説明

描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法

【課題】基板上の隔壁により区画された液滴配置領域に対して液滴を吐出するに際して、液滴が溢れ(混色)やムラの発生を防止することができる描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法を提案する。
【解決手段】基板上に立設する隔壁52により区画された液滴配置領域53に対して液滴吐出部から液滴54を吐出して所定のパターンを形成する描画方法であって、液滴54を隔壁52上に着弾させた際の液体半径raを基準にして、液滴配置領域53に対する液滴54の着弾目標領域S1を規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出方式(インクジェット方式)により液晶表示装置のカラーフィルタ層を製造する際には、バンクと称される隔壁(ブラックマトリクス)で囲まれた各画素に対して顔料の液滴(インク)を連続して塗布している。
具体的には、基板上に隔壁(高さ1ミクロン程度、撥水性)を形成し、この中にカラーフィルタ用インク(以下CFインクと呼ぶ。)をインクジェット塗布(以下IJ塗布と呼ぶ。)していた。
しかし、十分な色濃度を実現するために大量のインクを塗布すると、隔壁からインクが溢れ、隣接する画素に混入(混色)してしまう可能性があった。
【0003】
このような不具合を防止するため、CFインクを隔壁で囲まれた領域(画素形成領域)に塗布する際に、CFインクの液滴直径を画素形成領域の大きさに基づいて規定したり(特許文献1)、CFインクの液滴直径を液滴の着弾位置に応じて変更したり(特許文献2)、吐出タイミングを変更したり(特許文献3)、液滴の着弾位置を規定したり(特許文献4)する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−190804号公報
【特許文献2】特開2005−305242号公報
【特許文献3】特開2001−188116号公報
【特許文献4】特開2004−361491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献4に開示される技術では、画素形成領域からCFインクが溢れる可能性は低減されるが、CFインクが画素形成領域の隅々まで広がらずムラになる可能性が高くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、基板上の隔壁により区画された液滴配置領域に対して液滴を吐出するに際して、液滴が溢れ(混色)やムラの発生を防止することができる描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、基板上に立設する隔壁により区画された液滴配置領域に対して液滴吐出部から液滴を吐出して所定のパターンを形成する描画方法であって、前記液滴を前記隔壁上に着弾させた際の液体半径を基準にして、前記液滴配置領域に対する前記液滴の着弾目標領域を規定することを特徴とする。
【0007】
また、前記着弾目標領域は、前記隔壁の縁から前記液体半径の長さよりも内側の領域であって、該着弾目標領域内に前記液体の中心が位置するように着弾させることを特徴とする。
また、前記液滴の種類に応じて前記着弾目標領域を規定することを特徴とする。
【0008】
また、前記隔壁及び前記液滴配置領域は、異なる表面処理が施されることを特徴とする。
また前記隔壁は撥液処理が施され、前記液滴配置領域は親液処理が施されることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、基板上に立設する隔壁により区画された複数の画素部に対して液滴吐出部から着色材料を含有する液滴を吐出してカラーパターンを形成する着色層の形成方法において、前記着色材料の吐出方法として、第1の発明に係る描画方法を用いることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、カラーパターン層の透過光或いは発光光によりカラー表示を行う電気光学装置の製造方法において、前記カラーパターン層の形成方法として、第2の発明に係る着色層の形成方法を用いることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る描画方法、着色層の形成方法、電気光学装置の製造方法の実施形態について図を参照して説明する。
〔液滴吐出装置〕
図1は、液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。
以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。
【0012】
ステージ7は、カラーフィルタインクの吐出対象である基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。
液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルからは、ステージ7に支持されている基板Pに対して、上述した着色材を含むカラーフィルタインクが吐出される。
【0013】
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
【0014】
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1にカラーフィルタインクの吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド1のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものである。クリーニング機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
【0015】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対してカラーフィルタインクを吐出する。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。
なお、図1では、液滴吐出ヘッド1は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド1の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド1の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
【0016】
図2は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
液体材料(カラーフィルタインク)を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。
液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。
ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。
なお、液滴吐出方式としては、液体材料を加熱し発生した泡(バブル)により液体材料を吐出させるバブル(サーマル)方式でも採用可能であるが、ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0017】
[カラーフィルタの製造方法、描画方法]
次に、本実施形態の液滴吐出装置IJを用いたカラーフィルタ55の製造方法の一例を説明する。
図3は、基板Pにおけるカラーフィルタ領域51の説明図である。
液滴吐出装置IJを用いたカラーフィルタの製造方法は、生産性を高める観点から長方形状の基板P上に、複数個のカラーフィルタ領域51をマトリクス状に形成する際に適用することができる。これらのカラーフィルタ領域51は、後で基板Pを切断することにより、液晶表示装置に適合する個々のカラーフィルタ55として用いることができる。
なお、各カラーフィルタ領域51においては、図3に示したように、Rのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェア型等としてもよい。
【0018】
図4は、カラーフィルタ55の製造方法の説明図である。
カラーフィルタ領域51を形成するには、まず、図4(a)に示すように、透明の基板Pの一方の面に対し、ブラックマトリクス52(隔壁)を形成する。このブラックマトリクス52を形成する際には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色樹脂)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。
このブラックマトリクス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルタエレメント53(液滴配置領域)については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。このブラックマトリクス52は充分な高さを有しており、インク吐出時の隔壁として機能する。
【0019】
次に、液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド1から、図4(b)に示すようにインク受容層となる樹脂組成物を含有するインク滴54を吐出し、これを基板P上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。具体的には、約10ng/dot程度のインク滴を多数吐出・着弾させる。
次いで、ヒータ15によりインク滴54の焼成を行い、図4(c)に示すようなインク受容層60とする。
【0020】
次に、液滴吐出ヘッド1から、図4(d)に示すようにインク滴54R,54G,54Bを吐出し、これを基板Pのインク受容層60上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。
【0021】
そして、図4(e)に示すように、R着色層55R、G着色層55G、B着色層55Bを形成する。R着色層55R、G着色層55G、B着色層55Bを形成した後、ヒータ15により着色層55R,55G,55Bを焼成する。
【0022】
次いで、基板Pを平坦化し、かつ着色層55R,55G,55Bを保護するため、図4(f)に示すように各着色層55R,55G,55Bやブラックマトリクス52を覆うオーバーコート膜(保護膜)56を形成する。このオーバーコート膜56の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、着色層55R,55G,55Bの場合と同様に液滴吐出装置IJを用いることもできる。
【0023】
図5は、インク滴54の着弾目標領域S1を示す図である。
上述したカラーフィルタ55の製造方法において、液滴吐出ヘッド1からインク滴54R,54G,54Bを吐出してインク受容層60上に着弾させる際(図4(d)の場合)には、インク滴54R,54G,54Bの着弾目標領域S1を以下のように規定する。
基板P上には、ブラックマトリクス52により複数のフィルタエレメント53(液滴配置領域)が形成されている。そして、フィルタエレメント53上には、インク受容層60が形成されて、親液処理が施されている。
一方、ブラックマトリクス52上は、撥液処理が施されている。
このため、同一体積、同一種類のインク滴54で比較した場合、図4に示すように、ブラックマトリクス52上に着弾したインク滴54の半径raとフィルタエレメント53上に着弾したインク滴54の半径rbとは、半径rbの方が半径raよりも大きくなる。
【0024】
このブラックマトリクス52上に着弾した際のインク滴54の半径raを基準して、フィルタエレメント53上におけるインク滴54の着弾目標領域S1が規定される。
すなわち、インク滴54は、フィルタエレメント53の外縁(ブラックマトリクス52の内縁)からraの長さ分よりも内側(中心側)の領域(着弾目標領域S1)に着弾するように吐出される。つまり、フィルタエレメント53の外縁(ブラックマトリクス52の内縁)からraの長さ分よりも外側の領域(非着弾目標領域S2)には、インク滴54の中心54cが位置しないように吐出される。
【0025】
図4に示すように、領域S1と領域S2の境界よりも内側(中心側)に中心54cが位置するように着弾したインク滴54(インク滴54,54)は、フィルタエレメント53内で広がり、インク滴54,54の一部がブラックマトリクス52に乗り上げることはない。
インク滴54が基板P上に着弾する直前の半径は、ブラックマトリクス52上に着弾した際のインク滴54の半径raよりもやや小さい半径であると考えられる。したがって、フィルタエレメント53の外縁(ブラックマトリクス52の内縁)から、ブラックマトリクス52上に着弾した際のインク滴54の半径raの長さよりも中心側(内側)にインク滴54を着弾させることで、インク滴54,54の全体がほぼ確実にフィルタエレメント53内に着弾するようになる。
仮に、飛行中のインク滴54が球形でないために、インク滴54の一部がブラックマトリクス52上に乗り上げた場合であっても、ブラックマトリクス52及びフィルタエレメント53(インク受容層60)の表面張力並びにインク滴54の表面張力によって、ブラックマトリクス52上に乗り上げたインク滴54の一部の全てがフィルタエレメント53内に引き寄せられる。
したがって、隣接するフィルタエレメント53(インク受容層60)にインク滴54が混入(混色)してしまうことが回避できる。
【0026】
一方、領域S1と領域S2の境界よりも外側に中心54cが位置するように着弾したインク滴54(インク滴54)は、その一部がブラックマトリクス52に乗り上げて残ってしまう可能性が非常に高い。ブラックマトリクス52に乗り上げた液滴量が多くなるため、フィルタエレメント53内に引き寄せられる可能性が低い。このため、インク滴54−3が分裂して、インク滴54−3の一部(飛沫)がブラックマトリクス52に乗り上げたまま残ってしまう。そして、最悪の場合、隣接するフィルタエレメント53内に混入(混色)してしまう。
【0027】
なお、インク滴54の着弾目標領域としてフィルタエレメント53上に着弾した際のインク滴54の半径rbを基準とすることが考えられるが、この場合には、フィルタエレメント53とブラックマトリクス52との境界部分に配置される液滴量が非常に少ないため、フィルタエレメント53内を均等にムラなくインク滴54で満たすことが困難となってしまう。
一方、本発明のように、インク滴54の着弾目標領域S1としてブラックマトリクス52上に着弾した際のインク滴54の半径raを基準とすることで、フィルタエレメント53とブラックマトリクス52との境界部分にも充分な液滴量が配置されるので、フィルタエレメント53内は均等でムラなくインク滴54で満たされるようになる。
【0028】
なお、ブラックマトリクス52上に着弾した際のインク滴54の半径ra及びフィルタエレメント53上に着弾した際のインク滴54の半径rbは、予め実験等で求めたり、或いは前回の液滴吐出時の結果を用いてもよい。
また、インク滴54の半径ra,半径rbは、インク材料により若干異なる場合があるので、インク材料(色)毎に半径ra,半径rbを求めることが好ましい。
勿論、ブラックマトリクス52やフィルタエレメント53(インク受容層60)の表面処理の条件等が異なれば、インク滴54の半径ra,半径rbも異なるので、これらの条件毎に半径ra,半径rbを求めておくことがこのましい。
【0029】
以上説明したように、本発明に係る描画方法によれば、ブラックマトリクス52により区画されたフィルタエレメント53内に、インク滴54を均等でムラなく充填することができる。また、インク滴54がブラックマトリクス52上に残留したり、隣接するフィルタエレメント53内に混入することを防止できる。
【0030】
[液晶装置、電子光学装置]
次に、上記カラーフィルタ55を備えた液晶装置30の一実施形態を示す。
図6は、パッシブマトリクス型の液晶装置30の側面断面図である。
液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
【0031】
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルタ55が形成されている。カラーフィルタ55は、R、G、Bの各色からなる着色層55R、55G、55Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの着色層55R、55G、55B間には、ブラックマトリクス52が形成されている。
そして、これらカラーフィルタ55およびブラックマトリクス52の上には、カラーフィルタ55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0032】
他方のガラス基板32には、その内面に、カラーフィルタ55側の電極37と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルタ55の各着色層55R、55G、55Bは、それぞれ各ガラス基板32上の電極39、37の交差する位置に配置されている。
また、電極37、39は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されている。さらに、ガラス基板32とカラーフィルタ55の外面側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられている。さらに、これらガラス基板31、32間には液晶33を封入するためのシール材42が設けられている。
【0033】
本実施形態の液晶装置30では、上記液滴吐出装置IJを用いて製造されるカラーフィルタ55を適用しているため、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を実現することができる。
【0034】
[電子機器]
次に、上記液晶装置30からなる表示手段を備えた電子機器の具体例について説明する。
図7(a)〜(d)は、上述の液晶装置30を備える電子機器の例を示している。
図7(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7(a)において、携帯電話1000は、上述した液晶装置30を用いた表示部1001を備える。
図7(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図7(b)において、時計1100は、上述した液晶装置30を用いた表示部1101を備える。
図7(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図7(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1202、上述した液晶装置30を用いた表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図7(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図7(d)において、薄型大画面テレビ1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上述した液晶装置30を用いた表示部1306を備える。
【0035】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態の液滴吐出装置IJの細部の具体的な構成等に関しては適宜変更が可能である。
【0036】
上述した実施形態では、液滴吐出装置IJにより液晶装置30のカラーフィルタ55を製造する場合について説明したが、これに限らない。例えば、有機EL装置の(着色)発光層を液滴吐出装置IJで形成する際に、本発明に係る描画方法を用いてもよい。
また、カラーフィルタ55や発光層等のカラーパターンを形成する場合に限らず、金属配線等のパターンを形成する場合にも、本発明に係る描画方法を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
【図2】ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
【図3】基板Pにおけるカラーフィルタ領域51の説明図である。
【図4】カラーフィルタ55の製造方法の説明図である。
【図5】インク滴54の着弾領域を示す図である。
【図6】パッシブマトリクス型の液晶装置30の側面断面図である。
【図7】液晶装置30を備える電子機器の例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
IJ…液滴吐出装置、 1…液滴吐出ヘッド(液滴吐出部)、 30…液晶装置、 52…ブラックマトリクス(隔壁)、 53…フィルタエレメント(液滴配置領域、画素部)、 54(54,54,54)…インク滴(液滴)、 54c…中心、 55…カラーフィルタ(パターン、カラーパターン)、 55R,55G,55B…着色層、 56…オーバーコート膜、 60…インク受容層(親液処理層)、 P…基板、 ra,rb…半径、 S1…着弾目標領域、 S2…非着弾目標領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に立設する隔壁により区画された液滴配置領域に対して液滴吐出部から液滴を吐出して所定のパターンを形成する描画方法であって、
前記液滴を前記隔壁上に着弾させた際の液体半径を基準にして、前記液滴配置領域に対する前記液滴の着弾目標領域を規定することを特徴とする描画方法。
【請求項2】
前記着弾目標領域は、前記隔壁の縁から前記液体半径の長さよりも内側の領域であって、該着弾目標領域内に前記液体の中心が位置するように着弾させることを特徴とする請求項1に記載の描画方法。
【請求項3】
前記液滴の種類に応じて前記着弾目標領域を規定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画方法。
【請求項4】
前記隔壁及び前記液滴配置領域は、異なる表面処理が施されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の描画方法。
【請求項5】
前記隔壁は撥液処理が施され、前記液滴配置領域は親液処理が施されることを特徴とする請求項4に記載の描画方法。
【請求項6】
基板上に立設する隔壁により区画された複数の画素部に対して液滴吐出部から着色材料を含有する液滴を吐出してカラーパターンを形成する着色層の形成方法において、
前記着色材料の吐出方法として、請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の描画方法を用いることを特徴とする着色層の形成方法。
【請求項7】
カラーパターン層の透過光或いは発光光によりカラー表示を行う電気光学装置の製造方法において、
前記カラーパターン層の形成方法として、請求項6に記載の着色層の形成方法を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−170571(P2008−170571A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2023(P2007−2023)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】