説明

接着剤固定部を有する、ガムスラブを分与し且つ保持するパッケージ体

【課題】
【解決手段】パッケージ組立体は、個別の細長い消費者向け製品を含む。パッケージ組立体は、並べた配列に配置された複数の製品を含む。パッケージハウジングは、製品の配列を支持する。パッケージハウジングは、後壁及び折り畳み可能な前壁を有している。前壁は、製品の配列をパッケージハウジング内に解放可能に接着剤にて保持すべく該前壁に沿って接着剤固定部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、消費者向け製品の配列を保持し且つ個々の製品を分与することが望まれるようなとき迄、製品をパッケージ体内に保持するパッケージ体に関する。より具体的には、本発明は、接着剤にて固定する部分を使用してガムスラブを保持し且つ分与するパッケージ体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガムスラブのような消費者向け製品をパッケージ体又はハウジング内に収容し、該パッケージ体又はハウジングはガムスラブを保持し且つ個々のスラブを分与することを許容するようにすることが周知である。ガムスラブは、典型的に、配列にて配置され、単一のガムスラブを配列から除去してパッケージ体内に残りのガムスラブを残すことができる。ガムスラブは、個々に外側包装紙にて包まれることがしばしばである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ガムスラブパッケージ体の特定のものは、ガムスラブの1つを除去した後でさえ、その外部形態を維持する型式のものである。このことは、隣接するガムスラブを変位させることを許容する空間をパッケージ体内部に形成することになる。このため、残るガムスラブの1つ又はより多くがパッケージ体内にて傾き又は倒れかかっても、追加のガムスラブをパッケージ体から除去することは困難となる。また、かかる空間を形成することにより、残るガムスラブは、パッケージ体内にて摺動し又は動き、また、パッケージ体から倒れかかることさえもある。
【0004】
個々のガムスラブを保持し且つ1つのパッケージ体から分与する1つの試みは、その開示内容を全ての目的のため、参考として引用し本明細書に含めた、コペッキィ(Kopecky)に対する米国特許出願公告明細書2003/0080020号に示されている。コペッキィの公報には、全体として矩形の形態を有するダイカットした板紙ブランクから形成されたガムスラブのパッケージハウジングが開示されている。該ハウジングは、開いて複数のガムスラブを露出させる前側カバーを有している。ガムスラブは、ガムスラブの回りに巻かれるシートにより横に並んだ配列にて保持されている。ガムスラブの配列を含むシートは、パッケージのハウジング内に配置され、このため、前側カバーが開いたとき、ガムスラブは露出する。ガムスラブを直立の状態に保持し且つガムスラブをパッケージ体内に維持するため、1つ又はより多くのスラブが配列から除去されても、ガムスラブはシートに接着剤にて固定されている。接着剤による固定は、シートの内面にてワックス領域の形態をとることができる。包んだスラブがシート内に挿入されたとき、シートに熱を加えてワックスを溶融させる。次に、保持し且つ分与するため、シートに固定されたガムスラブの配列をパッケージ体内に配置することができる。
【0005】
コペッキィの公報に開示された装置は、ガムスラブを保持し且つ分与することの双方を許容するパッケージ体を提供しようと試みるものであるが、パッケージ体は長期間に渡って十分に機能し得ないことが判明している。従って、個々のガムスラブを保持し且つ分与することを許容すると共に、1つ又はより多くのガムスラブが除去されたとき、パッケージ体内に残りのガムスラブを保持する、改良されたガムスラブパッケージ体を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、個々の細長い消費者向け製品、好ましくは、ガムスラブに対するパッケージ組立体を提供するものである。組立体は、横に並んだ配列に配置された複数の製品を含む。パッケージハウジングは、製品の配列を支持する。パッケージハウジングは、後壁及び折り畳み可能な前壁を有している。前壁は、製品をパッケージハウジング内にて接着剤によって保持するため該前壁に沿って接着剤固定部を有する。
【0007】
1つの好ましい実施の形態において、接着剤固定部は、配列を渡って伸びる長手方向片である。
本発明のパッケージ組立体は、製品の配列を取り囲む帯状部を有することもできる。該帯状部は、製品を除去可能な摩擦保持状態にて保持する。接着剤固定部は、帯状部をパッケージハウジング内にて接着剤によって支持するため帯状部と係合することができる。
【0008】
パッケージハウジングは、また、その後壁に沿って接着剤片を含むこともできる。後壁に沿った接着剤片は、製品と係合するような位置に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、複数の消費者向け製品をパッケージハウジング内に保持するパッケージ組立体に関する。パッケージハウジングは、開いて1つ又はより多くの製品を該ハウジングから分与することを許容し、また、再度閉鎖して製品をその内部に保持し且つ維持することができる。本発明は、多岐に亙る消費者向け製品に対して有用であるが、本発明は、横に並べた配列にて配置された細長いガムスラブに対して特に有用である。
【0010】
この型式の消費者向け製品パッケージは、「菓子パッケージングデザイン(Confectionery Packaging Design)」という名称にて、2004年7月1日付けで出願された同時に譲渡した米国特許出願明細書10/833,468号、「2つの別個の区画室を有するガムパッケージのデザイン(Gum Package Design with Two Separate Compartments)」という名称にて2004年12月22日付けで出願された米国特許出願明細書11/025,739号に開示されており、この双方の特許出願の明細書は、全ての目的のため参考として引用し本明細書に含めてある。
【0011】
更に、本発明は、「挿入可能な製品保持部材を有するガムスラブパッケージ体(Gum Slab Package Having Insertable Product Retention Member)」という名称にて同一日に出願され且つ代理人事件番号1421−18として識別される、同時に譲渡した米国特許出願明細書 号、また、「フラップ保持機能を備えるガムスラブパッケージ体(Gum Slab Package With Flap Retention)」という名称にて同一日に出願され且つ代理人事件番号1421−29として識別される、米国特許出願明細書 号に開示されており、その双方は、全ての目的のため参考として引用し本明細書に含めてある。
【0012】
次に、図1及び図2を参照すると、本発明は、ガムスラブ14の配列12をその内部にて支持するパッケージング組立体10を提供する。ガムスラブ14は、個別に各ガムスラブの回りの包装紙(図2に図示せず)を選択的に含むことができる、典型的に細長い矩形形状の部材である。ガムスラブは、横に並べた状態に配置されて配列12を形成する。ガムスラブ14は、パッケージハウジング16内にて配列内に支持される。パッケージハウジング16は、前壁18と、対向した後壁20と、底部壁22と、対向した側壁24、26とを有している。以下に更に詳細に説明するように、パッケージハウジングは、周知の仕方にて折り畳まれて図1及び図2に示した形態を形成するダイカットした板紙から形成される。パッケージハウジング16は、折り畳まれて、該パッケージハウジングは分与開口部を画成する開放した上端28を提供する。後壁20は、上方に伸びる折畳み可能なカバー30を有しており、該カバー30は、開放した上端の上方にて折り畳み、開口部を閉じ且つスラブ14をパッケージハウジング16内に収容することができる。前壁18に設けられたスリット32は、再度閉鎖する目的のため、カバー30の末端縁34をその内部に挿入することを許容する。更に、パッケージには、図1に示した状態にて前壁18に接着剤にて固定されるカバー30を設けることが考えられる。接着剤による固定部が第一のガムスラブを分与すべく除去されたとき、フラップは、該カバーをスリット32内に挿入することにより、再度閉鎖することができる。
【0013】
パッケージハウジング16は、また輸送する間及び販売し且つ使用する前に、パッケージを取り囲み且つ保護するプラスチックラップ(図示せず)により覆うことも可能であると考えられる。
【0014】
以下に更に詳細に説明するように、スラブ14の配列12は、パッケージハウジング16内にて除去可能に保持する状態に支持し、ガムスラブの残りをパッケージハウジング内に維持しつつ、1つ以上のガムスラブを容易に除去することを許容するようにすることも考えられる。更に、スラブ14をパッケージハウジング内に解放可能に支持する技術は、隣接するガムスラブの1つ又はより多くを除去した後でさえ、スラブ14がハウジング内にてその位置を維持することを許容し、ガムスラブがパッケージ体内にて傾き又は倒れかかり又はパッケージ体から落ちるのを防止するようにすることも考えられる。
【0015】
次に、図3及び図4を参照すると、本発明の1つの好ましい実施の形態が示されている。当該好ましい実施の形態に関して、当該実施の形態を表示するため図1及び図2の参照番号に100を加えて同様の参照番号は、同様の要素を表示する。
【0016】
図3には、その予め組み立てた状態にあるパッケージ組立体110のパッケージハウジング116が示されている。該パッケージハウジング116は、ダイカットした板紙の形態から形成され、また、図3に示したその平坦な形態から図1及び図2に示した形態に折り畳むことができる平坦な形態にて提供される。パッケージハウジング116は、後壁120と、折畳み可能な前壁118と、折畳み可能な側壁124、126と、折畳み可能なカバー130とを有することが示されている。
【0017】
図4に特に示すように、パッケージ組立体110は、パッケージハウジング116内に支持されたガムスラブ114の配列112を有している。ガムスラブ114は、帯状部131内に更に保持されている。帯状部131は、紙、フォイル又はそれらの組み合わせを含む、多岐に亙る材料にて形成することができる。
【0018】
当該一例としての実施の形態において、帯状部131は、対向した前壁及び後壁と、側壁と、底部壁とを有するポーチ又はU字形の形態に形成される。ガムスラブ114の配列112は、その整合した他端がU字形の帯状部内に保持された状態にて帯状部内に配置される。U字形の帯状部が図示されているが、その他の形態が採用可能である。
【0019】
図3を再度参照すると、後壁120は、該後壁を渡って配置された長手方向接着剤壁片125の形態をした接着剤固定部を有する。壁片125は、後壁120を渡って伸びてガムスラブ114の配列112と係合して該配列に接着剤によって固定することができる。壁片125は、後壁120の上側部分に隣接する位置に配置され、その上端に沿ってスラブ114と係合することが好ましい。接着剤固定部に対して提供された接着剤は、スラブ114を保持可能に支持するが、ガムスラブの除去を許容し得るよう容易に引き剥ぐことのできる解放可能な接着剤とすることが考えられる。ワックスは周知の解放可能な接着剤である。
【0020】
更に、前側の折畳み可能なカバー118は、接着剤フラップ片127により画成された接着剤固定部を有することもできる。フラップ片は、前壁118が図2に示すような仕方にて折り畳まれたときに、フラップ片127がU字形帯状部131内にてガムスラブ114と係合可能なような位置に配置される。この場合にも、フラップ片127はカバーを渡って横方向に伸びてガムスラブ114の配列112を渡って相互に係合し得るようにする。フラップ片127の配置位置及び幅は片が帯状部131に係合せずに単独にて帯状部131から伸びる個別のガムスラブ114と係合し又はガムスラブと係合せずに単独にて帯状部131と係合するような位置に配置し又は更なる代替例において、帯状部131及びガムスラブ114の双方と同時に相互に係合するのに十分な幅であるようにすることもできると考えられる。
【0021】
更に、図1に破線にて示すように、接着剤壁片125aはガムスラブ114及び帯状部131の双方と同時に係合するような位置に配置し且つ十分な幅であるようにすることができる。
【0022】
接着剤片125、127を独立的に使用する結果、ガムスラブ114の配列112をパッケージハウジング116内にて保持し且つ該パッケージハウジングから個別に除去することを許容することになる。
【0023】
接着剤はガムスラブを容易に除去することを許容する解放可能な接着剤である一方、接着剤保持部は、隣接するガムスラブが除去されたときでさえ、残るガムスラブは傾かず又はパッケージ体から転倒する傾向がないようなものとする。
【0024】
次に、図5を参照すると、本発明の更なる実施の形態が示されている。当該実施の形態に関して、当該実施の形態を表示するため、図1及び図2の参照番号に200を加えて、同様の参照番号は同様の要素を表示する。
【0025】
図5には、その予め組み立てた状態にあるパッケージハウジング216のパッケージ組立体210が示されている。パッケージハウジング216は、ダイカットした板紙の形態から形成されており、該板紙は、図5に示したその平坦な形態から図1及び図2に示した形態に折り畳むことができる。パッケージハウジング216は、後壁220と、折畳み可能な前壁218と、折畳み可能な側壁224、226と、折畳み可能なカバー230とを有することが示されている。
【0026】
パッケージハウジング216は、ガムスラブ214の配列212を後壁220の内面に対して支持する。当該一例としての実施の形態において、ガムスラブは包まず又は包装紙にて個別に包むことができる。ガムスラブ214は、接着剤にて固定する有利な効果を伴わずに後壁220の内面に対して支持される。前壁218は、該前壁に沿って長手方向接着剤片227の形態をした接着剤固定部を有する。予め組み立てたハウジングを図2の形態となるように組み立て、また、前壁218を折り畳んだとき、接着剤片227は、該接着剤片を横方向に渡ってガムスラブと接着剤によって接触する。
【0027】
接着剤固定部を形成する接着剤は解放可能な接着剤であるため、この接着剤は個別のガムスラブをパッケージハウジング216との除去可能な保持係合状態を許容する。かかる解放可能な保持は、隣接するガムスラブを除去した後でさえ、ガムスラブを所要位置に保持しつつ、ガムスラブをパッケージ体から個別に除去することを許容する。
【0028】
図5の実施の形態は、前壁218に単一の接着剤の位置を採用し、また、ガムスラブ214の配列212を支持する帯状部(図3)を必要とせずに、接着剤にて保持することを実現する。
【0029】
好ましい実施の形態について説明したが、本発明の考えられる範囲から逸脱せずに、変更例が具体化可能であることを理解すべきである。従って、本明細書に記載した好ましい実施の形態は、制限的ではなく、一例と見なすべきであり、本発明の真の範囲は特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】閉鎖した状態にて示した本発明のパッケージ組立体を示す斜視図である。
【図2】その内部に製品の配列が支持された、開いた状態に示した図1のパッケージ組立体の斜視図である。
【図3】その予め組み立てた位置にある、図1のパッケージ組立体のパッケージハウジングを示す図である。
【図4】その内部に製品の配列が支持された、図3のパッケージハウジングを示す図である。
【図5】その内部に製品の配列を有する、その予め組み立てた状態にある図1のパッケージハウジングの別の実施の形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の細長い消費者向け製品に対するパッケージ組立体において、
横に並んだ配列に配置された複数の前記製品と、
前記製品の配列を支持するパッケージハウジングであって、後壁及び折り畳み可能な前壁を有し、前記前壁は、前記製品の配列を前記パッケージハウジング内にて接着剤により解放可能に保持するため該前壁に沿って接着剤固定部を有する、パッケージ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージ組立体において、前記接着剤固定部は、前記製品の配列を渡って伸びる第一の長手方向接着剤片である、パッケージ組立体。
【請求項3】
請求項2に記載のパッケージ組立体において、前記第一の接着剤片は、前記製品と係合している、パッケージ組立体。
【請求項4】
請求項2に記載のパッケージ組立体において、前記製品の配列を取り囲み、前記製品を除去可能な摩擦保持状態に保持する帯状部を更に有する、パッケージ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のパッケージ組立体において、前記第一の接着剤片は、前記帯状部を前記パッケージハウジング内にて接着剤により支持し得るよう前記帯状部と係合している、パッケージ組立体。
【請求項6】
請求項4に記載のパッケージ組立体において、パッケージハウジングの前記後壁は、該後壁に沿って第二の接着剤片を有する、パッケージ組立体。
【請求項7】
請求項6に記載のパッケージ組立体において、前記第二の接着剤片は、前記製品を内部に接着剤にて保持し得るよう前記帯状部から伸びる前記製品の配列と係合可能である、パッケージ組立体。
【請求項8】
請求項6に記載のパッケージ組立体において、前記第二の接着剤片は、前記帯状部を前記パッケージハウジング内にて支持し得るよう前記帯状部と係合可能である、パッケージ組立体。
【請求項9】
請求項6に記載のパッケージ組立体において、前記第二の接着剤片は、前記帯状部から伸びる前記製品及び前記帯状部と相互に係合可能である、パッケージ組立体。
【請求項10】
請求項4に記載のパッケージ組立体において、前記帯状部は、U字形ポーチの形態をしており、該ポーチは前記配列の前記製品の端部を支持する、パッケージ組立体。
【請求項11】
請求項4に記載のパッケージ組立体において、前記帯状部は、紙、フォイル及びそれらの組み合わせを含む、材料から形成される、パッケージ組立体。
【請求項12】
請求項1に記載のパッケージ組立体において、前記接着剤固定部は、解放可能な接着剤を含む、パッケージ組立体。
【請求項13】
請求項12に記載のパッケージ組立体において、前記解放可能な接着剤はワックスである、パッケージ組立体。
【請求項14】
請求項2に記載のパッケージ組立体において、前記第一の接着剤片は、前記帯状部及び該帯状部から伸びる前記製品と相互に係合可能である、パッケージ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−537103(P2007−537103A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513259(P2007−513259)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/016211
【国際公開番号】WO2005/110042
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505002783)キャドバリー・アダムズ・ユーエスエイ・エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】