説明

抗真菌作用トリアゾロピリジン誘導体

【課題】1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を特異的または選択的に発現し得るような化合物の提供。
【解決手段】1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を広スペクトルで、かつ特異的または選択的に発現し得るような化合物を提供する。さらにこのような化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する医薬、とりわけ抗真菌剤を提供する。
具体的には下式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの水和物であり、さらにはこの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有する医薬、抗真菌剤である。
【化1】


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(I)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【化1】


{式中、Rは、
1)アミノ基、
2)炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
3)同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
4)アミノメチル基、
5)炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノメチル基、または
6)同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノメチル基、
を塩基性置換基として有する、下記の[a]ないし[c]から選ばれる基を意味し;
[a]:窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子1または2を含む、飽和もしくは部分飽和の複素環基、
[b]:二重結合を含んでいてもよい5員環または6員環の環状炭化水素基、
[c]:次式:
−X−(炭素数1から6のアルキル基)
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CH−、または式:
−N(−Rll)−で表される構造を意味し、
窒素原子上のRllは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数7から9のアラルキル基を意味する。)で表される基、であり、[a]または[b]における複素環基および環状炭化水素基は、[置換基群1]から、重複して選択されてもよい1または1以上の基を有していてもよく;
[置換基群1]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のハロゲノアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数2から7のアルコキシメチル基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R12)R13
(式中、窒素原子上のR12およびR13は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)で表される基;
は、
ハロゲン原子、
ヒドロキシメチル基、
ホルミル基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
炭素数1から8のアルキル基、
炭素数2から8のアルケニル基、
炭素数2から8のアルキニル基、
炭素数2から8のアルコキシカルボニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数5から6のシクロアルケニル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群から重複して選択されてもよいヘテロ原子を1個から4個含む。)、または下式:
−X−R21
[式中、Xは、−C(=O)−、−(CH−、−C(=O)−N(−R22)−、または−N(−R23)−C(=O)−を意味し、
nは1から3の整数のいずれかを意味し、
21は、単環式もしくは二環式のアリール基であるか、または、単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群から重複して選択されてもよいヘテロ原子を1個から4個含む。)であり、
22およびR23は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を意味する。]
で表される基を意味するが、
これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、[置換基群2]から重複して選択されてもよい基1または1以上を有していてもよく;
[置換基群2]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
ニトリル基、
ハロゲノメチル基、
ヒドロキシメチル基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、および次式:
−C(=O)−N(−R24)R25
(式中、窒素原子上のR24ぉよびR25は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)で表される基;
ここで、[置換基群2]のアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアシル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数7から12のアラルキル基、芳香族複素環基、炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および炭素数6から10のアリールスルホニル基からなる群の基から選ばれる1個または2個の基を置換基として有していてもよく、さらに、該アミノ基の置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい;
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素数1から4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、
炭素数3または4の環状アルキル基、
炭素数1から4のアルコキシ基、
同一または異なるアルキル鎖を有し、炭素数の合計が2から4であるジアルキルアミノ基、
ハロゲノメチル基、または
炭素数1から3のアルコキシ基を有するアルコキシメチル基を意味し;
およびRは、各々独立に、ハロゲン原子であるか、または、両者が一体化して、オキソ基となってもよい;
は、
水素原子、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアルコキシメチル基、
芳香族複素環基、または
下式:
−C(=O)−N(−R61)R62
(式中、窒素原子上のR61およびR62は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表わす。)で表される基を意味するが、
のアルキル基、アルコキシメチル基、および芳香族複素環基は、[置換基群3]から重複して選択されてもよい基1または1以上を有していてもよく;
[置換基群3]:
ハロゲン原子、
炭素数1から6のアルコキシ基、
芳香族複素環基、および
下式:
−N(−R63)−C(=O)R64
(式中、窒素原子上のR63および炭素原子上のR64は、各々独立に、炭素数1から6のアルキル基を表わす。)で表わされる基;
およびXは、各々独立に、
窒素原子であるかまたは、
ハロゲン原子、
炭素数1から6のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基、
もしくはエステル基で置換されていてもよい炭素原子を意味するが、
およびXのいずれか一方は必ず窒素原子であり;
ここで、アルキル基の置換基は、次の置換基の群から選ばれる、1または1以上の基であり;
ハロゲン原子、
アミノ基、
ニトロ基、
水酸基、
メルカプト基、
カルボキシ基、
シアノ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、および
炭素数6から10のアリール基;
炭素原子上の置換基がエステルであるときこれらは、
炭素数1から6のアルキルエステル、
炭素数6から10のアリールエステル、
または炭素数1から6のアルキル基と炭素数6から10のアリール基とから構成されるアラルキルエステルでよく;
さらにこれらのアリールエステルおよびアラルキル基のアリール部分は、次の置換基の群から選ばれる、1または1以上の基によって置換されていてもよい;
ハロゲン原子、
アミノ基、
ニトロ基、
水酸基、
メルカプト基、
カルボキシ基、
シアノ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、および
炭素数6から10のアリール基;
を意味する。}
【請求項2】
およびXが、いずれも窒素原子である、請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項3】
が、
塩基性置換基を有する、
窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子1または2を含む、飽和もしくは部分飽和の複素環基である、請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項4】
が、塩基性置換基を有する含窒素複素環基である、請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項5】
が、塩基性置換基を有するピロリジニル基、シクロペンチル基、またはシクロペンテニル基である、請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項6】
が、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項7】
が、置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項8】
が、置換基を有していてもよい炭素数1から4のアルキル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項9】
が、メチル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項10】
およびRが、一体となってオキソ基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項11】
およびRが、ともにハロゲン原子である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項12】
6が、置換基を有していてもよい、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数2から7のアルコキシメチル基である、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する医薬。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する感染症治療剤。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する抗真菌剤。
【請求項16】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を使用する感染症の治療方法。
【請求項17】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を使用する感染症治療のための使用。

【公開番号】特開2010−70502(P2010−70502A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240206(P2008−240206)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(307010166)第一三共株式会社 (196)
【Fターム(参考)】