説明

振動ボウルフィーダ

【課題】簡単な構成で、ボウル内における被供給物の残余量の多少にかかわらず、被供給物を略定数又は定量だけ供給することができる振動ボウルフィーダを提供する。
【解決手段】搬送路及び排出口が設けられた被供給物を溜めるためのボウルと、加振器と、制御装置とを有し、前記加振器が前記ボウルに加振力を与えることにより、前記ボウル内に溜められた前記被供給物が前記搬送路上を上昇し、前記排出口から前記ボウルの外へと排出される振動ボウルフィーダであって、前記搬送路に切欠部を設け、該切欠部を落下する被供給物を検出する切欠部センサを設け、前記制御装置が前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて前記加振器による前記ボウルへの加振力を制御することにより、前記被供給物の排出量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ボウルフィーダに関し、特に、加振力を制御可能な振動ボウルフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品、材料等(以下、「被供給物」という)を供給する装置として、被供給物を溜めるボウルと、該ボウルに加振力を与える加振器とを有し、該加振器が前記ボウルに加振力を与えることによって、前記被供給物を加工、処理等のために供給する振動ボウルフィーダが知られている。このような振動ボウルフィーダでは、被供給物の供給量はボウルの振動に比例するので、図6に示すように、ボウルに与える加振力を一定にした場合においても、ボウル内の被供給物の残余量が少なくなるとボウルの振動が大きくなって被供給物の供給量が多くなる。したがって、ボウル内における被供給物の残余量の多少にかかわらず、被供給物を定数又は定量だけ供給することのできる振動ボウルフィーダが望まれている。
【0003】
一方、振動ボウルフィーダに関するものではないが、トラフを振動させてトラフに載荷された物品を振動方向に搬送する搬送装置において、搬送過程における物品の重量を歪ゲージやロードセルを用いて測定し、この重量データに基づいてトラフに加える加振力を決定する搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。このような搬送装置においては、トラフでの搬送量を正確に制御することができる。
【特許文献1】特開平11−193002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成においては、被供給物の重量を測定する機器(歪ゲージやロードセル)の構造が複雑である。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で、ボウル内における被供給物の残余量の多少にかかわらず、被供給物を定数又は定量だけ供給することができる振動ボウルフィーダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の振動ボウルフィーダは、被供給物を溜めるためのボウルと、該ボウルの側部に設けられた排出口と、前記ボウルの底部から前記排出口に到るように上り勾配で延びる、前記被供給物を搬送する搬送路と、該搬送路の片側に設けられた1以上の切欠部と、前記搬送路を前記被供給物が上昇するよう前記ボウルを加振する加振器と、制御装置と、を有し、前記加振器が前記ボウルに加振力を与えることにより、前記ボウル内に溜められた前記被供給物が前記搬送路上を上昇し、前記排出口から前記ボウルの外へと排出される振動ボウルフィーダであって、前記1以上の切欠部の少なくとも一部の切欠部の各々に対応して設けられ、前記切欠部から落下する前記被供給物を検出する切欠部センサを有し、前記制御装置が前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて前記加振器による前記ボウルへの加振力を制御することにより、前記被供給物の排出量を制御する。
【0007】
このような構成とすると、前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて、前記制御装置がボウルに適切な加振力を与えることができる。
【0008】
前記制御装置は、前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて前記被供給物の残余量を検知し、該被供給物の残余量に基づいて前記加振器による前記ボウルへの加振力を制御してもよい。
【0009】
また、前記制御装置は、前記ボウル内における前記被供給物の残余量の減少に連れてその加振力が減少するように前記加振器を制御してもよい。
【0010】
このような構成とすると、ボウル内の被供給物の残余量に応じて、制御装置がボウルに適切な加振力を与えることができる。したがって、ボウル内の被供給物の残余量が変化した場合においても、被供給物を安定して供給することができる。
【0011】
また、本発明の振動ボウルフィーダは、前記搬送路の下端から上端に向かう順に前記1以上の切欠部が設けられ、前記制御装置は、上方に設けられた前記切欠部センサから順に前記被供給物が検出されなくなることによって、前記被供給物の残余量が減少することを検出する。
【0012】
このような構成とすると、ボウル内における被供給物の残余量を簡単に求めることができる。
【0013】
また、本発明の振動ボウルフィーダは、前記切欠部として前記搬送路の下端から上端に向かう順に第一切欠部と第二切欠部とが設けられ、前記切欠部センサとして前記第一切欠部から落下する前記被供給物を検出する第一切欠部センサと、前記第二切欠部から落下する前記被供給物を検出する第二切欠部センサと、が設けられ、前記制御装置は前記第二切欠部センサにより前記第二切欠部から落下する前記被供給物が検出された場合には第一の加振力を出力するよう前記加振器を制御し、前記制御装置は前記第二切欠部センサにより前記第二切欠部から落下する前記被供給物が検出されなかった場合には前記第一の加振力よりも小さい第二の加振力を出力するよう前記加振器を制御し、前記制御装置は前記第一切欠部センサにより前記第一切欠部から落下する前記被供給物が検出されなかった場合には前記第二の加振力よりも小さい第三の加振力を出力するよう前記加振器を制御する。
【0014】
このような構成とすると、ボウル内の被供給物の残余量に応じてボウルに与える加振力を段階的に変化させることができる。
【0015】
また、本発明の振動ボウルフィーダは、前記ボウルの底部から前記搬送路へ入る前記被供給物を検出する底部センサを有し、前記制御装置は、前記底部センサにより前記被供給物が前記ボウルの底部から前記搬送路へと入っていないことを検出した場合には、前記被供給物を前記ボウルへと供給する被供給物供給指令を発する。
【0016】
前記制御装置は、前記底部センサにより検出される前記被供給物の入りに基づいて前記被供給物の残余量を検知し、該被供給物の残余量に基づいて前記被供給物を前記ボウルへと供給する被供給物補給指令を発してもよい。
【0017】
このような構成とすると、ボウル内の被供給物の残余量が極めて少なくなった場合には、すぐにボウル内に被供給物を補給することができる。
【0018】
前記搬送路が前記ボウルの内面に設けられ前記ボウルの底部から前記排出口に向かってらせん状に延びる段状に形成されていてもよい。
【0019】
このような構成とすると、ボウル内に搬送路を容易に設けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記のように構成され、振動ボウルフィーダにおいて、簡単な構成で、ボウル内における被供給物の残余量の多少にかかわらず、被供給物を略定数又は定量だけ供給することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る振動ボウルフィーダの構成の一例を示すブロック図である。図2は、図1の振動ボウルフィーダにおけるボウルの構成を示す図であって、(a)はボウルの平面図、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に沿った断面図である。図3は、図2のボウルの一部の構成を示す図であって、(a)はボウルの部分平面図、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB線に沿った部分断面図である。以下、図1乃至図3を参照しながら、本実施形態の振動ボウルフィーダについて説明する。
【0023】
<一般的構成>
図1乃至図3に示すように、本実施形態の振動ボウルフィーダ100は、ボウル10を備えている。ボウル10は、内面が上方に向かって拡径する容器であり、本実施形態では、逆円錐台の全体形状を有する容器である。ボウル10の側部10bには、排出口12が形成されている。この排出口12からボウル10内の被供給物Sが排出され、この排出量が被供給物Sの供給量である。排出口12には、シュート13が接続されている。シュート13は、排出口12から排出された被供給物Sを加工、処理等する領域に供給する。ボウル10の内側の略中央部には、ボウル10を後述する加振器20に固定する固定具(図示せず)を通すための貫通孔18が設けられている(特に、図2参照)。そして、ボウル10が加振器20の上に載置され、例えば、貫通孔18にボルトが挿通され、このボルトを締め付けることによってボウル10が加振器20に取り付けられる。
【0024】
ボウル10には、図2(a)に示すように、その内面に平面視においてらせん状の段部(以下、らせん状段部11という。なお、以下においては、搬送路11と呼ぶ場合もある。)が設けられている。らせん状段部11は、段面11aと段差面11bとで構成されている。段面11aは、ボウル10の外側に向かって下がるように傾斜している。搬送路11は、ボウル10の底部10aから排出口12に至るように上り勾配で延びるように形成されている。搬送路11の段面11aには、その途中に、切欠部が設けられている。本実施形態の振動ボウルフィーダ100においては、切欠部として、搬送路11の下端から上端に向かう順番に、第一切欠部15aと、第二切欠部15bと、第三切欠部15cと、第四切欠部15dとが搬送路11の段面11aに形成されている。各切欠部は、段面11aの幅方向における片側(ボウル10の内側)に形成されている。各切欠部は、一定の傾斜を付けるように形成されている。各切欠部は、段面11aにおいて被供給物が通過できる幅を残すように形成されている(特に、図3(a)参照)。第一切欠部15a、第二切欠部15b、第三切欠部15cのそれぞれは、搬送路11の適宜の位置に形成され、本実施形態では、ボウル10の平面視において、排出口12が設けられた搬送路11の部分と対向する搬送路11の部分に形成されている。被供給物Sは、後述するように、各切欠部によって、上側の搬送路11の段差面11bに沿って整列される。第四切欠部15dは、排出口12の手前の搬送路11に設けられている。排出口12は、ボウル10の上端部と搬送路11の外側とを切り欠くように形成されている。排出口12は、ボウル10の外側に向かって一定の傾斜が付されるように搬送路11を切り欠いて形成されている。排出口12は、第四切欠部15dとその外側の段差面11bとの間における被供給物Sが通過できるように形成された幅よりも、搬送路11の幅方向において長くなるように形成されている。被供給物Sは、第四切欠部15dと該第四切欠部15dの外側の段差面11bとの間を通過し、搬送路11における排出口12が形成された部分の手前にまで到達した後、排出口12から落下し、ボウル10から排出される。本実施形態の振動ボウルフィーダ100においては、切欠部が計4箇所に設けられているが、切欠部の数はこれに限定されない。
【0025】
加振器20は、ボウル10の下に配設されている。加振器20は、例えば、電磁石と複数個の板バネとにより構成される。そして、電磁石のオン及びオフにより発生する駆動力を、板バネを利用して増幅して、加振力を発生させる。なお、電磁石にかえて圧電素子を用いてもよい。この加振器20の加振力により、ボウル10が振動させられ、ボウル10内の被供給物Sが搬送路11を上る(上昇する)。被供給物Sの上昇の過程において、搬送路11(段面11a)の幅いっぱいに広がった被供給物Sは、各切欠部を通じて下段に滑り落ちる。このようにして、被供給物Sが搬送路11を上昇するにつれ、上側の搬送路11の段差面11bに沿って整列される。このように整列された被供給物Sが、搬送路11の排出口12の手前まで上昇し、そこから順次、排出口12から落下する。このようにして、被供給物Sが排出口12から排出される。
【0026】
<特徴的構成>
図1乃至図3に示すように、ボウル10には、被供給物Sの通過を検出するセンサが配置されている。センサとしては、第一切欠部センサ16bと、第二切欠部センサ16cと、底部センサ16aとで構成される。各センサ16a,16b,16cは、例えば、ファイバー状の発光部(図示せず)とファイバー状の受光部(図示せず)とを備えた光センサで構成される。この光センサは、発光部と受光部とを一体化した反射型の光センサであってもよく、また、発光部と受光部とを別体にした透過型の光センサであってもよい。本実施形態では、反射型の光センサが用いられる。図2に示すように、第一切欠部センサ16bが、該第一切欠部センサ16bの検知窓(受発光のための光が通過する窓。図示せず。)が第一切欠部15aの切欠斜面に対向するように配置されている。第二切欠部センサ16cが、該第二切欠部センサ16cの検知窓が第二切欠部15bの切欠斜面に対向するように配置されている。底部センサ16aが、該底部センサ16aの検知窓がボウル10の底部10aの所定の位置に対向するよう配置されている。ここで、ボウル10の底部10aの所定の位置とは、搬送路11の下端手前の底部10aの位置をいう。本実施形態では、切欠部センサとして二個、底部センサとして一個が配置されているが、センサの配置される数はこれに限定されない。
【0027】
各センサ16a,16b,16cは、制御装置60と接続されている。各センサ16a,16b,16cにより検出された被供給物Sの通過の有無は、制御装置60へと入力される。
【0028】
制御装置60は、演算部(図示せず)と記憶部(図示せず)とを有している。演算部は、例えば、CPUで構成される。記憶部は、例えば、メモリで構成される。記憶部には、例えば、振動ボウルフィーダの動作を制御する制御プログラムが格納される。制御装置60は、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して振動ボウルフィーダ100の動作を制御する制御装置群をも意味する。よって、制御装置60は、単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して振動ボウルフィーダ100の動作を制御するように構成されていてもよい。ここで、振動ボウルフィーダ100の制御対象としては、加振器20に内蔵された電磁石コイルに加える振動用の信号の周波数や振幅が挙げられる。制御装置60は、振動ボウルフィーダ用ドライバ50(以下、ドライバ50という)とホッパー駆動装置40とに接続されている。ドライバ50は、加振器20に接続されている。制御装置60は、ドライバ50を介して、加振器20の加振力を制御する。ホッパー駆動装置40はホッパー30に接続されている。ホッパー30の内部には、被供給物Sが貯留されている。制御装置60は、ホッパー駆動装置40を介して、ホッパー30内に貯留された被供給物Sをボウル10へと補給する。
【0029】
次に、ボウル10内の被供給物Sの残余量を検知する構成と、ボウル10内の被供給物Sの残余量に関わらず被供給物Sを略一定量供給する構成について説明する。
【0030】
図4は、図1の振動ボウルフィーダ100におけるボウル10内の被供給物Sの残余量とボウル10への加振力との関係を示す図であって、(a)はボウル10への加振力と被供給物Sの排出量との関係を示すグラフ、(b)はボウル10内の被供給物Sの残余量を示す模式図である。
【0031】
図4(b)において、符号A、B、及びCは、被供給物Sの残余量を模式的に表していて、この順に残余量が多くなっている。図2(a)及び(b)を参照すると、ボウル10内の被供給物Sは、その残余量が多いほど多量に搬送路11を上る。従って、搬送路11上に順次高く位置するように形成された複数の切欠部においては、残余量が十分多い場合には、全ての切欠部から被供給物が落下する、すなわち、一番高い位置にある切欠部からも被供給物Sが落下する。しかし、残余量が減少するに連れて、高い方に位置する切欠部からは被供給物Sが落下しなくなる。残余量Aは、被供給物Sが第二切欠部15bを落下する残余量の下限値である。残余量Bは、被供給物Sが第一切欠部15aを落下する残余量の下限値である。残余量Cは、被供給物Sがボウル10の底部10aから搬送路11へ上昇する残余量の下限値である。従って、被供給物Sの残余量がA以上である場合には、全てのセンサ16a〜16cが被供給物Sを検出する。被供給物Sの残余量がA未満でB以上である場合には、第二切欠部センサ16cが被供給物Sを検出しなくなる。被供給物Sの残余量がB未満でC以上である場合には、第一切欠部センサ16bが被供給物Sを検出しなくなる。そこで、本実施形態では、いずれのセンサが被供給物Sを検出しなくなるかによって、被供給物Sの残余量を検知している。
【0032】
図4(a)において、符号aは、被供給物Sの残余量がAの場合のボウル10への加振力と被供給物Sの供給量との関係を示す直線である。符号bは、被供給物Sの残余量がBの場合のボウル10への加振力と被供給物Sの供給量との関係を示す直線である。符号cは、被供給物Sの残余量がCの場合のボウル10への加振力と被供給物Sの供給量との関係を示す直線である。直線a〜cにおいては、加振力の増大に連れて被供給物Sの供給量が増大する。また、被供給物Sの残余量が多いほど直線の傾きが小さくなり、被供給物Sの残余量が少ないほど直線の傾きが大きくなる。したがって、ボウル10に対して同じ加振力を加えると仮定すると、被供給物Sの残余量が少ないほど供給量が多くなる。そこで、本実施形態の振動ボウルフィーダ100では、一定で供給すべき被供給物Sの量をW(g)で表わした場合、直線aにおいて被供給物Sの供給量がWとなる加振力を第一の加振力として設定し、直線bにおいて被供給物Sの供給量がWとなる加振力を第二の加振力として設定し、直線cにおいて被供給物Sの供給量がWとなる加振力を第三の加振力として設定している。
【0033】
ボウル10内の被供給物Sの残余量がA以上の場合には、制御装置60は、加振器20が第一の加振力を出力するよう加振器20を制御する。この場合には、残余量が初期値からAまで減少するに連れて、被供給物Sは、残余量の初期値に対応する供給量からWまで増加するよう供給される。ボウル10内の被供給物Sの残余量がA未満でB以上の場合には、制御装置60は、加振器20が第二の加振力を出力するよう加振器20を制御する。この場合には、残余量がAからBまで減少するのに連れて、被供給物Sは、第二の加振力と直線aとの交点に対応する供給量からWまで増加するよう供給される。ボウル10内の被供給物Sの残余量がB未満でC以上の場合には、制御装置60は、加振器20が第三の加振力を出力するよう加振器20を制御する。この場合には、残余量がBからCまで減少するに連れて、被供給物Sは、第三の加振力と直線bとの交点に対応する供給量からWまで増加するよう供給される。以上のようにして、ボウル10内の被供給物Sの残余量に関わらず被供給物Sを略一定量供給することができる。なお、被供給物Sが略一定量供給される場合とは、被供給物Sがある値の供給量(ここではW)からある変動幅(ここではΔ
W)の供給量で供給される場合をいう。
【0034】
<動作>
図5は、図1の振動ボウルフィーダ100の制御プログラムの内容を示すフローチャートである。上記制御プログラムは、制御装置60の記憶部に格納されていて、演算部がこの制御プログラムを呼び出して遂行することによって、振動ボウルフィーダ100の動作が実現される。
【0035】
まず、ホッパー30内に貯留された被供給物Sがボウル10内に補給され、ボウル10内が被供給物Sで満たされる。次に、制御装置60によって振動ボウルフィーダ100に対する動作指令が行われる。図1乃至図5に示すように、制御装置60は、各センサからの入力に基づいて被供給物Sの残余量を検知し、その残余量に応じてドライバ50に信号を送る。具体的には、まず、制御装置60は、第二切欠部センサ16cが第二切欠部15bを通過する被供給物Sの通過を所定時間以上途切れないで検出(以下、継続検出)しているかどうかを判断する(ステップS1)。なお、所定時間とは、1〜5秒の範囲の時間である。第二切欠部センサ16cが第二切欠部15bを通過する被供給物Sを継続検出している場合(ステップS1においてYES)には、制御装置60は、ドライバ50に対して第一加振指令を送る(ステップS5)。すると、ドライバ50は、加振器20に対して第一の加振力を出力するよう駆動する。これによって、被供給物Sが、一定供給量Wから変動幅ΔWの範囲内の供給量で供給される。一方、第二切欠部センサ16cが第二切欠部
15bを通過する被供給物Sを継続検出していない場合(ステップS1においてNO)には、制御装置60は、第一切欠部センサ16bが第一切欠部15aを通過する被供給物Sを継続検出しているかどうかを判断する(ステップS2)。第一切欠部センサ16bが第一切欠部15aを通過する被供給物Sを継続検出している場合(ステップS2においてYES)には、制御装置60は、ドライバ50に対して第二加振指令を送り(ステップS6)、ドライバ50は、加振器20に対して第二の加振力を出力するよう駆動する。これによって、被供給物Sが、一定供給量Wから変動幅ΔWの範囲内の供給量で供給される。一
方、第一切欠部センサ16bが第一切欠部15aを通過する被供給物Sを継続検出していない場合(ステップS2においてNO)には、制御装置60は、底部センサ16aが底部10aを通過する被供給物Sを継続検出しているかどうかを判断する(ステップS3)。底部センサ16aが底部10aを通過する被供給物Sを継続検出している場合(ステップS3においてYES)には、制御装置60は、ドライバ50に対して第三加振指令を送り(ステップS7)、ドライバ50は、加振器20に対して第三の加振力を出力するよう駆動する。これによって、被供給物Sが、一定供給量Wから変動幅ΔWの範囲内の供給量で
供給される。一方、底部センサ16aが底部10aを通過する被供給物Sを継続検出していない場合(ステップS3においてNO)には、制御装置60は、ホッパー駆動装置40に対して材料補給指令を行う(ステップS4)。材料補給指令を受けたホッパー駆動装置40は、ホッパー30を駆動させる。そして、該ホッパー30内に貯留された被供給物Sがボウル10へと補給される。
【0036】
<作用効果>
本実施形態の振動ボウルフィーダ100は、上記のような構成としたため、ボウル10内の被供給物Sの残余量を簡単に検知することができる。そして、被供給物Sの残余量に基づき、制御装置60の演算部がドライバ50を介して加振器20に対する加振指令を行う。したがって、ボウル10内の被供給物Sの残余量に応じて制御装置60が加振器20を介してボウル10に対する加振力を制御し、ボウル10を最適に振動させる。よって、振動ボウルフィーダ100は、安定して被供給物Sを供給することができる。
【0037】
[変形例]
上述の実施形態においては、センサが三個配設されているので、ボウル10内の被供給物Sの残余量が残余量A,残余量B,残余量Cの三段階に分けて検知される。したがって、制御装置60は、ボウル10内の被供給物Sの残余量が残余量A,残余量B,残余量Cである場合に対応した第一の加振力,第二の加振力,第三の加振力の三段階の加振力を出力するよう加振器20を制御している。よって、被供給物Sは、前記のように、一定の変動幅ΔWの供給量で供給される。この変動幅をなくすために、本変形例は、以下のように
構成される。
【0038】
予め、残余量A、残余量B、残余量Cの値が実測され、制御装置60に記憶される。そして、制御装置60は、ボウル10内の被供給物Sの残余量が、残余量A、残余量B、又は残余量Cを下回った時刻(第二切欠部センサ16c、第一切欠部センサ16b、又は底部センサ16aが被供給物の通過を検出しなくなった時刻)から現在までの経過時間(加振合計時間)に、一定供給すべき被供給物Sの供給量Wを乗ずることによって、その間の被供給物の推定減少量を算出する。そして、この推定減少量に応じて第一の加振力、第二の加振力、又は第三の加振力を減少させて、現在の加振力を算出する。この第一の加振力、第二の加振力、又は第三の加振力の減少量は、残余量A、残余量B、残余量Cの各々の差のいずれかで当該推定減少量を除したものを、第一の加振力、第二の加振力、及び第三の加振力の各々の差のいずれかに乗ずるようにして算出される。
【0039】
これによって、被供給物Sを、実質的に変動しないようにして、供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の振動ボウルフィーダは、簡単な構成で、ボウル内における被供給物の残余量の多少にかかわらず、被供給物を略定数又は定量だけ供給することができる振動ボウルフィーダとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る振動ボウルフィーダの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の振動ボウルフィーダにおけるボウルの構成を示す図であって、(a)はボウルの平面図、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に沿った断面図である。
【図3】図2のボウルの一部の構成を示す図であって、(a)はボウルの部分平面図、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB線に沿った部分断面図である。
【図4】図1の振動ボウルフィーダにおけるボウル内の被供給物の残余量とボウルへの加振力との関係を示す図であって、(a)はボウルへの加振力と被供給物の排出量との関係を示すグラフ、(b)はボウル内の被供給物の残余量を示す模式図である。
【図5】図1の振動ボウルフィーダの制御プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図6】従来の装置における被供給物の残余量と供給量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0042】
10 ボウル
10a (ボウルの)底部
10b (ボウルの)側部
11 らせん状段部(搬送路)
11a 段部
11b 段差部
12 排出口
13 シュート
15a 第一切欠部
15b 第二切欠部
15c 第三切欠部
15d 第四切欠部
16a 底部センサ
16b 第一切欠部センサ
16c 第二切欠部センサ
18 貫通穴
20 加振器
30 ホッパー
40 ホッパー駆動装置
50 振動ボウルフィーダ用ドライバ(ドライバ)
60 制御装置
100 振動ボウルフィーダ
S 被供給物



【特許請求の範囲】
【請求項1】
被供給物を溜めるためのボウルと、
該ボウルの側部に設けられた排出口と、
前記ボウルの底部から前記排出口に到るように上り勾配で延びる、前記被供給物を搬送する搬送路と、
該搬送路の片側に設けられた1以上の切欠部と、
前記搬送路を前記被供給物が上昇するよう前記ボウルを加振する加振器と、
制御装置と、を有し、
前記加振器が前記ボウルに加振力を与えることにより、前記ボウル内に溜められた前記被供給物が前記搬送路上を上昇し、前記排出口から前記ボウルの外へと排出される振動ボウルフィーダであって、
前記1以上の切欠部の少なくとも一部の切欠部の各々に対応して設けられ、前記切欠部から落下する前記被供給物を検出する切欠部センサを有し、
前記制御装置が前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて前記加振器による前記ボウルへの加振力を制御することにより、前記被供給物の排出量を制御する、振動ボウルフィーダ。
【請求項2】
前記制御装置は、前記切欠部センサにより検出される前記被供給物の落下に基づいて前記被供給物の残余量を検知し、該被供給物の残余量に基づいて前記加振器による前記ボウルへの加振力を制御する、請求項1に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項3】
前記制御装置は、前記ボウル内における前記被供給物の残余量の減少に連れてその加振力が減少するように前記加振器を制御する、請求項2に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項4】
前記搬送路の下端から上端に向かう順に前記1以上の切欠部が設けられ、
前記制御装置は、上方に設けられた前記切欠部センサから順に前記被供給物が検出されなくなることによって、前記被供給物の残余量が減少することを検出する、請求項1に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項5】
前記切欠部として、前記搬送路の下端から上端に向かう順に第一切欠部と第二切欠部とが設けられ、
前記切欠部センサとして、前記第一切欠部から落下する前記被供給物を検出する第一切欠部センサと、前記第二切欠部から落下する前記被供給物を検出する第二切欠部センサと、が設けられ、
前記制御装置は、前記第二切欠部センサにより前記第二切欠部から落下する前記被供給物が検出された場合には第一の加振力を出力するよう前記加振器を制御し、
前記制御装置は、前記第二切欠部センサにより前記第二切欠部から落下する前記被供給物が検出されなかった場合には前記第一の加振力よりも小さい第二の加振力を出力するよう前記加振器を制御し、
前記制御装置は、前記第一切欠部センサにより前記第一切欠部から落下する前記被供給物が検出されなかった場合には前記第二の加振力よりも小さい第三の加振力を出力するよう前記加振器を制御する、請求項1に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項6】
前記ボウルの底部から前記搬送路へ入る前記被供給物を検出する底部センサを有し、
前記制御装置は、前記底部センサにより前記被供給物が前記ボウルの底部から前記搬送路へと入っていないことを検出した場合には、前記被供給物を前記ボウルへと供給する被供給物供給指令を発する、請求項1に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項7】
前記制御装置は、前記底部センサにより検出される前記被供給物の入りに基づいて前記被供給物の残余量を検知し、該被供給物の残余量に基づいて前記被供給物を前記ボウルへと供給する被供給物補給指令を発する、請求項6に記載の振動ボウルフィーダ。
【請求項8】
前記搬送路が前記ボウルの内面に設けられ前記ボウルの底部から前記排出口に向かってらせん状に延びる段状に形成されている、請求項1から7いずれかに記載の振動ボウルフィーダ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−191262(P2007−191262A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10331(P2006−10331)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】