説明

振動式篩装置および自走式篩機

【課題】篩い対象材料の塊状体の解砕の精度を向上させることができ、篩い対象材料の粘性や含水に起因した振動床での堆積が生じにくい振動式篩装置を提供すること。
【解決手段】篩い対象材料300の塊状体を解砕する解砕装置20が設けられている。この解砕装置20は、振動床14に対し上方で離間して位置し篩い対象材料300の塊状体を打撃する動作が可能な解砕部43と、この解砕部43を駆動する駆動装置とを有する。解砕部43は、回転シャフト44Aと、この回転シャフト44Aに回転不能に取り付けられた羽根47Aと、回転シャフト44Aと振動床14の傾斜方向において平行に並んだ回転シャフト44Bと、この回転シャフト44Bに回転不能に設けられた羽根47C,47Dとを有する。駆動装置は電動モータにより回転シャフト44Aと駆動歯車を一体的に回転させ、駆動歯車と噛み合った被動歯車により回転シャフト44Bを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒度の異なる物体が混合した篩い対象材料を、傾斜した振動床により篩って分級する振動式篩装置、およびこの振動式篩装置を備えた自走式篩機に関する。
【背景技術】
【0002】
振動式篩装置の篩い対象材料としての土、例えば生石灰が混合した土(以下「篩い対象土」という)は、粘性や含水に起因して振動床の網目に対してオーバーサイズの塊状体(以下「土塊」という)を形成する。振動床を通過しなかったオーバーサイズの土塊については、解砕機で解砕し再度振動式篩装置に投入して分級するか、そのまま不良土として廃棄処分することになる。前者は後者よりも手間が増えることになる。後者は、解砕すれば振動床の網目を通過する粒度になる土も含めて廃棄処分することになるため、振動床を通過し製品として得られる改良土の量が少なくなる、すなわち歩留まりが悪くなるとともに廃棄処分のための費用がかさむことになる。
【0003】
従来の振動式篩装置は、前述した手間を抑えつつ歩留まりを確保するため、篩い対象土を導入する振動床の始端や、オーバーサイズの土塊を排出する振動床の終端に、堰を有する。始端側の堰は、振動床への篩い対象土の導入時に、オーバーサイズの土塊が始端側の堰を越えて振動床に落下することで解砕されることを期待して設けられている。終端側の堰は、オーバーサイズの土塊が終端側の堰により跳ね返されて振動床に落下することで解砕されることを期待して設けられている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−93972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の振動式篩装置においては、振動床の始端や終端の位置において篩い対象土の流れが堰により堰き止められ、篩い対象土が一時的に滞留することになる。滞留した篩い対象土は粘性や含水に起因して堰に付着し堆積する。堰およびその周辺における篩い対象土の堆積は、解砕の確実性(精度)および篩い効率を低下させる。
【0005】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、篩い対象材料の塊状体の解砕の精度を向上させることができ、篩い対象材料の粘性や含水に起因した振動床での堆積が生じにくい振動式篩装置、およびこの振動式篩装置を備えた自走式篩機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の目的を達成するために次のように構成されている。
【0007】
〔1〕 本発明の振動式篩装置は、粒度の異なる物体が混合した篩い対象材料を、傾斜した振動床により篩って分級する振動式篩装置において、篩い対象材料の塊状体を解砕する解砕装置が設けられていて、この解砕装置は、前記振動床に対し上方で離間して位置し篩い対象材料の塊状体を打撃する動作が可能な解砕部と、この解砕部を駆動する駆動装置とを有することを特徴とする。
【0008】
この「〔1〕」に記載の振動式篩装置は、解砕部を駆動装置により駆動し、篩い対象材料の塊状体を打撃することで解砕することができる。これにより、篩い対象材料の塊状体の解砕の精度を向上させることができる。また、解砕部はそれ自体の動作により塊状体を解砕するものであるとともに、振動床に対し上方で離間して位置しているので、篩い対象材料の流れが解砕部により滞留させられて篩い対象材料が粘性や含水に起因して振動床に堆積するということが生じにくい。
【0009】
〔2〕 本発明の振動式篩装置は「〔1〕」に記載の振動式篩装置において、前記解砕部は、前記振動床との間隔を調整可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
この「〔2〕」に記載の振動式篩装置においては、振動床の網目のサイズに応じて解砕部と振動床との間隔を調整できる。
【0011】
〔3〕 本発明の振動式篩装置は「〔1〕」または「〔2〕」に記載の振動式篩装置において、前記解砕部は、前記振動床の上方に延設され前記駆動装置により駆動される回転シャフトと、この回転シャフトに設けられた羽根とを有し、この羽根は前記回転シャフトの軸方向に複数並列していることを特徴とする。
【0012】
〔4〕 本発明の振動式篩装置は「〔3〕」に記載の振動式篩装置において、前記回転シャフトは前記振動床の傾斜に対し直交して延設されていることを特徴とする。
【0013】
〔5〕 本発明の振動式篩装置は「〔3〕」に記載の振動式篩装置において、前記回転シャフトが前記振動床の傾斜方向に延設されていることを特徴とする。
【0014】
「〔3〕」〜「〔5〕」に記載の振動式篩装置は、回転する羽根により篩い対象材料の塊状体を打撃して解砕することができる。
【0015】
〔6〕 本発明の振動式篩装置は「〔4〕」に記載の振動式篩装置において、前記羽根の先端部には、篩い対象材料を前記直交方向に拡散させる拡散部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この「〔6〕」に記載の振動式篩装置においては、拡散部が篩い対象材料を振動床の傾斜方向に対する直交方向に拡散する。これにより、振動床の篩い面を広く使うことができ、したがって篩い効率を向上させることができる。
【0017】
〔7〕 本発明の振動式篩装置は「〔4〕」〜「〔6〕」に記載の振動式篩装置において、前記回転シャフトは、前記振動床における篩い対象材料の投入範囲の中央部の上方に、2本平行して設けられていて、前記2本の回転シャフトの回転方向は互いに逆方向であって前記羽根が下側から2本の回転シャフトの内側を通って上側に向かう方向に設定されていることを特徴とする。
【0018】
この「〔7〕」に記載の振動式篩装置においては、2本の回転シャフトが振動床における篩い対象材料の投入範囲の中央部の上方に設けられているため、投入された篩い対象材料の多くが2本の回転シャフトの間に向かって落下することになる。そして、2本の回転シャフトのそれぞれに設けられた羽根は、互いに逆方向であって下側から2本の回転シャフトの内側を経て上側に向かう方向に回転するので、2本の回転シャフトの間に向かって落下する篩い対象材料の塊状体を、その落下方向と逆向きに打撃することになる。これらにより、篩い対象材料の塊状体の効果的な解砕を実現できる。
【0019】
また、特に「〔5〕」に従属する「〔7〕」に記載の発明においては、2本の回転シャフトの間に向かって落下する篩い対象材料が、羽根により2本の回転シャフトの内側から外側に向かう方向に打ち飛ばされたり、振動床上の篩い対象材料が2本の回転シャフトの内側から外側に巻き上げたりして、振動床の傾斜方向に対する直交方向に拡散される。これにより振動床の篩い面を広く使うことができ、したがって篩い効率を向上させることができる。
【0020】
〔8〕 本発明の振動式篩装置は「〔3〕」〜「〔7〕」のいずれか1に記載の振動式篩装置において、前記羽根は前記回転シャフトに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0021】
この「〔8〕」に記載の振動式篩装置においては、複数並んだ羽根を間引くことができる。これにより、振動床の網目に応じて、回転シャフトの軸方向に隣り合った羽根の間隔を調整できる。また、複数並んだ羽根のそれぞれを個別に交換することができる。
【0022】
〔9〕 本発明の自走式篩機は「〔1〕」〜「〔8〕」のいずれか1に記載の振動式篩装置を備えたことを特徴とする。
【0023】
この「〔9〕」に記載の自走式篩機によれば、「〔1〕」〜「〔8〕」に記載の振動式篩装置の移動を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の振動式篩装置および自走式篩機によれば、前述したように、篩い対象材料の塊状体の解砕の精度を向上させることができ、篩い対象材料の粘性や含水に起因した振動床での堆積を生じさせにくい。これにより、振動床の網目を通過した選別物からなる製品の歩留まりの向上、振動床の網目を通過しなかった選別物の廃棄処分のための費用の削減、および、篩い効率の向上に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1〜図6を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る振動式篩装置を備えた固定式篩機の左側面図である。図2は図1に示した固定式篩機の上面図である。図3は図2のIII部拡大図である。図4は前方から見た後側の回転シャフトおよび羽根を示す図である。図5は振動式篩装置が篩い対象材料を篩っている様子の、図2のV−V断面に対応する拡大断面図である。図6は図5に示した羽根の拡大図である。
【0026】
図1に示すように、固定式篩機1は作業現場に設置される鋼製の基台2を備えている。この基台2は、第1固定台3と、この第1固定台3上に設けられた第2固定台4と、第1固定台3の後側(図1の右側)に設けられた第3固定台5とを有する。
【0027】
第2固定台4は、第1実施形態に係る振動式篩装置10を支持している。この振動式篩装置10は、前後方向(図1の左右方向)に延び第2固定台4に取り付けられた傾動支持枠11と、この傾動支持枠11にバネ部材12を介して振動可能に支持され、上下方向に貫通したロート状の鋼製の筐体13と、この筐体13に収容されて固定された振動床14と、筐体13に固定された篩モータ15(油圧モータ)とを有する。篩モータ15を動力源として筐体13が振動し、これにより振動床14が振動するようになっている。
【0028】
また、振動式篩装置10は、篩い対象材料300を解砕する解砕装置20を有する。この解砕装置20は傾動支持枠11に固定された鋼製の架台21により支持されている。この架台21は、傾動支持枠11の左側部に前後方向に並んで立設されて筐体13の左側方に位置する2本の左脚部22と、傾動支持枠11の右側部に前後方向に並んで立設されて筐体13の右側方に位置する2本の右脚部23(後側の1本のみ図4に図示してある)と、これらの脚部22,23の上端に溶接された枠状の台座部24とを有する。
【0029】
傾動支持枠11の左側の前端部と第2固定台4の左側の前端部とは、ピン結合部25で結合している。傾動支持枠11の右側の前端部と第2固定台4の右側の前端部も、ピン結合部25と同様のピン結合部で結合している。後側の左脚部22と第2固定台4の左側の前端部とは、振動式篩装置10の傾斜度合いを調整する篩傾動シリンダ26(油圧シリンダ)を介して結合している。後側の右脚部23と第2固定台4の右側の前端部も、篩傾動シリンダ26と同様の篩傾動シリンダ(図示せず)を介して結合している。つまり、左側の篩傾動シリンダ26および右側の篩傾動シリンダを伸縮させることによって、傾動支持枠11が左側のピン結合部25および右側のピン結合部(図示せず)を支点として上下方向に回動し、振動式篩装置10(振動床14)の第2固定台4に対する傾斜角度を変化させることができるようになっている。なお、以下では、左側の篩傾動シリンダ26および右側の篩傾動シリンダをまとめて「篩傾動シリンダ26等」といい、左側のピン結合部25および右側のピン結合部をまとめて「ピン結合部25等」という。
【0030】
傾動支持枠11の左側部と第2固定台4の左側の後端部との間には、振動式篩装置10を予め設定された複数段階(例えば4段階)の傾斜姿勢のそれぞれでロックすることが可能な篩ロック部27が設けられている。篩ロック部27は、把持部付きピン28と、第2固定台4に立設され、把持部付きピン28が差入可能な4つのピン孔30(3つのみ図示した)が円弧状に配列された多段式のピン差入部29と、傾動支持枠11に設けられ、把持部付きピン28が差入可能なピン孔(図示していない)が1つ形成されたピン差入部31とから構成されている。多段式のピン差入部29において、4つのピン孔30の配列が形成している円弧は、傾動支持枠11の回動支点(ピン結合部25等の軸心)と同心で、その回動支点からピン差入部31のピン差入孔までの寸法とほぼ同寸法に設定されている。傾動支持枠11の右側部と第2固定台4の右側の後端部との間にも、篩ロック部27と同様の篩ロック部(図示していない)が設けられている。以下では、左側の篩ロック部27および右側の篩ロック部をまとめて「篩ロック部27等」ということもある。
【0031】
篩ロック部27等によれば、振動式篩装置10の第2固定台4に対する傾斜角度を4段階のうちから選択して調節できる。振動式篩装置10の傾斜角度の調節は次のようにして行う。
【0032】
まず、左側の篩ロック部27から把持部付きピン28を抜き取り、右側の篩ロック部からも把持部付きピンを抜き取って、振動式篩装置10の傾斜姿勢のロックを解除する。この状態で、篩傾動シリンダ26等を伸長または短縮させることにより傾動支持枠11を回動させて、左側のピン差入部31のピン孔の位置を多段式のピン差入部29の4つのピン孔30のうちの所望の1つの位置に合わせ、それら2つのピン孔の位置が合った状態で篩傾動シリンダ26等を停止させる。このとき、右側の篩ロック部においても、多段式のピン差入部の4つのピン孔のうちの所望の1つの位置にピン差入部のピン孔の位置が合った状態となっている。そして、左側の篩ロック部27において位置の合った2つのピン孔に把持部付きピン28を差し入れ、これと同様のことを右側の篩ロック部についても行うことにより振動式篩装置10をロックして、振動式篩装置10の傾斜角度の調節は完了する。
【0033】
振動式篩装置10の振動床14の下方には、ベルトコンベアからなる排出コンベア80が配置されている。この排出コンベア80は後斜め上方に向かって延び、基台2の後方に突出している。排出コンベア80の後端部には、ベルト81を駆動するコンベアモータ82(油圧モータ)が取り付けられている。排出コンベア80は、篩対象材料のうちの振動床14の網目を通過して落下しきた小粒度物をベルト81で受け止め、後斜め上方に向かって搬送する。
【0034】
排出コンベア80の前端部は、第1固定台3に傾動フレーム83を介して取り付けられている。この傾動フレーム83はその前端部の位置において第1固定台3に上下方向に回動可能に結合しているとともに、図示していないコンベア傾動シリンダ(油圧シリンダ)を介して第1固定台3に結合している。つまり、コンベア傾動シリンダを伸縮させることによって、第1固定台3に対する傾動フレーム83の傾斜角度、すなわち排出コンベア80の傾斜角度を変化させることができるようになっている。
【0035】
基台2よりも後方に突出した排出コンベア80の部分は、第3固定台5から後方斜め上方に向かって延びたコンベアロック部84によって支持されている。このコンベアロック部84は、排出コンベア80に回動可能に結合した回動筒体85と、この回動筒体85に挿入されて第3固定台5に回動可能に結合した回動ロッド86とを有する。回動筒体85の下端部には、左右方向に貫通するピン孔が(図示していない)形成されている。回動ロッド86には、左右方向に貫通する複数(例えば3つ)のピン孔87が直線状に配列されている。回動筒体85のピン孔および回動ロッド86のピン孔87は、把持部付きピン88の差入可能に形成されている。
【0036】
コンベアロック部84によれば、排出コンベア80の第1固定台3に対する傾斜角度を、3段階のうちから選択して調節できる。排出コンベア80の傾斜角度の調節は次のようにして行う。
【0037】
まず、コンベアロック部84から把持部付きピン88を抜き取り、排出コンベア80の傾斜姿勢のロックを解除する。この状態で、コンベア傾動シリンダにより傾動フレーム83を回動させることで、回動筒体85のピン孔の位置を回動ロッド86の3つのピン孔87のうちの所望の1つの位置に合わせ、それら2つのピン孔の位置が合った状態でコンベア傾動シリンダを停止させる。そして、位置の合った2つのピン孔に把持部付きピン88を差し入れることにより排出コンベア80をロックして、排出コンベア80の傾斜角度の調節は完了する。
【0038】
第3固定台5には、パワーユニット90が固定されている。このパワーユニット90は、図示しないが、原動機と、この原動機により駆動される油圧ポンプおよび発電機を有する。その油圧ポンプの吐出油は、篩モータ15、篩傾動シリンダ26等、コンベアモータ82、およびコンベア傾動シリンダに供給される。
【0039】
振動式篩装置10は、前出の解砕装置20を備えたことを特徴としている。この解砕装置20について、図2〜6を用いて詳細に説明する。
【0040】
図2〜図5に示すように、解砕装置20は、解砕装置本体40と、この解体装置本体40から外部に篩い対象材料300が飛散するのを防止する鋼製の飛散防止体70と、これら解砕装置本体および飛散防止体を支持する前出の架台21とを有する。
【0041】
解砕装置本体40は、振動床14に対し上方で離間して位置し篩い対象材料300の塊状体を打撃する動作が可能な鋼製の解砕部43と、この解砕部43を駆動する駆動装置60と、解砕装置本体40の左側部に設けられ台座部24にネジ止めされて解砕部43および駆動装置60の左側部分を支持する支持部材41と、解砕装置本体40の右側部に設けられ台座部24にネジ止めされ解砕部43および駆動装置60の右側部分を支持する支持部材42とを有する。
【0042】
解砕部43は、振動床14の傾斜に対し直交して延設された回転シャフト44Aと、この回転シャフト44Aに複数設けられ回転シャフト44Aの軸方向に等間隔に並列した羽根47Aと、これらの羽根47Aのそれぞれと対をなす羽根47Aと同数の羽根47Bとを有する。さらに、この解砕部43は、振動床14の傾斜方向において回転シャフト44Aと並列して設けられた回転シャフト44Bと、この回転シャフト44Bに複数設けられ回転シャフト44Bの軸方向に等間隔にと並列した羽根47Cと、これらの羽根47Cのそれぞれと対をなす羽根47Cと同数の羽根47Dとを有する。羽根47A,47Bの対と羽根47C,47Dの対とは同数に設定されていて、振動床14の傾斜方向に並んでいる。回転シャフト44A,44Bは、振動床14の後端部側(振動床14の傾斜方向の上側)で、振動床14に対する篩い対象材料300の投入範囲の中央部の上方を含んで位置する。
【0043】
回転シャフト44A,44Bは、支持部材41と支持部材42とを貫通して位置している。回転シャフト44Aは、支持部材41に設けられた軸受45Aと、支持部材42に設けられて軸受45Aと対をなす軸受45Bとによって回転可能に支持されている。回転シャフト44Bは、支持部材41に設けられた軸受46Aと、支持部材42に設けられて軸受46Aと対をなす軸受46Bとによって回転可能に支持されている。
【0044】
図6に示すように、回転シャフト44Aには、矩形の鍔状に形成され、羽根47A,47Bが取り付けられる取付基部51Aが複数設けられている。これらの取付基部51Aは回転シャフト44Aの軸方向に等間隔に並列している。回転シャフト44Aは取付基部51Aの中央に位置している。
【0045】
羽根47Aは板状の部材であり、取付基部51Aと重なり合って位置する略矩形の取付板部50Aと、この取付板部50Aから延び取付板部50A側を底辺とする二等辺三角形状の歯部49Aとを有する。取付板部50Aには、取付基部50Aに取り付けられた状態において回転シャフト44Aとの接触を避ける凹部50A1が形成されている。歯部49Aの頂部は面取りされている。羽根47A〜47Dは同寸法・同形状に設定されている。
【0046】
羽根47Aは取付基部51Aに第1,第2ネジ止め部52A,52Bにより取り付けられていて、羽根47Bは取付基部51Aに第3,第4ネジ止め部52C,52Dにより取り付けられている。第1,第2ネジ止め部52A,52Bと第3,第4ネジ止め部52C,52Dとの位置関係は、回転シャフト44Aの軸心に直交する直線S1を対称軸として線対称をなすよう設定されている。また、第1,第3ネジ止め部52A,52Cと第2,第4ネジ止め部52B,52Dとの位置関係は、回転シャフト44Aの軸心と直線SA1と両方に直交する直線S2を対称軸として線対称をなすよう設定されている。
【0047】
第1ネジ止め部52Aは、羽根47Aの取付板部50Aをその厚さ方向に貫通し、取付板部50Aの一方の短辺に沿って延びた第1長孔53Aと、取付基部51Aをその厚さ方向に貫通した第1ネジ孔54Aと、第1長孔53Aに挿入された状態で取付基部51Aの第1ネジ孔54Aに螺合した第1ボルト55Aとから構成されている。第2ネジ止め部52Bも第1ネジ止め部52Aと同様に構成され、羽根47Aの取付板部50Aをその厚さ方向に貫通し、取付板部50Aの他方の短辺に沿って延びた第2長孔53Bと、取付基部51Aをその厚さ方向に貫通した第1ネジ止め部52Aの第1ネジ孔54Aとは別の第2ネジ孔54Bと、第2長孔53Bに挿入された状態で取付基部51Aの第2ネジ孔54Bに螺合した第2ボルト55Bとから構成されている。
【0048】
これらの第1,第2ネジ止め部52A,52Bのそれぞれの第1,第2ボルト55A,55Bを取付基部51Aから取り外すことによって、羽根47Aを回転シャフト44Aから取り外すことができる。つまり、羽根47Aは回転シャフト44Aに対して着脱可能になっている。
【0049】
また、第1,第2ボルト55A,55Bを緩めた状態では、羽根47Aを第1,第2長孔53A,53Bにより規定される範囲内で、回転シャフト44Aに対して離れる方向および近づく方向にスライドさせることができる。つまり、羽根47Aの回転シャフト44Aに対する取付位置を調節できる。これにより、羽根47Aの歯部49Aが振動床14側を向いたときの、その歯部49Aと振動床14との間隔を調整可能することができる。
【0050】
第3ネジ止め部52Cの構成も第1ネジ止め部52Aと同様の構成であり、羽根47Bの取付板部50Bをその厚さ方向に貫通し、取付板部50Bの一方の短辺に沿って延びた第3長孔53Cと、取付基部51Aをその厚さ方向に貫通した第1,第2ネジ孔54A,54Bと別の第3ネジ孔(図示していない)と、第3長孔53Cに挿入された状態で取付基部51Aの第3ネジ孔に螺合した第3ボルト55Cとから構成されている。第4ネジ止め部52Dの構成も第1ネジ止め部52Aと同様の構成であり、羽根47Bの取付板部50Bをその厚さ方向に貫通し、取付板部50Bの他方の短辺に沿って延びた第4長孔53Dと、取付基部51Aをその厚さ方向に貫通した第1ネジ孔54A、第2ネジ孔54Bおよび第3ネジ孔とは別の第4ネジ孔と、第4長孔53Dに挿入された状態で取付基部51Aの第4ネジ孔に螺合した第4ボルト55Dとから構成されている。
【0051】
これらの第3,第4ネジ止め部52C,52Dのそれぞれの第3,第4ボルト55C,55Dを取付基部51Aから取り外すことによって、羽根47Bを回転シャフト44Aに対して取り外すことができる。つまり、羽根47Bも回転シャフト44Aに対して着脱可能になっている。
【0052】
また、第3,第4ボルト55C,55Dを緩めた状態では、羽根47Bを第3,第4長孔53C,53Dにより規定される範囲内で、回転シャフト44Aに対して離れる方向および近づく方向にスライドさせることができる。これにより、羽根47Bの歯部49Bが振動床14側を向いたときの、その歯部49Bと振動床14との間隔を調整可能することができる。
【0053】
図4に示すように、回転シャフト44Aの軸方向において隣り合った羽根47A,47Bの対同士の姿勢の関係は、回転シャフト44A周りに90°捻じれた状態を形成するように設定されている。つまり、例えば隣り合った羽根47A,47Bの対のうちの一方の対において羽根47Aの歯部49Aの頂部と羽根47Bの歯部49Bの頂部とが逆向きで上下方向に並んだ状態では、他方の対において羽根47Aの歯部49Aの頂部と羽根47Bの歯部49Bの頂部とが逆向きで前後方向に並んだ状態となる。これと同様に、回転シャフト44Bの軸方向において隣り合った羽根47C,47Dの対同士の姿勢の関係も、回転シャフト44B周りに90°捻じれた状態を形成するように設定されている。
【0054】
回転シャフト44Bに対する羽根47C,47Dの取付構造については、前述した回転シャフト44Aに対する羽根47A,47Bの取付構造、すなわち取付基部51Aおよび第1〜第4ネジ止め部52A,52B,52C,52Dと同様なので、説明を省略する。なお、図6における2点差線は、羽根47A,47Bのそれぞれが回転シャフト44Aから最も離れた状態のそれぞれにおける歯部49A,49Bのそれぞれの頂部の位置と、羽根47C,47Dのそれぞれが回転シャフト44Bから最も離れた状態のそれぞれにおける歯部49C,49Dのそれぞれの頂部の位置とを示している。
【0055】
振動式篩装置10は解砕部43を駆動する駆動装置60を備えている。この駆動装置60は、支持部材41にブラケット62を介して取り付けられ回転シャフト44Aとカップリング65で結合した電動モータ61と、回転シャフト44Aに同心で回転不能に取り付けられた駆動歯車63と、回転シャフト44Bに同心で回転不能に取り付けられて駆動歯車63と噛み合った被動歯車64とを有する。このように構成された駆動装置60は、電動モータ61がパワーユニット90から電力を供給されて回転すると、電動モータ61、回転シャフト44Aおよび駆動歯車63が一体的に回転し、これに伴って被動歯車64が駆動歯車63から回転運動を伝達されて回転シャフト44Bと一体的に回転する。これにより、羽根47A,47Bおよび羽根47C,47Dが回転する。
【0056】
羽根47A,47Bの対と羽根47C,47Dの対は振動床14の傾斜方向に並んでいることは前述した。これらの羽根47A,47Bの対と羽根47C,47Dの対との姿勢の関係は、駆動歯車63と被動歯車64との歯数、寸法および組立当初の噛み合い位置の設定によって、図6に示すように、羽根47A,47Bの並び方向と羽根47C,47Dの並び方向とが常に直交するように設定されている。
【0057】
回転シャフト44Aの回転方向と回転シャフト44Bの回転方向は、駆動歯車63の回転運動を直接に被動歯車64に伝達することにより、逆方向に設定されている。また、電動モータ61の回転方向は、羽根47A,47Bが下側(振動床14側)から2本の回転シャフト44A,44Bの内側を通って上側に向かう方向、すなわち図6の矢印Ra方向に設定されている。羽根47C,47Dの回転方向は、被動歯車64が駆動歯車63と逆方向に回転するので、羽根47A,47Bと逆方向、すなわち矢印Rb方向に設定されている。
【0058】
飛散防止体70は、上下方向に貫通したロート状の部材であり、支持部材41および支持部材42にネジ止めされている。図3に示すように、飛散防止体70の下部の開口70aは、振動床14の傾斜方向における開口70aのほぼ中央に回転シャフト44A,44Bが位置するよう配置されている。篩い対象材料300は飛散防止体70の上方から供給機の排出コンベア301によって解砕装置20に投入されることになる。
【0059】
このように構成された第1実施形態に係る振動式篩装置10は、篩い対象材料300を篩って分級する際、次のように動作する。
【0060】
パワーユニット90から解砕装置20の電動モータ61に電力が供給されて、電動モータ61が駆動歯車63および回転シャフト44Aと一体的に回転する。駆動歯車63の回転運動は被動歯車64に伝達され、これにより、回転シャフト44Bが回転シャフト44Aと逆方向に回転する。これら回転シャフト44A,44Bの回転に伴い、羽根47A,47Bの対と羽根47C,47Dの対は互いに逆方向であって、下側(振動床14側)から回転シャフト44A,44Bの内側を通って上側に向かう方向に回転する。
【0061】
また、パワーユニット90から排出コンベア80のコンベアモータ82に圧油が供給されてコンベアモータ82が回転し、これに伴い、排出コンベア80のベルト81が駆動される。
【0062】
このように固定式篩機1が動作している状態で、篩い対象材料300が供給機の排出コンベア80から解砕装置20に投入される。投入された篩い対象材料300は、解砕装置20を通過して振動床14に落下し、この振動床14で篩われることになる。
【0063】
篩い対象材料300が解砕装置20に投入されたとき、羽根47A〜47Dは、落下してくる篩い対象材料300の塊状体を打撃して解砕する。また、解砕装置20を通過して振動床14上にある塊状体を打撃して解砕する。篩い対象材料300は羽根47A〜47Dによる打撃で飛散するが、この飛散が解砕装置20の外部にまで及ぶことを飛散防止体70が防止している。
【0064】
解砕装置20を通過した篩い対象材料300のうち、投入当初から振動床14の網目よりも小さいサイズのもの、および、羽根47A〜47Dによる解砕で振動床14の網目よりも小さいサイズになったものは、振動床14を通過して排出コンベア80のベルト81に落下し固定式篩機1の後方に運ばれる。また、篩い対象材料300のうち、解砕されずに振動床14の網目よりも大きなままのものは、振動床14の傾斜に沿って移動し振動床14の前端から落下する。
【0065】
第1実施形態に係る振動式篩装置10によれば次の効果を得られる。
【0066】
振動式篩装置10は、解砕部43を駆動装置60により駆動し、篩い対象材料300の塊状体を打撃することで解砕することができ、これにより、篩い対象材料300の塊状体の解砕の精度を向上させることができる。また、解砕部43はそれ自体の動作により塊状体を解砕するものであるとともに、振動床14に対し上方で離間して位置しているので、篩い対象材料300の流れが解砕部43により滞留させられて篩い対象材料300が粘性や含水に起因して振動床14に堆積するということが生じにくい。これらの結果、振動床の網目を通過した選別物からなる製品の歩留まりの向上、振動床の網目を通過しなかった選別物の廃棄処分のための費用の削減、および、篩い効率の向上に貢献できる。
【0067】
振動式篩装置10において、解砕部43は第1〜第4ネジ止め部52A,52B,52C,52D等により、振動床14との間隔が調整可能である。これにより、使用する振動床14の網目のサイズに応じて、解砕部43と振動床14との間隔を調整できる。
【0068】
振動式篩装置10は、回転する羽根47A〜47Dにより塊状体を打撃して篩い対象材料300の塊状体を解砕することができる。
【0069】
振動式篩装置10において、2本の回転シャフト44A,44Bが振動床14における篩い対象材料300の投入範囲の中央部の上方に設けられているため、投入された篩い対象材料300の多くが2本の回転シャフト44A,44Bの間に向かって落下することになる。そして、回転シャフト44Aに設けられた羽根47A,47Bの対と、回転シャフト44Bに設けられた羽根47C,47Dの対とは、互いに逆方向であって下側から2本の回転シャフトの内側を経て上側に向かう方向に回転するので、2本の回転シャフト44A,44Bの間に向かって落下する篩い対象材料300の塊状体を、その落下方向と逆向きに打撃することになる。これらにより、篩い対象材料300の塊状体の効果的な解砕を実現できる。
【0070】
振動式篩装置10において、羽根47A,47Bは回転シャフト44Aに対して着脱可能に設けられていて、羽根47C,47Dは回転シャフト44Bに対して着脱可能に設けられている。したがって、複数並んだ羽根47A,47Bの対および複数並んだ羽根47C,47Dの対をそれぞれ間引くことができる。これにより、振動床14の網目に応じて、隣り合った羽根47A,47Bの対の間隔、および、隣り合った羽根47C,47Dの対の間隔のそれぞれを調整できる。
【0071】
本発明は、前述の第1実施形態に係る振動式篩装置10に限定されるものではなく、次のように構成されたものであってもよい。
【0072】
図7は羽根の別の形態を示す図4に対応する図である。前述の第1実施形態に係る振動式篩装置10は羽根47A〜47Dを有するものであったが、本発明の羽根はそれらの羽根47A〜47Dに限定されるものではなく、図7に示す羽根であってもよい。
【0073】
図7に示す羽根47A〜47Dの先端部のそれぞれには拡散部100が設けられている(羽根47C,47Dの拡散部100のみ図示してある)。各拡散部100は傾斜方向に対する直交方向であって中央側から外側に向かう方向において下り勾配の斜面を形成している。
【0074】
このように拡散部100を有する羽根47A〜47Dは、落下してきた篩い対象材料300を、前記下り勾配の斜面よって中央側から外側に弾き飛ばしやすくなる。つまり、篩い対象材料300を振動床14の傾斜方向に対する直交方向に拡散させることができる。これにより、振動床14の篩い面を広く使うことができ、したがって篩い効率を向上させることができる。
【0075】
図8は本発明の第1実施形態に係る振動式篩装置を備えた自走式篩機の左側面図である。前述の第1実施形態に係る振動式篩装置10は固定式篩機に備えられているが、図8に示すように自走式篩機に備えられていてもよい。
【0076】
図8に示す自走式篩機110は履帯112を駆動して走行する走行体111を備えている。この走行体111は前述の固定式篩機1の基台2に相当する本体フレーム113を支持している。この本体フレーム113は走行体111の骨格を形成するフレーム114に固着されている。この自走式篩機110は、走行体111を走行させることによって振動式篩装置10を容易に移動させることができる。なお、図8における115は、振動床14の前斜め下方に位置し本体フレーム113に取り付けられた排出コンベアである。この排出コンベア115は右斜め上方に向かって延びていて、振動床14の網目を通過しなかったオーバーサイズの選別物を自走式篩機110の右側方に排出する。
【0077】
前述の第1実施形態に係る振動式篩装置10において、解砕部43は、振動床14に対する篩い対象材料300の投下範囲の中央部の上方を含んで位置するが、本発明において解砕部43の配置はそこに限定されず、篩い対象材料300の投入範囲以外の位置であってもよい。これにより、油圧ショベルを使用して一度に大量の篩い対象材料300を投入する場合に、落下する篩い対象材料300が解砕部43に衝突しないようにすることができ、すなわち、一度の大量の篩い対象材料300が解砕部に衝突することによる解砕部43の損傷を防止することができる。なお、この場合、篩い対象材料300の塊状物の解砕は、振動床14上の篩い対象材料300の塊状体に対してのみ行われることになる。
【0078】
前述の第1実施形態に係る振動式篩装置10において、駆動装置60は電動モータ61を有するものであったが、この電動モータ61の替わりに油圧モータであってもよい。この油圧モータの駆動はパワーユニット90の油圧ポンプの吐出油を利用する。
【0079】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る振動式篩装置について図9を用いて説明する。図9は本発明の第2実施形態に係る振動式篩装置を備えた固定式篩機の上面図である。
【0080】
第2実施形態に係る振動式篩装置200は、第1実施形態に係る振動式篩装置10の解砕装置20とは異なる解砕装置201を備えている。この解砕装置201の解砕部112では、回転シャフト44A,44Bが振動床14の傾斜方向に延設されている。このように構成された振動式篩装置200では、2本の回転シャフト44A,44Bの間に向かって落下する篩い対象材料300が、羽根47A〜47Dにより2本の回転シャフト44A,44Bの内側から外側に向かう方向に打ち飛ばされたり、振動床14上の篩い対象材料300が2本の回転シャフト44A,44Bの内側から外側に巻き上げたりして、振動床14の傾斜方向に対する直交方向に拡散される。これにより振動床14の篩い面を広く使うことができ、したがって篩い効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動式篩装置を備えた固定式篩機の左側面図である。
【図2】図1に示した固定式篩機の上面図である。
【図3】図2のIII部拡大図である。
【図4】前方から見た後側の回転シャフトおよび羽根を示す図である。
【図5】振動式篩装置が篩い対象材料を篩っている様子の、図2のV−V断面に対応する拡大断面図である。
【図6】図5に示した羽根の拡大図である。
【図7】羽根の別の形態を示す図4に対応する図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る振動式篩装置を備えた自走式篩機の左側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る振動式篩装置を備えた固定式篩機の上面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 固定式篩機
2 基台
3 第1固定台
4 第2固定台
5 第3固定台
10 振動式篩装置
11 傾動支持枠
12 バネ部材
13 筐体
14 振動床
15 篩モータ
20 解砕装置
21 架台
22 左脚部
23 右脚部
24 台座部
25 ピン結合部
26 篩傾動シリンダ
27 篩ロック部
28 把持部付きピン
29 多段式のピン差入部
30 ピン孔
31 ピン差入部
40 解砕装置本体
41 支持部材
42 支持部材
43 解砕部
44A,44B 回転シャフト
45A,45B,46A,46B 軸受
47A〜47D 羽根
49A〜49D 歯部
50A,50B 取付板部
50A1 凹部
51A 取付基部
52A 第1ネジ止め部
53A 第1長孔
54A 第1ネジ孔
55A 第1ボルト
52B 第2ネジ止め部
53B 第2長孔
54B 第2ネジ孔
55B 第2ボルト
52C 第3ネジ止め部
53C 第3長孔
55C 第3ボルト
52D 第4ネジ止め部
53D 第4長孔
55D 第4ボルト
60 駆動装置
61 電動モータ
62 ブラケット
63 駆動歯車
64 被動歯車
65 カップリング
70 飛散防止体
70a 開口
80 排出コンベア
81 ベルト
82 コンベアモータ
83 傾動フレーム
84 コンベアロック部
85 回動筒体
86 回動ロッド
87 ピン孔
88 把持部付きピン
90 パワーユニット
100 拡散部
110 自走式篩機
111 走行体
112 履帯
113 本体フレーム
114 フレーム
115 排出コンベア
200 振動式篩装置
201 解砕装置
300 篩い対象材料
301 供給機の排出コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒度の異なる物体が混合した篩い対象材料を、傾斜した振動床により篩って分級する振動式篩装置において、篩い対象材料の塊状体を解砕する解砕装置が設けられていて、
この解砕装置は、前記振動床に対し上方で離間して位置し篩い対象材料の塊状体を打撃する動作が可能な解砕部と、この解砕部を駆動する駆動装置とを有する
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項2】
請求項1に記載の振動式篩装置において、
前記解砕部は、前記振動床との間隔を調整可能に設けられている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の振動式篩装置において、
前記解砕部は、前記振動床の上方に延設され前記駆動装置により駆動される回転シャフトと、この回転シャフトに設けられた羽根とを有し、この羽根は前記回転シャフトの軸方向に複数並列している
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項4】
請求項3に記載の振動式篩装置において、
前記回転シャフトは前記振動床の傾斜に対し直交して延設されている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項5】
請求項3に記載の振動式篩装置において、
前記回転シャフトが前記振動床の傾斜方向に延設されている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項6】
請求項4に記載の振動式篩装置において、
前記羽根の先端部には、篩い対象材料を前記直交方向に拡散させる拡散部が設けられている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の振動式篩装置において、
前記回転シャフトは、前記振動床における篩い対象材料の投入範囲の中央部の上方に、2本平行して設けられていて、
前記2本の回転シャフトの回転方向は互いに逆方向であって前記羽根が下側から2本の回転シャフトの内側を通って上側に向かう方向に設定されている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項8】
請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の振動式篩装置において、
前記羽根は前記回転シャフトに対して着脱可能に設けられている
ことを特徴とする振動式篩装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の振動式篩装置を備えたことを特徴とする自走式篩機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−75795(P2010−75795A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244647(P2008−244647)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】