説明

接着増進剤を含む、「中温化混合物」用途向けアスファルト改質剤

本発明は、一般に、道路表面を舗装するための中温化混合アスファルト配合物用の添加剤パッケージであって、a)界面活性剤成分と、b)アスファルトレオロジー調整成分とを含み、前記アスファルトレオロジー調整成分が、i)ワックス成分およびii)樹脂成分の少なくとも1種を含む添加剤パッケージに関する。本発明はまた、より低い温度で改良された締固め性を有する中温化混合アスファルトにも関し、また前記中温化混合アスファルトから作製した舗装にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通常よりも低い温度でアスファルト混合物の混合、舗設および締固めを促進し、一方同時に加熱アスファルト混合物もしくは中温化アスファルト混合物の耐湿性(moisture resistance)性状を著しく改善する、界面活性剤とアスファルト改質剤との新規な組合せに関する。単一の添加剤パッケージのこの二重効果は、本特許請求された発明を、現在の「中温化混合物(Warm Mix)」アスファルト技術から差別化する。またいくつかの他の中温化混合技術と異なって、本発明では、アスファルトを発泡させるのに水の使用を必要とせず、それによって締固め温度を低下させる。
【背景技術】
【0002】
アスファルト混合物は、道路建設および保全に広く使用され、現在使用される大部分のアスファルト混合物は、加熱混合物(合材)(hot-mix)またはHMAとして一般に知られ、またアスファルトコンクリートとしても知られている加熱方法によって製造される。これらのアスファルト混合物は、アスファルトバインダーと鉱物質骨材とからなる。使用される骨材は、天然または加工物のいずれかである。通常は、採掘され、破砕され、別々の粒度分に分別され、洗浄または他の方法で処理されて、仕上がりHMAの一定の性能特性に到達している加工骨材が使用される。骨材は、通常、配合設計において指定されたアスファルト混合物に、所望の耐荷重強度および性状をもたらす種々の粒度の混合物である。
【0003】
アスファルト舗装の強度および耐久性は、使用される材料の性状、種々の材料の相互作用および配合設計などの種々の因子によって決まる。アスファルト舗装の強度および耐久性を決定する重要な因子の1つもまた、所望の設計密度および空隙率まで締め固められる混合物の能力によって決まる。適切に締め固められない混合物は、強度が不十分であり、種々の舗装の難点が生じ易いであろう。舗装の寿命期間にわたって良好な性能を有する混合物をもたらすのに最適なバインダー含量および骨材上へのアスファルトの良好な接着性ならびにアスファルトの良好な凝集強度を有しながら、アスファルトによる骨材の適切な被覆を達成することが重要である。舗装は、いくつかの一般に知られている難点、例えば永久変形、疲労亀裂、低温亀裂および湿害(moisture damage)などを避けるように設計されている。
【0004】
これらの混合物はまた、指定された密度および空隙率%を達成するように設計される。混合物の温度は、締固めの能力に大きな影響を有する。アスファルト混合物では、予測される交通負荷および予想される舗装温度に応じて、種々の等級のアスファルトが使用される。より高い交通負荷の舗装では、また舗装温度がより高い区域では、より高いPG(性能等級)のアスファルトが使用される。例えばPG76−22アスファルトは、米国南部の幹線道路に使用され、交通負荷のより低い舗装ではPG64−22アスファルトが使用される。より高いPG等級では、バインダーは通常、ポリマー改質され(PMA)、したがってより粘稠であり、目標設計密度への締固めを助長するため、はるかに高い混合温度を要する。より高いアスファルト温度の重要な結果の1つは、加熱混合プラントでの、また工事の間のアスファルトフュームの実質的な増加であり、これらは環境ならびに作業員の健康のための重要問題である。昨今、環境的責務を前進させるためアスファルトフュームを最小限に抑えるという、アスファルト業界の大きな動きがある。
【0005】
使用される技術によって、混合および締固め温度を低下させるさらなる利点は、加熱混合物(合材)生産業者のより低い燃料費、より低い排ガス管理コストであり、より低い排ガス放出は、厳格な大気汚染規制が存在する不達成区域における舗装実施を可能にするであろう。中温化混合アスファルトは、工事現場に到着したとき、より低い温度の混合物がより低い粘性、および作業性を保持するので、より長い運搬距離をも可能にするであろう。中温化混合アスファルトの舗装は、加熱混合アスファルトと比較してより涼しい気候で行うことができ、そのため、アスファルトシーズンを広げて、例えば秋遅くまで舗装でき、かつ春は早期に舗装することができるであろう。より低い温度により、アスファルトの酸化性硬化も軽減させ、舗装寿命を長くする点で舗装性能を高めるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
骨材混合、舗設および締固め温度を低下させながら、同時に、設計された舗装の空隙率および密度を達成し、また許容可能なレベルまでフューム放出を低減させる明確な必要性が存在する。
【0007】
湿害も大きな関心事である。アスファルト混合物の湿害は、2つの経路で起こる可能性がある。第一に水分が、アスファルトに比べて骨材表面へのより大きい親和力を有し、また骨材表面へのアスファルトの化学結合が不足しているので、骨材表面特にシリカ量を多く含有する骨材表面で水分がアスファルトに置き替わるであろう。これはストリッピングとして知られている。接着性は、アスファルトと骨材の間の化学結合の形成である。第二に水分が、時間の経過にわたって繰返し荷重のもとでアスファルト内部に入り込み、アスファルトの凝集力を低下させる恐れがある。混合物の性状に及ぼすストリッピングおよび凝集力損失の結果は、水中繰返し荷重による混合物の変形を測定するハンブルグホイールトラッキング試験、およびASTM D4867手順などの引張強度比試験によって便利に評価することができる。
【0008】
締固めおよび混合温度を低下させるいくつかの方法および製品が市場に導入されつつあり、これらは中温化混合技術として知られ、また混合物は中温化混合アスファルトとして知られる。混合および舗装温度を低下させるため市場に導入されているこれらの技術は、広く3つの範疇に分類することができる。1つのこのような技術は、Sasol GmbH International社により販売促進されSasobitとして知られるフィッシャー−トロプシュワックスなどの製品の添加であり、この製品は、骨材混合物の粘度を低下させ、それにより混合および締固め温度を低下させる粘性流動改善剤である。プラストマー質材料であるフィッシャー−トロプシュワックスは、アスファルトバインダーの脆性の問題、およびその結果、ビーム曲げレオメーターにより示される低温亀裂疲労の問題を欠点とする。この技術は、加熱混合プラントの著しい改修を必要としない。
【0009】
第二の範疇の処理では、種々の方法によって混合物中にある量の水分を導入する。アスファルトまたは混合物の温度が水の沸点よりも高いと、水分は蒸発し、アスファルトの発泡をもたらし、そのためアスファルトの表面積を著しく増加させる。この発泡方法は、骨材混合物の粘度を低下させ、そのため低い温度での骨材混合物の製造を助け、それが通常よりも低い温度での舗装実施を容易にする。Eurovia Zeolite方法は、水和水の放出による泡の発生によって作用し、こうしてアスファルト内の泡の発生を助ける。MeadWestvaco社Warm Mix方法は、乳化アスファルトからの水分を使用して、同様の発泡効果をもたらす。Shell社WAM方法では、水分が骨材加熱混合工程に直接導入されて、アスファルトの発泡を生じさせる。これらの技術では、加熱混合プラントへのいくらかの改修を要する。これらの湿分発泡技術についての懸念は、水分が故意に混合物中に導入されるので、未知の長期間にわたる湿害の影響である。
【0010】
第三の範疇には、加熱混合プラントの機械設計における変更が存在する方法が含まれ、それにより通常よりも低い温度での混合物の作製が可能になり、その混合物は、通常よりも低い温度で舗装することができる。
【0011】
否定的側面では、混合温度が低いほど、骨材の乾燥がより効果的でなくなる恐れがある。骨材は、骨材貯蔵パイルの貯蔵場所、およびその区域で一般的な湿度/降雨に応じて,通常種々の量の水分を含有する。水分の存在は、骨材表面へのアスファルトの適切な結合を妨げ、湿害を招くであろう。これも、混合物中に水分を故意に導入する中温化混合技術において取り組むことを要する懸念である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、アスファルト混合物の性能特性を犠牲にせずに、道路表面を作製すのに使用される加熱混合アスファルトの混合温度および舗装温度を低下させ、同時に耐湿性抵抗性を改良するという技術的問題に関する。より具体的には、本発明者らは、界面活性剤とレオロジー調整剤との新規な組合せが、アスファルトバインダーと骨材との混合物の粘度を、その混合物の作製および舗装実施の間、低下させ、それにより最適な設計密度に到達するのに要する締固めの手間を軽減することによって、アスファルト混合物の混合、舗設および締固めの容易さを改良することができることを見出している。締固めを助ける界面活性剤の独特の組合せも、骨材表面へのアスファルトの被覆および接合性を改良することによって、接着増進剤として機能している。これらの界面活性剤で改質したアスファルトバインダーは、水分に比較してより高い骨材表面への親和力を有し、したがって水分は、骨材表面でアスファルトを置き換えること、またはストリッピングすることができない。レオロジー調整剤はまた、舗装温度においてアスファルトの凝集強度を向上させ、それにより混合物の耐湿性性状をさらに改善している。これは、界面活性剤とレオロジー調整剤との独特の組合せが、1つで締固め助剤/中温化添加剤および接着増進剤として機能する単一パッケージとして使用されている、最初の例である。中温化混合物用の他の添加剤および技術と異なって、現発明は、混合物中に故意に水分を導入せず、またビーム曲げレオメーターによって実証されるように、アスファルトの低温性状にどんな悪影響も有しない。
【0013】
本発明は、1種または複数の界面活性剤成分と1種または複数のレオロジー調整剤の1種または複数の成分との新規な組合せを含む、アスファルト配合用添加剤パッケージに関する。アスファルトのレオロジー(粘性)を調節する調整剤は、特に、混合温度および舗装温度において、アスファルトおよびアスファルト骨材混合物の粘度を低下させる。アスファルトの表面張力を低下させ、それにより骨材表面へのアスファルトの濡れ特性を強化する界面活性剤の能力は、さらに締固めの助けになる。レオロジー調整剤と界面活性剤との組合せ効果が、通常よりも低い温度での混合物の締固めを助ける。さらに、本発明の添加剤パッケージは、骨材表面へのアスファルトの親和力および化学結合をも増進させ、それにより骨材−アスファルト結合の耐水性を高め、その上にアスファルトの凝集強度を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、道路表面舗装用の瀝青(ビチューメン)またはアスファルト配合物であって、瀝青および骨材の混合物と、その中に分布される添加剤パッケージとを含む配合物に関する。
【0015】
本発明の添加剤パッケージは、界面活性剤成分と、レオロジー調整剤成分とを含む。界面活性剤成分が、少なくとも1種または複数のアミンもしくは改質アミン界面活性剤を含み、一方レオロジー調整剤成分が、i)ワックス成分、およびii)樹脂成分の少なくとも1種または複数を含むことが好ましい。ワックス成分は、凝固点範囲60℃〜150℃以上の原油供給源または合成供給源,例えばフィッシャー−トロプシュ供給源またはポリエチレンもしくはポリプロピレン供給源など、から由来することができる。
【0016】
本発明の添加剤パッケージは、アスファルト骨材混合物の粘性を低下させることによって、通常よりも低い温度で混合物を締固める能力に積極的に影響を及ぼし、また、アスファルトの接着性および凝集性の両方を改善することによって、アスファルトの耐湿性状を著しく改良する。レオロジー調整剤および界面活性剤の組合せは、ビーム曲げレオメーターによって実証されるように、アスファルトの低温要求条件を何ら損なうものではない。
【0017】
本発明の文脈において、当業者に知られている任意の加熱混合アスファルト混合物を使用することができる。例えば、標準的アスファルト摩耗層は、通例約3〜8%の瀝青を含有し、また、約6.5〜8.5%の瀝青を含有するいわゆるストーンマスチックアスファルトを、両方容易に使用することができる。特許請求される本効果が、通常よりも低い温度で締固める能力、ならびに湿害を最小にするバインダー接着性および凝集性改良なので、この概念は、任意の舗装等級アスファルトおよび改質アスファルト、例えば、ポリマー改質アスファルト、タイヤゴム改質アスファルト、Gilsoniteまたはトリニダッド湖アスファルトにより改質されたアスファルト、ならびに同様な材料を含む、種々の等級のPG(性能等級化)アスファルトなど、に適用可能である。
【0018】
上記において考察したように、本発明の添加剤パッケージは、約10〜60重量%のアミンもしくは改質アミン界面活性剤と、約20〜90重量%のレオロジー調整成分とを含む。界面活性剤成分が、少なくとも1種のアミンもしくは改質アミン界面活性剤を含み、一方レオロジー調整剤成分が、i)ワックス成分、およびii)1種または複数の樹脂成分の少なくとも1種または複数を含むことが好ましい。あるアスファルト混合物について、i)〜ii)群のいずれかに属することができる2種以上のレオロジー調整剤成分の混合物を使用することができる。他の実施形態において、本発明の添加剤パッケージは、20〜60重量%のアミンもしくは改質アミン界面活性剤と、約30〜80重量%の1種または複数のレオロジー調整成分とを含む。このレオロジー調整成分が、本発明による別個の種類i)またはii)からの2種のレオロジー調整成分を含む場合、それらは、20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜60:40の比率で、また他の実施形態においておよそ50:50の割合で存在することが好ましい。
【0019】
それぞれの添加剤パッケージ、およびそれぞれの成分材料、ならびにそれらの性状のより詳細な記述が、これに続く。
【0020】
界面活性剤成分
本発明の添加剤パッケージの界面活性剤成分は、少なくとも1種のアミンおよび/もしくは変性アミン界面活性剤またはそれらの混合物を含む。一例において、界面活性剤成分は、アミン、ジアミン、ポリアミン、エトキシル化アミン、エトキシル化アルキルジアミン、エトキシル化アルキルポリアミン、アミドアミン、アミドポリアミン、イミダゾリン、および/またはそれらの対応する有機および/もしくは無機塩のいずれか、ならびにそれらの混合物および組合せから選択される。本発明の文脈において使用可能なアミンおよび/または改質アミン界面活性剤のいくつかの例は、一般に下記の一般式によって示される:
【0021】
【化1】

【0022】
上式において、Rは、例えば獣脂脂肪酸もしくは油脂肪酸に由来する、炭素原子8〜24個を有する飽和もしくは不飽和、置換もしくは非置換の、場合によって分岐したもしくは環状の炭化水素基(鎖?/基/部分)である。RおよびRは、同一もしくは異なることができ、水素または、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基(鎖?)から選択される。RおよびRは、水素またはメチルから選択されることが好ましい。代表的な例は、水素化獣脂アミン(CAS番号61788−45−2)である。
【0023】
II.ジアミンおよびポリアミン
R−(NH−R−NH
(式中、Rは、上記のIにおけるものと同一の意味を有し、Rは、炭素原子1〜6個を有する直鎖もしくは分岐した炭化水素基を表す)。一実施形態において、Rはプロピレン基(−CHCHCH−)であり、xは6以下の整数である。代表例(式中、R=獣脂、x=1およびR=プロピレン)は、N−獣脂プロピレンジアミン(CAS番号61791−55−7)である。
【0024】
【化2】

【0025】
上式において、Rは、上記のIにおけるものと同一の意味を有し、xおよびyは、0、1または2から独立に選択され、それぞれのRは、HまたはCHから独立に選択される。一実施形態においてx=y=1である。代表例(式中、R=HおよびR=水素化獣脂アルキル、x=y=1)は、N,Nジエタノール水素化獣脂アミン(CAS番号90367−28−5)である。
【0026】
【化3】

【0027】
上式において、RおよびRは、上記のIIにおけるものと同一の意味を有し、x、yおよびzは、0、1または2から独立に選択され、x+y+zは5以下であり、それぞれのRは、HまたはCHから独立に選択される。一実施形態においてx=y=z=1である。代表例(式中、x=y=z=1、R=HおよびR=プロピレン)は、N,N,N’トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−水素化獣脂−1,3−ジアミノプロパン(CAS番号90367−25−2)である。
【0028】
【化4】

【0029】
上式において、R、R、RおよびRは、上記のIにおけるものと同一の意味を有する。代表例は、R=R=メチルおよびR=プロピレンおよびR=C〜C22アルキルであるものであり、CAS番号84082−43−9を有する。
【0030】
VI.アミドポリアミンおよびイミダゾリン例えば
RCO−(NH−R−NH
(式中、RおよびRは、上記の例Iにおけるものと同一の意味を有し、x=1〜10の整数である)。この基には、ジエチレントリアミンおよびエチレンジアミンの製造における副生成物として得られる、環状および置換窒素をも含有できるポリエチレンポリアミンおよび関連化合物の錯体混合物との、脂肪酸またはエステルの反応生成物が含まれる。代表的化合物は、CAS番号402591−95−1、68910−93−0、103213−06−3、95−38−5を有する。
【0031】
上掲の生成物は、本発明において、例えばステアリン酸;リン酸または置換されたリン酸の塩;酢酸、ナフテン酸、ロジン酸などの長鎖脂肪酸の塩を含むがそれらに限定されない、それらの塩または有機もしくは無機酸として記述される混合物中に存在することができる。
【0032】
本発明の添加剤パッケージ中において有用な特定の界面活性剤には、エトキシル化獣脂アミン、脂肪族アミン、脂肪族アミン誘導体、トール油アミドアミン/イミダゾリン、ビスヘキサメチレントリアミンおよびヘキサメチレンジアミンの高級オリゴマー、炭素原子8〜22個からなる炭化水素鎖を有する他のアルキルアミン界面活性剤、ならびにこれらの混合物組合せが含まれるが、それらに限定されない。これらの界面活性剤の特定の例には、獣脂n−プロピレンジアミン、トリス−エトキシル化獣脂N−プロピレンジアミン、Redicote C−450(イミダゾリンとアミドポリエチレンポリアミドの混合物)、Wetfix 312−イミダゾリンとアミドアミンの混合物(Akzo Nobel Surface Chemistry LLC、シカゴ、イリノイ州から入手可能)が含まれるが、それらに限定されない。本界面活性剤成分は、水素化獣脂プロピレンジアミン、エトキシル化水素化獣脂プロピレンジアミン、獣脂ジプロピレントリアミン、獣脂トリプロピレンテトラアミンおよびこれらの誘導体、ならびにジメチルアミノプロピルアミンとの縮合脂肪酸から得られるアミドをも含むことができる。
【0033】
レオロジー調整成分
本発明の添加剤パッケージのレオロジー調整成分は、i)一般にワックスとして知られている材料を含むことができる、少なくとも1種の炭化水素ポリマー成分、ii)少なくとも1種の樹脂成分、ならびにこれらの混合物および組合せを含む。
【0034】
i)ワックス成分:本発明の文脈において有用に使用することができるワックス調整剤には、酸化ワックスを含む、植物ワックス(例えばカルナウバワックス)、動物ワックス(例えばミツロウ)、鉱物ワックス(例えば、石炭からのMontan(商標)ワックス);アミドワックス(例えば、エチレンビスステアラミド、ステアリルアミド、ステアリルステアラミド);ワックス性の脂肪酸および石鹸(例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸);アスファルトを硬化させる能力を有するワックス性もしくは樹脂性の他の脂肪族材料(脂肪族アルコール、水素化脂肪、脂肪族エステルなど)など;プラストマーのポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチルビニルアセテート)が含まれるが、それらに限定されない。酸化ワックスを含む、石炭または石油からのフィッシャートロプシュワックス(例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス)、ガス由来のフィッシャー−トロプシュワックスも、本発明に従って使用することができる。一実施形態において、アスファルト中に導入されるフィッシャー−トロプシュワックスまたはその誘導体の量は、アスファルト/瀝青の0.5重量%未満に保持される。ワックス成分は、60℃〜150℃以上の凝固点範囲である原油、またはフィッシャー−トロプシュ法もしくは他の合成ワックス方法、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンワックスなどから由来することができる。上記の製品は、加熱混合物の温度で基本的にアスファルト中に可溶であって、均質なバインダーとなり、かつ/または混合物の温度で融解し、成分が混合物中に分散/溶解するであろう。ワックスおよび樹脂成分は、一般に、混合温度および締固め温度でアスファルトの粘性および流動性状を改良するように作用し、舗装温度におけるアスファルトの凝集性状を改良する一方、界面活性剤成分が、アスファルトの表面張力および被覆能力を低下させ、それによりさらに締固めを助け、同時に骨材へのアスファルトの接着性を改良するであろう。これらの成分が通常よりも低い温度で、改良された締固めをもたらすと共に、一方接着および凝集性状の改善により混合物は、より耐湿害性となる。
【0035】
一実施形態において、本発明は、触媒(Ref)の存在におけるエチレンの重合に由来した、ポリエチレンワックスとしても知られる炭化水素ポリマーを使用することが好ましい。このワックスの凝固点は80℃と120℃の間であり、それと共に135℃におけるブルックフィールド粘度が10〜40cPの範囲である。
【0036】
ii)樹脂成分:第二の型のレオロジー調整成分は、植物の樹脂(トール油ピッチ、パインタールピッチ、トール油ロジン、ロジン酸、パインロジン、ガムロジンであり、化学修飾された樹脂例えばマレエート化もしくはフマレート化ロジンなど、およびトール油処理もしくはガムロジンの処理からの樹脂質副生成物を含む)、または石油の樹脂(石油樹脂、フェノール性樹脂)を含む。特に滴下融点>60°F、他の実施形態において>60℃を有する、また25℃において針入度<50を有する樹脂、例えば長鎖および三環式有機酸およびステロールを含有するトール油ピッチまたは変性トール油ピッチが有用である。トール油樹脂系調整剤には、粗トール油の蒸留からの、脂肪酸、トール油ヘッドなどの非樹脂部分も含まれ得、またマレエート化およびフマレート化の結果として、これらの部分の化学修飾バージョンも含まれ得る。この種類の好ましいレオロジー調整剤には、トール油ピッチ、マレエート化トール油ピッチ、ロジン酸、トール油ヘッドが含まれるが、それらに限定されない。エラストマー(天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリクロルプレン、再生タイヤからのクラムラバー(crumb rubber)など)特性のポリマー;高軟化点のアスファルト材料(例えば、アスファルテン、Gilsonite(商標)、トリニダッド湖アスファルト、油の脱アスファルトからの副生成物、酸化アスファルトなど);ROSEボトムス(残油超臨界抽出物)などのアスファルテン、および他のゼロ針入度アスファルトも、単独でまたは組合せてそのいずれかで使用できる。
【0037】
より広い観点から、本発明は、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、原油由来ワックス、他の型のワックス、ポリマー、Gilsoniteまたはトール油系調整剤を含む1種または複数のアスファルトレオロジー調整剤との、界面活性剤の組合せを企図しており、重要な特徴は、これらの型の成分が組み合わされて、単一製品となっている点である。
【0038】
本発明の中温化混合物添加剤は、単一添加剤パッケージ、または前記添加剤パッケージの個別の成分として添加することができる。単一パッケージとして添加されるか、または個別成分として添加されるかにかかわらず、本発明の添加剤は、中温化混合工程の種々の段階で添加することができる。一実施形態において、本発明の添加剤パッケージは、加熱混合プラントにおいて骨材中にアスファルトを導入する前に、アスファルトバインダー中にブレンドすることができ;ミキサーにアスファルトが添加される前に、骨材もしくは骨材の一部に添加することができ;あるいは、骨材にアスファルトを添加した後に、加熱混合プラントにおいてミキサーに添加することができる。本発明の添加剤パッケージは、加熱混合プラントにおいてドラムミキサーなどのミキサー中に添加することが好ましい。アスファルトの重量による本添加剤パッケージの用量レベルは、アスファルトバインダーに対して0.2〜10重量%の範囲に、好ましくは0.5〜6重量%、またさらに好ましくは約1〜3重量%の範囲である。
【0039】
本発明の添加剤パッケージは、現在の技術に優る下記の利点を有する:
(a)本発明の添加剤パッケージは、加熱混合物の製造および締固め温度を低下させるのを助けるだけでなく、同時に混合物の耐湿性性状をも改良する。本発明の添加剤パッケージは、単一パッケージとしての中温化混合物添加剤および接着性増進剤/ストリッピング防止添加剤であり、または前記パッケージの個別成分を別々に添加することができる。中温化混合物添加剤として、本発明の添加剤パッケージは、骨材表面へのアスファルトの被覆能力と共に、アスファルトの粘性を低下させ、また流動性状を改善し、それにより、アスファルト混合物の締固めに要する温度を、本添加剤パッケージを含まないアスファルト混合物と比較し15〜60°F低くなるまで低下させる。接着性および凝集性調整剤として、本発明の添加剤パッケージは、引張強度比試験およびハンブルグホイールトラッキング試験によって実証されるように、混合物の耐湿性を改良する。
(b)フィッシャー−トロプシュワックスなどの他のワックス系中温化混合物添加剤と異なって、ビーム曲げレオメーター試験によって実証されるように、アスファルトバインダー脆化の問題、またその結果、低温亀裂疲労の問題を欠点として有しない。
(c)本発明の添加剤パッケージは、融点および物理的特性のために、粉末、パステル剤もしくはフレーク状自由流動性固体または液体などの物理的形態で配合することが可能であり、これを、加熱混合物の製造直前にアスファルトバインダー中にブレンドすることができ、あるいは上述のように加熱混合物を製造する間の種々の段階においてドラム型乾燥機に添加できる。
【0040】
本発明は、ここに下記の非限定的実施例によって例証されるであろう。
【実施例】
【0041】
締固めまたは高密度化試験
アスファルト混合物としてのPG76−22アスファルトおよび花崗岩骨材について、高密度化試験を行った。そのアスファルト混合物の骨材粒度組成およびアスファルト含量を、表1に掲げている。
【0042】
【表1】

【0043】
2005年6月付けNCAT(National Center for Asphalt Testing)Reportにおいて記述される通りに、振動締固め機により、30秒の期間高密度化を行い、空隙率%を測定した。3種の異なる締固め温度を使用し、それぞれの場合に、それぞれの締固め温度よりも35°F高い温度で、バインダーとの骨材混合物を調製した。3種の別々の混合物について、それぞれの3種の締固め温度で評価を行った:
(a)PMAバインダーPG76−22に対し2%のAN003を配合した中温化混合配合物。
(b)PMAバインダーPG76−22に対し2%のAN004を配合した中温化混合配合物。
(c)対照標準として、中温化混合物添加剤を全く含まないPMA76−22バインダー。
これらの結果を下記の表2に掲げている。
【0044】
【表2】

【0045】
「AN003」は、本発明を例証する混合物であり、下記を含む:
Toprez LM(Chusei社からのトール油由来の樹脂)−10%、
N−獣脂プロピレンジアミン 37.5%、
フィッシャー−トロプシュワックス 21.5%、
ポリエチレンワックス(Chusei社から) 31.0%。
【0046】
「AN004」は、本発明を例証する混合物であり、下記を含む:
Toprez LM(Chusei社からのトール油由来の樹脂)−20%、
N−獣脂プロピレンジアミン 37.5%、
ポリエチレンワックス(Chusei社から) 42.5%。
【0047】
これらの結果は、AN003およびAN004により、対照標準と比較して300°F、270°Fおよび240°Fにおいて、空隙率%が著しく低下すること、かつまた300°Fの対照標準と比較して、270°Fにおいて空隙率%がより低いことを明らかに示している。AN004の場合、240°Fで得られた空隙率%が300°Fにおける対照標準と比較し同様である。これらの結果は、300°Fで未改質アスファルトを締固めるよりも30〜60°F低い温度で締固めを行うことができ、かつそれでも、300°Fで未改質アスファルトを締固めることによって得られる空隙率以下の空隙率%を得ることができることを示しており、したがって中温化混合物の本特許請求を実証している。
【0048】
湿分感受性試験
ハンブルグホイールトラッキング試験により、またASTM D4867による引張り強度比試験(修正されたLottman and Root Tunniclif試験としても一般に知られる)により、アスファルト混合物の湿害を評価することができる。
【0049】
引張り強度比試験ASTM D4867:ここに2組の締固めた試験片がある。調湿される試験片は、様々な手順により水に曝露されて、湿害をシミュレートし、また調湿されない試験片は、室温に保持される。次いで間接引張り強度が測定され、調湿強度を未調湿強度で割ることにより、引張り強度比が得られる。比率0.8以上が通常、許容可能とみなされる。結果を表3に掲げている。
【0050】
【表3】

【0051】
これらの結果は、2種の中温化混合物添加剤(AN003およびAN004)で改質された混合物について、大抵の指定機関の適格基準である引張り強度比が0.80を超えていることを示す。従来のNCATによる中温化混合物試験では一貫して、引張り強度比が、評価される他の中温化混合技術について問題になり、湿害を軽減するためストリッピング防止剤の添加を必要としていた。
【0052】
ハンブルグホイールトラッキング試験:この試験方法では、アスファルト混合物の締固め試料は、水中で繰返しホイールトラッキングサイクルに掛けられる。試料の破壊は、変形(わだち掘れ)によって示される。ストリッピング変曲点は、そこからわだち掘れ曲線(サイクル数に対してプロットしたわだち深さ)の勾配に若干の変化がある点である。一般に許容基準は、ストリッピング変曲点が10,000サイクル後に生じるべきであるということである。いくつかの機関は、破壊点として変形12.5mmを指定している。変形12.5mmまでのサイクル数が、混合物の性能の目安である。結果を表4に掲げている。
【0053】
【表4】

【0054】
これらの結果から、両添加剤についてストリッピング変曲点が10,000サイクル後に生じ、平均わだち掘れ深さが、AN003およびAN004についてそれぞれ5.89mmおよび4.25mmであることを見ることができる。
【0055】
アスファルトPG等級試験
これらの添加剤が、アスファルトバインダーの性状、特にビーム曲げレオメーター試験により測定されるアスファルトの低温性状に悪影響を及ぼさないことが極めて重要である。そのため、2%のAN003により、また別個にAN004により改質したPG76−22バインダーを、標準PG等級分け試験(AASHTO T315、およびT313)に掛けた。結果を表5に掲げている。
【0056】
【表5】

【0057】
本添加剤を含まない対照PMA76−22と比較して、m−値(0.3を超えるべきである)およびクリープ剛性(小さいほど良い)によって測定される低温可撓性性状が、本添加剤により著しく改良される点に注目されたい。
【0058】
要約すると、これらの中温化混合物添加剤は、締固め試験により実証されるように、混合および締固め温度を約60°F低下させることを助け、また同時にTSRおよびハンブルグホイールトラッキング試験により実証されるように、湿害に耐える混合物をもたらすことができる。他のワックス型調節剤と異なって、これらの中温化混合物添加剤は、m−値およびクリープ剛性PG等級試験により実証されるように、アスファルトの低温性状に有害な影響を有しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路表面を舗装するための中温化混合アスファルト配合物用の添加剤パッケージであって、a)界面活性剤成分と、b)アスファルトレオロジー調整成分とを含み、アスファルトレオロジー調整成分が、i)ワックス成分およびii)樹脂成分の少なくとも1種を含む添加剤パッケージ。
【請求項2】
前記添加剤パッケージの合計重量に対して、20〜60重量%の界面活性剤成分と、30〜80重量%のレオロジー調整成分とを含む、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項3】
前記界面活性剤成分が、アミン、ジアミン、ポリアミン、エトキシル化アミン、エトキシル化アルキルジアミン、エトキシル化アルキルポリアミン、アミドアミン、アミドポリアミン、イミダゾリン、ならびに/またはこれらの対応する有機および/もしくは無機塩のいずれか、ならびにそれらの混合物および組合せから選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項4】
前記界面活性剤成分が、
【化5】

(式中、Rは、炭素原子8〜24個を有する飽和もしくは不飽和、置換もしくは非置換の、場合によって分岐したもしくは環状の炭化水素基であり、RおよびRは、同一もしくは異なり、水素または、炭素原子1〜24個を有する炭化水素鎖から選択される);
II.ジアミンおよびポリアミン
R−(NH−R−NH
(式中、Rは、上記のIにおけるものと同一の意味を有し、Rは、炭素原子1〜6個を有する直鎖もしくは分岐した炭化水素基を表す);
【化6】

(式中、Rは、上記のIにおけるものと同一の意味を有し、xおよびyは、0、1または2から独立に選択され、それぞれのRは、HまたはCHから独立に選択される);
【化7】

(式中、RおよびRは、上記のIIにおけるものと同一の意味を有し、x、yおよびzは、0、1または2から独立に選択され、x+y+zは5以下であり、それぞれのRは、HまたはCHから独立に選択される);
【化8】

(式中、R、R、RおよびRは、上記のIにおけるものと同一の意味を有する);
VI.アミドポリアミンおよびイミダゾリン
RCO−(NH−R−NH
(式中、RおよびRは、上記の例Iにおけるものと同一の意味を有し、x=1〜10の整数である)
から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項5】
前記界面活性剤成分が、エトキシル化獣脂アミン、脂肪族アミン、脂肪族アミン誘導体、トール油アミドアミン/イミダゾリン、ビスヘキサメチレントリアミンおよびヘキサメチレンジアミンの高級オリゴマー、炭素原子8〜22個からなる炭化水素鎖を有するアルキルアミン界面活性剤、ならびにこれらの混合物組合せから選択される、少なくとも1種のアミンおよびまたは改質アミン界面活性剤を含む、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項6】
前記界面活性剤成分が、獣脂n−プロピレンジアミン、トリス−エトキシル化獣脂N−プロピレンジアミン、イミダゾリンおよびアミドポリエチレンポリアミンの混合物、イミダゾリンおよびアミドアミンの混合物、水素化獣脂プロピレンジアミン、エトキシル化水素化獣脂プロピレンジアミン、獣脂ジプロピレントリアミン、獣脂トリプロピレンテトラアミンおよびこれらの誘導体、ならびにジメチルアミノプロピルアミンとの縮合脂肪酸から得られるアミドから選択される、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項7】
前記アスファルトレオロジー調整成分が、i)少なくとも1種のワックス成分、ii)少なくとも1種の樹脂成分、ならびにこれらの混合物および組合せを含む、請求項1に記載の添加剤パッケージ。
【請求項8】
前記アスファルトレオロジー調整成分が、i)ワックス成分を含み、前記ワックス成分が、植物、動物、鉱物または石油由来のワックスから選択される、請求項7に記載の添加剤パッケージ。
【請求項9】
前記ワックス成分が、カルナウバワックス、ミツロウ、石炭からのMontan(商標)ワックス;石炭、石油もしくはガス由来のフィッシャートロプシュワックス;アミドワックス;脂肪酸および石鹸;脂肪族アルコール、水素化脂肪、脂肪族エステル、およびこれらの混合物から選択される、請求項8に記載の添加剤パッケージ。
【請求項10】
前記ワックス成分が、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンビスステアラミド、ステアリルアミド、ステアリルステアラミド;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸;脂肪族アルコール、水素化脂肪、脂肪族エステルおよびこれらの混合物から選択される、請求項9に記載の添加剤パッケージ。
【請求項11】
前記ワックスの凝固点が60℃と150℃の間であり、それと共に135℃におけるブルックフィールド粘度が10〜40cPの範囲である、請求項10に記載の添加剤パッケージ。
【請求項12】
前記樹脂成分が、植物由来の樹脂、石油由来の樹脂、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載の添加剤パッケージ。
【請求項13】
前記樹脂成分が、トール油ピッチ、パインタールピッチ、トール油ロジン、ロジン酸、パインロジン、ガムロジン、マレエート化ロジン、フマレート化ロジン;トール油処理もしくはガムロジンの処理からの樹脂質副生成物;石油樹脂、フェノール性樹脂、およびこれらの混合物から選択される、請求項7に記載の添加剤パッケージ。
【請求項14】
前記樹脂成分が、トール油ピッチ、マレエート化トール油ピッチ、ロジン酸、トール油ヘッド、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリクロルプレン、クラムラバー、アスファルテン、Gilsonite(商標)、トリニダッド湖アスファルト;油の脱アスファルトからの副生成物;酸化アスファルト、ROSEボトムス、ゼロ針入度アスファルト、およびこれらの混合物から選択される、請求項13に記載の添加剤パッケージ。
【請求項15】
前記樹脂成分が、滴下融点>60°F、および25℃における針入度<50を有する、請求項7に記載の添加剤パッケージ。
【請求項16】
道路表面を舗装するための中温化混合アスファルト配合物であって、瀝青および骨材の混合物と、アスファルトの重量に対して約0.2〜10重量%の、請求項1に記載の添加剤パッケージとを含む配合物。
【請求項17】
前記アスファルトを締め固めるのに要する温度が、従来の加熱混合アスファルトよりも15〜60°F低い、請求項16に記載の配合物。
【請求項18】
前記アスファルトおよび骨材が、ミキサー内で混合され、前記添加剤パッケージが、a)ミキサー中に骨材が導入される前に、前記アスファルトバインダー中にブレンドされ;またはb)ミキサーにアスファルトが導入される前に、骨材もしくは骨材の一部に添加され;またはc)前記ミキサー内でアスファルトが骨材に添加された後で、ミキサーに添加される、あるいはa)〜c)の組合せである、請求項16に記載のアスファルト配合物。
【請求項19】
中温化混合アスファルトの締固め温度を低下させる方法であって、前記中温化混合アスファルトに、締固め温度を低下させる量の、請求項1に記載の添加剤パッケージを添加するステップを含む方法。
【請求項20】
アスファルトの重量に対して約0.2〜10重量%の、請求項1に記載の添加剤パッケージが、前記中温化混合アスファルトに添加され、前記アスファルトを締め固めるのに要する温度が、従来の加熱混合アスファルトよりも少なくとも15〜60°F低い、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記添加剤パッケージが、単一パッケージとして添加される、または前記パッケージの個別の成分が中温化混合アスファルトに別々に添加される、請求項16に記載の中温化混合アスファルト。
【請求項22】
前記添加剤パッケージが、またはその個別の成分が、中温化混合工程の種々の段階で添加される、請求項16に記載の中温化混合アスファルト。
【請求項23】
前記添加剤パッケージまたはその個別の成分が、加熱混合プラントにおいて骨材中にアスファルトが導入される前に、アスファルトバインダー中にブレンドされ;ミキサーにアスファルトが添加される前に、骨材もしくは骨材の一部に添加され、および/または、骨材にアスファルトを添加した後で、加熱混合プラントにおいてミキサーに添加される、請求項22に記載の中温化混合アスファルト。

【公表番号】特表2011−503311(P2011−503311A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533555(P2010−533555)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065281
【国際公開番号】WO2009/062925
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】