説明

指袋付きの靴下または手袋の編成方法および指袋付きの靴下または手袋

【課題】編み上がり時に各指袋が指股部で常に重なった状態にした指袋付きの靴下または手袋の編成方法を提供する。
【解決手段】横編機を用いて、指股部の位置で、隣り合う指袋が重なり合うように接合する指袋付きの靴下または手袋の編成方法である。この編成方法では、まず、隣接する二つの筒状部における編幅方向の同じ側の境界部を前後いずれかの一方の針床に、残りの境界部を他方の針床に配置した状態で、二つの筒状部を指股形成位置において接合して、二つの筒状部を一つにまとめた新たな筒状部を形成する。そして、二つの筒状部を重ね合わせた指股部の編目を接合する接合編目を、その編目の編幅方向近傍の編目と重ね合わせて重ね目を形成した後、この重ね目に連続する編目を形成する。この接合編目に重ねられる編幅方向近傍の編目は、互いに指股部を挟んで対角方向の位置にある編目を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指袋付きの靴下または手袋の編成方法、特に、5本の指袋を有する靴下または手袋の編成方法および指袋付きの靴下または手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
靴下や手袋は横編機を用いて編成することができる。指袋を有する靴下や手袋は、各指袋を指先から指股部まで1つの筒状体として編成する。手袋の場合は、一般に、小指、薬指、中指、人差指の各指袋を編成して、これらの指袋を互いの指股部形成位置で接合しながら一つの筒状体として四本胴を編成する。次に親指指袋を編成して親指指袋と四本胴を接合して一つにした五本胴を編成する。
【0003】
また、靴下の編成については、親指、人差指、中指、薬指の指袋を編成した後、これら指袋を指股部形成位置で親指と人差指の指袋を接合して二本胴を形成し、中指の指袋と二本胴を接合して三本胴を形成し、三本胴と薬指の指袋とを接合して四本胴を形成した後、小指の指袋を編成して、この小指の指袋と四本胴とを接合して靴下を編成する場合もある(例えば特許文献1参照)。さらに、3本の指袋を接合して三本胴を形成した後、三本胴に他の指袋を1本接合して四本胴を形成し、さらに、残りの指袋を四本胴に接合して五本胴を形成することにより手袋を編成する場合もある(特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−239950号公報
【特許文献2】特開2000−220064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら特許文献では、各指袋間の付け根となる指股部で隣接する筒状部(各指袋および二本胴、三本胴、四本胴)を接合する際に、各筒状部の接合箇所近傍の編目を重ね合わせる股重ねが施されている。具体例を挙げれば、5本指の手袋において、人差指指袋、中指指袋および薬指指袋を一本にまとめた三本胴と、小指指袋とを接合する場合には、三本胴の編目うち、小指指袋側の指股部形成位置の数目と、小指指袋の編目のうち、三本胴側の指股部形成位置の数目とを重ね合わせる股重ねを施す。そして、股重ねを施した状態で周回編成を行って四本胴の形成を行う。
【0006】
しかしながら、前記した方法で編成された従来の指袋付き靴下または手袋は、例えば、図6に示す手袋のように、編み上がり状態では、指袋の指先が広がってしまう。ところで、軍手などの作業用手袋を除く、いわゆるファッション手袋は、市場に出す際に、見栄えを良くするために、プレス加工を施す。このプレス加工は、人差指の指袋が甲側において最上に位置するように、人差指、中指、薬指、小指の指袋が重なり合うように行う。同様に、ファッション性を有する靴下の場合も、見栄えを良くするために、親指が最上に位置するように、親指、人差指、中指、薬指、小指の指袋が重なり合うようにプレス加工を施す。
【0007】
ところが、このようにプレス加工を施しても、編地の編目は形状を安定化しようとして、元の状態、即ち、指先が広がる方向に戻ろうとするので、指袋の重なり状態を長期に維持することは困難となる。その結果、靴下または手袋を長期保管する場合には、プレス加工時の形状が徐々に崩れていってしまう。さらに、手袋または靴下を洗濯した後は、プレス効果が無くなるので、編み上がり状態と同じ指先が広がった状態になってしまう。
【0008】
また、プレス作業を行う場合、指袋の重ね状態を手作業で均一に揃えた後に、プレスするため、プレス作業が煩雑となる不具合もある。
【0009】
本発明は、編み上がり時に、各指袋が指股部の位置で常に重なった状態にして、形状を整えるためのプレス作業を軽減できる指袋付きの靴下または手袋、およびその編成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の指袋付き靴下または手袋の編成方法は、左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、指先から編成するとともに、少なくとも一つの指股部の位置で、隣り合う指袋が重なり合うように接合する指袋付きの靴下または手袋の編成方法であって、以下のステップを有することを特徴とする編成方法である。
隣接する二つの筒状部における前側編地部と後側編地部との境界部を予め設定して、前記二つの筒状部を指股形成位置まで編成するステップ。
これら二つの筒状部における編幅方向の同じ側の境界部を前後いずれかの一方の針床に、残りの境界部を前後他方の針床に配置した状態で、前記二つの筒状部の編目を指股形成位置において重ね合わせて指股部の編目を形成するステップ。
指股部の編目に連続する接合編目を有し、前記二つの筒状部を一つにまとめた新たな筒状部を編成するステップ。
新たな筒状部の前後一方の編地部に位置する接合編目と、接合編目の編幅方向近傍の編目とを重ね合わせて重ね目を形成するステップ。
新たな筒状部の前後他方の編地部に位置する接合編目と、この接合編目の編幅方向近傍の編目であって、前記一方の接合編目に重ねられる編目に対して指股部を挟んだ位置にある編目とを重ね合わせて重ね目を形成するステップ。
前記重ね目に連続する次コース以降の編目を形成するステップ。
【0011】
ここで、本発明における筒状部とは、親指、人差指、中指、薬指、小指の指袋、二本胴、三本胴、四本胴、五本胴をいう。また、境界部とは、筒状部を前後の編地部に分けたときの境界を指し、境界部の編目とは、境界部を挟んで隣接する編目を指す。さらに、本発明の編成方法において、前後の編地部の接合編目に重ねられる編目は、指股部を挟んで実質的に対角位置にあることが好ましい。
【0012】
新たな筒状部の接合編目を、その編幅方向近傍の編目と重ね合わせるときは、編幅方向近傍の編目として、接合される二つの筒状部における境界部のうち、指股部側の境界部における編目に連続して形成される新たな筒状部の編目を選択することが好ましい。ここで、指股部側の境界部における編目は、境界部を挟んで二つあり、この二つのうち、いずれを選択しても良いが、指股部から離れた位置の編目を選択するのがより好ましい。
【0013】
本発明の編成方法で、親指指袋、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の5本の指袋を有する靴下を編成する場合は、5本の指袋は、親指指袋が甲側において最上位置となって、隣り合う指袋が指股部の位置で重なり合うように接合することが好ましい。特に、最上位置から親指指袋、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の順に各指袋が指股部の位置で重なり合うように接合することが好ましい。
【0014】
また、本発明の編成方法で、親指指袋、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の5本の指袋を有する手袋を編成する場合は、人差指、中指、薬指、小指の指袋について、人差指指袋が他の指袋に対して甲側において最上位置となって、隣り合う指袋が指股部の位置で重なり合うように接合することが好ましい。特に、最上位置から人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の順に各指袋が指股部の位置で重なり合うように接合することが好ましい。
【0015】
そして、上記した編成方法により指袋付き靴下または手袋を編成することにより、二つ以上の指袋を有し、指先から編成されるとともに、少なくとも一つの指股部の位置で、隣り合う指袋が、重なり合うように接合された指袋付きの靴下または手袋を作製できる。この靴下または手袋は、隣接する二つの筒状部を指股形成位置で一つにまとめた新たな筒状部を備える。この新たな筒状部は、対向する二つの編地部からなり、この編地部のそれぞれに、二つの筒状部を接合する接合編目、および、この接合編目と接合編目の編幅方向近傍の編目とを重ね合わせた重ね目に連続して形成される編目を有する。接合編目は、二つの筒状部を接合するときに、二つの筒状部の編目を重ね合わせて形成した指股部の編目に連続する編目である。また、新たな筒状部の対向する編地部において、接合編目に重ねられる編幅方向近傍の編目は、互いに指股部を挟んで対角方向の位置にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の編成方法により得られる指袋付きの靴下または手袋は、前記した編成方法により、各指袋が指股部の位置で重なった状態にできる。すなわち、本発明の編成方法により得られた靴下または手袋は、編み上がりの状態から既に各指袋が重なった状態にあるため、指袋を重ねるためのプレス加工をする必要がなく、しかも、着用を繰り返したり、洗濯したりしても、常に指袋の重なり状態を維持できる。その結果、形状を整えるためのプレス作業を軽減できながら、指袋の重なり状態を長期に維持でき、しかも、見栄えも良好な靴下または手袋とできる。
【0017】
本発明の編成方法の編成過程において、接合部の編目に重ね合わせる編幅方向近傍を、接合される二つの筒状部における境界部のうち、指股部側の境界部の編目に連続して新たな筒状部に形成される編目とすることで、接合する二つの指袋の重なり具合を、人体の手足の形状に沿った靴下または手袋とすることができる。
【0018】
また、靴下を編成する際に、靴下の指袋の重なりを、親指を挿入する指袋を甲側の最上位置にすることで、人体の足の形状に沿った靴下とすることができる。さらに、手袋を編成する際に、手袋の指袋の重なりを、親指を除く4つの指袋を甲側の最上位置から順に、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋とすることで、人体の手の形状に沿った手袋とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて以下に詳細に説明する。以下に示す実施形態は、左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する前後一対の針床を有し、後針床が左右にラッキング可能で、しかも、前後の針床間で編目の目移しが可能ないわゆる2枚ベッドの横編機を用いて指袋付きの靴下または手袋を製作する。
【0020】
本実施形態で使用する2枚ベッドの横編機は、先端にフックを備えた針本体と、2枚の薄板を重ね合わせて構成したスライダーとからなるスライドニードル(株式会社島精機製作所の登録商標)を備える。例えば、株式会社島精機製作所製のSWG021を用いる。なお、横編機は、前記スライドニードルを備えた横編機だけでなく、べら針を備えた横編機を用いることもできる。もちろん、横編機として、4枚ベッド横編機や、トランスファージャックベッドを備える2枚ベッド横編機を使用することもできる。
【0021】
前記スライドニードルを備えた横編機を用いる場合には、2枚ベッドでありながら、空針を設けることなく全針を用いて筒状編地の編成が行える。前記スライドニードルを備える横編機では、一方の針床におけるスライドニードルのスライダーで編目を他方の針床に進出させて、他方の針床におけるスライドニードルのスライダーに編目を預け置くようにする(特開平11−43849号公報に開示される編目の預け置き方法)。
【0022】
なお、べら針の2枚ベッドの横編機を用いる場合は、筒状の編地を編成するときに、前後の各針床においてそれぞれ1本おきの針を用いて編成を行えば良い。この場合、対向する前後の針床で、それぞれの針床に係止される編地部の編目を対向する針床に目移しできるように、空針を確保しておく。
【0023】
以下に示す実施形態は、筒状部となる指袋をそれぞれ個別に筒状に編成し、これら指袋のうち2本の指袋を接合することにより二本胴となる筒状部を形成し、接合した筒状部に次の指袋を接合して、より大きな筒状部を形成することを繰り返して、三本胴、四本胴、五本胴を形成していく。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、5本の指袋を備える靴下(右足用)の平面図である。第1実施形態で編成される靴下1は、5本の指袋を備え、図1において正面側が甲側編地部1A(前側編地部)となり、背面側が裏側編地部1B(後側編地部)となる。また、靴下1は、指先先端部の位置が第一指指袋21が最も突出しており、第一指指袋21、第二指指袋22、第三指指袋23、第四指指袋24、第五指指袋25の順に指先先端部の位置が下がっている。第一指指袋21は親指に対応し、第二指指袋22は人差指、第三指指袋23は中指、第四指指袋24は薬指、第五指指袋25は小指に対応する。
【0025】
さらに、第一指指袋21と第二指指袋22の間に第一指股部31が、第二指指袋22と第三指指袋23の間に第二指股部32が、第三指指袋23と第四指指袋24の間に第三指股部33が、第四指指袋24と第五指指袋25の間に第四指股部34が形成される。第一指股部31、第二指股部32、第三指股部33、第四指股部34の位置も、第一指股部31から順に足首側に下がっている。
【0026】
本実施形態では、第一指指袋21から第二指指袋22、第三指指袋23、第四指指袋24、第五指指袋25の順に、各指袋を個別に筒状に編成していく。
【0027】
第一指指袋21と第二指指袋22を編成した後、第一指指袋21と第二指指袋22とを第一指股部31で接合して二本胴41を形成する。次に、第三指指袋23を編成して、第三指指袋23と二本胴41の第二指指袋22部分とを第二指股部32で接合して三本胴51を形成する。第四指指袋24を編成して、第四指指袋24と三本胴51の第三指指袋23部分とを第三指股部33で接合して四本胴61を形成する。第五指指袋25を編成して、第五指指袋25と四本胴61の第四指指袋24部分とを第四指股部34で接合して五本胴71を形成する。五本胴71を足挿入口11まで編成して、靴下1が形成される。
【0028】
本実施形態では、第一指指袋21、第二指指袋22、第三指指袋23、第四指指袋24、第五指指袋25、二本胴41、三本胴51、四本胴61、五本胴71が本発明でいう筒状部となる。また、本実施形態では、靴下の足の甲側編地部1Aを、主として前針床の針を使用して編成する。靴下の足の裏側編地部1Bを、主として後針床の針を使用して編成する。
【0029】
ただし、本実施形態および後述する第2実施形態では、各指袋は、指股部形成位置まで編成した時点における甲側編地部と裏側(手袋においては掌側)編地部との境界部を予め設定している。各指袋を筒状に編成するにあたっては、糸切れを防止するために前後の針床に係止される編目をほぼ同数にして編成する。
【0030】
第1実施形態にかかる靴下1の足挿入口11以外の部分の編組織、および、後記する第2実施形態の手袋の手挿入口以外の部分の編組織は、説明の便宜上、平編みの無地としているが、ジャカードやリブ等の組織柄のものであってもよい。
【0031】
まず、靴下の第一指指袋と第二指指袋とを接合し、二本胴を形成する編成方法、さらに、二本胴と第三指指袋とを接合して三本胴を形成する編成方法について図2〜4に基づいて以下に説明する。
【0032】
なお、図2〜3の編成工程図において、左の数字は、編成工程のステップを示し、左のFBは前針床を、BBは後針床を示している。また、接合する前における各筒状部の甲側編地部の編目を太い丸線で示し、裏側編地部の編目を細い丸線で示す。さらに、各編目についてa〜xまでのアルファベットを付して、編目の特定をしている。一方、図4には、図2〜3のステップ3、ステップ5、ステップ10、ステップ11のときの編地部を針床から外した状態を示す。
【0033】
図2において、まず、第一指指袋21と第二指指袋22とを筒状に編成する(ステップ1)。両指袋21,22は、一方を指袋のつま先から第一指股部31となる位置まで編成した後、他方も指袋のつま先から第一指股部31となる位置まで編成するようにして形成すれば良い。
【0034】
このステップ1において、BBに係止される編目が後側編地部(足の裏側の編地部1B、手の掌側の編地部10B)の編目を示し、FBに係止される編目が前側編地部(足の甲側編地部1A、手の甲側の編地部10A)の編目を示している。つまり、編目aとlの間、及び、編目fとgの間が、第一指指袋21の境界部になり、編目mとxの間、及び、編目rとsの間が、第二指指袋22の境界部になる。
【0035】
ステップ1で指股形成位置まで編成した第一指指袋21と第二指指袋22の前側編地部の編幅左側端部の編目2目をBBに回すと共に、後側編地部の編幅右側端部の編目2目をFBに回して、両指袋21,22とを時計周りに回転させ(ステップ2)。このステップ2により、隣接する2つの指袋21,22の左側の境界部が、BBに配され、同指袋21,22の右側の境界部がFBに配される。
【0036】
なお、ステップ2の状態にするために、第一指指袋21と第二指指袋22とを反時計回りに回転させても良いし、一方を時計回りに、他方を反時計回りに回転させても良い。さらに、指先から所定のコース編成した時点で各指袋を回転させておき、その状態で各指袋を指股部まで編成すれば、ステップ2の状態から編成を開始することになる。
【0037】
次に、第二指指袋22のFBに係止される前側編地部の編目の全てをBBのスライダーに預け置き、BBを図の左にラッキングした後、BBのスライダーに係止されている第二指指袋22の前側編地部の編目を対向するFBの針に目移しする。この目移しにより、第一指指袋21のFBの編目eに、第二指指袋22の編目vが重ね合わされる。そして、BBに係止される第二指指袋22の後側編地部の編目の全てをFBのスライダーに預け置き、BBを図の右にラッキングした後、FBのスライダーに係止されている第二指指袋22の後側編地部の編目を対向するBBの針に目移しする。この目移しにより、第一指指袋21のBBの編目dに第二指指袋22の編目wが重ね合わされる(ステップ3)。ステップ3の編目の重ね合わせにより、後側編地部の重ね目83と前側編地部の重ね目84で指股部31が形成される。つまり、この重ね目83,84が指股部の編目である。
【0038】
上述したステップ2,3により、第一指指袋21と第二指指袋22の左側の境界部(太い丸と細い丸との境界)はBB側に配され、両筒状部21,22の右側の境界部はFB側に配された状態で両筒状部21,22が接合される。つまり、図4(A)に示すように、第一指指袋21の左側境界部の編目a,lが、BB側に配置され、第二指指袋22の右側境界部の編目s,rが、FB側に配置され、第一指指袋21の後側編地部と第二指指袋22の前側編地部とが接合された状態になる。このとき、第一指指袋21の右側境界部の編目g,fが、FBにおける指股部の編目84の近傍に配置され、第二指指袋22の左側境界部の編目x,mが、BBにおける指股部の編目83の近傍に配置される。
【0039】
次に、第一指指袋21と第二指指袋22が接合された状態から、第一指股部31の位置に孔が生じないように股閉じ編成を行った後(ステップ4)、周回編成を行う(ステップ5)。このときの周回編成は、前側編地部を編成するときには、ステップ3において重ね合わされた前側編地部の編目83にも連続して編目を形成し、後側編地部を編成するときには、ステップ3において重ね合わされた後側編地部の編目84にも連続して編目を形成する。ステップ5の周回編成により二本胴41の基部を編成する(図4の(B)を合わせて参照)。
【0040】
第一指指袋21と第二指指袋22とを接合して形成される二本胴41には、これら指袋21,22と同様に境界部が設定される。具体的には二本胴41の左側の境界部は、第一指指袋21の左側の境界部と一致し、二本胴41の右側の境界部は、第二指指袋22の右側の境界部と一致する。
【0041】
二本胴41は、説明の便宜上、BBに係止される編目を左から順に再度アルファベットを振り直してA〜Kとし、同様にFBに係止される編目を右から順にアルファベットを振り直してL〜Vとする。ここで、編目B,C,RおよびSは、それぞれ第一指指袋21の編目l,a,fおよびgに対してウェール方向に連続する編目であり、編目G,H,MおよびNは、それぞれ第二指指袋22の編目x,m,rおよびsに対してウェール方向に連続する編目である。つまり、二本胴41の左側境界部がBBに、右側境界部がFBに配置されると共に、第一指指袋21の右側境界部に連続する編目S,Rが、FBにおける第一指股部31近傍に配置され、第二指指袋22の左側境界部に連続する編目G,Hが、BBにおける指股部31近傍に配置される。
【0042】
また、編目Fは、重ね目83に対してウェール方向に連続する編目であり、編目Qは、重ね目84に対してウェール方向に連続する編目である。つまり、両編目F,Qは、指股部の編目83,84に連続して、第一指指袋21と第二指指袋22とを接合する接合編目である。
【0043】
ステップ5の状態から、第一指指袋21と第二指指袋22とが指股部で重なった状態を維持するための編成を行う。まず、ステップ5の状態から、BBを右方向に2ピッチラッキングした後(ステップ6)、FBに係止されている編目L〜Rを対向するBBのスライダー、具体的には、編目I〜Cが係止されるスライドニードルのスライダーに預け置く(ステップ7)。
【0044】
次に、BBを左方向に2ピッチラッキングした後、BBのスライダーに預け置かれていた編目L〜Rを対向するFBの針に目移しする(ステップ8)。この目移しにより、二本胴41の前側編地部の編目Rが、同編地部の編目Tに、同編地部の編目Qが編目Sに重ね合わされた状態になる。
【0045】
次に、図3の編成ブロック9に示すように、BBに係止されている編目A〜Gを対向するFBのスライダー、具体的には編目V〜Nが係止されるスライドニードルのスライダーに預け置く。
【0046】
そして、BBを左方向に2ピッチラッキングした後、FBのスライダーに預け置かれていた編目A〜Gを対向するBBの針に目移しする(ステップ10)。この目移しにより、二本胴41の後側編地部の編目Gが、同編地部の編目Iに、同編地部の編目Fが編目Hに重ね合わされた状態になる。
【0047】
接合編目Q(84)に重ねられる編目Sは、第一指指袋21の右側境界部の編目gに連続する編目であり、接合編目F(83)に重ねられる編目Hは、第二指指袋22の左側境界部の編目mに連続する編目である。つまり、指股部31を挟んで対角位置にある編目HおよびSを、それぞれ接合編目FおよびQに重ね合わせて重ね目を形成し、図4の(C)に示すように、二本胴41の前後の編地部が、それぞれの接合編目F,Qの近傍で逆Z状に折り畳まれた状態としている。
【0048】
この二本胴41のうち、第一指股部31の位置を挟んで左側の領域が、第一指指袋21の実質的な挿入口となり、右側の領域が、第二指指袋22の実質的な挿入口になる。また、前後の編地部を折り畳む長さがほぼ等しいため、二本胴41のうち、各指袋21,22の実質的な挿入口となる2つの領域のいずれか一方が極端に狭くなるようなことがない。
【0049】
次に、二本胴41を第二指股部32の位置まで周回編成する(ステップ11)。このステップ11により、二本胴41の前後の編地部において逆Z状に折り畳まれた部分に形成される重ね目に連続して編目が形成される。その結果、図4(D)に示すように、二本胴41の編幅端部の位置に二本胴41の境界部を配置したときに、指股部31の編目83、84の位置が編幅方向の左右にずれた状態に固定される。そのため、第一指指袋21と第二指指袋22とが、第一指股部31の位置で重なった状態で接合された二本胴41が形成される。このとき、図4(C)の時点で前後の編地部を、各編地部の指股部の編目の近傍で折り返しているが、図4(D)の時点では、その折り返しが、筒の内部に突出していない。つまり、二本胴41における各指袋21,22の実質的な挿入口の位置に、障害となる部分がないため、靴下を装着するときに、指袋にスムーズに指を挿入することができる。
【0050】
上述のように、二本胴41を形成したら、続いて、図1に示す靴下1の三本胴51、四本胴61、五本胴71の編成を以下のように行う。なお、二本胴41を周回編成する回数を変えることで、第一指股部31と第二指股部32の足首からの距離を変えることができ、実際の足の形状にフィットするようにできる。
【0051】
次に、ステップ12に示すように、第三指指袋23を第二指股部32の形成位置まで編成し、第一指指袋21と第二指指袋22との接合と同様に、第三指股部33の左側境界部がBBに、右側境界部がFBに配されるようにする。このとき、二本胴41の左側境界部は既にBBに、右側境界部はFBに配されているので、二本胴41を回転させる必要はない。このステップ12以降の編成は、図2,3のステップ3〜10と同様の編成を行って、接合編目の近傍で編地部が折り畳まれた部分を有する三本胴を編成する。
【0052】
以降は、二本胴41の編成および三本胴51の編成と同様に、四本胴61、五本胴71の編成を行い、そして、五本胴71を足挿入口11まで周回編成して靴下1を完成する。具体的には、四本胴61を編成するときは、図3のステップ12における二本胴41を三本胴に置き換え、第三指指袋23を第四指指袋に置き換えて、編成すれば良い。五本胴71も同様の考え方で編成すれば良い。
【0053】
以上のようにして、指袋を接合していくことにより、図1に示すように、親指が挿入される第一指指袋21が最上位置となるように、各指袋が指股部の位置で重ね合わされた状態になり、プレス加工を施すことなく、各指袋がまっすぐに伸びた状態となって見栄えがよくなる。
【0054】
また、本実施形態の靴下1は、各指袋を接合していく過程で、接合されてできた筒状部(41,51,61,71)の編幅が減っていく。例えば、二本胴41の周長は、第一指指袋21の周長と第二指指袋22の周長の合計よりも小さい。また、他の筒状部51,61,71についても、二本胴41と同様のことが言える。この周長の関係は、実際の足の形状に一致しているので、本実施形態の靴下1は、装着したときの足の形状にフィットする。ここで、特許文献1の靴下の場合も、接合されてできた筒状部の編幅は減っていくが、この文献の靴下では接合するときに重ねた編目の数だけしか編幅が減らない。そのため、実際の足の形状に一致させるために、特許文献1の靴下などでは、さらに、意図的に編幅を減らす編成を行っている。これに対して、本実施形態の靴下1は、各指袋を接合する過程で、接合編目近傍における編地部を折り畳んで編幅を減らしているので、従来の靴下において足の形状にフィットさせるために行っていた編幅を減らす編成を省略できる。
【0055】
さらに、本発明の編成方法により得られる指袋付き靴下1は、図2,3を参照して説明したように、胴部(41,51,61,71)のうち、各指袋21〜25への足指の実質的な挿入口となる部分が極端に狭くなることもなく、当該部分に障害となる突出もないので、装着性が良い。
【0056】
なお、図2のステップ2と図3のステップ11における筒状部の回し込みを行うときには、一方の針床から他方の針床に編目を目移しする際に、編目の捻れが生じないようにすることが好ましい。捻れを防止するためには、目移しを行なう前の編成工程において、回し込みする編目を、目移しにより捻れが解消される方向に捻って形成する。このように回し込みする編目を、目移ししたときに捻れが解消されるように予め捻っておくことにより、回し込みを行っても、編目に捻れが生ずることを防止でき、外観を美しくできる。
【0057】
その他、3本以上の筒状部(指袋)を同時に接合する場合も、図2,3を参照して説明した編成方法に従って接合すれば良い。例えば、3本の指袋を接合する場合は、3つの指袋を指股部形成位置まで編成し終わった後、3つの指袋を回転させて指股部で接合し、周回編成することで三本胴の基部を編成する。そして、図2,3のステップ6〜10と同様に、三本胴の接合編目に対して重ね目を形成すると共に、接合編目の部分で三本胴の前後の編地部を逆Z状に折り畳み、この折り畳み部分を固定する編成を行う。この編成により、三本胴の境界部を編幅方向端部に配置したときに、各指股に連続する三本胴の編目が、編幅方向の左右にずれた状態に固定され、各指袋が指股部で重ねられた三本胴が形成される。
【0058】
<第2実施形態>
第2実施形態では、図5に示すような手袋10(右手用)の編成について説明する。ここで、前記第1実施形態は、図2,3を参照して説明した靴下の実施形態について説明したが、この図2,3に示す編成方法は、図5に示す手袋の編成にも適用できる。
【0059】
第2実施形態の手袋10は、5本の指袋21〜25を備え、図5において正面側が甲側編地部10A(前側編地部)となり、背面側が掌側編地部10B(後側編地部)となる。この手袋10は、中指指袋23の先端が最も突出しており、次に人差指指袋22、薬指指袋24、小指指袋25、親指指袋21の順に指先先端部の位置が下がった状態のものである。また、人差指指袋22が、甲側の最も上位にあり、この人差指指袋22の下に中指指袋23が重なり、中指指袋23の下に薬指指袋24が重なっている。さらに、薬指指袋24の下に、小指指袋25が重なっている。
【0060】
親指指袋21と人差指指袋22の間に第一指股部31を、人差指指袋22と中指指袋23の間に第二指股部32を、中指指袋23と薬指指袋24の間に第三指股部33を、薬指指袋24と小指指袋25の間に第四指股部34を形成する。第2実施形態では、指股部が形成される位置が、第二指股部32、第三指股部33、第四指股部34、第一指股部31の順に手首側に下がっている。なお、人差指と中指との間の指股と、中指と薬指との間の指股の位置がほぼ同じである手をもった人も多いので、第二指股部32と第三指股部33の手首からの距離を同じとした手袋であっても良い。
【0061】
第2実施形態は、人差指指袋22、中指指袋23、薬指指袋24、小指指袋25、親指指袋21の順に個別に指袋を編成していく。そして、人差指指袋22と中指指袋23とで二本胴42が形成され、二本胴42と薬指指袋24とで三本胴52が形成され、三本胴52と小指指袋25とで四本胴62が形成され、さらに、四本胴62と親指指袋21とで五本胴72が形成される。
【0062】
本実施形態では、親指指袋21、人差指指袋22、中指指袋23、薬指指袋24、小指指袋25、二本胴42、三本胴52、四本胴62、五本胴72が本発明でいう筒状部となる。また、本実施形態では、手袋の甲側編地部10Aを、主として前針床FBの針を使用して編成する。手袋の掌側編地部10Bを、主として後針床BBの針を使用して編成する。
【0063】
そして、人差指指袋22と中指指袋23とを編成した後、人差指指袋22と中指指袋23とを、図2、3に示す編成方法に従って第二指股部32で接合し、二本胴42を形成する。
【0064】
次に、薬指指袋24を編成して、この薬指指袋24と二本胴42の中指指袋23部分とを図2、3に示す編成方法に従って第三指股部33で接合し、三本胴52を形成する。ここで、薬指指袋24は、二本胴42の前後の編地部のうち、人差指指袋22が接合される側と反対側の編地部に接合される。
【0065】
なお、第二指股部32と第三指股部33の手首からの距離を同じとした手袋であれば、人差指指袋22と中指指袋23と薬指指袋34とを同時に接合した三本胴52を形成し、その後、小指指袋25と親指指袋21とを順次接合して手袋を完成すれば良い。
【0066】
三本胴52の編成に続いて、小指指袋25を編成して、小指指袋25と三本胴52の薬指指袋24部分とを第四指股部34で接合して四本胴62を形成する。小指指袋25は、三本胴52の前後の編地部のうち、中指指袋23が接合される側と反対側の編地部に接合される。
【0067】
さらに、親指指袋21を編成して、親指指袋21と四本胴62の人差指指袋22部分とを第一指股部31で接合して五本胴72を形成する。親指指袋21を四本胴62に接合するときは、四本胴62の境界部を前後の針床の間に配置した状態で、親指指袋21のみを針床上で回転させ、接合する。このように四本胴62と親指指袋21とを接合することで、親指指袋21が手袋10の掌側に突き出したように接合されるので、実際の手の形状に沿った手袋10とすることができる。
【0068】
最後に、五本胴72を手挿入口12まで編成して、手袋10が形成される。
【0069】
以上のようにして、指袋を接合していくことにより、図5に示すように、人差指が挿入される人差指指袋22が、手袋10の甲側における最上位置となり、以下、中指指袋23、薬指指袋24、小指指袋25の順に、隣接する各指袋が指股部の位置で重ね合わされた状態になる。そのため、プレス加工を施すことなく、人差指指袋22から小指指袋25までの4本の指袋がまっすぐに伸びた状態となって見栄えがよくなる。また、この手袋10は、第1実施形態の靴下と同様の理由により、胴部(42,52,62)のうち、各指袋への手指の実質的な挿入口となる部分に障害となるような突出箇所がないので、装着性が良い。さらに、この手袋10は、指股部近傍の四本胴62の編幅が、手の指股近傍の周長に適した長さになるので、装着したときにフィット感が高い。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の編成方法は、横編機を用いて無縫製で編成される指袋付きの靴下または手袋を編成する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1実施形態に示す本発明の靴下の平面図である。
【図2】第1実施形態および第2実施形態に共通する筒状部の編成工程図である。
【図3】図2に続く編成工程図である。
【図4】図2〜3の編成過程における代表的なステップのときの編地部の状態を示す模式図であって、(A)は図2のステップ3のときの編地部の状態を、(B)は図2のステップ5のときの編地部の状態を、(C)は図3のステップ10のときの編地部の状態を、(D)は図3のステップ12のときの編地部の状態を示す。
【図5】第2実施形態に示す本発明の手袋の平面図である。
【図6】従来の手袋の指袋の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 靴下
1A 甲側編地部 1B 裏側編地部
10 手袋
10A 甲側編地部 10B 掌側編地部
11 足挿入口 12 手挿入口
21 第一指指袋,親指指袋 22 第二指指袋,人差指指袋
23 第三指指袋,中指指袋 24 第四指指袋,薬指指袋
25 第五指指袋,小指指袋
31 第一指股部 32 第二指股部 33 第三指股部
34 第四指股部
41,42 二本胴
51,52 三本胴
61,62 四本胴
71,72 五本胴
83 後側編地部の重ね目(指股部の編目)
84 前側編地部の重ね目(指股部の編目)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、指先から編成するとともに、少なくとも一つの指股部の位置で、隣り合う指袋が重なり合うように接合する指袋付きの靴下または手袋の編成方法であって、
隣接する二つの筒状部における前側編地部と後側編地部との境界部を予め設定して、前記二つの筒状部を指股形成位置まで編成するステップと、
これら二つの筒状部における編幅方向の同じ側の境界部を前後いずれかの一方の針床に、残りの境界部を前後他方の針床に配置した状態で、前記二つの筒状部の編目を指股形成位置において重ね合わせて指股部の編目を形成するステップと、
指股部の編目に連続する接合編目を有し、前記二つの筒状部を一つにまとめた新たな筒状部を編成するステップと、
新たな筒状部の前後一方の編地部に位置する接合編目と、この接合編目の編幅方向近傍の編目とを重ね合わせて重ね目を形成するステップと、
新たな筒状部の前後他方の編地部に位置する接合編目と、この接合編目の編幅方向近傍の編目であって、前記一方の接合編目に重ねられる編目に対して指股部を挟んだ位置にある編目とを重ね合わせて重ね目を形成するステップと、
前記重ね目に連続する次コース以降の編目を形成するステップとを有することを特徴とする指袋付きの靴下または手袋の編成方法。
【請求項2】
前記編幅方向近傍の編目を、指股部側の境界部の編目に連続する編目とすることを特徴とする請求項1に記載の指袋付きの靴下または手袋の編成方法。
【請求項3】
編成対象が、親指指袋、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の5本の指袋を有する靴下であって、
5本の指袋は、親指指袋が甲側において最上位置となって、隣り合う指袋が、順次、指股部の位置で重なり合うように接合することを特徴とする請求項1または2に記載の指袋付きの靴下の編成方法。
【請求項4】
編成対象が、親指指袋、人差指指袋、中指指袋、薬指指袋、小指指袋の5本の指袋を有する手袋であって、
人差指、中指、薬指、小指の指袋について、人差指指袋が他の指袋に対して甲側において最上位置となって、隣り合う指袋が、順次、指股部の位置で重なり合うように接合することを特徴とする請求項1または2に記載の指袋付きの手袋の編成方法。
【請求項5】
左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を使用して、二つ以上の指袋を有し、指先から編成されるとともに、少なくとも一つの指股部の位置で、隣り合う指袋が、重なり合うように接合された指袋付きの靴下または手袋であって、
隣接する二つの筒状部を指股形成位置で重ね合わせて一つにまとめた新たな筒状部を備え、
前記新たな筒状部は、対向する二つの編地部からなり、
各編地部に、前記二つの筒状部を接合するように、二つ筒状部の編目を重ね合わせて形成した指股部の編目に連続して形成される接合編目と、
前記一方の編地部の接合編目と、この接合編目の編幅方向近傍の編目とを重ね合わせた重ね目に連続して形成される編目と、
前記他方の編地部の接合編目と、この接合編目の編幅方向近傍の編目であって、一方の編地部の接合編目に重ねられる編目に対して指股部を挟んだ位置にある編目とを重ね合わせて重ね目に連続して形成される編目とを有することを特徴とする指袋付き靴下または手袋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−308773(P2008−308773A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155708(P2007−155708)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000151221)株式会社島精機製作所 (357)
【Fターム(参考)】