説明

排気ガス浄化装置

【課題】プラズマ放電部で必要となる還元剤として作用する炭化水素がプラズマ放電部の上流で消費されることを抑制し、プラズマ放電部において、上流から送られてきた還元剤によってNOを有効に還元浄化することができる排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】窒素酸化物、炭化水素およびこの炭化水素に対する理論反応量より多い酸素を含む燃焼排気ガスが流れる排気ガス流路に、上流から順に第1窒素酸化物選択還元触媒部、プラズマ放電部、第2窒素酸化物選択還元触媒部および還元剤浄化触媒部を備えたものである。また、第1窒素酸化物選択還元触媒部および第2窒素酸化物選択還元触媒部の温度は、流通する燃焼排気ガス中の窒素酸化物の浄化率が最高値となる温度より低い温度に設定したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関や燃焼機器などから排出される排気ガス中の有害成分を清浄化する排気ガス浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンなどの内燃機関や燃焼機器から排出される排気ガス中には、有害成分として一般的に窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などが含まれている。排気ガス中の残存酸素(O)が極めて微量である量論燃焼によって発生した排気ガスを浄化する従来の排気ガス浄化装置として、三元触媒を用いる装置が実用化されている。この三元触媒にエンジンから排出される排気ガスを接触させることで、排気ガス中に含まれる有害成分は、水(HO)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)などの無害な成分に転化される。
【0003】
近年、自動車用エンジンにおいて、燃費を良くするために通常よりも少ないガソリンの量で燃焼させるシステムをもったリーンバーンエンジンが注目されている。リーンバーンとは希薄燃焼のことで、このリーンバーンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスや、工場の燃焼機器や家庭用のファンヒータなどの排気ガス中には酸素が多く含まれており、上述のような三元触媒を用いる方法では、有害成分のひとつである窒素酸化物(NO)の浄化が困難である。
【0004】
このような多くの酸素を含んだ排気ガスを浄化する方法として、例えば排気ガス流路の上流から第1の三元触媒部、プラズマ放電部、第2の三元触媒部を備えた排気ガス浄化装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、別の方法として、排気ガス流路の上流から酸化触媒部、プラズマ放電部、NO吸蔵還元触媒部を備えた排気ガス浄化装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらには、排気ガス流路の上流からプラズマ放電部、第1還元浄化触媒部、第2還元浄化触媒部を備えた排気ガス浄化装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−317535号公報(3−4頁、図1)
【特許文献2】特開2002−256853号公報(3頁、図1)
【特許文献3】特開2004−305841号公報(3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、排気ガス流路の上流から第1の三元触媒部、プラズマ放電部、第2の三元触媒部を備えた従来の排気ガス浄化装置においては、排気ガス中に酸素が多く含まれている場合には、触媒として白金やロジウムを用いた第1の三元触媒部においてNOの還元反応よりも還元剤のOとの酸化反応が優先的に進行するため、プラズマ放電部でのNOの浄化に必要な還元剤となる炭化水素の大部分が消費されてしまう。その結果、これらの触媒部の下流にあるプラズマ放電部には還元剤となる炭化水素が供給されないため、プラズマ放電部では、排気ガス中の酸素や水蒸気のプラズマ反応で酸化力の強いOH(OHラジカル)やO(Oラジカル)が生成し、プラズマ反応だけでNOを還元浄化することが困難になるという課題がある(式中*は原子または分子が励起状態であることを示す)。
【0007】
また、排気ガス流路の上流から酸化触媒部、プラズマ放電部、NO吸蔵還元触媒部を備えた従来の排気ガス浄化装置においては、最上流部の酸化触媒部で炭化水素が酸化されて消費され、その下流にあるプラズマ処理部に還元剤となる炭化水素が供給されず、プラズマ放電部では、排気ガス中の酸素や水蒸気のプラズマ反応で酸化力の強いOH(OHラジカル)やO(Oラジカル)が生成し、プラズマ反応だけでNOを還元浄化することが困難になるという課題がある。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、プラズマ放電部で必要となる還元剤となる炭化水素がプラズマ放電部の上流で消費されることを抑制し、プラズマ放電部において、上流から送られてきた還元剤によってNOを有効に還元浄化することができる排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る排気ガス浄化装置は、窒素酸化物、炭化水素およびこの炭化水素に対する理論反応量より多い酸素を含む燃焼排気ガスが流れる排気ガス流路に、上流から順に第1窒素酸化物選択還元触媒部、プラズマ放電部、第2窒素酸化物選択還元触媒部および還元剤浄化触媒部を備えたものである。
【0010】
さらに、第1窒素酸化物選択還元触媒部および第2窒素酸化物選択還元触媒部の温度を、流通する窒素酸化物の浄化率が最高値となる温度より低い温度に設定したものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る排気ガス浄化装置においては、最上流部に第1窒素酸化物選択還元触媒部を配置しているので排気ガス中の炭化水素、中でも反応性の高い炭化水素(例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなど)を最初にNOの還元へ有効に利用することができる。
【0012】
さらに、この第1窒素酸化物選択還元触媒部の温度を流通する窒素酸化物の浄化率が最高値となる温度より低く、すなわち燃焼排気ガス中の炭化水素が全量酸化される温度より低い温度に設定しているので、第1窒素酸化物選択還元触媒部おいて、下流のプラズマ放電部でNOを還元して浄化するために必要な炭化水素が全量消費されることを抑制することができる。その結果、プラズマ放電部において、上流から送られてきた反応性の低い炭化水素(例えば、プロピレンなどの飽和炭化水素や、芳香族炭化水素)をプラズマ反応で発生させたラジカルによってさらに反応性の高い炭化水素に変換し、プラズマ放電部の下流に配置した第2窒素酸化物選択還元触媒部を配置し、この第2窒素酸化物選択還元触媒部の温度を流通する燃焼排気ガス中の炭化水素が全量酸化される温度より低い温度に設定しているので、第2窒素酸化物選択還元触媒部において、NOを有効に還元浄化することができる。さらにその下流の還元剤浄化触媒部において、残存したHCおよびNOを反応させて、燃焼排気ガス中の有害成分を高い比率で浄化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る排気ガス浄化装置の構成図であり、例えば自動車用のエンジンに接続された状態を示している。自動車用のエンジンとしては、例えばガソリン用リーンバーンエンジンなどがある。図1において、エンジン1の内部にはシリンダー(図示せず)が数本備えられており、このシリンダー内部で燃料が燃焼されて発生した排気ガスは、シリンダーに接続された排気マニホールド2から一本の排気管の排気ガス流路3に排出される。この排気ガス流路3には排気ガス流路3を冷却する冷却手段(図示せず)、例えば冷却ファンや走行風導入装置などが設置されている。さらに、この排気ガス流路3には上流から、本実施の形態の排気ガス浄化装置を構成する、第1窒素酸化物選択還元触媒部4、プラズマ放電部5、第2窒素酸化物選択還元触媒部6および還元剤浄化触媒部7の順で設けられている。プラズマ放電部5には、プラズマ制御装置8および高電圧電源9が接続されている。プラズマ制御装置8は、プラズマ放電部5のプラズマの生成状況をモニタすると共に、エンジン1の回転数や排気ガス温度などの情報に基づいて、高電圧電源9などを制御して、プラズマ放電部5のプラズマ生成量を制御する。
【0014】
本実施の形態における第1窒素酸化物選択還元触媒部4、第2窒素酸化物選択還元触媒部6および還元剤浄化触媒部7は、例えば蜂の巣状のハニカムセラミック基材に触媒が担持されたものを用いることができる。第1窒素酸化物選択還元触媒部4や第2窒素酸化物選択還元触媒部6に用いる触媒としては、例えばセラミック基材に窒素酸化物の清浄化反応に有効とされているアルミナに担持した銀触媒やゼオライトに担持した銀触媒などがある。これらの触媒は、窒素酸化物を選択的に還元する機能を有したものであれば、銀触媒に限定されるものではなく、例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウムおよび金などの貴金属、もしくは多孔質アルミナ、ゼオライト、酸化チタンのような多孔質触媒なども適用可能である。また、還元剤浄化触媒部7に用いる触媒としては、炭化水素に対する酸化能力に優れた白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムなどの貴金属をアルミナやゼオライトなどに担持した触媒が有効である。
【0015】
図2は、本実施の形態におけるプラズマ放電部5の断面模式図である。プラズマ放電部5は、積層体10で構成されている。積層体10は、高電圧電極11と接地電極12と平板セラミックスからなる板状の誘電体13とが交互に積層された構造である。一対の高電圧電極11と接地電極12とで放電電極を構成している。高電圧電極11および接地電極12は、例えばステンレス製のパンチングメタル(微小な開孔が形成された板状の金属)を用いることができる。高電圧電極11および接地電極12には、凹部11a、12a、凸部11b、12bからなる凹凸が交互に形成されている。凹部11a、12aは平坦状に形成されている。これらの電極の凹部11a、12aと凸部11b、12bによって隣り合う誘電体13相互の間に排気ガスを通流する間隙部14が形成される。支柱15は、四角形の固定板16の角部近傍に1本ずつ計4本固定支持されて立設されている。4本の支柱15に直交する方向に誘電体13を載置し、その上に、高電圧電極11の貫通孔(図示せず)に手前の支柱15を挿通させるようにして高電圧電極11を積層し、次に誘電体13を高電圧電極11の凸部11bの上に載置した後、接地電極12に設けられた同様の貫通孔(図示せず)の中に奥の支柱15を挿通させるようにして接地電極12を積層する。以降同様に高電圧電極11と接地電極12とを誘電体13を介して交互に積層し、所要数の積層の上に断熱材17を介して押さえ板18を載せて積層体10を構成している。
【0016】
上記のように、固定板16と押さえ板18で、誘電体13を介して積層された放電電極群を押さえ込むことで、すべての部材を固定することができる。例えば、四角い筒の中にこの積層体10を挿入することで、積層された放電電極群を固定すると同時に、排気ガスの配管の一部として使用することができる。固定板16および押さえ板18の材質は、金属、絶縁物どちらでもよい。また、断熱材17としては、例えばガラスウールや石英ウールなどを用いることができ、その他に綿状になった素材で弾力性があり、通気性のよくないものなどを用いることができる。また、スチールウールや、スプリングなどを密に並べたものなどでもよい。
【0017】
次に、本実施の形態における、排気ガス浄化装置の動作について説明する。
【0018】
まず始めに、第1窒素酸化物選択還元触媒部4の動作について説明する。第1窒素酸化物選択還元触媒部4には、エンジン1からの排気ガスが導入され、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、NOと記す)と、同じく排気ガス中に含まれる炭化水素(以下、HCと記す)のなかでも窒素酸化物との反応性に優れるアルデヒド類、アルコール類などのHCとが反応して清浄化処理が進行し、NOとHCの一部がN、COおよびHOへと転化される。
【0019】
図3および図4は、本実施の形態の排気ガス浄化装置に係る第1窒素酸化物選択還元触媒部4における、触媒温度とNO浄化率およびHC浄化率との関係を示す特性図である。図3および図4において、NO浄化率およびHC浄化率は下式で表される値である。
NO浄化率(%)=(触媒部入口NO濃度−触媒部出口NO濃度)/(触媒部入口NO濃度)
HC浄化率(%)=(触媒部入口HC濃度−触媒部出口HC濃度)/(触媒部入口HC濃度)
図3および図4は、第1窒素酸化物選択還元触媒部4に用いる触媒として、アルミナに担持した銀触媒を用いたときの浄化率である。図中のaで示す特性曲線は、NOとしてNOを、還元剤となるHCとしてアセトアルデヒドのみを流した場合であり、図3から第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度が320℃程度でNOが効率よく浄化されることがわかる。また図4からHCであるアセトアルデヒドは、400℃程度になるとほぼ全量が酸化される。このようにHCが全量近く酸化される高温にすると、反応性の高いHCであるアセトアルデヒドなどの還元剤はNO+HCの選択還元反応よりもO+HCの酸化反応が優先的に進行する。その結果、還元剤であるHCがOとの酸化反応で消費されてしまうために、NOの浄化率は低下する。したがって、HCを全量酸化することのない温度、すなわち図3のNO浄化率が最高値を示す温度より低い温度に第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度を設定することで還元剤のHCを無効消費することなく高いNO浄化率を達成できる。第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度が、NO浄化率が最高値を示す温度より高い場合には、排気ガス流路3に設置された冷却手段を動作させて排気ガス流路3および排気ガスを冷却して、NO浄化率が最高値を示す温度より低くなるようにする。
【0020】
一方、図3の曲線b、図4の曲線bおよび曲線b’で示す特性曲線は、エンジン1からの排気ガスを第1窒素酸化物選択還元触媒4に流した場合の特性である。図4の曲線bはエンジン排気ガスの中のアセトアルデヒドの浄化率を、曲線b’はエンジン排気ガスに含まれる全HCの浄化率を示したものである。エンジン1からの排気ガスの場合は、300℃程度では排気ガスに含まれるアセトアルデヒド以外のHC、特にNOとの反応性の低いHCが触媒表面に吸着し炭素析出を生じて触媒の反応性を劣化させるために、アセトアルデヒドだけを流した場合(特性曲線a)と比較して、NO浄化率が低くなる。曲線b’のように300℃程度では全HCの浄化率は低く、反応性の低いHCは酸化されにくいため、触媒表面に吸着して反応を阻害する。実際に、300℃程度でエンジン排気ガスを流した第1窒素酸化物選択還元触媒部4の触媒の表面は、炭素が付着して茶色に変色している場合がある。このNOとの反応性の低いHCによる触媒表面への炭素析出は、触媒部の温度を430℃程度まで高温にすることで反応性の低いHCの酸化反応を適度に促進して炭素析出を防止でき、NO浄化率が最も高くなる。この温度でのアセトアルデヒドの浄化率は約90%であり、全HCの浄化率(曲線b’)は約20%である。この430℃でHCの全量が酸化されるわけではないものの、300℃で触媒表面に吸着していたHCが酸化されるため、430℃では触媒の茶色の変色はみられない。
【0021】
したがって、エンジン1からの排気ガスを第1窒素酸化物選択還元触媒部4に流し、第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度を430℃に設定して触媒部出口で排気ガス成分を測定すると、HCの中でも反応性の高い炭化水素であるアルデヒド類やアルコール類は触媒で反応してほぼ無くなり、それらの炭化水素以外のHCが検出される。反応性の高いHCがほぼ全量酸化された場合でも、それら以外のHCは残っており、下流側のプラズマ放電部5へ供給されて利用される。
第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度を500℃程度の高温にすると、アセトアルデヒドを流した場合(曲線a)と同様に、アセトアルデヒドなどの反応性の高いHCとOとの酸化反応が優先するためNOと反応するHCが減少してNO浄化率は低下する。このように、第1窒素酸化物選択還元触媒4の温度を500℃程度の高温にせず、NOx浄化率が最高値を示す温度である約430℃より低い温度に設定することで、反応性の高いHCがOによって無効消費されることを防止できる。第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度が例えば500℃以上の高温になった場合は、排気ガス流路3に設置された冷却手段を動作させて第1窒素酸化物選択還元触媒部4の温度をNO浄化率が最高値を示す温度である約430℃より低い温度にすることで、還元剤のHCを無効消費することがなくなる。
【0022】
第1窒素酸化物選択還元触媒4の温度が380℃程度まで低い温度になった場合は、アセトアルデヒドの浄化率は曲線bで示されるように60%程度まで低下する。この場合は、第1窒素酸化物選択還元触媒4で使用されないアセトアルデヒドなどの反応性の高いHCは、下流の第2窒素酸化物選択還元触媒6で再度利用することが可能である。
このように第1窒素酸化物選択還元触媒部4を最上流に配置してNO浄化率が最高値を示す温度より低い温度に設定することで、排気ガス中のNO還元に有効な反応性の高い炭化水素を効率的に利用できる。
【0023】
次に、プラズマ放電部5での動作について説明する。プラズマ放電部5の放電電極の間の排気ガスを通過させ、放電電極間に発生させたプラズマで処理することで、排気ガス中の酸素分子や水分子に次式に示すような解離を生じさせる。なお、式中*は原子または分子が励起状態であることを示す。
【0024】
→2O
O→H+OH
とOHは、下記反応式に示すように、反応性の低い飽和炭化水素や芳香族炭化水素あるいはNOと反応して、最終的により反応性の高いホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはNOなどに転化する。
【0025】
HC+O(またはOH)→アルデヒドなど
NO+O→NO
プラズマ放電部5においては、酸素や水蒸気が含まれる排気ガスを放電プラズマ処理することにより、上式に示す放電化学反応により、排気ガス中の有害ガス(HC、NO)を反応性の高い還元性ガス(アルデヒド)や酸化性ガス(NO)に転化することができ、排気ガスの浄化機能が向上する。特に排気ガス中に酸素が多く含まれるエンジンの排気ガスの浄化に効果的である。
【0026】
プラズマ放電部を単独で用いて模擬ガスを処理した試験結果について説明する。模擬ガスとして、窒素を主成分とし、反応性の低い炭化水素(HC)としてプロピレン:3800ppm(炭素濃度換算=メタン換算で11400ppmC)、O:1体積%および水分:10体積%を含んだガスを使用した。さらに、この試験における模擬ガスの温度およびその流量を、プラズマ放電部5の入口において、ガス温度:320℃、ガス流量:15L/minとした。
【0027】
高電圧電極11および接地電極12として、ステンレス製のパンチングメタルを使用し、凸部11b、12bの凹部11a、12aに対する高さを5mmとした。誘電体13として、緻密体アルミナ製の平板セラミックスを用いた。また、高電圧電源9としては、2次側定格電圧15kVの正弦波出力を持つトランスを用いた。このときの正弦波の周波数は60Hzとした。
【0028】
この試験においては、放電によって消費された電力をW(J/s)とし、模擬ガスの風量をQ(L/s)としたとき、模擬ガス1Lあたりの処理に消費された放電電力W/Q(J/L)という値で評価した。図5は、この試験における、放電電力とHC分解量との関係を示した特性図である。図5において、HCの分解量を△THC(ppmC)のメタン換算濃度として、W/Q(J/L)に対しての関係を示している。図5から明らかなように、W/Qが増加するほど△THCの量が増加してHCの分解が促進することがわかる。W/Qが140J/LにおけるHCの分解量△THCは約1150ppmCであり、分解率は約10%程度であった。また、プラズマ放電部5の出口におけるガスの成分測定を行ったところ、反応性の高い炭化水素であるアセトアルデヒドが検出され、プラズマ放電部5でNOxの触媒還元反応に有効なアルデヒドがプロピレンから生成されることが確認された。
【0029】
したがって、第1窒素酸化物選択還元触媒部4を430℃程度にした場合は、アセトアルデヒドの浄化率は約90%であり、プラズマ放電部5へ供給されるアセトアルデヒドは少量であるが、第1窒素酸化物選択還元触媒部4の全HCの浄化率は約20%であり、プロピレンなどのHCがプラズマ放電部5へ供給される。プラズマ放電部5ではこのプロピレンなどから反応性の高いアセトアルデヒドなどのHCを生成することが可能である。
【0030】
次に、第2窒素酸化物選択還元触媒部6の動作について説明する。第2窒素酸化物選択還元触媒部6に、プラズマ放電部5で活性化された排気ガス、すなわちプロピレンなどから生成したアセトアルデヒドなどを含む排気ガスが導入されると、第1窒素酸化物選択還元触媒部4と同様に排気ガスに含まれるNOと反応性の高いアルデヒド類などのHCとが反応して清浄化処理が進行し、NOとHCの一部とが効率的にN、CO、HOへ転化する。第2窒素酸化物選択還元触媒部6を、窒素酸化物の浄化率が最高値を示す温度より低く、すなわち炭化水素を全量酸化することのない温度にすることで排気ガス中のNO還元に有効な反応性の高い炭化水素を効率的に利用できることは第1窒素酸化物選択還元触媒4と同様である。また、上流のプラズマ放電部5ではプラズマ反応に伴う発熱もあるため、第2窒素酸化物選択還元触媒部6はできるだけプラズマ放電部5に接近して配置した方が好ましい。このことはプラズマ反応で生成した反応性の高い炭化水素が排気ガス流路3の壁面などに吸着することを防止する観点からも好ましい。第2窒素酸化物選択還元触媒部6を通過した排気ガスにおいては、NOは大部分が浄化され一部だけが残った状態であり、反応性の高い炭化水素(アルデヒド類やアルコール類など)はほぼなくなり、それら以外のHCが残った状態となる。
【0031】
最後に、還元剤浄化触媒部7の動作について説明する。還元剤浄化触媒部7に供給される排気ガスは、上述の反応性の高い炭化水素(アルデヒド類やアルコール類など)は含まれずそれら以外の炭化水素が残留したガスであり、僅かながらのNOも残存している。排気ガスの炭化水素(HC)を完全に酸化して浄化するために、還元剤浄化触媒部7の触媒としては、酸化能力に優れた白金系金属の触媒が望ましい。アルミナに担持した白金触媒やパラジウム触媒は、HCとOの酸化反応に優れているので好適である。還元剤浄化触媒部7の触媒としてアルミナに担持した白金触媒を用いた場合、温度を300℃以上にすることでHCのほぼ全量が酸化浄化されることが確認できた。白金触媒のNO浄化率は、前述した銀触媒ほど高くないものの、HCが酸化される過程で若干のNOは浄化されるため、NO浄化率も多少向上する。なお、還元剤浄化触媒部7の触媒として、白金触媒に比較してHCの酸化能力の弱い銀触媒などを適用する場合には、その動作温度を高く設定することでHCの酸化能力を向上させて浄化することが可能である。
【0032】
上述のように、本実施の形態における排気ガス浄化装置によれば、最上流に第1窒素酸化物選択還元触媒部を配置しているので排気ガス中の炭化水素、中でも反応性の高い炭化水素(例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなど)を最初にNOの還元へ有効に利用することができる。さらに、この第1窒素酸化物選択還元触媒部の温度を窒素酸化物の浄化率が最高値を示す温度より低い温度、すなわち燃焼排気ガス中の炭化水素が全量酸化されることのない温度に設定して反応性の高い炭化水素を最大限に利用してNOを還元し、次のプラズマ放電部において反応性の低い炭化水素を反応性の高い炭化水素に変換し、次の第2窒素酸化物選択還元触媒部において反応性の高い炭化水素で残っているNOを効率的に還元し、最下流の還元剤浄化触媒部において残った炭化水素を全量反応させて有害ガスを浄化しているので、排気ガス中に含まれる有害成分の浄化率を向上させることができる。
【0033】
実施の形態2.
図6は、この発明を実施するための実施の形態2に係る排気ガス浄化装置の構成図であり、例えば自動車用のエンジンに接続された状態を示している。本実施の形態においては、実施の形態1で説明した第1窒素酸化物選択還元触媒部とプラズマ放電部とが一体化された触媒プラズマ一体部20が、それらに変わって排気ガス流路3に設けられている。排気ガス流路3には、上流から触媒プラズマ一体部20、第2窒素酸化物選択還元触媒部6および還元剤浄化触媒部7の順で設けられている。触媒プラズマ一体部20には、プラズマ制御装置8および高電圧電源9が接続されている。プラズマ制御装置8は、触媒プラズマ一体部20のプラズマの生成状況をモニタすると共に、エンジン1の回転数や排気ガス温度などの情報に基づいて、高電圧電源9などを制御して、触媒プラズマ一体部20のプラズマ生成量を制御する。
【0034】
図7は、本実施の形態における、触媒プラズマ一体部の断面模式図である。高電圧電極11、接地電極12、誘電体13などで構成された積層体10は、実施の形態1と同様な構成である。本実施の形態において、触媒プラズマ一体部では、誘電体13の下向きの面に触媒層21が形成されている。誘電体13は、例えば平板状のセラミックスを用いることができ、このセラミックの表面に例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金および銀などの貴金属触媒を塗布して触媒層21を形成することができる。また、多孔質アルミナ、ゼオライト、酸化チタンのような多孔質触媒の粒子を塗布して触媒層21を形成することも可能であり、さらには、これらの多孔質触媒に上述の貴金属触媒を担持させて、多孔質触媒と貴金属触媒とを併用することもできる。高電圧電極11および接地電極12は実施の形態1と同様にステンレス製のパンチングメタルを使用することができる。なお、本実施の形態において、触媒層21は、誘電体13の下向きの面の全面に形成されているが、高電圧電極11および接地電極12の凸部11b、12bと誘電体13とに挟まれる部分には、触媒層21を形成しなくてもよい。なぜなら、誘電体14と電極とが接する部分には排気ガスが接触しないので、触媒層21が形成されている必要がないと共に、誘電体13と電極との振動による触媒層21を形成している触媒の脱落を防ぐ効果もある。
【0035】
このように構成された排気ガス浄化装置においては、触媒プラズマ一体部20の誘電体13の一方の表面に触媒層21が形成されているので、排気ガスが間隙部13を流れる際に、NOおよび反応性の高いアルデヒドなどの炭化水素は触媒層21に接触して浄化される。このとき、一部のアルデヒドなどは、プラズマ反応で排気ガス中の酸素や水蒸気から生成した酸化力の強いOH(OHラジカル)やO(Oラジカル)などで酸化されるものの、一方でプラズマ反応により飽和炭化水素や芳香族炭化水素などの反応性の低い炭化水素からアルデヒドなどの反応性の高い炭化水素に転化され、この反応性の高い炭化水素は同一空間にある触媒層21の触媒と即座に反応して浄化される。
【0036】
一方、本実施の形態のように触媒プラズマ一体部に触媒層が形成されていない場合、すなわち、実施の形態1において第1窒素酸化物選択還元触媒部が除かれてプラズマ放電部が最上流部に配置された場合、プラズマ反応によって排気ガス中の酸素や水蒸気から生成された酸化力の強いOH(OHラジカル)やO(Oラジカル)が、排気ガスに含まれている反応性の高い炭化水素などを酸化消費してしまう。その結果、第2窒素酸化物選択還元触媒部4へ送られる反応性の高い炭化水素がほとんどなくなるために、第2窒素酸化物選択還元触媒部4において、NOおよびHCの一部が、N、CO、HOなどへ転化されなくなるために浄化効率が低下する。
【0037】
本実施の形態のように、第1窒素酸化物選択還元触媒部とプラズマ放電部とを一体化して触媒プラズマ一体部とすることにより、実施の形態1と同様に、第2窒素酸化物選択還元触媒部において反応性の高い炭化水素で残っているNOを効率的に還元し、最下流の還元剤浄化触媒部において残った炭化水素を全量反応させて有害ガスを浄化しているので、排気ガス中に含まれる有害成分の浄化率を向上させることができる。
【0038】
また、本実施の形態においては、第1窒素酸化物選択還元触媒部とプラズマ放電部とを一体にして触媒プラズマ一体部を構成しているので、装置の小型化が可能となるとともに、触媒層とプラズマ放電部との間にガス流路が存在しないため、実施の形態1において多少発生する排気ガス流路の管壁に排気ガス成分が吸着されることもない。
【0039】
なお、本実施の形態においては、触媒層21を誘電体13の下向きの面にのみ形成していたが、誘電体13の両面に形成してもよい。また、触媒プラズマ一体部の上流部の積層体10の内部の間隔部14に対応する誘電体の面にのみ形成したり、触媒層21の触媒の塗布密度に分布をもたせ、上流部の触媒層の触媒の塗布密度を下流部よりも多くしたりしてもよい。塗布密度の制御は、例えば、触媒層の厚さを上流部では厚く下流部では薄くしたり、触媒層の塗布濃度を上流部では高く下流部では低くしたりすることで可能となる。このように構成することにより、排気ガス中のNOやHCは、まず上流部の触媒層21で反応して浄化される。その後に触媒層21が形成されていない、あるいは触媒層21の厚さが上流部より薄い下流部のプラズマ空間に流入することで、プラズマ放電で生成した新たな反応性の高いHCとNOとが反応する割合が上昇し、さらにNOの浄化が促進される。
【0040】
実施の形態3.
実施の形態2においては、触媒プラズマ一体部の温度をとくに制御していないが、触媒層の触媒の温度とNO浄化率とには実施の形態1の図3に示したように最適な温度領域がある。実施の形態3においては、触媒プラズマ一体部に温度センサーを設置して、この温度センサーによって検知した触媒プラズマ一体部の温度に基づいて、プラズマ制御装置および高電圧電源を制御するものである。
【0041】
本実施の形態の動作について具体的に説明する。エンジンが始動された後、排気ガスの温度が徐々に上昇し、それに伴って触媒プラズマ一体部の温度が上昇する。温度センサーで検知される温度が、例えば400℃に達したときに、高電圧電源を制御して触媒プラズマ一体部のプラズマ電力を減少させて、温度上昇を抑える。逆に、エンジンの回転数が低下するなどして、排気ガスの温度が低下し、それに伴って触媒プラズマ一体部の温度が低下したときは、高電圧電源を制御して触媒プラズマ一体部のプラズマ電力を増加させて触媒プラズマ一体部の温度をある一定の範囲、例えば280〜400℃(図3の曲線aにおいて、NO浄化率80%以上の温度範囲)に保つように制御する。
【0042】
このように制御された排気ガス浄化装置においては、触媒プラズマ一体部の触媒層の温度を浄化能力の高い温度範囲に保つことができるので、エンジンの動作状況によって排気ガスの温度が変化しても、高い浄化能力を発揮することができる。
【0043】
実施の形態4.
図8は、この発明を実施するための実施の形態4に係る排気ガス浄化装置の構成図であり、例えば自動車用のエンジンに接続された状態を示している。本実施の形態においては、実施の形態1で説明したプラズマ放電部と第2窒素酸化物選択還元触媒部とが一体化された、触媒プラズマ一体部20が、それらに変わって排気ガス流路3に設けられている。排気ガス流路3には、上流から第1窒素酸化物選択還元触媒部4、触媒プラズマ一体部20および還元剤浄化触媒部7の順で設けられている。触媒プラズマ一体部20には、プラズマ制御装置8および高電圧電源9が接続されている。プラズマ制御装置8は、触媒プラズマ一体部20のプラズマの生成状況をモニタすると共に、エンジン1の回転数や排気ガス温度などの情報に基づいて、高電圧電源9などを制御して、触媒プラズマ一体部20のプラズマ生成量を制御する。触媒プラズマ一体部20は、実施の形態2で説明した触媒プラズマ一体部と同様な構成である。
【0044】
このように構成された排気ガス浄化装置においては、エンジン1からの排気ガスが適切な温度で第1窒素酸化物選択還元触媒部4に導入されると、排気ガスに含まれるNOと反応性に優れるアルデヒド類、アルコール類などの炭化水素とが反応して清浄化処理が進行し、NOおよび炭化水素の一部が効率的にN、CO、HOへ転化される。第1窒素酸化物選択還元触媒部4の出口では、アルデヒド類やアルコール類はほとんどなくなり、その他の飽和炭化水素や芳香族炭化水素などが残った状態となる。このような成分を含んだ排気ガスが、触媒プラズマ一体部20に導入されると、プラズマ反応によって飽和炭化水素、芳香族炭化水素およびNOから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはNOなどが生じる。これらの還元剤となる反応性の高い炭化水素(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)や酸化性ガス(NO)は同一空間にある触媒層と即座に反応して清浄化される。
【0045】
本実施の形態のように、第2窒素酸化物選択還元触媒部とプラズマ放電部とを一体化して触媒プラズマ一体部とすることにより、実施の形態1と同様に、第1窒素酸化物選択還元触媒部において反応性の高い炭化水素がほぼ全量NOの還元に使われるので、触媒プラズマ一体部22においてこれらの反応性の高い炭化水素が無効に消費されることはない。
【0046】
また、本実施の形態においては、プラズマ放電部と第2窒素酸化物選択還元触媒部とを一体にして触媒プラズマ一体部を構成しているので、装置の小型化が可能となるとともに、触媒層とプラズマ放電部との間にガス流路が存在しないため、実施の形態1において多少発生する排気ガス流路の管壁に排気ガス成分が吸着されることもない。さらには、実施の形態1においては、排気ガスがガス流路を上流から下流へと流れる間に徐々に排気ガス温度が低下して、第2窒素酸化物選択還元触媒部では触媒層の浄化率の高い温度領域より低い温度になる場合があるが、本実施の形態においては、プラズマ放電部と第2窒素酸化物選択還元触媒部とを一体にして触媒プラズマ一体部を構成しているので、プラズマ放電で発生する熱で触媒層の温度が上昇するので、触媒層の浄化率を高くできるという効果もある。
【0047】
なお、触媒プラズマ一体部に温度センサーを設置し、この温度センサーで触媒プラズマ一体部の温度を検知して、実施の形態3において説明したように、触媒プラズマ一体部の触媒層の温度をある一定の範囲に保つように制御することにより、エンジンの動作状況によって排気ガスの温度が変化しても、高い浄化能力を発揮することができる。
【0048】
なお、実施の形態1〜4の排気ガス浄化装置は、ガソリン用リーンバーンエンジンから排気される排気ガスの有害成分を清浄化するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ディーゼルエンジンや船舶のエンジン、その他の燃焼装置の排気ガスにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1における排気ガス浄化装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるプラズマ放電部の模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1における触媒部の特性図である。
【図4】この発明の実施の形態1における触媒部の特性図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるプラズマ放電部の特性図である。
【図6】この発明の実施の形態2における排気ガス浄化装置の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2におけるプラズマ放電部の模式図である。
【図8】この発明の実施の形態4における排気ガス浄化装置の構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1 エンジン
2 排気マニホールド
3 排気ガス流路
4 第1窒素酸化物選択還元触媒部
5 プラズマ放電部
6 第2窒素酸化物選択還元触媒部
7 還元剤浄化触媒部
8 プラズマ制御装置
9 高電圧電源
10 積層体
11 高電圧電極
12 接地電極
11a、12a 凹部
11b、12b 凸部
13 誘電体
14 間隔部
15 支柱
16 固定板
17 断熱材
18 押さえ板
20 触媒プラズマ一体部
21 触媒層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素酸化物、炭化水素およびこの炭化水素に対する理論反応量より多い酸素を含む燃焼排気ガスが流れる排気ガス流路に、上流から順に第1窒素酸化物選択還元触媒部、プラズマ放電部、第2窒素酸化物選択還元触媒部および還元剤浄化触媒部を備えたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項2】
第1窒素酸化物選択還元触媒部および第2窒素酸化物選択還元触媒部の温度は、流通する燃焼排気ガス中の窒素酸化物の浄化率が最高値となる温度より低い温度に設定されたことを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化装置。
【請求項3】
プラズマ放電部は温度センサーを備え、この温度センサーで検出される温度に応じて前記プラズマ放電部へ供給する電力を制御して、前記プラズマ放電部の温度を所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化装置。
【請求項4】
第1窒素酸化物選択還元触媒部および第2窒素酸化物選択還元触媒部の少なくとも一方とプラズマ放電部とを一体化して触媒プラズマ一体部とし、
前記触媒プラズマ一体部の温度は、流通する窒素酸化物の浄化率が最高値となる温度より低い温度に設定されることを特徴とする請求項2記載の排気ガス浄化装置。
【請求項5】
触媒プラズマ一体部は、対向する2つの電極と誘電体とから構成される放電電極を備え、前記誘電体の表面に窒素酸化物選択還元触媒が添着されており、前記2つの電極間に電圧を印加することでプラズマを発生させることを特徴とする請求項4記載の排気ガス浄化装置。
【請求項6】
触媒プラズマ一体部は温度センサーを備え、この温度センサーで検出される温度に応じて前記触媒プラズマ一体部へ供給する電力を制御して、前記触媒プラズマ一体部の温度を所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項4記載の排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−270560(P2009−270560A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247031(P2008−247031)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】