説明

排ガス分析用センサ

【課題】 排ガスの測定精度を向上させた排ガス分析用センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 エンジン20より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔41が穿設されたセンサ本体40に、排ガス通過孔41内に向けて排ガス分析用のレーザ光を照射する照射部5と、排ガス中を透過したレーザ光を受光する受光部7とが設けられる排ガス分析用センサ4において、照射部5より照射されたレーザ光を排ガス通過孔41内へと導入する導入側通光路56と、排ガス中を透過したレーザ光を排ガス通過孔41から受光部7に導出する導出側通光路76と、導入側通光路56内及び導出側通光路76内をそれぞれ複数の領域に区画するように配設されるレーザ光透過用のレンズ部材52・72と、レンズ部材52・72により区画された前記導入側通光路56及び導出側通光路76の各領域にイナートガスを給排するガス給排経路8・9が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス分析用センサの技術に関し、より詳細には、内燃機関より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔に向けてレーザ光を照射し、排ガス中を透過したレーザ光を検出する排ガス分析用センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等のエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中の成分濃度や温度を測定し、分析するための装置として、排気経路(配管)に、光源や検出器部等からなる排ガス分析用センサを直接に配設し、排気経路を流れる排ガス中を透過したレーザ光を検出する等して、排ガス中の成分濃度等をリアルタイムで測定するように構成された排ガス分析装置の構成が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した特許文献1に開示される排ガス分析用センサは、内燃機関より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔に向けてレーザ光を照射し、反射鏡によりレーザ光を多重反射させた後に、排ガス中を透過したレーザ光を検出するように構成されている。このような排ガス分析用センサは、センサ本体の排ガス通過孔内で対向する一対の反射鏡によってレーザ光を多重反射させて、レーザ光が排ガス中を透過する距離(測定長)をより長く確保することで、その測定精度を向上するように構成されている。
【特許文献1】特開2006−184180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の排ガス分析用センサにおいては、前記照射部より照射されたレーザ光を前記排ガス通過孔内へと導入する導入側通光路と、排ガス中を透過したレーザ光を前記排ガス通過孔から前記受光部に導出する導入側通光路とが設けられており、各通光路を介してレーザ光が排ガス通過孔に導入出される。
しかし、従来の排ガス分析用センサの構成では、上述した各通光路内に排ガスが滞留してしまうため、本来の排ガスの濃度計測の結果に滞留ガスの成分濃度が重複したり、滞留ガスの成分濃度が変動して濃度計測の際のノイズとなったりする等、排ガスの測定精度に劣るといった問題があった。
【0005】
また、上述した各通光路には、通常、レーザ光透過用のレンズ部材がそれぞれ配設されており、各レンズ部材は、計測用レーザの多重反射を防止するための反射防止膜がレンズ表面に被覆されている。そして、レンズ部材は、排ガス通過孔内に露出していることから、測定中は高温の排ガスの影響を受けて比較的高温になるため、レンズ部材が高温になることで比較的耐熱温度(約300℃)の低い反射防止膜が損傷してしまい、排ガスの測定精度に劣るといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明においては、排ガス分析用センサに関し、前記従来の課題を解決するもので、レーザ光の通光路から滞留ガスを排除し、かつ、レンズ部材の温度を低下させることで、排ガスの測定精度を向上させた排ガス分析用センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、内燃機関より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔が穿設されたセンサ本体に、該排ガス通過孔内に向けて排ガス分析用のレーザ光を照射する照射部と、排ガス中を透過したレーザ光を受光する受光部とが設けられる排ガス分析用センサにおいて、前記照射部より照射されたレーザ光を前記排ガス通過孔内へと導入する導入側通光路と、排ガス中を透過したレーザ光を前記排ガス通過孔から前記受光部に導出する導出側通光路と、前記導入側通光路内及び導出側通光路内をそれぞれ複数の領域に区画するように配設されるレーザ光透過用のレンズ部材と、前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の各領域にイナートガスを給排するガス給排経路がそれぞれ設けられる。
【0009】
請求項2においては、前記ガス給排経路は、前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の機外側の領域にイナートガスを給排する第一のガス給排経路と、前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の排ガス通過孔側の領域にイナートガスを給排する第二のガス給排経路とを有するものである。
【0010】
請求項3においては、前記第一のガス給排経路は、前記導入側通光路及び導出側通光路のレンズ部材の近傍位置にイナートガスの供給路又は排出路が開口されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記第二のガス給排経路は、前記導入側通光路及び導出側通光路のレンズ部材の近傍位置にイナートガスの供給路が開口され、前記排ガス通過孔へイナートガスを排出するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1に示す構成としたので、レーザ光の通光路である導入側通光路及び導出側通光路から滞留ガスを排除し、かつ、レンズ部材の温度を低下させることで、排ガスの測定精度を向上することができる。
【0014】
請求項2に示す構成としたので、レンズ部材に区画された各領域に対してイナートガスを確実に給排でき、排ガスの測定精度をより向上できる。
【0015】
請求項3に示す構成としたので、レンズ部材のレンズ表面にまでイナートガスを確実に到達させることができ、イナートガスによるレンズ部材の冷却効率をより向上できる。
【0016】
請求項4に示す構成としたので、導入側通光路及び導出側通光路内に供給されたイナートガスの排出路を設ける必要がなく、各経路の構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る排ガス分析用センサを備えた排ガス分析装置を車輌に搭載した状態を示した側面図、図2は排ガス分析用センサへ管継手を取り付けた状態を示す分解斜視図及び側面図、図3は排ガス分析用センサの断面図、図4は照射部側のガス給排経路の構成を示した断面図、図5は図4における第一給排経路の構成を拡大して示した断面図、図6は図4における第二給排経路の構成を拡大して示した断面、図7は受光部側のガス給排経路の構成を示した断面図、図8は図7における第一給排経路の構成を拡大して示した断面図、図9は図7における第二給排経路の構成を拡大して示した断面図である。
【0018】
まず、本実施例の排ガス分析用センサ4を用いた排ガス分析装置1の全体構成について、以下に概説する。
図1に示すように、本実施例の排ガス分析装置1は、自動車2に配置されたエンジン20から排出される排ガス中の成分濃度や温度を測定し分析するものである。具体的には、排ガス分析装置1は、エンジン20から延出された排ガスの排気経路3の複数箇所に配設された複数の排ガス分析用センサ4と、この排ガス分析用センサ4に接続されたレーザ発信・受光用のコントローラ10と、コントローラ10に接続されたコンピュータ装置11等とで構成されている。
【0019】
自動車2には、エンジン20からの排ガスを機外に排出する排気経路3が敷設され、排気経路3は、エキゾーストマニホールド30、排気管31、第一触媒装置32、第二触媒装置33、マフラー34、排気パイプ35等とから構成されている。また、排気経路3の各構成機器は、断面円形状の配管3aによって連結されている。
【0020】
排気経路3においては、エンジン20の排ガスが、まずエキゾーストマニホールド30で合流され、排気管31を通じて第一触媒装置32及び第二触媒装置33に導入され、その後マフラー34を通じて排気パイプ35から大気中に放出される。このような排気経路3が形成されることによって、エンジン20からの排ガスは、二つの触媒装置32・33によって浄化され、マフラー34によって消音・減圧されて大気中に放出される。
【0021】
排ガス分析用センサ4・4・・・は、排気経路3において4箇所に配置されており、具体的には、第一触媒装置32の上流側のエンジン20と排気管31との間、第一触媒装置32と第二触媒装置33との間、第二触媒装置33とマフラー34との間、マフラー34の下流側の排気パイプ35の末端部にそれぞれ配置されている。
【0022】
本実施例の排ガス分析装置1では、各排ガス分析用センサ4において、コントローラ10によって赤外線レーザ光が照射され、かつ排ガスを透過した後のレーザ光が受光されることで得られたデータが、コントローラ10からコンピュータ装置11に送られて排ガス中の成分が分析される。
【0023】
コントローラ10は、複数の波長の赤外線レーザ光を照射する照射装置であり、レーザ光の波長は、検出する排ガスの成分に合わせて設定される。また、コントローラ10には、排ガス分析用センサ4に接続された図示せぬ差分型光検出器等が設けられており、排ガス分析用センサ4により受光された信号光が導光され、排ガス中を透過して減衰したレーザ光と排ガス中を透過していないレーザ光との信号光が接続されたコンピュータ装置11に出力される。
コンピュータ装置11では、コントローラ10からの出力信号を解析して、排ガスの成分濃度や排ガスの温度を算出する等して、排ガスの分析が行われる。
【0024】
このように、本実施例の排ガス分析装置1では、各排ガス分析用センサ4による排気経路3の一断面におけるスポット的な排ガスの測定が可能となっている。特に、本実施例のように、排ガス分析用センサ4が排気経路3の複数箇所に設けられることで、排ガスが排気経路3の所定断面でどのように変化するかを瞬時に測定することができ、排ガスの状態をリアルタイムに連続して測定することができる。
【0025】
なお、本実施例の排ガス分析装置1では、排気経路3に配置された各排ガス分析用センサ4・4・・・は、それぞれ略同一に構成されているため、以下、一例として、第一触媒装置32と第二触媒装置33との間に配置された排ガス分析用センサ4について説明する。
【0026】
次に、排ガス分析用センサ4の構成について、以下に詳述する。
図2及び図3に示すように、本実施例の排ガス分析用センサ4は、平面視円形の薄板状部材より形成されたセンサ本体40に、排ガスが通過する円形の排ガス通過孔41が穿設され、分析用のレーザ光を排ガス通過孔41内に向けて照射する照射部5と、該照射部5より照射されたレーザ光を多重反射させる一対の反射鏡ユニット6・6と、排ガス中を透過したレーザ光を検出する受光部7と、レーザ光を排ガス通過孔41へと導出する通光路56・76と、この通光路56・76にイナートガスを給排するガス給排経路8・9等とが設けられている。
排ガス分析用センサ4においては、照射部5から排気経路3と直交する一断面に沿ってレーザ光が照射され、照射されたレーザ光が反射鏡ユニット6の反射鏡60間で排気経路3を横切るように複数回反射されて、受光部7にて受光される。
【0027】
図2に示すように、排ガス分析用センサ4は、センサ本体40が一対の管継手36・36に挟まれた状態で固定され、管継手36・36がそれぞれ第一触媒装置32及び第二触媒装置33に接続された配管3a・3aと接続されることで排気経路3に配設される。
管継手36・36は、断面円形の貫通孔36aが穿設された筒状に形成され、一方の開口縁部にフランジ部36bが設けられている。排ガス分析用センサ4(のセンサ本体40)は、一対の管継手36・36のフランジ部36bが設けられた側の開口端の離間に、ガスケット37・37を介して挟み込まれ、フランジ部36b・36bがボルト38・38によって締結されることで固定される。
【0028】
なお、管継手36の貫通孔36aは、配管3aと同じ直径の円形に形成され、排ガスの流れが妨げられないように構成されている。また、ガスケット37は、貫通孔36a等と略同じ直径の孔が開口され、管継手36・36の間に排ガス分析用センサ4を挟んで配管3aと接続しても、排ガスが途中で漏れることはなく、排気経路の長さの増加も少ないように構成されている。
【0029】
このようにして、排ガス分析用センサ4は、上述した管継手36・36を介して排気経路3の各配管3aと接続されており、排気経路3を流れる排ガスは、一方の管継手36の貫通孔36aを介してセンサ本体40に送られた後に、センサ本体40の排ガス通過孔41を通過して、他方の管継手36の貫通孔36aより排気経路3の下流側に送られる。
【0030】
次に、センサ本体40について、以下に詳述する。
図3に示すように、排ガス分析用センサ4を構成する機台となるセンサ本体40は、上述したように、平面視円形に形成された薄板状の金属部材より構成され、排ガスの流れ方向と直交する対向面の略中央部に円形の排ガス通過孔41が穿設されている。
本実施例のセンサ本体40には、板厚中央部を通って外側から排ガス通過孔41へと排ガスの流れ方向に直交する方向に貫通された取付孔40a・40bが穿設されており、取付孔40aには照射部5が取り付けられ、取付孔40bには受光部7が取り付けられる。照射部5及び受光部7は、排ガス通過孔41の軸中心に対して対向する位置にそれぞれ取り付けられている。
【0031】
なお、取付孔40aは、後述するように照射部5に穿設された通光孔55とともに、レーザ光の導入側通光路56を構成している(図4参照)。また、同様に、取付孔40bは、後述するように受光部7に穿設された通光孔75とともに、レーザ光の導出側通光路76を構成している(図7参照)。
【0032】
また、センサ本体40の排ガス通過孔41の内壁41aには、排ガス通過孔41の径方向外側に向けて一対の取付溝40c・40cが凹設されており、各取付溝40c・40cが排ガス通過孔41の軸中心に対して対向する位置に設けられている。この取付溝40c・40cには反射鏡ユニット6が取り付けられ、反射鏡ユニット6を構成する反射鏡60の反射面が排ガス通過孔41の内部空間に対向するようにして配設される。
【0033】
このように、各部材が取り付けられることで、排ガス分析用センサ4において、照射部5から照射されたレーザ光は、取付孔40aを介して排ガス通過孔41内に導入され、排ガス通過孔41内に導入されたレーザ光が、反射鏡60・60間で多重反射された後、取付孔40bを介して受光部7に導出される。
【0034】
なお、図3に示すように、本実施例のセンサ本体40には、排ガス通過孔41の内部空間に円筒形状のカバーリング42が配設されている。
カバーリング42は、通過孔43を有する円筒状部材であって、通過孔43の内径が排ガス通過孔41の直径よりも小さくなるように形成されている。すなわち、カバーリング42は、排ガス通過孔41に配設された状態で、排ガス通過孔41の内壁41aとの間に間隙を有するように形成されている。また、カバーリング42の幅は、センサ本体40の幅と略同じである。
【0035】
カバーリング42の周面には、一対の長穴のレーザ光通過小孔44が、それぞれ通過孔43の中心軸に対して対向する位置に穿設されている。レーザ光通過小孔44は、照射部5より排ガス通過孔41内に向けて照射されたレーザ光が、反射鏡60・60間で複数回反射され、その後受光部6に受光されるように、レーザ光の光路上に設けられる。
【0036】
このように、本実施例の排ガス分析用センサ4は、センサ本体40の排ガス通過孔41内にカバーリング42を設けることで、センサ本体40(排ガス通過孔41の内壁41a)を排ガス通過孔41に送られた排ガスから隔絶させることができる。そのため、高温の排ガスからのセンサ本体40への入熱を低減でき、センサ本体40の歪みや変形を防止し、ひいては、それに起因するレーザ光軸のずれ等を防止することができる。
【0037】
次に、反射鏡ユニット6について、以下に詳述する。
図3に示すように、反射鏡ユニット6は、照射部5より照射されたレーザ光を反射する反射鏡60と、反射鏡60の結露防止用の加熱部材としてのヒータ61と、センサ本体40と反射鏡60との温度変形の差を吸収するような部材より構成される緩衝部材62と、押え板63・64等とが、それぞれケーシング65に積層されて収納されたユニット体として構成されている。具体的には、ケーシング65に設けられた空間部に、上下方向に、反射鏡60、一方の押え板63、ヒータ61、緩衝部材62、及び他方の押え板64とが積層して収容される。
【0038】
ケーシング65の一側面には、長手方向に沿って平面視長穴状のスリット65bが穿設されており、スリット65bを介して空間部が外部空間と連続されている。空間部に収容された反射鏡60は、その反射面がスリット65bを塞ぐようにして外部空間に露出される。
【0039】
反射鏡ユニット6は、上述したセンサ本体40の排ガス通過孔41の内壁41aに凹設された取付溝40cに取り付けられる。本実施例では、反射鏡ユニット6は、センサ本体40の排ガス通過孔41の内壁41aに上面を当接させた状態で、センサ本体40の外側から排ガス通過孔41の内部方向に向けて挿入された複数のネジ部材66・66・・・(本実施例では4個)によって、センサ本体40に締結される。
【0040】
反射鏡ユニット6は、センサ本体40の取付溝40cに取り付けられた状態では、取付溝40cとケーシング65とが密接するようにして位置決めされる。また、反射鏡60の反射面が排ガス通過孔41内に面し、かつ、一対の反射鏡ユニット6・6の各反射鏡60・60が上下に平行に対向されている。また、かかる状態では、ケーシング65の下面は、排ガス通過孔41の軸中心に向けて内壁41aから突出せずに、取付溝40c内に収容されている。
【0041】
このように、排ガス分析用センサ4は、センサ本体40に一対の反射鏡ユニット6(及び反射鏡60)が配設されることで、照射部5より排ガス通過孔41内に照射されたレーザ光は、一方の(図3において下方の)反射鏡ユニット6の反射鏡60によって他方の(図3において上方の)反射鏡ユニット6の反射鏡60に向けて反射される。このようにして、レーザ光は、2枚の反射鏡60・60により交互に複数回反射されながら排ガス中を透過して、やがて受光部7に到達される。
【0042】
次に、照射部5及び受光部7について、以下に詳述する。
図3及び図4に示すように、照射部5は、赤外線送信用の光ファイバ50と、光ファイバ50をセンサ本体40に位置決めして取り付ける接続ブロック51と、レンズ部材52を内設したレンズホルダ53等とで構成されている。
光ファイバ50は、接続ブロック51に設けられた入光コリメータ51aに接続され、その投光面がセンサ本体40の排ガス通過孔41の中心に向くようにして取り付けられる。
接続ブロック51は、センサ本体40にボルト54によって締結され、センサ本体40に取り付けられた状態で取付孔40aと略直線状に連続される通光孔55が貫設されている。このように、本実施例の排ガス分析用センサ4は、センサ本体40の取付孔40aと、取付孔40aに連続される通光孔55とで、レーザ光を排ガス通過孔41内に導入する導入側通光路56が構成されている。
【0043】
光ファイバ50は、上述したコントローラ10に接続されており、コントローラ10から射出されたレーザ光は、光ファイバ50より照射されて通光孔55から取付孔40aを介して排ガス通過孔41内に導入される。換言すると、照射部5の光ファイバ50より照射されたレーザ光は、導入側通光路56を介して排ガス通過孔41内に導入される。
【0044】
レンズホルダ53は、接続ブロック51と一体的に構成されて、センサ本体40に取り付けられる。具体的には、上述した導入側通光路56の中途部に位置するように、接続ブロック51の通光孔55の端部に配設されている。本実施例では、レンズホルダ53は、接続ブロック51がセンサ本体40に取り付けられた状態で、導入側通光路56を構成する通光孔55と取付孔40aとの境界に位置するように配設される。
【0045】
レンズホルダ53は、内部に中空部を有する略円筒状に形成され、内部にレーザ光透過用のレンズ部材52が配設されている。
レンズ部材52は、平面視略円形に形成され、レンズホルダ53の中空部と同円心上に位置され、レンズホルダ53の内部空間を遮断するようにして配設されている。このようにしてレンズ部材52が設けられたレンズホルダ53が導入側通光路56に配設されることで、導入側通光路56は、レンズ部材52によって機外側の領域(機外側領域D1)と排ガス通過孔41側の領域(排ガス通過孔側領域D2)との複数の領域に区画されて(図4参照)、光ファイバ50から照射されたレーザ光は、レンズ部材52を介して排ガス通過孔41内に導入される。
【0046】
本実施例のレンズ部材52は、排ガス通過孔側領域D2に対向するレンズ面に、チタンやケイ素の酸化物(例えば、酸化チタンやシリカ)などを含有する反射防止膜が被覆されている。
【0047】
図3及び図7に示すように、受光部7は、レーザ光を検出するディテクタ70と、ディテクタ70をセンサ本体40に位置決めして取り付ける接続ブロック71と、レンズ部材72を内設したレンズホルダ73等とで構成されている。
接続ブロック51は、センサ本体40にボルト54によって締結され、センサ本体40に取り付けられた状態で、取付孔40bと略直線状に連続される通光孔75が貫設されている。このように、本実施例の排ガス分析用センサ4は、センサ本体40の取付孔40bと、取付孔40bに連続される通光孔75とで、排ガス通過孔41から機外にレーザ光を導出する導出側通光路76が構成されている。
【0048】
ディテクタ70は、上述したコントローラ10に接続されており、排ガス中を透過したレーザ光は、取付孔40bから通光孔75を介して排ガス通過孔41外に導出され、ディテクタ70に受光されて受光信号がコントローラ10に入力される。換言すると、排ガス中を透過したレーザ光は、導出側通光路76を介して排ガス通過孔41外に導出される。
【0049】
レンズホルダ73は、接続ブロック71と一体的に構成されて、センサ本体40に取り付けられる。具体的には、上述した導出側通光路76の中途部に位置するように、接続ブロック71の通光孔75の端部に配設されている。本実施例では、レンズホルダ73は、接続ブロック71がセンサ本体40に取り付けられた状態で、導出側通光路76を構成する通光孔75と取付孔40bとの境界に位置するように配設される。
【0050】
レンズホルダ73は、内部に中空部を有する略円筒状に形成され、内部にレーザ光透過用のレンズ部材72が配設されている。
レンズ部材72は、平面視略円形に形成され、レンズホルダ73の中空部と同円心上に位置され、レンズホルダ73の内部空間を遮断するように配設されている。このようにしてレンズ部材72が設けられたレンズホルダ73が導出側通光路76に配設されることで、導出側通光路76は、レンズ部材72によって機外側の領域(機外側領域D3)と排ガス通過孔41側の領域(排ガス通過孔側領域D4)との複数の領域に区画される(図7参照)。そして、排ガス中を透過したレーザ光は、レンズ部材72を介して排ガス通過孔41外に導出される。
【0051】
なお、レンズ部材72は、上述したレンズ部材52と同様に、排ガス通過孔側領域D4に対向するレンズ面に、チタンやケイ素の酸化物(例えば、酸化チタンやシリカ)などを含有する反射防止膜が被覆されている。
【0052】
次に、ガス給排経路8・9について、以下に詳述する。
図4乃至図9に示すように、本実施例の排ガス分析用センサ4には、照射部5側に設けられ、上述した導入側通光路56にイナートガス(不活性ガス)を給排給するガス給排経路8と、受光部7側に設けられ、導出側通光路76へイナートガスを給排するガス給排経路9とが設けられている。
【0053】
なお、本実施例におけるイナートガスとは、本実施例で照射されるレーザ光に対する光吸収のないガスのことをいい、具体的には、窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。イナートガスとして不活性ガスを用いることで、計測対象となる化学種が含まれていないため、計測データのノイズ源とならず、測定精度を確保することができる。
【0054】
まず、ガス給排経路8について、以下に詳述する。
図4に示すように、本実施例のガス給排経路8は、センサ本体40の照射部5側に設けられ、レンズ部材52により区画された導入側通光路56の機外側領域D1(本実施例では通光孔55)にイナートガスを給排する第一給排経路80と、レンズ部材52により区画された導入側通光路56の排ガス通過孔側領域D2(本実施例では取付孔40a)にイナートガスを給排する第二給排経路81とを有している。
【0055】
図5に示すように、第一給排経路80は、上述した照射部5の接続ブロック51に穿設され、導入側通光路56の機外側領域D1にイナートガスを供給する供給路80aと、センサ本体40に穿設され、導入側通光路56の機外側領域D1内のイナートガスを機外に排出する排出路80bとが設けられている。
供給路80aは、一端が接続ブロック51に穿設された通光孔55のレーザ光の照射方向に対する上流側に開口され、他端が図示せぬ配管を介してイナートガスのガス供給装置と接続されている。一方、排出路80bは、一端がセンサ本体40に取り付けられたレンズホルダ53の内部空間であって、レンズ部材52の近傍位置に開口され、他端が図示せぬ配管を介してガス回収装置と接続されている。
【0056】
まず図示せぬガス供給装置から送出されたイナートガスは、やがて供給路80aに到達され(矢印A1)、供給路80aを介して通光孔55内に送り込まれる。通光孔55内に送り込まれたイナートガスは、通光孔55の下流側へと送られて(矢印A2)、やがてレンズホルダ53まで到達される。レンズホルダ53に到達したイナートガスは、そのレンズホルダ53に設けられたレンズ部材52のレンズ表面を冷却しながら、その近傍位置に開口された排出路80bに送られ(矢印A3)、図示せぬ配管を介してガス回収装置(機外)へと排出される(矢印A4)。
【0057】
このように、排ガス分析用センサ4に第一給排経路80が設けられることで、イナートガスは、図示せぬガス供給装置→供給路80a→通光孔55(導入側通光路56の機外側領域D1)→レンズ部材52→排出路80b→図示せぬガス回収装置(機外)に送られて、機外側領域D1内の滞留ガスが機外に排出される。
【0058】
一方、図6に示すように、第二給排経路81は、センサ本体40に穿設され、導入側通光路56の排ガス通過孔側領域D2にイナートガスを供給する供給路81aが設けられている。
供給路81aは、一端がセンサ本体40に穿設された取付孔40aのレーザ光の照射方向に対する上流側であって、レンズ部材52の近傍位置に開口され、他端が図示せぬ配管を介してイナートガスのガス供給装置と接続されている。
なお、本実施例の第二給排経路81は、上述した第一給排経路80とは異なり、イナートガスを機外に排出する排出路80bに相当する経路を有さず、取付孔40a内に送られたイナートガスは、排ガス通過孔41内へと排出される。
【0059】
まず図示せぬガス供給装置から送出されたイナートガスは、やがてレンズ部材52の近傍位置に開口された供給路81aに到達され(矢印B1)、供給路81aを介して取付孔40a内に送り込まれる。取付孔40a内に送り込まれたイナートガスは、レンズホルダ53に設けられたレンズ部材52のレンズ表面を冷却しながら、取付孔40aの下流側へと送られ(矢印B2)、やがて排ガス通過孔41内へと排出される(矢印B3)。
【0060】
このように、排ガス分析用センサ4に第二給排経路81が設けられることで、イナートガスは、図示せぬガス供給装置→供給路81a→レンズ部材52→取付孔40a→排ガス通過孔41に送られ、排ガス通過孔側領域D2内の滞留ガスが排ガス通過孔41内に排出される。
【0061】
次に、ガス給排経路9について、以下に詳述する。
図7に示すように、本実施例のガス給排経路9は、センサ本体40の受光部7側に設けられ、レンズ部材72により区画された導出側通光路76の機外側領域D3(本実施例では通光孔75)にイナートガスを給排する第一給排経路90と、レンズ部材72により区画された導出側通光路76の排ガス通過孔側領域D4(本実施例では取付孔40b)にイナートガスを給排する第二給排経路91とを有している。
【0062】
図8に示すように、第一給排経路80は、上述した受光部7の接続ブロック71に穿設され、導出側通光路76の機外側領域D3にイナートガスを供給する供給路90aと、センサ本体40に穿設され、導出側通光路76の機外側領域D3内のイナートガスを機外に排出する排出路90bとが設けられている。
供給路90aは、一端が接続ブロック71に穿設された通光孔75のレーザ光の照射方向に対する下流側に開口され、他端が図示せぬ配管を介してイナートガスのガス供給装置と接続されている。一方、排出路90bは、一端がセンサ本体40に取り付けられたレンズホルダ73の内部空間であって、レンズ部材72の近傍位置に開口され、他端が図示せぬ配管を介してガス回収装置と接続されている。
【0063】
まず図示せぬガス供給装置から送出されたイナートガスは、やがて供給路90aに到達され(矢印a1)、供給路90aを介して通光孔75内に送り込まれる。通光孔75内に送り込まれたイナートガスは、通光孔75の下流側へと送られて(矢印a2)、やがてレンズホルダ73まで到達される。レンズホルダ73に到達したイナートガスは、そのレンズホルダ73に設けられたレンズ部材72のレンズ表面を冷却しながら、その近傍位置に開口された排出路90bに送られ(矢印a3)、図示せぬ配管を介してガス回収装置(機外)へと排出される(矢印a4)。
【0064】
このように、排ガス分析用センサ4に第一給排経路90が設けられることで、イナートガスは、図示せぬガス供給装置→供給路90a→通光孔75(導出側通光路76の機外側領域D3)→レンズ部材72→排出路90b→図示せぬガス回収装置(機外)に送られて、機外側領域D3内の滞留ガスが機外に排出される。
【0065】
一方、図9に示すように、第二給排経路91は、センサ本体40に穿設され、導出側通光路76の排ガス通過孔側領域D4にイナートガスを供給する供給路91aが設けられている。
供給路91aは、一端がセンサ本体40に穿設された取付孔40bのレーザ光の照射方向に対する下流側であって、レンズ部材72の近傍位置に開口され、他端が図示せぬ配管を介してイナートガスのガス供給装置と接続されている。
なお、本実施例の第二給排経路91は、上述した第一給排経路90とは異なり、イナートガスを機外に排出する排出路90bに相当する経路を有さず、取付孔40b内に送られたイナートガスは、排ガス通過孔41内へと排出される。
【0066】
まず図示せぬガス供給装置から送出されたイナートガスは、やがてレンズ部材72の近傍位置に開口された供給路91aに到達され(矢印b1)、供給路91aを介して取付孔40b内に送り込まれる。取付孔40b内に送り込まれたイナートガスは、レンズホルダ73に設けられたレンズ部材72のレンズ表面を冷却しながら、取付孔40bの下流側へと送られ(矢印b2)、やがて排ガス通過孔41内へと排出される(矢印b3)。
【0067】
このように、排ガス分析用センサ4に第二給排経路91が設けられることで、イナートガスは、図示せぬガス供給装置→供給路91a→レンズ部材72→取付孔40b→排ガス通過孔41に送られ、排ガス通過孔側領域D4内の滞留ガスが排ガス通過孔41内に排出される。
【0068】
以上のように、本実施例の排ガス分析用センサ4は、エンジン20より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔41が穿設されたセンサ本体40に、排ガス通過孔41内に向けて分析用のレーザ光を照射する照射部5と、排ガス中を透過したレーザ光を受光する受光部7とが設けられる排ガス分析用センサ4において、照射部5より照射されたレーザ光を排ガス通過孔41内へと導入する導入側通光路56(通光孔55及び取付孔40a)と、排ガス中を透過したレーザ光を排ガス通過孔41から受光部7に導出する導出側通光路76(通光孔75及び取付孔40b)と、導入側通光路56及び導出側通光路76内を区画するようにして配設されるレーザ光透過用のレンズ部材52・72と、レンズ部材52・72により区画された前記導入側通光路56及び導出側通光路76にイナートガスを給排するガス給排経路8・9が設けられることで、レーザ光の通光路である導入側通光路56及び導出側通光路76から滞留ガスを排除し、かつ、レンズ部材52・72の温度を低下させることで、排ガスの測定精度を向上することができる。
【0069】
すなわち、本実施例の排ガス分析センサ4の構成では、通光路56・76内に滞留する排ガスをイナートガスによって機外に排出することができるため、本来の排ガスの濃度計測の結果に滞留ガスの成分濃度が重複したり、滞留ガスの成分濃度が変動して濃度計測の際のノイズとなったりすることがなく、排ガスの測定精度を向上できる。また、各通光路56・76に給排されるイナートガスによって、各通光路56・76を区画するように配設されたレンズ部材52・72を冷却することができ、レンズ部材52・72のレンズ表面に設けられた反射防止膜が高温により損傷してしまうのを防止でき、排ガスの測定精度を向上できる。
【0070】
特に、本実施例のガス給排経路8・9は、レンズ部材52・72により区画された導入側通光路56及び導出側通光路76の機外側領域D1・D3にイナートガスを給排する第一給排経路80・90と、レンズ部材52・72により区画され記導入側通光路56及び導出側通光路76の排ガス通過孔側領域D2・D4にイナートガスを給排する第二給排経路81・91とを有するため、レンズ部材52・72に区画された各領域D1〜D4に対してイナートガスを確実に給排でき、排ガスの測定精度をより向上できる。また、各経路80・81・90・91が独立しているため、そのメンテナンスが容易である。
【0071】
また、第一給排経路80・90は、導入側通光路56及び導出側通光路76のレンズ部材52・72の近傍位置にイナートガスの排出路80b・90bが開口されるため、レンズ部材52・72のレンズ表面にまでイナートガスを確実に到達させることができ、イナートガスによるレンズ部材52・72の冷却効率をより向上できる。
【0072】
また、第二給排経路81・91は、導入側通光路56及び導出側通光路76のレンズ部材52・72の近傍位置にイナートガスの供給路81a・91aが開口され、排ガス通過孔へイナートガスを排出するため、導入側通光路56及び導出側通光路76内に供給されたイナートガスの排出路を設ける必要がなく、各経路の構成を簡素化することができる。
ただし、このように第二給排経路81・91において、各導入側通光路56及び導出側通光路76から排ガス通過孔41内へと直接排出するため、排ガス通過孔41内の排ガスの成分濃度を希釈することになる。そのため、本実施例の構成では、イナートガスのパージ量を、排ガス通過孔41内の排ガス流量の1/1000程度に抑えることで、排ガスの測定精度に与える希釈の影響を低減できる。
【0073】
なお、本実施例の排ガス分析用センサの構成は、上述した実施例に限定されない。
【0074】
すなわち、各ガス給排経路8・9は、導入側通光路56及び導出側通光路76のそれぞれにイナートガスを給排可能に構成されればよい。具体的には、導入側通光路56(図4参照)において、第一給排経路80と第二給排経路81とが設けられているが、イナートガスの供給路及び排出路は、センサ本体40に設けられるか、若しくは接続ブロック51に設けられるかは問わない。
【0075】
また、イナートガスの供給路及び排出路の配置や個数も特に限定されず、例えば、第一給排経路80において、供給路80aと排出路80bとの配置が相互に異なるように、すなわち、供給路80aが導入側通光路56のレンズ部材52の近傍位置に開口するように設けられ、排出路80bが通光孔55のレーザ光の照射方向に対する上流側に開口されるように構成されてもよい。このような構成とすることで、レンズ部材52のレンズ表面にまでフレッシュなイナートガスを確実に到達させることができる。
【0076】
また、上述した実施例の第二給排経路81・91は、イナートガスの排出路が設けられず、導入側通光路56及び導出側通光路76に導入されたイナートガスを直接排ガス通過孔41内に排出するように構成されているが、例えば、第二給排経路81・91も、第一給排経路80・90と同様に、イナートガスの排出路を別途設けるように構成されてもよい。
【0077】
また、上述した実施例のレンズ部材52・72は、導入側通光路56及び導出側通光路76の中途部に配設されるレンズホルダ53・73に位置決めして取り付けられるが、レンズホルダ53・73に取り付けられることなく、導入側通光路56及び導出側通光路76の中途部に直接に取り付けられるように構成されてもよい。また、レンズホルダ53・73の構成も、特に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施例に係る排ガス分析用センサを備えた排ガス分析装置を車輌に搭載した状態を示した側面図。
【図2】排ガス分析用センサへ管継手を取り付けた状態を示す分解斜視図及び側面図。
【図3】排ガス分析用センサの断面図。
【図4】照射部側のガス給排経路の構成を示した断面図。
【図5】図4における第一給排経路の構成を拡大して示した断面図。
【図6】図4における第二給排経路の構成を拡大して示した断面図。
【図7】受光部側のガス給排経路の構成を示した断面図。
【図8】図7における第一給排経路の構成を拡大して示した断面図。
【図9】図7における第二給排経路の構成を拡大して示した断面図。
【符号の説明】
【0079】
1 排ガス分析装置
4 排ガス分析用センサ
5 照射部
7 受光部
8 ガス給排経路
9 ガス給排経路
20 エンジン(内燃機関)
40 センサ本体
40a 取付孔
40b 取付孔
41 排ガス通過孔
52 レンズ部材
55 通光孔
56 導入側通光路
72 レンズ部材
75 通光孔
76 導出側通光路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔が穿設されたセンサ本体に、該排ガス通過孔内に向けて排ガス分析用のレーザ光を照射する照射部と、排ガス中を透過したレーザ光を受光する受光部とが設けられる排ガス分析用センサにおいて、
前記照射部より照射されたレーザ光を前記排ガス通過孔内へと導入する導入側通光路と、
排ガス中を透過したレーザ光を前記排ガス通過孔から前記受光部に導出する導出側通光路と、
前記導入側通光路内及び導出側通光路内をそれぞれ複数の領域に区画するように配設されるレーザ光透過用のレンズ部材と、
前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の各領域にイナートガスを給排するガス給排経路がそれぞれ設けられることを特徴とする排ガス分析用センサ。
【請求項2】
前記ガス給排経路は、
前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の機外側の領域にイナートガスを給排する第一のガス給排経路と、
前記レンズ部材により区画された前記導入側通光路及び導出側通光路の排ガス通過孔側の領域にイナートガスを給排する第二のガス給排経路とを有することを特徴とする請求項1に記載の排ガス分析用センサ。
【請求項3】
前記第一のガス給排経路は、前記導入側通光路及び導出側通光路のレンズ部材の近傍位置にイナートガスの供給路又は排出路が開口されることを特徴とする請求項2に記載の排ガス分析用センサ。
【請求項4】
前記第二のガス給排経路は、前記導入側通光路及び導出側通光路のレンズ部材の近傍位置にイナートガスの供給路が開口され、前記排ガス通過孔へイナートガスを排出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の排ガス分析センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−224316(P2008−224316A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60541(P2007−60541)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】