説明

排ガス浄化用触媒

【課題】ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガス中に含まれるスートを主成分とする粒子状物質(PM)を低温で燃焼させ、かつ短時間で浄化することができる触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を燃焼するための排ガス浄化用触媒であって、少なくともAgを担持したCaFe型複合酸化物及び/又はAgを担持したCaFe
型複合酸化物を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排ガス浄化用触媒、特にディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるスート(soot)を主成分とする粒子状物質を低温かつ短時間で効率良く燃焼除去することができる排ガス浄化用触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガス中には、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)の他にスートを主成分とする粒子状物質(Particulate Matter、以下「PM」という)が含まれている。PMは粒子径が1μm以下のため、大気中に浮遊しやすく、呼吸などで体内に取り込まれると人体へ悪影響を及ぼす懸念があるため、早急な対策が必要とされている。その対策として、PMを大気中へ放出しないようにディーゼル車の排気系にはPMを捕集するためのフィルター(Diesel Particurate Filter、以下「DPF」という)が備え付けられている。しかしながら、DPFはPM捕集量の増加に伴ってフィルターの目詰まりが進行することで圧損を生じる問題を抱えている。
【0003】
フィルターの目詰まりに対する対策としては、一定以上の圧損が生じると電気ヒーターやバーナーあるいは、排気系に燃料を定期的に噴射して燃焼させ、その際に発生する燃焼熱でDPFを昇温させることで捕集したPMを燃焼させ、フィルターを強制的に再生する方法が検討されている。しかしながら、上記方法では燃費の悪化を招いたり、PMの燃焼熱によるフィルター基材の溶損を引き起こしたりする。また装置が大型化、複雑化し、装置コストが増大するという課題もある。
【0004】
このため近年、PMの燃焼に触媒を用いて、PMをより低温かつ短時間で燃焼させることでDPFの再生処理の頻度を低減し、燃費およびDPFの耐久性を向上させる検討がなされている。最近、PMを燃焼させる触媒として、酸素放出能を有する化合物にAgを担持した触媒がPMの燃焼温度を低温化させる効果が高いことから注目されている。
例えば、特許文献1にはペロブスカイト型、スピネル型、ルチル型、デラフォサイト型、マグネトプランバイト型、フルオライト型、イルメナイト型などの複合酸化物にAgを担持した触媒が記載されている。また、特許文献2にはセリウム−ジルコニウム複合酸化物にAgを担持した触媒が記載されている。これらは、PMの燃焼温度を低温化させ、燃焼開始温度は低いものの、PMの燃焼所要時間については十分な検討がなされていない。
【0005】
一方、特許文献3は、PMの燃焼速度に着目した触媒として、Zr−Ce−Nd系複合酸化物にPtを担持した触媒が開示されている。高温(590℃)でのPM燃焼速度について検討されているが、それよりも低温での検討はなされていない。
一方、特許文献1〜3では、PM燃焼触媒の活性評価として、タイトコンタクト条件での評価結果が記載されている。PM燃焼触媒の活性評価方法は、一般に、PMと触媒の接触状態によって「タイトコンタクト条件」と「ルーズコンタクト条件」の2種類の評価方法がある。
【0006】
「タイトコンタクト条件」とは、PMと触媒を混合し、この混合物を破砕してPMと触媒の接触効率を高めた状態での性能評価をいう。具体的には、擬似PMとしてカーボンブラックを用い、使用するPM燃焼触媒とカーボンブラックを乳鉢あるいは自動乳鉢機を用いて10〜20分間ほど混合し、得られた混合粉体について熱重量測定(TG)あるいは燃焼に伴って発生するCO発生量の測定をおこない、触媒性能を評価する。すなわち、触媒の浄化性能を効果的に発揮させうる評価条件であると考えられる。
【0007】
一方、「ルーズコンタクト条件」とは、排ガス流下に近い状態でPMと触媒を接触させる、物理的接触の状態での性能評価をいう。具体的には、擬似PMとしてカーボンブラックを用い、使用する燃焼触媒とカーボンブラックをスパチュラ等で軽く混合し、得られた混合粉体について熱重量測定(TG)あるいは燃焼に伴って発生するCO発生量の測定をおこない、触媒性能を評価する。すなわち排ガス浄化用触媒の実際の使用条件に近い接触状態での評価条件であると考えられる。したがって、実条件での触媒性能を把握するには、ルーズコンタクト条件下での評価が望ましい。
【0008】
発明者の検討では、タイトコンタクト条件下でPM燃焼性能を有するものであっても、ルーズコンタクト条件下での評価では未だ性能として不十分であることを確認した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−296518号公報
【特許文献2】WO2007−043442号公報
【特許文献3】特開2009−106858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、実際の使用条件下に近いとされるルーズコンタクト条件下で、PMの燃焼温度を低温化させ、かつPMの燃焼所要時間の短い、つまりPMを短時間で浄化することのできる触媒は見出されていない。PMの燃焼温度が低くても、燃焼所要時間が長ければPMは堆積し、フィルターは目詰まりを起こしてしまう。また、PM燃焼の所要時間が短くても燃焼温度が高ければ、燃費の悪化やフィルターの劣化を生じることになる。したがって、PMの燃焼温度を低温化させ、かつPMの燃焼所要時間の短い双方の性能を併せ持つことが重要である。そこで、本発明では、PMを低温で燃焼させ、かつ短時間で浄化することができる触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討をおこなった結果、PMを低温で燃焼させ、かつ短時間で浄化する性能が高い触媒として、CaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体にAgを担持した触媒を見出した。また、この触媒はCa原子源とFe原子源を、Ca原子に対するFe原子のモル比が0.9以上40以下の範囲で混合し、混合後得られた前駆体を焼成し、焼成により得られた酸化物にAgを担持した触媒ということもできる。
【0012】
すなわち本発明の要旨は、
(1)内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を燃焼するための排ガス浄化用触媒であって、少なくともAgを担持したCaFe型複合酸化物及び/又はAgを担持したCaFe型複合酸化物を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒、
(2)前記CaFe型複合酸化物が、さらにMgを含み、下記一般式(I)で表されることを特徴とする(1)に記載の排ガス浄化用触媒、
CaFe(2−x)Mg(5+δ) (式中 xは0.01 ≦ x ≦ 0.2) (I)
(3)内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を燃焼するための排ガス浄化用触媒であって、Ca原子源とFe原子源を、Ca原子に対するFe原子のモル比が0.9以上40以下の範囲で混合し、混合後得られた前駆体を焼成し、焼成により得られた酸化物にAgを担持する工程により得られることを特徴とする排ガス浄化用触媒、
(4)前記酸化物が、CaFe型複合酸化物を含む(3)に記載の排ガス浄化用触
媒、
(5)前記酸化物が、CaFe型複合酸化物を含む(3)に記載の排ガス浄化用触媒、
(6)Ca原子源とFe原子源に加え、さらにMg原子源を、Fe原子に対するMg原子のモル比で0.005以上0.2以下の範囲で混合することを特徴とする(3)〜(5)のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒、
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒を含む粒子状物質捕集フィルター、
(8)上記(1)〜(7)いずれかに記載の排ガス浄化用触媒と、基材を含む成型体、
に存する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるスートを主成分とする粒子状物質(PM)を、低温で燃焼させ、かつ短時間で浄化することができるため、強制再生による燃費ロス、フィルター基材の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1〜7、比較例3〜6に記載のAg担持前の複合酸化物の粉末X線回折パターンを示すものである。
【図2】実施例8、9のAg担持前の複合酸化物の粉末X線回折パターンを示すものである。
【図3】500℃でのPM燃焼速度の評価結果を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<排ガス浄化用触媒>
本発明に係る排ガス浄化用触媒(以下、「本発明の触媒」と称することがある)は、ディーゼル等の内燃機関から排出される排ガスに含まれているスートを主成分とする粒子状物質(PM)を酸化、燃焼することで浄化する触媒(PM燃焼触媒)である。前記触媒は、少なくともAgを担持したCaFe型複合酸化物及び/又はAgを担持したCaFe型複合酸化物を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒である。
【0016】
<CaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体>
本発明における排ガス浄化用触媒は、CaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を担体として含み、好ましくは前記複合酸化物を担体の主成分として含む。
CaFe型複合酸化物とは、一般式AB(AはAサイト,BはBサイトを表す。以下同じ)で表されるスピネル型構造をとる、AがCaであり、BがFeである複合酸化物である。
【0017】
CaFe型複合酸化物とは、一般式Aで表され、ABO2.5とも表されるブラウンミラーライト構造をとるCaとFeの複合酸化物である。
CaFe型複合酸化物及びCaFe型複合酸化物は、酸素吸放出能を有しているため、PMに対して高い活性種であるAgの担体として用いると、活性点であるAgへ酸素供給が迅速かつ円滑に進行することによって低温かつ短時間でPMを浄化するものと推察される。
【0018】
本発明において用いられるCaFe型複合酸化物及び/又はCaFe
複合酸化物における、Ca原子に対するFe原子のモル比(以下、Fe/Caということがある)は、0.9以上40以下の範囲である必要がある。前記の複合酸化物が十分な酸素吸放出能を示すためである。Fe/Caが前記下限未満では、酸素吸放出能を十分に有さないため不適であり、Fe/Caが前記上限超過では、単独酸化物のFeが多く含まれるため、複合化の効果が得られず、PMを低温かつ短時間で燃焼させることができない。
【0019】
また、本発明におけるCaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体は、特定組成のCaFe型及び/又はCaFe型複合酸化物以外にFe、FeやCaOが混合したものであってもよいが、好ましくはCaFe型複合酸化物又はCaFe型複合酸化物の単一相であるものがよい。CaFe型複合酸化物やCaFe型複合酸化物は、多量の酸素欠陥を結晶格子内に含んでいるため、格子内への酸素吸放出の容量が大きく、また酸素イオンの移動が容易であることから、担体として好適であると考えられる。
【0020】
本発明におけるCaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物は、Ca、Feおよび酸素以外の原子を含んでいてもよい。
本発明におけるCaFe型複合酸化物は、Fe原子の一部をMgに置換したものが好ましい。置換前よりも酸素欠陥が増えるため、Agを担持した時にPMを短時間で燃焼させることができると推定されるからである。
【0021】
CaFe型複合酸化物のFe原子の一部をMgに置換した化合物は、一般式CaFe2−xMg5+δ(δは組成や温度等で種々変化する酸素量であり、規定することに意味のない数値である。以下同じ)で表され、該式中のxは0.01 ≦ x ≦
0.2の範囲であることが好ましく、0.05 ≦ x ≦ 0.1の範囲であることがよ
り好ましい。xが前記下限未満では、Mgを加える効果が得られない場合があり、xが前記上限超過では、CaFe型複合酸化物以外の副生成物、例えばCaO、MgO、FeおよびFeが相対的に多くなる場合があるので前記範囲内にあることが好ましい。
【0022】
本発明の触媒は、Ca原子源とFe原子源とを、Ca原子に対するFe原子のモル比(以下、Fe/Caということがある)で、0.9以上40以下の範囲に混合して得られた前駆体を焼成して酸化物とし、得られた酸化物にAgを担持する工程により得られた触媒ということもできる。
本発明において担体として用いられる酸化物は、Ca原子源とFe原子源とを、Ca原子に対するFe原子のモル比(以下、Fe/Caということがある)で、0.9以上40以下の範囲に混合して得られた前駆体を焼成して得られるものである。前記のFe/Ca比で調製され、焼成した酸化物が十分な酸素吸放出能を示すためである。Fe/Caが前記下限未満では、酸素吸放出能を十分に有さず、Fe/Caが前記上限超過では、単独酸化物のFeが多く含まれるため、複合化の効果が得られず、PMを低温かつ短時間で燃焼させることができない。
【0023】
前記の工程により得られる酸化物は、好ましくはCaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含むものである。酸化物中にはFe、FeやCaO等が混合したものであってもよいが、CaOの混合量は少ない方が好ましい。具体的には、上記複合酸化物の含有量がCaOの50%以上であることが好ましい。
本発明において担体として用いられる酸化物は、他の金属原子源を含んでもよいが、好ましくはMg原子源を含んでいることが好ましい。具体的には上記酸化物の製造時に更にMg原子源を、Fe原子源に対するMg原子源のモル比で通常0.005以上、好ましくは0.025以上、通常0.2以下、好ましくは0.12以下、で混合して得られた前駆
体を焼成して得られるものである。
【0024】
〈担体として用いる酸化物の調製方法〉
本発明におけるCaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体の調製方法については、特に限定されるものではないが、通常、固相反応法、無機塩分解法、有機酸錯体重合法、共沈法などの方法を好適に用いることができる。
前記酸化物の原料として用いられるものの種類は、特に限定されないが、通常、カルシウム塩および鉄塩(以下、原料塩という)や、各元素の酸化物や水酸化物が用いられる。用いられる原料塩の種類は、特に限定されないが、例えば硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩化物などの無機塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩などが使用できる。中でも硝酸塩、酢酸塩が好適に使用できる。
【0025】
固相反応法では、原料に各元素の酸化物や水酸化物または上記の原料塩を適宜選択し、目的の化学量論比となるように秤量し、エタノールを加えてよく混合することで前駆体物質を得ることができる。
無機塩分解法では、上記の原料塩を目的の化学量論比となるように水を加え、撹拌することにより原料塩水溶液を調製することができる。この原料塩水溶液を加熱し、蒸発乾固させることで前記酸化物の前駆体物質(以下、単に前駆体物質ということがある)を得ることができる。
【0026】
有機酸錯体重合法、共沈法では、上記の原料塩を目的の化学量論比となるように水を加え、撹拌することにより原料塩水溶液を調製することができる。
また、有機錯体法における有機錯体を形成する塩としては特に限定されないが、例えばクエン酸、りんご酸、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムなどが用いることができる。共沈法における中和剤としては特に限定されないが、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基などを使用すればよい。これらの方法の場合は、錯形成剤、沈殿剤によって生成した沈殿物が前駆体物質となる。
【0027】
得られた前駆体物質は、十分に乾燥して粉砕した後、焼成することで本発明において用いられる酸化物を得ることができる。前駆体物質の焼成温度は各元素の塩が分解される温度以上であれば特に限定されないが、通常500℃以上、好ましくは700℃以上であり、通常1300℃以下、好ましくは1200℃以下の範囲で焼成するとよい。焼成温度が前記下限未満では、十分に複合化が進まないことがある。また、焼成温度が前記上限超過では、触媒の比表面積が小さくなり、PMとの接触効率が悪くなることがある。
【0028】
<Ag担持>
CaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体へのAgの担持方法については、特に限定されるものではなく、含浸法、共沈殿法等の公知の方法の中から適宜選択しておこなうことができる。
本発明において用いられるAgの原料化合物は、特に限定されるものではなく、酸化物の他、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩、ハロゲン化物、水素化物、カルボニル化合物、アミン化合物、オレフィン配位化合物、ホスフィン配位化合物又はホスファイト配位化合物等の銀を含む化合物から適宜選択して用いればよい。
【0029】
Agの担持量は、特に限定されるものではないが、通常担体の複合酸化物の重量に対して30重量%以下であり、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、また通常1重量%以上であり、好ましくは3重量%以上であり、さらに好ましくは5重量%以上である。Agの担持量が、前記下限未満では触媒活性が低下し、触媒として機能しない場合があり、前記上限超過では、凝集による触媒活性の低下が生じる場
合がある。
【0030】
〈Ag以外の触媒成分〉
本発明の排ガス浄化用触媒は、Ag以外にも他の担持金属として、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、貴金属元素、希土類元素および遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を添加してもよい。たとえば具体的にはNa、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、La,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Hf、Ta、W、Re、Au等が挙げられ、その中でもNa、K、Rb、Cs、Ba、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、La,Ce、Pr、Nd、Sm、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Mo、Hf、W、Auが好ましい。
【0031】
これらの他の担持金属としては、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。なお、本発明の排ガス浄化用触媒においては、上記以外の金属成分が、活性成分の重量を基準に数重量%以下の量で含まれていても、本発明の目的と効果において許容できる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、Agを担持したCaFe型複合酸化物及びAgを担持したCaFe型複合酸化物がそれぞれ単独で、又は混合していてもよい。またこれらの複合酸化物以外には、Agを担持したFe、FeやCaO等の酸化物が混合していてもよく、好ましくはCaO酸化物が少ない方がよい。これらの複合酸化物は通常、Feに対して5%以上含まれていれば良いが、上記触媒中の主成分となることが好ましい。主成分となるとは、具体的にはこれらの複合酸化物がFeに対して50%以上含まれることを意味する。
【0032】
〈排ガス浄化用触媒の粒子径〉
本発明の排ガス浄化用触媒の1次粒子径は、特に限定されるものではないが、PMと触媒との接触効率の観点からすれば1次粒子径が小さいほど接触効率が高まることから小さい方が好ましい。具体的には通常1nm以上であり、5nm以上が好ましく、通常5μm以下であり、1μm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。前記範囲内においては、PMと触媒の接触効率が十分に得られ、かつ十分なガス透過性が確保できるためである。排ガス浄化用触媒の粒子径を上記範囲内にするために、必要に応じて、担体合成後および/または活性種である金属を担持した後に解砕あるいは粉砕をおこなってもよい。
【0033】
〈排ガス浄化用触媒の使用形態〉
次に、本発明における排ガス浄化用触媒の具体的な使用例について説明する。本発明の排ガス浄化用触媒は、ハニカム型あるいはペレット型の形状の基材にコートして用いてもよいが、PMの捕集効率の観点からフィルターの形状の基材が好ましい。フィルターとしては金属やセラミックスなどのフォーム、金属やセラミックス繊維からなる不織布、ウォールフロータイプのフィルターなど、十分なPM捕集機能を有するものであればよいが、PM捕集効率およびPMと触媒との接触効率の観点からウォールフロータイプのフィルターが特に好ましい。DPFは、フィルター本体がコーディエライト、炭化珪素、チタン酸アルミニウム、ムライトなどの多孔質材料から形成されており、ハニカム構造の両端面の開口部が互い違いに栓材で閉塞された構造をしている。排気ガスは、フィルター端面の開口部より流入すると薄肉の隔壁を通って隣接する細孔に流れ、反対側の端面の開口部より流出する。PMは排気ガスが隔壁を通過する際に補足されるので、細孔壁面に触媒コート層を形成することになる。
【0034】
この触媒コート層は、例えば本発明の触媒粉を、水およびバインダーと混合してスラリーを調製し、このスラリーをフィルター本体にウォッシュコートすることで形成するとよ
い。あるいは触媒原料塩水溶液にフィルター本体を浸漬させ、引き上げた後に乾燥、焼成工程を経ることで形成してもよい。また、触媒粉あるいは触媒原料に水、バインダーおよび造孔材などを加え、基材形状に押出し成形して用いてもよく、むしろフィルター全面に均一に触媒層が形成され、PMとの接触効率が高まることで高い浄化性能を発揮できることから好ましい。また、基材に対する触媒量は特に制限されないが、対象とする内燃機関に応じてその量を適宜調整することができ、基材の体積1L当たりの触媒量が10〜300g程度となる量が好ましい。十分な浄化性能が得られ、圧損が生じない点で上記の範囲であることが好ましい。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〈粉末X線回折測定条件〉
・ X線回折装置名;PANalycal PW1700
・ 光学系;集中法光学系
・ 管球;CuKα
・ 管電圧;40kV
・ 管電流;30mA
・ 測定範囲;2θ = 3−60°
・ スキャンスピード;3°/min
・ サンプリング幅;0.05°
〈PM燃焼速度の評価方法〉
各実施例および比較例の触媒についてPM燃焼速度の評価をおこなうための評価用試料を以下の手順で調製した。擬似PMとしてカーボンブラック(CB;三菱化学社製 CB#40)を用い、触媒1gと0.05gのCBを10 mLのサンプル瓶に入れ、1分間
よく振とうした。
【0036】
評価用試料0.1 gをガラス反応管に充填し、Nを10 mL/minの流量で供給しながら500 ℃まで昇温した後、500 ℃で保持したまま、OとNの混合ガス(O濃度:21 vol.%、10 mL/min)に切換え、触媒層を通過したガスをmicro−GC装置(VARIAN社製 CP−4900)で分析し、CO濃度を測定
した。OとNの混合ガスに切換えた時点を反応開始(経過時間0秒)とし、CO濃度が0.04 %以下になった時点で全てのCBが燃焼したとみなした。反応開始からの
各経過時間におけるCB残存率は式(1)を用いて算出し、CB残存率が0 %になるま
でにかかった時間を比較することでPM燃焼速度を評価した。図3に、本発明における代表的な触媒の500℃でのPM燃焼速度の評価結果を示す。また、表1に実施例1〜9、比較例1〜6の触媒について、CB残存率が10%になるまでにかかった時間を示す。
【0037】
【数1】

【0038】
(実施例1)
市販の試薬である硝酸カルシウム・4水和物(キシダ化学社製・特級)、硝酸鉄・9水和物(キシダ化学社製・特級)をCaとFeのモル比がCa:Fe = 1 : 40となるように各硝酸塩をそれぞれ0.117 g、8.00 g秤量し、50 mLの純水に溶解
し、この混合水溶液を蒸発乾固した。得られた前駆体をメノウ乳鉢で粉砕し、Air雰囲気下で1000℃にて5時間焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕してCa−F
e複合酸化物(Fe/Ca = 40)を得た。得られたCa−Fe複合酸化物を上記の測定方法により、粉末X線回折を測定した。結果を図1に示す。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は0.075であった。
【0039】
Ca−Fe複合酸化物へのAg担持は以下の手順でおこなった。Ag担持量がCa−Fe複合酸化物の10重量%になるように調製した硝酸銀水溶液にCa−Fe複合酸化物を加え、蒸発乾固した。得られた固体をAir雰囲気下で700℃にて2時間焼成し、実施例1の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 40))を得た。得られた触媒を上記の評価方法により、PM燃焼速度を測定した。CB燃焼時間を表1に示す。
【0040】
(実施例2)
Ca:Fe = 1:20とした以外は実施例1と同様の手順で実施例2の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 20))を調製した。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は0.14であった。
(実施例3)
Ca:Fe = 1:12とした以外は実施例1と同様の手順で実施例3の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 12))を調製した。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は0.23であった。
【0041】
(実施例4)
Ca:Fe = 1:10とした以外は実施例1と同様の手順で実施例4の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 10))を調製した。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は0.29であった。
(実施例5)
Ca:Fe = 1:4とした以外は実施例1と同様の手順で実施例5の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 4))を調製した。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は1.1であった。
【0042】
(実施例6)
Ca:Fe = 1:2とした以外は実施例1と同様の手順で実施例6の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 2))を調製した。粉末X線の回折結果から、CaFe型複合酸化物のみが検出された。
(実施例7)
Ca:Fe = 7:10とした以外は実施例1と同様の手順で実施例7の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 1.4))を調製した。粉末X線の回折結果から、Feに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は2.9であった。
【0043】
(実施例8)
Ca:Fe = 1:1とした以外は実施例1と同様の手順で実施例8の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 1))を調製した。粉末X線の回折結果から、CaFe型複合酸化物が検出され、Feは検出されなかった。
(実施例9)
実施例8の担体(主成分がCaFe型複合酸化物)のFe原子の一部をMgで置換した化合物を下記の手順で調製した。
【0044】
市販の特級試薬である硝酸カルシウム・4水和物(キシダ化学社製)、硝酸鉄・9水和物(キシダ化学社製)、硝酸マグネシウム・6水和物(キシダ化学社製)をCaとFeとMgのモル比がCa:Fe:Mg = 2:1.8:0.2となるように各硝酸塩をそれぞれ5.00g、7.70g、0.54g秤量し、50 mLの純水に溶解し、この混合水
溶液を蒸発乾固した。得られた前駆体をメノウ乳鉢で粉砕し、Air雰囲気下で1000℃にて5時間焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕してCa−Fe−Mg複合酸化物を得た。
【0045】
Ca−Fe−Mg複合酸化物へのAg担持は以下の手順でおこなった。Ag担持量がCa−Fe−Mg複合酸化物の10 重量%になるように調製した硝酸銀水溶液にCa−F
e−Mg複合酸化物を加え、蒸発乾固した。得られた固体をAir雰囲気下で700℃にて2時間焼成し、実施例9の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe−Mg複合酸化物)を得た。粉末X線の回折結果から、CaFe型複合酸化物が検出され、Feは検出されなかった。
【0046】
(比較例1)
酸化物換算で質量比がCeO:ZrO = 50:50となるように硝酸セリウム・6水和物(キシダ化学社製)を5.00g、オキシ硝酸ジルコニウム・2水和物(キシダ化学社製)を10.03 g秤量し、450 mLの純水に溶解して混合水溶液を調製した。28 %アンモニア水70 mLに380 mLの純水を加えた水溶液を上記の硝酸塩混
合水溶液に滴下し、沈殿を生成させた。室温で5時間静置して熟成させた後、ろ過、水洗をおこない、得られたケーキを120 ℃、10時間乾燥させた。乾燥物をAir中で6
00 ℃、3時間焼成してCeO−ZrO(50:50)を得た。
【0047】
CeO−ZrO(50:50)へのAg担持は実施例1と同様の手順でおこない、比較例1の触媒(10重量%Ag/CeO−ZrO(50:50))を得た。
(比較例2)
LaとMnのモル比がLa:Mn = 1:1になるように硝酸ランタン・6水和物(キシダ化学社製)を4.53 g、硝酸マンガン・6水和物(キシダ化学社製)を3.00
g秤量し、40mLの純水に溶解して混合水溶液を調製し、この混合水溶液を蒸発乾固
した。得られた固体をメノウ乳鉢で粉砕し、Air雰囲気下で800℃にて10時間焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕してぺロブスカイト、LaMnOを得た。
LaMnOへのAg担持は実施例1と同様の手順でおこない、比較例2の触媒(10重量%Ag/LaMnO)を得た。
【0048】
(比較例3)
硝酸鉄・9水和物(キシダ化学社製)を8.00 g秤量して50 mLの純水に溶解し、この水溶液を蒸発乾固した。得られた前駆体をメノウ乳鉢で粉砕し、Air雰囲気下で1000℃にて5時間焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕してFeを得た。
【0049】
FeへのAg担持は実施例1と同様の手順でおこない、比較例3の触媒(10重量%Ag/Fe)を得た。
(比較例4)
Ca:Fe = 2:1とした以外は実施例1と同様の手順で比較例4の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 0.5))を調製した。粉末X線の回折結果から、CaOに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は1.1であった。
【0050】
(比較例5)
Ca:Fe = 4:1とした以外は実施例1と同様の手順で比較例5の触媒(10重量%Ag/Ca−Fe複合酸化物(Fe/Ca = 0.25))を調製した。粉末X線の回折結果から、CaOに対するCa−Fe複合酸化物の強度比は0.39であった。
(比較例6)
硝酸カルシウム・4水和物(キシダ化学社製)を8.00 g秤量して50 mLの純水
に溶解し、この水溶液を蒸発乾固した。得られた前駆体をメノウ乳鉢で粉砕し、Air雰囲気下で1000℃にて5時間焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕してCaOを得た。
【0051】
CaOへのAg担持は実施例1と同様の手順でおこない、比較例6の触媒(10重量%Ag/CaO)を得た。
図1に実施例1〜7、比較例3〜6のAg担持前の複合酸化物のX線回折パターンを示す。また、図2に実施例8、9のAg担持前の複合酸化物のX線回折パターンを示す。
粉末X線回折測定結果(図1)より、実施例1〜7の複合酸化物は、主としてスピネル構造のCaFe(Joint Committee on Powder Diffraction Standards 、以下JCPDS:32−0168)で構成される
ものであり、実施例1〜5および7は、Fe(JCPDS:01−089−0596)およびCaO(JCPDS:01−077−2376)との混合物であった。実施例6は、スピネル構造のCaFeの単一相であった。なお比較例4と5は、カルシウムと鉄の複合酸化物であるが、スピネル構造ではなかった。
【0052】
一方、粉末X線回折測定結果(図2)より、実施例8の複合酸化物は、主としてブラウンミラーライト構造のCaFe(JCPDS:01−089−8662)で構成されることがわかった。また、実施例9の複合酸化物は、主としてCaFe1.94Mg0.06(JCPDS:00−059−0859)に帰属されるピークが検出され、わずかにCaO、MgO(JCPDS:00−004−0829)およびFe(JCPDS:01−089−0688)に帰属されるピークが検出された。このことから、実施例9の触媒が、主としてCa−Fe−Mg三元系ブラウンミラーライト構造で構成されることを確認した。
【0053】
なお複合酸化物の存在比は、粉末X線回折測定におけるFe、またはCaOに対する複合酸化物のピーク高さの比率(強度比)で表すことができる。
【0054】
【表1】

【0055】
保持温度を500 ℃にした時のPM燃焼速度の評価結果(図3)より、CaFe
型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体を用いた触媒(実施例6、8、9)の方が、CeO−ZrO(50:50)やLaMnOを担体に用いた触媒(比較例1、2)よりも曲線の傾きが大きい。これはCBの燃焼速度が大きいことを意味しており、本発明の触媒のほうがCBを短時間で燃焼できることがわかる。また、表1に、CB残存率が10%に到達するまでの所要時間を示したが、Fe/Ca比が0.9以上40以下の範囲にあれば、いずれの場合においても短時間でCBを燃焼させることが可能であった。本評価では、触媒とCBの接触状態が実条件に近いとされる、すなわち、ルースコンタクト条件で評価したにも関わらず、CBの自己燃焼温度よりも約150℃も低い温度でCBを燃焼させることができることから、低温燃焼特性に優れた触媒であるといえる。
【0056】
また、CaFe型複合酸化物が主成分である実施例8と実施例9を比較すると実施例9の触媒の方がCBを短時間で燃焼したことから、2元系(Ca−Fe)よりもMgを加えた3元系(Ca−Fe−Mg)により、更に性能が向上することが示された。詳細は不明であるが、少量のMgを加えることで、格子欠陥の生成あるいは格子酸素の移動性が増加するような効果が得られ、活性点であるAgへ酸素供給がさらに迅速かつ円滑に進行するので触媒性能が向上すると推察される。
【0057】
以上の結果から、CaFe型複合酸化物及び/又はCaFe型複合酸化物を含む担体にAgを担持した本触媒は、PMを低温で燃焼させ、かつ短時間で浄化する
性能が高く、実用的な触媒であるといえる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるスートを主成分とする粒子状物質(PM)を低温かつ短時間で燃焼させることができるため、PMの堆積による圧損の上昇を防ぐことができ、かつフィルター内での温度上昇が少なくなり、フィルターへの負荷が軽減されるので耐久性も向上する。以上のことより、ディーゼル車などの内燃機関その他の燃焼機関から排出される排気ガスを極めて効果的に浄化する排ガス浄化装置の実用化が促進される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を燃焼するための排ガス浄化用触媒であって、少なくともAgを担持したCaFe型複合酸化物及び/又はAgを担持したCaFe型複合酸化物を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【請求項2】
前記CaFe型複合酸化物が、さらにMgを含み、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
CaFe(2−x)Mg(5+δ) (式中 xは0.01 ≦ x ≦ 0.2) (I)
【請求項3】
内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を燃焼するための排ガス浄化用触媒であって、Ca原子源とFe原子源を、Ca原子に対するFe原子のモル比が0.9以上40以下の範囲で混合し、混合後得られた前駆体を焼成し、焼成により得られた酸化物にAgを担持する工程により得られることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【請求項4】
前記酸化物が、CaFe型複合酸化物を含む請求項3に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項5】
前記酸化物が、CaFe型複合酸化物を含む請求項3に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項6】
Ca原子源とFe原子源に加え、さらにMg原子源を、Fe原子に対するMg原子のモル比で0.005以上0.2以下の範囲で混合することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒を含む粒子状物質捕集フィルター。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒と、基材を含む成型体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−217931(P2012−217931A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86378(P2011−86378)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】