説明

指向性アンテナ

【課題】良好な指向性特性を有する平面アンテナを提供する。
【解決手段】指向性を有する平面アンテナ1として、第1の放射素子11と、第1の放射素子11から実質的にλ/4だけ離れた位置に第1の放射素子11と並行に延びる第2の放射素子21と、第1の放射素子11と第2の放射素子21とを電気的に接続する接続部30と、接続部30と並行に配置されたグランド板40と、グランド板40と前記第1の放射素子11との間に給電部50を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波デジタル放送又は無線通信サービスに向けた平面形状を有する指向性アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、無線通信又は無線放送に用いる多くの平面アンテナの研究が成されている。また、アンテナで送受信する無線規格毎に様々な取り組みが成されている。
【0003】
上記平面アンテナに関連する技術は、例えば、非特許文献1ないし2に記載されている。
【0004】
非特許文献1には、UWB(Ultra Wide Band)用平面型ダイポールアンテナに関する技術が記載されている。非特許文献1に記載されたUWB用平面型ダイポールアンテナは、平面形状を有し、ダイポールアンテナを構成する放射素子を台形形状にすると共に放射素子の寸法を調節することで、FCC(Federal Communications Commission)によるUWBの策定周波数帯3.1GHz〜10.6GHzにおいてVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)=2以下を達成する広帯域アンテナを実現している。
【0005】
また、上記アンテナに加えて、UWB用平面型ダイポールアンテナの台形形状に切り欠けを設けて非対称とすることで、無線LAN周波数帯を含む2.29GHz〜10.6GHzにおいてVSWR=2以下を達成する広帯域アンテナを実現している。
【0006】
非特許文献2には、非特許文献1の平面型ダイポールアンテナに加え、多くの平面型アンテナについての形状及び特性について明瞭に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】堀田 篤 岩崎 久雄 UWB・無線LAN対応広帯域平面ダイポールアンテナの検討(電子情報通信学会論文誌 B Vol.J89-B No.9 pp1633-1640,2006)
【非特許文献2】倉本 晶夫 ワイヤレスPANを目指した広帯域アンテナ(電子情報通信学会論文誌 B Vol.J90-B No.9 pp797-809)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、研究されているアンテナは、形状、大きさ等に特徴を有するものの、改善の余地を残す。
一例として、所定方向への電波の放射を抑制することについて、非特許文献1ないし2では、検討されていない。即ち、上記非特許文献に記載されたアンテナは、方位方向に無指向性の放射パターンを有しており、以下のような解決すべき課題がある。
1)特定の方向のみと通信をおこなうために、特定の方向に放射パターンのビームを指向させることができない。
2)人体などの誘電体が存在する場合、反射が生じ、アンテナ自身の入力インピーダンス特性が劣化する。
【0009】
本発明の目的は、使用態様に合わせて自由度のある指向性をもたせた平面型アンテナの提供にある。
また、本発明の別の目的は、使用態様に合わせて自由度のあるVSWRの設定をも可能とする指向性をもたせた平面型アンテナの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の指向性アンテナは、第1の放射素子と、前記第1の放射素子から実質的にλ/4だけ離れた位置に前記第1の放射素子と並行に延びる第2の放射素子と、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とを電気的に接続する接続部と、前記接続部と並行に配置されたグランド板と、前記グランド板と前記第1の放射素子との間に設けられた給電部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用態様に合わせて指向性をもたせた広帯域を実現する平面型アンテナを提供できる。また、使用態様に合わせて自由度のあるVSWRの設定をも可能とする指向性をもたせた平面型アンテナを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の一形態である平面アンテナ1を示す概略図である。
【図2】実施例1の平面アンテナ100を示す構成図である。
【図3】平面アンテナ100のXY面指向性に関するシミュレーション結果を示す図である。
【図4】平面アンテナ100のYZ面指向性に関するシミュレーション結果を示す図である。
【図5】平面アンテナ100の動作電流分布を示す図である。
【図6】実施例2の平面アンテナ200を示す構成図である。
【図7】平面アンテナ200の接続部とグランド板との距離に基づくVSWR値の変化を示す図である。
【図8】第2の実施の一形態である平面アンテナ2を示す概略図である。
【図9】実施例3の平面アンテナ300を示す構成図である。
【図10】平面アンテナ300の放射素子形状に基づくVSWR値の変化を示す図である。
【図11】第3の実施の一形態である平面アンテナ3を示す概略図である。
【図12】第4の実施の一形態である平面アンテナ4を示す概略図である。
【図13】実施例4の平面アンテナ400を示す構成図である。
【図14】平面アンテナ400の周波数-VSWR特性を示す図である。
【図15】平面アンテナ400のXY面指向性に関するシミュレーション結果を示す図である。
【図16】平面アンテナ400のYZ面指向性に関するシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて、詳細に説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の一形態である平面アンテナ1を示す概略図である。
(構造)
図1に示すように平面アンテナ1は、放射素子11と放射素子21と両放射素子を電気的に接続する接続部30が片端に形成され、給電部50を境としてグランド板40がもう片端に形成されたアンテナである。給電部50は、グランド板40と放射素子11との間に設けられ、放射素子11と放射素子21との両素子の給電点として機能する。
【0015】
放射素子11と放射素子21は、同一方向に設けられている。放射素子21は、放射素子11から実質的にλ/4だけ離れた位置に放射素子11と平行(並行)に延びる様に配設される。接続部30とグランド板40とは、平行に同程度の長さに設けられている。
【0016】
(作用)
給電部50からアンテナ1に電力が供給されると、放射素子11、21や接続部30、グランド板40に電流が流れ、それぞれの形状や長さなどに応じて電流定在波が分布する。グランド板40側では2次元状の電流が分布し、その分布形態は、対象とする周波数(あるいは波長)とグランド板寸法などの関係から決定される。
【0017】
一方、放射素子側では、波長と素子長の関係から決まる電流分布が形成される。給電部50から流れ出る電流は、放射素子11側と放射素子21側に分流されることになるが、放射素子11と放射素子21は、実質的にλ/4だけ距離を隔てて配されているため、放射素子11に流れる電流に対し、接続部30を介して到達する放射素子21に流れる電流は、電流の位相で言うと90度だけ位相が遅れて流れるようになる。
【0018】
指向性を考える際、放射素子21と放射素子11との電磁波の合成を考慮する必要がある。放射素子21から放射する電磁波は、放射素子11に対して、素子の電流位相が90度遅れる。また、放射素子21から放射素子11の方向に放射される電磁波も、放射素子11までの伝播距離がλ/4だけ離れている。このため、放射素子11の右側の空間では、放射素子11から放射される電磁波に対し、放射素子21の電磁波はちょうどλ/2だけ遅れ、すなわち逆位相となり、互いに打ち消すように作用し、結果として電磁波の強度は小さくなる。
【0019】
一方、放射素子21の左側の空間では、放射素子11から放射された電磁波はλ/4だけ離れているため放射素子21に90度遅れて到達する。放射素子21から放射される電磁波は、実質的にλ/4分の時間だけ遅れる様に接続部30を調整されている為、放射素子11から放射された電磁波に対して位相が90度遅れて放射される。
【0020】
このため、放射素子11と放射素子21の電磁波は同相となり、互いに合成するように作用し、電磁波の強度が大きくなる。これが本発明のアンテナ構成において、放射素子21が配置される側の空間の指向性が顕著になる理由である。
【0021】
本アンテナ構成では、接続部にも電流が流れ、電磁波を放射する。当該電流は、後述の図5に示すように、接続部に向かい合っているグランド板の上辺部を流れる電流とちょうど逆方向となり、接続部の電流から放射される電磁波は打ち消すように作用し、放射指向性へ与える影響は小さい。なお、グランド板上に分布する2次元の電流は、素子11と21の電流に比べると小さい傾向であった。
【0022】
以上、本発明によるアンテナ構成では、放射素子11および21を実質的にλ/4の長さを有する接続部によりつなぎ、各素子の電流に位相差を生じさせることにより、給電部に対して放射素子21が配置される側の空間(+x方向)に指向性を向けることが可能となる。
【0023】
次に、実施の形態の平面アンテナの特性について説明する。
【0024】
[実施例1:特性説明]
○指向性
実施の一形態に係る実施例1の平面アンテナ100を説明する。
図2は、実施例1の平面アンテナ100を示す構成図である。平面アンテナ100の各寸法は、図2に示す様に、W=200,H=125,S1=125,S2=125,S3=25,S4=10,S5=10,S6=135(単位はmm)とした。このような寸法形状とすることで、平面アンテナ100は図において左方向に対して放射を強化すると共に、右方向に対して放射を抑制できる。
【0025】
図3及び図4は、平面アンテナ100の指向性に関するシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションは、三次元電磁界シミュレータを用いた。平面アンテナ100は、図3に示す様に、XY面において0度方向への放射が強化されると共に180度方向への放射が抑制される。また、図4に示す様にYZ面の指向性は、八の字型の指向性特性を有する。
【0026】
図5は、周波数620MHzにおける平面アンテナ100の動作電流分布を示す図である。同図(a)は電流のポテンシャル分布、(b)は電流のベクトル分布を表したものである。図5(b)のシミュレーション結果に示す様に、平面アンテナ100の動作時は、接続部とグランド板の上辺部における電流が互いに逆向きに発生する。
【0027】
なお、本発明では、接続部に流れる電流による放射の影響を少なくするため、上記のように接続部とグランド板とは、平行に同程度の長さに設けられていることが望ましい。また、当該電流による影響を抑制するため、接続部とグランド板との距離を小さくしても良い。その理由を以下に実施例2を示して説明する。
【0028】
実施例2に係る平面アンテナ200を説明する。ここでは、接続部30とグランド板40との距離関係に起因するVSWR値の変化をシミュレーションした。
【0029】
[実施例2:特性説明]
○広帯域化
図6は、実施例2の平面アンテナ200を示す構成図である。平面アンテナ200の各寸法は、図6に示す様に、W=180,H=112.5,S1=112.5,S2=112.5,S3=22.5,S4=9(単位はmm)とした。図に示す様に、接続部長を固定長(112.5mm)として、グランド板との距離をパラメータSとして、パラメータSの値に因るVSWR値の変化をシミュレーションした。
【0030】
図7は、接続部とグランド板との距離に基づくVSWR値の変化を示すシミュレーション結果を示す図である。図から判るように、パラメータSが短くなるに従い、低域から高域全体のVSWR特性が改善された。即ち、VSWR値の改善には、パラメータSの値を減少させることが有効に働く。
【0031】
このように接続部とグランド板との距離はλ/50以下、望ましくは更に短いことが望ましい。ただし、これらの値は、使用状況に応じて適宜調整されるべき設計要件であり、原則は、使用波長に対して十分小さな値で調整する。状況によって、1/500〜1/20波長程度の値もとりえる。
【0032】
また、グランド板の寸法も適宜調整されるものである。上記のようにグランド板の長さは、接続部より、同等以上の長さであることがのぞましく、通常は、λ/4以上の長さにすれば良い。また、グランド板のz方向の長さもλ/4以上の長さが望ましい。ただし、今件も、使用条件によって調整されるべき設計要件であり、グランド板の長さ(x方向のみならずz方向の長さも)が、接続部あるいはλ/4の長さと同等または、若干短いこともありえる。
【0033】
以上述べたように放射素子を用いて平面アンテナを構成することによって、使用態様に合わせて指向性をもたせた広帯域を実現する平面アンテナを提供できる。具体的には、電波放射時に+X方向への指向性を強化し、−X方向への指向性を減少させる。
【0034】
次に、第2の実施の一形態を示す。尚、第1の実施の一形態と同一部分には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0035】
図8は、第2の実施の一形態である平面アンテナ2を示す概略図である。
図8に示すように平面アンテナ2は、放射素子12と放射素子22と両放射素子を電気的に接続する接続部30を片端として、グランド板40を片端とするアンテナである。給電部50は、グランド板40と放射素子12との間に設けられている。
【0036】
放射素子12と放射素子22とは、逆三角形方向のテーパー形状である。放射素子22は、放射素子12から実質的にλ/4だけ離れた位置に放射素子12と並行に延びる様に配設される。
【0037】
このように、放射素子12と放射素子22とにテーパー形状を付することで、以下に示すように、平面アンテナ2の共振特性を広げるため、指向性をもたせつつ広帯域化できる。
【0038】
[実施例3:特性説明]
○広帯域化
実施例3に係る平面アンテナ300を説明する。実施例3では、放射素子形状に基づくVSWRの変化をシミュレーションした。
【0039】
図9は、実施例3の平面アンテナ300を示す構成図である。平面アンテナ300の各寸法は、図9に示す様に、W=160,H=97.5,S1=105,S2=90,S3=22.5,S4=7,S5=3,S6=108(単位はmm)とした。
【0040】
図10は、放射素子形状に基づくVSWR値の変化を示すシミュレーション結果を示す図である。図に示す様に、放射素子長を固定長(105mm)として、放射素子の上辺に変更するパラメータSを付与して、パラメータSの値に因るVSWR値の変化をシミュレーションした。図から判るように、パラメータSが長くなるに従い、低域VSWR特性が改善された。即ち、VSWR値の低域特性の改善には、パラメータSの値を増加させることが有効である。
【0041】
このような寸法形状とすることで、平面アンテナ300は図において左方向に対して放射を強化すると共に、右方向に対して放射を抑制できる。また、放射素子をテーパー形状に形成したことにより、低域VSWR特性の改善している。
【0042】
図11は、第3の実施の一形態である平面アンテナ3を示す概略図である。
図11に示すように平面アンテナ3は、放射素子13と放射素子23と両放射素子を電気的に接続する接続部30を片端として、グランド板40を片端とするアンテナである。給電部50は、グランド板40と放射素子13との間に設けられている。
【0043】
放射素子13と放射素子23は、同一方向に、接続部30に対して斜傾して設けられている。放射素子23は、放射素子13から実質的にλ/4だけ離れた位置に放射素子13と平行に延びる様に配設される。
【0044】
このように、放射素子13と放射素子23を接続部30に対して傾斜させても良い。
【0045】
図12は、第4の実施の一形態である平面アンテナ4を示す概略図である。
図12に示す平面アンテナ4は、柔軟性を有する導電性材料を用いて構成される。平面アンテナ4は、放射素子14と放射素子24と両放射素子を電気的に接続する接続部34を片端として、グランド板44を片端とするアンテナである。給電部50は、グランド板44と放射素子14との間に設けられている。
【0046】
接続部34は、放射素子14及び放射素子24と同一材料であっても良いし、放射素子14や放射素子24と異なり、柔軟性を阻害しない程度の硬度を持たせても良い。接続部34に一定の硬度を持たせることによって、放射素子14と放射素子24との距離を一定に保つ。また、グランド板44の上辺も、接続部34と同様に、一定の硬度を持たせることが望ましい。
【0047】
なお、平面アンテナをPWB(Printed Wiring Board)やFPC(Flexible Printed Circuit)、導電布、導電性シート等に設ける際は、基材の誘電率(あるいは透磁率)によって、波長短縮効果が生じる。このため、接続部の長さは、当該効果を考慮した上で実質的にλ/4相当の長さになるように長さを調節する。
【0048】
このように、柔軟性を有する導電性材料を用いて、平面アンテナを構成することで、電波放射時に+X方向への指向性を強化し、−X方向への指向性を減少させる。
【0049】
上記実施の形態の様に、平面アンテナにおいて2つの放射素子を実質的にλ/4離して設けることにより、2つの放射素子間の受給電位相差が接続部を介してλ/4となる。即ち、接続部を介して2つの放射素子に位相差給電を行うと共に接続部からの放射をグランド板からの放射によって打ち消すことによって、良好な指向性を持たせた平面アンテナとできる。
【0050】
また、放射素子の形状、グランド板の形状、放射素子の傾斜、アンテナの素材を適時使用態様に合わせて調整することで、指向性を有して且つ所望のVSWR値を満足する平面アンテナを提供できる。
【0051】
尚、平面アンテナの材質としては、金属板でも良いし、PWBやFPC、導電布、導電性シートにアンテナ素子を貼り付け又はプリンティングしても良い。
【0052】
最後にワンセグ放送受信用平面アンテナの特性について説明する。
[実施例4]
実施例4に係る平面アンテナ400を説明する。
図13は、実施例4の平面アンテナ400を示す構成図である。
【0053】
平面アンテナ400の各寸法は、図13に示す様に、W=136,H=82,S1=89,S2=80,S3=19,S4=6,S5=3,S6=92(単位はmm)とする。平面アンテナ400は、放射素子を2つのテーパー型素子で構成し、左側素子に位相差給電し、放射指向性に偏りを持たせた構造とした。アンテナの寸法は136×174[mm]である。
【0054】
図14は、平面アンテナ400のVSWR変化のシミュレーション結果を示す説明図である。図から判るように、ワンセグ放送の受信に求められる周波数帯域(UHF 帯470〜770MHz)において、VSWR≦2を満足する。また、上記寸法形状とすることで平面アンテナ400は、図における左方向に対して放射を強化すると共に、右方向に対して放射を抑制できる。
【0055】
図15及び図16は、平面アンテナ400の指向性のシミュレーション結果を示す図である。平面アンテナ400は、図15に示す様に、XY面において0度方向への放射が強化されると共に180度方向への放射が抑制される。また、平面アンテナ400のYZ面の指向性は、図16に示す様に八の字型の指向性特性を示す。
【0056】
上記平面アンテナ400は、指向性を有して、VSWR≦2を実現しつつ小型化に成功している為、例えばウェアラブルアンテナ等に使用できる。
【0057】
具体的には、平面アンテナ400の指向性特性を利用し、人体方向への放射を抑圧できる。また、放射が抑圧されている方向へ人体を設置することで、人体によるアンテナ特性の劣化を軽減できる。
【0058】
即ち、本発明の平面アンテナをウェアラブルアンテナ化した場合、人体方向への放射を抑圧可能とし、加えて人体によるアンテナ特性の劣化を軽減できる。例えば、被服の人体外方(腕や肩、足などから外に向かう方向)に強指向性方向を向けて平面アンテナを設けることによって、人体が有する誘電体としての特性を考慮して、人体及びアンテナ特性の両方に良好なウェアラブルアンテナを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、例えばUHF帯やUWB、2GHz帯、5GHz帯を1つの帯域又は複数の帯域に跨って使用する平面アンテナに適用できる。また、WiMAX、WUSB、WLAN、LTE、ワンセグ放送などの通信規格に対応した平面アンテナに適用できる。
【符号の説明】
【0060】
1、2、3、4 平面アンテナ
11、12、13、14 第1の放射素子(放射エレメント)
21、22、23、24 第2の放射素子(放射エレメント)
30、34 接続部
40、44 グランド板
50 給電部
100、200、300、400 平面アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の放射素子と、
前記第1の放射素子から実質的にλ/4だけ離れた位置に前記第1の放射素子と並行に延びる第2の放射素子と、
前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とを電気的に接続する接続部と、
前記接続部と並行に配置されたグランド板と、
前記グランド板と前記第1の放射素子との間に設けられた給電部と
を有する指向性アンテナ。
【請求項2】
前記第1の放射素子と前記第2の放射素子は、上辺を広げたテーパー形状を有することを特徴とする請求項1記載の指向性アンテナ。
【請求項3】
前記グランド板は、前記接続部に対する並行方向に、前記接続部より長い形状を有することを特徴とする請求項1又は2記載の指向性アンテナ。
【請求項4】
前記第1の放射素子と前記第2の放射素子は、並行に傾斜した形状を有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の指向性アンテナ。
【請求項5】
柔軟性を有する素材を用いて構成されることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の指向性アンテナ。
【請求項6】
前記接続部は、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子よりも硬度を有するように構成されることを特徴とする請求項5記載の指向性アンテナ。
【請求項7】
前記グランド板の前記接続部と並行に配置される近端部は、前記接続部と同等の硬度を有するように構成されることを特徴とする請求項6記載の指向性アンテナ。
【請求項8】
PWB、FPC、導電布、導電性シートの何れかに構成されることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一記載の指向性アンテナ。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れかの指向性アンテナを有することを特徴とする被服。
【請求項10】
装着者の人体に対して、体方向に弱指向性方向を向けると共に外方向に強指向性方向を向けて、請求項1ないし8の何れかの指向性アンテナを、設けたことを特徴とする被服。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−200211(P2010−200211A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45278(P2009−45278)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)
【Fターム(参考)】