間に落ち着く。本発明の全体プロセスは、単純な添加、溶解、混合及びフリーズドライだけである。別種の実施例では、ステップ(a)中で、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率0.1以上で、しかも0.7以下である時にも、単純化したプロセスはやはり、最終産物の高品質を維持することができる。しかも、一部分のアルカリを、該式(I)の化合物溶液に加え、ステップ(b)のpH値を維持することができる。その温度範囲は、-5℃〜25℃で、好ましくは-5℃〜15℃である。プロセス全体では、アルカリを一次pH値に制御し、pH値を維持し、続いて、該式(I)の化合物溶液をフリーズドライするだけで、粉末状の安定した産物を得ることができる。
【0028】
本発明の別種の、安定した式(II)の化合物を製造するプロセスは、結晶により高品質の粉末状産物を提供でき、フリーズドライを必要としない。フリーズドライ手順を省略することで、本発明のプロセスは以下の長所を備える。コストが極めて低く、高速液体クロマトグラフィーによる分析で、純度が96%を超える高品質の産物を産生でき、しかも室温(≦25°C)で貯蔵できる。ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0〜0.7である時、さらに一部分のアルカリを、該式(I)の化合物溶液に加え、該式(I)の化合物溶液のpH値を、6.5〜8.5の間に調整する。続いて、該式(I)の化合物溶液と有機反溶剤(organic anti-solvent)を撹拌して混合し、式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物(solvate)を結晶させる。
【0029】
有機反溶剤は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、第二ブタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアミン(IPA)、無水マレイン酸(maleic anhydride)、エーテル、酢酸エチル(EA)、酢酸イソプロピル(IPAC)、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(MTBE)及びその混合物が組成するグループから選択する。
【0030】
続いて、式(II)の化合物をろ過、乾燥させ、含水量が10%以下の安定産物を得る。よって、低コストの結晶プロセスで、フリーズドライを必要とせず、粉末状で、安定し、高品質の式(II)の化合物を得ることができる。
【0031】
実施例中では特に、式(Ia)の化合物、特に個別化合物を特に優先して考慮する。
【0032】
【化5】

【0033】
或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物で、その内、R4 及びR5 はそれぞれ、水素、或いはC1-C6アルキル基或いはアルカリ金属或いはアルカリ土金属で、該アルカリ金属或いはアルカリ土金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムである。
【0034】
本発明は、以下実施例中の製造ステップを開示する。実施例について説明するが、これは本発明が属する技術領域において、通常の知識を有する者は、本発明の特許範囲を超えない状況において、各種変動と修正を加えることができる。
【0035】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
第一実施例
重炭酸ナトリウム1.25 g、すなわち1.0モル相当量の重炭酸ナトリウム/活性カルバペネムを、既に25 ml注射用水を含む反応器に添加する。十分な量の水酸化ナトリウム、すなわち0.73モル相当量の重炭酸ナトリウム/活性カルバペネムを、反応器内で徹底的に溶解させる。該溶液のpH値範囲は、10〜11の間で、しかも該溶液は、温度0℃〜5℃に保持する。遊離酸の不安定カルバペネム7.56 gを、徐々に該溶液に約 30分間添加し、完全に溶解させる。溶液のpH値は、約 8.0である。
【0037】
該溶液を温度-5℃〜5℃に保持した時、0.22μmフィルタを備えるろ過器を利用してろ過し、該溶液を無菌溶液とする。続いて、該無菌溶液を、凍結乾燥器(lyophilizer)のシェルブ(shelves)上に置き、-40℃まで冷凍する。凍結乾燥器においては、以下に従い操作を行う。
1. -40℃の シェルブ温度で2時間浸透させる。
2. 40分以内に、-20℃までシェルブ温度を加熱する。
3. -20℃のシェルブ温度で、しかも80 m Torr以下の圧力に24〜48時間維持する。
4. 10℃までシェルブ温度を加熱し5時間維持する。
5. 40分以内に、40℃までシェルブ温度を加熱する。
6. 40℃で、しかも80 m Torr以下の圧力を3時間保持する。
7. 40分以内に60℃までシェルブ温度を加熱する。
8. 60℃で、しかも80 m Torr以下の圧力を3時間保持する。
9. シェルブ上の温度を環境温度(20℃〜30℃)まで冷却する。
最後に、得られた最終産物は、5%の含水量の白色粉末状物である。表1では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の結果を提供し、本実施例中のカルバペネム抗生物質のthe formulating過程において收集されたサンプルの面積%を表示する。
【0038】
【表1】

【0039】
第二実施例
第二実施例の方法は、第一実施例に基づき、ステップ(a)中で、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0.1〜0.7である時、該式(I)の化合物最終溶液のpH値は、6.5〜8.5の間である。重炭酸ナトリウム 0.98g、すなわち1.0モル相当量の重炭酸ナトリウム/活性カルバペネムを、既に18 mlの注射用水を含む反応器に添加する。十分な量の水酸化ナトリウム、すなわち0.1モル相当量の重炭酸ナトリウム/活性カルバペネムを、続いて、反応器内で十分に溶解させる。該溶液のpH値範囲は、約9で、しかも該溶液は、温度0℃〜5℃に保持する。遊離酸の不安定カルバペネム5.8 gを、徐々に平均時間約30分で該溶液に添加し、一部分の水酸化ナトリウムを添加し、水酸化ナトリウムの、活性カルバペネムに対するモル比率を0.73とし(0.7〜1.0の間の最適な範囲内)、最終的なpH値は約7.7 (約7.0〜8.0の間の最適な範囲内)とする。
【0040】
該溶液の温度を-5℃〜5℃に保持する時、0.22μmのフィルタを備えるろ過器を利用し、該溶液をろ過する。続いて、該無菌溶液を、凍結乾燥器のシェルブ上に置き-40℃まで冷凍する。凍結乾燥器は第一実施例と相同の手順で操作を行う。表2は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の結果を示し、本実施例中のカルバペネム抗生物質のthe formulating過程で收集されたサンプルの面積%を表示する。
【0041】
【表2】

【0042】
第三実施例
第二実施例のプロセスを、本実施例中に用いる。水酸化ナトリウムの、活性カルバペネムに対する総モル比率は、0.76(0.7〜1.0の間の最適な範囲内)に達する。各試剤の個別投与量は、表3に記載する。
【0043】
【表3】

【0044】
表4は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析の結果を示し、第三実施例中カルバペネム抗生物質の配合過程において收集されたサンプルの面積%を表示する。
【0045】
【表4】

【0046】
第四実施例
温度が25℃以下である時、1モル相当量の無菌重炭酸ナトリウムと0.7モル相当量の無菌水酸化ナトリウムを、容器中に加える。次に、10mlの注射用水(WFI)を該容器内に加え、5分間十分に振動させ、溶液を形成する。該溶液のpH値は、自然に6.5〜8.5の間に落ち着く。この後、1モル相当量の無菌カルバペネムナトリウムを均一に混合後、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる溶液を得る。
【0047】
表5には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析後の面積%の結果を示し、前記プロセスにより得られた調製済み溶液の安定性を表示する。該調製済みの溶液の純度は、97%以上で、競合他社の商業製品に比べ3%程向上している。この他、該調製済みの溶液は、温度が約0℃〜5℃であっても、或いは約25℃〜30℃であっても、表5に示すように、良好な安定性を示す。
【0048】
【表5】

【0049】
結晶を利用し、安定したカルバペネム式(II)の化合物を調製するプロセス
第五〜二十五実施例
該プロセス中には、カルバペネム溶液のプレ調製、反溶剤のプレ調製、結晶の3部分を含む。カルバペネム溶液は、以下のステップにより調製される。
(1)十分な量の炭酸ナトリウムを水に溶かし、第一溶液を形成し、しかも0℃〜10℃の温度で、選択的に、水酸化ナトリウム溶液を、該第一溶液に加える。該炭酸塩ソースの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0.9〜1.3で、しかも該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0〜0.7である。
(2)式(I)の化合物エルタペネムと該第一溶液を、温度0℃〜10℃で混合し、しかも水酸化ナトリウム溶液によりpH値を6.5〜8.5に保持する。
【0050】
有機反溶剤の調製は、0.22μmフィルタのろ過及び予冷を経る。該有機反溶剤は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、第二ブタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアミン(IPA)、無水マレイン酸(maleic anhydride)、エーテル、酢酸エチル(EA)、酢酸イソプロピル(IPAC)、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(MTBE)及びその混合物が組成するグループから選択する。
【0051】
温度0℃〜10℃において、該予め準備したカルバペネム溶液を撹拌し、該予冷した有機反溶剤を加え、しかも該式(II)のカルバペネム化合物結晶は懸濁液を形成する。該反溶剤の総体積は、通常はカルバペネム溶液の15〜40倍で、15P〜40Pと表示する。カルバペネム溶液の添加完了後、該溶液を、温度0℃〜5℃に保持し、約0.5〜2時間撹拌する。続いて、該沈殿物を含む懸濁液を温度範囲-10℃〜30℃でろ過し、選択的に、アルコール/エーテル或いはケトン混合溶剤により処理した産出物を、乾燥後に、安定した式(II)のカルバペネム化合物の非晶形型式を形成する。通常の状況下では、15 P〜20P IPA、25 P〜35P IPA/テトラヒドロフラン(THF)/メタノール(MeOH)混合物、20 P〜25P IPA /IPACを使用する混合比率は、10:1〜5:1である。IPA /メタノールの混合比率は、2:1〜8:1である。メタノール/MA或いはエタノール/MAの混合比率は、1:2〜1:3である。20 P〜30Pメタノール/MA/ IPA或いはエタノール/MA/ IPAの混合比率は、1:2:2〜1:3:3である。反溶剤として安定した式(II)のカルバペネム化合物溶液の結晶に用いる最終産物の産生量は、約 95%〜98%、70%〜80%、90%〜96%、70%〜90%、92%〜98%、94%〜98%である(表8参照)。
【0052】
第五実施例
第一段階はアルカリによりカルバペネム溶液を調製:重炭酸ナトリウム0.505 g(カルバペネムの1.2モル相当量)、及び水酸化ナトリウム(カルバペネムの0.1モル相当量)を、既に20mlの冷水を備える反応器内に加え、温度を0℃〜10℃とする。反応器内には、十分な量の式(I)のカルバペネム化合物を加え、しかも該溶液のpH値を、十分な量の水酸化ナトリウム溶液により、7.5〜8.3の範囲内に保持し、0℃〜5℃で約 1時間保持し完全に溶解させる。pH値維持に用いる水酸化ナトリウムの総モル相当量は、0.80である。続いて、該溶液のpH値を7.88とし、0℃〜5℃で0.22μmのろ過器でろ過し、結晶過程に用いることができる無菌溶液を得る。
【0053】
反溶剤調製:500 ml IPAを0.22μmのろ過器でろ過し、無菌容器内に入れ、-5℃〜0℃に冷却し、均一に混合し、しかも窒素下において操作する。
結晶:カルバペネム溶液を、-5℃〜0℃で撹拌し、該予冷した反溶剤に添加し、式(II)のカルバペネム結晶は懸濁液を形成する。該反溶剤総体積は、通常カルバペネム溶液体積の数倍で、15Pで表す。カルバペネム溶液の添加を完了後、該溶液を温度-5℃〜0℃に保持し約0.5時間撹拌する。続いて、窒素下、温度範囲-5℃〜0℃で、該沈殿物を含む懸濁液をろ過し、乾燥して、安定した式(II)のカルバペネム化合物の非晶形形式を産生する。
【0054】
第六実施例
比較的後段階においてアルカリによりカルバペネム溶液を調製:重炭酸ナトリウム 1.77 g (カルバペネムに対して1.0モル相当量)を、既に温度が0℃〜10℃の30 ml冷水を入れた反応器に徐々に加える。反応器内には、十分な量の式(I)のカルバペネム化合物を加える。しかも、該溶液のpH値は、十分な量の水酸化ナトリウム溶液により、7.0〜8.0の範囲内に保持される。
0℃〜5℃を約1時間持続させ完全に溶解させる。pH値維持に用いる水酸化ナトリウム総モル相当量は0.83である。続いて、該溶液pH値は7.58で、-2℃〜5℃で0.22μmのろ過器を用いてろ過し、51.5 mlの無菌溶液を得る。これから、15mlを採り、結晶過程に用いる。
【0055】
窒素下で、メタノールとテトラヒドロフラン(THF)を0.22μmのろ過器でろ過し、無菌容器内に入れ、均一に混合し、しかも0℃〜5℃に冷却する。該反溶剤としての混合有機溶剤は、125 mlメタノールと250 mlテトラヒドロフランである。
結晶:15 mlカルバペネム溶液を、0℃〜5℃で撹拌し、該予冷した反溶剤に添加し、式(II)のカルバペネム結晶は懸濁液を形成する。該反溶剤総体積は通常カルバペネム溶液体積の25倍で、25Pで表す。カルバペネム溶液の添加完了後、該溶液を温度0℃〜5℃に保持し、約1〜1.5時間撹拌する。続いて、室温で窒素を注入し、該沈殿物を含む懸濁液をろ過し、乾燥させて2.88gの安定した式(II)のカルバペネム化合物の非晶形形式を産生する。第五実施例の産生率は、74.1%で、表8には分析結果を表示する。
【0056】
第七実施例から第二十実施例
第七実施例から第二十実施例までのプロセスは、有機反溶剤、有機反溶剤の体積、予冷卻温度、結晶温度、結晶時間等の結晶過程がいくらか異なる他、第六実施例に類似する。これら異なるパラメータと分析結果は、表6、7、8に表示する。
【0057】
表8と表9 (比較例5の結果)は、本発明が多項目に渡って優勢を示している。先ず、本発明方法は、結晶によるその産生量は、95%以上に達し、しかも、フリーズドライ或いは特許文献4 (産生量:93%〜98%)相当である。次に、フリーズドライが活性衰退を招くリスクを回避するため、本発明の、結晶により得られた産物純度は、フリーズドライ方法或いは特許文献4によるものより高い。
【0058】
【表6】

表6 他の溶剤を反溶剤として使用
【0059】
【表7】

表7 イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol, IPA)を反溶剤として使用
【0060】
【表8】

表8 式(II)の化合物産物の分析結果
【0061】
【表9】

表9 比較例の分析結果
【0062】
第一比較例から第三比較例は、特許文献4の方法に基づき行う式(II)の化合物の合成を説明する。
第一比較例
反応器内において、重炭酸ナトリウム28 gを予冷(約 5℃)し400 mlの注射用水(WFI)に溶解させる。しかも、重炭酸ナトリウム溶液は、1℃〜5℃及びpH値8.1〜8.5に保持する。遊離酸の不安定カルバペネム160 gを、10等分し、しかも続いて2N水酸化ナトリウム溶液を重炭酸ナトリウム溶液に添加し、約1時間前後で混合溶液を形成する。該溶液を1℃〜6℃に保持し、及び2N水酸化ナトリウム溶液により、pH値を約7.8に保持する。カルバペネムの添加完了後、該溶液の重量を、注射用水で834.6gまで調整し、温度-1℃〜5℃で20分撹拌する。続いて、該溶液の重量を、注射用水で888.0gに調整し、温度-1℃〜5℃でさらに5分撹拌する。重炭酸ナトリウムの、遊離酸カルバペネムに対するモル相当量は、1.0である。水酸化ナトリウムの、遊離酸カルバペネムに対するモル相当量は、0.93である。
【0063】
該溶液において、続いて、-1℃〜5℃で、無菌0.22μmフィルタのろ過器を使用し、無菌容器内にろ過し、-1℃〜5℃とする。続いて、約6.33 gの無菌溶液を、20 mlのバイアル(vials)に入れ、しかも約-70℃に冷凍する。該バイアルを、予冷約-40℃の凍結乾燥器(VIRTIS)に入れる。該凍結乾燥器は、以下に従い操作を行う。
1. -40℃のシェルブ温度で2時間浸透させる。
2. 40分以内に、-20℃までシェルブ温度を加熱する。
3. -20℃にシェルブ温度を維持し、しかも80 m Torr以下の圧力を48時間維持する。
4. 10℃までシェルブ温度を加熱し5時間維持する。
5. 40分以内に40℃までシェルブ温度を加熱する。
6. 40℃で、しかも80 m Torr以下の圧力を3時間保持する。
7. 40分以内に60℃までシェルブ温度を加熱する。
8. 60℃で、しかも80 m Torr以下の圧力を3時間保持する。
9. シェルブ上の温度を環境温度まで冷却する。
10.局部を約0.9 bar /700 torr真空にし停止する。
【0064】
最後に、フリーズドライステップ後に、バイアル内には粉末状カルバペネム式(II)の化合物を形成する。表10では、最終産物の分析結果を表示する。
第二比較例から第三比較例
第二、三比較例のプロセスは、第二比較例中では、水酸化ナトリウムの、カルバペネムに対するモル相当量は0.83で、及び第三比較例中の水酸化ナトリウムの、カルバペネムに対するモル相当量は0.85である以外は第一比較例のプロセスに類似している。第二、三比較例の最終産物分析結果は、表10に表示する。
【0065】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物溶液の製造方法において、式(I)の化合物は以下の通りで、
【化1】

或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物(Hydrate)或いは溶媒和物(Solvate)で、
R1 は、1-ヒドロキシルエチル、1-フッ化エチル、或いはヒドロキシルメチルで、
R2 及びR3はそれぞれ、水素、或いはC1-C6アルキル基で、
R4 及びR5 はそれぞれ、水素、C1-C6アルキル基、或いはアルカリ金属或いはアルカリ土金属で、該アルカリ金属或いはアルカリ土金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムで、
R6 及びR7 はそれぞれ、水素、ハロゲン基、シアノ基、ナイトロ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、C1-C6 アルキルアミノ基、雙-C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6 アルコキシ基、C1-C6アルコキシカルボニル基 、アミンメチルアシル基、C1-C6アルコキシカルボニル基、ジ-C1-C6アルコキシカルボニル基、アシルアミン基、C1-C6アシルアルキルアミン基、トリフルオロメチル、スルホン酸、C1-C6アミノアルキルアシル基、C1-C6アルキルアシル基(N-(C1-C6)-アルキル基)アミノ基、C1-C6アルキルスルホニルアミノ基、C1-C6アルキル基-S(O)n その中n為0〜2で、
そのステップは以下の通りで、
(a)炭酸ソース及びアルカリ(base)を、温度0℃〜25℃で希釈剤中に溶解させ、第一溶液を形成し、該炭酸ソースの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0.5〜1.5で、しかも該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率は0〜1.0で、
(b)該式(I)の化合物と該第一溶液を、温度-5℃〜25℃で混合し、式(I)の化合物溶液を形成することを特徴とする式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項2】
前記炭酸ソースは、気体、固体、液体或いは水溶液形式で、
しかも二酸化炭素、重炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム及びその混合物が組成するグループから選択することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項3】
前記アルカリは、固体、液体或いは水溶液形式で、
しかも、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、リチウムメトキシド(lithium methoxide)、ナトリウムエトキシド(sodium ethoxide)、ポタジウムエトキシド(potassium ethoxide)、リチウムtert-ブトキシド(lithium tert-butoxide)、ソディウムtert-ブトキシド(sodium tert-butoxide)、ポタジウムtert-ブトキシド(potassium tert-butoxide)及びその混合物が組成するグループから選択することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項4】
前記希釈剤は、注射用水、塩化ナトリウム 注射液、抗菌注射用水、及び塩酸リドカイン注射液が組成するグループから選択することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(a)の温度は好ましくは0℃〜15℃で、しかも該ステップ(b)の温度は好ましくは-5℃〜15℃であることを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項6】
前記式(I)の化合物は、式(Ia)により表示され、
【化2】

或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物で、R4 及びR5 はそれぞれ、水素、或いはアルカリ金属或いはアルカリ土金属で、該アルカリ金属或いはアルカリ土金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0〜0.7である時、さらに一部分のアルカリを、該式(I)の化合物溶液に加え、該式(I)の化合物溶液のpH値を、6.5〜8.5の間に調整することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項8】
前記式(I)の化合物溶液の製造方法はさらに以下を含み、すなわち該式(I)の化合物溶液と有機反溶剤(organic anti-solvent)を撹拌して混合し、結晶させて、式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物を産生し、
式(II)の化合物は以下の通りで、
【化3】

R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7の定義は、請求項1の通りで、R8は水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、バリウム、ルビジウム、カルシウム或いはマグネシウムであることを特徴とする請求項7に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項9】
前記有機反溶剤は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、第二ブタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアミン(IPA)、無水マレイン酸(maleic anhydride)、エーテル、酢酸エチル(EA)、酢酸イソプロピル(IPAC)、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(MTBE)及びその混合物が組成するグループから選択することを特徴とする請求項8に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項10】
前記把該式(II)の化合物は、続いて、ろ過及び乾燥を行い、含水量が10%以下の安定産物を得ることを特徴とする請求項8に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項11】
前記式(II)の化合物は、式(IIa)により表示され、
【化4】

或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物で、R4、R5及びR8 はそれぞれ、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カルシウム或いはマグネシウムであることを特徴とする請求項10に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率が0.7〜1.0である時、該式(I)の化合物溶液のpH値は6.5〜8.5の間で、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる(ready-to-use)注射液を形成することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項13】
前記式(I)の化合物溶液において、続いて、該ろ過後の式(I)の化合物溶液をフリーズドライし、含水量が10%以下の式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物を産生し、
【化5】

R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7の定義は、請求項1の通りで、R8は水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、バリウム、ルビジウム、カルシウム或いはマグネシウムであることを特徴とする請求項12に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項14】
前記ステップ(a)中では、該アルカリの、該式(I)の化合物に対するモル比率0.1以上で、しかも0.7以下である時には、さらに一部分のアルカリを、該式(I)の化合物溶液に加え、該式(I)の化合物溶液のpH値を、6.5〜8.5の間に調整し、治療に適した高い品質を備え、しかもすぐに使用できる注射液を形成することを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物溶液の製造方法。
【請求項15】
前記式(I)の化合物溶液において、続いて、該ろ過後の式(I)の化合物溶液をフリーズドライし、含水量が10%以下の式(II)の化合物或いはその医薬上受け入れ可能なソディウム類、水和物或いは溶媒和物を形成し、
【化6】

R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7の定義は、請求項1の通りで、R8は水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、バリウム、ルビジウム、カルシウム或いはマグネシウムであることを特徴とする請求項14に記載の抗生物質化合物の調製方法。

【公開番号】特開2012−153686(P2012−153686A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3284(P2012−3284)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(508079038)展旺生命科技股▲ふん▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】