説明

掘削機のカッタビット交換方法および交換装置

【課題】カッタスポーク背面の狭い作業空間で、スムーズにビット交換作業ができる。
【解決手段】交換用ビット31で前部に掘削刃部31Bを有するビット本体31Aに、背面に開口されるジャッキ収容穴61を形成しておき、ジャッキ収容穴61内に、押引きジャッキ55のジャッキ本体55aを収容固定した状態で、作業空間29の背面に設けられた反力受け部材56に、押引きジャッキ55の作動ロッド55bを連結し、押引きジャッキ55を伸縮して、交換用ビット31をビットガイド体37のビットガイド穴38に離脱、挿入させ、作業空間28における交換用ビット31の搬出と搬出を、ジャッキ収容穴61に押引きジャッキ55を収容した状態で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削途中に掘削ビットを交換するための掘削機のカッタビット交換方法および交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、掘削途中に、シールド機のカッタディスクに装着されたカッタビットを交換する方法が提案されている。この交換方法は、1)カッタディスクを構成するカッタスポークの内側で、カッタビットにカッタビット引抜き用ジャッキを取り付け、2)カッタビットをカッタスポークに固定しているカッタビット取付ボルトを外し、3)カッタビット引抜用ジャッキを縮めてカッタビットを引き、4)カッタビットを引くことにより開口したカッタスポークの孔をバルブで閉じて止水し、5)カッタビット引抜用ジャッキをカッタビット及びカッタスポークから外し、6)カッタビットをカッタスポークから外し、7)この後、逆の動作で新しいカッタビットをカッタスポークに取り付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2557169号公報(図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成において、ビット本体と掘削刃部からなる交換用カッタビットは、カッタスポークの前面板に形成された装着穴を貫通して配置され、交換する時には、装着穴から内部空間に抜き出される。このカッタスポークの取付部では、a)掘削力に対抗できるだけの十分な強度を持ってビット本体をカッタスポークに保持すること、b)抜き出し時に切り羽面から浸入する泥水を装着穴との間でシールすることから、カッタビットにシール可能な十分な長さが必要であること、c)カッタビット引抜用ジャッキは、カッタビット全体を作業空間内に引き出すだけの伸縮ストロークが必要なこと、等の要件がある。一方、d)切羽崩壊土圧を保持しつつ掘削土砂を大気圧側に送り出す圧力室の容積も、十分に確保しなればならないこと、e)カッタスポークからその背面圧力室に突出される作業空間の容積が大きいと、圧力室における掘削土砂の混練能力が低下すること、等のシールド掘進機の構造的な問題もある。したがって、カッタスポークの背面側に許容される作業空間の容積は限られており、カッタスポークの作業空間の奥行きを十分に確保することが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決して、カッタスポーク背面の作業空間が狭くても、交換用ビットの交換作業をスムーズに行うことができる掘削機のカッタビット交換方法および交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、カッタヘッドのビットガイド穴に装着された交換用ビットにより地山を掘削し、掘削途中で磨耗した交換用ビットを、押引きジャッキにより前記ビットガイド穴からカッタヘッドの背面に形成された作業空間に引き出して離脱させるとともに、前記ビットガイド穴を閉鎖し、磨耗した交換用ビットを前記作業空間から搬出し、逆の手順で、新規な交換用ビットを搬入して前記押引きジャッキにより前記ビットガイド穴に挿入する掘削機のカッタビット交換方法であって、
交換用ビットで前部に掘削刃部を有するビット本体に、背面に開口されるジャッキ収容穴を形成しておき、当該ジャッキ収容穴内に、押引きジャッキのジャッキ本体を収容固定した状態で、前記作業空間内の背面に設けられた背面支持部を反力受けとして、押引きジャッキを伸縮して前記ビットガイド穴に対する交換用ビットの離脱と挿入とを行い、
さらに前記ジャッキ収容穴に押引きジャッキのジャッキ本体を収容した状態で、前記作業空間における交換用ビットの搬出と搬出とを行うものである。
【0007】
上記方法によれば、ビット本体に形成されたジャッキ収容穴に、押引きジャッキのジャッキ本体を収容することにより、出退ストロークの長い押引きジャッキを使用して、交換用ビットを押し引きすることができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の方法において、
ジャッキ収容穴内にジャッキ本体の基端側の一部を収容した一次固定位置に押引きジャッキを固定した状態で、地山を掘削する使用位置と、当該使用位置から後退されてビットガイド穴を閉鎖可能なガイド穴開閉位置との間で、交換用ビットを出退する一次押引き動作を行い、
前記ジャッキ収容穴内にジャッキ本体の略全体を収容した二次固定位置に前記押引きジャッキを固定した状態で、前記ガイド穴開閉位置と前記ビットガイド穴から作業空間に離脱された離脱位置との間で交換用ビットを出退する二次押引き動作を行うものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、
カッタヘッドに形成されたビットガイド穴から前方に突出されて地山を掘削する交換用ビットと、カッタヘッドの背面に形成された作業空間と前記ビットガイド穴との間で交換用ビットを離脱、挿入する押引きジャッキと、前記ビットガイド穴を開閉するゲート開閉装置とを具備した掘削機のカッタビット交換装置であって、
交換用ビットのビット本体に、前記押引きジャッキのジャッキ本体を収容可能なジャッキ収容穴を形成して背面に開口させ、
当該ジャッキ収容穴にジャッキ本体が収容固定された押引きジャッキにより、前記作業空間内の背面に設けられた背面支持部を反力受けとして、前記ビットガイド穴に対する交換用ビットの引き出し動作と押し込み動作を行い、またジャッキ収容穴に押引きジャッキを収容固定した状態で、交換用ビットの前記作業空間における搬出と搬入とを行うように構成されたものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の構成において、
ジャッキ本体の基端側の一部がジャッキ収容穴に収容される一次固定位置と、ジャッキ本体の略全体がジャッキ収容穴に収容される二次固定位置との間で、ジャッキ収容穴における押引きジャッキの固定位置を調整可能な調整固定機構を設け、
当該調整固定機構により、前記一次固定位置と前記二次固定位置でそれぞれ押引きジャッキを出退駆動することにより、押引きジャッキの実質的な伸縮ストロークを拡張可能に構成したものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の構成において、
調整固定機構は、ジャッキ本体の外周部に形成された雄ねじ部と、当該雄ねじ部に雌ねじ部を介して移動可能に嵌合され、ジャッキ本体をジャッキ収容穴の開口部に固定可能な可動フランジとを具備したものである。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の構成において、
調整固定機構は、ジャッキ本体の基端側で外周部に突設されて一次固定位置でジャッキ収容穴の開口部に固定可能な一次フランジと、ジャッキ本体の先端側で外周部に突設されて二次固定位置でジャッキ収容穴の開口部に固定可能で、かつ前記一次フランジに対して90°位相が相違された二次フランジとを有し、
前記ジャッキ収容穴の開口部を、前記一次フランジと相似形で前記一次フランジを通過可能な大きさに形成したものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1または3記載の発明によれば、交換用ビットのビット本体に形成されて背面に開口されたジャッキ収容穴に、押引きジャッキのジャッキ本体を収容し、作業空間の背面支持部を反力受けとして、押引きジャッキによりビットガイド穴内の交換用ビットを押し引きするので、ビットガイド穴から作業空間の背面までの距離が、従来のように交換用ビットの長さ+押引きジャッキの収縮時の長さ分を確保できない狭い作業空間であっても、交換用ビットの長さ+α(背面支持部と連結部材)の作業空間であれば、出退ストロークを十分に長く確保可能な押引きジャッキを使用して、ビットガイド穴に対して交換用ビットを挿入、離脱させることができる。また、ジャッキ収容穴に押引きジャッキを収容した状態で、磨耗した交換用ビットの搬出と新規な交換用ビットの搬入とを行うことで、狭い作業空間であっても、交換用ビットの挿入と離脱を容易かつスムーズに行うことができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、ジャッキ収容穴内でジャッキ本体の固定位置を、一次固定位置と二次固定位置との間で変位させて、それぞれの固定位置で交換用ビットを押し引き駆動することにより、押引きジャッキが変位した変位距離だけ長い出退ストロークを確保することができる。これにより、小型の押引きジャッキを使用することができて、押引きジャッキおよび交換用ビットのコンパクト化を図ることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、調整固定機構により、一次固定位置と二次固定位置で押引きジャッキをそれぞれ出退駆動することにより、押引きジャッキの実質的な伸縮ストロークを変位距離だけ長く拡張することができる。これにより伸縮ストロークの小さい小型の押引きジャッキを使用することができて、交換用ビットと押引きジャッキのコンパクト化を図ることができる。また使用位置とガイド穴開閉位置との間の交換用ビットの一次押引き動作と、ビットガイド穴のゲート開閉動作と、ガイド穴開閉位置と作業空間内の離脱位置の間の交換用ビットの二次押引き動作とを行うことで、止水作業と交換用ビットの離脱、装着作業をスムーズに行うことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、押引きジャッキを挿脱する際の押引き反力を、ジャッキ本体の雄ねじ部から可動フランジを介して交換用ビットに伝達することができる。また、固定位置の移動も可動フランジを回転させるだけで容易に行うことができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、ジャッキ本体の基端側と先端側とに一次フランジと二次フランジとを互いに位相をずらせて取り付けたので、開口部で、ジャッキ本体を軸心周りに回転させて、開口部と一次、二次フランジの位相をずらせることにより、ジャッキ本体を交換用ビットの開口部に固定することができる。また開口部と一次フランジの位相を合わせることにより、一次フランジを開口部からジャッキ収容穴に挿入し、ジャッキ本体を奥側に押し込んで収容固定することができる。これにより、ジャッキ収容穴における押引きジャッキの固定位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)および(b)は、本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例1を示し、(a)はビット交換ユニットの交換用ビットの引き出し前の側面視の断面図、(b)は交換用ビットの離脱状態を示す側面視の断面図である。
【図2】ビット交換ユニットを具備したカッタヘッドの全体正面図である。
【図3】シールド掘進機の全体縦断面図である。
【図4】ビット交換ユニットを示す正面図である。
【図5】ビット交換ユニットの背面図である。
【図6】ビット交換ユニットにおける交換用ビットの引き出し準備状態を示す平面視の断面図である。
【図7】(a)〜(c)は交換用ビットを示し、(a)は側面視の断面図、(b)は平面視の断面図、(c)は背面図である。
【図8】図6における拡大A−A断面図である。
【図9】図6における拡大B−B断面図である。
【図10】(a)〜(c)は押引きジャッキを示し、(a)は側面半断面図、(b)はC−C拡大断面図、(c)はD−D拡大矢視図である。
【図11】マンホールと作業空間を示す平面視の断面図である。
【図12】(a)および(b)は、交換用ビットの搬送状態を示す吊下搬送装置を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図13】(a)および(b)は、交換用ビットの搬送状態を示す搬送整合装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図14】(a)および(b)は、押引きジャッキの搬送状態を示す搬送整合装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図15】(a)および(b)は、ビット交換作業における押引きジャッキの搬入状態を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図16】(a)および(b)は、ビット交換作業における押引きジャッキの装着状態を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図17】(a)および(b)は、ビット交換作業における一次押引き動作の終了状態を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図18】(a)および(b)は、ビット交換作業におけるゲート閉動動作を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図19】(a)および(b)は、ビット交換作業における二次押引き動作を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図20】(a)および(b)は、ビット交換作業における交換用ビットの搬出動作を示し、(a)は平面視の断面図、(b)は側面視の断面図である。
【図21】(a)および(b)は、本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例2を示し、(a)はビット交換ユニットの交換用ビットの引き出し前の側面視の断面図、(b)は交換用ビットの離脱、搬出状態を示す側面視の断面図である。
【図22】マンホールと作業空間を示す平面視の断面図である。
【図23】吊下搬送装置を示す正面図である。
【図24】(a)および(b)は押引きジャッキを示し、(a)は側面半断面図、(b)は(a)に示すE−E拡大矢視図である。
【図25】(a)および(b)は、本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例3を示し、(a)はビット交換ユニットを示す正面図、(b)はビット交換ユニットの平面視の断面図である。
【図26】(a)および(b)は、本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例4を示し、(a)はビット交換ユニットを示す正面部分断面図、(b)は(a)に示すF−F断面図である。
【図27】(a)および(b)は、本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例5を示し、(a)はビット交換ユニットの交換用ビットの引き出し前の側面視の断面図、(b)は交換用ビットの離脱、搬出状態を示す側面視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
以下、本発明に係る掘削機であるシールド掘進機のカッタビット交換装置の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
【0020】
[シールド掘進機の構成]
実施例1を図1〜図20を参照して説明する。
このシールド掘進機は、直径が8m以上の大口径トンネル掘削用で、図3に示すように、円筒形のシールド本体(掘削機本体)11の前部に、切羽崩壊土圧を保持する圧力隔壁12が設けられ、この圧力隔壁12に、旋回リング体14が旋回軸受13を介してシールド軸心(掘削機軸心)O周りに回転自在に支持されている。そして、この旋回リング体14から前方に突設された複数の支持脚15の前端部に、円形のカッタヘッド16が支持され、また圧力隔壁12の後部に、カッタヘッド16を回転駆動するカッタ駆動装置17が設けられている。このカッタ駆動装置17は、旋回リング体14の背面に設けられたリングギヤ17aと、このリングギヤ17aに噛み合う複数の駆動ピニオン17bと、前記駆動ピニオン17bをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動装置(油圧式または電動式モータ)17cとで構成されている。さらに前記圧力隔壁12の前部に、切羽崩壊土圧を保持する圧力室19が形成され、カッタヘッド16により掘削された土砂を混練しつつ、この圧力室19から大気圧に保持された後方空間に排出する排土用スクリュコンベヤ装置18が設けられている。
【0021】
カッタヘッド16は、図2に示すように、シールド軸心O上に配置された中心部材20から半径方向軸RLに沿って延びる複数の主スポーク部材21と、主スポーク部材21の間で半径方向に延びる複数の副スポーク部材22と、シールド軸心Oを中心とする円弧方向に配設されて主スポーク部材21および副スポーク部材22を連結する中間リング部材23および外周リング部材24とを具備している。そして、これら各部材21〜24間に土砂取り入れ口25が形成されている。
【0022】
前記主スポーク部材21の前部に、本発明に係る複数のビット交換ユニット(ビット交換装置)30がそれぞれ配列され、各ビット交換ユニット30に2本の交換用ビット31がそれぞれ設けられている。また主スポーク部材21の外周端の周方向両側に、外周ビット交換ユニット130が設けられている。さらに中心部材20や副スポーク部材22の前面および側面、主スポーク部材21の側面に複数の固定ビット26がそれぞれ設けられている。
【0023】
図3に示すように、前記中心部材20の背面側に、作業員が出入り可能なマンホール27が設けられており、このマンホール27は圧力隔壁12を貫通して、大気圧に保持された後方空間から出入り可能に連通されている。また各主スポーク部材21の背面側に背面フレーム29が設けられ、この背面フレーム29により、マンホール27から出入り可能な作業空間28が形成されている。この背面フレーム29の横断面形状は、図1に示すように、前面側の周方向(回転方向)の幅に比較して、背面側の周方向(回転方向)の幅が狭く形成されている。すなわち、背面フレーム29は、スポーク前面板(前面板)21aの左右側縁から後方に垂設された左右の側面板29aと、左右の側板29aの後縁部から内側に傾斜して背面側ほど狭くなる傾斜面板29bと、左右の側面傾斜板の後縁部を連結する背面板29cとを具備し、背面板29cの幅が狭い釣鐘形の横断面形状に形成されている。これにより、掘削土砂の取り込みや攪拌による摩擦抵抗が軽減されるとともに、強度が確保されており、作業空間28は、半径方向軸線RL(図2、図4)の周方向両側において後方への奥行きが狭くなっている。
【0024】
図2、図4,図5に示すように、主スポーク部材21に半径方向に沿って複数のビット交換ユニット30が所定ピッチで配設されている。これら各ビット交換ユニット30に毎に、それぞれ2本ずつの交換用ビット31が、主スポーク部材21の中心となる半径方向軸線RL上に配置され、作業空間28における交換用ビット31の後方の奥行き方向および周方向の幅が確保されている。
【0025】
(交換用ビット)
交換用ビット31は、図7に示すように、円筒形のビット本体31Aと、このビット本体31Aの前部から前方に突出された掘削刃部31Bとを具備している。そして掘削刃部31Bは、ビット本体31Aに比較して外径が小さく形成され、後述のビットガイド穴38から出退可能に形成されている。ビット本体31Aは、基筒部31aと、基筒部31aの前部に一体に取り付けられるとともに掘削刃部31Bが突設された基台部31bと、基筒部31aの後端部に設けられたフランジ部31cとを有し、フランジ部31cの背面に、この交換用ビット31を押引きする押引きジャッキ55を固定するためのボルト穴が形成されている。
【0026】
前記基筒部31aの軸心部に、押引きジャッキ55を収容可能なジャッキ収容穴61が形成され、このジャッキ収容穴61は、フランジ部31cに形成された開口部62を介して作業空間28に連通されている。またフランジ部31cの対称位置に、掘削使用状態で位置決め固定する使用位置凹部31eが形成されている。さらに基筒部31aの前部に、交換用ビット31が後退されたガイド穴開閉位置で位置決め固定する退避位置凹部31fが形成されている。さらにまたフランジ部31cに回り止め用エッジ31gが設けられ、これら回り止め用エッジ31gは、使用位置凹部31eの底面に直交する互いに平行な面により形成されている。
【0027】
(押引きジャッキ)
押引きジャッキ55はたとえば油圧式シリンダにより構成され、図10に示すように、ジャッキ本体55aと、ジャッキ本体55a内の伸展、収縮用の油室内にスライド自在に配置されたピストン55cと、このピストン55cから先端側に伸びる出退自在な作動ロッド55bとを具備している。そして、作動ロッド55bの先端に取り付けられた連結部材55dに、油圧を給排出する2つのポート55e,55fが形成され、ポート55e,55fに連通された2本の油圧流路55g,55hが、作動ロッド55bを介してピストン55cの前後部に開口され、伸展、収縮用の油室にそれぞれ接続されている。
【0028】
さらにジャッキ本体55aには、ジャッキ収容穴61に対してジャッキ本体55aの固定位置を調整可能な調整固定機構63が設けられている。この調整固定機構63により、ジャッキ収容穴61に対するジャッキ本体55aを、図7(b),図18に示すようにジャッキ本体55aの基端側の一部がジャッキ収容穴61に収容された一次固定位置R1と、図7(a),図17に示すように、ジャッキ本体55aの略全体がジャッキ収容穴61に収容された二次固定位置R2との間で前後方向に変位させてそれぞれ固定し、一次固定位置R1と二次固定位置R2でそれぞれ押引きジャッキ55を伸縮させることにより、実質的に押引きジャッキ55の駆動ストロークを、後述の一次フランジ63aと二次フランジ63bの変位距離L分だけ拡張することができる。
【0029】
この調整固定機構63は、ジャッキ本体55aの基端側に、交換用ビット31のジャッキ収容穴61の開口部62外周に固定可能なボルト穴を有する花弁形の一対の一次フランジ63aを対称方向に突設し、またジャッキ本体55aの先端部近傍に、交換用ビット31のジャッキ収容穴61の開口部62外周に固定可能なボルト穴を有する花弁形の一対の二次フランジ63bを、一次フランジ63aに対して90°位相を変えて突設している。そして、図7(c)に示すように、開口部62が、二次フランジ63bより僅かに大きい相似形に形成されており、互いに位相を合わせることで、一次フランジ63aが開口部62を通過してジャッキ本体55aをジャッキ収容穴61に挿入することができる。
【0030】
(ビット交換ユニットの基本構造)
図1,図4,図6に示すように、ビット交換ユニット30は、主スポーク部材21のスポーク前面板21aの半径方向軸RL上に装着穴部21bが形成され、これら装着穴部21bに、左右一対の取付リング片40を介してユニット前面板32がそれぞれ嵌合され、固定ボルトにより固定されている。そして、これら各ユニット前面板32の中心位置に、シールド軸心Oと平行な開閉軸心OCが設けられ、各ユニット前面板32に、前記開閉軸心OCを中心とする円弧線と半径方向軸線RLとの2つの交点に開口穴33がそれぞれ形成されている。そして、図8に示すように、ユニット前面板32の背面側に、取付リング片40を介してゲート板34が開閉軸心OCを中心に回動自在に配置され、このゲート板34に、2つの開口穴33をそれぞれ連通、閉鎖自在な2個のバルブ口35が形成されている。そして、このゲート板34を、開口穴33とバルブ口35とが合致する連通位置と、開口穴33からバルブ口35が位置ずれして閉鎖する閉鎖位置との間で略90°往復回動可能なゲート開閉装置36が設けられている。さらにゲート板34の背面側にビットガイド体37が取り付けられ、このビットガイド体37に、バルブ口35を介して開口穴33に連通するビットガイド穴38がそれぞれ形成されている。
【0031】
(ゲート開閉装置)
図1,図8に示すように、前記ゲート開閉装置36はギヤ式回動機構からなり、このギヤ式回動機構は、円形のゲート板34の外周部に開閉軸心OCを中心とする周方向に約90°より少し大きい範囲で形成された外歯ギヤ36aと、ビットガイド体37と取付リング片40との間に回転自在に支持されて前記外歯ギヤ36aに噛合するピニオン36bと、このピニオン36bが固定されて作業空間28側に突出された駆動軸36cとを有している。この駆動軸36cに、ラチェットレンチなどの手動工具や、電動式または油圧式のトルクレンチなどの自動工具を装着して駆動軸36cを回転させ、ゲート板34を回動して開口穴33を開閉することができる。
【0032】
また図8に示すように、ゲート板34の外周部に、ゲート板34の回動を規制する回動規制具39が設けられている。この回動規制具39は、ゲート板34の外周部で所定位置に開閉軸OCを中心として90°の範囲にわたって形成された円弧凹部39aと、ビットガイド体37の面板部41の内面に突設されて円弧凹部39aに移動自在に嵌合されるストッパピン39bとで構成され、バルブ口35が開口穴33に一致する位置でゲート板34の回動限を規制している。
【0033】
上記ゲート開閉装置36によれば、ギヤ式回動機構により外周部を駆動してゲート板34を回動させるので、作業空間28との空間的な干渉がほとんどない。また小さいトルクでゲート板34を回動させることができ、手動工具や自動工具などの簡易な作業機器により、容易に開閉駆動することができる。さらに、ゲート板34が円形に形成され、取付リング片40を介して外周部が回転自在に支持されるので、ゲート板34の回動中心となる軸部材が不要となり、この分、ゲート板34の外径を小さくすることができ、ビット交換ユニット30のコンパクト化を図ることができる。
【0034】
(ビットガイド体)
図1,図5〜図7,図9に示すように、ユニット前面板32に取付リング片40を介してビットガイド体37がその外周部を固定ボルトで固定されている。ビットガイド体37は、ゲート板34の背面を覆い外周部が固定された面板部41と、この面板部41から後方に突設されてビットガイド穴38が形成された2個の保持筒部42と、これら保持筒部42間を連結する連結ブロック43とを具備している。そして、連結ブロック43の後端面に、交換用ビット31の回り止め用エッジ31gに係合する固定ブロック44が取り付けられている。また保持筒部42の後端面に、交換用ビット31のフランジ部31cが固定ボルトを介して着脱可能に固定されるボルト穴が形成されるとともに、使用位置凹部31eと退避位置凹部31fとに係合離脱自在な位置決め用の係止爪45が係脱用ボルト46を介して対称位置に取り付けられている。これら係止爪45は、係脱用ボルト46が半径方向に長い長穴を介して装着されて、使用位置凹部31eと退避位置凹部31fとにそれぞれ係脱、固定することができる。
【0035】
(止水用シール材)
図1,図6,図7,図8に示すように、このビット交換ユニット30において、切羽側から作業空間28内に高圧泥水が浸入するのを防止するために、交換用ビット31の基台部31bと基筒部31aの後端部の外周部に、装着溝を介して第1,第2ビット用シール材51,52がそれぞれ装着されている。使用位置では、第1ビット用シール材51により、交換用ビット31と開口穴33の隙間がシールされ、また第2ビット用シール材52により、基筒部31aとビットガイド穴38との隙間がシールされる。また交換退避位置では、第1ビット用シール材51により、交換用ビット31の基台部31bとビットガイド穴38との隙間がシールされる。これら第1,第2ビット用シール材51,52は、交換用ビット31の交換時に交換することができ、十分なシール性を確保することができて信頼性が高い。
【0036】
もちろん、第1,第2ビット用シール材51,52をスポーク前面板32および面板部41の摺接面に装着溝を介して取り付けることもできる。
またゲート板34には、その前面と後面でバルブ口35の周縁部に第1ゲート用シール材53が装着溝を介して装着されるとともに、ゲート板34の外周部に第2ゲート用シール材54が装着溝を介して装着されている。前面の第1,第2ゲート用シール材53,54により、ゲート板34とスポーク前面板32と隙間に泥水が浸入するのが防止され、後面の第1,第2ゲート用シール材53,54により、ゲート板34と面板部41と隙間に泥水が浸入するのが防止される。
【0037】
バルブ口35の周囲をシールする第1ゲート用シール材53は、ゲート板34の回動途中で開口穴33またはビットガイド穴38を通過するが、掘削作業中および交換作業中は、完全に摺動面に密着しており、損傷の危険性も低いため、シール性を十分に確保することができる。またゲート板34の外周部をシールする第2ゲート用シール材54は、常時摺動面と密着しており、シール空間の容積変化もなく、損傷などの危険性も低いため、シール性を十分に確保することができる。
【0038】
もちろん、スポーク前面板32側または面板部41側に装着溝を介して第1,第2ゲート用シール材53,54を装着することもできる。
(交換支援設備)
図11〜図14に示すように、このビット交換ユニット30の交換支援設備として、押引きジャッキ55付きの交換用ビット31または押引きジャッキ55単体を、マンホール27と作業空間28の入口の間で搬送する吊下搬送装置71と、作業空間28の入口とビット交換ユニット30の背面対向位置の間で、押引きジャッキ55付きの交換用ビット31または押引きジャッキ55単体をそれぞれ搬送する搬送整合装置81とが設けられている。
【0039】
吊下搬送装置71は、図11,図12に示すように、天井部に敷設された天井レール72と、この天井レール72に複数のガイドローラを介して移動自在に支持された吊下台車73と、吊下台車73に、巻取機(レバーブロック)74から繰出し、巻取られるチェーン74aを介して支持された左右一対のクランプアーム75とを具備し、クランプアーム75の先端部に設けられた保持具75aにより、交換用ビット31や押引きジャッキ55をそれぞれ把持して吊持し、マンホール27と作業空間28の入口の間で搬送することができる。
【0040】
搬送整合装置81は、図11に示すように、作業空間28内で、スポーク前面板21aの背面側に突設された取付治具82と、ビット交換ユニット30の面板部41に取り付けられた支持治具83とを介して作業空間28の入口と目的のビット交換ユニット30の背面との間に上下一対の搬送レール84が半径方向軸RLに沿って敷設される。これら搬送レール84には、たとえば手動式(またはラック・ピニオン機構と電動モータなどを使用した駆動式でも可)の2台の搬送台車85が移動自在に支持されており、たとえばビット交換ユニット30に設けられた交換用ビット31の本数に対応して、2台の搬送台車85が設置されている。これら搬送台車85は、図13,図14に示すように、搬送レール84にスラストベアリングを介して案内される基端台車部85aと、この基端台車部85aから背面側に伸びるアーム部85bを有し、このアーム部85bに、左右一対の出退レール86がシールド軸心Oと平行なビット挿入離脱方向に敷設されている。これら出退レール86に調整台車87が移動自在に案内配置され、この調整台車87に昇降調整機構88を介して整合台89が昇降自在に支持されている。この昇降調整機構88は、調整台車87に整合台89を昇降自在に案内する4本のガイドロッド88aと、中央部に配置されて整合台89を昇降駆動する手動式のねじ駆動ジャッキ88bとで構成されている。また整合台89には、固定ねじ90aを介して門形の保持具90A,90Bがそれぞれ着脱自在に配置され、これら保持具90A,90Bにより交換用ビット31または押引きジャッキ55をそれぞれ着脱自在に保持することができる。
【0041】
(ビット交換ユニットの交換作業)
トンネルの掘削状態では、交換用ビット31が使用位置に固定されている。掘削が進み交換用ビット31が磨耗すると、磨耗した交換用ビット31を有する主スポーク部材21がたとえば水平姿勢となる位置で、カッタヘッド16が停止される。そして作業員がマンホール27から作業空間28に入り、天井レール72に吊下搬送装置71を設置するとともに、搬送レール84に搬送整合装置81を設置してビット交換作業を行う。
【0042】
1)マンホール27に移動させた吊下搬送装置71により、クランプアーム75を介して押引きジャッキ55を把持させ、吊り上げて吊下台車73を天井レール72に沿ってマンホール27から作業空間28の入口まで搬送し、2台の搬送整合装置81の整合台89に順次受け渡す。
【0043】
2)作業空間28の入口に停止された搬送台車85には、予め整合台89にジャッキ用の保持具90Bが設置されており、整合台89上に押引きジャッキ55を下ろし、保持具90Bをセットして押引きジャッキ55を整合台89にそれぞれ固定する。
【0044】
3)図15に示すように、各搬送台車85を作業空間28の入口から搬送レール84に沿って移動させて、目的のビット交換ユニット30の背面に停止させる。そしてねじ駆動ジャッキ88bを操作して交換用ビット31の開口部62に対向するように、押引きジャッキ55の高さを調整する。
【0045】
4)図16に示すように、まず油圧配管(図示せず)を各押引きジャッキ55のポート55e,55f(図10)にそれぞれ接続し、押引きジャッキ55を少し伸展させて、押引きジャッキ55の作動ロッド55bに設けられた連結部材55dを、背面フレーム29の背面板29cに取り付けられた反力受け部材(背面支持部)56に連結する。次いで、押引きジャッキ55を所定ストローク伸展させ、整合台89と共にジャッキ本体55aを前方に移動させ、ジャッキ本体55aの基端側を開口部62からビット収納穴61に嵌入させる。そして、図7(b)に示すように、一次フランジ63aをフランジ部31cにボルト止めして、一次固定位置R1で押引きジャッキ55のジャッキ本体55aを交換用ビット31にそれぞれ固定する。そして、保持具90Bを外して整合台89と押引きジャッキ55とを分離する。
【0046】
5)図17に示すように、2本の磨耗した交換用ビット31について、順次、フランジ部31cの固定ボルトを外して交換用ビット31とビットガイド体37とを分離するとともに、係脱ボルト46を緩めて係止爪45を使用位置凹部31eから後退させた後、各押引きジャッキ55をそれぞれほぼ全ストローク収縮させて、交換用ビット31をビットガイド穴38に沿って使用位置からそれぞれ引き出し(一次押引き動作)、ガイド穴開閉位置で停止させる。そして、係止爪45を退避位置凹部31fに突出係合させて係脱ボルト46を締め付け、磨耗した交換用ビット31をそれぞれガイド穴開閉位置に固定する。
【0047】
6)図18に示すように、手動工具または自動工具を使用して、ゲート開閉装置36の駆動軸36cを回転駆動し、開閉ギヤ機構を介してゲート板34を所定角、ここでは90°回動させることにより、開口部33とビットガイド穴38とをそれぞれ閉鎖する(ゲート開閉動作)。さらに、図示しないエア抜きバルブとドレン弁とを操作して、ビットガイド穴38内でゲート板34とビット本体31Aの間に流入した高圧のエアと泥水とを排出する。ドレン弁を閉じ、エア抜きバルブは新規の交換用ビット31の挿入まで開放しておく。
【0048】
7)また各交換用ビット31では、押引きジャッキ55を一次固定位置R1から二次固定位置R2に変位させる。すなわち、一次フランジ63aのボルトを外してジャッキ本体55aをフランジ部31cから分離させ、さらにジャッキ本体55aを軸心回りに90°回転させる。そして押引きジャッキ55を伸展して一次フランジ63aを開口部62から嵌入させてジャッキ本体55aをジャッキ収容穴61の奥側に押し込む。そして、図7(a)に示すように、ジャッキ本体55aの略全体をジャッキ収容穴61内に収容させる二次固定位置R2で、二次フランジ63bをフランジ部31cにボルト止めして、押引きジャッキ55を交換用ビット31に固定する。
【0049】
8)図19に示すように、係脱ボルト46を緩めて、係止爪45を退避位置凹部31fから後退させる。そして開口部62の後方下部に、予めビット用の保持具90Aの受台をセットした整合台89を配置しておく。押引きジャッキ55を略全ストローク収縮し、交換用ビット31をビットガイド穴38から引き出して離脱させ(二次押引き動作)、これら押引きジャッキ55付きの交換用ビット31をそれぞれ搬送整合装置81の整合台89に載置する。
【0050】
9)図20に示すように、各押引きジャッキ55の連結部材55dを反力受け部材56から外して、押引きジャッキ55と背面フレーム29とを分離し、さらに固定ねじ90aを締め付けて、保持具90Aにより交換用ビット31を整合台89上に固定する。そして各搬送台車85を交換ユニット30の後方から作業空間28の入口まで、順次搬送レール84に沿って移動させて押引きジャッキ55付きの交換用ビット31を搬出する。
【0051】
10)次に保持具90Aを外し、吊下搬送装置71により交換用ビット31を吊り上げ、吊下台車73を天井レール72に沿って作業空間28の入口からマンホール27に交互に移動させる。これにより2台の磨耗した交換用ビット31の搬出をそれぞれ完了する。
【0052】
新規な交換用ビット31の装着は、上記と逆の手順で行われるので、その概略のみを説明する。
吊下搬送装置71と搬送整合装置81とにより、押引きジャッキ55がそれぞれ二次固定位置R2に装着された2台の新規な交換用ビット31を、順次ビット交換ユニット30の後方まで搬入する。ついで、押引きジャッキ55により二次押引き動作が行われ、新規な交換用ビット31が離脱位置からビットガイド穴38に挿入されてガイド穴開閉位置まで、さらに係止爪45により新規な交換用ビット31がそれぞれビットガイド体37に固定される。
【0053】
押引きジャッキ55が二次固定位置R2から一次固定位置R1に変位される。次いでゲート開閉装置36によりゲート板34が回動されて(ゲート開閉動作)、各ビットガイド穴38がそれぞれ開放される。そして、押引きジャッキ55により一次押引き動作が行われ、新規な交換用ビット31がそれぞれガイド穴開閉位置から使用位置まで押し込まれ固定される。
【0054】
押引きジャッキ55は交換用ビット31から分離されて搬出される。
(実施例1の効果)
実施例1によれば、交換用ビット31のビット本体31Aに形成されて背面に開口されたジャッキ収容穴61に、押引きジャッキ55のジャッキ本体55aを収容し、作業空間28の背面板29cに設置した反力受け部材56を反力受けとして、押引きジャッキ55によりビットガイド穴38内の交換用ビット31を押し引きして挿入離脱させるので、ビットガイド穴38から反力受け部材56までの距離が十分に確保できない狭い作業空間28であっても、ジャッキ本体55aがジャッキ収容穴61に収容される長さ分だけ、出退ストロークの長い押引きジャッキ55を使用することができる。また、ジャッキ収容穴61に押引きジャッキ55を収容した状態で、磨耗した交換用ビット31の搬出と新規な交換用ビット31の搬入とを行うので、狭い作業空間29内でスムーズかつ容易に交換作業を行うことができる。
【0055】
また調整固定機構63により、ジャッキ収容穴61内で、ジャッキ本体55aの基端部の一部が収容された一次固定位置R1と、ジャッキ本体55aの略全体が収容された二次固定位置R2の間で固定位置を変位させ、それぞれの固定位置で押引きジャッキ55を交換用ビット31を押し引き駆動することにより、一次固定位置R1と二次固定位置R2の間の変位距離Lだけ長い押引きジャッキ55の出退ストロークを確保することができる。これにより、出退ストロークの短い小型の押引きジャッキ55を使用することができて、交換用ビット31および押引きジャッキ55のコンパクト化を図ることができる。またビットガイド穴38のゲート開閉動作を挟んで、使用位置とガイド穴開閉位置との間の一次押引き動作と、ガイド穴開閉位置と作業空間27内の離脱位置の間の二次押引き動作とに分けて押引きジャッキ55を操作することで、交換用ビット31の離脱、装着作業と止水作業とをスムーズに行うことができる。
【0056】
さらに調整固定機構63は、ジャッキ本体55aの基端部と先端部とに一次フランジ63aと二次フランジ63bとを位相をずらせてそれぞれ取り付け、開口部62を一次フランジ63aと相似形に形成して、一次フランジ63aが通過可能としたので、ジャッキ収容穴61における押引きジャッキ55の固定位置を容易に変更することができる。
【0057】
なお、上記実施例1では、2台の搬送整合装置81を使用したが、1台の搬送整合装置81を交互に使用して、2個の押引きジャッキ55または押引きジャッキ55付きの交換用ビット31を順次搬出、搬入することもできる。
【0058】
[実施例2]
この実施例2に係るビット交換ユニット100は、たとえば直径が4m以上、8m未満の中口径トンネル掘削用のシールド掘進機に装備されるもので、図21〜図24を参照して説明する。なお、実施例1と共通の部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
(押引きジャッキ)
ビット交換ユニット100の交換用ビット31に設けられる押引きジャッキ105は、図24に示すように、ジャッキ収容穴61に対してジャッキ本体105aの固定位置を、一次固定位置R1と二次固定位置R2との間で前後方向に所定ストロークLだけ変位させて、押引きジャッキ105の駆動ストロークを実質的に拡張する調整固定機構103は、ジャッキ本体105aの外周部で、基端部から先端部近傍にわたって雄ねじ部103aが形成されている。そして、ジャッキ本体105aには、雄ねじ部103aに雌ねじ部104a,106aを介して螺合された可動フランジ104とロックナット106が設けられている。したがって、一次固定位置R1と二次固定位置R2の間で、ロックナット106および可動フランジ104を回転させて変位ストロークL分を移動させることにより、ジャッキ収容穴61内でジャッキ本体105aを一次固定位置R1と二次固定位置R2との間で、またその間の任意の選択位置に、それぞれ変位させて固定することができる。
【0060】
上記構成によれば、押引きジャッキ105の駆動反力を、雄ねじ部103aと雌ねじ部104aを介して可動フランジ104およびロックナット106から交換用ビット31に伝達することができる。このようにねじ機構を利用することから、駆動反力が比較的小さい小型の交換用ビット31の交換に適している。
【0061】
(交換支援設備)
このビット交換ユニット100の交換支援設備として、図21〜図23に示すように、押引きジャッキ105または押引きジャッキ105付きの交換用ビット31を吊り下げて、マンホール27と作業空間28内のビット交換ユニット100の背面の間で搬送する吊下搬送装置111と、押引きジャッキ105を交換用ビット31のジャッキ収納穴62の開口部62に対向する位置に位置調整可能で、かつ押引きジャッキ105付きの交換用ビット31をビットガイド穴38に対向する位置に位置調整可能な整合装置121が設けられている。
【0062】
(吊下搬送装置と整合装置)
吊下搬送装置111は、マンホール27と作業空間28の間の天井部に、天井レール112が設置され、この天井レール112に複数のガイドローラ113を介して走行体114が移動自在に配置されている。この走行体114の後部に支持された吊下リンク115と、前部に支持された巻取機(レバーブロック)116から繰出される吊下チェーン116aとにより、開閉式の把持具である左右一対のクランプアーム117が昇降自在に支持されている。前記クランプアーム117の先端部に保持具117aがそれぞれ設けられており、これら保持具117aを介して交換用ビット31を直接把持可能で、かつ押引きジャッキ105を保持治具118を介して把持可能に構成されている。そして、クランプアーム117により交換用ビット31または押引きジャッキ105を把持して吊下げた状態で、マンホール27と整合装置121間で、たとえば手動により搬送することができる。もちろん、走行体114に電動式走行装置を設けて自動搬送することもできる。
【0063】
整合装置121は、図21〜図23に示すように、ビットガイド体37の下部と、背面板29cに取り付けられたブラケット122との間にガイドプレート123が掛け渡され、ガイドプレート123上に左右一対の出退レール124がシールド軸心Oに平行なビット挿入離脱方向に敷設されている。そして、各出退レール124上には、スラストベアリングを介して整合台125がそれぞれ移動自在に案内され、これら整合台125上に、左右一対の可動台126からなる高さ調整具が配置されている。この高さ調整具は、左右の可動台126が互いに接近離間自在に配置されるとともに、互いに対向する内側下部から外側上方に傾斜する傾斜受面126aがそれぞれ形成され、さらに左右の可動台126に、正逆方向の雄ねじ部が形成された昇降用ねじ軸127が嵌合される雌ねじ穴が形成されている。そして可動台126の傾斜受面126aに、交換用ビット31または保持治具118の各円筒面がそれぞれ支持される。したがって、昇降用ねじ軸127を回転させることにより、左右の可動台126を接近離間させて、傾斜受面126aの作用で交換用ビット31または押引きジャッキ105の所定範囲で昇降させて高さ調整することができる。
【0064】
実施例2の交換用ビット31または押引きジャッキ105の交換動作は、吊下搬送装置111により、マンホール27と作業空間28の整合台125の間で搬送し、整合装置121に対して押引きジャッキ105または押引きジャッキ105付きの交換用ビット31をそれぞれ受け渡す動作以外は、実施例2と略同様に実施される。
【0065】
実施例2によれば、実施例1と同様の作用効果を奏することができ、小型の交換用ビット31に最適なものとなる。
[交換ユニットの実施例3]
(外周ビット交換ユニット)
図25に示すように、実施例3は、主スポーク部材21の外周端に設置される外周ビット交換ユニット130に関するものである。この外周ビット交換ユニット130には、主スポーク部材21の外周端に外周掘削するための1本の外周掘削ビット(交換用ビット)131が設けられており、この外周掘削ビット131は、開閉軸心OCに対して傾斜角:θ°前部外周側に傾斜して取り付けられている。外周ビット交換ユニット130は、カッタヘッド16の主スポーク部材21に連結されたスポーク前面板21aに、取付リング132を介して円形の外周ユニット前面板133が取り付けられ、この外周ユニット前面板133の外周寄りに開口穴134が形成されている。外周ユニット前面板133の背面に、ゲート開閉装置36により開閉駆動されるゲート板135が、取付リング132を介して開閉軸心OCを中心に90°の範囲で回動可能に配置され、このゲート板135に、開口穴134に合致して連通可能な1個のバルブ口136が形成されている。また外周ユニット前面板133の背面に、取付リング132を介してビットガイド体136が取り付けられており、このビットガイド体136に、バルブ口136および開口穴134に合致可能なビットガイド穴137が傾斜角θ°で形成されている。
【0066】
その他、外周掘削ビット131および吊下搬送装置(図示せず)は、実施例1と同様に構成されているため、同一の符号を付して説明を省略する。また搬送整合装置81において、ビットガイド穴137に対応するために、アーム部82bと出退レール86が、搬送レール84に対して傾斜角θ°で傾斜されて基端台車部に支持されており、外周掘削ビット131と押引きジャッキ55とをそれぞれ調整台車87を介して同一の傾斜角θ°に沿って案内することができる。
ビット交換動作は、磨耗した外周掘削ビット131に対して押引きジャッキ55を実施例1と同じ手順で装着し、一次押引き動作、ゲート開閉動作、二次押引き動作により、磨耗した押引きジャッキ55付き外周掘削ビット131をビットガイド穴137から離脱させて整合台89上に取り出し、搬送整合装置81と吊下搬送装置71により搬出する。そして新規な押引きジャッキ55付き外周掘削ビット131を逆の手順で装着すればよい。
【0067】
実施例3によれば、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
[ビット交換ユニットの実施例4]
実施例1および2では、ビット交換ユニット30,100ごとに2個の交換用ビット31を設置して交換し、実施例3では、外周ビット交換ユニット130ごとに1個の交換用ビット131を交換したが、この実施例4では、図26に示すように、1個のビット交換ユニット140に対して、3個の交換用ビット31をそれぞれ設置し、ビット交換するように構成したものである。なお、実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
このビット交換ユニット140では、開閉軸心OCを中心として等間隔(等角度:120°)ごとに3個の交換用ビット31が装着されている。すなわち、ビット交換ユニット140は、開閉軸心OCを中心とする同一円弧上に120°ごとに、開口穴33とゲート板34のバルブ口35、ビットガイド体37のビットガイド穴38がそれぞれ形成され、3本の交換用ビット31が装着されている。これら交換用ビット31は、それぞれ前部外周側に向かってα°傾斜して設けられている。交換用ビット31の交換作業では、ゲート開閉装置36がゲート板34を60°の範囲で往復回動させる以外は、実施例1および3と同一であるため、説明を省略する。
【0069】
上記ビット交換ユニット140によれば、3本の交換用ビット31を設置できるので、コスト的に有利となり、また3本の交換用ビット31を密に設置できるので、効果的な掘削が可能となる。さらに交換用ビット31を傾斜させることにより、作業空間28のスペースを有効に利用することができる。
【0070】
上記実施例4によれば、請求項1と同様の作用効果を奏することができる。
[実施例5]
実施例1では、ゲート板34によるゲート開閉動作を挟んで一次押引き動作と二次押引き動作とを二段階で行ったが、これは、伸縮ストロークが短い押引きジャッキ55を採用し、ジャッキ収容穴61内で一次固定位置R1と二次固定位置R2との間で変位させて伸縮ストロークを拡張したためである。
【0071】
これに対して、図27に示す実施例5のビット交換ユニット30は、伸縮ストロークが長いテレスコピック式の押引きジャッキ155を採用したものである。なお、実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
すなわち、押引きジャッキ155のジャッキ本体55aは、ジャッキ収容穴61に略全体を収容される第2固定位置R2に収納固定し、交換用ビット31を使用位置と離脱位置との間で連続して交換用ビット31を挿入、離脱させることができる。
【0073】
ここで、ゲート開閉動作は、磨耗した交換用ビット31が使用位置からガイド穴開閉位置に達した時と、新規な交換用ビット31が離脱位置からガイド穴開閉位置に接近した時に行う。
【0074】
たとえばゲート開閉装置36に、電動または油圧モータを使用して自動的に回転駆動できるようにしておき、交換用ビット31の出退位置をセンサなどで検出し、この検出信号に基づいて、自動的にゲート板34を開閉操作するようにしてもよい。
【0075】
実施例5によれば、先の実施例では、交換用ビット31の挿入、離脱動作を二段階に行うのに比較して、伸縮ストロークが長いテレスコピック式の押引きジャッキ155を使用することにより、連続した挿入、離脱動作で交換作業を行うことができ、交換用ビット31の交換作業を短時間で行うことができる。
【0076】
上記各実施例では、シールド掘進機について説明したが、シールド機以外の掘削機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
O シールド軸心(掘削機軸心)
RL 半径方向軸
OC 開閉軸心
R1 第1固定位置
R2 第2固定位置
L 変位距離
11 シールド本体(掘削機本体)
16 カッタヘッド
21 主スポーク部材
21a スポーク前面板
21b 装着穴部
27 マンホール
28 作業空間
29c 背面板
30 ビット交換ユニット
31 交換用ビット
31A ビット本体
31B 掘削刃部
32 ユニット前面板(前面板)
33 開口部
34 ゲート板
35 バルブ口
36 ゲート開閉装置
37 ビットガイド体
38 ビットガイド穴
55 押引きジャッキ
55a ジャッキ本体
55b 作動ロッド
55d 連結部材
56 反力受け部材(反力支持部)
61 ジャッキ収容穴
62 開口部
63 調整固定機構
71 吊下搬送装置
81 搬送整合装置
84 搬送レール
85 搬送台車
86 出退レール
87 調整台車
88 昇降調整機構
89 整合台
100 ビット交換ユニット
103 調整固定機構
103a 雄ねじ部
104 可動フランジ
105 押引きジャッキ
106 ロックナット
111 吊下搬送装置
121 整合装置
125 整合台
126 可動台
130 外周ビット交換ユニット
131 外周掘削ビット
135 ゲート板
136 バルブ口
140 ビット交換ユニット
155 押引きジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッタヘッドのビットガイド穴に装着された交換用ビットにより地山を掘削し、掘削途中で磨耗した交換用ビットを、押引きジャッキにより前記ビットガイド穴からカッタヘッドの背面に形成された作業空間に引き出して離脱させるとともに、前記ビットガイド穴を閉鎖し、磨耗した交換用ビットを前記作業空間から搬出し、逆の手順で、新規な交換用ビットを搬入して前記押引きジャッキにより前記ビットガイド穴に挿入する掘削機のカッタビット交換方法であって、
交換用ビットで前部に掘削刃部を有するビット本体に、背面に開口されるジャッキ収容穴を形成しておき、当該ジャッキ収容穴内に、押引きジャッキのジャッキ本体を収容固定した状態で、前記作業空間内の背面に設けられた背面支持部を反力受けとして、押引きジャッキを伸縮して前記ビットガイド穴に対する交換用ビットの離脱と挿入とを行い、
さらに前記ジャッキ収容穴に押引きジャッキのジャッキ本体を収容した状態で、前記作業空間における交換用ビットの搬出と搬出とを行う
ことを特徴とする掘削機のカッタビット交換方法。
【請求項2】
ジャッキ収容穴内にジャッキ本体の基端側の一部を収容した一次固定位置に押引きジャッキを固定した状態で、地山を掘削する使用位置と、当該使用位置から後退されてビットガイド穴を閉鎖可能なガイド穴開閉位置との間で、交換用ビットを出退する一次押引き動作を行い、
前記ジャッキ収容穴内にジャッキ本体の略全体を収容した二次固定位置に前記押引きジャッキを固定した状態で、前記ガイド穴開閉位置と前記ビットガイド穴から作業空間に離脱された離脱位置との間で交換用ビットを出退する二次押引き動作を行う
ことを特徴とする請求項1記載の掘削機のカッタビット交換方法。
【請求項3】
カッタヘッドに形成されたビットガイド穴から前方に突出されて地山を掘削する交換用ビットと、カッタヘッドの背面に形成された作業空間と前記ビットガイド穴との間で交換用ビットを離脱、挿入する押引きジャッキと、前記ビットガイド穴を開閉するゲート開閉装置とを具備した掘削機のカッタビット交換装置であって、
交換用ビットのビット本体に、前記押引きジャッキのジャッキ本体を収容可能なジャッキ収容穴を形成して背面に開口させ、
当該ジャッキ収容穴にジャッキ本体が収容固定された押引きジャッキにより、前記作業空間内の背面に設けられた背面支持部を反力受けとして、前記ビットガイド穴に対する交換用ビットの引き出し動作と押し込み動作を行い、またジャッキ収容穴に押引きジャッキを収容固定した状態で、交換用ビットの前記作業空間における搬出と搬入とを行うように構成された
ことを特徴とする掘削機のカッタビット交換装置。
【請求項4】
ジャッキ本体の基端側の一部がジャッキ収容穴に収容される一次固定位置と、ジャッキ本体の略全体がジャッキ収容穴に収容される二次固定位置との間で、ジャッキ収容穴における押引きジャッキの固定位置を調整可能な調整固定機構を設け、
当該調整固定機構により、前記一次固定位置と前記二次固定位置でそれぞれ押引きジャッキを出退駆動することにより、押引きジャッキの実質的な伸縮ストロークを拡張可能に構成した
ことを特徴とする請求項3記載の掘削機のカッタビット交換装置。
【請求項5】
調整固定機構は、ジャッキ本体の外周部に形成された雄ねじ部と、当該雄ねじ部に雌ねじ部を介して移動可能に嵌合され、ジャッキ本体をジャッキ収容穴の開口部に固定可能な可動フランジとを具備した
ことを特徴とする請求項4記載の掘削機のカッタビット交換装置。
【請求項6】
調整固定機構は、ジャッキ本体の基端側で外周部に突設されて一次固定位置でジャッキ収容穴の開口部に固定可能な一次フランジと、ジャッキ本体の先端側で外周部に突設されて二次固定位置でジャッキ収容穴の開口部に固定可能で、かつ前記一次フランジに対して90°位相が相違された二次フランジとを有し、
前記ジャッキ収容穴の開口部を、前記一次フランジと相似形で前記一次フランジを通過可能な大きさに形成した
ことを特徴とする請求項4記載の掘削機のカッタビット交換装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−41781(P2012−41781A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185698(P2010−185698)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【特許番号】特許第4722220号(P4722220)
【特許公報発行日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年4月22日 日立造船株式会社堺工場内において開催された「大口径ビット交換実証実験」で発表
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】