説明

排気装置

【課題】 排気装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、マニホルド外側ハウジング2とマニホルド内部システム11を有するマニホルド3と、ターボ過給機外側ハウジング4とを具備し、このターボ過給機外側ハウジング4とマニホルド外側ハウジング2が互いに一体に形成されている、排気装置に関する。ターボ過給機外側ハウジング4内には、異なる大きさのタービン渦巻き部8を挿入することができる。タービン渦巻き部8は支承フランジ18を介して規格化された支承フランジ収容部7に連結され、かつ出口接続部材13を介して規格化された出口フランジ6に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の過給はますますターボ過給機によって行われる。というのは、これによって燃料消費の効果的な低減が達成可能であるからである。
【0003】
基本となる少数のエンジンに基づいてかつエンジン制御を適合させることによって、いろいろな車両に対する多様化および適合が行われる。その際、ターボ過給機と特に鋳造タービンハウジングは、効率的に作動させるために、それぞれのエンジンの出力特性にきわめて正確に適合させられる。例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3に記載されているようなシェルデザイン(zweischaliger Ausfuehrung)の薄板構造で、ターボ過給機コンセプトを実現および適合させるためのコストが、成形金型および装置のためにきわめて高くつくので、薄板シェル構造のきわめて適合したターボ過給機の使用は、比較的に個数の多いモデルの場合に初めて経済的である。
【0004】
この欠点は、鋳造されるマニホルドハウジングとターボ過給機ハウジングの場合にも存在する。というのは、内燃機関の各々の出力段またはエンジン出力変化のためにこれらのハウジングを新たに構成しなければならず、すべての妥当性確認行動を同様に新たに実施しなければならないからである。その際、常に、開発コスト、金型コストおよび装置コストが新たにかかる。というのは、ターボ過給機の個々の部品の相互の調和を図らなければならず、それらの相互作用を検査しなければならないからである。さらに、隣接するエンジン周辺装置をターボ過給機の変化する部分に合わせなければならない。これはコストをさらに高めることになる。
【0005】
従来技術として特許文献4が挙げられる。この特許文献4では、異なるエンジンタイプに合わせてタービンの数をできるだけ少なくする提案がなされている。エンジンの大きさに依存していろいろなエンジン流量を実現するために、例えば、タービンホイールのホイール外側輪郭を小さな半径に縮小することにより、それぞれのタイプに適合した、使用される標準タービンの変更をしなければならない。しかしながら、ホイール外側輪郭とタービンホイールを取り囲む輪郭スリーブとの間の隙間を一定に保つことができるようにするために、輪郭スリーブを然るべく適合させなければならない。この方策は比較的に面倒である。
【0006】
特許文献5では、内燃機関の排気ターボ過給機のための、積み木原理に従って構成されたタービンハウジングが提案されている。異なる案内格子を備えたハウジングモジュールが使用される。この案内格子は内燃機関のいろいろな要求をきわめて簡単に満足することができる。この案内格子を使用することにより、タービンハウジングとそれに配置されるタービンホイールは、従来技術と異なり、広い行程容積範囲にわたって少なくともほとんど変更されない。というのは、その都度最適なハウジングモジュールを選択および組み立てることによって、タービン特性または過給される内燃機関の特性を、所望なごとく最適化することができるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第10022052A号明細書
【特許文献2】独国特許発明第10307028B3号明細書
【特許文献3】独国特許出願公表第60312535T2号明細書
【特許文献4】独国特許発明第10029807C1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102008032492A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この従来技術から出発して、本発明の根底をなす課題は、低コストであり、かつ内燃機関のいろいろな実施バリエーションおよび出力バリエーションに適合させることができる排気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を有する排気装置によって解決される。
【0010】
有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0011】
本発明に係る排気装置は、ターボ過給機外側ハウジングを備え、このターボ過給機外側ハウジングには、規格統一された出口フランジと規格統一された支承フランジ収容部が設けられている。ターボ過給機ハウジング内に、異なる大きさまたは実施のタービン渦巻き部が挿入可能であり、タービン渦巻き部は支承フランジを介して支承フランジ収容部に連結され、かつ出口接続部材を介してタービン外側ハウジングの出口フランジに連結されている。
【0012】
マニホルド内部システムは同様に、タービン渦巻き部の入口領域のための規格化された接続領域を有する。その際、異なる大きさのタービン渦巻き部の入口領域は常にマニホルド内部システムの接続領域に合わせられている。それによって、異なるエンジン出力に適合したタービン渦巻き部がその入口領域を介して常にマニホルド内部システムに連結可能である。
【0013】
有利な実施形態では、排気装置がマニホルド外側ハウジングとマニホルド内部システムを有するマニホルドを備え、マニホルド外側ハウジングがターボ過給機外側ハウジングと一体に形成されている。
【0014】
本発明に係る排気装置の原理は、マニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングの規格化された構成要素を、いろいろな出力段のエンジンのために使用することに存する。この場合、その都度要求される出力段に合わせたタービン渦巻き部および/または適切な支承フランジがターボ過給機外側ハウジングに組み込まれる。そのために、タービン渦巻き部および/または支承フランジの異なる大きさの接続領域が常に規格化されたマニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングに適合し、これらのハウジングに連結可能である。従って、本発明は、積み木のように、規格統一された基本モジュールを基礎とするシステムに関する。この基本モジュールはマニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングによって形成され、いろいろなタービン渦巻き部に組み合わせ可能である。
【0015】
タービン渦巻き部の出口領域は好ましくは密着したすべり嵌め部(Schiebesitz)を介して出口接続部材に連結されている。その際、出口接続部材は出口フランジを半径方向外側から取り込むように形成されていると好ましい。
【0016】
出口接続部材はタービン渦巻き部との接触領域に、半径方向内向きのカラーを備えている。このカラーの端領域はさらに、出口フランジの方に折り曲げられている。それによって形成された半径方向内向きの、折り曲げられた端領域の面が、タービン渦巻き部の接続領域の外面に面で接触する。
【0017】
タービン渦巻き部の大きさに応じて、出口接続部材の外面とこの出口接続部材を固定する出口フランジの接続短管との間の半径方向間隔と軸方向間隔も変化する。タービン渦巻き部の大きさに適合した出口接続部材を使用することにより、ターボ過給機外側ハウジングの規格化された出口フランジとタービン渦巻き部との間の連結が可能になる。出口接続部材はマニホルド外側ハウジングの出口領域に好ましくは材料結合的に連結されている。
【0018】
本発明の発展形態では、タービン渦巻き部の接続領域と出口接続部材との間にシール要素を配置するための環状溝を、出口フランジの方向に折り曲げられたカラーの領域に付加的に設けることができる。
【0019】
他の形態では、タービン渦巻き部の接続領域と出口フランジが異なる端部直径を有する管状の出口接続部材を介して連結されている。その際、出口接続部材はタービン渦巻き部と出口フランジとの間の長さの変化を補償する折り畳みベローを備えている。
【0020】
タービン渦巻き部は、既に述べたように、支承フランジを介して、規格化された支承フランジ収容部に連結されている。支承フランジはマニホルド外側ハウジングの規格化された支承フランジ収容部との連結のために、周方向の外側のカラーを備えている。このカラーは支承フランジの本体を取り囲んでいる。その際、このカラーはいろいろなエンジン出力のためのその幅が常に次のように設計されている。すなわち、カラーが支承フランジ収容部の領域においてターボ過給機外側ハウジングの外面に接触し、それによってこの外面に材料結合的に連結可能であるように設計されている。すなわち、カラーは常に同じ外径を有する。しかしながら、内径は本体の大きさに依存する。カラーは本体または支承フランジの一体部品とすることができる。
【0021】
マニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングは最高のエンジン出力のために設計されている。これらのハウジングは好ましくは1つまたは複数の薄板部品からなっている。その際、マニホルドのマニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングはさらに、最高排気温度のために採寸されている。これにより、考慮の対象となるすべてのエンジン出力段のために排気装置を使用することが可能となる。エンジンとマニホルド外側ハウジングの連結は、アダプタを介してあるいは中間部材を介して行うこともできる。
【0022】
代替的な実施形態では、ターボ過給機外側ハウジングは、シリンダヘッドに一体化されたマニホルドを有するエンジンと関連して使用可能であるように構成されている。その際、ターボ過給機外側ハウジングのフランジはシリンダヘッドに接続するために設けられている。ターボ過給機外側ハウジング内の排気を案内する部品は、エンジンのそれぞれの出力クラスに適合している。ターボ過給機外側ハウジングとエンジンを連結するために、ターボ過給機外側ハウジングはフランジを備え、このフランジを介してシリンダヘッドに固定可能である。異なる出力段のために規格統一されたフランジが設けられている。タービン渦巻き部の入口領域は、ターボ過給機外側ハウジングのフランジからマニホルドの方へ突出している。ターボ過給機外側ハウジングのフランジの方に向いた溝がマニホルドの出口領域の周りに設けられていると、流体技術的にきわめて有利である。この溝には、タービン渦巻き部の入口領域の端部が係合する。溝は流路から間隔をおいて設けられ、かつ出口領域の直径を拡大しない。むしろ溝は所定の間隔をおいて出口領域を取り囲んでいる。
【0023】
マニホルドの出口領域とタービン渦巻き部の入口領域を連結するための代替的な形態では、周方向の凹部の形をした切欠きがマニホルドの出口領域の端部に設けられ、この切欠きにタービン渦巻き部の入口領域が係合している。これは、分離した溝として形成する場合よりも製作技術的に簡単に実現可能である。
【0024】
排気装置のハウジングは好ましくは複数のシェルからなっている。シェル構造の場合、特に、上側シェルと下側シェルが設けられている。このような上側シェルと下側シェルはマニホルド外側ハウジングの一部と同時にターボ過給機外側ハウジングの一部を形成することができる。本発明に係る排気装置の利点は特に、マニホルド外側ハウジングとターボ過給機外側ハウジングに関する金型と装置のコストを、はるかに多い個数に割り当てることができる点にある。それによって、単価が低下する。さらに、新たに開発および試験しなければならない部品が少なくなる。それによって、開発時間が短縮され、コストが低下する。さらに、接続要素またはエンジン周辺装置が常に同じ1つのターボ過給機外側ハウジングとマニホルド外側ハウジングに合わせられるので、変更が不要である。さらに、取付けスペース要求が常に一定であり、そして、例えば、内部システムの素材や形状を変更することによって、排気装置をいろいろなエンジン仕様に比較的に簡単に適合させることができる。それによって、排気装置を製作するための全体コストを低減することができる。というのは、例えば、衝突試験のような車両標準試験を、1つの仕様についてのみ行えばよいからである。
【0025】
内部システムの素材の選択と形状に影響を及ぼす要因は、
− 排気流量(およびそれと直接的なエンジン出力)
− 原理的には使用される材料が許容するように常に高く選定される排気温度、
− 振動、
− 可動部品に関しての回転数限界、
− 上記要因の集合
である。
【0026】
従って、本発明に係る排気装置の可能な構成は、内部システムのためのいろいろな材料を考慮に入れている。例えば、異なる4つのエンジン出力における最小エンジン出力の場合に、18%のクロムと安定化のためのニオブとチタンの割合を有する鋼のようなフェライト特殊鋼を使用することができる。素材番号1.4509の組成X2CrTiNb18の鋼が適している。
【0027】
一層高い出力クラスには好ましくは、オーステナイト特殊鋼が使用される。例えば、約20%のクロムと12%のニッケルを含む、例えば、素材番号1.4828のX15CrNiSi2012のような鋼が挙げられる。
【0028】
出力がさらに上昇する場合には、炭素、アルミニウムおよびチタンの含有量を調節したオーステナイトの耐熱ニッケル−鉄−クロム−混晶−合金が使用可能である。この合金は温度が高い場合にも長時間使用において高い金属安定性を有する。例えば、素材番号1.4876の合金X10NiCrAlTi3220が挙げられる。
【0029】
非常に高いエンジン出力の領域では、約60%のニッケル、20%のクロムおよび15%の鉄を含むニッケルベースの合金を使用することができる。商取引において商取引名称「インコネル601」で知られている素材番号2.4851のニッケル−クロム−合金は、酸化および高温腐食の他の形態に対して優れた耐性を有する(インコネルは米国のSpecial Metals Corporation社の商標である)。
【0030】
従って、4シリンダエンジンの場合の出力段の分割に対応する素材の使用例は、次の通りである。
1.9リットル行程容積、220kW : インコネル601
1.9リットル行程容積、183kW : 1.4876
1.9リットル行程容積、147kW : 1.4828
1.7リットル行程容積、125kW : 1.4509
【0031】
それぞれの外部システム(外側シェル)の選択のための基礎は、最高出力を有するエンジンである。より小さな出力のエンジンのために、内部システムだけが合わせられる。従って、すべてのエンジン仕様において、外部システムは同じである。
【0032】
次に、図に略示した実施形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】排気装置1全体の横断面図である。
【図1a】異なるエンジン出力に適合した排気装置を示す。
【図1b】異なるエンジン出力に適合した排気装置を示す。
【図2】ターボ過給機外側ハウジングと、マニホルドを一体化したエンジンとの間の連結部の実施形態を示す。
【図2a】ターボ過給機外側ハウジングと、マニホルドを一体化したエンジンとの間の連結部の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は排気装置1全体の横断面図である。マニホルド3のマニホルド外側ハウジング2とターボ過給機外側ハウジング4は一体に形成されている。マニホルド3の接続領域5と、ターボ過給機外側ハウジング4の出口フランジ6と、ターボ過給機外側ハウジング4の支承フランジ収容部7は、規格化されて形成されている。すなわち、排気装置1の内部システムが変更されるときでも、接続寸法は変わらない(図1a、1b)。
【0035】
タービン渦巻き部8の入口領域9はマニホルド内部システム11の規格化された出口領域10に適合している。タービン渦巻き部8の出口領域12は出口接続部材13を介してターボ過給機外側ハウジング4の出口フランジ6に連結されている。出口接続部材13は出口フランジ6の接続短管21の外側を取り囲んでいる。出口接続部材の内周面14は接続短管21に面で接触し、この接続短管に材料結合的に連結されている。本例の場合、これは溶接連結である。
【0036】
出口接続部材13はタービン渦巻き部8の方に向いたその端部に、半径方向内向きのカラー15を有する。このカラー15の端部はさらに、出口フランジ6の方へ折り曲げられている。それによって、出口領域12の外面16がカラー15の内面17に面で接触し、この内面によって支持される。カラー15の半径方向内向きの領域は幅Bを有する。この幅はタービン渦巻き部8の大きさに左右される。
【0037】
タービン外側ハウジング4の支承フランジ収容部7内に配置された支承フランジ18を介して、タービン渦巻き部8がターボ過給機外側ハウジング4に連結されている。その際、タービン渦巻き部8と支承フランジ18の形状はエンジン出力に適合し、互いに調和している。支承フランジ18は周方向のカラー19を有し、このカラーはターボ過給機外側ハウジング4の支承フランジ収容部7の外面20に接触し、この支承フランジ収容部に材料結合的に連結されている。
【0038】
マニホルド外側ハウジング2とターボ過給機外側ハウジング4は、手前に接続された内燃機関の、本ケースでは最大エンジン出力のために設計されている。
【0039】
図1aは、より小さなエンジン出力に適合した排気装置1aを示し、この排気装置は図1よりも小さなエンジン出力に適合したタービン渦巻き部8aを備えている。タービン渦巻き部8aは出口接続部材13aを介してターボ過給機外側ハウジング4の出口フランジ6に連結されている。出口接続部材13aのカラー15aの内向きの半径方向領域が幅B1を有し、従って図1の出口接続部材13の内向きの半径方向幅Bより大きいことがわかる。それによって、異なる大きさのタービン渦巻き部8、8aが、相応する出口接続部材13、13aを介して出口フランジ6に連結可能である。
【0040】
タービン渦巻き部8aに連結されたターボ過給機ホイール23用支承フランジ18aは、その本体22が図1のものよりも小さくなっている。支承フランジ18aとターボ過給機外側ハウジング4の連結は、支承フランジ18aの周方向のカラー19aが図1のものよりも大きな幅F1を有することによって可能である。従って、小さなエンジン出力のために設計された支承フランジ18aは、規格化された支承フランジ収容部7の外面20に接触し、この支承フランジ収容部に材料結合的に連結可能である。カラー19、19a、19b(図1b)の外径はそれぞれ同じである。カラー19、19a、19bの内径だけ変わっている。
【0041】
ターボ過給機外側ハウジング4と、図1a、図1bに一部だけ示したマニホルド外側ハウジング2は、すべての変形例において同一である。同様に、出口フランジ6、支承フランジ収容部7およびマニホルド3の接続部の大きさは規格化されている。
【0042】
図1bは図1および図1aと比べて低下したエンジン出力のための排気装置1bを示している。出口接続部材13bは半径方向内向きの領域の幅B2が図1と図1aよりも広くなっている。さらに、出口接続部材13bの長さL2は図1と図1aに示した出口接続部材の長さL、L1よりも長くなっている。従って、ターボ過給機外側ハウジング4と出口フランジ6の寸法が同じであるにもかかわらず、小さなエンジン出力のための大きさを有するタービン渦巻き部8bを使用可能である。
【0043】
タービン渦巻き部8bに連結された支承フランジ18bはここでも、タービン渦巻き部8bと同じエンジン出力のために設計され、図1、図1aと比較してさらに大きな幅F2を有するカラー19bを備えている。このカラー19bは、上述の変形例の場合と同様に、規格化された支承フランジ収容部7の外面20に接触し、この支承フランジ収容部に材料結合的に連結されている。
【0044】
異なるエンジン出力のための設計された排気装置1、1a、1bの例示した3つの実施形態は、この積み木方式のどの部品が規格化され、どの部品が変更できるかを明らかにしている。本発明は、外部構造が実質的に変わらないようにすることを目指している。これはマニホルド外側ハウジング2と、出口フランジ6を有するターボ過給機外側ハウジング4に該当する。排気装置1、1a、1bの内部では多彩な適合が可能であるので、適当な出口接続部材13、13a、13bを介して出口フランジ6に連結されるいろいろなタービン渦巻き部8、8a、8bが使用可能である。マニホルド内部システム2自体は異なるエンジン出力に適合可能である。
【0045】
出口フランジ6とは反対のターボ過給機外側ハウジング4の側で、ターボ過給機ホイール23のための支承フランジ18、18a、18bが規格化された外形寸法を有するように形成されている。この支承フランジの外形寸法は同様に規格化されたターボ過給機外側ハウジング4に適合している。さらに、すべての実施形態において、タービン渦巻き部8がどのような大きさを有していても、タービン渦巻き部8の入口領域9はマニホルド内部システム2に適合している。図1a、図1bにおいて、図示していないマニホルド内部システムはもちろん、エンジン出力に対するさらなる適合を行うために、図1のマニホルド内部システムと異なるように形成可能である。
【0046】
図2と図2aは代替的な実施形態を略示している。この実施形態の場合、ターボ過給機外側ハウジング24はマニホルド26を一体化したエンジンのシリンダヘッド25に直接連結されている。この場合、ターボ過給機外側ハウジング24はフランジ27を備え、このフランジによってターボ過給機外側ハウジングはシリンダヘッド25に固定可能である。例えば、タービン渦巻き部28のような、排気を案内する、ターボ過給機外側ハウジング24内の部品は、図1〜図1bに関連して既に説明したように、エンジンのそれぞれの出力クラスまたは出力段に適合している。図1〜図1bの説明が参照される。従って、ここでは改めて説明しない。
【0047】
ターボ過給機外側ハウジング24の連結はフランジ27を介して行われる。このフランジ27はエンジンまたは排気装置のいろいろな出力段にとって同一である。タービン渦巻き部28の入口領域29はフランジ27よりもシリンダヘッド25の方へ突出している。図2に示すように、マニホルド26の出口領域30は、ターボ過給機外側ハウジング21の方に向いた周方向の溝31を備えている。この溝には、タービン渦巻き部28の入口領域29の端部が係合し、マニホルド26の出口領域30を取り囲んでいる。
【0048】
図2および図2aには、タービン渦巻き部28とマニホルド32の代替的な連結方法が示してある。この場合、マニホルド32の出口領域33には、凹部34または自由空間が接続している。この切欠きまたは自由空間には、タービン渦巻き部28の入口領域29の端部が係合している。
【符号の説明】
【0049】
1 排気装置
1a 排気装置
1b 排気装置
2 マニホルド外側ハウジング
3 マニホルド
4 ターボ過給機外側ハウジング
5 接続領域
6 出口フランジ
7 支承フランジ収容部
8 タービン渦巻き部
8a タービン渦巻き部
8b タービン渦巻き部
9 入口領域
10 出口領域
11 マニホルド内部システム
12 接続領域
13 出口接続部材
13a 出口接続部材
13b 出口接続部材
14 内周面
15 カラー
15a カラー
15b カラー
16 12の外面
17 内面
18 支承フランジ
18a 支承フランジ
18b 支承フランジ
19 カラー
19a カラー
19b カラー
20 外面
21 接続短管
22 本体
23 ターボ過給機ホイール
24 ターボ過給機外側ハウジング
25 シリンダヘッド
26 マニホルド
27 フランジ
28 タービン渦巻き部
29 入口領域
30 出口領域
31 溝
32 マニホルド
33 出口領域
34 凹部
B 幅
B1 幅
B3 幅
F 幅
F3 幅
L 長さ
L1 長さ
L2 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ過給機外側ハウジング(4、24)を備えた排気装置において、
ターボ過給機外側ハウジング(4、24)が規格化された出口フランジ(6)と規格化された支承フランジ収容部(7)とを備え、ターボ過給機外側ハウジング(4、24)内に異なる大きさのタービン渦巻き部(8、8a、8b、28)を挿入可能であり、タービン渦巻き部(8、8a、8b)が支承フランジ(18、18a、18b)を介して規格化された支承フランジ収容部(7)に連結され、かつ出口接続部材(13、13a、13b)を介して規格化された出口フランジ(6)に連結され、タービン渦巻き部(8、8a、8b)の入口領域(9)が規格化されたマニホルド内部システム(11)の出口領域(10)に適合し、それによって、異なるエンジン出力に適合したタービン渦巻き部(8、8a、8b)がその入口領域(9)を介してマニホルド内部システム(11)に連結可能であることを特徴とする排気装置。
【請求項2】
排気装置がマニホルド外側ハウジング(2)とマニホルド内部システム(11)を有するマニホルド(3)を備え、ターボ過給機外側ハウジング(4)がマニホルド外側ハウジング(2)と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
【請求項3】
出口接続部材(13、13a、13b)とタービン渦巻き部(8、8a、8b)が密着したすべり嵌めによって互いに連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排気装置。
【請求項4】
支承フランジ(18、18a、18b)の大きさがタービン渦巻き部(8、8a、8b)の大きさに適合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項5】
異なる大きさの支承フランジ(18、18a、18b)がそれぞれ異なる幅(F、F1、F2)のカラー(19、19a、19b)を備え、このカラーが規格統一された外径を有すると共に支承フランジ収容部(7)の外面(17)に接触することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項6】
出口接続部材(13、13a、13b)が出口フランジ(6)の接続短管(21)を取り囲んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項7】
出口接続部材(13、13a、13b)が半径方向内側に向いたカラー(15、15a、15b)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項8】
カラー(15、15a、15b)の端領域が出口フランジ(6)の方に折り曲げられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項9】
出口接続部材(13、13a、13b)が出口フランジ(6)に材料結合的に連結されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項10】
マニホルド外側ハウジング(2)が1つ以上の薄板部品からなっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項11】
ターボ過給機外側ハウジングがマニホルド外側ハウジングと共にアダプタを介してエンジンに固定可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の排気装置。
【請求項12】
ターボ過給機ハウジング(24)がシリンダヘッド(25)と一体化されたマニホルド(26、32)を有するエンジンに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の排気装置。

【図1】
image rotate

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2a】
image rotate


【公開番号】特開2011−153623(P2011−153623A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11763(P2011−11763)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】