搬送品のトラッキング方法及びコンベア搬送装置
【課題】搬送品を高速に搬送させるとき搬送品のトラッキングが正確にできるトラッキング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】トラッキング方法は搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し搬送品をトラッキングする。トラッキング方法は、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報を順次入力し搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程(S11)と、搬送品が搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程(S16)と、搬送品が環状コンベア上に載置され搬送品の搬送方向の後端を検知した際に識別コードと情報レコードとを関連付ける関連付け工程(S19)と、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程(S20)とを備える。
【解決手段】トラッキング方法は搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し搬送品をトラッキングする。トラッキング方法は、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報を順次入力し搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程(S11)と、搬送品が搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程(S16)と、搬送品が環状コンベア上に載置され搬送品の搬送方向の後端を検知した際に識別コードと情報レコードとを関連付ける関連付け工程(S19)と、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程(S20)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア上の搬送品をトラッキングするトラッキング方法及びコンベア搬送装置に関する。特に、移動するベルトコンベアに識別コードを付して、その識別コードで搬送品をトラッキングするトラッキング方法及びコンベア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンベア搬送装置は、商品又は商品箱(以下、搬送品という。)を搭載するベルトコンベアと、搬送品に印刷されているバーコードラベルのバーコードを読み取るバーコードリーダとを備えている。ベルトコンベアがいくつも連なった長い距離にわたって搬送品を搬送する場合、搬送品をベルトコンベアから搬出して出荷する場合だけでなく、搬送品が確実に搬送されているかを確認するため、搬送品の搬送の複数の中間位置でも搬送品のトラッキングが必要となる。そこでコンベア搬送装置は、ベルトコンベアの搬送の途中であっても、ベルトコンベアで搬送されている搬送品のバーコードをバーコードリーダが読み取って、搬送品をトラッキングしている。バーコードの読み取りが正常に行われたときは、搬送品がベルトコンベア上のどこで搬送されているか作業者は把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−315808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、搬送品の大きさは多種多様であり、また搬送品が梱包されている箱に印刷されているバーコードの位置も多種多様である。このような状況下で、多量の搬送品を扱うためにベルトコンベアの搬送速度を上げたりすると、搬送品のバーコードの読み取りが正常に行われなくなる。したがって、ベルトコンベアの搬送速度は搬送品のバーコードの読み取り精度に依存していた。またバーコードの読み取りができないとベルトコンベアを停止せざるをえなかった。
【0005】
そこで、本発明は、ベルトコンベアを高速に回転させても搬送品をトラッキングできる搬送品のトラッキング方法及びコンベア搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点のトラッキング方法は、搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し、搬送品を環状コンベア上でトラッキングする。該トラッキング方法は、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報を順次入力し搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程と、搬送品が環状コンベア上に載置される搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程と、搬送品が環状コンベア上に載置され搬送品の搬送方向の後端を検知した際に識別コードと情報レコードとを関連付ける関連付け工程と、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程とを備える。また、第2識別コード読み取り工程の識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングを行う。
このような方法によれば、搬送品を高速に搬送させるとき、環状コンベアに配置された識別コードのみを読み取ることで、搬送品のトラッキングが正確にできる。
【0007】
第2観点のトラッキング方法は、第2識別コード読み取り工程後で且つ搬送品が環状コンベアから搬出された後に、識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットするリセット工程を備える。
識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットすることで、識別コードが再び別の搬送品の情報レコードと関連付けることができる。
【0008】
第3観点のトラッキング方法は、搬送品は2つの搬送品を含み、搬送品レコード生成工程は2つの搬送品が1つの搬送品として扱われるように連結する連結情報を含む情報レコードを2つ生成し、隣り合う識別コードの間に2つの搬送品が載置された際には関連付け工程は連結情報を含む2つの情報レコードに対して1つの識別コードを関連付ける。
連結情報を含む複数の情報レコードを1つの識別コードに関連付けることができる。
【0009】
第4観点のトラッキング方法において、所定間隔を越える長さの搬送品が載置された際には、関連付け工程は情報レコードの1つに対して搬送方向の後方の識別コードが関連付ける。
上述の方法によれば、所定間隔を越える長さの搬送品にも適用される。
【0010】
第5観点のトラッキング方法において、環状コンベアは第1環状コンベアと第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、識別コードは第1環状コンベア用の第1識別コードと第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、搬送品が第1環状コンベアから搬出された後にリセット工程は第1識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットし、搬送品が第2環状コンベアに搬入された際に、関連付け工程は第2識別コードと情報レコードとを関連付ける。
上述の方法によれば、複数の環状コンベアを繋げた場合にも適用される。
【0011】
第6観点のトラッキング方法は、情報レコードが連結情報を含まず、関連付け工程が搬送品の搬送方向の後端を2つ検知して2つの情報レコードが1つの識別コードに関連付けられる際には、搬送エラーを報告する。
連結情報を含まない搬送品は、別々に識別コードと関連付ける。
【0012】
第7観点のトラッキング方法は、関連付け工程で搬送品の後端が検知された際、搬入場所に、別の搬送品が搬入されないように作業者に警告を指示する。
連結情報を含まない搬送品が別々に識別コードと関連付けるように作業者に警告を指示することができる。
【0013】
第8観点のコンベア搬送装置は、搬送品を搬送するとともに搬送品をトラッキングする。該コンベア搬送装置は、搬送方向に所定間隔に配置された識別コードを複数有する環状コンベアと、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報レコードを入力する入力部と、搬送品が環状コンベア上に載置される搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り部と、搬送品が環状コンベア上に載置されたことを検知する搬入センサと、搬入センサからの検知信号に基づいて識別コードと情報レコードとを関連付けるコントローラと、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り部とを備える。また、第2識別コード読み取り部の識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングを行う。
このような構成によれば、搬送品を高速に搬送させるとき、環状コンベアに配置された識別コードのみを読み取ることで、搬送品のトラッキングが正確にできる。
【0014】
第9観点のコンベア搬送装置は、搬送品が環状コンベアから搬出されたことを検知する搬出センサを備え、コントローラは識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットする。
【0015】
第10観点のコンベア搬送装置において、搬入センサ及び搬出センサは搬送品の搬送方向の後端を検知する。
【0016】
第11観点のコンベア搬送装置において、環状コンベアは第1環状コンベアと第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、識別コードは第1環状コンベア用の第1識別コードと第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、第1環状コンベアの搬出位置には搬出センサが配置され、第2環状コンベアの搬入位置には搬入センサが配置され、コントローラは搬送品が第1環状コンベアから搬出された後に第1識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットし、搬送品が第2環状コンベアに搬入された際に第2識別コードと情報レコードとを関連付ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明のトラッキング方法は、識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングするため搬送品のトラッキングが正確にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1コンベア搬送装置100の斜視図である。
【図2】第1コンベア搬送装置100の平面図である。
【図3】搬送品Wkに対するトラッキング方法を示したフローチャートである。
【図4】搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCのICタグ10との関連を示した説明図である。
【図5】(a)〜(d)は、1つの搬送品Wkが第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【図6】(a)〜(d)は、連結情報を有する2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【図7】搬送エラーが発生する場合を示した平面図である。
【図8】(a)は、赤色の警告ランプRLが点灯された場合を示した図である。 (b)は、青色の許可ランプBLが点灯された場合を示した図である。
【図9】第2コンベア搬送装置200の斜視図である。
【図10】第2コンベア搬送装置200のトラッキング方法を示したフローチャートである。
【図11】第3コンベア搬送装置300の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
<第1コンベア搬送装置100の全体構成>
第1実施形態の第1コンベア搬送装置100の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は第1コンベア搬送装置100の斜視図で、図2はその平面図である。図1及び図2では搬送品Wkの移動方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に垂直な方向をY軸方向として説明する。以降の図面にも同じ座標系が使用される。
【0020】
図1に示されたように、搬送品Wkを搬送する第1コンベア搬送装置100は、X軸方向に離れて配置された一対のローラR1及びR2と、その一対のローラR1及びR2に掛けてローラR1及びR2の回転により回転できる環状のベルトコンベアBCとを備えている。ここで、ベルトコンベアBCは搬送品Wkが載置されるようにY軸方向に一定の幅を有する環状の樹脂製のシートからなる。また、図1に示された第1コンベア搬送装置100は、ローラR1及びR2が矢印F1に示されたように時計方向に回転することで、ベルトコンベアBCに載った搬送品Wkが矢印F2に示されたように+X軸方向に沿って搬送される。第1コンベア搬送装置100では、ベルトコンベアBCにおいて搬送品Wkが載置される面を表面Meとし、表面Meの反対側でローラR1及びR2と接触する面を裏面Miとして説明する。
【0021】
ベルトコンベアBCは、表面Meと裏面Miとの間に所定の間隔Pで複数のICタグ10が樹脂製のシートに埋め込まれている。隣り合った2つのICタグ10との間の表面Meが搬送品Wkの搬入エリアArとなる。ICタグ10は、単にベルトコンベアBCの番地を示す情報を有しているだけであり、複数のICタグ10には例えば「a」、「b」などの他のICタグ10と区別できる情報を有する。図1では、「10a」、「10b」……として示されている。
【0022】
搬入エリアArは、搬送品Wkの搬送方向F2の後端側のICタグ10で管理される。理解を助けるため、図1ではICタグ10は厚くに描かれ、裏面Miに貼り付けられているように描かれている。ICタグ10はベルトコンベアBCの表面Meに配置されていてもよい。またすべてのICタグ10は、Y軸方向の所定の位置に配置される。図1ではベルトコンベアBCの−Y軸側にすべてのICタグ10が配置されている。
【0023】
ここでICタグ10は、電波を受けて働く小型の識別コードで、RFID(Radio frequency identification)の一種である。また、作業者OP(図2を参照)が搬送品Wkを第1コンベア搬送装置100に搬入する際に搬入エリアArがはっきり確認できるように、ベルトコンベアBCの表面Meに搬入エリアArを示したエリアラインALを描いておいた方が望ましい。
【0024】
図2に示された第1コンベア搬送装置100は、ベルトコンベアBCの裏面Miに設けられたICタグ10を読み取る第一ICタグリーダIR1及び第二ICタグリーダIR2をさらに備えている。なお、第一ICタグリーダIR1は搬送品Wkの搬入付近に配置され、第二ICタグリーダIR2は搬入付近から離れた領域に配置されている。ここで、第一ICタグリーダIR1及び第二ICタグリーダIR2は、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によってICタグ10に埋め込まれたID情報などを読み取るものである。
【0025】
第1コンベア搬送装置100は、搬入される搬送品Wkに印刷されたバーコードTcを読み取るバーコードリーダIPを備えている。作業者OPは搬送品Wkを搬入する前にバーコードリーダIPを用いて搬送品Wkに設けられたバーコードTcを読み取って搬送品Wkの情報を入力する。同時に不図示のデーターベースからそのバーコードTcに関する情報を得たり、その搬送品Wkに関する宛先等をキーボード等で入力したりしてコントローラCT(図2を参照)により搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)が生成される。
【0026】
また、第1コンベア搬送装置100は搬送品Wkの後端BEを検知する搬入センサSiと搬出センサSoとを備えている。搬入センサSiは搬入側の第一ICタグリーダIR1とX軸方向にほぼ同じ位置に配置され、搬送品Wkの搬入エリアArへの搬入を検知している。搬出センサSoは搬出口To近傍に配置されて搬送品Wkの第1コンベア搬送装置100の搬出を検知する。ここで、搬入センサSi及び搬出センサSoは、光電センサ、リミットスイッチ、近隣センサなどの検知装置であればよい。例えば、搬入センサSi及び搬出センサSoが光電センサである場合には、光電センサのレーザ光が搬送品Wkで遮られた状態から透過する状態に変化することで、搬送品Wkの後端BEが検知される。
【0027】
さらに、第1コンベア搬送装置100は、ICタグリーダIR1及びIR2、バーコードリーダIP、搬入センサSi及び搬出センサSoにそれぞれ接続されたコントローラCTを備えている。コントローラCTは搬送品Wkに対するトラッキングを行う。なお、コントローラCTは例えば適宜プログラムされたマイクロプロセッサ、PLCもしくは他の適宜の制御モジュールで構成される。
【0028】
コントローラCTは、搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)と搬入エリアArのICタグ10とを関連付ける機能を有する。コントローラCTは、具体的には搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEを検知した際に、搬入エリアArの搬送方向の下流側のICタグ10を関連付けている。
【0029】
その後、搬送品WkがベルトコンベアBCで搬送させられ、その搬送経路に設けられた第二ICタグリーダIR2によりICタグ10が読み取られる。この際に搬送品WkのバーコートTcは何ら読み取られない。ICタグ10は搬送品Wkと関連付けられているため、ICタグ10が読み取られることで搬送品Wkがトラッキングされる。
【0030】
ICタグ10はベルトコンベアBCの−Y軸側に配置されているため、第二ICタグリーダIR2は確実にICタグ10を読み取ることができる。搬送品Wkの大きさ、形状、搬送品Wkに印刷されたバーコードの位置などに影響を受けないため、ベルトコンベアBCが搬送品Wkを高速搬送していても正確に搬送品Wkをトラッキングすることができる。上述したようにICタグ10は他のICタグと区別できるベルトコンベアBC上の番地を有しているに過ぎない。このため識別コードとして、バーコードやQRコードなどが使用されてもよい。
【0031】
第1コンベア搬送装置100はモニターMTをさらに備えている。モニターMTは、作業者OPに搬送品Wkのトラッキング結果を表示したり、搬送品Wkに関する情報を表示したり、又はその搬送品Wkに関する宛先等を表示したりする。作業者OPはモニターMTを見ながら作業する必要があるので、モニターMTは作業者OPの近傍に配置することが好ましい。
【0032】
第1実施形態では、樹脂製の一枚のベルトを繋げたベルトコンベアを一例として説明したが、その以外にも複数のブロックが繋がって環状に形成されたチェーンコンベアにも適用できる。
【0033】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
搬送品Wkのトラッキング方法について、図3を参照しながら説明する。図3は搬送品Wkに対するトラッキング方法を示したフローチャートである。
【0034】
ステップS11において、作業者OPはバーコードリーダIPにより搬送品Wkに印刷されたバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wkに関する情報を入力する(図2を参照)。コントローラCTは入力された情報に基づいて搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)を生成する。なお、搬送品Wkの情報レコードRcには例えば搬送品の製造メーカ、販売メーカ、商品名称、宛先、注文コード及び連結情報などが含まれる。
【0035】
ステップS12において、作業者OPが次から次へ搬送品Wkに関する情報を入力した後、連続して同じ宛先があるか否かが判断される。同じ宛先であればステップS13に進み、異なる宛先であればステップS14に進む。
【0036】
ステップS13において、搬送効率を高めるためには、作業者OPは同じ宛先の搬送品Wkは1つの搬入エリアArに複数搬入されることが望ましい。この際、後述のように複数搬入される搬送品Wkの後端BEはそろっていてもずれていてもよい。
【0037】
ステップS14において、搬入された複数の搬送品Wkが異なる宛先である場合には作業者OPはこれら搬送品Wkがそれぞれ異なる搬入エリアArに搬入される。
【0038】
ステップS15において、第一ICタグリーダIR1とX軸方向にほぼ同じ位置に配置された搬入センサSiは搬送品Wkの後端BEを検知する。この際、同じ宛先の搬送品Wkが複数搬入されている場合でも、後述のように、同じ宛先の搬送品Wkはひとつの搬送品Wkとして認識される。よって、同じ宛先の搬送品Wkひとつに対してひとつの後端BEが検知される。
【0039】
ステップS16において、搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1は、ベルトコンベアBCに設けられたICタグ10を順次読み取る。
【0040】
ステップS17において、ステップS15で検知された搬送品Wkの後端BEの数がステップS13又はステップS14に従い搬入された搬送品Wkの数より多いか比較される。例えば搬入エリアArに一つの搬送品Wkがすでに搬入されたにもかかわらず、上流(+X軸方向)の別の搬送品Wkが同じ搬入エリアArに入っている場合である。つまり、別の搬入エリアArに搬入されるべき搬入品Wkが誤って1つの搬入エリアArに搬入されていることを示している。検知された後端BEの数が搬入されるはずの搬送品Wkの数より多いとステップS18に進み、検知された後端BEの数が搬入されるはずの搬送品Wkの数以下であるとステップS19に進む。
【0041】
ステップS18において、搬入センサSiで検知された後端BEの数が搬入された搬送品Wkの数より多いので、コントローラCTは搬送エラーを作業者OPにモニターMTを介して報告する。
【0042】
ステップS19では、コントローラCTはステップS15で搬送品Wkの後端BEを検知してから、次に検知されたICタグ10の番地から(ステップS16)、搬送品Wkがどの搬入エリアArに搬送品Wkが搬入されたかを確定する。そしてコントローラCTは搬入エリアArのICタグ10とステップS11で生成された情報レコードRcとを関連付ける。ここで、ステップS13で説明されたように、同じ宛先の搬送品Wkは1つの搬入エリアArに搬入され、これら複数の搬送品Wkの情報レコードを1つの搬入エリアArのICタグ10と関連付ける方が望ましい。
【0043】
ステップS20では、搬入側から離れた領域に配置された第二ICタグリーダIR2はその読み取り領域を通過するベルトコンベアBCに設けられたICタグ10を読み取る。ベルトコンベアBCが高速に搬送品Wkを搬送していても確実に搬送品Wkをトラッキングすることができる。
【0044】
ステップS21において、搬送品Wkが搬出口ToからベルトコンベアBCを搬出する。
ステップS22では、ベルトコンベアBCから搬送品Wkが搬出されたため、ステップ19で行った搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCに設けられたICタグ10との関連をリセットする。ベルトコンベアBCが回転し、再びICタグ10が搬入位置まで移動すると、ステップS16で再びICタグ15が読み取られる。
【0045】
<トラッキング方法の具体例>
図4は搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCのICタグ10との関連を示した説明図である。図5(a)〜(d)は1つの搬送品Wkが第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。図6(a)〜(d)は2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【0046】
図4に示されるように、搬送品Wk1に関する情報レコードRc1と搬送品Wk2に関する情報レコードRc2とが示されている。情報レコードRc1と情報レコードRc2とは同じ宛先「AD1」を有している。そして、情報レコードRc1及びRc2には搬送品Wk1及びWk2を連結する連結情報「L」が記載されている。これら同じ連結情報「L」を有していることにより、コントローラCTは搬送品Wk1及びWk2が1つの搬入エリアArに搬入されてもよいと判断する。
【0047】
このため、コントローラCTは搬送品Wk1及び搬送品Wk2のそれぞれの後端BEを検知した時点に、2つ情報レコードRc1と情報レコードRc2を1つの搬入エリアAr1におけるICタグ10aと関連付ける(図3のステップS19を参照)。
【0048】
搬送品Wk3に関する情報レコードRc3と搬送品Wk4に関する情報レコードRc4とが示されている。情報レコードRc3と情報レコードRc4とは、同じメーカ「MK3」で製造された同じ搬送品「NA3」であることを示している。その一方で情報レコードRc3と情報レコードRc4とは、その宛先が「AD3」と「AD4」と別であり、連結情報が記載されていない。
【0049】
このため、コントローラCTは搬送品Wk3の後端BEを検知した時点に、情報レコードRc3を1つの搬入エリアAr4におけるICタグ10dと関連付ける。また、コントローラCTは搬送品Wk4の後端BEを検知した時点に、情報レコードRc4を1つの搬入エリアAr5におけるICタグ10eと関連付ける。
【0050】
一方、ベルトコンベアBCのICタグ10は、再び搬入位置に戻ってくる。そのため、搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCに設けられたICタグ10との関連をリセットする(図3のステップS22を参照)。図4に示されたように例えばローラR2を通過したICタグ10nは、搬送品Wkの情報レコードRcと関連付けていない状態(リセット状態)となる。このため、ICタグ10nがローラR1を通過して搬入側に移動すると、再びある搬送品Wkの情報レコードRcと関連付けることができる。
【0051】
<連結情報がない情報レコードRcのトラッキングの例>
図5(a)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wkが斜めにベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。この場合では、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T1を検知する。また、頂点T1が搬入エリアAr1内に位置しているので、コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアAr1を代表したICタグ10aとを関連付ける。図5(a)では、搬送品Wkが斜めに搬入された場合について説明したが、搬送品Wkが図1及び図2に示されたように一辺がベルトコンベアBCの移動方向と平行するように搬入された場合にも適用される。そのときは、搬入センサSiは搬送品Wkの−X側の一辺を後端BEとして検知する。
【0052】
図5(b)は、例えば平面形状が不規則である搬送品WkがベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。図5(a)の場合と同様に、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T2を検知し、コントローラCTが搬送品Wkの情報レコードRcと後端BEが位置した搬入エリアAr1のICタグ10aとを関連付ける。
【0053】
図5(c)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wkが斜めにベルトコンベアBCの搬入エリアAr1と搬入エリアAr2とにわたって搬入された場合を示している。第一ICタグリーダIR1がICタグ10bを読み取った後に搬入センサSiは搬送品Wkの後端BEとなる頂点T1を検知する。搬入センサSiが頂点T1を検知した後に第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。このため、コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアAr1を代表したICタグ10aとを関連付ける。コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcとICタグ10bとを関連付けない(図3のステップS15,S16を参照)
【0054】
図5(d)は、例えば平面形状が不規則である搬送品WkがベルトコンベアBCの複数の搬入エリアArをわたって搬入された場合を示している。この場合でも図5(c)の場合と同様に、搬送品Wkの先端FEがどの搬入エリアArに位置しているかに関わらず、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T3のみを検知する。コントローラCTが搬送品Wkの情報レコードRcと後端BEが位置した搬入エリアAr1のICタグ10aとを関連付ける。
【0055】
このように、コントローラCTは搬入エリアArに搬入された搬送品Wkがどのような形状であっても、搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアArのICタグ10とを関連付けることができる。そして、搬送中に第二ICタグリーダIR2(図2を参照)によりICタグ10aのみを読み取ることで、搬送品Wkをトラッキングすることができる。
【0056】
また、以上説明した後端検知によるトラッキング方法は、先端を検知するトラッキング方法、両端を検知するトラッキング方法又は両端を選択的検知するトラッキング方法に比べて顕著なメリットがある。例えば、後端検知によるトラッキング方法は搬送品を単一個所又は点として取り扱うので、搬送品の大きさを算出する必要がない。
【0057】
<連結情報がある情報レコードRcのトラッキングの例>
図6(a)〜(d)は連結情報を有する2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。すなわち、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRcは連結情報「L」(図4を参照)を有している。
【0058】
図6(a)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wk1及びWk2がその一辺がベルトコンベアBCの搬送方向(X軸方向)に一致して、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。また、搬送品Wk1及びWk2はそれらの後端BE1及びBE2がX軸方向に同じ位置に搬入されている。搬入センサSiは後端BE1及びBE2を一度のみを検知する。そしてコントローラCTは、搬送品Wk1及びWk2が1つの搬送品Wkと判断する。搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0059】
図6(b)は、例えば搬送品Wk1及びWk2がX軸方向で距離D1が重ねるように、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。搬入センサSiは搬送品Wk2の後端BE2のみを検知する。そしてコントローラCTは、搬送品Wk2の後端BE2が搬送品Wk1及びWk2の後端BEとして判断し、搬送品Wk1及びWk2が1つの搬送品Wkと判断する。搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0060】
図6(c)は、例えば搬送品Wk1及びWk2がX軸方向に距離D2離れて、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。また、搬送品Wk2はベルトコンベアBCに対して斜めに搬入されている。搬入センサSiは、搬入センサSiが搬送品Wk1の後端BE1である一辺LE1と搬送品Wk2の後端BE2である頂点T4とをそれぞれ検知する。そして、後端BE1及びBE2が検知された後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。後端BE1の検知から後端BE2の検知までにICタグ10が検知されない。このため、後端BE1及び後端BE2が1つの搬入エリアAr1に位置していることが分かる。これにより、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0061】
図6(d)は、例えばベルトコンベアBCの搬入エリアAr1からAr2にわたって搬送品Wk1が搬入され、搬送品Wk2が搬入エリアAr1に搬入された場合を示す。搬入センサSiは搬送品Wk1の後端BE1である頂点T5及び搬送品Wk2の後端BE2である一辺LE2をそれぞれ検知する。そして、後端BE1及びBE2が検知された後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。後端BE1の検知から後端BE2の検知までにICタグ10が検知されない。このため、後端BE1及び後端BE2が1つの搬入エリアAr1に位置していることが分かれる。これにより、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0062】
図6では、2つの搬送品Wk1及びWk2の場合について説明したが、3つ以上の搬送品Wkの場合にも適用される。また、図6では平面形状が矩形である搬送品Wkに対して説明したが、任意の形状の搬送品Wkにも適用される。そして、搬送中に第二ICタグリーダIR2(図2を参照)によりICタグ10aのみを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2をトラッキングすることができる。
【0063】
<搬送エラーの報告>
図7は、搬送エラーが発生する場合を示した平面図である。
図7の実線に示されたように、情報レコードに連結情報「L」が無い場合には(図4を参照)、作業者OP(図2を参照)は、3つの搬送品Wkc、Wkb及びWkaは異なる搬入エリアAr3、Ar2及びAr1にそれぞれ順番に搬入する。
【0064】
第一ICタグリーダIR1はICタグ10dを読み取り次のICタグ10cを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkcの後端BEcである頂点Tcを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkcの情報レコードRcとICタグ10cとを関連付ける。次に、第一ICタグリーダIR1は次のICタグ10bを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkbの後端BEbである頂点Tbを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkbの情報レコードRcとICタグ10bとを関連付ける。さらに、第一ICタグリーダIR1は次のICタグ10aを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkaの後端BEaである一辺LEaを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkaの情報レコードRcとICタグ10aとを関連付ける。
【0065】
しかし、作業者OPが搬送品Wkを誤って搬入エリアAr1とAr2とにわたって搬入してしまう場合がある。この状態の搬送品Wkbが図7の点線で示されている。
【0066】
搬入センサSiは、搬送品Wkaの後端BEaであるLEa及び点線で示された搬送品Wkbの後端BEbである頂点Tb’を検知する。この2つの後端を検知した後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。搬送品Wka及びWkbの情報レコードRcには連結情報「L」が含まれていない。つまり、搬入エリアAr1に投入すべき搬送品Wkの数は1である。図3のフローチャートのステップS17及びステップS18で示されたように、検知された搬送品Wkの後端BEの数が搬入エリアArに搬入すべき搬送品Wkの数を超えているため、コントローラCTは作業者OPに搬送エラーを報告する。
【0067】
<搬入の指示>
第1コンベア搬送装置100は、作業者の搬入の誤りを防止するために搬送品Wkが正確に搬入されるように、搬入許可と搬入不許可とを指示するように構成してもよい。図8(a)は赤色の警告ランプRLが点灯された場合を示した図で、図8(b)は青色の許可ランプBLが点灯された場合を示した図である。
【0068】
図8(a)に示されたように、搬入エリアAr2に搬送品Wkbが搬入エリアAr1及びAr2をわたって搬入された場合では、コントローラCTは作業者OPの前方に配置された赤色の警告ランプRLが点灯する。これまで説明してきたように、搬入センサSiが搬送品Wkbの後端BEbを検知した後、第一ICタグリーダIR1が次に読み取るICタグ10a(搬入エリアAr1)と搬送品Wkbの情報レコードRcとが関連付けられる。このため、作業者OPの前を通過する搬入エリアAr1には次の搬送品Wkaが搬入されるべきではない。仮に搬送品Wka(点線で示す)が搬入されると、図7で説明したように、搬送エラーが報告される。そこで、コントローラCTは赤色の警告ランプRLを点灯させて、作業者OPに搬入エリアAr1に搬送品Wkaの搬入を警告する。
【0069】
その後、図8(b)に示されたように搬入エリアAr1と隣り合った搬入エリアAr0が作業者OPの前を通過するときには青色の許可ランプBLが点灯される。作業者OPは青色の許可ランプBLの点灯から作業者OPの前を通過する搬入エリアAr0に搬送品Wkaを搬入できることが分かり、搬入エリアAr0に搬送品Wka(実線で示す)を搬入する。その後、コントローラCTは搬入エリアAr0のICタグ10xと搬送品Wkaの情報レコードRcとを関連付ける。
【0070】
搬入の指示において、コントローラCTは作業者OPの前を通過する搬入エリアArに対して搬入警告又は搬入許可を指示するので、作業者OPは固定した範囲の作業領域RY内で作業することが望ましい。
【0071】
(第2実施形態)
<第2コンベア搬送装置200の全体構成>
通常、搬送品Wkの搬送においてその搬送距離は数kmに及ぶことがある。このような場合には、複数のコンベア搬送装置を繋いで搬送することが多い。第2実施形態は2つのコンベア搬送装置を繋いだ場合を説明する。
【0072】
図9は、第2コンベア搬送装置200の斜視図である。図9に示されたように第2コンベア搬送装置200は、第1実施形態で説明された第1コンベア搬送装置100A及び100Bを、第1コンベア搬送装置100Aの搬出側が第1コンベア搬送装置100Bの搬入側に繋がるように配置されている。
【0073】
このため、第1コンベア搬送装置100Aから搬出された搬送品Wk3は第1コンベア搬送装置100Bに搬入されて搬送を続くことができる。第2実施形態では、2つのコンベア搬送装置を繋いでいるが、3つ以上のコンベア搬送装置を繋いでもよい。
【0074】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
図10は、第2コンベア搬送装置200のトラッキング方法を示したフローチャートである。
ステップT11において、作業者OPが搬送品Wk3のバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wk3に関する情報を入力し(図2を参照)、該情報に基づいて搬送品Wk3の情報レコードRc(図4を参照)を生成する。
【0075】
ステップT12において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100AのベルトコンベアBC1に搬入される。
ステップT13において、第1コンベア搬送装置100Aに配置された搬入センサSiにより、搬送品Wk3の後端BE3を検知する。
【0076】
ステップT14において、第1コンベア搬送装置100Aの搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1によりベルトコンベアBC1に設けられたICタグ10を順に読み取る。
ステップT15において、ステップT14で検知された搬送品Wk3の後端BE3が位置した搬入エリアArのICタグ10AとステップT11で生成した情報レコードRcとが関連付けられる。
【0077】
ステップT16において、第一ICタグリーダIR1と異なる位置に配置された第1コンベア搬送装置100Aの第二ICタグリーダIR2によりICタグ10Aを読み取る。これにより、搬送品Wk3が搬入された搬入エリアArのICタグ10Aのみを読み取ることで、第1コンベア搬送装置100Aで搬送品Wk3に対してトラッキングすることができる。
【0078】
ステップT17において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100Aから搬出される。
ステップT18において、ステップT15で行った搬送品Wk3の情報レコードRcとベルトコンベアBC1に設けられたICタグ10Aとの関連をリセットする。
【0079】
ステップT19において、第1コンベア搬送装置100Aから搬出された搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100BのベルトコンベアBC2に搬入される。
ステップT20において、第1コンベア搬送装置100Bに配置された搬入センサSiにより搬送品Wk3の後端BE3を検知する。
【0080】
ステップT21において、第1コンベア搬送装置100Bの搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1によりベルトコンベアBC2に設けられたICタグ10を順に読み取る。
【0081】
ステップT22において、ステップT21で検知された搬送品Wk3の後端BE3が位置した搬入エリアArのICタグ10BとステップT11で生成した情報レコードRcとが関連付けられる。なお、搬送品Wk3の情報レコードRcは、ステップT11で生成された情報レコードを使用する。また、コントローラCTは搬送品Wk3の情報レコードRcの関連付けの際には、ステップT18でリセットが行われている信号を受け取っていることを確認する。搬送品Wk3の情報レコードRcが二重にICタグ10と関連付けられることを防ぐためである。
【0082】
ステップT23において、第一ICタグリーダIR1と異なる位置に配置された第1コンベア搬送装置100Bの第二ICタグリーダIR2によりICタグ10Bを読み取る。これにより、搬送品Wk3が搬入された搬入エリアArのICタグ10Bのみを読み取ることで、第1コンベア搬送装置100Bで搬送品Wk3に対してトラッキングすることができる。
【0083】
ステップT24において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100Bから搬出される。
ステップT25において、ステップT22で行った搬送品Wk3の情報レコードRcとベルトコンベアBC2に設けられたICタグ10Bとの関連をリセットする。
【0084】
なお、第2実施形態のトラッキング方法では1つの搬送品Wk3に対してトラッキングすることを説明したが、複数の搬送品Wkが一つの搬送エリアArに搬入される場合は図3のフローチャートで示したステップS12〜S14を追加することで実現することができる。
【0085】
(第3実施形態)
<第3コンベア搬送装置300の全体構成>
第1及び第2実施形態では、樹脂製の一枚のベルトを繋げたベルトコンベアBCを一例として説明したが、第3実施形態では複数のブロックが繋がったチェーンコンベアCCについて図11を参照しながら説明する。
【0086】
図11は、第3コンベア搬送装置300の平面図である。図11に示された第3コンベア搬送装置300は、チェーンコンベアCCが平面上で矢印F3に示されたように反時計方向に回転することで搬送品Wkを平面上で搬送する。
【0087】
第3コンベア搬送装置300は、チェーンコンベアCCの内側に所定の間隔PでICタグ10a〜10vが22個設けられている。また、隣り合った2つのICタグ10との間に搬入エリアAra〜Arvが形成される。また、作業者OPが搬送品Wkを第3コンベア搬送装置300に搬入する際に搬入エリアArがはっきり確認できるように、チェーンコンベアCCの搬送品Wkの載置面に搬入エリアArを示したエリアラインALを描いておいた方が望ましい。
【0088】
また、第3コンベア搬送装置300はチェーンコンベアCCの外側に2つの搬入口Ti1、Ti2及び2つの搬出口To1、To2をさらに有している。搬入口Ti1、Ti2のチェーンコンベアCCの流出側には搬入センサSi1、Si2がそれぞれ配置され、搬出口To1、To2のチェーンコンベアCCの流出側には搬出センサSo1、So2がそれぞれ配置されている。また、チェーンコンベアCCの内側には、搬入センサSi1、Si2と対応するように2つの第一ICタグリーダIR1が配置され、第一ICタグリーダIR1と異なる箇所に2つの第二ICタグリーダIR2が配置されている。さらに、搬入口Ti1、Ti2のチェーンコンベアCCの流入側にはチェーンコンベアCC上に搬送品Wkがあるか否かを検知する在荷センサKs1及びKs2が配置されている。
【0089】
その他、第3コンベア搬送装置300は搬入口Ti1、Ti2近傍に搬入する前に搬送品WkのバーコードTcを読み取るバーコードリーダIP(図2を参照)と、搬送品Wkの搬送状態などを示しているモニターMT(図2を参照)とをさらに備えている。また、バーコードリーダ、モニター、搬入センサ、搬出センサ、ICタグリーダ及び在荷センサに通信接続されて搬送品Wkの搬送及びトラッキングをコントロールするコントローラCT(図2を参照)を備えている。
【0090】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
搬送品Wkの搬入前に、作業者OPが搬送品Wk1及びWk2のバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2に関する情報を入力し(図2を参照)、該情報に基づいて搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)を生成する。
【0091】
搬入側において、例えば搬送品Wk1が搬入口Ti1から搬入され、搬送品Wk2が搬入口Ti2から搬入される。このとき、まず在荷センサKs1で搬入口Ti1直前の搬入エリアArtに搬送品があるか否かを検知し、搬入エリアArtが空いているとモニターMTに搬送品Wk1の搬入可能を表示する。同様に、在荷センサKs2で搬入口Ti2直前の搬入エリアArvに搬送品があるか否かを検知し、搬入エリアArvが空いているとモニターMTに搬送品Wk2の搬入可能を表示する。
【0092】
そして、第一ICタグリーダIR1で搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vを読み取り、搬入センサSi1及びSi2で搬送品Wk1及びWk2の後端BEをそれぞれ検知する。その後、コントローラCTは搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRcと、搬送品Wk1及びWk2の後端BEが位置している搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vとを関連付ける。
【0093】
搬送中において、第二ICタグリーダIR21で搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vのみを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2に対してトラッキングすることができる。また、第二ICタグリーダIR22で搬入エリアArtのICタグ10tのみを読み取ることで、搬送品Wk1に対してトラッキングすることができる(搬送品Wk2は搬出口To2から搬出)。
【0094】
搬出側において、例えば搬送品Wk2が搬出口To1から搬入され、搬送品Wk1が搬出口Ti2から搬入される。このとき、搬出口To1のチェーンコンベアCCの流出側に配置された搬出センサSo1が搬送品Wk2の搬出を検知しコントローラCTが搬送品Wk2の情報レコードRcと、搬入エリアArvのICタグ10vとを関連付けをリセットする。同様に、搬出口To2のチェーンコンベアCCの流出側に配置された搬出センサSo2が搬送品Wk1の搬出を検知しコントローラCTが搬送品Wk1の情報レコードRcと、搬入エリアArtのICタグ10tとを関連付けをリセットする。
【0095】
上述のように、関連付けとリセットとを交互に行うことによりチェーンコンベアCCで搬送品Wkが搬入、搬送及び搬出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
10、10a〜10v、10A、10B … ICタグ
100、200、300 … コンベア搬送装置
Ar … エリア
BC … ベルトコンベア
BE … 搬送品の後端
CC … チェーンコンベア
CT … コントローラ
Ip … バーコードリーダ
IR … ICタグリーダ
MT … モニター
OP … 作業者
P … ICタグ同士の距離
R1、R2 … ローラ
RL … 警告ランプ、 BL … 許可ランプ
RY … 作業領域
Si、Si1、Si2 … 搬入センサ、 So、So1、So2 … 搬出センサ
Tc … 搬送品のバーコード
Wk … 搬送品
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア上の搬送品をトラッキングするトラッキング方法及びコンベア搬送装置に関する。特に、移動するベルトコンベアに識別コードを付して、その識別コードで搬送品をトラッキングするトラッキング方法及びコンベア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンベア搬送装置は、商品又は商品箱(以下、搬送品という。)を搭載するベルトコンベアと、搬送品に印刷されているバーコードラベルのバーコードを読み取るバーコードリーダとを備えている。ベルトコンベアがいくつも連なった長い距離にわたって搬送品を搬送する場合、搬送品をベルトコンベアから搬出して出荷する場合だけでなく、搬送品が確実に搬送されているかを確認するため、搬送品の搬送の複数の中間位置でも搬送品のトラッキングが必要となる。そこでコンベア搬送装置は、ベルトコンベアの搬送の途中であっても、ベルトコンベアで搬送されている搬送品のバーコードをバーコードリーダが読み取って、搬送品をトラッキングしている。バーコードの読み取りが正常に行われたときは、搬送品がベルトコンベア上のどこで搬送されているか作業者は把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−315808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、搬送品の大きさは多種多様であり、また搬送品が梱包されている箱に印刷されているバーコードの位置も多種多様である。このような状況下で、多量の搬送品を扱うためにベルトコンベアの搬送速度を上げたりすると、搬送品のバーコードの読み取りが正常に行われなくなる。したがって、ベルトコンベアの搬送速度は搬送品のバーコードの読み取り精度に依存していた。またバーコードの読み取りができないとベルトコンベアを停止せざるをえなかった。
【0005】
そこで、本発明は、ベルトコンベアを高速に回転させても搬送品をトラッキングできる搬送品のトラッキング方法及びコンベア搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点のトラッキング方法は、搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し、搬送品を環状コンベア上でトラッキングする。該トラッキング方法は、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報を順次入力し搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程と、搬送品が環状コンベア上に載置される搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程と、搬送品が環状コンベア上に載置され搬送品の搬送方向の後端を検知した際に識別コードと情報レコードとを関連付ける関連付け工程と、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程とを備える。また、第2識別コード読み取り工程の識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングを行う。
このような方法によれば、搬送品を高速に搬送させるとき、環状コンベアに配置された識別コードのみを読み取ることで、搬送品のトラッキングが正確にできる。
【0007】
第2観点のトラッキング方法は、第2識別コード読み取り工程後で且つ搬送品が環状コンベアから搬出された後に、識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットするリセット工程を備える。
識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットすることで、識別コードが再び別の搬送品の情報レコードと関連付けることができる。
【0008】
第3観点のトラッキング方法は、搬送品は2つの搬送品を含み、搬送品レコード生成工程は2つの搬送品が1つの搬送品として扱われるように連結する連結情報を含む情報レコードを2つ生成し、隣り合う識別コードの間に2つの搬送品が載置された際には関連付け工程は連結情報を含む2つの情報レコードに対して1つの識別コードを関連付ける。
連結情報を含む複数の情報レコードを1つの識別コードに関連付けることができる。
【0009】
第4観点のトラッキング方法において、所定間隔を越える長さの搬送品が載置された際には、関連付け工程は情報レコードの1つに対して搬送方向の後方の識別コードが関連付ける。
上述の方法によれば、所定間隔を越える長さの搬送品にも適用される。
【0010】
第5観点のトラッキング方法において、環状コンベアは第1環状コンベアと第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、識別コードは第1環状コンベア用の第1識別コードと第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、搬送品が第1環状コンベアから搬出された後にリセット工程は第1識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットし、搬送品が第2環状コンベアに搬入された際に、関連付け工程は第2識別コードと情報レコードとを関連付ける。
上述の方法によれば、複数の環状コンベアを繋げた場合にも適用される。
【0011】
第6観点のトラッキング方法は、情報レコードが連結情報を含まず、関連付け工程が搬送品の搬送方向の後端を2つ検知して2つの情報レコードが1つの識別コードに関連付けられる際には、搬送エラーを報告する。
連結情報を含まない搬送品は、別々に識別コードと関連付ける。
【0012】
第7観点のトラッキング方法は、関連付け工程で搬送品の後端が検知された際、搬入場所に、別の搬送品が搬入されないように作業者に警告を指示する。
連結情報を含まない搬送品が別々に識別コードと関連付けるように作業者に警告を指示することができる。
【0013】
第8観点のコンベア搬送装置は、搬送品を搬送するとともに搬送品をトラッキングする。該コンベア搬送装置は、搬送方向に所定間隔に配置された識別コードを複数有する環状コンベアと、環状コンベアに載置される前に搬送品に関する情報レコードを入力する入力部と、搬送品が環状コンベア上に載置される搬入場所で識別コードを読み取る第1識別コード読み取り部と、搬送品が環状コンベア上に載置されたことを検知する搬入センサと、搬入センサからの検知信号に基づいて識別コードと情報レコードとを関連付けるコントローラと、搬入場所とは異なる場所で識別コードを読み取る第2識別コード読み取り部とを備える。また、第2識別コード読み取り部の識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングを行う。
このような構成によれば、搬送品を高速に搬送させるとき、環状コンベアに配置された識別コードのみを読み取ることで、搬送品のトラッキングが正確にできる。
【0014】
第9観点のコンベア搬送装置は、搬送品が環状コンベアから搬出されたことを検知する搬出センサを備え、コントローラは識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットする。
【0015】
第10観点のコンベア搬送装置において、搬入センサ及び搬出センサは搬送品の搬送方向の後端を検知する。
【0016】
第11観点のコンベア搬送装置において、環状コンベアは第1環状コンベアと第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、識別コードは第1環状コンベア用の第1識別コードと第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、第1環状コンベアの搬出位置には搬出センサが配置され、第2環状コンベアの搬入位置には搬入センサが配置され、コントローラは搬送品が第1環状コンベアから搬出された後に第1識別コードと情報レコードとの関連付けをリセットし、搬送品が第2環状コンベアに搬入された際に第2識別コードと情報レコードとを関連付ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明のトラッキング方法は、識別コードのみで環状コンベア上の搬送品のトラッキングするため搬送品のトラッキングが正確にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1コンベア搬送装置100の斜視図である。
【図2】第1コンベア搬送装置100の平面図である。
【図3】搬送品Wkに対するトラッキング方法を示したフローチャートである。
【図4】搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCのICタグ10との関連を示した説明図である。
【図5】(a)〜(d)は、1つの搬送品Wkが第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【図6】(a)〜(d)は、連結情報を有する2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【図7】搬送エラーが発生する場合を示した平面図である。
【図8】(a)は、赤色の警告ランプRLが点灯された場合を示した図である。 (b)は、青色の許可ランプBLが点灯された場合を示した図である。
【図9】第2コンベア搬送装置200の斜視図である。
【図10】第2コンベア搬送装置200のトラッキング方法を示したフローチャートである。
【図11】第3コンベア搬送装置300の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
<第1コンベア搬送装置100の全体構成>
第1実施形態の第1コンベア搬送装置100の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は第1コンベア搬送装置100の斜視図で、図2はその平面図である。図1及び図2では搬送品Wkの移動方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向、X軸及びZ軸に垂直な方向をY軸方向として説明する。以降の図面にも同じ座標系が使用される。
【0020】
図1に示されたように、搬送品Wkを搬送する第1コンベア搬送装置100は、X軸方向に離れて配置された一対のローラR1及びR2と、その一対のローラR1及びR2に掛けてローラR1及びR2の回転により回転できる環状のベルトコンベアBCとを備えている。ここで、ベルトコンベアBCは搬送品Wkが載置されるようにY軸方向に一定の幅を有する環状の樹脂製のシートからなる。また、図1に示された第1コンベア搬送装置100は、ローラR1及びR2が矢印F1に示されたように時計方向に回転することで、ベルトコンベアBCに載った搬送品Wkが矢印F2に示されたように+X軸方向に沿って搬送される。第1コンベア搬送装置100では、ベルトコンベアBCにおいて搬送品Wkが載置される面を表面Meとし、表面Meの反対側でローラR1及びR2と接触する面を裏面Miとして説明する。
【0021】
ベルトコンベアBCは、表面Meと裏面Miとの間に所定の間隔Pで複数のICタグ10が樹脂製のシートに埋め込まれている。隣り合った2つのICタグ10との間の表面Meが搬送品Wkの搬入エリアArとなる。ICタグ10は、単にベルトコンベアBCの番地を示す情報を有しているだけであり、複数のICタグ10には例えば「a」、「b」などの他のICタグ10と区別できる情報を有する。図1では、「10a」、「10b」……として示されている。
【0022】
搬入エリアArは、搬送品Wkの搬送方向F2の後端側のICタグ10で管理される。理解を助けるため、図1ではICタグ10は厚くに描かれ、裏面Miに貼り付けられているように描かれている。ICタグ10はベルトコンベアBCの表面Meに配置されていてもよい。またすべてのICタグ10は、Y軸方向の所定の位置に配置される。図1ではベルトコンベアBCの−Y軸側にすべてのICタグ10が配置されている。
【0023】
ここでICタグ10は、電波を受けて働く小型の識別コードで、RFID(Radio frequency identification)の一種である。また、作業者OP(図2を参照)が搬送品Wkを第1コンベア搬送装置100に搬入する際に搬入エリアArがはっきり確認できるように、ベルトコンベアBCの表面Meに搬入エリアArを示したエリアラインALを描いておいた方が望ましい。
【0024】
図2に示された第1コンベア搬送装置100は、ベルトコンベアBCの裏面Miに設けられたICタグ10を読み取る第一ICタグリーダIR1及び第二ICタグリーダIR2をさらに備えている。なお、第一ICタグリーダIR1は搬送品Wkの搬入付近に配置され、第二ICタグリーダIR2は搬入付近から離れた領域に配置されている。ここで、第一ICタグリーダIR1及び第二ICタグリーダIR2は、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によってICタグ10に埋め込まれたID情報などを読み取るものである。
【0025】
第1コンベア搬送装置100は、搬入される搬送品Wkに印刷されたバーコードTcを読み取るバーコードリーダIPを備えている。作業者OPは搬送品Wkを搬入する前にバーコードリーダIPを用いて搬送品Wkに設けられたバーコードTcを読み取って搬送品Wkの情報を入力する。同時に不図示のデーターベースからそのバーコードTcに関する情報を得たり、その搬送品Wkに関する宛先等をキーボード等で入力したりしてコントローラCT(図2を参照)により搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)が生成される。
【0026】
また、第1コンベア搬送装置100は搬送品Wkの後端BEを検知する搬入センサSiと搬出センサSoとを備えている。搬入センサSiは搬入側の第一ICタグリーダIR1とX軸方向にほぼ同じ位置に配置され、搬送品Wkの搬入エリアArへの搬入を検知している。搬出センサSoは搬出口To近傍に配置されて搬送品Wkの第1コンベア搬送装置100の搬出を検知する。ここで、搬入センサSi及び搬出センサSoは、光電センサ、リミットスイッチ、近隣センサなどの検知装置であればよい。例えば、搬入センサSi及び搬出センサSoが光電センサである場合には、光電センサのレーザ光が搬送品Wkで遮られた状態から透過する状態に変化することで、搬送品Wkの後端BEが検知される。
【0027】
さらに、第1コンベア搬送装置100は、ICタグリーダIR1及びIR2、バーコードリーダIP、搬入センサSi及び搬出センサSoにそれぞれ接続されたコントローラCTを備えている。コントローラCTは搬送品Wkに対するトラッキングを行う。なお、コントローラCTは例えば適宜プログラムされたマイクロプロセッサ、PLCもしくは他の適宜の制御モジュールで構成される。
【0028】
コントローラCTは、搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)と搬入エリアArのICタグ10とを関連付ける機能を有する。コントローラCTは、具体的には搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEを検知した際に、搬入エリアArの搬送方向の下流側のICタグ10を関連付けている。
【0029】
その後、搬送品WkがベルトコンベアBCで搬送させられ、その搬送経路に設けられた第二ICタグリーダIR2によりICタグ10が読み取られる。この際に搬送品WkのバーコートTcは何ら読み取られない。ICタグ10は搬送品Wkと関連付けられているため、ICタグ10が読み取られることで搬送品Wkがトラッキングされる。
【0030】
ICタグ10はベルトコンベアBCの−Y軸側に配置されているため、第二ICタグリーダIR2は確実にICタグ10を読み取ることができる。搬送品Wkの大きさ、形状、搬送品Wkに印刷されたバーコードの位置などに影響を受けないため、ベルトコンベアBCが搬送品Wkを高速搬送していても正確に搬送品Wkをトラッキングすることができる。上述したようにICタグ10は他のICタグと区別できるベルトコンベアBC上の番地を有しているに過ぎない。このため識別コードとして、バーコードやQRコードなどが使用されてもよい。
【0031】
第1コンベア搬送装置100はモニターMTをさらに備えている。モニターMTは、作業者OPに搬送品Wkのトラッキング結果を表示したり、搬送品Wkに関する情報を表示したり、又はその搬送品Wkに関する宛先等を表示したりする。作業者OPはモニターMTを見ながら作業する必要があるので、モニターMTは作業者OPの近傍に配置することが好ましい。
【0032】
第1実施形態では、樹脂製の一枚のベルトを繋げたベルトコンベアを一例として説明したが、その以外にも複数のブロックが繋がって環状に形成されたチェーンコンベアにも適用できる。
【0033】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
搬送品Wkのトラッキング方法について、図3を参照しながら説明する。図3は搬送品Wkに対するトラッキング方法を示したフローチャートである。
【0034】
ステップS11において、作業者OPはバーコードリーダIPにより搬送品Wkに印刷されたバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wkに関する情報を入力する(図2を参照)。コントローラCTは入力された情報に基づいて搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)を生成する。なお、搬送品Wkの情報レコードRcには例えば搬送品の製造メーカ、販売メーカ、商品名称、宛先、注文コード及び連結情報などが含まれる。
【0035】
ステップS12において、作業者OPが次から次へ搬送品Wkに関する情報を入力した後、連続して同じ宛先があるか否かが判断される。同じ宛先であればステップS13に進み、異なる宛先であればステップS14に進む。
【0036】
ステップS13において、搬送効率を高めるためには、作業者OPは同じ宛先の搬送品Wkは1つの搬入エリアArに複数搬入されることが望ましい。この際、後述のように複数搬入される搬送品Wkの後端BEはそろっていてもずれていてもよい。
【0037】
ステップS14において、搬入された複数の搬送品Wkが異なる宛先である場合には作業者OPはこれら搬送品Wkがそれぞれ異なる搬入エリアArに搬入される。
【0038】
ステップS15において、第一ICタグリーダIR1とX軸方向にほぼ同じ位置に配置された搬入センサSiは搬送品Wkの後端BEを検知する。この際、同じ宛先の搬送品Wkが複数搬入されている場合でも、後述のように、同じ宛先の搬送品Wkはひとつの搬送品Wkとして認識される。よって、同じ宛先の搬送品Wkひとつに対してひとつの後端BEが検知される。
【0039】
ステップS16において、搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1は、ベルトコンベアBCに設けられたICタグ10を順次読み取る。
【0040】
ステップS17において、ステップS15で検知された搬送品Wkの後端BEの数がステップS13又はステップS14に従い搬入された搬送品Wkの数より多いか比較される。例えば搬入エリアArに一つの搬送品Wkがすでに搬入されたにもかかわらず、上流(+X軸方向)の別の搬送品Wkが同じ搬入エリアArに入っている場合である。つまり、別の搬入エリアArに搬入されるべき搬入品Wkが誤って1つの搬入エリアArに搬入されていることを示している。検知された後端BEの数が搬入されるはずの搬送品Wkの数より多いとステップS18に進み、検知された後端BEの数が搬入されるはずの搬送品Wkの数以下であるとステップS19に進む。
【0041】
ステップS18において、搬入センサSiで検知された後端BEの数が搬入された搬送品Wkの数より多いので、コントローラCTは搬送エラーを作業者OPにモニターMTを介して報告する。
【0042】
ステップS19では、コントローラCTはステップS15で搬送品Wkの後端BEを検知してから、次に検知されたICタグ10の番地から(ステップS16)、搬送品Wkがどの搬入エリアArに搬送品Wkが搬入されたかを確定する。そしてコントローラCTは搬入エリアArのICタグ10とステップS11で生成された情報レコードRcとを関連付ける。ここで、ステップS13で説明されたように、同じ宛先の搬送品Wkは1つの搬入エリアArに搬入され、これら複数の搬送品Wkの情報レコードを1つの搬入エリアArのICタグ10と関連付ける方が望ましい。
【0043】
ステップS20では、搬入側から離れた領域に配置された第二ICタグリーダIR2はその読み取り領域を通過するベルトコンベアBCに設けられたICタグ10を読み取る。ベルトコンベアBCが高速に搬送品Wkを搬送していても確実に搬送品Wkをトラッキングすることができる。
【0044】
ステップS21において、搬送品Wkが搬出口ToからベルトコンベアBCを搬出する。
ステップS22では、ベルトコンベアBCから搬送品Wkが搬出されたため、ステップ19で行った搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCに設けられたICタグ10との関連をリセットする。ベルトコンベアBCが回転し、再びICタグ10が搬入位置まで移動すると、ステップS16で再びICタグ15が読み取られる。
【0045】
<トラッキング方法の具体例>
図4は搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCのICタグ10との関連を示した説明図である。図5(a)〜(d)は1つの搬送品Wkが第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。図6(a)〜(d)は2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。
【0046】
図4に示されるように、搬送品Wk1に関する情報レコードRc1と搬送品Wk2に関する情報レコードRc2とが示されている。情報レコードRc1と情報レコードRc2とは同じ宛先「AD1」を有している。そして、情報レコードRc1及びRc2には搬送品Wk1及びWk2を連結する連結情報「L」が記載されている。これら同じ連結情報「L」を有していることにより、コントローラCTは搬送品Wk1及びWk2が1つの搬入エリアArに搬入されてもよいと判断する。
【0047】
このため、コントローラCTは搬送品Wk1及び搬送品Wk2のそれぞれの後端BEを検知した時点に、2つ情報レコードRc1と情報レコードRc2を1つの搬入エリアAr1におけるICタグ10aと関連付ける(図3のステップS19を参照)。
【0048】
搬送品Wk3に関する情報レコードRc3と搬送品Wk4に関する情報レコードRc4とが示されている。情報レコードRc3と情報レコードRc4とは、同じメーカ「MK3」で製造された同じ搬送品「NA3」であることを示している。その一方で情報レコードRc3と情報レコードRc4とは、その宛先が「AD3」と「AD4」と別であり、連結情報が記載されていない。
【0049】
このため、コントローラCTは搬送品Wk3の後端BEを検知した時点に、情報レコードRc3を1つの搬入エリアAr4におけるICタグ10dと関連付ける。また、コントローラCTは搬送品Wk4の後端BEを検知した時点に、情報レコードRc4を1つの搬入エリアAr5におけるICタグ10eと関連付ける。
【0050】
一方、ベルトコンベアBCのICタグ10は、再び搬入位置に戻ってくる。そのため、搬送品Wkの情報レコードRcとベルトコンベアBCに設けられたICタグ10との関連をリセットする(図3のステップS22を参照)。図4に示されたように例えばローラR2を通過したICタグ10nは、搬送品Wkの情報レコードRcと関連付けていない状態(リセット状態)となる。このため、ICタグ10nがローラR1を通過して搬入側に移動すると、再びある搬送品Wkの情報レコードRcと関連付けることができる。
【0051】
<連結情報がない情報レコードRcのトラッキングの例>
図5(a)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wkが斜めにベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。この場合では、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T1を検知する。また、頂点T1が搬入エリアAr1内に位置しているので、コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアAr1を代表したICタグ10aとを関連付ける。図5(a)では、搬送品Wkが斜めに搬入された場合について説明したが、搬送品Wkが図1及び図2に示されたように一辺がベルトコンベアBCの移動方向と平行するように搬入された場合にも適用される。そのときは、搬入センサSiは搬送品Wkの−X側の一辺を後端BEとして検知する。
【0052】
図5(b)は、例えば平面形状が不規則である搬送品WkがベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。図5(a)の場合と同様に、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T2を検知し、コントローラCTが搬送品Wkの情報レコードRcと後端BEが位置した搬入エリアAr1のICタグ10aとを関連付ける。
【0053】
図5(c)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wkが斜めにベルトコンベアBCの搬入エリアAr1と搬入エリアAr2とにわたって搬入された場合を示している。第一ICタグリーダIR1がICタグ10bを読み取った後に搬入センサSiは搬送品Wkの後端BEとなる頂点T1を検知する。搬入センサSiが頂点T1を検知した後に第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。このため、コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアAr1を代表したICタグ10aとを関連付ける。コントローラCTは搬送品Wkの情報レコードRcとICタグ10bとを関連付けない(図3のステップS15,S16を参照)
【0054】
図5(d)は、例えば平面形状が不規則である搬送品WkがベルトコンベアBCの複数の搬入エリアArをわたって搬入された場合を示している。この場合でも図5(c)の場合と同様に、搬送品Wkの先端FEがどの搬入エリアArに位置しているかに関わらず、搬入センサSiが搬送品Wkの後端BEとなる頂点T3のみを検知する。コントローラCTが搬送品Wkの情報レコードRcと後端BEが位置した搬入エリアAr1のICタグ10aとを関連付ける。
【0055】
このように、コントローラCTは搬入エリアArに搬入された搬送品Wkがどのような形状であっても、搬送品Wkの情報レコードRcと搬入エリアArのICタグ10とを関連付けることができる。そして、搬送中に第二ICタグリーダIR2(図2を参照)によりICタグ10aのみを読み取ることで、搬送品Wkをトラッキングすることができる。
【0056】
また、以上説明した後端検知によるトラッキング方法は、先端を検知するトラッキング方法、両端を検知するトラッキング方法又は両端を選択的検知するトラッキング方法に比べて顕著なメリットがある。例えば、後端検知によるトラッキング方法は搬送品を単一個所又は点として取り扱うので、搬送品の大きさを算出する必要がない。
【0057】
<連結情報がある情報レコードRcのトラッキングの例>
図6(a)〜(d)は連結情報を有する2つの搬送品Wk1及びWk2が第1コンベア搬送装置100に搬入された場合を示した平面図である。すなわち、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRcは連結情報「L」(図4を参照)を有している。
【0058】
図6(a)は、例えば平面形状が矩形である搬送品Wk1及びWk2がその一辺がベルトコンベアBCの搬送方向(X軸方向)に一致して、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。また、搬送品Wk1及びWk2はそれらの後端BE1及びBE2がX軸方向に同じ位置に搬入されている。搬入センサSiは後端BE1及びBE2を一度のみを検知する。そしてコントローラCTは、搬送品Wk1及びWk2が1つの搬送品Wkと判断する。搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0059】
図6(b)は、例えば搬送品Wk1及びWk2がX軸方向で距離D1が重ねるように、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。搬入センサSiは搬送品Wk2の後端BE2のみを検知する。そしてコントローラCTは、搬送品Wk2の後端BE2が搬送品Wk1及びWk2の後端BEとして判断し、搬送品Wk1及びWk2が1つの搬送品Wkと判断する。搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0060】
図6(c)は、例えば搬送品Wk1及びWk2がX軸方向に距離D2離れて、ベルトコンベアBCの搬入エリアAr1内に搬入された場合を示している。また、搬送品Wk2はベルトコンベアBCに対して斜めに搬入されている。搬入センサSiは、搬入センサSiが搬送品Wk1の後端BE1である一辺LE1と搬送品Wk2の後端BE2である頂点T4とをそれぞれ検知する。そして、後端BE1及びBE2が検知された後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。後端BE1の検知から後端BE2の検知までにICタグ10が検知されない。このため、後端BE1及び後端BE2が1つの搬入エリアAr1に位置していることが分かる。これにより、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」(図4を参照)を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0061】
図6(d)は、例えばベルトコンベアBCの搬入エリアAr1からAr2にわたって搬送品Wk1が搬入され、搬送品Wk2が搬入エリアAr1に搬入された場合を示す。搬入センサSiは搬送品Wk1の後端BE1である頂点T5及び搬送品Wk2の後端BE2である一辺LE2をそれぞれ検知する。そして、後端BE1及びBE2が検知された後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。後端BE1の検知から後端BE2の検知までにICタグ10が検知されない。このため、後端BE1及び後端BE2が1つの搬入エリアAr1に位置していることが分かれる。これにより、搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRc1及びRc2が連結情報「L」を有しているため、コントローラCTは情報レコードRc1及びRc2を搬入エリアAr1のICタグ10aに関連付ける。
【0062】
図6では、2つの搬送品Wk1及びWk2の場合について説明したが、3つ以上の搬送品Wkの場合にも適用される。また、図6では平面形状が矩形である搬送品Wkに対して説明したが、任意の形状の搬送品Wkにも適用される。そして、搬送中に第二ICタグリーダIR2(図2を参照)によりICタグ10aのみを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2をトラッキングすることができる。
【0063】
<搬送エラーの報告>
図7は、搬送エラーが発生する場合を示した平面図である。
図7の実線に示されたように、情報レコードに連結情報「L」が無い場合には(図4を参照)、作業者OP(図2を参照)は、3つの搬送品Wkc、Wkb及びWkaは異なる搬入エリアAr3、Ar2及びAr1にそれぞれ順番に搬入する。
【0064】
第一ICタグリーダIR1はICタグ10dを読み取り次のICタグ10cを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkcの後端BEcである頂点Tcを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkcの情報レコードRcとICタグ10cとを関連付ける。次に、第一ICタグリーダIR1は次のICタグ10bを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkbの後端BEbである頂点Tbを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkbの情報レコードRcとICタグ10bとを関連付ける。さらに、第一ICタグリーダIR1は次のICタグ10aを読み取るまでに、搬入センサSiが搬送品Wkaの後端BEaである一辺LEaを検知する。これにより、コントローラCTは搬送品Wkaの情報レコードRcとICタグ10aとを関連付ける。
【0065】
しかし、作業者OPが搬送品Wkを誤って搬入エリアAr1とAr2とにわたって搬入してしまう場合がある。この状態の搬送品Wkbが図7の点線で示されている。
【0066】
搬入センサSiは、搬送品Wkaの後端BEaであるLEa及び点線で示された搬送品Wkbの後端BEbである頂点Tb’を検知する。この2つの後端を検知した後、第一ICタグリーダIR1はICタグ10aを読み取る。搬送品Wka及びWkbの情報レコードRcには連結情報「L」が含まれていない。つまり、搬入エリアAr1に投入すべき搬送品Wkの数は1である。図3のフローチャートのステップS17及びステップS18で示されたように、検知された搬送品Wkの後端BEの数が搬入エリアArに搬入すべき搬送品Wkの数を超えているため、コントローラCTは作業者OPに搬送エラーを報告する。
【0067】
<搬入の指示>
第1コンベア搬送装置100は、作業者の搬入の誤りを防止するために搬送品Wkが正確に搬入されるように、搬入許可と搬入不許可とを指示するように構成してもよい。図8(a)は赤色の警告ランプRLが点灯された場合を示した図で、図8(b)は青色の許可ランプBLが点灯された場合を示した図である。
【0068】
図8(a)に示されたように、搬入エリアAr2に搬送品Wkbが搬入エリアAr1及びAr2をわたって搬入された場合では、コントローラCTは作業者OPの前方に配置された赤色の警告ランプRLが点灯する。これまで説明してきたように、搬入センサSiが搬送品Wkbの後端BEbを検知した後、第一ICタグリーダIR1が次に読み取るICタグ10a(搬入エリアAr1)と搬送品Wkbの情報レコードRcとが関連付けられる。このため、作業者OPの前を通過する搬入エリアAr1には次の搬送品Wkaが搬入されるべきではない。仮に搬送品Wka(点線で示す)が搬入されると、図7で説明したように、搬送エラーが報告される。そこで、コントローラCTは赤色の警告ランプRLを点灯させて、作業者OPに搬入エリアAr1に搬送品Wkaの搬入を警告する。
【0069】
その後、図8(b)に示されたように搬入エリアAr1と隣り合った搬入エリアAr0が作業者OPの前を通過するときには青色の許可ランプBLが点灯される。作業者OPは青色の許可ランプBLの点灯から作業者OPの前を通過する搬入エリアAr0に搬送品Wkaを搬入できることが分かり、搬入エリアAr0に搬送品Wka(実線で示す)を搬入する。その後、コントローラCTは搬入エリアAr0のICタグ10xと搬送品Wkaの情報レコードRcとを関連付ける。
【0070】
搬入の指示において、コントローラCTは作業者OPの前を通過する搬入エリアArに対して搬入警告又は搬入許可を指示するので、作業者OPは固定した範囲の作業領域RY内で作業することが望ましい。
【0071】
(第2実施形態)
<第2コンベア搬送装置200の全体構成>
通常、搬送品Wkの搬送においてその搬送距離は数kmに及ぶことがある。このような場合には、複数のコンベア搬送装置を繋いで搬送することが多い。第2実施形態は2つのコンベア搬送装置を繋いだ場合を説明する。
【0072】
図9は、第2コンベア搬送装置200の斜視図である。図9に示されたように第2コンベア搬送装置200は、第1実施形態で説明された第1コンベア搬送装置100A及び100Bを、第1コンベア搬送装置100Aの搬出側が第1コンベア搬送装置100Bの搬入側に繋がるように配置されている。
【0073】
このため、第1コンベア搬送装置100Aから搬出された搬送品Wk3は第1コンベア搬送装置100Bに搬入されて搬送を続くことができる。第2実施形態では、2つのコンベア搬送装置を繋いでいるが、3つ以上のコンベア搬送装置を繋いでもよい。
【0074】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
図10は、第2コンベア搬送装置200のトラッキング方法を示したフローチャートである。
ステップT11において、作業者OPが搬送品Wk3のバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wk3に関する情報を入力し(図2を参照)、該情報に基づいて搬送品Wk3の情報レコードRc(図4を参照)を生成する。
【0075】
ステップT12において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100AのベルトコンベアBC1に搬入される。
ステップT13において、第1コンベア搬送装置100Aに配置された搬入センサSiにより、搬送品Wk3の後端BE3を検知する。
【0076】
ステップT14において、第1コンベア搬送装置100Aの搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1によりベルトコンベアBC1に設けられたICタグ10を順に読み取る。
ステップT15において、ステップT14で検知された搬送品Wk3の後端BE3が位置した搬入エリアArのICタグ10AとステップT11で生成した情報レコードRcとが関連付けられる。
【0077】
ステップT16において、第一ICタグリーダIR1と異なる位置に配置された第1コンベア搬送装置100Aの第二ICタグリーダIR2によりICタグ10Aを読み取る。これにより、搬送品Wk3が搬入された搬入エリアArのICタグ10Aのみを読み取ることで、第1コンベア搬送装置100Aで搬送品Wk3に対してトラッキングすることができる。
【0078】
ステップT17において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100Aから搬出される。
ステップT18において、ステップT15で行った搬送品Wk3の情報レコードRcとベルトコンベアBC1に設けられたICタグ10Aとの関連をリセットする。
【0079】
ステップT19において、第1コンベア搬送装置100Aから搬出された搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100BのベルトコンベアBC2に搬入される。
ステップT20において、第1コンベア搬送装置100Bに配置された搬入センサSiにより搬送品Wk3の後端BE3を検知する。
【0080】
ステップT21において、第1コンベア搬送装置100Bの搬入側に配置された第一ICタグリーダIR1によりベルトコンベアBC2に設けられたICタグ10を順に読み取る。
【0081】
ステップT22において、ステップT21で検知された搬送品Wk3の後端BE3が位置した搬入エリアArのICタグ10BとステップT11で生成した情報レコードRcとが関連付けられる。なお、搬送品Wk3の情報レコードRcは、ステップT11で生成された情報レコードを使用する。また、コントローラCTは搬送品Wk3の情報レコードRcの関連付けの際には、ステップT18でリセットが行われている信号を受け取っていることを確認する。搬送品Wk3の情報レコードRcが二重にICタグ10と関連付けられることを防ぐためである。
【0082】
ステップT23において、第一ICタグリーダIR1と異なる位置に配置された第1コンベア搬送装置100Bの第二ICタグリーダIR2によりICタグ10Bを読み取る。これにより、搬送品Wk3が搬入された搬入エリアArのICタグ10Bのみを読み取ることで、第1コンベア搬送装置100Bで搬送品Wk3に対してトラッキングすることができる。
【0083】
ステップT24において、搬送品Wk3が第1コンベア搬送装置100Bから搬出される。
ステップT25において、ステップT22で行った搬送品Wk3の情報レコードRcとベルトコンベアBC2に設けられたICタグ10Bとの関連をリセットする。
【0084】
なお、第2実施形態のトラッキング方法では1つの搬送品Wk3に対してトラッキングすることを説明したが、複数の搬送品Wkが一つの搬送エリアArに搬入される場合は図3のフローチャートで示したステップS12〜S14を追加することで実現することができる。
【0085】
(第3実施形態)
<第3コンベア搬送装置300の全体構成>
第1及び第2実施形態では、樹脂製の一枚のベルトを繋げたベルトコンベアBCを一例として説明したが、第3実施形態では複数のブロックが繋がったチェーンコンベアCCについて図11を参照しながら説明する。
【0086】
図11は、第3コンベア搬送装置300の平面図である。図11に示された第3コンベア搬送装置300は、チェーンコンベアCCが平面上で矢印F3に示されたように反時計方向に回転することで搬送品Wkを平面上で搬送する。
【0087】
第3コンベア搬送装置300は、チェーンコンベアCCの内側に所定の間隔PでICタグ10a〜10vが22個設けられている。また、隣り合った2つのICタグ10との間に搬入エリアAra〜Arvが形成される。また、作業者OPが搬送品Wkを第3コンベア搬送装置300に搬入する際に搬入エリアArがはっきり確認できるように、チェーンコンベアCCの搬送品Wkの載置面に搬入エリアArを示したエリアラインALを描いておいた方が望ましい。
【0088】
また、第3コンベア搬送装置300はチェーンコンベアCCの外側に2つの搬入口Ti1、Ti2及び2つの搬出口To1、To2をさらに有している。搬入口Ti1、Ti2のチェーンコンベアCCの流出側には搬入センサSi1、Si2がそれぞれ配置され、搬出口To1、To2のチェーンコンベアCCの流出側には搬出センサSo1、So2がそれぞれ配置されている。また、チェーンコンベアCCの内側には、搬入センサSi1、Si2と対応するように2つの第一ICタグリーダIR1が配置され、第一ICタグリーダIR1と異なる箇所に2つの第二ICタグリーダIR2が配置されている。さらに、搬入口Ti1、Ti2のチェーンコンベアCCの流入側にはチェーンコンベアCC上に搬送品Wkがあるか否かを検知する在荷センサKs1及びKs2が配置されている。
【0089】
その他、第3コンベア搬送装置300は搬入口Ti1、Ti2近傍に搬入する前に搬送品WkのバーコードTcを読み取るバーコードリーダIP(図2を参照)と、搬送品Wkの搬送状態などを示しているモニターMT(図2を参照)とをさらに備えている。また、バーコードリーダ、モニター、搬入センサ、搬出センサ、ICタグリーダ及び在荷センサに通信接続されて搬送品Wkの搬送及びトラッキングをコントロールするコントローラCT(図2を参照)を備えている。
【0090】
<搬送品Wkのトラッキング方法>
搬送品Wkの搬入前に、作業者OPが搬送品Wk1及びWk2のバーコードTcを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2に関する情報を入力し(図2を参照)、該情報に基づいて搬送品Wkの情報レコードRc(図4を参照)を生成する。
【0091】
搬入側において、例えば搬送品Wk1が搬入口Ti1から搬入され、搬送品Wk2が搬入口Ti2から搬入される。このとき、まず在荷センサKs1で搬入口Ti1直前の搬入エリアArtに搬送品があるか否かを検知し、搬入エリアArtが空いているとモニターMTに搬送品Wk1の搬入可能を表示する。同様に、在荷センサKs2で搬入口Ti2直前の搬入エリアArvに搬送品があるか否かを検知し、搬入エリアArvが空いているとモニターMTに搬送品Wk2の搬入可能を表示する。
【0092】
そして、第一ICタグリーダIR1で搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vを読み取り、搬入センサSi1及びSi2で搬送品Wk1及びWk2の後端BEをそれぞれ検知する。その後、コントローラCTは搬送品Wk1及びWk2の情報レコードRcと、搬送品Wk1及びWk2の後端BEが位置している搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vとを関連付ける。
【0093】
搬送中において、第二ICタグリーダIR21で搬入エリアArt及びArvのICタグ10t及び10vのみを読み取ることで、搬送品Wk1及びWk2に対してトラッキングすることができる。また、第二ICタグリーダIR22で搬入エリアArtのICタグ10tのみを読み取ることで、搬送品Wk1に対してトラッキングすることができる(搬送品Wk2は搬出口To2から搬出)。
【0094】
搬出側において、例えば搬送品Wk2が搬出口To1から搬入され、搬送品Wk1が搬出口Ti2から搬入される。このとき、搬出口To1のチェーンコンベアCCの流出側に配置された搬出センサSo1が搬送品Wk2の搬出を検知しコントローラCTが搬送品Wk2の情報レコードRcと、搬入エリアArvのICタグ10vとを関連付けをリセットする。同様に、搬出口To2のチェーンコンベアCCの流出側に配置された搬出センサSo2が搬送品Wk1の搬出を検知しコントローラCTが搬送品Wk1の情報レコードRcと、搬入エリアArtのICタグ10tとを関連付けをリセットする。
【0095】
上述のように、関連付けとリセットとを交互に行うことによりチェーンコンベアCCで搬送品Wkが搬入、搬送及び搬出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
10、10a〜10v、10A、10B … ICタグ
100、200、300 … コンベア搬送装置
Ar … エリア
BC … ベルトコンベア
BE … 搬送品の後端
CC … チェーンコンベア
CT … コントローラ
Ip … バーコードリーダ
IR … ICタグリーダ
MT … モニター
OP … 作業者
P … ICタグ同士の距離
R1、R2 … ローラ
RL … 警告ランプ、 BL … 許可ランプ
RY … 作業領域
Si、Si1、Si2 … 搬入センサ、 So、So1、So2 … 搬出センサ
Tc … 搬送品のバーコード
Wk … 搬送品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し、前記搬送品を前記環状コンベア上でトラッキングするトラッキング方法であって、
前記環状コンベアに載置される前に前記搬送品に関する情報を順次入力し、前記搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置される搬入場所で前記識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置され、前記搬送品の搬送方向の後端を検知した際に前記識別コードと前記情報レコードとを関連付ける関連付け工程と、
前記搬入場所とは異なる場所で、前記識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程と、を備え
前記第2識別コード読み取り工程の前記識別コードのみで前記環状コンベア上の前記搬送品のトラッキングを行うトラッキング方法。
【請求項2】
前記第2識別コード読み取り工程後で且つ前記搬送品が前記環状コンベアから搬出された後に、前記識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットするリセット工程を備える請求項1に記載のトラッキング方法。
【請求項3】
前記搬送品は2つの搬送品を含み、前記搬送品レコード生成工程は前記2つの搬送品が1つの搬送品として扱われるように連結する連結情報を含む前記情報レコードを2つ生成し、
隣り合う前記識別コードの間に前記2つの搬送品が載置された際には、前記関連付け工程は前記連結情報を含む2つの情報レコードに対して1つの前記識別コードを関連付ける請求項1又は請求項2に記載のトラッキング方法。
【請求項4】
前記所定間隔を越える長さの前記搬送品が載置された際には、前記関連付け工程は前記情報レコードの1つに対して前記搬送方向の後方の前記識別コードが関連付ける請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトラッキング方法。
【請求項5】
前記環状コンベアは、第1環状コンベアと前記第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、
前記識別コードは、前記第1環状コンベア用の第1識別コードと前記第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、
前記搬送品が前記第1環状コンベアから搬出された後に、前記リセット工程は前記第1識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットし、
前記搬送品が前記第2環状コンベアに搬入された際に、前記関連付け工程は前記第2識別コードと前記情報レコードとを関連付ける請求項2に記載のトラッキング方法。
【請求項6】
前記情報レコードが前記連結情報を含まず、
前記関連付け工程が、前記搬送品の搬送方向の後端を2つ検知して、2つの前記情報レコードが1つの前記識別コードに関連付けられる際には、搬送エラーを報告する請求項3に記載のトラッキング方法。
【請求項7】
前記関連付け工程で前記搬送品の前記後端が検知された際、前記搬入場所に、別の搬送品が搬入されないように作業者に警告を指示する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のトラッキング方法。
【請求項8】
搬送品を搬送するとともに前記搬送品をトラッキングするコンベア搬送装置であって、
搬送方向に所定間隔に配置された識別コードを複数有する環状に構成された環状コンベアと、
前記環状コンベアに載置される前に前記搬送品に関する情報レコードを入力する入力部と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置される搬入場所で前記識別コードを読み取る第1識別コード読み取り部と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置されたことを検知する搬入センサと、
前記搬入センサからの検知信号に基づいて、前記識別コードと前記情報レコードとを関連付けるコントローラと、
前記搬入場所とは異なる場所で、前記識別コードを読み取る第2識別コード読み取り部と、を備え、
前記第2識別コード読み取り部の前記識別コードのみで前記環状コンベア上の前記搬送品のトラッキングを行うコンベア搬送装置。
【請求項9】
前記搬送品が前記環状コンベアから搬出されたことを検知する搬出センサを備え、
前記コントローラは、前記識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットする請求項8に記載のコンベア搬送装置。
【請求項10】
前記搬入センサ及び前記搬出センサは、前記搬送品の搬送方向の後端を検知する請求項8又は請求項9に記載のコンベア搬送装置。
【請求項11】
前記環状コンベアは、第1環状コンベアと前記第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、
前記識別コードは、前記第1環状コンベア用の第1識別コードと前記第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、
前記第1環状コンベアの搬出位置には前記搬出センサが配置され、
前記第2環状コンベアの搬入位置には前記搬入センサが配置され、
前記コントローラは、前記搬送品が前記第1環状コンベアから搬出された後に、前記第1識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットし、前記搬送品が前記第2環状コンベアに搬入された際に、前記第2識別コードと前記情報レコードとを関連付ける請求項9又は請求項10に記載のコンベア搬送装置。
【請求項1】
搬送方向に所定間隔で配置された識別コードを複数有する環状コンベアで搬送品を搬送し、前記搬送品を前記環状コンベア上でトラッキングするトラッキング方法であって、
前記環状コンベアに載置される前に前記搬送品に関する情報を順次入力し、前記搬送品の情報レコードを生成する搬送品レコード生成工程と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置される搬入場所で前記識別コードを読み取る第1識別コード読み取り工程と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置され、前記搬送品の搬送方向の後端を検知した際に前記識別コードと前記情報レコードとを関連付ける関連付け工程と、
前記搬入場所とは異なる場所で、前記識別コードを読み取る第2識別コード読み取り工程と、を備え
前記第2識別コード読み取り工程の前記識別コードのみで前記環状コンベア上の前記搬送品のトラッキングを行うトラッキング方法。
【請求項2】
前記第2識別コード読み取り工程後で且つ前記搬送品が前記環状コンベアから搬出された後に、前記識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットするリセット工程を備える請求項1に記載のトラッキング方法。
【請求項3】
前記搬送品は2つの搬送品を含み、前記搬送品レコード生成工程は前記2つの搬送品が1つの搬送品として扱われるように連結する連結情報を含む前記情報レコードを2つ生成し、
隣り合う前記識別コードの間に前記2つの搬送品が載置された際には、前記関連付け工程は前記連結情報を含む2つの情報レコードに対して1つの前記識別コードを関連付ける請求項1又は請求項2に記載のトラッキング方法。
【請求項4】
前記所定間隔を越える長さの前記搬送品が載置された際には、前記関連付け工程は前記情報レコードの1つに対して前記搬送方向の後方の前記識別コードが関連付ける請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトラッキング方法。
【請求項5】
前記環状コンベアは、第1環状コンベアと前記第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、
前記識別コードは、前記第1環状コンベア用の第1識別コードと前記第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、
前記搬送品が前記第1環状コンベアから搬出された後に、前記リセット工程は前記第1識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットし、
前記搬送品が前記第2環状コンベアに搬入された際に、前記関連付け工程は前記第2識別コードと前記情報レコードとを関連付ける請求項2に記載のトラッキング方法。
【請求項6】
前記情報レコードが前記連結情報を含まず、
前記関連付け工程が、前記搬送品の搬送方向の後端を2つ検知して、2つの前記情報レコードが1つの前記識別コードに関連付けられる際には、搬送エラーを報告する請求項3に記載のトラッキング方法。
【請求項7】
前記関連付け工程で前記搬送品の前記後端が検知された際、前記搬入場所に、別の搬送品が搬入されないように作業者に警告を指示する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のトラッキング方法。
【請求項8】
搬送品を搬送するとともに前記搬送品をトラッキングするコンベア搬送装置であって、
搬送方向に所定間隔に配置された識別コードを複数有する環状に構成された環状コンベアと、
前記環状コンベアに載置される前に前記搬送品に関する情報レコードを入力する入力部と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置される搬入場所で前記識別コードを読み取る第1識別コード読み取り部と、
前記搬送品が前記環状コンベア上に載置されたことを検知する搬入センサと、
前記搬入センサからの検知信号に基づいて、前記識別コードと前記情報レコードとを関連付けるコントローラと、
前記搬入場所とは異なる場所で、前記識別コードを読み取る第2識別コード読み取り部と、を備え、
前記第2識別コード読み取り部の前記識別コードのみで前記環状コンベア上の前記搬送品のトラッキングを行うコンベア搬送装置。
【請求項9】
前記搬送品が前記環状コンベアから搬出されたことを検知する搬出センサを備え、
前記コントローラは、前記識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットする請求項8に記載のコンベア搬送装置。
【請求項10】
前記搬入センサ及び前記搬出センサは、前記搬送品の搬送方向の後端を検知する請求項8又は請求項9に記載のコンベア搬送装置。
【請求項11】
前記環状コンベアは、第1環状コンベアと前記第1環状コンベアの搬出位置に搬入位置を有する第2環状コンベアとを含み、
前記識別コードは、前記第1環状コンベア用の第1識別コードと前記第2環状コンベア用の第2識別コードとを有し、
前記第1環状コンベアの搬出位置には前記搬出センサが配置され、
前記第2環状コンベアの搬入位置には前記搬入センサが配置され、
前記コントローラは、前記搬送品が前記第1環状コンベアから搬出された後に、前記第1識別コードと前記情報レコードとの関連付けをリセットし、前記搬送品が前記第2環状コンベアに搬入された際に、前記第2識別コードと前記情報レコードとを関連付ける請求項9又は請求項10に記載のコンベア搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−25538(P2012−25538A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165464(P2010−165464)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(397051302)アマゾン ドット コム インコーポレイテッド (10)
【住所又は居所原語表記】410 Terry Ave.N.,Seattle,Washington 98109,U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(397051302)アマゾン ドット コム インコーポレイテッド (10)
【住所又は居所原語表記】410 Terry Ave.N.,Seattle,Washington 98109,U.S.A.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]