説明

排気装置内の後処理装置の面詰まり防止

配置される通路の面詰まりを防止及び/又は除去する、後処理装置用の吸気口面である。前記吸気口面は、基材の端部で外面に配置された特定の端面を備える。前記端面は、前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造、前記基材の前記端部に塗布されたケミカルコーティング、又は前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造と前記三次元トポグラフィカル構造に塗布されたケミカルコーティングの両方のうちの少なくとも1つを備える。一例として、前記吸気口面は、炭素煤や他のエンジン排気副産物などといったエンジン排気物質に起因し得る炭素質の汚れを防止するのに役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、カミンズ・フィルトレイション・アイピー・インク.の名で出願されたPCT国際出願であって、2007年7月2日に出願された「排気装置内の後処理装置の面詰まり防止」と題する米国特許出願第11/772619号の優先権を主張する。
【0002】
流体通路内の面詰まり(face-plugging)を防止及び/又は除去する吸気口面を開示する。一例として、内燃機関の排気などからの排気物質が元で、そのような後処理装置の吸気口面に堆積し得る炭素質の汚れ及び/又は未燃炭化水素の蓄積物を防止及び/又は除去するために、様々な後処理装置にとってとりわけ有用な吸気口面を提供する。ここで開示する吸気口面は、それによりエンジンの排気システム内での排圧の増加を防止することができる。
【背景技術】
【0003】
触媒及び無触媒後処理装置は周知であり、様々な内部燃焼エンジン用途でエンジンの排気ガスの後処理に幅広く用いられている。例えば、後処理装置は、エンジンの排気流内の一酸化炭素、一酸化窒素、未燃炭化水素や煤などの排気物質を処理及び/又は取り除くのに有用である。
【0004】
粒子フィルタは、その内面が触媒加工されていない場合もあるが、多くの後処理装置では、ハニカム構造の内側に多くの場合似たセル構造の流体通路内の内面に塗布された触媒ウォッシュコートが一般的に用いられる。不要な排気物質が、触媒ウォッシュコートの触媒物質と反応し、それによって不要な排気物質が減少する。
【0005】
しかしながら、これらの後処理装置の吸気口面での流体通路の面詰まりは、特定の動作状態で引き続き問題となっている。具体的な一例として、そのような問題のある動作状態は、限定されないが例えば、長時間に渡るアイドリング動作などあまり激しくない動作周期時にディーゼルエンジンを動作させた場合に起こり得る。頻繁な開始/停止動作や他の過渡動作状態も問題となり得る。さらに、低い動作周辺温度時、又は220℃から400℃などの比較的低い排気温度の範囲内では、ディーゼルエンジン後処理用途に用いられる後処理装置の吸気口面で面詰まりが起こることが知られている。吸気口面でのそのような面詰まり又は汚れは、後処理装置の吸気口面におけるセル構造の外面に蓄積する排気物質及び/又は煤粒子などといった残滓と定義されており、後処理装置の開口前端領域を実質上減少させる。面詰まりは問題である。何故ならそれが後処理又は排気システム内の排圧の急激な上昇を招き、その結果としてエンジンの動作に影響を与え、システム効率を低下させ得るからである。そのような問題のある動作状態で煤/コークス堆積物の形成を防止するのは有益であろう。よって、後処理装置の吸気口面で面詰まり又は汚れを防止及び/又は除去することができる改善された吸気口面を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
以下の技術的開示は、後処理装置の吸気口用などの改善された吸気口面を提供する。一つの利点は、その改善された吸気口面は、排気物質が元で後処理装置の吸気口に堆積し得る炭素質の汚れ及び/又は未燃炭化水素の蓄積物を、防止及び/又は除去することなどにより、後処理装置の吸気口での面詰まりを防止及び/又は除去することができるという点である。
【0007】
一実施形態において、吸気口面は、流体が流通できるように構成されたセル構造を持つ端部を有する基材を備える。端面は、前記基材の前記端部に配置され、前記基材の前記端部及び前記基材の前記端部に位置するセル構造の表面での面詰まりを防止及び/又は除去するように構成されている。
【0008】
一実施形態において、前記吸気口面は、前記基材の前記外面が非平面となるような三次元トポグラフィカル構造(three-dimensional topographical configuration)を備える。
【0009】
別の実施形態において、前記吸気口面は、前記基材の前記セル構造の前記外面に塗布されたケミカルコーティングを備える。一実施形態において、前記ケミカルコーティングは触媒コーティングである。
【0010】
別の実施形態において、前記吸気口面は、三次元トポグラフィカル構造及びその三次元トポグラフィカル構造に塗布されたケミカルコーティングの両方を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、後処理装置用の吸気口面の一実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、図1の吸気口面の側面断面図である。
【図3】図3は、後処理装置用の吸気口面の別の実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、図3の吸気口面の側面断面図である。
【図5】図5は、後処理装置の基材の端部用の端面の一実施形態の部分概略図であり、同端面の単一セルの側面を特に示す。
【図6】図6は、後処理装置用の吸気口面の別の実施形態の斜視図である。
【図7】図7は、図6の吸気口面の側面断面図である。
【図8】図8は、後処理装置用の吸気口面の別の実施形態の斜視図である。
【図9】図9は、図8の吸気口面の側面断面図である。
【図10】図10は、後処理装置用の吸気口面の別の実施形態の斜視図である。
【図11】図11は、図10の吸気口面の側面断面図である。
【図12】図12は、後処理装置用の吸気口面の更に別の実施形態の斜視図である。
【図13】図13は、図12の吸気口面の側面断面図である。
【図14】図14は、後処理装置用の吸気口面の更に別の実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、図14の吸気口面の側面断面図である。
【図16】図16は、後処理装置用の吸気口面の更に別の実施形態の斜視図である。
【図17】図17は、図16の吸気口面の側面断面図である。
【図18】図18は、吸気口面用のセル構造の一実施形態の部分立面図である。
【図19】図19は、吸気口面用のセル構造の別の実施形態の部分立面図である。
【図20】図20は、吸気口面上のケミカルコーティングの配置の一実施形態の概略側面断面図である。
【図21】図21は、吸気口面上のケミカルコーティングの配置の一実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
吸気口面が配置される流体通路の面詰まりを防止及び/又は除去することができる吸気口面を概して説明する。その吸気口面は、基材の端部に配置された特定の外端面を備える。前記基材に設けられた前記端面は、前記吸気口面での面詰まりを防止及び/又は除去することができる。一例として、エンジン排気物質、例えば内燃機関からの排気が元で堆積する前記吸気口面での炭素質の汚れ及び/又は未燃炭化水素の蓄積物を防止及び/又は除去する上で、前記吸気口面は有用である。
【0013】
一実施形態において、流体通路用の吸気口面は、流体が基材を流通できるように構成されたセル構造を持つ基材を備える。外端面構造が前記基材の前記セル構造及び前記基材の前記端部に配置される。前記端面は、前記基材の前記端部及びセル構造での面詰まりを防止及び/又は除去するように構成されている。特に、前記端面は、前記基材及び特に前記基材の前記端部に位置する前記セル構造の壁及び縁面で残滓が堆積するのを防止、又は少なくとも極力抑えることが可能な構造を提供する。前記端面は、前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造、前記基材の前記端部に配置されたケミカルコーティング、又は前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造と前記三次元トポグラフィカル構造に配置されたケミカルコーティングの両方のうちの少なくとも一つである。
【0014】
吸気口面の三次元トポグラフィカル構造
一実施形態において、前記端面は、前記基材の前記端部が全体的に非平面の面を有するように、前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造である。即ち、その三次元トポグラフィカル構造は、前記基材の前記端部が全体的に単一平面に含まれない側面を持つように構成されている。
【0015】
図1〜図4及び図6〜図17は、吸気口面の三次元トポグラフィカル面構造の例示的実施形態を示す。図示するように、吸気口面は、例えば、後処理装置の吸気口側に用いられた場合にとりわけ有用である。
【0016】
図1及び図2は、後処理装置の吸気口面10を示す。吸気口面10は、三次元トポグラフィカル構造の一実施形態を備える外端面14を有する。図示するように、吸気口面10は、ディーゼル用酸化触媒(DOC)の吸気口側に実装されている。しかしながら、他の後処理装置で用いられるようにするために、必要に応じて、図示する吸気口面10に変更が適切に加えられ得ることが分かるだろう。そのような他の後処理装置としては、限定されないが例えば、クローズカップルド触媒(close-coupled catalyst)(CCC)など、DOCの様な他の流通型触媒素子が挙げられる。説明する吸気口面10を用いることができる後処理装置の他の非限定例としては、NOX吸着触媒(NAC)、選択触媒還元(SCR)触媒、キャタライズドスートフィルタ(CSF)、又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、あるいは煤煙集合機が挙げられる。
【0017】
ここで説明する吸気口面の発明概念は、そのような他の後処理装置として言及したもの並びに言及していないもの双方の吸気口に適合するように、必要に応じて大きさ及び寸法が調整され得ることが分かるだろう。また、言及したいずれかの後処理装置の排気口側など、様々な後処理装置の排気口側で排気口面として用いられるように、吸気口面10に変更が適切に加えられ得ることが分かるだろう。
【0018】
図1に示すように、外端面14は、基材12の外端部に配置されている。基材14は、ハニカム状構造に似たセル構造15を備える。セル構造15は、流体が基材12を流通できるように構成され、複数のセルを備える(詳細は図5で後述)。「流体」という言葉には、流すことができるあらゆる媒体が含まれると広く解釈されなければならない。例に過ぎないが、流体物質には、限定されないが、あらゆる排気物質、又は加工物質に由来する煤を含むあらゆる物質が含まれ得る。他の例として、流体物質には、残滓を生成及び/又は残し得るあらゆる物質が含まれる。残滓とは、乾燥して基材のセル構造に残り得るあらゆる物質、又は完全に燃焼せずに基材のセル構造に残る「湿」物質を意味する。残滓の一例としては、後処理装置の吸気口に堆積し得る排気物質が元の炭素質の汚れ及び/又は未燃炭化水素の蓄積物が挙げられる。
【0019】
端面14は、基材12の外面の端部に配置されている。図示するように、端面14は、非平面又は破砕した配列(fractured arrangement)を有する三次元トポグラフィカル構造である。即ち、端面14は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(図2参照)。端面14は、基材12に配置された複数の隣接した平行列16を備える。一例に過ぎないが、図2は、平行列16がV字状列に似ており、90°の角度(included angle)を有し得ることを示す。端面14の全体配列が、完全に同一平面に含まれない限り、V字状列が90°未満又はそれより大きい角度で配列され得ることが分かるだろう。
【0020】
図3〜図4は、後処理装置の吸気口面30の他の例示的実施形態を示す。吸気口面30は、三次元トポグラフィカル構造を持つ別の例示的な端面34を提供する。吸気口面10と同様に、吸気口面30はディーゼル用酸化触媒(DOC)用である。しかしながら、他の後処理装置で用いられるようにするために、必要に応じて、図示する吸気口面30に変更が適切に加えられ得ることが分かるだろう。そのような他の後処理装置としては、限定されないが例えば、クローズカップルド触媒(CCC)など、DOCの様な他の流通型後処理装置が挙げられる。説明する吸気口面30を用いることができる後処理装置の他の非限定例としては、NOX吸着触媒(NAC)、選択触媒還元(SCR)触媒、キャタライズドスートフィルタ(CSF)、又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、あるいは煤煙集合機が挙げられる。
【0021】
ここで説明する吸気口面の発明概念は、そのような他の後処理装置の吸気口に適合するように、必要に応じて大きさ及び寸法が調整され得ることが分かるだろう。また、例えば言及したいずれかの後処理装置の排気口内など、様々な後処理装置の排気口側で排気口面として用いられるように、吸気口面30に変更が適切に加えられ得ることが分かるだろう。
【0022】
吸気口面30は、セル構造35を有する基材32の外端面に配置された端面34を備える。セル構造35は、流体が基材12を流通できるように構成され、複数のセルを備える(詳細は図5で後述)。吸気口10と同様に、「流体」という言葉には、流すことができるあらゆる媒体が含まれると広く解釈されなければならない。例に過ぎないが、流体物質には、限定されないが、あらゆる排気物質、又は加工物質に由来する煤を含むあらゆる物質が含まれ得る。他の例として、流体物質には、基材のセル構造に残る残滓を生成し得るあらゆる物質が含まれ得る。
【0023】
端面34は、基材32の外面及び端部に配置されている。端面34も、非平面又は破砕した配列を有する三次元トポグラフィカル構造である。面14と同様に、端面34は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない。
【0024】
端面14とは異なり、端面34は平行なV字状列の交差に起因するピラミッド状構造を備える。図示するように、端面34は、基材32に配置された第1の組の複数列36を備える。第1の列36は互いに隣接し、かつ平行であり、V字状列に似ている。一例に過ぎないが、図4は、第1の列36が90°の角度を有し得ることを示す(図4参照)。面34の全体配列が、同一の全体的平面に含まれない限り、V字状列が90°未満又はそれより大きい角度で配列され得ることが分かるだろう。
【0025】
端面34は、基材32に配置され、互いに隣接し、かつ平行な第2の組の複数列38をさらに備える。第1の列36と同様に、第2の列38はV字状列に似ており、90°の角度を有し得る。面34の全体配列が、同一の全体的平面に含まれない限り、V字状列が90°未満又はそれより大きい角度で配列され得ることが分かるだろう。
【0026】
図示するように、第2の列38は第1の列36に直交している。従って、第1及び第2の平行列36、38が90°で交差することによって、四角錐状構造39が形成される。第1の列36及び第2の列38の配列は、図示した特定の直交関係に限らず、第1及び第2の列36、38が90°以外の角度で交差し得ることが分かるだろう。
【0027】
また、吸気口面は、図1〜図4に示す特定の配列に限定されないことが分かるだろう。図1〜図4は、吸気口が、限定されないが、平行なV字状列、又は2組の交差するV字状列であり得る三次元トポグラフィカル構造を有する端面を備える例示的実施形態を示しているに過ぎない。煤及び/又は排気物質の付着を極力抑えるために、端面が排気の乱気流やせん断力を生成でき、面詰まりを防止及び/又は除去できる限り、吸気口面用の説明した端面(即ち、14、34)に変更が適切に加えられ、また他の構造を有し得ることが分かるだろう。
【0028】
図示するように、セル構造(即ち、15、35)は外面を通って、また基材(即ち、12、32)の端部で伸長している。流通型DOCなどの後処理装置の一例において、セル構造は、(吸気口面10、30が配置される)吸気口側から排気口側にかけて基材全体に伸びた流路につながる。流通流路を備えないものの、吸気口側に単一流路の吸気口面を備え、開口部または孔の網の目が、排気口側に向かう複数の排気流路につながるDPFなどの他の後処理装置でセル構造を用い得ることが分かるだろう。
【0029】
セル構造は、内側壁及び壁縁部を有する分離したセルを規定する(図1及び図3参照)。セルは互いに隣接し、かつ実質的に吸気口面の廻りに配置されるように構成されている。例に過ぎないが、吸気口面は、1平方インチ毎に約100から約900個のセルを備え得る。
【0030】
一実施形態において、各セルの内側壁は、第1の対の平行壁と、第1の対の平行壁に直交する第2の対の平行壁を含み得る。第1及び第2の対の平行壁の関係は、それらが互いに直交又は垂直ではないように配列され得ることから、第1の対の平行壁と第2の対の平行壁との直交構造は例示に過ぎないことが分かるだろう。
【0031】
図5は、吸気口面用の例示的なセル構造をさらに示す。図5は、セル構造の一部を示し、三次元トポグラフィカル面が存在する場合などの単一のセル50を特に示す。図5に示す原理は、ここで説明する、セル構造内に複数のセルを有する吸気口面のいずれにも適用し得ることが分かるだろう。各セル50は、第1の対の平行壁53と第2の対の平行壁54とを備える。例えば、吸気口面(即ち、10、30)のV字状列、又はピラミッド状の形状は、大幅に増大したセル寸法を有する端面を基材の端部にもたらすことができ、それは、吸気口面の各セル50に対して、平行壁52、54の2つの対の少なくとも一方の間の距離を実質的に増やす。そのため、汚れ(即ち、炭素質の汚れ)が隔たりを埋めるのに要する距離が増える。何故なら、2対の平行壁の少なくとも一方の外端部間の距離が増えるからである。
【0032】
図示するように、セル50は、側壁56に直交する一対の側壁52、54を有する。平面寸法「a」を持つ均一な側壁を有する吸気口基材の従来のセル構造(破線で示す)に対して、増大したセル寸法「c」を形成するために、側壁54は、例えば45°の角度で側壁52より大きな寸法を有する。一例として、ピタゴラスの定理により、寸法「c」は45°の角度で寸法「a」よりも約41%長くなる。一対の平行壁の壁の一方に増大したセル寸法がもたらされる限り、増大したセル寸法は図示する45°の角度に限らず、それよりも程度の大きい又は小さい角度を有し得る。
【0033】
よって、図5に示す原理を適用することで、第1又は第2の対の平行壁の少なくとも一方は、第1の壁と第2の壁(即ち、52、54)とを含み、第1又は第2の壁の一方は、第1又は第2の壁の他方よりも大きな寸法を有し、かつ基材の端部からさらに外側に伸びる。この構成において、一方の対の平行壁の第1及び第2の壁の外端部間の距離は、他方の対の平行壁の第1及び第2の壁の間の距離よりも長い。
【0034】
図6〜図17は、吸気口面用の三次元トポグラフィカル構造の他の例を示す。図6〜図7は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材62に配置された端面64を有する吸気口面60を示す。端面64は外側に突起し、凸状「カップ形」タイプ66の流通後処理装置に似ている。吸気口面10、30と同様に、吸気口面60は同一平面に含まれない。むしろ、端面64は非平面であるか、あるいはやや破砕した配列を有する。即ち、端面64は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図7参照)。吸気口面60も、複数のセルを有するセル構造65を備える。吸気口面10、30のセル構造15、35と同様に、吸気口面60のセル構造65にも、図5で前に説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面60は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0035】
図8〜図9は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材72に配置された端面74を有する吸気口面70を示す。端面74は外側に伸び、凸放物線状タイプの流通76後処理装置に似ている。説明した他の吸気口面と同様に、吸気口面70は同一平面に含まれない。むしろ、端面74は非平面であり、やや破砕した配列を有する。即ち、端面74は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図9参照)。吸気口面70も、複数のセルを有するセル構造75を備える。説明した他のセル構造と同様に、吸気口面70のセル構造75にも、図5で前に説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面70は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0036】
図10〜図11は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材82に配置された端面84を有する吸気口面80を示す。端面84は外側に伸び、凸円状タイプの流通86後処理装置に似ている。説明した他の吸気口面と同様に、吸気口面80は同一平面に含まれない。むしろ、端面84は非平面であり、やや破砕した配列を有する。即ち、端面84は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図11参照)。吸気口面80も、複数のセルを有するセル構造85を備える。説明した他のセル構造と同様に、吸気口面80のセル構造85にも、説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面80は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0037】
図12〜図13は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材92に配置された端面94を有する吸気口面90を示す。端面94は内側に伸び、凹形に窪んだ、又は「カップ型」タイプの流通96後処理装置に似ている。説明した他の吸気口面と同様に、吸気口面90は同一平面に含まれない。むしろ、端面94は非平面であり、やや破砕した配列を有する。即ち、端面94は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図13参照)。吸気口面90も、複数のセルを有するセル構造95を備える。説明した他のセル構造と同様に、吸気口面90のセル構造95にも、説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面90は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0038】
図14〜図15は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材102に配置された端面104を有する吸気口面100を示す。端面104は内側に伸び、凹放物線状タイプの流通106後処理装置に似ている。説明した他の吸気口面と同様に、吸気口面100は同一平面に含まれない。むしろ、端面104は非平面であり、やや破砕した配列を有する。即ち、端面104は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図15参照)。吸気口面100も、複数のセルを有するセル構造105を備える。説明した他のセル構造と同様に、吸気口面100のセル構造105にも、説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面100は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0039】
図16〜図17は、DOCなどの後処理装置の吸気口側で基材112に配置された端面114を有する吸気口面110を示す。端面114は内側に伸び、凹円状タイプの流通116後処理装置に似ている。説明した他の吸気口面と同様に、吸気口面110は同一平面に含まれない。むしろ、端面114は非平面であり、やや破砕した配列を有する。即ち、端面114は、例えばその側面から見た場合、同一の全体的平面に完全に含まれない(例えば図17参照)。吸気口面110も、複数のセルを有するセル構造115を備える。説明した他のセル構造と同様に、吸気口面110のセル構造115にも、説明した増大したセル寸法の原理が採用され得ることが分かるだろう。また、吸気口面110は、DOC以外の様々な後処理装置で用いられ得ることが分かるだろう。
【0040】
例に過ぎないが、いずれの三次元トポグラフィカル構造も、以下の一つによって、基材の吸気口側、又は端部に配置され得る。(1)吸気口の基材に所望の三次元トポグラフィカル構造を有する面を適用すること、(2)吸気口の基材に所望の三次元トポグラフィカル構造を機械加工すること、又は(3)三次元トポグラフィカル構造を任意の適切な手段を用いて形成し、それを基材に配置すること。基材の吸気口側に三次元トポグラフィカル面を配置する方法は、同面を基材の吸気口側及び端部に置くことができる限り限定されない。
【0041】
ここで説明した吸気口の三次元トポグラフィカル面構造は、多くの利点をもたらすことができる。動作中に、そのような面は吸気口面で一定の乱気流を、また煤の堆積物の除去又は防止を助ける役割を果たし得るせん断力を生成することができる。例えば、図1〜図4及び図6〜図11に示す面も、破砕した面構造内の熱質量の効果的な削減により、吸気口面の局部領域(即ち、V字状列の鋭利な尾根の上部、ピラミッドの頂上の先端、又は凸状構造における隆起面部分)でより迅速な加熱をもたらすことができ、後処理装置の吸気口面に塗布され得るあらゆる触媒コーティング(後述)や同様に後処理装置の内側に塗布されるあらゆる触媒コーティングの着火を助ける。
【0042】
他の特定の利点として、図6〜図11に示す凸状構成は、より迅速な加熱能力を備えた吸気口面をさらに提供することができる。そのような構成は、排気菅の内面から放出されるなどで、より大きな炭素質の汚れの堆積物が吸気口面に詰まる(即ち煤堆積物)のを防止及び/又は除去しやすくすることができる。例えば、ターボ排気用途において、これらのより大きな煤堆積物、又は「薄片」は、限界厚みに蓄積された後(即ち、約1ミリの厚み)、排気菅の内面を壊す、又はそれに亀裂を生じさせ得る。これらの薄片は、吸気口面に堆積することができるため、セル構造内のセルを煤で埋めてしまう。しかしながら、図6〜図11のような凸状構造は、この埋まりをさらに防止することができる。
【0043】
吸気口面のコーティング
さらに別の実施形態において、吸気口面は、基材の面詰まりを防止及び/又は除去するように構成された端面を備える。その端面は、基材の端部で外面に塗布されたケミカルコーティングを備え、基材のセル構造の外端部を備える。一例に過ぎないが、ケミカルコーティングは、基材の吸気口面で炭素質の汚れ、又はより一般的には汚れを削減する上で後処理装置の吸気口面にとって有用である。説明した三次元トポグラフィカル構造と同様に、塗布されたケミカルコーティングは、限定されないが例えば、クローズカップルド触媒(CCC)、ディーゼル用酸化触媒(DOC)、NOX吸着触媒(NAC)、選択触媒還元(SCR)触媒、キャタライズドスートフィルタ(CSF)、又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)などの様々な後処理装置で適切に用いられ得ることが分かるだろう。
【0044】
ケミカルコーティングは、セラミックウォッシュコート、ガラス系コーティング、又は化学溶液、あるいはケミカルコーティングを塗布するのに適した他の担体のうちの少なくとも1つであり得る。一実施形態において、そのようなケミカルコーティングは、触媒貴金属、触媒酸化貴金属、非触媒貴金属、触媒卑金属、及び触媒酸化卑金属からなる群から選択される少なくとも1つである物質を含む。一実施形態において、ケミカルコーティングは、基材、例えば後処理装置の吸気口側及び端部で隆起した装てん(elevated loading)である。即ち、隆起した装てんとは、基材(即ち、後処理装置)の吸気口面(又は端部)において、後処理装置内部の流体通路(流路)内で用いられ得る量のケミカルコーティングよりも増大した量のケミカルコーティングが基材の端部に設けられていることを意味する。
【0045】
例えば、ケミカルコーティングの塗布には、触媒貴金属(白金(Pt)又はパラジウム(Pd)等)、卑金属(バナジウム(V)等)、又は酸化卑金属(五酸化バナジウム又は酸化セリウム等)、あるいは他の化合物(炭酸バリウムBaCO3等)の隆起した装てんが含まれる。
【0046】
一例に過ぎないが、隆起した装てんは約80〜120g/ft^3の範囲内にあり得る。隆起した装てんの量は非限定的な意味で用いられており、面詰まりを防止及び/又は除去するという望ましい効果を得るのに適した及び/又は必要な様々な量が含まれ得ることが分かるだろう。
【0047】
さらなる例として、ガラス系コーティングが吸気口面に塗布され、それにも触媒貴金属(白金(Pt)又はパラジウム(Pd)等)、卑金属(バナジウム(V)等)、又は酸化卑金属(五酸化バナジウム又は酸化セリウム等)、あるいは他の化合物(炭酸バリウムBaCO3等)の隆起した装てんが含まれ得る。一実施形態において、ガラス系コーティングはカリウム(K)も含む。そのような構成において、コーティングの触媒活性が、後処理装置の吸気口面で煤堆積物を防止及び/又は除去するに役立つ。それに加え、ガラスコーティングは吸気口面に容易に塗布でき、セルの壁縁部の露出した外側部分の微細孔や他の凹凸をより良好に埋める、又は塞ぐという利点が生じ得る。
【0048】
述べたように、隆起した装てんとは、コーティングが直接的かつ意図的に吸気口の表面に塗布されていることを意味する。隆起した装てんとは、吸気口面の内側及びそれ以降で用いられ得る量と比べて量が増大した、基材の吸気口面又は端部に配置されたケミカルコーティングのことである。即ち、ケミカルコーティングは、吸気口面の内側及びそれ以降に存在するあらゆるコーティングの延長部として塗布され得る。後処理装置の例において、隆起した装てんには、触媒後処理装置全体に渡って流路内で通常用いられる量以上の、吸気口面で増大した量のケミカルコーティングが含まれる。
【0049】
ケミカルコーティングの塗布には、例えば、吸気口の外面及び基材の端部でセル構造の自由壁(free wall)及び縁部が含まれ得る。一実施形態において、ケミカルコーティングが、基材のセル構造の外端面上の吸気口面に直接的かつ意図的に塗布される。即ち、ケミカルコーティングは、基材の流体通路内や、基材の吸気口面及び端部以降に塗布され得るあらゆるコーティングの延長部としての役割を果たすことができる。ケミカルコーティングが吸気口面に塗布される限り、ケミカルコーティングの配置は限定されないことが分かるだろう。
【0050】
場合によっては、基材の吸気口面又は端部に意図的に塗布されたケミカルコーティングが、無意識に、また事故的に流体通路内を覆い得ることが分かるだろう。しかしながら、吸気口面を被覆する場合、ケミカルコーティングは、セル構造の外端面上の基材の端部に意図的に塗布されるのであり、基材の流体通路内に塗布することを意図したものではないことが分かるだろう。
【0051】
他の代替案として、コーティングが、セルの壁縁部のあらゆる粗面又は凹凸を埋めるために塗布され、コーティングは基材の流体通路には拡大しない。そのような構成において、被覆された壁縁部の表面領域は、塗布されたコーティングにより粗さがより小さくなった(又はより滑らかな)表面を提供することによって、煤/コークスの機械的付着などの炭素質の汚れをさらに防止することができる。一例に過ぎないが、そのようなセル表面の凹凸を極力抑えるために、コーティングが約数千分の一インチ以下の厚みで塗布され得る。
【0052】
図20は、吸気口面400上のケミカルコーティング404の配置の一実施形態を示す概略側面断面図である。図示するように、ケミカルコーティング404は、吸気口面上のセル構造402の外面に塗布されている。即ち、コーティング404は、基材の端部で外面を覆い、基材のセル又は流路の内側に拡大しない様に塗布される。コーティング404は、外側を向く吸気口面400の壁及び縁部の表面402にのみ塗布され得る。図示するように、コーティング404は、基材の端部の平面構造に塗布されている。コーティングが、用いられるいずれかの三次元トポグラフィカル構造上で覆いとして外面に配置される限り、そのようなコーティング構成を、図1〜図17で説明した三次元トポグラフィカル構造のいずれかと組み合わせることができることが分かるだろう。
【0053】
図21は、吸気口面500上のケミカルコーティング504の配置を示す概略斜視平面図である。図示するように、ケミカルコーティング504は、セル構造502の外面、及び吸気口面に塗布されている。図20と同様に、コーティング504は、基材の端部で外面を覆い、基材のセル又は流路506の内側には拡大しない様に塗布される。コーティング504は、基材の端部から外側を向くセル構造502の壁及び縁部の表面にのみ塗布され得る。図示するように、コーティング504は、基材の端部の平面構造に塗布される。コーティングが、用いられるいずれかの三次元トポグラフィカル構造上で覆いとして外面に配置される限り、そのようなコーティング構成を、図1〜図17で説明した三次元トポグラフィカル構造のいずれかと組み合わせることができることが分かるだろう。図21において、コーティング504は、基材の端部上のコーティングの配置を示す目的から、セル構造502の端部表面全体を覆っていないように示されている。しかしながら、コーティング504は基材の端部を実質的に覆い得ることが分かるだろう。
【0054】
吸気口面で、セル構造の露出した縁部での炭素質の汚れを防止するようにコーティングが調合される限り、コーティングは特定の調合に限定されないことが分かるだろう。即ち、ケミカルコーティングは、吸気口の面詰まりを防止、除去及び/又は削減する機能を促進させるために、選択触媒反応が促進されるように調合され得る。
【0055】
三次元表面構造と同様に、説明したコーティングは、面詰まりの検出用と浄化用という別々の機構を排気後処理システムの調整装置に構築する必要性を解消することができる。
【0056】
別の例に過ぎないが、吸気口面での多重NO〜NO2変化(NOx変化)が、ケミカルコーティングの隆起した装てんにより有利に起こり、前に説明した三次元トポグラフィー構造のいずれかを用いることにより、さらに高められることができる。即ち、結果として生じるコーティング及び乱気流は、吸気口面に生じる又は堆積される炭化水素及び/又は煤のNO2に推進された酸化を高めることができる。以下は、貴金属触媒である白金(Pt)存在下の反応メカニズムの一例証である。
【0057】
一実施形態において、後処理装置の吸気口に説明した吸気口面コーティングを用いたディーゼルエンジンの排気流内で、多重NOx変化反応が起こり得る。NO2を生成するための、過剰酸素を用いたNOの触媒(例えばPt)に対する反応は次のようになる。
【0058】
1)NO+1/2O2−−−−>NO2
このNO2は、後処理装置の吸気口面に蓄積した炭素煤を酸化するために、以下反応を介して引き続き用いられる。
【0059】
炭素煤に対して:
2)2NO2+C−−−−>CO2+2NO
3)NO2+C−−−−>CO+NO
反応(2)及び/又は(3)により生成されたNOを、反応(1)を介してNO2を形成するために、後処理装置の吸気口面で再度酸化させることができ、その後、炭素煤が消費されるまで、反応2及び3を介して繰り返し行われる。これを「NOX変化」と呼ぶ。
【0060】
煤に吸収された未燃炭化水素(HC)については、以下の触媒反応(4)及び(5)も起こり得ることが考えられ、後処理装置の吸気口面に容易に付着しないより乾燥した煤堆積物が実質的に生成される。さらに、吸気口面で付加的な触媒(又は触媒の隆起した装てん)上でHCを燃やすことによって生成される熱エネルギーは、蓄積した煤を酸化(即ち、燃焼)するのに役立つ。
【0061】
4)Cyn+(1+n/4)O2−−−−>yCO2+n/2H2
5)CO+1/2O2−−−−>CO2
上記例において、反応(1)、(4)、及び(5)は、Ptなどの触媒により触媒作用が及ぼされる。しかしながら、反応や結果として生じる生成物は、Pt以外の触媒ではやや異なり得るが、排気物質と反応するように適切に調合されたコーティングを用いた場合に同じ原則が当てはまり、それにより吸気口面での煤のコークス化/付着が防止されることが分かるだろう。
【0062】
前に説明した三次元トポグラフィカル面構造と同様に、説明したいずれかのコーティングの実施形態が、既に説明したセル構造、及び基材の吸気口面に適用され得る。図18〜図19は、吸気口面用のセル構造の別々の実施形態を示す。一実施形態において、セル構造200は、セル202が互いに隣接し、吸気口面の廻りに実質的に配置されるように構成されている。セル構造200は、図1〜図4及び図6〜図17に示す構造といくつかの類似点を持つ。説明したように、吸気口面200は、1平方インチ毎に約100から約900個のセルを吸気口面上に備え得る。各セル202の側壁204は、第1の対の平行壁と、第1の対の平行壁に直交する第2の対の平行壁とを含み得る。
【0063】
図19は、セル構造300を示し、セル構造300の一部は塞がっている。図示するように、セル構造300は、セル302と、「チェッカー盤状」の形に配列された閉塞部304とを備え、セル構造の側壁(即ち、セル構造200の側壁204)以外の部分が閉塞したようになっている。セル構造200、300は例示に過ぎず、前記三次元トポグラフィカル面構造のいずれか及び/又は説明したケミカルコーティングの実施形態のいずれかをセル構造に実装できる限り、図示した特定の構成に限定されないことが分かるだろう。
【0064】
実験結果
上記のいくつかを、エンジンに搭載された改造されたDOCで試験にかけ、吸気口面に付加的なPt触媒が塗布された状態で望ましい結果を示した。エンジンの数回のテスト周期の後、吸気口面が触媒加工されたDOCには煤が詰まらなかった。吸気口面に加えた説明したトポグラフィカルな変更も、乱気流を生成し吸気口上の熱を局所化することによって、あるエンジン動作状態では良い効果があるようであった。
【0065】
しかしながら、吸気口面に付加的な触媒がない、又は変更されたトポグラフィカル構造を有さない標準的なDOCでは、煤による面詰まりが相当あった。
【0066】
しかしながら、Pt以外の触媒の場合、反応及びその結果として生じる生成物がやや異なり得ることが分かるだろう。
【0067】
カミンズ技術センターで他の実験が行われ、その中で超低硫黄ディーゼル(ULSD)燃料を約220℃で、バナジウム金属で被覆された420Fステンレス製の円板からなる吸気口に滴り落とした。実験は、結果として生じる炭素堆積物が、バナジウム面に付着しないことを示した。
【0068】
バナジウム金属面ではなく白金金属を用いた別の実験でも、同一の結果が得られた。酸化Pt及び/又はPdなどの貴金属が多く添加されたセラミックウォッシュコートは、同様の結果を示し得ることが予想される。さらに別の例において、酸化セリウムを含むセラミックウォッシュコートも、特定の温度状態で用いられ得る。さらに別の例において、五酸化バナジウム、鉄ゼオライト、又は銅ゼオライトを含むSCRの様な触媒ウォッシュコートも用いられ、同様の効果をもたらすことができることが分かるだろう。
【0069】
説明した吸気口構造は、多くの利点をもたらすことができる。非平面の三次元トポグラフィカル構造、及び/又は化学的な変更が加えられた吸気口面を用いることによって、面詰まりを防止及び/又は除去することができる。好適な一例において、そのような構造は、典型的なエンジン/後処理システム動作状態で排気ガスが流通する通常開口した流路が煤で埋まらず、それにより詰まらなくするように、後処理装置の吸気口面の煤の堆積を防ぐのに有用である。
【0070】
そのような有益な吸気口面構造は、様々な用途に有用であろう。非限定例に過ぎないが、吸気口面構造は、乗り物又は自動車のエンジン、ディーゼルエンジン、船用エンジン及び機器、工業用発電機、工業プロセスに用いられる機器、又は後処理装置を用いる、若しくは粘結物質を生成する燃料を用いる他の機器の排気流に用いられ得る。
【0071】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本発明の範囲は、上述の明細書よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が基材を流通できるように構成されたセル構造を有する端部を備えた基材、及び
前記基材の前記端部と、前記基材の前記端部に位置する前記セル構造の外面とに配置され、前記基材の面詰まりを防止及び/又は除去するように構成された端面
を備えた流体通路用の吸気口面。
【請求項2】
前記基材の前記端部に配置された前記端面は、前記基材が前記端部で非平面となる三次元トポグラフィカル構造、前記基材の前記端部に配置されたケミカルコーティング、又は前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造と前記三次元トポグラフィカル構造に配置されたケミカルコーティングの両方のうちの少なくとも1つを備えたことを特徴とする請求項1に記載の吸気口面。
【請求項3】
前記三次元トポグラフィカル構造は、複数の隣接したV字状平行列を備えたことを特徴とする請求項2に記載の吸気口面。
【請求項4】
前記三次元トポグラフィカル構造は、第1の複数の隣接したV字状平行列、及び前記第1の複数の隣接したV字状列に直交する第2の複数の隣接したV字状平行列を備え、前記第1及び前記第2の複数の隣接するV字状列は、複数の四角錘状の配列として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸気口面。
【請求項5】
前記三次元トポグラフィカル構造が、前記基材の前記端部に適用されているか、又は前記基材の前記端部に機械加工されていることを特徴とする請求項2に記載の吸気口面。
【請求項6】
前記ケミカルコーテングは、セラミックウォッシュコート、ガラス系コーティング、又は化学溶液の少なくとも1つであり、前記ケミカルコーティングは、触媒貴金属、触媒酸化貴金属、非触媒貴金属、触媒卑金属、及び触媒酸化卑金属からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記載の吸気口面。
【請求項7】
前記ケミカルコーティングは、前記基材上の他のいずれのコーティングに対して隆起した装てんであり、前記隆起した装てんは、前記基材の前記端部にのみ存在することを特徴とする請求項6に記載の吸気口面。
【請求項8】
前記セル構造は、前記基材の前記端部内に伸び、かつ前記基材を通って伸びた複数の分離したセルを備え、前記セルはそれぞれ、側壁、及び壁縁部を有することを特徴とする請求項1に記載の吸気口面。
【請求項9】
前記セルは互いに隣接するように構成され、前記端面の全体領域の廻りに実質的に配置されることを特徴とする請求項8に記載の吸気口面。
【請求項10】
前記セル構造は、前記複数のセルと共に配列された複数の閉塞部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の吸気口面。
【請求項11】
前記セルのそれぞれの前記側壁は、第1の対の平行壁、及び前記第1の対の平行壁に直交する第2の対の平行壁を備え、前記第1又は前記第2の対の平行壁の一方は、第1の壁と第2の壁とを備え、前記第1又は前記第2の壁の一方は、前記第1又は前記第2の壁の他方よりも、前記基材の前記端部から外側に伸びた大きな寸法を有し、前記第1及び前記第2の壁の外端部の間の距離は、前記第1又は前記第2の対の平行壁の前記他方の外端部の間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の吸気口面。
【請求項12】
前記基材、及び前記端面は、後処理装置用の吸気口構成部として構成され、前記後処理装置は、クローズカップルド触媒、ディーゼル用酸化触媒、NOX吸着触媒、選択触媒還元触媒、キャタライズドスートフィルタ、又はディーゼルパティキュレートフィルタからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の吸気口面。
【請求項13】
流体が基材を流通できるように構成されたセル構造を有する端部を備え、前記セル構造は前記基材の前記端部に配置された吸気口面である基材、及び
前記基材の前記端部と、前記基材の前記端部に位置する前記セル構造の外面とに配置され、前記基材の面詰まりを防止及び/又は除去するように構成された端面
を備えた後処理装置。
【請求項14】
前記基材に配置された前記端面は、前記基材が前記端部で非平面となる三次元トポグラフィカル構造、前記基材の前記端部に配置されたケミカルコーティング、又は前記基材の前記端部に配置された三次元トポグラフィカル構造と前記三次元トポグラフィカル構造に配置されたケミカルコーティングの両方のうちの少なくとも1つを備えたことを特徴とする請求項13に記載の後処理装置。
【請求項15】
前記三次元トポグラフィカル構造は、複数の隣接したV字状平行列を備えたことを特徴とする請求項14に記載の後処理装置。
【請求項16】
前記三次元トポグラフィカル構造は、第1の複数の隣接したV字状平行列、及び前記第1の複数の隣接したV字状列に直交する第2の複数の隣接したV字状平行列を備え、前記第1及び前記第2の複数の隣接するV字状列は、複数の四角錘状の配列として構成されていることを特徴とする請求項14に記載の後処理装置。
【請求項17】
前記三次元トポグラフィカル構造が、前記基材の前記端部に適用されているか、又は前記基材の前記端部に機械加工されていることを特徴とする請求項14に記載の後処理装置。
【請求項18】
後処理装置の吸気口での面詰まりを防止及び/又は除去する方法であって、前記方法は、
流体が基材を流通できるように構成されたセル構造を持つ端部を有する基材を形成する工程、及び
前記基材の前記端部と、前記基材の前記端部に位置する前記セル構造の外面とに、前記基材及び前記セル構造での面詰まりを防止及び/又は除去するように構成された端面を配置する工程を備えた方法。
【請求項19】
前記基材に前記面を配置する前記工程は、
前記基材が、前記端部で非平面となるように、三次元トポグラフィカル構造を前記基材の前記端部に配置すること、
前記基材の前記端部と、前記基材の前記端部に存在する前記セル構造の外面とにケミカルコーティングを塗布すること、又は
前記基材の前記端部に前記三次元トポグラフィカル構造を配置すること、及びケミカルコーティングが前記基材の前記端部から外側を向くように、前記三次元トポグラフィカル構造に前記ケミカルコーティングを塗布すること
の少なくとも1つを備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2010−532836(P2010−532836A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514913(P2010−514913)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/064687
【国際公開番号】WO2009/005910
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508210310)カミンズ フィルトレイション アイピー インク. (5)
【Fターム(参考)】