説明

揺動型スイッチ装置

【課題】スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置の何れにおいても所定のスイッチ手段を押圧させてオン信号を送信させることができるとともに、小型化を図ることができる揺動型スイッチ装置を提供する。
【解決手段】第1位置、第2位置、中立位置で揺動操作可能とされたスイッチノブ1と、第1位置で押圧されてオン信号を送信し得る第1スイッチ手段2aと、第2位置で押圧されてオン信号を送信し得る第2スイッチ手段2bと、中立位置で押圧されてオン信号を送信し得る第3スイッチ手段2cとを具備した揺動型スイッチ装置であって、第3スイッチ手段2cに向かって付勢されたアクションボール13と、スイッチノブ1が中立位置にあるときに限り、アクションボール13を嵌入させて第3スイッチ手段2cに対する押圧を可能とした中立位置用開口14が形成されたケース部材C2とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置にあるときオン信号を送信可能な揺動型スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両や船舶等には、搭載する電装品をオン・オフして各種切り換えを行わせるためのスイッチ装置が配設されることが多く、当該スイッチ装置として揺動型スイッチ装置が汎用的に用いられている。例えばホイールローダ等の建設機械には、前進(第1位置)、後退(第2位置)及びニュートラル(中立位置)の間を揺動自在なスイッチノブを有した揺動型スイッチ装置が配設されており、第1位置にあるとき一のスイッチ手段がオンしてアクセルを踏むと車両が前進するようにし、第2位置にあるとき他のスイッチ手段がオンしてアクセルを踏むと車両が後退するように切り換え制御がなされるものもあった。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の揺動型スイッチ装置においては、スイッチノブが中立位置にあるときも、第1位置及び第2位置にあるときと同様、所定のスイッチ手段をオンさせ、第1位置、第2位置及び中立位置のそれぞれに対応する3回路を形成させるものが必要とされてきている。即ち、従来の揺動型スイッチ装置(特に圧着接点構造(スイッチ手段が押圧されてオン・オフされる形態もの))においては、スイッチノブが第1位置及び第2位置にあるとき、当該位置に応じたスイッチ手段をオンさせることができるものの、中立位置にあるときはオフ(何れのスイッチ手段もオンとしてないオフ状態)とされ、3回路を形成させることができなかった。
【0004】
然るに、スイッチノブの揺動に伴って可動接点を固定接点に対してスライドさせるスライド接点構造とすれば、当該スイッチノブが中立位置にあるときであっても、容易に3回路を形成させることができるものの、その場合、可動接点のスライド範囲を確保しなければならず、スイッチ装置全体が大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置の何れにおいても所定のスイッチ手段を押圧させてオン信号を送信させることができるとともに、小型化を図ることができる揺動型スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、第1位置と、第2位置と、当該第1位置及び第2位置の間の中立位置との間で揺動操作可能とされたスイッチノブと、前記スイッチノブが第1位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第1スイッチ手段と、前記スイッチノブが第2位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第2スイッチ手段と、前記スイッチノブが中立位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第3スイッチ手段とを具備し、前記スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置にあるときオン信号を送信可能な揺動型スイッチ装置であって、前記スイッチノブに配設されるとともに、前記第3スイッチ手段に向かって付勢された付勢部材と、前記スイッチノブが中立位置にあるときに限り、前記付勢部材を嵌入させて前記第3スイッチ手段に対する押圧を可能とした中立位置用開口が形成されたケース部材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の揺動型スイッチ装置において、前記ケース部材は、前記中立位置用開口を含む周縁に凹凸形状が形成されるとともに、前記スイッチノブの揺動操作に伴って前記付勢部材が当該凹凸形状の上面を摺動することにより節度が付与されることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の揺動型スイッチ装置において、前記スイッチノブは、前記第3スイッチ手段に向かって延設された第3延設部を有するとともに、当該第3延設部に前記付勢部材が配設されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の揺動型スイッチ装置において、前記スイッチノブは、前記第1スイッチ手段に向かって延設された第1延設部と、前記第2スイッチ手段に向かって延設された第2延設部とを有するとともに、前記ケース部材には、当該スイッチノブが第1位置のとき第1延設部が前記第1スイッチ手段を押圧可能とする第1位置用開口と、第2位置のとき第2延設部が前記第2スイッチ手段を押圧可能とする第2位置用開口とがそれぞれ形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の揺動型スイッチ装置において、前記第1スイッチ手段、第2スイッチ手段及び第3スイッチ手段は、タクトスイッチから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、スイッチノブが中立位置にあるときに限り、付勢部材を嵌入させて第3スイッチ手段に対する押圧を可能としたので、スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置の何れにおいても所定のスイッチ手段を押圧させてオン信号を送信させることができるとともに、揺動型スイッチ装置の小型化を図ることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、ケース部材は、中立位置用開口を含む周縁に凹凸形状が形成されるとともに、スイッチノブの揺動操作に伴って付勢部材が当該凹凸形状の上面を摺動することにより節度が付与されるので、付勢部材は、中立位置における第3スイッチ手段に対する押圧操作機能と、節度機能とを兼ね備えることができ、揺動型スイッチ装置の更なる小型化を図ることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、スイッチノブは、第3スイッチ手段に向かって延設された第3延設部を有するとともに、当該第3延設部に付勢部材が配設されたので、スイッチノブが中立位置にあるときの付勢部材による第3スイッチ手段の押圧をより確実に行わせることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、スイッチノブは、第1スイッチ手段に向かって延設された第1延設部と、第2スイッチ手段に向かって延設された第2延設部とを有するとともに、ケース部材には、当該スイッチノブが第1位置のとき第1延設部が第1スイッチ手段を押圧可能とする第1位置用開口と、第2位置のとき第2延設部が第2スイッチ手段を押圧可能とする第2位置用開口とがそれぞれ形成されたので、スイッチノブが第1位置又は第2位置に揺動した際の第1スイッチ手段又は第2スイッチ手段の押圧をより確実に行わせることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、第1スイッチ手段、第2スイッチ手段及び第3スイッチ手段は、タクトスイッチから成るので、多数回に及ぶスイッチ操作にも十分耐え得る耐久性を有することができるとともに、防水対策或いは防塵対策をより容易に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る揺動型スイッチ装置を示す縦断面図
【図2】図1におけるII部拡大図
【図3】同揺動型スイッチ装置におけるケース部材を示す平面図
【図4】同揺動型スイッチ装置における被押圧部材を示す3面図
【図5】同揺動型スイッチ装置を示す分解斜視図
【図6】同揺動型スイッチ装置のスイッチノブを揺動させた状態を示す縦断面図
【図7】図6におけるVII部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る揺動型スイッチ装置は、ホイールローダ等の建設機械に配設されたもので、スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置にあるときオン信号を送信可能とされたものである。かかる揺動型スイッチ装置は、図1〜5に示すように、スイッチノブ1と、第1スイッチ手段2a、第2スイッチ手段2b及び第3スイッチ手段2cと、付勢部材としてのアクションボール13と、ケース部材C2とから主に構成されている。
【0018】
スイッチノブ1は、第1位置(前進位置)と、第2位置(後退位置)と、当該第1位置及び第2位置の間の中立位置(ニュートラル位置)との間で揺動操作可能とされたもので、操作者が押圧操作可能な第1スイッチノブ1aと、第2スイッチノブ1bとを組み付けて一体化させて成るものである。このうち第2スイッチノブ1bには、揺動軸Lが一体的に突出形成されているとともに、第1スイッチ手段2aに向かって延設された第1延設部aと、第2スイッチ手段2bに向かって延設された第2延設部bと、第3スイッチ手段2cに向かって延設された第3延設部cとがそれぞれ一体的に形成されている。
【0019】
第3延設部cには、その突端で開口しつつ上下方向に延設された挿通孔1baが形成されており、この挿通孔1ba内にコイルスプリング12が配設されている。コイルスプリング12の先端(図中下端)側には、当該コイルスプリング12で下方に付勢されたアクションボール13(付勢部材)が配設されている。即ち、アクションボール13(付勢部材)は、スイッチノブ1(具体的には、スイッチノブ1の第3延設部c)に配設されるとともに、第3スイッチ手段2cに向かって付勢されて組み付けられている。
【0020】
ケースC1は、本揺動型スイッチ装置の筐体を成すもので、スイッチノブ1を揺動自在に保持しつつケース部材C2(インナーケース)や基板9及び第1スイッチ手段2a、第2スイッチ手段2b、第3スイッチ手段2c等を内在させるものである。尚、図中符号3は、ケースC1とスイッチノブ1との間をシールするためのブーツ、符号10は、ケースC1の底面をシールするためのブーツをそれぞれ示しており、当該ケースC1の底面にはカバー11が組み付けられている。
【0021】
ケース部材C2は、上方に一体的に突出形成された一対の突出部C2aと、該突出部C2aの所定部位にそれぞれ形成された孔部C2bとが形成されており、当該孔部C2bにスイッチノブ1の揺動軸Lをそれぞれ嵌入させ得るようになっている。これにより、スイッチノブ1は、揺動軸Lを中心として揺動し、中立位置から第1位置まで、或いは中立位置から第2位置まで揺動操作可能とされている。
【0022】
また、ケース部材C2には、図3に示すように、中立位置用開口14、第1位置用開口15a及び第2位置用開口15bがそれぞれ形成されており、このうち中立位置用開口14には、後述するアクションボール13(付勢部材)の下部が挿通可能とされている。本実施形態においては特に、スイッチノブ1が中立位置にあるときに限り、アクションボール13が中立位置用開口14に嵌入させ得るよう設定されている。また、スイッチノブ1が第1位置まで揺動操作された際、第1位置用開口15aに第1延設部aの先端部が至るとともに、スイッチノブ1が第2位置まで揺動操作された際、第2位置用開口15bに第2延設部bの先端が至るよう設定されている。
【0023】
更に、第1位置用開口15aには、第1延設部aにて押圧可能な被押圧部材4aが配設されるとともに、第2位置用開口15bには、第2延設部bにて被押圧部材4bが配設されている。これら被押圧部材4a、4bには、スプリングS1、S2を介して組付部品5a、5bが組み付けられており、スイッチノブ1が第1位置又は第2位置まで揺動され、第1延設部a又は第2延設部bにて被押圧部材4a、4bが押圧されると、スプリングS1、S2の弾力にて衝撃を吸収しつつ押圧力を組付部品5a、5bに伝達し得るようになっている。
【0024】
また更に、中立位置用開口14の下方には、スプリングS3を介して組付部品7が組み付けられた被押圧部材6が配設されている。これにより、スイッチノブ1が中立位置にあるとき、第3延設部cに配設されたアクションボール13(付勢部材)にて被押圧部材6が押圧されると、スプリングS3の弾力にて衝撃を吸収しつつ押圧力を組付部品7に伝達し得るようになっている。かかる被押圧部材6は、図4に示すように、その突端(図中上端)に凸部6aが一体的に形成されており、凸部6aの上部側が中立位置用開口14内に挿通されている。これにより、スイッチノブ1が中立位置にあるとき、アクションボール13(付勢部材)からの押圧が確実になされるようになっている。
【0025】
上記した組付部品5a、5b、7の下部には、防水及び防塵のためのパッキン8が配設されている。かかるパッキン8には、押圧力が付与されると撓むことが可能な撓み部8a、8b、8cが形成されており(図5参照)、撓み部8aの上面に組付部品5a及び下面に第1スイッチ手段2aが、撓み部8bの上面に組付部品5b及び下面に第2スイッチ手段2bが、撓み部8cの上面に組付部品7及び下面に第3スイッチ手段2cがそれぞれ配設される。
【0026】
第1スイッチ手段2aは、スイッチノブ1が第1位置にあるとき、組付部品5aを介して第1延設部aで押圧されてオン信号(電気信号)を送信し得るもの、第2スイッチ手段2bは、スイッチノブ1が第2位置にあるとき、組付部品5bを介して第2延設部bで押圧されてオン信号(電気信号)を送信し得るもの、第3スイッチ手段2cは、スイッチノブ1が中立位置にあるとき、組付部品7を介してアクションボール13(付勢部材)で押圧されてオン信号(電気信号)を送信し得るものである。
【0027】
本実施形態においては、これら第1スイッチ手段2a、第2スイッチ手段2b及び第3スイッチ手段2cは、所定の電気回路が形成された基板9上に略直線状に並べられて配設されたタクトスイッチから成るものとされており、それぞれのオン信号(電気信号)が車両のECU等制御部に送信されるようになっている。これにより、スイッチノブ1が第1位置にあるときアクセルを踏むと、車両を前進させ、スイッチノブ1が第2位置にあるときアクセルを踏むと車両を後退させるよう制御することができるとともに、スイッチノブ1が中立位置にあるときも車両側にオン信号(電気信号)を送信させることができる。尚、スイッチノブ1が中立位置にあるときのオン信号(電気信号)は、例えば車両の安全装置等に送信させることができる。
【0028】
ここで、本実施形態においては、図2、3に示すように、ケース部材C2における中立位置用開口14を含む周縁には、当該ケース部材C2と一体成形された凹凸形状Bが形成されるとともに、スイッチノブ1の揺動操作に伴ってアクションボール13(付勢部材)が当該凹凸形状Bの上面を摺動することにより節度が付与されるよう構成されている。より具体的には、凹凸形状Bは、中立位置用開口14を含む位置に凹部B1、該凹部B1に対して左右両側にそれぞれ形成された凹部B2、B3、凹部B1と凹部B2の間及び凹部B1と凹部B3の間の山部とから成り、これら凹部及び山部が連続的に形成されて成る。
【0029】
上記構成により、スイッチノブ1を中立位置から第1位置まで揺動させると、図6、7に示すように、凹部B1上にあるアクションボール13(付勢部材)が山部を越えて凹部B3に至ることとなって当該スイッチノブ1が第1位置にて保持されるとともに、第1スイッチ手段2aが押圧されてオン信号が送信される。同様に、スイッチノブ1を中立位置から第2位置まで揺動させると、凹部B1上にあるアクションボール13(付勢部材)が山部を越えて凹部B2に至ることとなって当該スイッチノブ1が第2位置にて保持されるとともに、第2スイッチ手段2bが押圧されてオン信号が送信される。
【0030】
また、スイッチノブ1を第1位置又は第2位置から中立位置まで揺動させると、図1、2に示すように、凹部B2又はB3にあるアクションボール13(付勢部材)が山部を越えて凹部B1に至ることとなって当該スイッチノブ1が中立位置にて保持されるとともに、第3スイッチ手段2cが中立位置用開口14に嵌入したアクションボール13(付勢部材)にて押圧されてオン信号が送信される。
【0031】
上記実施形態によれば、スイッチノブ1が中立位置にあるときに限り、アクションボール13(付勢部材)を嵌入させて第3スイッチ手段2cに対する押圧を可能としたので、スイッチノブ1が第1位置、第2位置及び中立位置の何れにおいても所定のスイッチ手段(第1スイッチ手段2a、第2スイッチ手段2b又は第3スイッチ手段2c)を押圧させてオン信号を送信させることができるとともに、揺動型スイッチ装置の小型化を図ることができる。
【0032】
また、ケース部材C2は、中立位置用開口14を含む周縁に凹凸形状Bが形成されるとともに、スイッチノブ1の揺動操作に伴ってアクションボール13(付勢部材)が当該凹凸形状Bの上面を摺動することにより節度が付与されるので、アクションボール13(付勢部材)は、中立位置における第3スイッチ手段2cに対する押圧操作機能と、節度機能とを兼ね備えることができ、それぞれ別個の部材を具備させたものに比べ、揺動型スイッチ装置の更なる小型化を図ることができる。
【0033】
更に、スイッチノブ1は、第3スイッチ手段2cに向かって延設された第3延設部cを有するとともに、当該第3延設部cにアクションボール13(付勢部材)が配設されたので、スイッチノブ1が中立位置にあるときのアクションボール13(付勢部材)による第3スイッチ手段2cの押圧をより確実に行わせることができる。尚、本実施形態に係るアクションボール13に代えて、第3スイッチ手段2cに向かって付勢された他の形態の付勢部材(例えばピン状の部材等)としてもよく、或いはコイルスプリング12に代えて付勢部材を下方に付勢させる他の付勢手段としてもよい。
【0034】
また更に、スイッチノブ1は、第1スイッチ手段2aに向かって延設された第1延設部aと、第2スイッチ手段2bに向かって延設された第2延設部bとを有するとともに、ケース部材C2には、当該スイッチノブ1が第1位置のとき第1延設部aが第1スイッチ手段2aを押圧可能とする第1位置用開口15aと、第2位置のとき第2延設部bが第2スイッチ手段2bを押圧可能とする第2位置用開口15bとがそれぞれ形成されたので、スイッチノブ1が第1位置又は第2位置に揺動した際の第1スイッチ手段2a又は第2スイッチ手段2bの押圧をより確実に行わせることができる。
【0035】
また、第1スイッチ手段2a、第2スイッチ手段2b及び第3スイッチ手段2cは、タクトスイッチから成るので、多数回に及ぶスイッチ操作にも十分耐え得る耐久性を有することができるとともに、防水対策或いは防塵対策をより容易に行わせることができる。尚、タクトスイッチに代えて他の圧着接点構造のスイッチ手段(但し、スイッチノブ1の第1位置、第2位置及び中立位置の何れにおいてもオン信号を送信可能とするもの)としてもよい。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば中立位置用開口を含む周縁に凹凸形状が形成されず別個に節度を付与する手段が形成されたもの、或いはブーツ3、10或いはパッキン8等の防水手段又は防塵手段を具備しないもの等にも適用できる。また、本実施形態においては、ホイールローダ等の建設機械に配設された揺動型スイッチ装置に適用されているが、例えば、汎用の二輪車、四輪車(自動車含む)、産業機械、一般船舶等に配設された揺動型スイッチ装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
スイッチノブが中立位置にあるときに限り、付勢部材を嵌入させて第3スイッチ手段に対する押圧を可能とした中立位置用開口が形成されたケース部材を具備した揺動型スイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 スイッチノブ
2a 第1スイッチ手段
2b 第2スイッチ手段
2c 第3スイッチ手段
3 ブーツ
4a、4b 被押圧部材
5a、5b 組付部材
6 被押圧部材
7 組付部材
8 パッキン
9 基板
10 ブーツ
11 カバー
12 コイルスプリング
13 アクションボール(付勢部材)
14 中立位置用開口
15a 第1位置用開口
15b 第2位置用開口
B 凹凸形状
a 第1延設部
b 第2延設部
c 第3延設部
C2 ケース部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置と、第2位置と、当該第1位置及び第2位置の間の中立位置との間で揺動操作可能とされたスイッチノブと、
前記スイッチノブが第1位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第1スイッチ手段と、
前記スイッチノブが第2位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第2スイッチ手段と、
前記スイッチノブが中立位置にあるとき、押圧されてオン信号を送信し得る第3スイッチ手段と、
を具備し、前記スイッチノブが第1位置、第2位置及び中立位置にあるときオン信号を送信可能な揺動型スイッチ装置であって、
前記スイッチノブに配設されるとともに、前記第3スイッチ手段に向かって付勢された付勢部材と、
前記スイッチノブが中立位置にあるときに限り、前記付勢部材を嵌入させて前記第3スイッチ手段に対する押圧を可能とした中立位置用開口が形成されたケース部材と、
を備えたことを特徴とする揺動型スイッチ装置。
【請求項2】
前記ケース部材は、前記中立位置用開口を含む周縁に凹凸形状が形成されるとともに、前記スイッチノブの揺動操作に伴って前記付勢部材が当該凹凸形状の上面を摺動することにより節度が付与されることを特徴とする請求項1記載の揺動型スイッチ装置。
【請求項3】
前記スイッチノブは、前記第3スイッチ手段に向かって延設された第3延設部を有するとともに、当該第3延設部に前記付勢部材が配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の揺動型スイッチ装置。
【請求項4】
前記スイッチノブは、前記第1スイッチ手段に向かって延設された第1延設部と、前記第2スイッチ手段に向かって延設された第2延設部とを有するとともに、前記ケース部材には、当該スイッチノブが第1位置のとき第1延設部が前記第1スイッチ手段を押圧可能とする第1位置用開口と、第2位置のとき第2延設部が前記第2スイッチ手段を押圧可能とする第2位置用開口とがそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項3記載の揺動型スイッチ装置。
【請求項5】
前記第1スイッチ手段、第2スイッチ手段及び第3スイッチ手段は、タクトスイッチから成ることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の揺動型スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−204518(P2011−204518A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71640(P2010−71640)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】