説明

折畳み式電子機器

【課題】 両機器ケース間を電気的に接続する連結配線に生じるストレスを分散して破損し難くした折畳み式電子機器を提供すること。
【解決手段】 内部に制御回路基板を備える一対の機器ケース2、10と、一対の機器ケースの一側端部同士を回動自在に連結するヒンジ機構20と、一対の機器ケース同士を電気的に連結させる連結配線6と、からなる折畳み式電子機器1において、一対の機器ケースのヒンジ機構が連結された一側端部はその両隅部15a、15b、16a、16bが一側端部に直交する方向に所定長さ突出し、両隅部間にヒンジ機構が取り付けられ、ヒンジ機構は、機器ケースの一方の両隅部間に設けられた第1回転軸と機器ケースの他方の両隅部間に設けられた第2回転軸とを有し、連結配線は、一対の機器ケースの一方の隅部とヒンジ機構とに沿って屈曲されて配線され、両端部が各制御回路基板に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み式電子機器に係り、特に携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、電子辞書等の一対の機器ケース同士を連結する連結配線に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、電子辞書等の電子情報機器が広く普及し、これらの電子情報機器は、ソフト面ではさまざまなソフトウエアが開発され搭載されて高機能化すると共に、ハード面においては、小型、軽量及びデザイン化が進み、このうち、特に携帯電話機は、ハード面での小型、軽量及びデザイン化が最も進展しており、様々なタイプのものが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
図14は下記特許文献1に記載された折畳み式携帯電話機を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)は、ヒンジ機構の一部破断拡大正面図である。
【0004】
この折畳み式携帯電話機80は、表示部81やスピーカ等を備える蓋体ケース82と、無線送受信回路及び各種操作キー83やマイクロフォン等を備える本体ケース84と、ヒンジ機構85、85’とからなり、蓋体ケース82と本体ケース84とがヒンジ機構85、85’により折畳み自在に連結された構成を有している。
【0005】
ヒンジ機構85、85’は、図14(a)の右側のヒンジ機構85と、左側のヒンジ機構85’とで構成されている。これらのヒンジ機構のうち、右側のヒンジ機構85は、本体ケース84から突設した第1駒部84aと蓋体ケース82から突設した第1駒部82aとが同軸上に配置され、これらの駒部84a、82aの中央孔にヒンジアセンブリ86が嵌入されたものであり、また、左側のヒンジ機構85’は、本体ケース84から突設した第2駒部84bと蓋体ケース82から突設した第2駒部82bとが同軸上に配置され、これらの駒部84b、82bの中央孔にヒンジ軸87が嵌入されたものとなっている。第1駒部84a、82aの中央孔に嵌入されるヒンジアセンブリ86は、図14(b)に示すように、本体ケース84の端部に連結されて、本体ケースと一体に回転する本体駆動部88と、蓋体ケース82の端部に連結されて蓋体ケースと一体に回転する蓋体駆動部89と、本体駆動部88と蓋体駆動部89の間に介在されて、蓋体ケース82の開方向へ蓋体駆動部89を回転させる力を発揮する原動機構(図示省略)と、蓋体ケース82を閉じた状態で、この蓋体ケース82を閉位置に保持するための保持機構とで構成されている。
【0006】
このようなヒンジ機構を備えることにより、下記特許文献1の折畳み式携帯電話機は、蓋体ケース82が本体ケース84に対してスムーズに折畳み開閉ができるようになる。
【特許文献1】特開2001−251396号公報(図2、図5、段落〔0016〕〜〔0021〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載された折畳み携帯電話機において、本体ケースと蓋体ケースの間には、両ケース内の制御回路基板同士を電気的に接続して各種信号の伝達を行うために、フレキシブルプリント配線基板(FPC:Flexible Printed Circuit。以下、単にFPCと述べる。)等の連結配線が接続されている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された折畳み式携帯電話機は左右に設けられたヒンジ機構85、85’が同一軸線上に配置しているので、このようなヒンジ機構内にFPCを配線すると、両ケースの開閉時にFPCが撓んだり、あるいは引っ張られたりするためにFPCに捩れが生じたり、比較的大きな引張力が加わったりして破損する恐れがある。特に、このような負荷はFPCの特にヒンジ機構上に位置する部分に集中している。
【0009】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、連結配線のヒンジ機構が設けられた位置に生じるストレスを分散することで、上記問題点を解決できることを見出した。詳しくは、両機器ケースを連結するヒンジ機構の回転軸を2つ設けることで回転軸が1つの場合に比べて回転軸ごとに回転する角度を半分にすることができることを見出し本発明に至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、両機器ケース間を電気的に接続する連結配線に生じるストレスを分散して破損し難くした折畳み式電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の折畳み式電子機器の発明は、少なくとも内部に制御回路基板を備える一対の機器ケースと、前記一対の機器ケースの一側端部同士を回動自在に連結するヒンジ機構と、前記一対の機器ケース同士を電気的に連結させて各種制御信号等を伝達させる連結配線と、からなる折畳み式電子機器において、
前記一対の機器ケースのヒンジ機構が連結された一側端部はその両隅部が前記一側端部に直交する方向に所定長さ突出し、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に前記ヒンジ機構が取り付けられ、
前記ヒンジ機構は、前記機器ケースの一方の前記両隅部間に設けられた第1回転軸と、前記機器ケースの他方の前記両隅部間に設けられた第2回転軸とを有し、
前記連結配線は、前記一対の機器ケースの一方の隅部と、前記ヒンジ機構とに沿って屈曲されて配線され、その両端部が前記一対の機器ケース内の各制御回路基板に接続されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の折畳み式電子機器において、前記連結配線は第1〜第4屈曲部を備え、前記機器ケースの一方からこの機器ケース隅部の一方を通り、前記第1屈曲部を介して前記第1回転軸に沿って前記ヒンジ機構側へ導出され、前記第2屈曲部を介して前記第1回転軸から前記第2回転軸側に延設され、前記第3屈曲部を介して前記第2回転軸に沿って前記機器ケースの他方の一方の隅部へ導出され、前記第4屈曲部を介して前記機器ケースの他方に配線されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器において、前記連結配線は、前記一対の機器ケースの両隅部のうち、近接する一方の隅部同士を通過するように配線されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器において、前記連結配線は、フレキシブルプリント配線基板であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の折畳み式電子機器において、前記フレキシブルプリント配線基板は、両端部に前記制御回路基板に設けられた接続部に接続される端子片が形成された細長なフィルム状体からなり、その長手方向中間部が実質的にコ字状に屈曲していることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の折畳み式電子機器において、前記フレキシブルプリント配線基板の長手方向に直交する方向に延びる2辺は、前記ヒンジ機構の第1、第2回転軸に沿って配線されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の折畳み式電子機器において、前記フレキシブルプリント配線基板の長手方向に平行な方向に延びる各辺は、前記コ字状に屈曲した各屈曲部に近接する位置において前記第1、第2回転軸を中心に所定角度巻回されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の折畳み式電子機器において、前記コ字状に屈曲した各屈曲部は、円弧状に屈曲していることを特徴とする。
【0019】
また、請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の折畳み式電子機器において、前記フレキシブルプリント配線基板は、複数枚重ねられて配線されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器において、前記連結配線は、所定径を有する同軸ケーブルであることを特徴とする。
【0021】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の折畳み式電子機器において、前記同軸ケーブルは、両端部に前記制御回路基板に設けられた接続部に接続される端子片が形成された柔軟性を有するケーブル状体からなり、前記第1、第2回転軸の軸心に沿って形成された連通穴内を通過するように配線されていることを特徴とする。
【0022】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の折畳み式電子機器において、前記ヒンジ機構は、
前記機器ケースの一方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第1、第2アーム片と、を備える第1フレームと、
前記機器ケースの他方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第3、第4アーム片と、を備える第2フレームと、
所定長さを備えた板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されるとともに左右にそれぞれ分岐され、前記分岐された先端部に前記第1〜第4アーム片に連結される第1〜第4結合部を有する第1、第2連結片と、を備える第3フレームと、
を備え、
前記第1〜第4アーム片に形成された結合部と前記第1〜第4結合部とが回動自在に連結されて、第1〜第4連結部が形成されるとともに、前記第1〜第4連結部の少なくとも1つには前記第1、第2フレームを所定位置に回動・保持する駆動機構が設けられ、
前記第1又は第2連結部と前記第3又は第4連結部の少なくとも1組の連結部間が連係機構により連結され、前記第1フレームが前記第1及び第2連結部を軸として前記第3フレームに対し一方向に所定角度回動されると、前記連係機構によりこの回動に連係して前記第2フレームが前記第3及び第4連結部を軸として前記第3フレームに対し反対方向に前記第1フレームと同一の角度だけ回動するように連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、ヒンジ機構として2軸式のものを使用し、このヒンジ機構に沿って連結配線を配線して両機器ケースの接続を行っているので、機器ケースの開閉動作によって連結配線に生じるストレスを各軸に分散し、このストレスが連結配線の一部に集中しないようにしたため、連結配線が撓むあるいは引っ張られることによって破損することを防止することができる。詳しくは、連結配線の各箇所にストレスが集中することなく、また、回転軸が2軸存在するために、この2軸周辺の開閉時に生じる撓み等を許容するためのスペースが多くとれるため、撓みが発生しても、この撓みによって連結配線にストレスが掛かり難く、以って破損が生じにくくなる。
【0024】
また、請求項2の発明によれば、連結配線に第1〜第4屈曲部を設けたので、機器ケースの開閉動作によって生じるストレスをこの4つの屈曲部に分散させることができるので、より連結配線の破損を防止することができるようになる。
【0025】
また、請求項3の発明によれば、連結配線を近接する両機器ケースの隅部同士を連通するように配線されるので、連結配線を比較的短くすることができるようになる。
【0026】
また、請求項4、5の発明によれば、連結配線としてフィルムからなるFPCを用いた場合であっても、機器ケースの複数回にわたる開閉動作にも破損を良好に防止することができる。
【0027】
また、請求項6の発明によれば、FPCの長手方向に直交する2辺を回転軸に沿って配線することによりこの2辺に回動時のストレスが生じることがなくなる。
【0028】
また、請求項7の発明によれば、各屈曲部を回転軸を中心に所定角度(例えば180°)回転させることにより、開閉動作を行った際には、この回転部分の径が拡大・縮小するようになり、FPCに直接応力がかかることがない。
【0029】
また、請求項8の発明によれば、屈曲部に角部を設けることなく円弧状にすることで、角部に応力が集中することがないため、破損が生じ難くなる。
【0030】
また、請求項9の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に示したように、回転軸が2つ存在するために、FPCの配線スペースを多くとることができるため、両機器ケースの制御基板間を多くの配線を用いて接続したい場合に、FPCを重ね合わせて配線しても、FPCにストレスが掛かりにくいので、配線数に応じてFPCの枚数を容易に変更することができる。
【0031】
また、請求項10に記載の発明によれば、連結配線にFPCではなく、同軸ケーブルを用いても、破損を生じることなく両機器ケースの制御基板間を接続することができる。
【0032】
また、請求項11に記載の発明によれば、同軸ケーブルを柔軟性を備えたケーブルから構成し、2つの回転軸に沿って屈曲させて連通させることで、両制御基板を接続することができる。この場合、同軸ケーブルは2つの回転軸に沿って配線されるので、上記請求項1に記載の発明の効果に示すように、屈曲部分ごとに生じるストレスが分散されるので、破損等を良好に防止することができる。
【0033】
また、請求項12の発明によれば、ヒンジ機構の回転軸を2軸とするとともに、例えば第1フレームの第3フレームを基軸とする一方向への回動に伴って、第2フレームが同じく第3フレームを基軸として逆方向に回動するため、機器ケースの回動動作がスムーズになる。また、第1フレームの回動と第2フレームとの回動が連動するため、従来技術では折畳み機器を折畳んだ状態においてこの2軸が独立していると機器ケース同士の位置にズレが生じることがあるが、本発明ではこのようなズレが生じることがない。すなわち、例えば、このヒンジ機構を折畳み式携帯電話機に適用すると、携帯電話機の上下ハウジングの位置ズレが発生せず、ユーザーに安定感を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための折畳み式電子機器を例示するものであって、本発明をこの折畳み式電子機器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、以下に示す実施例では、折畳み式電子機器として折畳み式携帯電話機に適応した例について説明するが、本発明はこのような携帯電話機に限らず、ノート型PC及び電子辞書など、折畳み機構を備える種々の機器に適応できるものである。
【実施例】
【0035】
図1は本発明の実施例に係るヒンジ機構を適用した折畳み式携帯電話機を示す斜視図、図2は図1の携帯電話機からハウジング及びケースを取外しリンク機構等の内部機構が見えるようにした状態を示す斜視図、図3は図2の背面からみた斜視図、図5はヒンジ機構を分解して示す分解斜視図、図6は図5を異なる方向から見た分解斜視図である。
【0036】
この折り畳み式携帯電話機1は、図1〜図3に示すように、無線送受信回路、各種操作キー及びマイクロフォン等が収容された送話ケース2と、表示部やレシーバー等が収容された受話ケース10と、これらの送受話ケース2、10を回動自在に連結するヒンジ機構20とで構成されている。なお、図1において、ヒンジ機構20は一対のカバー部材7、8からなるヒンジカバーCで覆われている。
【0037】
送話ケース2は、内部に制御回路基板3等の部品が収容され、底部にスピーカ用の開口及びバッテリー取付け部等が形成された細長箱状の裏面ハウジング2aと、この裏面ハウジング2aに収容されるマイクロフォン及びスピーカ等を備える制御回路基板3と、各種操作キー5a〜5cと、各種操作キー5a〜5cを露出させる複数個の穴を有し裏面ハウジング2aの開口部を覆う表面ハウジング2bとを備え、裏面ハウジング2aに制御回路基板3及び各種操作用キースイッチボード等の部品が収容され、その開口部が表面ハウジング2bで覆われている。
【0038】
制御回路基板3には、通話機能を制御する通話制御回路、ネットワーク接続等を制御するネットワーク制御回路及びその他の機能を制御する制御回路が搭載され、これらの制御回路は内蔵されたCPUによって制御されるようになっている。なお、これらの制御回路は公知のものを使用するので、詳細な説明は省略する。また、スイッチボード、操作シート部材及び制御回路基板等は、支持枠4に固定され、この支持枠4の一端は、ヒンジ機構20の第2フレーム41に固定されている。スイッチボード5は、複数個の操作キー5a〜5cを備えている。
【0039】
受話ケース10は、表面に開口部10b’を有し、裏面ハウジング10aと、液晶表示装置等からなる表示パネル11と、レシーバー12等の部品と、表示パネル11の表示面を露出させる表示窓を有し裏面ハウジング10aの開口部を覆う表面ハウジング10bとを備え、裏面ハウジング10a内には表示パネル11に表示させる画像を制御するパネル制御基板14及びレシーバー12等の部品が収容されている。この表示パネル11及びこのパネル制御基板14等の部品は、図2に示すように、支持枠13に固定され、この支持枠13の一端は、ヒンジ機構20の第1フレーム21に固定されている。
【0040】
本実施例においては、送話ケース2及び受話ケース10内に収容された各制御回路基板3、14は、図2、図3に示すように、可撓性を有するリード線、すなわちFPC6によって接続されている。このFPC6は、絶縁体のフィルム内部に極細線が配線された細幅で所定長の帯状体からなり、その中央部が略コ字状に屈曲されている。このFPC6は、制御回路基板3から送話ケース2のヒンジ機構20が接続される一方の隅部15bを通り、略コ字状に屈曲された部分をヒンジ機構20内部に配設することでヒンジ機構20を経由し、受話ケース10の一方の隅部16bを介して制御回路基板14に接続されている。
【0041】
図4はFPCを示し、図4(a)は平面図、図4(b)は携帯電話機に取り付けた状態におけるFPCを示す斜視図である。
【0042】
このFPC6は、図4(a)に示すように、先端部に各制御回路基板3、14に接続される端子部を有する比較的長尺な端子片6a、6bと、これらの端子片6a、6b間にあって略コ字状に屈曲されてヒンジ機構20に組付けられる連結片6cとで構成されている。各端子片6a、6bは連結片6cに比べて若干幅広に形成され各制御回路基板3、14の接触端子(図示省略)に接続される端子部となっている。
【0043】
連結片6cは、各端子片6a、6bの他端からそれぞれ所定長さ延びた位置に設けられる長手方向に対してほぼ直角に屈曲された第1円環部61、61と、この第1円環部61、61から直角に所定長さ延びた第1接続片62、62と、この第1接続片62、62の端部に設けられ、第1接続片62、62の端部同士が接続されるようにほぼ直角に屈曲された第2円環部63、63と、この第2円環部63、63同士を接続する第2接続片64と、を有している。なお、第1円環部61、61及び第2円環部63、63は、図に示すように。長手方向中心部を境にして対称になるようにその屈曲方向が設定されている。また、ヒンジ機構20に沿って配線された連結片6cはヒンジカバーCにより覆われている。
【0044】
FPC6の携帯電話機1内の配線は、図2、図4(b)に示すように、連結片6cの第1円環部61、61をヒンジ機構20の第1フレーム21の第2アーム片24、及び第2フレーム41の第4アーム片44の側面に位置する一方の隅部15b、16b内に配設するとともにこの一方の隅部15b、16bで第1円環部61、61をヒンジ機構20の2つの回動軸を軸として所定角度、例えば180°回転させ、第1接続片62、62の一部を第2アーム片24及び第4アーム片44の腕部に形成されたU字状溝25c、45cに挿入する。また、第2円環部63、63を第1、第2フレーム21、41の長手方向の中間部付近に配設し、ヒンジ機構20の2つの回動軸を軸として更に例えば180°回転させ、ここで第2接続片64をヒンジ機構20の連結部材30の結合片31上に固定する。
【0045】
このFPC6は、連結片6cに第1円環部61、61と、第1接続片62、62と、第2円環部63、63とを有し、第2円環部63、63を第2接続片64で接続したことにより、携帯電話機1を開閉させてもFPC6に捩れが生じる可能性のある部分が無くなる。より具体的には、送話ケース2のFPC6が配線された一方の隅部15bと、受話ケース10のFPC6が配線された一方の隅部16bとが一直線上に隣接しているため、捩れが生じることを防止できる。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構20の回転軸が2本となっているため、この回転軸に沿って配線されたFPC6は、開状態を例えば160°開いた状態とすると、回転軸が1軸の場合はヒンジ機構部分に配線されたFPCに160°回転させた分のストレスがかかるが、回転軸が2軸になっていると、1つの回転軸に生じる回転角は1軸の場合の半分の80°であるため、かつ1つの回転軸に生じる回転角が小さくなり、FPC6にかかるストレスもこの2軸部分に分散されるため、FPC6の耐久寿命を飛躍的に増加させることができる。また、この2つの回転軸上においても屈曲部である円環部61、61、63、63を2つずつ設けているので、回転軸上に生じるストレスを更に分散することができる。
【0046】
また、2本の回転軸でヒンジ機構を構成することにより、このヒンジ機構20内には1軸のヒンジ機構に比べてスペースが多く生じ、このスペースが携帯電話機を開閉した際に生じるFPC6のたわみを許容するスペースとして使用できるので、FPC6にかかるストレスをより減少させることができる。
【0047】
したがって、FPC6に無理な応力が加わることがなく、捩れによる配線の切断等の事故を回避でき、第2接続部64をヒンジ機構20の連結部材30の結合片31に両面接着テープ或いは他の固着手段に固定すれば、第2接続部64が移動し、障害物に引っ掛かり損傷することもなくなる。
【0048】
なお、上記実施例では、送話ケース2及び受話ケース10の制御基板をFPC6により接続するものとしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば同軸ケーブル等を用いてもよい。この場合、同軸ケーブルをリンク機構の回転軸の軸心部分を挿通させるようクランク状に配設すれば、FPC6を使用した場合と同様に、同軸ケーブルにかかるストレスを削減することができる。
【0049】
更に、この実施例ではFPC6を各回転軸に沿って配設する際、第1円環部61、61及び第2円環部63、63において回転軸に沿って所定角回転させるようにしたが、このように回転させずにクランク状のFPC6を設けてもよく、この場合にも、ヒンジ機構20内に比較的広いスペースが存在するため、FPC6のたわみ及び捩れを良好に抑えることができる。
【0050】
ヒンジ機構20は、図5、図6に示すように、送受話ケース2、10内に収容された支持枠4、13に装着される一対の第1、第2フレーム21、41と、これらの第1、第2フレーム21、41を連結する第3フレームとしての連結部材30と、この連結部材30で連結された第1、第2フレーム21、41をそれぞれ折畳み位置から所定角度に回動したとき、その駆動を規制・保持する第1、第2駆動機構50、50と、第1、第2フレーム21、41を連係し、両フレームの駆動を連動させるリンク機構60と、送話ケース2及び受話ケース10の開及び閉時にこの開状態及び閉状態を維持するストッパー機構70、70と、で構成されている。
【0051】
第1、第2フレーム21、41、連結部材30、第1、第2駆動機構50、50、リンク機構60及びストッパー機構70、70を構成する部品は、殆どが金属製の剛体からなり、これらは金属製の板材を打ち抜き、折曲するプレス加工することによって形成される。金属材としては、高強度、高剛性及び高じん性のステンレス製のばね材(例えば、SUS304CSP−1/2H)が好ましい。また、第1、第2フレーム21、41の板厚は、例えば1.5mm、連結部材30の板厚は、例えば1.2mmである。このように各部品を金属材で形成することにより、従来の樹脂材で作製したものに比べてヒンジ機構の機械的強度を高くできるので部品を小型にできる。また、ヒンジ機構20全体を金属製の剛体で形成することにより、支持枠4、13が電気的に接続されるので、支持枠4、13のいずれかが備えるアンテナの受信面積を大きくでき、アンテナの性能を向上させることができる。
【0052】
また、第1、第2フレーム21、41は、2つ折りとなる送受話ケース2、10の連結箇所に形成された各凹部内に何らの突出部を設けることなく内蔵されるものである。
【0053】
第1フレーム21は、図5、図6に示すように、所定長さの結合片26と、この結合片26の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された所定長の一対の第1、第2アーム片22、24とからなり、受話ケース10の支持枠13に取付けられ、平面から見ると全体がコ字状をしている。
【0054】
結合片26の長さは、受話ケース10の幅長より短く、また、第1、第2アーム片22、24には、各先端部に結合部22a、24aがそれぞれ形成されているとともに、各アーム片22、24の腕部にFPCあるいはリード線等を挿通するためのU字状溝23c、25cが形成されている。
【0055】
第1アーム片22の結合部22aは、筒状キャップ51を挿入できる大きさの開口22bを有するリング状の取付け環となっている。また、この結合部22aには、その外周囲に筒状キャップ51の鍔片52に形成された鉤片53が挿入される溝22cが形成されている。
【0056】
また、第2アーム片24の結合部24aは、所定の大きさを有する板状体からなり、この板状体にストッパー部材71の第1取付け軸72を取付ける非円形状の取付け穴24bと、板状体の一面(第1アーム片22と対向する面)にストッパー部材71を位置決め固定する一対の突起25a、25bとがそれぞれ形成されている。
【0057】
これらの突起25a、25bの高さ(板状体表面からの高さ)は、ストッパー部材71の肉厚より短い、すなわち背低に形成され、また、取付け穴24bを中心にして扇型に所定角度開いた仮想線上にあって第2アーム片24の外周縁に設けてある。これらの突起25a、25bは、第2アーム片24の他面から打ち抜き加工することで形成されている。
【0058】
また、結合片26は、帯状をなしており、この両端部付近には支持枠13に取付けられる取付け穴26a、26bがそれぞれ形成されている。
【0059】
第2フレーム41は、第1フレーム21とほぼ同じ形状を有し、所定長さの結合片46と、この結合片46の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された所定長の一対の第3、第4アーム片42、44とからなり、送話ケース2の支持枠4に取付けられるものである。
【0060】
結合片46の長さは、送話ケース2の幅長より短く、また、第3、第4アーム片42、44には、各先端部に結合部42a、44aがそれぞれ形成されているとともに、各アーム片42、44の腕部にFPCあるいはリード線等を挿通するためのU字状溝43c、45cが形成されている。
【0061】
第3アーム片42の結合部42aは、筒状キャップ51を挿入できる大きさの開口42bを有するリング状の取付け環となっている。また、この結合部42aには、その外周囲に筒状キャップ51の鍔片52に形成された鉤片53が挿入される溝42cが形成されている。
【0062】
また、第4アーム片44の結合部44aは、所定の大きさを有する板状体からなり、この板状体にストッパー部材71を取付ける非円形状の取付け穴44bと、板状体の一面(第3アーム片42と対向する面)にストッパー部材71を位置決め固定する一対の突起45a、45bとがそれぞれ形成されている。
【0063】
これらの突起45a、45bの高さは、第1フレームの突起25a、25bと同じく背低であり、また、取付け穴44bを中心にして扇型に所定角度開いた仮想線上にあって第4アーム片44の外周縁に設けてある。これらの突起45a、45bは、第4アーム片44の他面から打ち抜き加工することで形成されている。
【0064】
また、結合片46は、帯状をなしており、この両端部付近には支持枠4に取付けられるU字状溝46a、46bがそれぞれ形成されている。
【0065】
連結部材30は、図5、図6に示すように、第1フレーム21の結合片26の長さより短長の結合片31と、この結合片31の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された第1、第2連結片32、33とを有し、第1、第2連結片32、33と結合片31とは一体に結合されている。各第1、第2連結片32、33は、左右に分岐したほぼ横長な楕円形状の板状体からなり、長手方向中心部の外周縁の一部が結合片31の端部に結合され、この結合部を中心にして左右が第1、第3結合部34、36及び第2、第4結合部35、37となっている。
【0066】
第1連結片32には、そのほぼ中心に後述するリンク機構60の作動バー61を装着する固定穴38が形成されている。また、第1、第3結合部34、36には、作動桿67に挿通される取付け穴34a、36aが形成されているとともに、外面すなわち組立て時に第1、第3アーム片22、42の内面と対向する面に、複数個のカム34b、36bがプレス加工等により一体に形成されている。これらのカム34b、36bは、各取付け穴34a、36aを中心にして放射状に形成されている。
【0067】
第2連結片33は、第2、第4結合部35、37を備え、それぞれストッパー部材71、71に設けられた第2取付け軸73、73が装着される取付け穴35a、37aと、第2、第4結合部35、37の外縁部に設けられストッパー部材71、71が装着された状態でこれらのストッパー部材71、71の回動を所定角度に制限する係止突起35b、37bと、がそれぞれ形成されている。したがって、各ストッパー部材71、71が所定角度回動されると、係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに衝突して回動が制限される。この回動制限は、第2、第4アーム片24、44の回動制限、すなわち、第1、第2フレーム21、41の回動制限となる。
【0068】
すなわち、各ストッパー部材71、71は、第2、第4アーム片24、44の取付け穴24b、44b及び突起25a、25b、45a、45bにより回り止めされて固定されるので、第2、第4アーム片24、44が回動されると、この回動にしたがって各ストッパー部材71、71も回動し、所定角度回動すると、各ストッパー部材71、71の係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに衝突して回動が制限される。
【0069】
各係止突起35b、37bの高さは、後述するストッパー部材71の肉厚より低く、それぞれ第2、第4結合部35、37の底辺部に形成されている。なお、第2、第4アーム片24、44に設けられた突起25a、25b、45a、45bと第2、第4結合部35、37に設けられた係止突起35b、37bとが接触しないように、両突起の高さを加算した長さは、ストッパー部材71の肉厚より若干短くしてある。
【0070】
ここで、以下には先ずストッパー機構70について説明する。
【0071】
ストッパー機構70は、第1及び第2フレーム21、41に固定された一対のストッパー部材71、71と、第1及び第2フレーム21、41の回動に伴ってこのストッパー部材71、71に当接し、その回動を規制する係止突起35b、37bとから構成されている。
【0072】
ストッパー部材71、71は、いずれも同一の構造を有しているので、以下には第2アーム片24に取付けられるストッパー部材71について説明する。しかしながら、第2アーム片24に取付けられるストッパー部材71と第4アーム片44に取付けられるストッパー部材71とは連結部材30を境に左右対称に配置されている。
【0073】
このストッパー部材71は、ほぼ円形で所定肉厚の板体の外周縁の2箇所から法線方向に係止爪71a、71bが突出した形状を有し、平面視においてほぼ三日月状であって、その表裏面のほぼ中心に第1、第2取付け軸72、73を有し、この三日月状の先端部が係止爪71a、71bとなっている。各係止爪71a、71bは、第1取付け軸72を中心にして所定角度θ(図示省略)離れている。第1取付け軸72は取付け穴24bに嵌合されるように非円形状に形成し、第2アーム片24の取付け穴24bへ嵌着されることで回り止めを行う。また、第2取付け軸73は、第2結合部35の取付け穴35aに挿通される太さで、且つ第2結合部35の肉厚より若干長くなっている。そして、取付け穴35aに挿入された後第2取付け軸73の先端部をかしめることで取付け穴35aに回動自在に固定される。なお、各係止爪71a、71bのなす角θは、例えば携帯電話機1に実装された際の所望の最大回転角を等分し、かつその角度に係止突起35b、37bの円周方向の延設角度を加えた角度とする。
【0074】
ストッパー部材71は、金属材、特に機械的強度の強いステンレス鋼で作製されている。このような金属材でストッパー部材71を作製すると、第1、第2フレーム21、41の一方に過度な力が加わっても各係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに係止されるため、破損等が生じにくくなる。
【0075】
次に、駆動機構50について説明する。
【0076】
第1フレーム21の第1アーム片22の結合部22a及び第2フレーム41の第3アーム片42の結合部42aには、それぞれ駆動機構50、50が設けられている。各駆動機構50、50は、第1、第2フレーム21、41を所定位置に規制・保持するカム機構と、このカム機構を駆動するバネ体とを備え、第1、第2フレーム21、41の回動にしたがってこれらのフレームを間歇移動させるものである。第1アーム片22及び第3アーム片42に設けられた駆動機構とは、同様の構成からなるため、同一の符号を付し、以下には第1アーム片22に取付けられた駆動機構50についてのみ説明を行う。
【0077】
カム機構は、第1結合部34に設けられたカム34bと、このカム34bと噛合するカム55bを一面に有する円盤状のカム板55とからなる。このカム板55には、その一端が筒状キャップ51内に設けられたバネ体(図示省略)によって押圧されるバネ体押圧部54が設けられ、他端がリンク機構60に連結される棒状の作動棹67に一体に固定されている。またカム板55のバネ体押圧部54は、その径が筒状キャップ51の開口部の直径とほぼ同じ径及び所定の肉厚を有し、その内面、すなわち第1結合部34の一面と対向する面に、複数個のカム55bが作動棹67から放射状に形成されている。また、このカム板55は、第1結合部34のカム34bと噛合するようにカム55b同士の間に凹部55cが設けられている。同様に、第1結合部34の外面に設けられた複数個のカム34b同士の間にも凹部34cが形成されている。また、筒状キャップ51は鉤片53により結合部22aの取付け穴22b内に固定され、カム板55のバネ押圧部54がこの筒状キャップ51に固定されているため、このカム板55は、第1フレーム21の回動に伴って回動することとなる。なお、筒状キャップ51の後端部は第1、第3アーム片22、42から突出しているが、この後端部は組立て時に送受話ケース2、10の他方の隅部15a、16aに収納される。
【0078】
互いのカム34b、55b同士は、携帯電話機1を開状態とする場合の角度に合わせて設けると好ましく、例えば携帯電話機1の開状態を160°とすれば、このカム同士の間隔も160°あるいはその半分の80°毎に設けると、カムが噛合した時点で送受話ケース2、10が固定されるため、開状態、閉状態あるいはその中間部での送受話ケース2、10が安定する。
【0079】
これにより、第1、第2フレーム21、41が回動されると、駆動機構50のカム板55が回動し、このカム板55に設けられたカム55bが、噛合された第1、第3結合部34、36のカム34b、36bに乗り上げるように、バネ体の付勢力に抗して移動する。これにより、カム同士が噛合していない場合には適度な抵抗を生じるようになり、回動時のスナップアクションを実現する。
【0080】
次にリンク機構60について説明する。
【0081】
リンク機構60は、第1、第3アーム片22、42に設けられ、突出棒65aをその一面に有し第1、第3アーム片22、42の回動に連動して回動する一対のカム駒片65と、連結部材30の第1連結片32に固定された規制板63と、中心部に設けられた軸棒61aにより連結部材30に回動可能に固定された長尺な棒状体からなり、規制板63に設けられた規制穴63a、63bに連通された突出棒65aにその両端部が固定されて、第1、第3アーム片22、42の回動をリンクさせる作動バー61と、を備え、駆動機構50、50のいずれか一方が駆動されたとき、他の駆動機構を連動させて作動させるものである。
【0082】
カム駒片65は、作動棹67の先端部に設けられた固定部材68により第1、第3アーム片22、42に固定され、両アーム片に設けられた駆動機構50、50に連携されており、この固定部材68の先端部には規制板63の係止穴64a、64bに係止される小突起69が設けられている。また、このカム駒片65はほぼ半月状をなし、その内面の回転軸から所定距離離れた位置に規制板63の規制穴63a、63bと係合する突出棒65aが形成されており、この突出棒65aはカム駒片65の回動に合わせて円弧状に揺動する。
【0083】
規制板63は、第1連結片32とほぼ同じ長さ及び幅長を有するほぼ楕円形の板状体からなり、この板状体の長手方向の両端部には固定部材68の先端部に設けられた小突起69が係止される係止穴64a、64bと、この係止穴を中心として所定角度に渡って屈曲して形成された細溝開口からなり、突出棒65aが挿入される規制穴63a、63bとが設けられている。規制穴63a、63bに挿入された突出棒65aはこの穴内で揺動可能であるとともに、その移動が所定位置で規制されるようになっている。
【0084】
作動バー61は、規制板63とほぼ同じ長さを有する棒状体からなり、両端部に長手方向に向かって所定長さのアソビを設けた楕円形の穴62a、62bが設けられており、この穴62a、62bにはカム駒片65の突出棒65aが挿入される。
【0085】
上述の構成により、このリンク機構60は、例えばヒンジ機構20を開状態から閉状態へ第1フレーム21を回動させることにより移行させると、回動された第1フレーム21の回動に伴って第1アーム片22に連結されたカム駒片65が回動し、これによりカム駒片65の突出棒65aが規制穴63a内を右方から見て反時計方向に移動する。この移動に伴って作動バー61の一端部の穴62aにも反時計方向の力が加わり、作動バー61が軸棒61aを中心に時計方向に回動する。そして、作動バー61の他端部の穴62bに連結された、第3アーム片42に連結したカム駒片65の突出棒65aに時計方向の力が加わることによりこのカム駒片65が時計方向に移動し、この移動に伴って第3アーム片42が同じく時計方向に回動することにより、第1フレーム21と第2フレーム41とが互いに反対方向に回動するようになっている。なお、閉状態から開状態へ移行させる場合においても同様の動作がなされることは明白であるので、ここではその説明を省略する。
【0086】
次に、図5〜図6を参照して、ヒンジ機構20の組立てを説明する。
【0087】
先ず、連結部材30の第2結合部33にそれぞれストッパー部材71、71を装着する。このストッパー部材71の装着は、第2連結片33の第1、第2結合部35、37に設けられた取付け穴35a、37aにストッパー部材71の第2取付け軸73を挿通し、この取付け穴35a、37aから抜けないようにこの軸の頂部をかしめる。なお、図5、図6は、すでにかしめた状態で図示している。
【0088】
一方、筒状キャップ51を第1、第3アーム片22、42の取付け穴22b、42bの内側から挿入し、筒状キャップ51の鍔片52を第1、第3アーム片22、42の溝22c、42cに挿入して位置決めする。次いで、この筒状キャップ51内にコイル状バネ体(図示省略)を挿入する。そして、この筒状キャップ51内にカム板55のバネ押圧部54を挿入・固定し、次いで、連結部材30と第1、第2フレーム21、41とを取付ける。この取付けは、バネ体により押圧されたカム板55をバネ体に抗して押し込み、この状態で、第1及び第3アーム片22、42と第2及び第4アーム片24、44との間に連結部材30の第1〜第4結合部34〜37を配置し、第2連結片33の第2、第4結合部35、37に装着されたストッパー部材71、71の第1取付け軸72、72を第2、第4アーム片24、44の取付け穴24a、44aに挿通して回り止めして取付けるとともに、ストッパー部材71、71の係止爪71a、71bを突起25a、25b及び45a、45bに当接させて固定している。
【0089】
そして作動桿67を取付け穴34a、34b及びカム板55の中心部を挿通させて筒状キャップ51内面の底部にまで挿通するとともに、第1、第3結合部34、36のカム34b、36bをカム板55のカム55bに噛合させる。続いて、この作動桿67にカム駒片65を装着する。この装着は、作動桿67にカム駒片65を挿通し、作動桿67の先端部に固定部材68を取付けてこの固定部材68にカム駒片65を固定し回り止めを行なう。そして作動バー61の軸棒61aを規制板63の挿通穴64cを介して固定穴38に挿通させて回動自在に固定し、次いで、規制板63の係止穴64a、64bを固定部材68先端部の小突起69に挿入する。加えてカム駒片65の突出棒65aを規制板63の穴63a、63b及び作動バー61の両端部に形成された穴62a、62bに挿通して先端をかしめる。
【0090】
図7〜図9は図5及び図6に示すヒンジ機構を組み立てた状態を示し、図7はヒンジ機構が閉状態の場合を示す斜視図、図8はヒンジ機構が開閉途中の状態を示す斜視図、図9はヒンジ機構が開状態の場合を示す斜視図である。
【0091】
組み立てられたヒンジ機構20は、図7〜図9に示すように、第1アーム片22と第1結合部34とが連結された第1連結部101、第2アーム片24と第2結合部35とが連結された第2連結部102、第3アーム片42と第3結合部36とが連結された第3連結部103、第4アーム片44と第4結合部37とが連結された第4連結部104、とにより第1、第2フレーム21、41と連結部材30とが一体に形成され、第1、第3連結部101、103には、駆動機構50及びリンク機構60が設けられ、第2、第4連結部102、104にはストッパー機構70が設けられている。そして第1、第2連結部の中心部を連津する軸線及び第3、第4連結部の中心部を連通する軸線が、本実施例のヒンジ機構20の2つの回転軸となる。
【0092】
図10は送受話ケースの折畳み状態とヒンジ機構との関係を説明するもので、図10(a)は図1の送受話ケースをA−A線から切断した状態で両ケースを折畳んだ状態を示す側断面図、図10(b)は図10(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、図11は図10の送受話ケースを80°開いた状態を示し、図11(a)は側断面図、図11(b)は図11(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、図12は図10の送受話ケースを160°開いた状態を示し、図12(a)は側断面図、図12(b)は図12(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図である。なお、図10(a)、図11(a)、図12(a)はその連結部におけるハウジングの形状が分かりやすいように、リンク機構が省略されており、また、図10(b)、図11(b)、図12(b)のヒンジ機構20は、ストッパー部材が見えるように所定の位置で切断された状態を示している。
【0093】
ヒンジ機構20は、図10(a)、図11(a)及び図12(a)に示すように、一対のほぼ半楕円形状のカバー部材7、8により、表面及び裏面から挟み込まれることで覆われており、送話ケース2と受話ケース10との間に装着される。このカバー部材7、8は、長手方向の一側端部に鉤状の係止部7a、8aが形成され、対向する他側短部に係止ねじ装着口7b、8bが形成されており、係止部7a、8a同士を係止した状態で係止ねじ装着口7b、8b同士を連通させ、この連通させた係止ねじ装着口7b、8bをねじ9によりねじ止めすることで取付けられている。このとき、係止ねじ装着口7b、8bを半楕円形状の長手方向の側端部に設けることにより、送受話ケース2、10の折畳み及び所定角度に開いた状態のいずれの状態においても、送話ケース2と受話ケース10とからねじ9が露出することなく、すなわち外から見えないため美観を向上させることができる。
【0094】
送受話ケース2、10を折畳んだ状態におけるヒンジ機構は、図7及び図10(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41がほぼ平行状態となっている。すなわち、各ストッパー部材71、71のうち、第4連結部104に設けられたストッパー部材71の係止爪71aが連結部材30の第4結合部37の係止突起37bに当接し、また、第2連結部102に設けられたストッパー部材71の係止爪71aは第2結合部35の係止突起35bから少し離れたところに位置している。すなわち、携帯電話機1を閉状態としたときにおいては、2つのストッパー部材71の係止爪71aのうち、一方のみしか係止突起37bに当接していない。これは、例えば携帯電話機1の送受話ケース2、10の開閉角度を160°としたとき、ストッパー部材71によって規制される開閉角度は、160°よりも若干(例えば1〜3°程度、すなわち1つの回動軸ごとに0.5〜1.5°程度)大きな角度が設定されていることを意味し、このようにストッパー部材71により規制される角度を実際の開閉角度よりも大きな角度とすれば、例えば閉状態においてもストッパー部材71によって規制されていないため、駆動機構50により送話ケース2、受話ケース10が互いに押し付けあうように付勢させた状態とすることができ、これにより、閉状態において送受話ケース2、10間に隙間が生じることを防止することができる。なお、ここではストッパー部材71、71の一方が当接した場合について説明したが、両方のストッパー部材を僅かな隙間(回動軸を中心として0.5〜1.5°、好ましくは1°)を空けた状態とするようにしてもよい。この場合、送受話ケース2、10の閉状態あるいは開状態においてはこの両ケース2、10同士が当接することにより支持されるものである。
【0095】
次いで、この折畳み状態から、一方のケース、例えば受話ケース10を所定角度回動させると、他の送話ケース2も反対方向へ同じ角度回動する。例えば送受話ケース2、10を図8及び図11(a)に示すように80°開くと、ヒンジ機構20は、図11(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41は、連結部材30に対して互いに反対方向へほぼ同じ角度、すなわち40°ずつ回動している。
【0096】
更に、送受話ケース2、10を回動し、開状態となる160°にまで開くと、ヒンジ機構20は、図9及び図12(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41が連結部材30に対して互いに80°ずつ回動しており、また、160°開かれた状態では、送受話ケース2、10の両隅部15a、15b、16a、16bが当接することにより開状態を支持し、ストッパー部材71、71は係止突起35b、37bに対して僅かな隙間(2°)を空けて位置している。ただし、開状態においては、このように僅かな隙間を設けることなく、送受話ケース2、10を当接させるとともにストッパー部材71、71も係止突起35b、37bに当接させるようにしてももちろん良い。
【0097】
図13は図10(a)のB方向からみた側面図である。この図に示すように、ヒンジ機構20がカバー部材7、8で覆われると、送受話ケース2、10の各隅部15a、15b及び16a、16bにより挟まれたヒンジ機構20が連結される隙間の幅方向の長さが、ヒンジカバーCを構成するカバー部材7、8の幅方向よりも長くなっており、カバー部材7、8の側端と送受話ケース2、10の各隅部15a、15b及び16a、16bとの間には所定長さdの小隙間が形成される。この位置に隙間が形成されると、送受話ケース2、10の折畳み時に、送受話ケース2、10とカバー部材7、8とが擦れて摩擦音、例えばきしみ音が発生することがなくなる。なお、この小隙間は塵等が侵入しないような構造とすると好ましい。
【0098】
上述したように、実施例のヒンジ機構は、リンク機構60により、第1、第2フレーム21、41の回動が連結部材30に対して逆位相で連係して駆動するため、一方のフレームのみが回動することはなく、常に両フレームの回動が連係するため、安定した開閉動作を実現できるとともに、閉状態における送受話ケース2、10にズレが生じることもない。
【0099】
なお、この実施例では、駆動機構50を第1、第3連結部101、103の2箇所に設けたが、第1〜第4連結部101〜104の何れにいくつ設けてもよい。ただし、駆動機構50を1つのみとすると、バックラッシが原因となるアソビあるいはガタが発生するため、好ましくは回動軸ごとに1つずつ設けるものとする。また、リンク機構60は駆動機構50が設けられた第1、第3連結部101、103に設けられているが、第1フレーム21と第2フレーム41とをリンクさせることが可能であれば何れに設けてもよく、好ましくは第1アーム片22と第3アーム片42、又は第2アーム片24と第4アーム片44とをリンクするように設けると最も省スペースで設置することができる。
【0100】
また、上記実施例では、リンク機構60としてカム駒片65、65及び作動バー61とを用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば第1、第2フレーム21、41のいずれか一方のアーム片に固定された一対の歯車と、この両歯車間に設けられてこの歯車同士を連結駆動するための偶数個の遊歯車と、によってリンク機構60を構成しても良い。
【0101】
加えて、本実施例ではストッパー機構70、70のみが設けられた第2、第4連結部102、104上に連結配線(FPC6)が設けられている。これはFPC6の周囲にストレスを許容するためのスペースを取りやすいためにこのような位置に設けられたものであるが、この位置に限定したものではなく、何れの連結部上に配線してもよい。ただし、好ましくは各種機構ができるだけ設けられていない連結部に設けるとよく、また第1、第2連結部と第3、第4連結部のうち近接して対向する連結部に配線するとFPC6自体の長さを短縮できるとともに捩れ等を良好に阻止できる。
【0102】
また、ストッパー機構70についても実施例では第2、第4連結部102、104に設けたが、何れの連結部に何個設けても良いが、好ましくは駆動機構と同様に回転軸ごと1つずつ設けるものとする。また、このストッパー機構70を駆動機構50及びリンク機構60が設けられた連結部であっても設けることができることは当業者にとり自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は本発明の実施例に係るヒンジ機構を適用した折畳み式携帯電話機を示す斜視図、
【図2】図2は図1の携帯電話機からハウジング及びケースを取外しリンク機構等の内部機構が見えるようにした状態を示す斜視図、
【図3】図3は図2の背面からみた斜視図、
【図4】図4はFPCを示し、図4(a)は平面図、図4(b)は携帯電話機に取り付けた状態におけるFPCを示す斜視図、
【図5】図5はヒンジ機構を分解して示す分解斜視図、
【図6】図6は図5を異なる方向から見た分解斜視図、
【図7】図7は図5及び図6に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が閉状態の場合を示す斜視図、
【図8】図8は図5及び図6に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が開閉途中の状態を示す斜視図、
【図9】図9は図5及び図6に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が開状態の場合を示す斜視図、
【図10】図10は送受話ケースの折畳み状態とヒンジ機構との関係を説明するもので、図10(a)は図1の送受話ケースをA−A線から切断した状態で両ケースを折畳んだ状態を示す側断面図、図10(b)は図10(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、
【図11】図11は図10の送受話ケースを80°開いた状態を示し、図11(a)は側断面図、図11(b)は図11(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、
【図12】図12は図10の送受話ケースを160°開いた状態を示し、図12(a)は側断面図、図12(b)は図12(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、
【図13】図13は図10のB方向から見た側面図、
【図14】図14は従来の折畳み式携帯電話機を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)は、ヒンジ機構の一部破断拡大正面図、
【符号の説明】
【0104】
1 携帯電話機(折畳み機器)
2 送話ケース
6 FPC
6a、6b 端子片
6c 連結片
1、61 第1円環部
2、62 第1接続部
3、63 第2円環部
4 第2接続部
10 受話ケース
20 ヒンジ機構
21 第1フレーム
22 第1アーム片
24 第2アーム片
26 結合片
26a、26b 取付け穴
30 連結部材(第3フレーム)
31 結合片
32 第1連結片
33 第2連結片
34 第1結合部
34b カム
35 第2結合部
35b 係止突起
36 第3結合部
36b カム
37 第4結合部
37b 係止突起
41 第2フレーム
42 第3アーム片
44 第4アーム片
46 結合片
46a、46b U字状溝
50 駆動機構
51 筒状キャップ
54 バネ体押圧部
55 カム板
55b カム
60 リンク機構
61 作動バー
63 規制板
65 カム駒片
65a 突出棒
67 作動桿
70 ストッパー機構
71 ストッパー部材
71a、71b 係止爪
101 第1連結部
102 第2連結部
103 第3連結部
104 第4連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内部に制御回路基板を備える一対の機器ケースと、前記一対の機器ケースの一側端部同士を回動自在に連結するヒンジ機構と、前記一対の機器ケース同士を電気的に連結させて各種制御信号等を伝達させる連結配線と、からなる折畳み式電子機器において、
前記一対の機器ケースのヒンジ機構が連結された一側端部はその両隅部が前記一側端部に直交する方向に所定長さ突出し、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に前記ヒンジ機構が取り付けられ、
前記ヒンジ機構は、前記機器ケースの一方の前記両隅部間に設けられた第1回転軸と、前記機器ケースの他方の前記両隅部間に設けられた第2回転軸とを有し、
前記連結配線は、前記一対の機器ケースの一方の隅部と、前記ヒンジ機構とに沿って屈曲されて配線され、その両端部が前記一対の機器ケース内の各制御回路基板に接続されていることを特徴とする折畳み式電子機器。
【請求項2】
前記連結配線は第1〜第4屈曲部を備え、前記機器ケースの一方からこの機器ケース隅部の一方を通り、前記第1屈曲部を介して前記第1回転軸に沿って前記ヒンジ機構側へ導出され、前記第2屈曲部を介して前記第1回転軸から前記第2回転軸側に延設され、前記第3屈曲部を介して前記第2回転軸に沿って前記機器ケースの他方の一方の隅部へ導出され、前記第4屈曲部を介して前記機器ケースの他方に配線されていることを特徴とする請求項1に記載の折畳み式電子機器。
【請求項3】
前記連結配線は、前記一対の機器ケースの両隅部のうち、近接する一方の隅部同士を通過するように配線されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器。
【請求項4】
前記連結配線は、フレキシブルプリント配線基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント配線基板は、両端部に前記制御回路基板に設けられた接続部に接続される端子片が形成された細長なフィルム状体からなり、その長手方向中間部が実質的にコ字状に屈曲していることを特徴とする請求項4に記載の折畳み式電子機器。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント配線基板の長手方向に直交する方向に延びる2辺は、前記ヒンジ機構の第1、第2回転軸に沿って配線されていることを特徴とする請求項5に記載の折畳み式電子機器。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント配線基板の長手方向に平行な方向に延びる各辺は、前記コ字状に屈曲した各屈曲部に近接する位置において前記第1、第2回転軸を中心に所定角度巻回されていることを特徴とする請求項5に記載の折畳み式電子機器。
【請求項8】
前記コ字状に屈曲した各屈曲部は、円弧状に屈曲していることを特徴とする請求項5に記載の折畳み式電子機器。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント配線基板は、複数枚重ねられて配線されていることを特徴とする請求項4に記載の折畳み式電子機器。
【請求項10】
前記連結配線は、所定径を有する同軸ケーブルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器。
【請求項11】
前記同軸ケーブルは、両端部に前記制御回路基板に設けられた接続部に接続される端子片が形成された柔軟性を有するケーブル状体からなり、前記第1、第2回転軸の軸心に沿って形成された連通穴内を通過するように配線されていることを特徴とする請求項10に記載の折畳み式電子機器。
【請求項12】
前記ヒンジ機構は、
前記機器ケースの一方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第1、第2アーム片と、を備える第1フレームと、
前記機器ケースの他方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第3、第4アーム片と、を備える第2フレームと、
所定長さを備えた板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されるとともに左右にそれぞれ分岐され、前記分岐された先端部に前記第1〜第4アーム片に連結される第1〜第4結合部を有する第1、第2連結片と、を備える第3フレームと、
を備え、
前記第1〜第4アーム片に形成された結合部と前記第1〜第4結合部とが回動自在に連結されて、第1〜第4連結部が形成されるとともに、前記第1〜第4連結部の少なくとも1つには前記第1、第2フレームを所定位置に回動・保持する駆動機構が設けられ、
前記第1又は第2連結部と前記第3又は第4連結部の少なくとも1組の連結部間が連係機構により連結され、前記第1フレームが前記第1及び第2連結部を軸として前記第3フレームに対し一方向に所定角度回動されると、前記連係機構によりこの回動に連係して前記第2フレームが前記第3及び第4連結部を軸として前記第3フレームに対し反対方向に前記第1フレームと同一の角度だけ回動するように連結されていることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の折畳み式電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−43379(P2007−43379A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224091(P2005−224091)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】