説明

振込装置および部品供給装置

【課題】各種部品の整列を短時間で効率的に行うことができる振込装置、およびこの振込装置を備えて所定の位置に各種部品を供給することができる部品供給装置を提供する。
【解決手段】振込装置2は、所定の配列で形成された複数の凹部を備えるトレイと、トレイを水平な一軸方向に移動または往復動させるトレイ移動手段30と、トレイを一軸方向と平行な軸を中心に回動させるトレイ回動手段40と、トレイ移動手段30およびトレイ回動手段40を制御する制御手段5と、を備え、制御手段5は、トレイ上に載置された複数の部品を複数の凹部内に振り込んで整列させる振込動作を行う場合に、トレイ回動手段40によってトレイを複数の異なる角度に傾斜させると同時に、トレイ移動手段30によってトレイを往復動させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を整列させる振込装置および所定の位置に部品を供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等の製造ライン等では製造工程の自動化、高速化が進められている。このため、電子機器等の製造に用いられる各種部品は、予め振込装置等によって所定の配列に整列させた上で製造ライン等に供給されている。このような振込装置では、複数の凹部が上面に形成されたトレイ(パレット)に複数の部品を載置し、このトレイを振動させると共に揺動させることで部品を凹部内に収容して(振り込んで)部品を整列させている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−72528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の振込装置は、トレイを単調に振動させると共に揺動させるだけであり、部品の整列が完了するまでに時間がかかるものであった。このため、製造ライン等の高速化に対応できないという問題があった。また、複数の部品が長時間振動および揺動するトレイ上に載置されることから、部品同士が接触、摩擦することによって部品に疵が入り、この疵が不具合の原因となるという問題があった。
【0004】
また、従来の振込装置は、部品を整列させる機能を有するだけであり、自動機械が振込装置から部品を直接取り出すことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、各種部品の整列を短時間で効率的に行うことができる振込装置、およびこの振込装置を備えて所定の位置に部品を供給することができる部品供給装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、所定の配列で形成された複数の凹部を備えるトレイと、前記トレイを水平な一軸方向に移動または往復動させるトレイ移動手段と、前記トレイを前記一軸方向と平行な軸を中心に回動させるトレイ回動手段と、前記トレイ移動手段および前記トレイ回動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記トレイ上に載置された複数の部品を前記複数の凹部内に振り込んで整列させる振込動作を行う場合に、前記トレイ回動手段によって前記トレイを複数の異なる角度に傾斜させると同時に、前記トレイ移動手段によって前記トレイを往復動させるように制御することを特徴とする、振込装置である。
【0007】
(2)本発明はまた、前記トレイ回動手段は、少なくとも、前記トレイを第1の傾斜角度に傾斜させた状態とする第1停止位置、前記トレイを前記第1の傾斜角度より緩い第2の傾斜角度に傾斜させた状態とする第2停止位置、前記トレイを前記第1および第2の傾斜角度と逆方向となる第3の傾斜角度に傾斜させた状態とする第3停止位置、および前記トレイを前記第3の傾斜角度より緩い第4の傾斜角度に傾斜させた状態とする第4停止位置で停止可能に構成され、前記トレイ移動手段は、前記第1乃至第4停止位置のそれぞれにおいて前記トレイを往復動させることを特徴とする、上記(1)に記載の振込装置である。
【0008】
(3)本発明はまた、前記トレイ回動手段は、前記振込動作において、前記第1停止位置で停止する時間よりも前記第2停止位置で停止する時間が長く設定され、前記第3停止位置で停止する時間よりも前記第4停止位置で停止する時間が長く設定されることを特徴とする、上記(2)に記載の振込装置である。
【0009】
(4)本発明はまた、前記トレイ回動手段は、前記振込動作において、前記トレイを前記第1乃至第4停止位置で順番に停止した後に、前記トレイを前記第1の傾斜角度または第3の傾斜角度より急な第5の傾斜角度に傾斜させた状態とする第5停止位置で停止可能に構成され、前記トレイ移動手段は、前記第5停止位置において、前記トレイを前記第1乃至第4停止位置における場合よりも長い距離を往復動させることを特徴とする、上記(2)または(3)に記載の振込装置である。
【0010】
(5)本発明はまた、前記トレイ移動手段は、前記複数の部品が前記トレイに投入される投入位置と、前記複数の凹部に振り込まれた前記複数の部品が前記トレイから取り出される取出位置との間を、前記トレイが移動可能なように構成され、前記制御手段は、前記トレイに前記振込動作を行わせる振込位置を、前記投入位置と前記取出位置の間に設定することを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の振込装置である。
【0011】
(6)本発明はまた、前記制御手段は、前記投入位置と前記取出位置の間で複数の前記振込位置を設定することを特徴とする、上記(5)に記載の振込装置である。
【0012】
(7)本発明はまた、前記制御手段は、前記投入位置および前記取出位置において前記トレイが水平状態を維持するように前記トレイ回動手段を制御することを特徴とする、上記(5)または(6)に記載の振込装置である。
【0013】
(8)本発明はまた、上記(5)乃至(7)のいずれかに記載の振込装置と、前記取出位置にある前記トレイから前記部品を取り出して供給エリアまで搬送する搬送装置と、を備えることを特徴とする、部品供給装置である。
【0014】
(9)本発明はまた、前記搬送装置は、前記部品を保持する保持手段を複数備え、
【0015】
前記複数の保持手段は、前記複数の凹部の一部と同じ配列で配設されていることを特徴とする、上記(8)に記載の部品供給装置である。
【0016】
(10)本発明はまた、交互に前記振込動作を行う複数の前記振込装置を備え、前記搬送装置は、前記複数の振込装置のいずれからも前記部品を取り出して供給エリアまで搬送可能に構成されていることを特徴とする、上記(8)または(9)に記載の部品供給装置である。
【0017】
(11)本発明はまた、併設される2つの振込装置を備え、前記搬送装置は、前記2つの振込装置の間に配設されることを特徴とする、上記(10)に記載の部品供給装置である。
【0018】
(12)本発明はまた、前記供給エリアには、複数の収容穴を備える部品保持具が配置され、前記複数の収容穴は、前記複数の凹部の一部と同じ配列で形成されており、前記搬送装置は、前記複数の収容穴内に、複数の前記部品を一度に供給することを特徴とする、上記(8)乃至(11)のいずれかに記載の部品供給装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、各種部品の整列を短時間で効率的に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の例について詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係る部品供給装置1の正面図であり、図2は部品供給装置1の平面図である。なお、以下の説明においては、原則として部品供給装置1を正面から見た場合の各方向を示している。部品供給装置1は、バルク状態(ランダムに集合した状態)で供給された部品(本実施形態では、電子部品のシーム封止用リッド)を整列させる振込装置2と、振込装置2から部品を取り出して供給エリア3におかれた部品保持具(本実施形態では、リッドカセット)100内に供給する搬送装置4と、部品供給装置1全体を制御する制御手段5を有して構成されている。振込装置2および搬送装置4は、ベース10上に配設されており、制御手段5はベース10内部に配設されている。ベース10の上部は、透明な防塵カバー10Aによって覆われており、塵や埃が混入した状態で部品が供給エリア3に供給されるのを防止している。
【0022】
振込装置2は、部品を整列させるトレイ20と、トレイ20を直線移動または往復動させるトレイ移動手段30と、トレイ20を回動させるトレイ回動手段40と、トレイ20に部品を投入する投入手段50とから構成されている。
【0023】
図3(a)は、トレイ20の平面図であり、同図(b)は、同図(a)のI−I線断面図である。これらの図に示されるように、トレイ20の上面20Aには、部品を収容して(振り込んで)整列させるための複数の凹部21が所定の配列で形成されている。この凹部21は、本実施形態ではシーム封止用リッドの形状に合わせた略長方形状の窪みであり、マトリクス状に配列されている。なお、凹部21が形成された板状の別部材を上面20Aにとりつけるようにしてもよい。このようにすれば、板状の別部材を交換するだけで凹部21の形状を容易に変更することが可能となる。
【0024】
トレイ20の上面20Aの図の左右両端部には、外側が下がるように傾斜した傾斜面20Bがそれぞれ形成されている。また、トレイ20の上面20Aおよび傾斜面20Bの外周には、上方に向けて突出する外周壁24が連続して形成されている。すなわち、トレイ20の左右両端部にはそれぞれ窪みが形成されており、この2つの窪みは、振込動作(詳細は後述する)中に部品が一旦集積される第1集積部22および第2集積部23となっている。第1集積部22の外側には、曲折された横長の板である受け板25が配設されている。この受け板25は、第1集積部22の外側に位置することで落下ストッパとして機能し、第1集積部22側を下げてトレイ20を傾斜させた場合に、部品がトレイ20外に落下するのを防ぐためのものである。
【0025】
トレイ20の下面20Cの略中央には、後述するトレイ回動手段40の回動軸42が接続されるブラケット26が設けられている。回動軸42は、第1集積部22と第2集積部23を繋ぐ直線に対して直角に接続される。トレイ20は、振込動作中にこの回動軸42を中心として回動(揺動)し、第1集積部22を下げて傾斜した状態、または第2集積部23を下げて傾斜した状態となる。
【0026】
図3(c)は、複数の凹部21と繋がる通気孔27をトレイ20内部(特に底面)に形成した場合を示した図である。このように通気孔27を設けることで、凹部21内に付着した塵等を排出することが可能となる。また、部品を凹部21から取り出す際に部品と凹部21の間に負圧が発生するのを防止することができるため、部品を高速で凹部21から取り出すことが可能となる。さらに、通気孔27に吸引ポンプ等を接続し、凹部21から部品を吸引するようにしてもよい。このようにすることで、振り込み完了後の部品を凹部21内に確実に保持することが可能となる。
【0027】
図1および図2に戻って、トレイ移動手段30は、本実施形態ではボールねじ伝動装置を利用した直動アクチュエータである。トレイ移動手段30は、レール31と、軸32と、モータ33と、スライダ34とから構成されている。
【0028】
レール31は、ベース10の右側部分において長手方向を前後方向として配設されている。軸32は、おねじが形成された軸であり、レール31と平行にレール31に沿って配設されている。モータ33は、本実施形態ではステッピングモータであり、レール31の後方に配設されている。モータ33は、出力軸が軸32に接続されており、制御手段5に制御されて軸32を回転駆動する。スライダ34は、軸32と螺合するナット(図示省略)を備えており、レール31上に直線移動可能に配設されている。スライダ34は、軸32の回転に伴い、レール31に沿って直線移動する。スライダ34上には、トレイ20が回動可能に配設されると共に、トレイ回動手段40が配設されている。
【0029】
トレイ回動手段40は、モータ41と、回動軸42とから構成されている。モータ41は、本実施形態ではステッピングモータであり、スライダ34の前部に配設されている。モータ41は、出力軸が回動軸42に接続され、制御手段5に制御されて回動軸42を回転駆動する。回動軸42は、レール21と平行に配設され、トレイ20のブラケット26に接続されている。従って、トレイ20は、スライダ34の移動方向と平行な軸を中心として回動するようになっている。
【0030】
投入手段50は、ホッパ51とベルトコンベア52とから構成され、トレイ移動手段30の前方右側に配設されている。ホッパ51は、漏斗状の容器であり、複数の部品をバルク状態で貯留するものである。ホッパ51は、下部に開閉装置(図示省略)を備えている。この開閉装置は、制御手段5に制御されて開閉し、ホッパ51内に貯留された部品を定量だけ切り出し、ベルトコンベア52上に落下させる。ベルトコンベア52は、ホッパ51の下方からレール21の前部上方にかけて配設されており、制御手段5に制御されるモータ(図示省略)によって駆動される。ベルトコンベア52は、ホッパ51から切り出された部品を搬送して、トレイ20の略中央部に投入する。
【0031】
搬送装置4は、部品をトレイ20から供給エリア3まで直線移動させる部品移動手段60と、部品を吸着して保持する部品吸着手段70とから構成されている。
【0032】
部品移動手段60は、本実施形態ではボールねじ伝動装置を利用した直動アクチュエータである。部品移動手段60は、レール61と、軸62と、モータ63と、スライダ64とから構成されている。
【0033】
レール61は、左右両端部に備える脚部61Aを介して、ベース10の後部上方において長手方向を左右方向として配設されている。具体的には、レール61は振込装置2のレール31の後部上方から供給エリア3の後部上方にかけて配設されている。軸62は、おねじが形成された軸であり、レール61と平行にレール61に沿って配設されている。モータ63は、本実施形態ではステッピングモータであり、レール61の左端に配設されている。モータ63は、出力軸が軸62に接続されており、制御手段5に制御されて軸62を回転駆動する。スライダ64は、軸62と螺合するナット(図示省略)を備えており、レール61に直線移動可能に配設されている。スライダ64は、軸62の回転に伴い、レール61に沿って直線移動する。スライダ64には、部品吸着手段70が配設されている。
【0034】
部品吸着手段70は、部品を吸着する吸着部71と、吸着部71を上下方向に移動させるシリンダ72とから構成されている。吸着部71は、レール61と平行な方向に一列に配列された複数の吸着ノズル73を備えている。シリンダ72は、本実施形態ではエアシリンダであり、外部のコンプレッサ等(図示省略)から供給されるエア圧によって吸着部71を移動させる。吸着ノズル73は、先端を下方に向けて配設されており、基端を吸引ポンプ(図示省略)に接続されている。吸着部71は、部品をこの吸着ノズル73によってトレイから吸引し、吸着ノズル73の先端に吸着して保持する。
【0035】
図3(d)は、トレイ20と吸着部71の関係を示した図である。同図に示されるように、複数の吸着ノズル73は、トレイ20の凹部21に対応させて同ピッチに配列されている。従って、吸着部71は、トレイ20の凹部21内に収容されて整列した部品をその整列状態を維持したまま吸着して保持することが可能となっている。すなわち、搬送装置4は、トレイ20上に整列した複数の部品の一部をその整列状態を維持したまま供給エリア3まで搬送可能に構成されている。なお、本実施形態では、吸着ノズル73の数は、凹部21の一列分の半数に設定されている。従って、搬送装置4は、整列した部品の一列分を2回に分けて供給エリアに搬送することとなる。
【0036】
図1及び図2に戻って、供給エリア3は、ベース10上部の左側やや後方よりに設定されている。本実施形態では供給エリア3には、部品保持具100が配設されている。上述したように本実施形態では、部品保持具100はシーム溶接装置で使用されるリッドカセットであり、シーム溶接装置に供給されるシーム溶接用リッドを大量に保持しておくためのものである。
【0037】
部品保持具100は、多数の部品を積載して保持する深穴である複数の収容穴101を備えている。この複数の収容穴101は、搬送装置4の吸着ノズル73と同数且つ同ピッチで一列に配列して形成されている。そして、部品保持具100は、一列の収容穴101が搬送装置4のレール1と平行になるように、収容穴101の開口部を上にして供給エリアに配設される。すなわち、収容穴101の配列は、トレイ20の凹部210の一列の半分と同じ配列となる。従って、搬送装置4によってトレイ20上の整列状態を維持したまま供給エリア3に搬送されてきた複数の部品は、その整列状態を維持したまま、部品保持具100の収容穴101内に収容されることとなる。
【0038】
本実施形態では、この部品保持具100の収容穴101の配列に対応させて、トレイ20の凹部21の配列、および搬送装置4の吸着ノズルの配列が決定されているが、これに限定されるものではなく、トレイ20の凹部21の配列に対応させて部品保持具100の収容穴101の配列を決定するようにしてもよい。
【0039】
部品供給装置1は、この他に、部品吸着検出センサ81、部品供給検出センサ82および部品整列調整具90を備えている。
【0040】
部品吸着検出センサ81は、本実施形態では複数の吸着ノズル73に対応した複数の投光部と受光部からなる反射型フォトセンサであり、部品吸着手段70の移動経路途中の近傍に配設されている。部品保持検出センサ81は、複数の吸着ノズル73に吸着された部品に向けて各投光部がそれぞれ光を発する。そして、部品に反射した光を各受光部が受光したか否かによって、複数の吸着ノズル73が部品を吸着しているか否かを個別に検出する。
【0041】
部品供給検出センサ82は、本実施形態では、部品保持具100の複数の収容穴101に対応した複数の投光部と受光部からなる透過型フォトセンサであり、各収容穴101の開口部近傍に投光部および受光部がそれぞれ配設されている。部品供給センサ82の各投光部は、各収容穴101を横断するようにそれぞれ光を発し、この光を反対側の各受光部が受光している。そして、収容穴101に部品が供給され、投光部が発した光が遮られた場合に、その収容穴101に部品が供給されたことを検出する。
【0042】
部品整列調整具90は、吸着ノズル73に吸着された部品の整列状態を搬送途中に微調整するためのものであり、部品吸着手段70の移動経路途中の近傍に配設されている。図4は、部品整列調整具90の一部を拡大して示した図である。同図に示されるように、部品整列調整具90は、L字形状の当接部材92を複数備えている。この複数の当接部材92は、吸着ノズル73と同数且つ同ピッチで配設されている。そして、同図に示されるように、搬送装置4が部品を供給エリア3まで搬送する途中において、この当接部材92を部品110の直交する2つの端面に当接させることで、部品の姿勢および位置を微調整することが可能となっている。
【0043】
このように、部品供給装置1は、必要に応じて、複数の部品をより高精度に整列させた状態で供給エリア3に供給することが可能となっている。なお、部品整列調整具90を使用しないことにより、部品供給のサイクルタイムを向上させるようにすることも可能である。
【0044】
次に、部品供給装置1の作動について説明する。図5〜9は、部品供給装置1の作動を示した図である。
【0045】
最初に、制御手段5の制御により振込装置2が作動し、バルク状態で投入装置50のホッパに供給された部品を整列させる。まず、トレイ移動手段30が、図5に示されるように、投入手段50近傍の投入位置Aにトレイ20を移動させる。このとき、トレイ回動手段40は、トレイ20を水平状態に維持している。そして、投入手段50が、所定の量の部品(図示省略)をトレイ20上に投入する。
【0046】
次に、トレイ移動手段30は、図6に示されるように、トレイ20を振込位置B、CまたはDに移動させる。そして、トレイ移動手段30およびトレイ回動手段40がトレイ20に振込動作を行わせる。本実施形態では、振込位置を3箇所設定し、振込動作を実行するごとに各振込位置B〜Dを順番に使用するようにしている。すなわち、初めに振込位置Bで振込動作を実行した場合、次の振込動作は振込位置Cで実行され、その次の振込動作はDで実行される。振込動作では、後述するようにトレイ移動手段30がトレイ20を往復動させるが、このように振込動作を行う位置を変更することによって、トレイ移動手段30の軸32やレール31等が局部的に磨耗するのを防止することができる。
【0047】
図7(a)〜(d)および図8(a)〜(d)は、振込動作時のトレイ20の姿勢を示した図である。振込位置に移動したトレイ20は、図7(a)に示されるように、水平状態となっている。この状態から、まずトレイ回動手段40が、第1集積部22が下がる方向にトレイ20を回動させ、図7(b)に示されるようにトレイ20を、第1集積部22を下にして所定の角度で傾斜させた状態で停止する(準備停止位置)。そして、トレイ移動手段30がトレイ20を往復動させる(準備ステップ)。このようにトレイ20を傾斜した状態で往復動(振動)させることにより、トレイ20上の部品は、徐々に第1集積部22に向けて移動する(滑り落ちる)こととなる。すなわち、振込動作では、まずトレイ20上の部品を第1集積部22に集積する動作が行われる。トレイ移動手段30は所定の時間だけトレイ20を往復動させた後に停止する。この結果、大半の部品は第1集積部22内に集積され、一部の部品は凹部21内に収容される。なお、トレイ20を傾斜させる角度は、部品の形状、大きさ、滑りやすさおよび凹部21への嵌りやすさ等に応じて適切な値を設定すればよい。
【0048】
次に、トレイ回動手段40は、第2集積部23が下がる方向にトレイ20を回動させ、図7(c)に示されるようにトレイ20を、第2集積部23を下にして第1の傾斜角度で傾斜させた状態で停止する(第1停止位置)。そして、トレイ移動手段30がトレイ20を往復動させる(第1ステップ)。トレイ20をこのように傾斜させた状態では、第1集積部22の傾斜面20Bは内側が下がった状態となる。従って、第1集積部22内の部品は、トレイ20の往復動に伴って反対側の第2集積部23に向けて滑り落ちていくこととなる。第1ステップでは、トレイ移動手段30は、第1の継続時間だけトレイ20を往復動させた後に停止する。第1の継続時間が経過した後には、第1集積部22内の略全ての部品が第1集積部22から排出され、一部の部品は滑り落ちていく途中で凹部21内に収容される。なお、第1の傾斜角度および第1の継続時間は、部品の形状、大きさ、滑りやすさおよび凹部21への嵌りやすさ等に応じて適切な値を設定すればよい。
【0049】
次に、トレイ回動手段40は、第2集積部23が上がる方向にトレイ20を若干回動させ、図7(d)に示されるようにトレイ20を、第2集積部23を下にして第1の傾斜角度より緩い第2の傾斜角度で傾斜させた状態で停止する(第2停止位置)。そして、トレイ移動手段30がトレイ20を往復動させる(第2ステップ)。第2の傾斜角度は第1の傾斜角度よりも緩いことから部品の滑り落ちる速度が遅くなるため、部品は高い確率で凹部21内に収容されるようになる。凹部21内に収容されなかった部品は、第2集積部23内に集積される。第2ステップでは、トレイ移動手段30は、トレイ20を第1の継続時間よりも長い第2の継続時間だけ往復動させた後に停止する。なお、第2の傾斜角度および第2の継続時間は、上記同様に部品の形状等に応じて適切な値を設定すればよい。
【0050】
次に、トレイ回動手段40は、第1集積部22が下がる方向にトレイ20を回動させ、図8(a)に示されるようにトレイ20を、第1集積部22を下にして第3の傾斜角度で傾斜させた状態で停止する(第3停止位置)。すなわち、上記第1ステップと逆方向にトレイ20を傾斜させる。そして、トレイ移動手段30がトレイ20を往復動させる(第3ステップ)。このとき、第2集積部23の傾斜面20Bは内側が下がった状態となるため、第2集積部23内の部品は反対側の第1集積部22に向けて滑り落ちていく。その際、部品の一部は、凹部21内に収容される。第3ステップでは、トレイ移動手段30は、第3の継続時間だけトレイ20を往復動させた後に停止する。
【0051】
次に、トレイ回動手段40は、第1集積部22が上がる方向にトレイ20を若干回動させ、図8(b)に示されるようにトレイ20を、第1集積部22を下にして第4の傾斜角度で傾斜させた状態で停止する(第4停止位置)。すなわち、上記第2ステップと逆方向にトレイ20を傾斜させる。そして、トレイ移動手段30がトレイ20を往復動させる(第4ステップ)。このとき、滑り落ちていく部品は高い確率で凹部21内に収容され、凹部21内に収容されなかった部品は第1集積部22内に集積される。第4ステップでは、トレイ移動手段30は、第3の継続時間よりも長い第4の継続時間だけトレイ20を往復動させた後に停止する。
【0052】
上記動作の結果、トレイ20に形成された略全ての凹部21に部品が収容される。すなわち、部品が所定の配列に整列することとなる。なお、上記第1ステップ〜第4ステップを順番に複数回繰り返すことで、凹部21に部品が収容される割合を増加させることができる。上記第1ステップ〜第4ステップを何回実行するかは、部品の大きさや形状等に応じた適切な回数を設定すればよい。
【0053】
次に、トレイ回動手段40は、第1集積部22が下がる方向にトレイ20を回動させ、図8(c)に示されるようにトレイ20を、第1集積部22を下にして第1の傾斜角度または第3の傾斜角度より大きい第5の傾斜角度で傾斜させた状態で停止する(第5停止位置)。そして、トレイ移動手段30が、上記第1ステップ〜第4ステップよりも大きい移動距離でトレイ20を往復動させる(第5ステップ)。このようにトレイ20をより急な傾斜角度でより激しく往復動させることで、凹部21内に正しい姿勢で収容されていない部品や、単に凹部21に引っ掛っていたような部品を第1集積部22に落とし込むことができる。すなわち、トレイ20上において正しく整列状態となっていない部品を排除することができる。なお、図3(c)に示すような通気孔27をトレイ20に設けている場合には、第5ステップを実行する際に通気孔27を介して部品を吸引することで、正しい姿勢で凹部21に収容されている部品までもが排除されないようにすることができる。
【0054】
最後に、トレイ回動手段40が、第1集積部22が上がる方向にトレイ20を回動させ、図8(d)に示されるようにトレイ20を水平状態とすることで、振込動作は完了する。振込動作が完了した後には、トレイ移動手段30が、図9に示されるように、トレイ20を取り出し位置Eに移動させる。
【0055】
以上で、振込装置2による部品の整列が完了する。次に、これらの整列した部品を、制御手段5の制御により搬送装置4がトレイ20から取り出して搬送し、供給エリア3の部品保持具100に供給する。
【0056】
まず、部品移動手段60が部品吸着手段70をトレイ20の上方に移動させる。次に、部品吸着手段70のシリンダ72が吸着部71を下降させて、凹部21内に収容された部品に吸着ノズル73の先端を当接させる。そして、吸着ノズル73が部品を吸引して吸着すると共に、シリンダ72が部品を吸着した吸着部71を上昇させて、部品をトレイ20上から取り出す。その後、部品移動手段60は部品吸着手段70と共に部品を供給エリア3の上方に向けて移動させる、すなわち、部品を搬送する。
【0057】
部品吸着検出センサ81は、部品移動手段60が部品を供給エリア3に向けて搬送している途中に、各吸着ノズル73がそれぞれ部品を吸着しているか否かを検出する。この結果、部品を吸着していない吸着ノズル73は吸引を解除される。また、部品吸着手段70は、搬送途中に吸着部71を一旦下降させて、吸着ノズル73に吸着した部品を部品整列調整具90に当接させる。これにより、各部品の整列状態を高精度に微調整する。
【0058】
その後、供給エリア3の上方に到達した部品吸着手段70は、シリンダ72により吸着部71を下降させて、吸着ノズル73に吸着している部品を部品保持具100の収容穴101内部に挿入する。そして、吸着ノズル73の吸引を解除し、部品を吸着ノズル73から落下させて収容穴101内部に部品を供給する。このとき、部品供給検出センサ82が落下する部品を検出し、収容穴101ごとに部品が供給されたか否かを判断する。
【0059】
収容穴101内に部品を供給した後、部品吸着手段70は、吸着部71を上昇させる。そして、部品移動手段60は、次の部品をトレイ20上から取り出すべく、部品吸着手段70をトレイ20の上方に向けて移動させる。
【0060】
搬送装置4は、上記動作を繰り返してトレイ20上の部品を全て取り出して搬送し、部品保持具100に供給する。なお、本実施形態では、搬送装置4はトレイ20上の部品を後方側の列から順に取り出して搬送する。従って、トレイ移動手段30は、搬送装置4によってトレイ20から一列分の部品が取り出されるごと(本実施形態では、部品の取り出しが2回行われるごと)に、トレイ20を部品一列分だけ後方に向けて移動させる。
【0061】
搬送装置4がトレイ20上の部品を全て取り出すと、振込装置2は再び部品の整列を行う。そして、振込装置2が部品の整列を完了すると、搬送装置4は再び部品の搬送を行う。振込装置2による部品の整列及び搬送装置4による部品の搬送は、部品保持具100に所定の数の部品が供給されるまで繰り返し実行される。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る振込装置2は、トレイ移動手段30およびトレイ回動手段40を制御する制御手段5によって、トレイ20を複数の異なる角度に傾斜させると同時に、トレイ移動手段30によってトレイ20を往復動させるように制御する。このため、各種部品の整列を短時間で効率的に行うことが可能となり、高速な製造ライン等にも十分な個数の部品を整列させて供給することができる。また、振込動作中に長時間部品同士が接触、摩擦することによって部品に疵が入るのを防止することができる。
【0063】
また、トレイ回動手段40は、少なくとも、トレイ20を第1の傾斜角度に傾斜させた状態とする第1停止位置、第1の傾斜角度より緩い第2の傾斜角度に傾斜させた状態とする第2停止位置、第1および第2の傾斜角度と逆方向となる第3の傾斜角度に傾斜させた状態とする第3停止位置、第3の傾斜角度より緩い第4の傾斜角度に傾斜させた状態とする第4停止位置で停止可能に構成され、トレイ移動手段30は、前記第1乃至第4停止位置のそれぞれにおいてトレイ20を往復動させる。このため、第1停止位置の第1ステップ(または第3停止位置の第3ステップ)において部品を第1集積部22(または第2集積部23)から早急に排出すると共に、第2停止位置の第2ステップ(または第4停止位置の第4ステップ)において部品を高い確率で凹部21内に収容させることができる。結果として、各種部品の整列を短時間で効率的に行うことが可能となる。
【0064】
また、トレイ回動手段40は、振込動作において、第1停止位置で停止する時間よりも第2停止位置で停止する時間が長く設定され、第3停止位置で停止する時間よりも第4停止位置で停止する時間が長く設定される。すなわち、主に第1集積部22(または第2集積部23)から部品を排出するステップである第1ステップ(または第3ステップ)を短くし、凹部21内に部品を収容させるステップである第2ステップ(または第4ステップ)を長くすることで、各種部品の整列を短時間で効率的に行うことができる。
【0065】
また、トレイ回動手段40は、振込動作において、第1乃至第4停止位置で順番に停止した後に、トレイ20を第1の傾斜角度または第3の傾斜角度より急な第5の傾斜角度に傾斜させた状態とする第5停止位置で停止可能に構成され、トレイ移動手段30は、第5停止位置において、トレイ20を第1乃至第4停止位置における場合よりも長い距離を往復動させるため、未整列状態でトレイ20上に残存している部品を排除することができる。これにより、未整列状態の部品がトレイ20から取り出されて搬送されるのを防止することができる。また、整列状態の部品の取り出しが未整列状態の部品に阻害されるのを防止することができる。
【0066】
また、トレイ移動手段30は、複数の部品がトレイ20に投入される投入位置Aと、複数の凹部21に振り込まれた複数の部品がトレイ20から取り出される取出位置Eとの間を、トレイ20が移動可能なように構成され、制御手段5は、トレイ20に振込動作を行わせる振込位置B〜Dを、投入位置Aと取出位置Eの間に設定するため、振込装置2への部品の投入、振込動作による部品の整列、および振込装置2からの部品の取り出しからなる一連の工程を自動化することができる。また、振込装置2を自動化された製造ラインや各種装置の一部に組み込むことが可能となる。さらに、トレイ20の移動手段および振込動作時のトレイ20の往復動手段をトレイ移動手段20に兼用させることによって、部品点数を減らし、振込装置2のコストを削減することができる。
【0067】
また、制御手段5は、投入位置Aと取出位置Eの間で複数の振込位置B〜Dを設定するため、振込動作においてトレイ20を往復動作させるトレイ移動手段30の部品が局部的に磨耗するのを防止することができる。これにより、装置全体の寿命を延ばすと共に、メンテナンス費用を削減することができる。
【0068】
また、制御手段5は、投入位置Aおよび取出位置Eにおいてトレイ20が水平状態を維持するように回動手段40を制御するため、振込装置2への部品の投入、および振込装置2からの部品の取り出しを自動機械によって行うことができる。特に、振込装置2からの部品の取り出しにおいて、ロボットアーム等のアクチュエータを用いて、部品を整列状態のまま取り出して搬送することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態に係る部品供給装置1は、振込装置2と、取出位置Eにあるトレイ20から部品を取り出して供給エリア3まで搬送する搬送装置4と、を備えるため、部品の整列および搬送を1つの装置により短時間で効率的に行うことが可能となる。これにより、高速な製造ライン等にも十分な個数の部品を整列させて供給することができる。また、部品供給装置1を自動化された製造ライン等の一部に組み込むことが可能となる。
【0070】
また、搬送装置4は、部品を保持する保持手段(吸着ノズル73)を複数備え、複数の保持手段は、複数の凹部21の一部と同じ配列で配設されているため、複数の部品を整列状態のまま、短時間で効率的に供給エリア3まで搬送して供給することができる。これにより、部品供給装置1を自動化された製造ライン等の一部に組み込むことが容易となる。
【0071】
また、供給エリア3には、複数の収容穴101を備える部品保持具100が配置され、複数の収容穴101は、複数の凹部21の一部と同じ配列で形成されており、搬送装置4は、複数の収容穴101内に、複数の部品を一度に供給するため、製造ライン等で使用される部品保持具100に、バルク状態で供給された部品を整列させて短時間で効率的に供給することが可能となる。これにより、高速な製造ライン等にも十分な個数の部品を供給することができる。
【0072】
なお、本実施形態に係る振込装置2では、トレイ移動手段30としてボールねじ伝動装置を利用した直動アクチュエータを採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、リニアモータを利用した直動アクチュエータ等のその他の構造のアクチュエータを採用してもよい。また、直動ではなく円運動や曲線運動をするアクチュエータを採用してもよい。
【0073】
また、トレイ回動手段40は、ステッピングモータ41により回動軸42を回動させる構造に限定されるものではなく、例えば、トレイ20の端部を上下に移動させるエアシリンダ等の直動アクチュエータを採用してもよい。
【0074】
また、本実施形態に係る搬送装置4の部品吸着手段70では、吸引ポンプに接続された吸着ノズル73が部品を吸引して吸着する構造を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば電磁石を使用する等、その他の構造であってもよい。
【0075】
また、本実施形態に係る部品供給装置1では、3箇所の振込位置B〜Dを設定しているが、振込位置は交互に使用される2箇所であってもよいし、4箇所以上の振込位置を設定してもよい。
【0076】
また、振込動作において、第1の傾斜角度と第3の傾斜角度を互いに逆方向の等しい角度としてもよい。例えば、水平状態を0度とした場合に、第1の傾斜角度を反時計回りに25度とし、第3の傾斜角度を時計回りに25度とするようにしてもよい。同様に、第2の傾斜角度と第4の傾斜角度を互いに逆方向の等しい角度としてもよい。また、第1の継続時間と第3の継続時間を等しい継続時間としてもよく、同様に、第2の継続時間と第4の継続時間を等しい継続時間としてもよい。
【0077】
また、振込動作の第1ステップ〜第4ステップを繰り返す場合に、各ステップにおける傾斜角度を変更して各ステップを繰り返すようにしてもよい。例えば、2回目の各ステップにおいては、1回目のときよりも傾斜角度を緩くし、継続時間を短くするようにしてもよい。
【0078】
また、振込動作の第2ステップの後に、例えば、第2集積部23を下にして第2の傾斜角度よりも緩い傾斜角度でトレイ20を傾斜させて往復動させるステップを追加してもよい。また、第4ステップの後に上記同様のステップを追加してもよい。すなわち、本実施形態では傾斜角度を2段階に変更しているが、傾斜角度を3段階以上に変更するようにしてもよい。
【0079】
また、本実施形態に係る部品供給装置1は、部品保持具100に部品を供給するものであるが、これに限定されるものではなく、製造ライン等に直接部品を供給するもの、例えば、シーム封止用リッドをシーム溶接装置に直接供給するものであってもよい。
【0080】
また、部品供給装置1が複数の振込装置2を備えるようにしてもよい。図10は、部品供給装置1が2つの振込装置2を備える例を示した図である。この例では、同図に示されるように、2つの振込装置2は部品供給装置1の左右両側に平行に配設されている。そして、供給エリア3は2つの振込装置2の間に設定され、搬送装置4は、2つの振込装置2の間において両者を繋ぐように配設されている。すなわち、この例では、1つの搬送装置4で2つの振込装置2のいずれからも部品を取り出して、供給エリア3に向けて搬送可能に構成されている。このように、部品供給装置1に2つの振込装置2を備え、2つの振込装置2に交互に振込動作を実行させることで部品供給のサイクルタイムを短縮することが可能となる。すなわち、搬送装置4が一方の振込装置2のトレイ20から部品を搬送している間に、他方の振込装置2に振込動作を実行させることで部品が整列するまでの待ち時間をなくすことができる。
【0081】
また、この例のように、搬送装置4を2つの振込装置2の間に配設することで、部品供給装置1全体をコンパクトに構成することができる。さらに、搬送装置4の部品吸着手段70の移動距離を短くすることができるため、部品供給のサイクルタイムを短縮することが可能となる。
【0082】
なお、複数の振込装置2、供給エリア3および搬送装置4の配置は図10に示した例に限定されるものではなく、設置スペース等に応じてその他の配置を採用してもよい。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の振込装置および部品供給装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、電子機器や電子部品もしくはその他の各種物品の製造、または物流の分野において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態に係る部品供給装置1の正面図である。
【図2】部品供給装置1の平面図である。
【図3】(a)はトレイ20の平面図であり、(b)は(a)のI−I線断面図であり、(c)は複数の凹部21と繋がる通気孔27をトレイ20内部に形成した場合を示した図であり、(d)はトレイ20と吸着部71の関係を示した図である。
【図4】部品整列調整具90の一部を拡大して示した図である。
【図5】部品供給装置1の作動を示した図である。
【図6】部品供給装置1の作動を示した図である。
【図7】(a)〜(d)振込動作時のトレイ20の姿勢を示した図である。
【図8】(a)〜(d)振込動作時のトレイ20の姿勢を示した図である。
【図9】部品供給装置1の作動を示した図である。
【図10】部品供給装置1が2つの振込装置2を備える例を示した図である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・部品供給装置
2・・・振込装置
3・・・供給エリア
4・・・搬送装置
5・・・制御手段
20・・・トレイ
21・・・凹部
30・・・トレイ移動手段
40・・・トレイ回動手段
73・・・吸着ノズル
100・・・部品保持具
101・・・収容穴
A・・・投入位置
B,C,D・・・振込位置
E・・・取出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配列で形成された複数の凹部を備えるトレイと、
前記トレイを水平な一軸方向に移動または往復動させるトレイ移動手段と、
前記トレイを前記一軸方向と平行な軸を中心に回動させるトレイ回動手段と、
前記トレイ移動手段および前記トレイ回動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記トレイ上に載置された複数の部品を前記複数の凹部内に振り込んで整列させる振込動作を行う場合に、前記トレイ回動手段によって前記トレイを複数の異なる角度に傾斜させると同時に、前記トレイ移動手段によって前記トレイを往復動させるように制御することを特徴とする、振込装置。
【請求項2】
前記トレイ回動手段は、少なくとも、前記トレイを第1の傾斜角度に傾斜させた状態とする第1停止位置、前記トレイを前記第1の傾斜角度より緩い第2の傾斜角度に傾斜させた状態とする第2停止位置、前記トレイを前記第1および第2の傾斜角度と逆方向となる第3の傾斜角度に傾斜させた状態とする第3停止位置、および前記トレイを前記第3の傾斜角度より緩い第4の傾斜角度に傾斜させた状態とする第4停止位置で停止可能に構成され、
前記トレイ移動手段は、前記第1乃至第4停止位置のそれぞれにおいて前記トレイを往復動させることを特徴とする、
請求項1に記載の振込装置。
【請求項3】
前記トレイ回動手段は、前記振込動作において、前記第1停止位置で停止する時間よりも前記第2停止位置で停止する時間が長く設定され、前記第3停止位置で停止する時間よりも前記第4停止位置で停止する時間が長く設定されることを特徴とする、
請求項2に記載の振込装置。
【請求項4】
前記トレイ回動手段は、前記振込動作において、前記第1乃至第4停止位置で順番に停止した後に、前記トレイを前記第1の傾斜角度または第3の傾斜角度より急な第5の傾斜角度に傾斜させた状態とする第5停止位置で停止可能に構成され、
前記トレイ移動手段は、前記第5停止位置において、前記トレイを前記第1乃至第4停止位置における場合よりも長い距離を往復動させることを特徴とする、
請求項2または3に記載の振込装置。
【請求項5】
前記トレイ移動手段は、前記複数の部品が前記トレイに投入される投入位置と、前記複数の凹部に振り込まれた前記複数の部品が前記トレイから取り出される取出位置との間を、前記トレイが移動可能なように構成され、
前記制御手段は、前記トレイに前記振込動作を行わせる振込位置を、前記投入位置と前記取出位置の間に設定することを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれかに記載の振込装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記投入位置と前記取出位置の間で複数の前記振込位置を設定することを特徴とする、
請求項5に記載の振込装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記投入位置および前記取出位置において前記トレイが水平状態を維持するように前記トレイ回動手段を制御することを特徴とする、
請求項5または6に記載の振込装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載の振込装置と、
前記取出位置にある前記トレイから前記部品を取り出して供給エリアまで搬送する搬送装置と、を備えることを特徴とする、部品供給装置。
【請求項9】
前記搬送装置は、前記部品を保持する保持手段を複数備え、
前記複数の保持手段は、前記複数の凹部の一部と同じ配列で配設されていることを特徴とする、
請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
交互に前記振込動作を行う複数の前記振込装置を備え、
前記搬送装置は、前記複数の振込装置のいずれからも前記部品を取り出して供給エリアまで搬送可能に構成されていることを特徴とする、
請求項8または9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
併設される2つの振込装置を備え、
前記搬送装置は、前記2つの振込装置の間に配設されることを特徴とする、
請求項10に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記供給エリアには、複数の収容穴を備える部品保持具が配置され、
前記複数の収容穴は、前記複数の凹部の一部と同じ配列で形成されており、
前記搬送装置は、前記複数の収容穴内に、複数の前記部品を一度に供給することを特徴とする、
請求項8乃至11のいずれかに記載の部品供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−113946(P2009−113946A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289910(P2007−289910)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(501410137)アキム株式会社 (49)
【Fターム(参考)】