説明

接着剤組成物、それを組み込んだ物品、およびその製造方法

架橋ポリ(N−ビニルラクタム)と、膨潤剤と、凝集性感圧接着剤組成物を形成するのに十分な量で改質ポリマーと、を含む親水性感圧接着剤組成物が提供される。組成物は、経皮デバイスの医療用固定(medical secural)として有用である。組成物は、皮膚へ、または皮膚を通して抗菌剤、薬剤または他の活性成分を送達するための薬物送達デバイスとしても有用である。組成物の調製方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物、それを用いて製造された物品、接着剤組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の親水性接着剤の凝集性の向上は、組成物中のポリマー材料を架橋することによって達成されている場合が多い。ポリマー系に応じて、ポリマーの架橋は、接着剤組成物の凝集性および接着性面の両方に様々な影響を及ぼし得る。感圧接着剤(「PSA」)が、(1)乾燥粘着性および永久粘着性、(2)指圧以下での接着、(3)被着体上に保持するのに十分な能力、(4)被着体からきれいに除去するのに十分な凝集強さ、を含む特性を保持することは、当技術分野で公知である。PSAのように有利に機能することが見出されている材料としては、不可欠な粘弾性を示し、その結果、粘着性、剥離接着力、およびせん断保持力(shear holding power)の望ましいバランスが得られる、ポリマーおよびポリマー含有組成物が挙げられる。
【0003】
感圧接着剤は、多官能性架橋剤または放射線架橋を用いて製造され、これらの接着剤は、接着および凝集特性における範囲を例証することができる。架橋剤を使用する場合、一般に架橋剤の濃度が最適であれば、凝集性および接着性が向上する。米国特許第4,931,282号明細書に示され、記述されている手法では、所定の系に対する最適な濃度を超えて架橋剤を増加または低減することによって、凝集性および接着性のどちらも低下する。その結果、所定の用途に対して、接着性および凝集性を要求に合わせる能力が制限されている。
【0004】
ヒドロゲルは、接着性および凝集性をさらに最適化することができる、ある種類の接着剤系である。かかる系において、ポリマーの架橋によって、許容可能なレベルより下に組成物の凝集性を低下させることなく、より高い量の添加剤を含有させることが可能となっている。しかしながら、ヒドロゲル系に架橋剤を使用することによって、重合プロセスの残留成分および不要な副生成物を含むことが知られている。架橋がポリマーの照射によって誘導される場合には、添加剤は照射プロセスと適合すべきである。
【0005】
ポリビニルラクタムベースの接着剤の放射線架橋の場合には、適切な凝集性を得るために、最低線量の放射線が必要である。しかしながら、接着性を著しく低下させるには、固体ポリ(n−ビニルラクタム)に非常に高い線量を照射することが必要である。その結果、高い線量の照射によって、凝集破壊を受けやすい組成物が生じる。
【0006】
向上した凝集性の必要性とはかりにかけて、医療用接着剤として使用される親水性ポリマーの調製において、生体適合性について依然として関心が寄せられている。感圧接着剤組成物は、皮膚に付着しなければならないだけでなく、生体組織への付着によって皮膚炎、毒性反応、または他の有害な影響を生じないべきである。
【0007】
特定の医療用接着剤組成物の凝集性と、生体組織との結合を促進する接着性とのバランスを見出すことが必要とされている。例えばヒドロゲルなどの組成物において、低モジュラス、なじみやすさ、皮膚に優しい接着性、皮膚および/またはIVカテーテル等の医療経皮デバイスから組成物をきれいに除去する能力(例えば、それほど残留物なく)を維持しながら、接着剤組成物の凝集性および吸収性の膨潤能力を高めることが望まれている。さらに、ヒドロゲルなどの接着剤組成物は、抗菌剤などの添加剤または治療薬の存在下にてそれらの凝集性および接着性も維持すべきである。
【0008】
様々な経皮デバイスのいずれかは、患者に感染のリスクを与え得る。これらのデバイスとしては、中心静脈アクセス装置(CVAD)、末梢血管カテーテル、動脈カテーテル、整形外科固定器、牽引ピン、創傷ドレーンおよび胸腔チューブ、Kワイヤー、ペースメーカーワイヤー、気管カニューレおよび種々の圧モニターが挙げられる。例えば、すべてのカテーテル関連敗血症のうち約90%までがCVADを有する患者で起こっている。大部分の生物は、カテーテル外面に沿って移動することによって、またはデバイスの内部ポートから入る汚染によって、カテーテル挿入部位を通る血流に侵入することが示されている。CVADの使用は非常に有益であるが、関連するこれらの菌血症の治療にかなり金銭的なコストに加えて、患者にかなりの罹患リスクおよび死亡リスクを与える。したがって、これらの感染率を著しく低下することができるデバイスは、当技術分野におけるかなりの進歩であるだろう。
【0009】
細菌移動からの上述の感染リスクに加えて、関連する血管へのカテーテルの移動またはカテーテルの「ピストン運動(pistoning)」は、細菌の移動を促進し、感染のリスクを高め、かつ血管への外傷または静脈炎として知られる炎症のリスクを高める、潜在的なもう1つのリスクを与える。この機械的な刺激は、化学的刺激および感染の両方のリスクを高める。
【0010】
カテーテルの向上した固定によって、上記の問題が最小限に抑えられ、ならびに浸潤のリスクが低減され、血管外スペースまたは血管外への輸液剤の不注意な投与が低減される。向上した固定によって、ラインの寿命が延び、その結果、ラインの寿命期間中の必要な健康管理への注意および操作も減少し、それによって感染のリスクも低減することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様において、本発明は、架橋ポリ(N−ビニルラクタム)を含む第1ポリマーと、膨潤剤と、膨潤剤中で膨潤可能な第2改質ポリマーと、を含む接着剤組成物を提供する。第1ポリマーは、膨潤剤の存在下にて感圧接着剤を形成する。さらに、第2改質ポリマーおよび膨潤剤は、組成物の凝集性を維持または改善すると同時に、第1ポリマーの接着性を低減する。
【0012】
本発明の組成物はさらに、抗菌剤を含んでもよい。存在する場合、抗菌剤は、10重量%までの濃度で存在することができる。ポリ(N−ビニルラクタム)は、N−ビニル−2−ピロリドン、ポリN−ビニル−2−バレロラクタム、ポリN−ビニル−2−カプロラクタム、および上述の組み合わせから選択することができる。改質ポリマーは、膨潤剤の存在下で膨潤する様々なポリマーのいずれか、例えば多糖類、多糖類誘導体、アクリレート、アクリレート誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ヒドロキシプロピルグアー;グアーガム;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第4級アンモニウム塩;ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチル塩化アンモニウムとのコポリマー;およびこれらの誘導体および組み合わせを含み得る。
【0013】
他の態様において、膨潤剤は、組成物の全重量の50%を超える量を構成する。第1ポリマーは、組成物の5〜45重量%を構成し、第2ポリマーは、組成物の0.1〜40重量%を構成する。
【0014】
他の態様において、第1ポリマーは、ポリN−ビニル−2−ピロリドンであり;膨潤剤はトリグリセロールであり、第2ポリマーは、ヒドロキシプロピルグアー;グアーガム;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第4級アンモニウム塩;ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチル塩化アンモニウムとのコポリマー;およびこれらの誘導体および組み合わせからなる群から選択することができ;抗菌剤はグルコン酸クロルヘキシジンである。
【0015】
本発明の他の態様において、上述の組成物は、生体皮膚と皮膚を貫通する医療装置との接合部を密封する医療用シーラントとして構成することができる。他の態様において、本発明の組成物は、適切なバッキングに適用することができ、テープ(例えば、医療用テープ)、創傷被覆材、包帯または医療用皮膚カバーとして構成することができる。本発明の他の構造は、皮膚とバッキング層を接触させるための本明細書に記載の接着剤層を含む薬剤送達デバイスであって、接着剤層がバッキング層に付着されている薬剤送達デバイスを含む。
【0016】
さらに他の態様において、本発明は、第1ポリマーの前駆物質にガンマ放射線を照射して、前駆物質を架橋させることと、架橋した第1ポリマーを膨潤剤および第2ポリマーと混合して、組成物を提供することと、を含む接着剤組成物の製造方法を提供する。
【0017】
本発明のこれらの態様および他の態様は、本発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を含む開示内容の残り部分を考慮すれば、当業者により理解されよう。
【0018】
「固体」とは、ポリ(ビニルラクタム)が、かかるポリ(ビニルラクタム)を架橋するための照射前に、他の材料と混合する必要がないことを意味する。本発明に有用な放射線架橋ポリ(ビニルラクタム)を調製するのに、溶媒、膨潤剤または化学架橋剤との混合は必要ない。市販の非架橋ポリ(ビニルラクタム)を、かかるポリ(ビニルラクタム)を架橋する照射のために粒子状で使用することができる。放射線架橋ポリ(N−ビニルラクタム)と共に有用な添加剤に適用される「本質的に未照射」とは、ポリ(N−ビニルラクタム)の架橋時に照射にかけられていない、かつ添加剤を劣化させるであろう線量で他の時点で照射にかけられていない添加剤を意味する。
【0019】
「膨潤剤」は、ポリマーを膨潤させることができる物質として定義される。
【0020】
「改質ポリマー」は、膨潤剤の存在下で、組成物の接着性の認められた低減を示し、その凝集性を維持または向上させるポリマーとして定義される。
【0021】
「接着」または「接着性」とは、一般に表面付着によって他の物質を共に結合させることができるようにする物質の特性を意味する。
【0022】
「凝集性」とは、分離に対する耐性を付与する物質の特性、あるいはそれによって、分離せず、またはばらばらにならず、一緒のままである傾向がある物質の特性を意味する。
【0023】
本発明は、架橋ポリ(ビニルラクタム)、膨潤可能なポリマー、および膨潤剤のブレンドと配合された接着剤組成物を提供する。本発明の組成物は、例えば、皮膚常在ミクロフローラの再増殖を抑制するために、抗菌剤などの生物活性剤を含有することもできる。
【0024】
一用途において、本発明の接着剤組成物は、ヒト患者に挿入されている中心血管ラインを固定するために使用されるような固定デバイスとして使用することができる。本発明の組成物は、所望の凝集性を保持しながら、ヒトの皮膚への接着性を有する凝集性ゲル状系を提供する。
【0025】
この接着剤組成物は、適用時に皮膚への適切な接着性を有し、ラインへの固定を提供してカテーテルの移動を防ぎ、静脈におけるカテーテルのピストン運動を極力抑え、通常、除去する際にそれほど残留物を残さない。
【0026】
本発明の組成物は、皮膚上への、または皮膚を通る治療薬の送達のための接着ゲルとしても有用である。局所的または経皮的送達用の医薬品または活性作用物質(active agent)が望まれる場合には、浸透向上剤(Penetration enhancing agent)または賦形剤を添加することができる。接着剤組成物のpHを調節する、pHを緩衝する、イオン強度を変化させる添加剤、ならびにゲルの不透明度、色、反射率または強度を変化させる顔料もまた考慮される。
【0027】
ポリ(N−ビニル)ラクタムポリマー
本発明の接着剤組成物は、膨潤可能な架橋ポリ(N−ビニルラクタム)と、膨潤剤と、凝集性の感圧接着剤組成物を形成するのに十分な量で存在する改質ポリマーと、を含む。膨潤可能な架橋ポリ(N−ビニルラクタム)と混合される膨潤剤の量は、組成物に対して約50〜約90重量%の範囲であることができる。その結果として、組成物に添加されるいずれかの生体適合性および/または治療的および/またはイオン伝導性材料を除いて、膨潤可能なポリ(N−ビニルラクタム)の重量%は、約5〜約50重量%である。ポリ(N−ビニルラクタム)がポリ(N−ビニルピロリドン)である場合、ポリ(N−ビニルピロリドン)の重量%は、約15〜約45%の範囲である。特定の実施形態において、ポリ(N−ビニルピロリドン)は約18〜約35%の範囲である。
【0028】
大部分の実施形態において、本発明の接着剤組成物は、そのラクタムが固形であり、放射線架橋された、膨潤可能なポリ(N−ビニルラクタム)を含む。他の実施形態において、ポリ(N−ビニルラクタム)は、N−ビニルラクタムモノマー、任意に他のモノマー、および第4,931,282号明細書に記載の架橋用化合物を含有する前駆物質をバルク状または溶解状態でラジカル重合することによって架橋される。
【0029】
本発明において有用なポリ(N−ビニルラクタム)は、米国特許第4,931,282号明細書;同第5,225,473号明細書;および同第5,389,376号明細書に記載の固形などの、架橋を受けやすいいずれかの形態で提供することができる。固形の非制限的な例としては、粒子、ペレット、シート、フレーク、および様々な形のバルク対象、様々な形の被覆対象が挙げられる。一般に、ポリ(N−ビニルラクタム)は、直径約1cm未満、より一般的には約0.1ミクロン〜0.250cm、しばしば約10ミクロン〜約1000ミクロンのサイズの粒子の形をとる。代替方法としては、ポリ(N−ビニルラクタム)は溶解状態で架橋することができる。ポリ(N−ビニルラクタム)は、N−ビニルラクタムモノマー単位を含有する非架橋ホモポリマーまたは非架橋コポリマーであり、照射後に、膨潤剤中で膨潤可能となり、哺乳動物(例えば、ヒト)の皮膚と生体適合性である。大部分の実施形態において、生体適合性膨潤剤に可溶性である、ポリ(N−ビニルラクタム)の非架橋ホモポリマーまたは非架橋コポリマーが使用される。N−ビニルラクタムモノマーの非制限的な例は、N−ビニル−2−ピロリドン;N−ビニル−2−バレロラクタム;N−ビニル−2−カプロラクタム;および上述のいずれかの混合物である。好ましくは、N−ビニルラクタムはN−ビニル−2−ピロリドンである。一般に、ポリ(N−ビニルラクタム)はN−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマーである。
【0030】
上記のN−ビニルラクタムモノマーと共に有用なコモノマーの非制限的な例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸またはその塩、および酢酸ビニルが挙げられる。通常、N−ビニルラクタムモノマー単位は、固体状態のポリ(N−ビニルラクタム)中に存在するモノマー単位の約50重量%以上を構成するだろう。一般に、N−ビニルラクタムモノマー単位は、ポリマーの全モノマー単位の大部分を構成し、より一般的には、N−ビニルラクタムモノマー単位は、ポリ(N−ビニルラクタム)の70〜100重量%を構成し、しばしばポリ(N−ビニルラクタム)の90〜100重量%を構成する。
【0031】
非架橋N−ビニルラクタムホモポリマーおよびN−ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーは市販されている。本発明に有用な市販のポリ(N−ビニルピロリドン)の非制限的な供給元としては、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co. of Milwaukee,Wisc.)、ニュージャージー州パーシッパニーのBASF社(BASF of Parsippany,N.J.)、ニュージャージー州ウェインのISP社(ISP(GAF) of Wayne,N.J.)、バージニア州ダンヴィルのダン・リバー社(Dan River Corporation of Danville,Va.)およびカリフォルニア州ガーディーナのスペクトラム・ケミカル・マニファクチュアリング社(Spectrum Chemical Manufacturing Corporation of Gardena,Calif)が挙げられる。ポリ(N−ビニルラクタム)は、少なくともK−15、通常少なくともK−60、さらにしばしばK−90、またはK−120のフィケンチャー(Fikentscher)のK値を有する。他のフィケンチャーのK値が可能である。フィケンチャーのK値は、モリノー(Molyneaux)、Water−Soluble Polymers:Properties and Behavior、第1巻、CRCプレス(CRC Press)、1983年、p.151−152に記述されている。
【0032】
電離放射線に暴露した後、ポリ(N−ビニルラクタム)は、米国特許第5,409,966号明細書に記載のように、少なくとも約15、一般に少なくとも約30、しばしば少なくとも約40の水中での膨潤能力(Swelling Capacity)を有する。
【0033】
膨潤可能な改質ポリマー
改質ポリマーは、接着性を低減すると同時に、凝集性を維持し、かつ/または高めるために、接着剤組成物中に存在する。膨潤剤と共に添加した場合に、改質ポリマーは、膨潤剤中で可溶化または懸濁する。一般に、改質ポリマーは、改質ポリマーと膨潤剤との比1:9で膨潤剤と合わせた場合に、粘性溶液または粘性ゲルを形成するだろう。
【0034】
通常、膨潤剤の選択によって、接着剤組成物の凝集性が維持または改善されると同時に、接着性の低減が達成されるように、適切な改質ポリマーが決定されるだろう。ある膨潤剤に十分に可溶化しない改質ポリマーが、本発明で使用される異なる膨潤剤中で非常に膨潤することがある。いくつかの実施形態において、膨潤可能な適切な改質ポリマーとしては、限定されないが、多糖類、多糖類誘導体、アクリレート、アクリレート誘導体、セルロース、セルロース誘導体、およびその組み合わせが挙げられる。
【0035】
特定の実施形態において、本発明で使用される膨潤可能な改質ポリマーは、ヒドロキシプロピルグアー;グアーガム;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第4級アンモニウム塩;ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチル塩化アンモニウムとのコポリマー;および上述の誘導体および組み合わせである。
【0036】
改質ポリマーの量は、組成物の約50重量%までの範囲であることができる。その結果として、組成物に添加されるいずれかの生体適合性および/または治療的および/またはイオン伝導性材料を除いて、改質ポリマーの重量%は、約0.1〜約40重量%である。改質ポリマーがヒドロキシプロピルグアーである場合、ヒドロキシプロピルグアーの重量%は、約1〜約20%の範囲である。
【0037】
膨潤剤
本発明の組成物は、架橋ポリ(N−ビニルラクタム)ポリマーおよび改質ポリマーの両方を膨潤させることができ、かつヒトの皮膚と生体適合性である膨潤剤を含有する。ポリ(N−ビニルラクタム)を膨潤させるのに有用な膨潤剤の非制限的な例としては、一価アルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜600)およびグリセリン)、エーテルアルコール(例えば、グリコールエーテル)、皮膚炎または毒性反応を引き起こさない他のポリオール膨潤剤、および水が挙げられる。
【0038】
接着剤組成物に望まれる最終用途に応じて、不揮発性および/または揮発性膨潤剤を使用することができる。ある適切な膨潤剤は、グリセリンまたはポリエチレングリコールと水との混合物などの揮発性膨潤剤および不揮発性膨潤剤を含み得る。一部の実施形態において、例えばグリセリンまたはポリエチレングリコールなどの不揮発性膨潤剤を単独で使用してもよい。同様に、本発明の組成物において、水などの揮発性膨潤剤を使用してもよい。本発明において、「本質的に不揮発性」とは、本発明で使用される膨潤剤が、加工または貯蔵条件にさらした後に、所定の体積の膨潤剤の10%未満を蒸発するように、照射されたポリ(N−ビニルラクタム)などの接着剤ポリマーに十分に凝集性および感圧接着性を付与することを意味する。
【0039】
膨潤剤は、接着剤組成物に対して、範囲約50〜約90重量%、好ましくは約60〜約80重量%の量で添加することができる。いくつかの実施形態において、グリセリンおよびポリエチレングリコールは、本質的に不揮発性の膨潤剤であるように選択される。グリセリンおよびポリエチレングリコールの両方が膨潤剤の100重量%までを構成することができる。
【0040】
有用である膨潤剤の他の非制限的な例としては、一価アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール)、多価アルコール(プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量200〜600のPEG−2〜PEG−45M)、グリセロール、ポリグリセロール(例えば、ジグリセリン、トリグリセロール、ポリグリセリン−3、ヘキサグリセロールおよびデカグリセロール)、ソルビトールおよび多価アルコールエトキシレート(例えば、ソルベス−6、ソルベス−30、グリセレス−1〜グリセレス−31)、ポリエチレングリコールのメトキシド(メトキシPEG−2〜メトキシPEG100)、多価アルコールエトキシレートのメトキシド(例えば、グリセレス−7メトキシド)が挙げられる。
【0041】
膨潤剤は通常、液体である。いくつかの実施形態において、ソルビトールのような湿潤剤タイプの固体膨潤剤は、溶解させ、かつ液体状態のままにするために、共膨潤剤と共に使用することができる。膨潤剤または共膨潤剤として用いることができる他の湿潤剤としては、1,2,6−ヘキサントリオール、アセトアミドMEA、水酸化アルミニウム、アルギニンPCA、ブトキシプロパノール、ブチレングリコール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルシラノールヒアルロナート、グリチルリチン酸二カリウム、エリトリトール、エトキシジグリコール、フルクトース、グルカミン、グルコン酸、グルコース、グルタミン酸グルコース、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコーゲン、グリシルリジン酸、ヘイルムーア(heilmoor)粘土、ヘキサコシルグリコール、ヒスチジン、ヒアルロン酸、水素化ハチミツ、水素化デンプン、加水分解産物、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、加水分解グリコサミノグリカン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパク質、加水分解コムギタンパク質、ヒドロキシエチルソルビトール、イノシトール、イノシトールヘキサ−PCA、ラクトアミドMEA、乳酸、ラクチトール、ラクトース、リジンPCA、マグネシウムPCA、マルチトール、マンガンPCA、マンニトール、mel(ハチミツ抽出物)、メンチルPCA、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20、PCA(ピドール酸(pidolic acid))、ラクトアミド、ポリデキストロース、ポリグルクロン酸、ポリグリセリルソルビトール、カリウムPCA、ppg−20メチルグルコースエーテル、ppg−38−ブテス−37、異性化糖、セリカ(serica)、シルクアミノ酸、ナトリウムカルボキシメチルキチン、乳酸ナトリウム、マンヌロン酸ナトリウムメチルシラノール(sodium mannuronate methylsilanol)、ナトリウムPCA、ナトリウムPCAメチルシラノール、ポリグルタミン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、ソルビトール、ショ糖、乳酸TEA、TEA−PCA、トレハロース、トリラクチン、尿素、キシリトール、トウモロコシ、PCA−亜鉛、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
抗菌剤
本発明の接着剤組成物は、経皮デバイスにおける、および経皮デバイスの周囲の皮膚に抗菌剤を送達し、デバイスへの感染の可能性を低減するか、または皮膚または創傷の感染を治療することができる。大部分の実施形態において、抗菌剤は、組成物全体の10重量%までのレベルで添加される。
【0043】
抗菌剤を含む多くの生物活性物質がある。抗菌剤の例としては、パラクロロメタキシレノール;トリクロサン;クロルヘキシジンおよびその塩、例えばグルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニドおよびその塩、例えばポリヘキサメチレンビグアニジンクロライド、ヨウ素、ヨードフォア(idodophors);脂肪酸モノエステル;ポリ−N−ビニルピロリドン−ヨードフォア;酸化銀、銀およびその塩、過酸化物(例えば、過酸化水素)、抗生物質(例えば、ネオマイシン、バシトラシン、およびポリミキシンB)が挙げられる。
【0044】
本発明において微生物の再成長を抑制する、または微生物の感染を治療するために、以下の活性成分、2,2−チオビス(4−クロロフェノール);4,4−イソプロピリデンジフェノール;5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール;アセトアミノサロール;アルクロキサ;アルジオキサ;酢酸アルミニウム;安息香酸アルミニウム;二酢酸アルミニウム;ギ酸アルミニウム;フェノールスルホン酸アルミニウム;ヨウ化アンモニウム;フェノールスルホン酸アンモニウム;ベンズイソチアゾリノン;ベンゾトリアゾール;ベンゾキシキン;ベンジルパラベン;塩化ベルベリン;ホウ酸;セテチルモルホリニウムエトスルフェート;臭化セテチルジモニウム;セトリモニウムトシレート;塩化セチルピリジニウム;クロラミン−t;クロロチモール;クロフルカルバン;塩化ココトリモニウム;コロイド硫黄;ウスニン酸銅(copper usnate);dedmヒダントイン;dedmヒダントインジラウレート;酢酸デクアリニウム;塩化デクアリニウム;ジイセチオン酸ジブロモプロパミジン;ジクロロ−m−キシレノール;ジクロロフェン;ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン;ジヨードメチルトリルスルホン;ジメチルヒドロキシメチルピラゾール;ヨウ化ジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウム;塩化ドデシルベンジルトリモニウム;臭化ドミフェン;フェルラ酸;フルオロサラン(fluorosalan);グリオキサール;ヒドロキシメチルジオキソアザビシクロオクタン;二ヨウ化ヒドロキシプロピルビストリモニウム;イクタモール;イソデシルパラベン;ソルビン酸イソプロピル;塩化ラピリウム;ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド;ラウリルイソキノリニウムブロミド;サッカリン酸ラウリルイソキノリニウム;塩化ラウリルピリジニウム;m−クレゾール;マンデル酸;MDMヒダントイン;MEAa−ヨウ素;メラルーカ・アルターニフォリア(melaleuca alternifolia);塩化メチルベンゼトニウム;混合クレゾール;ノノキシノール−12ヨウ素;ノノキシノール−9ヨウ素;o−クレゾール;安息香酸オキシキノリン;硫酸オキシキノリン;p−クロロフェノール;p−クレゾール;PEG−15dedmヒダントイン;PEG−15dedmヒダントインステアレート;PEG−5dedmヒダントイン;PEG−5dedmヒダントインオレエート;フェノール;フェノキシエチルパラベン;サリチル酸フェニル;ポリメトキシ二環式オキサゾリジン;ヨウ化カリウム;乳酸カリウム;カリウムフェノキシド;カリウムトロクロセン(potassium troclosene);クオタニウム−14;クオタニウム−24;クオタニウム−8;リシノールアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート;ヨウ化ナトリウム;ナトリウムp−クロロ−m−クレゾール;フェノールスルホン酸ナトリウム;ナトリウムフェノキシド;ウスニン酸ナトリウム(sodium usnate);塩化ステアピリウム;過酸化ストロンチウム;TEA−ソルベート;テトラブチルアンモニウムブロミド;チアベンダゾール;トリアセチン;ウンデシレンアミドDEA;ウンデシレンアミドMEA;ウンデシレンアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート;ウンデシレネス(undecyleneth)−6;ウンデシレノイルpeg−5パラベン;ウスニン酸;酢酸亜鉛;ホウ酸亜鉛;フェノールスルホン酸亜鉛;硫酸亜鉛;ウンデシレン酸亜鉛;およびこれらの組み合わせも使用することができる。
【0045】
皮膚上での微生物の再成長も減らすために、以下の活性成分、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;4−ヒドロキシ安息香酸;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;7−エチルビシクロオキサゾリジン;安息香酸アンモニウム;硫酸水素アンモニウム;プロピオン酸アンモニウム;亜硫酸アンモニウム;塩化ベヘントリモニウム;臭化ベンザルコニウム;塩化ベンザルコニウム;サッカリン酸ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;安息香酸;ベンジルアルコール;ベンジルヘミホルマール;ブロモクロロフェン;安息香酸ブチル;ブチルパラベン;安息香酸カルシウム;カルシウムパラベン;プロピオン酸カルシウム;サリチル酸カルシウム;ソルビン酸カルシウム;ウンデシレン酸カルシウム;塩化セタルコニウム;臭化セテアラルコニウム;臭化セトリモニウム;塩化セトリモニウム;クロロアセトアミド;クロロブタノール;クロロフェン;クロロキシレノール;クロルフェネシン;クリンバゾール;デヒドロ酢酸;ジアゾリジニル尿素;イセチオン酸ジブロモヘキサミジン;ジクロロベンジルアルコール;ジメチルオキサゾリジン;DMDMヒダントイン;安息香酸エチル;エチルパラベン;ホルムアルデヒド;ギ酸;グルタラール;ヘキサミジン;ジイセチオン酸ヘキサミジン;ヘキサミジンパラベン;ヘキセチジン;水素化獣脂塩化トリモニウム;イミダゾリジニル尿素;ヨードプロピニルブチルカルバメート;安息香酸イソブチル;イソブチルパラベン;安息香酸イソプロピル;イソプロピルクレゾール;イソプロピルパラベン;臭化ラウルアルコニウム;塩化臭化ラウルアルコニウム;臭化ラウルトリモニウム;塩化ラウルトリモニウム;安息香酸マグネシウム;プロピオン酸マグネシウム;サリチル酸マグネシウム;MEA o−フェニルフェナート;MEA−ベンゾエート;MEA−サリチレート;MEA−ウンデシレネート;メテナミン;安息香酸メチル;メチルクロロイソチアゾリノン;メチルジブロモグルタロニトリル;メチルイソチアゾリノン;メチルパラベン;塩化ミリスタルコニウム;サッカリン酸ミリスタルコニウム;臭化ミルトリモニウム;o−シメン−5−オール;o−フェニルフェノール;塩化オレアルコニウム;p−クロロ−m−クレゾール;フェノキシエタノール;フェノキシイソプロパノール;安息香酸フェニル;酢酸フェニル水銀;安息香酸フェニル水銀;ホウ酸フェニル水銀;臭化フェニル水銀;塩化フェニル水銀;フェニルパラベン;ピロクトンオラミン;ポリアミノプロピルビグアニド;安息香酸カリウム;カリウムブチルパラベン;カリウムエチルパラベン;メタ重亜硫酸カリウム;カリウムメチルパラベン;カリウムo−フェニルフェナート;カリウムパラベン;プロピオン酸カリウム;カリウムプロピルパラベン;サリチル酸カリウム;ソルビン酸カリウム;亜硫酸カリウム;プロピオン酸;安息香酸プロピル;プロピルパラベン;クオタニウム−15;サリチル酸;安息香酸ナトリウム;重亜硫酸ナトリウム;ナトリウムブチルパラベン;デヒドロ酢酸ナトリウム;ナトリウムエチルパラベン;ギ酸ナトリウム;ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム;ヨウ素酸ナトリウム;メタ重亜硫酸ナトリウム;ナトリウムメチルパラベン;ナトリウムo−フェニルフェナート;ナトリウムパラベン;プロピオン酸ナトリウム;ナトリウムプロピルパラベン;サリチル酸ナトリウム;ソルビン酸ナトリウム;亜硫酸ナトリウム;ウンデシレン酸ナトリウム;ソルビン酸;塩化ソイトリモニウム;塩化ステアラルコニウム;塩化ステアルトリモニウム;獣脂塩化アルコニウム;獣脂塩化トリモニウム;チメロサール;トリクロカルバン;トリクロサン;ウンデシレン酸;亜鉛ピリチオン;およびこれらの組み合わせも使用することができる。
【0046】
生体適合性および/または治療的および/またはイオン伝導性添加剤
本発明の親水性感圧接着剤組成物の使用に応じて、他の様々な生体適合性および/または治療的および/またはイオン伝導性物質を組成物中に含ませることができる。
【0047】
本発明の親水性感圧接着剤組成物は、局所または経皮薬物送達システムなど、ヒトの皮膚への、またはヒトの皮膚を通しての薬剤の送達において使用することもできる。ポリ(N−ビニルラクタム)を放射線架橋した後に、薬剤成分または他の活性成分を接着剤組成物と配合することができ、ポリ(N−ビニルラクタム)を架橋するのに十分な線量で電離放射線を用いて、薬剤成分または活性成分の可能性のある有害な相互作用が最小限に抑えられる。
【0048】
親水性感圧接着剤組成物は、被覆材、創傷を閉じる材料、テープ等の治療用皮膚カバーにおいて使用することもできる。好ましくは、皮膚カバー用途については、生物活性物質に悪影響を及ぼすことなく、ポリ(N−ビニルラクタム)に照射した後に、本発明の組成物に他の生物活性物質を添加することができる。他のかかる生物活性物質の非制限的な例としては、患者の皮膚または皮膚開口部での感染リスクを最小限に抑えるため、または患者の皮膚または皮膚開口部での感染の影響を治療するために、細菌のレベルを低減することが求められる、米国特許第4,310,509号明細書に開示されている物質などの広域スペクトルの抗菌剤が挙げられる。
【0049】
接着剤組成物が、生物医学的電極の導電性成分として使用される場合、接着剤組成物は任意に、20%〜100%と様々なレベルでイオン伝導率を改善するために水も含むことができる。電解質または得られた組成物に悪影響を及ぼすことなく、イオン伝導性電解質も組成物に添加することができる。電解質の非制限的な例としては、組成物に溶解されるイオン性塩、例えば塩化リチウム、過塩素酸リチウム、クエン酸ナトリウム、および塩化カリウムが挙げられる。
【0050】
患者の皮膚に電流をかけること、および薬剤を塗布することの両方を含む、あるタイプの治療手順はイオン導入であり、人の皮膚に、人の皮膚を通して、電流を利用してイオン導入的に活性な薬剤を送達する。
【0051】
漢方薬などの他の治療薬を添加することができる。本発明で使用することができる漢方薬は、「Hydrophilic Adhesive Compositions for Delivery of Herbal Medicines」というタイトルの同時係属の、本願と同一の譲受人に譲渡され、これと同日にファイルされた米国特許出願第10/456,810号明細書に示され、記述されている。
【0052】
組成物のpHを緩衝して、敏感な哺乳動物皮膚組織での使用のために非刺激性のpHを提供するため、または抗菌活性を最大限にする化合物に、他の生体適合性および/または治療的物質を組成物に添加することができる。局所または経皮用の薬剤または他の活性作用物質が必要な場合には、浸透向上剤または賦形剤も組成物に添加することができる。
【0053】
ポリ(N−ビニルラクタム)の放射線架橋
高エネルギー源からの電離放射線に暴露する際に、固形のポリ(N−ビニルラクタム)は、本発明において使用するために架橋される。電離放射線の非制限的な例としては、α、β、γ、電子ビーム、およびX線が挙げられる。電離放射線のこれらの放射線源の中で、電子ビーム照射およびγ線照射が最も一般的である。エネルギー・サイエンシーズ社のCB−150型エレクトロカーテン電子ビームプロセッサー(Energy Sciences Inc. Model CB−150 Electrocurtain Electron Beam Processor)を含む電子ビーム放射線の放射線源が市販されている。γ線照射の放射線源は、コバルト60高エネルギー源を使用して、カナダのアトミック・エネルギー社(Atomic Energy of Canada,Inc.)から市販されている。
【0054】
電離放射線の線量は、メガラド(mRad)またはキログレイ(kGy)で測定される。電離放射線の線量は、電離放射線の所望のレベルの1回線量において、または所望のレベルの電離放射線を蓄積する複数回線量において投与することができる。電離放射線の線量は累積的に、約25kGy〜約400kGy、好ましくは約25kGy〜約200kGyの範囲である。電離放射線は、電離放射線の累積線量が100kGy(10mRad)を超えた場合に、ポリ(N−ビニルラクタム)の架橋の所望のレベルを達成することができることが好ましい。
【0055】
その中で温度、雰囲気、他の反応パラメータを制御することができる、パッケージまたは容器内において、電離放射線を固形のポリ(N−ビニルラクタム)に照射することができる。本発明においてポリ(N−ビニルラクタム)に照射する1つの方法が、米国特許第5,409,966号明細書に記載されている。照射条件の制御に応じて、バッチプロセスまたは連続プロセスにおいてポリ(N−ビニルラクタム)に照射することができる。
【0056】
親水性接着剤組成物の調製方法
本発明の感圧接着剤組成物を調製する方法は、周囲温度以上である程度揮発性である溶媒中で、架橋ポリ(N−ビニルラクタム)を膨潤剤、改質ポリマー、および他の添加剤と混合することを含む。通常、膨潤剤、改質ポリマー、および抗菌剤などの他の添加剤は、本質的に未照射の形をとる。適切な揮発性溶媒の例としては、水、エタノール、メタノール、およびイソプロパノールが挙げられる。次いで、得られたある量の懸濁液を、剥離ライナーまたはバッキング材料などの基材の表面上にキャストし、次いで保存する。基材上に凝集性感圧接着剤を形成するために、マイクロ波エネルギー、赤外線エネルギーをかけるなどにより加熱することによって、または対流空気流等によって、揮発性溶媒を蒸発させる。約65℃に加熱された乾燥オーブンが蒸発段階に使用される場合が多い。製品剥離ライナーを任意に、組成物の露出面上に積層して、汚染からそれを保護することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、接着剤組成物のコーティングを基材の表面に塗布することができる。溶媒の蒸発後に、約0.05mm〜約0.38の範囲内の乾燥コーティング厚が得られるように、適切な湿式コーティング厚は、約0.125mm〜約1.25mmの範囲である。かかるコーティングは、基材の接着剤層として働くように、様々な基材表面のいずれかに適用することができ、低プロファイルを有する接着剤組成物を提供することができる。
【0058】
本発明の組成物を調製する方法は、バッチプロセスまたは連続ラインプロセスであることができる。連続プロセスによって調製される場合には、ライナーと、凝集性感圧接着剤組成物の範囲と、基材とのラミネートは、バルク包装のために、およびさらに加工するために、ロールに巻き上げることができ、あるいは当業者に公知のダイを使用して個々の単位に切断することができる。
【0059】
医療用シーラント
本発明の接着剤組成物は、凝集性を維持または改善して基材からきれいに除去することを可能にすると同時に、接着性の低減が必要な医療用途のための医療用シーラントを提供する。一実施形態において、医療用シーラントは、IVカテーテルまたはCVADに使用される。
【0060】
図1は、第1剥離ライナー12と、第1剥離ライナー12上にコーティングされ、かつ第2剥離ライナー16を使用するまで保護される、本発明の感圧接着剤組成物の層14と、を有する医療用シーラント10の断面図を示す。一般に、第1剥離ライナー12は、第2剥離ライナー16の剥離値よりも低い第1剥離値を有する。第1剥離ライナー12は任意に、適用時に医療用シーラント10の適用を容易にするために、第2剥離ライナー16の外周を超えて広がるセクション15も含有する。
【0061】
第2剥離ライナー16は、2つの部分、20および22で構成される。部分20および22それぞれは、医療用シーラント10の中心に最も近いタブ19で終結する。タブ19は層14から垂直に延び、層14に付着していない。タブ19のそれぞれは、握りを向上させるために、互いに長さの差がある。
【0062】
図2aおよび2bは、本発明の接着剤組成物を使用した医療用シーラントの底面図および平面図を示す。使用の際には、図2aに示される第1剥離ライナー26は、張り出したセクション25を握ることによって除去され、感圧接着剤組成物の層24を患者の皮膚に適用することができる。患者に適用した後に、第2剥離ライナー28のタブ29を握り、医療用シーラント20の周囲に対して反対方向にそっと引っ張る。第2剥離ライナー28は任意に、患者の皮膚上への配置を助けるために、カテーテル挿入部位上に置かれる医療用シーラント20の最適位置を示す、境界27を含有する。
【0063】
図2aは、略ハート形の外形の接着剤組成物24を示す。この外形は、カテーテルのルーメンおよびハブの固定を最適化するために、抗菌剤を含有する接着剤組成物24を配置する助けとなる。カテーテル挿入で使用する際に、ハート形の構成の上部は分かれて、ハブの上に重なる。大部分の実施形態では上記の理由からハート形の構成を用いるが、本発明では他の形も可能である。
【0064】
図3に示すように、第1剥離ライナー36および第2剥離ライナー32上にコーティングする前に、本質的に未照射の膨潤剤または組成物に抗菌剤38を添加することによって、医療用シーラント30は、層34中に抗菌剤38を含有する。その代わりとして、層34は、米国特許第4,931,282号明細書(アスムス(Asmus)ら)に従ってコーキング可能なシーラントとして使用することができる。任意に、薬剤または他の治療薬を収容するために、層32と層34との間に他の層が存在することができる。
【0065】
接着剤層14は、直接塗布、貼合せ法、およびホットラミネーションを含む様々なプロセスによって、第1剥離ライナー12および第2剥離ライナー16上にコーティングすることができる。市販されているかかる剥離ライナーの非制限的な例としては、H.P.スミス社(H.P.Smith)から市販のシリコン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、および「スコッチパック(ScotchPak)(登録商標)」剥離ライナーの商標で3M社から市販のフルオロポリマーコートポリエステルフィルムが挙げられる。
【0066】
貼合せおよびホットラミネーションの方法は、第1剥離ライナー12に対して接着剤層14の層上に圧力、または熱および圧力をそれぞれかけることを含む。ホットラミネーション法の温度は、約50℃〜約250℃の範囲であり、貼合せ法およびホットラミネーション法の両方にかけられる圧力は、0.1Kg/cm〜約50Kg/cmの範囲である。
【0067】
本発明の接着剤は任意に、他の用途において、例えば医療用テープ、創傷被覆材、一般医療用途の包帯、または吸湿性を有する他の医療デバイスの一部として使用することもできる。接着剤層は、医療用テープ、被覆材、包帯等として使用するために高い水蒸気透過率を有するいくつかのバッキング材料のいずれかから選択されるバッキング材料の層上にコーティングすることができる。適切なバッキング材料としては、米国特許第3,645,835号明細書および同第4,595,001号明細書に開示されている材料が挙げられる。押出し可能なポリマーとして市販されている様々なフィルムの他の例としては、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社(E.I.DuPont de Nemours and Company of Wilmington,Del.)から市販の「ハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056」および「ハイトレル(Hytrel)(登録商標)3548」の商標のポリエステルエラストマー、オハイオ州クリーブランドのB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich of Cleveland,Ohio)から市販の「エステン(Estane)」の商標のポリウレタン、またはマサチューセッツ州モールデンのK.Jクイン社(K.J.Quinn & Co.of Malden,Mass)から市販の「Q−thane」という商標のポリウレタンが挙げられる。かかるバッキング材料の他の非制限的な例としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン−アルミニウム−ポリエチレン複合材料、およびミネソタ州セントポールの3M社(Minnesota Mining and Manufacturing Company of St.Paul,Minn)から市販の「スコッチパック(登録商標)」の商標のバッキングが挙げられる。
【0068】
薬剤送達デバイス
本発明の親水性感圧接着剤組成物を用い、任意に局所的、経皮的、またはイオン導入的な治療薬および賦形剤、溶媒またはその中に含まれる浸透向上剤を有する薬剤送達デバイスは、哺乳動物の皮膚に、または皮膚を通して薬剤または他の活性作用物質を送達するのに有用である。
【0069】
本発明において有用な治療薬は、当業者に公知の治療上活性な物質であり、患者の皮膚への局所的な送達、患者の皮膚を通しての経皮的またはイオン導入的な送達に承認されている。経皮送達デバイスにおいて有用な治療薬の非制限的な例は、局所または経皮用途で使用される活性な薬物またはそれらの薬物の塩、または創傷治癒を高めるのに使用される成長因子である。薬物または薬理学的に活性な作用物質として同定されている他の治療薬は、米国特許第4,849,224号明細書および同第4,855,294号明細書、および国際特許公開番号国際公開第89/07951号パンフレットに開示されている。
【0070】
賦形剤または浸透向上剤もまた当業者には公知である。浸透向上剤の非制限的な例としては、エタノール、ラウリン酸メチル、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、およびモノラウリン酸グリセロールが挙げられる。当業者に公知の他の浸透向上剤が、米国特許第4,849,224号明細書および同第4,855,294号明細書、および国際特許公開番号国際公開第89/07951号パンフレットに開示されている。
【0071】
生物医学的電極
それに含有される電解質を有する本発明の親水性感圧接着剤組成物を用いた生物医学的電極は、診断および治療目的に有用である。その最も基本的な形態において、生物医学的電極は、哺乳動物の皮膚と接触する導電性媒体と、導電性媒体と電気的診断、治療または電気外科装置との間で相互作用する電気伝達の手段と、を備える。本発明の接着剤組成物と共に使用される生物医学的電極の一実施形態は、米国特許第5,409,966号明細書に記載されている。
【0072】
本発明の更なる説明は、以下の実施例に記載されている。
【実施例】
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
実施例1〜67
液体成分を共に混合し、次いで乾燥粉末ポリマーに素早く注ぎ、約30秒間激しく手撹拌することによって、組成物を調製した。この材料を2つの剥離ライナー間に置き、プレスで加圧して厚さ1mmにした。凝集強さを失って、その結果接着剤残りが生じることなく、架橋ポリビニルピロリドンゲルの接着性を低減することについて、配合物を評価した。そのゲル組成物を清潔なヒト前腕に塗布し、除去する前に約3〜5分間そのままにしておいた。接着性は、除去する際に、それが皮膚を伸ばす場合には高い(H)と判断され、接着性であると見なされるが高い(H)よりも低い場合に中程度(M)と判断され、それを皮膚から剥がすのにほとんど力をかけず、ゲルが除去されるに従って皮膚が移動しない場合には低い(L)と判断された。接着剤残りは、残りがない場合には「0」と評価され、検出可能な量の残りが感触によって識別可能な場合には、ごくわずか(VSL)と評価され、残りが目に見える場合には、わずか(SL)と評価され、かなりの量が皮膚に残っている場合には高い(H)と評価された。
【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

【0078】
【表5】

【0079】
【表6】

【0080】
皮膚に対する低い(L)から中程度(M)の接着性の格付けおよび接着剤残りなし(0)は好ましい性能であった。接着剤残りが0に等しい場合には、凝集強さが高い。表1からの好ましい実施例は、実施例5、12、13、15、18、21、30〜35、40〜44、46〜54、59、60、および62〜67であった。
【0081】
実施例68〜73
ジグリセロールおよびトリグリセロールを主要な膨潤剤として使用して、組成物を調製した。液体成分を共に混合し、次いで乾燥粉末ポリマーに素早く注ぎ、約30秒間激しく手撹拌することによって、組成物を調製した。この材料を2つの剥離ライナー間に置き、プレスで加圧して厚さ1mmにした。その成分および量を表2aに示す。
【0082】
【表7】

【0083】
実施例68〜73の組成物を皮膚への接着性について評価した。組成物をシリコン剥離ライナー間でおおよその厚さ1mmにカレンダー加工した。次いで、これらのゲル接着剤の実施例を2ミル(0.0508mm)の紙スクリムの一方の面に積層した。紙スクリムを使用して、ゲル接着剤の剥離除去中の伸縮を解消した。積層されたゲル接着剤を1インチ(2.54cm)×2インチ(5.08cm)の試料に切断した。皮膚接着性試験を、ヒト対象の背中に試料を配置することによって行った。パネリスト(panelist)の背中の毛を剃り、70:30イソプロピルアルコール:水で準備処置することによって、パネリストを準備した。試料の長軸がパネリストの脊柱に垂直に向けられるように、それぞれの試料を位置付けた。2kgローラーを使用して、前方パスおよび逆方向パスで各試料を圧延した。回転ランダム化スキームを用いて、背中にわたる皮膚の変化の影響に対抗した。引張剥離試験機(Pull−Peel Tester)を使用して、パネリストの背中から試料を除去した。除去速度15cm/分にて角度180度で試料を除去するのに必要な剥離力として、皮膚への接着性を測定した。最初の塗布から30分後(T30m)、塗布から1日後(T1d)、塗布から4日後(T4d)に、接着性を測定した。1日および4日間置いておいた試料については、各試料をTEGADERM(登録商標)被覆材(3M社から市販されている)で覆い、試料の浮き上がりを防いだ。この研究において、糸引き(Legging)および残りも記録された。糸引きは1〜3の段階で評価され、「1」は軽度の糸引き、「2」は中程度の糸引き、「3」は重度の糸引きを意味する。残りは実施例1〜67について記載のように評価された。パネリスト12名の結果を平均した。
【0084】
【表8】

【0085】
組成物にHPGを添加することによって、接着性および糸引きが低減され、凝集強さの増大が示された。実施例68〜73の組成物について、接着剤残りは認められなかった。ある期間にわたって、接着剤プロファイルが比較的一様であることから、好ましい配合物は実施例73であった。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の接着剤組成物を含有する医療用シーラントの側面図である。
【図2】本発明の接着剤組成物を含有する医療用シーラントの底面図である。
【図2b】本発明の接着剤組成物を含有する医療用シーラントの平面図である。
【図3】本発明の接着剤組成物を含有する医療用シーラントの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋ポリ(N−ビニルラクタム)を含む第1ポリマー;
膨潤剤;
前記膨潤剤中で膨潤可能な第2改質ポリマー;
を含む接着剤組成物であって、前記膨潤剤の存在下にて、前記第1ポリマーが感圧接着剤を形成し、
前記第2改質ポリマーおよび前記膨潤剤が、前記組成物の凝集性を少なくとも維持しながら、前記第1ポリマーの接着性を低減する、接着剤組成物。
【請求項2】
抗菌剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗菌剤がグルコン酸クロルヘキシジンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗菌剤が、パラクロロメタキシレノール;トリクロサン;クロルヘキシジンおよびその塩;ポリヘキサメチレンビグアニドおよびその塩;ヨウ素;ヨードフォア;酸化銀;銀およびその塩;過酸化物;抗生物質;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリ(N−ビニル)ラクタムが、ポリN−ビニル−2−ピロリドン、ポリN−ビニル−2−バレロラクタム、ポリN−ビニル−2−カプロラクタム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記膨潤剤が、一価アルコール;多価アルコール;グリセロール;ポリグリセロール;ソルビトール;多価アルコールエトキシレート;ポリエチレングリコールのメトキシド;多価アルコールエトキシレートのメトキシド;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記一価アルコールが、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、およびこれらの組み合わせからなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記多価アルコールが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリエチレングリコールが、200〜600の分子量を有するものである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリグリセロールが、ジグリセリン、トリグリセロール、ポリグリセリン−3、ヘキサグリセロール、デカグリセロール、およびこれらの組み合わせからなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記多価アルコールエトキシレートが、ソルベス−6、ソルベス−30、グリセレス−1〜グリセレス−31からなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリエチレングリコールのメトキシドが、メトキシポリエチレングリコール−2〜メトキシポリエチレングリコール−100からなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項13】
前記多価アルコールエトキシレートのメトキシドが、グリセレス−7メトキシドである、請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
前記膨潤剤が、組成物の全重量の50%を超える、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項15】
前記第2改質ポリマーが、多糖類、多糖類誘導体、アクリレート、アクリレート誘導体、セルロース、セルロース誘導体、およびその組み合わせを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項16】
前記第2改質ポリマーが、ヒドロキシプロピルグアー;グアーガム;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第4級アンモニウム塩;ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチル塩化アンモニウムとのコポリマー;およびこれらの誘導体および組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記ヒドロキシエチルセルロースが疎水的に改質されたものである、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記ヒドロキシエチルセルロースをトリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させた、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記トリアルキルアンモニウム置換エポキシドが、トリメチルアンモニウム置換エポキシド;ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド;および上述の誘導体および組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記第1ポリマーが、5〜50重量%の量で組成物中に存在し;前記膨潤剤が、少なくとも55重量%の量で存在し;第2ポリマーが、0.1〜40重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
10重量%までの量で抗菌剤をさらに含有する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記第1ポリマーがポリN−ビニル−2−ピロリドンであり;前記膨潤剤がトリグリセロールであり;前記第2ポリマーが、ヒドロキシプロピルグアー;グアーガム;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;トリアルキルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第4級アンモニウム塩;ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチル塩化アンモニウムとのコポリマー;およびこれらの誘導体および組み合わせからなる群から選択され;前記抗菌剤がグルコン酸クロルヘキシジンである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
生体皮膚と皮膚を貫通する医療装置との接合部を密封する医療用シーラントとして構成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記医療用シーラントが第1および第2主要面を含み、それぞれの主要面が剥離ライナーと結合する、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
第1剥離ライナーが第1主要面と結合し、第1剥離値を有し、第2剥離ライナーが第2主要面と結合し、第1剥離値とは異なる第2剥離値を有する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記接着剤組成物が実質的にハート形の外形で構成される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
(a)前記第1ポリマーの前駆物質にガンマ放射線を照射して、その前駆物質を架橋すること;
(b)架橋した第1ポリマーを前記膨潤剤および前記第2改質ポリマーと混合して、請求項1に記載の組成物を提供すること;
を含む、請求項1に記載の接着剤組成物を製造する方法。
【請求項28】
バッキング層と、請求項1に記載の接着剤組成物と、を含む医療物品。
【請求項29】
前記物品が、医療用テープ、創傷被覆材、包帯または医療用皮膚カバーを含む、請求項28に記載の医療物品。
【請求項30】
皮膚とバッキング層を接触させる接着剤層であって、バッキング層に付着され、かつ請求項1に記載の接着剤組成物を含む接着剤層を含む、薬剤送達デバイス。
【請求項31】
前記接着剤層がさらに、局所的、経皮的、またはイオン導入的治療薬を含む、請求項30に記載の送達デバイス。
【請求項32】
前記接着剤層がさらに、賦形剤、溶媒、または浸透向上剤を含む、請求項30に記載の送達デバイス。
【請求項33】
前記ポリ(N−ビニルラクタム)がポリ(N−ビニルピロリドン)であり、かつ前記膨潤剤の量が組成物に対して約60〜約80重量%の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記ポリ(N−ビニルラクタム)がポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)ホモポリマーである、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記ポリ(N−ビニルラクタム)が、N−ビニル−2−ピロリドンモノマーと、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、および2−アクリルアミド−2−メチル−l−プロパンスルホン酸またはその塩からなる群から選択される非N−ビニルラクタムコモノマーと、のコポリマーであり;前記コポリマーが、ポリ(N−ビニルラクタム)に対して約50重量%以上の量でN−ビニル−2−ピロリドンモノマー単位を含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
前記コポリマーが、ポリ(N−ビニルラクタム)に対して約70〜約100重量%の量でN−ビニル−2−ピロリドンモノマー単位を含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項37】
前記放射線架橋ポリ(N−ビニルラクタム)が、放射線架橋ポリ(N−ビニルラクタム)1グラム当たり少なくとも15ミリリットルの水の膨潤能力を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
前記架橋ポリ(N−ビニルラクタム)が、固形であると同時に、放射線架橋されたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記改質ポリマーおよび前記膨潤剤が、未照射状態で組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項40】
前記第2改質ポリマーおよび前記膨潤剤が、組成物の凝集性を高めると同時に、前記第1ポリマーの接着性を低減する、請求項1に記載の組成物。

【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−526348(P2007−526348A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514984(P2006−514984)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016676
【国際公開番号】WO2004/108854
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】