説明

搬送装置の制御装置

【課題】搬送装置を構成する複数の搬送台車の走行を協調させて制御する。
【解決手段】一対の車輪をそれぞれ駆動する一対のモータを有してなる搬送台車を、前後左右に複数並べて配置して重量物を搬送する搬送装置の制御装置を、各搬送台車を制御する複数の子コントローラと、各子コントローラを統括制御する親コントローラにより構成し、親コントローラは搬送装置の原点座標と各搬送台車の台車座標を記憶しておき、旋回走行等の制御モード指令に応答して、各搬送台車の操舵角を演算して操舵角指令値及び各搬送台車の台車座標における速度指令値を演算して子コントローラに出力し、子コントローラは操舵角指令値に基づいて自己の一対の車輪を互いに正逆方向に回転させて操舵角を制御し、速度指令値に基づいてそれぞれ自己の一対の車輪の回転速度をそれぞれ制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置の制御装置に係り、特に、複数の搬送台車を連結して大形の重量物の搬送を行う搬送装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の搬送台車を連結して大形の重量物の搬送する搬送装置は、建屋、倉庫、工場内ヤード、建設現場、その他の敷地内、あるいは一般道路等で、大形重量物の搬出、搬入又は搬送を行う場合に好適である。このような搬送装置は、搬送経路に設けられている建造物による高さ制限、あるいは安全面から重心の高さを低くすることが要望される。このような要望を満たすために、例えば特許文献1に記載された低床の搬送台車を複数連結した搬送装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の搬送台車は、搬送対象の重量物が載置される台座を水平面内で回動自在に走行台車に支持させ、走行台車を同軸に配置された一対の車輪(駆動車輪)に軸支させ、一対の車輪をそれぞれ別個のモータにより駆動するように構成されている。特に、一対の車輪を互いに同方向又は逆方向に回転させ、あるいは一方のみを回転させることにより、その場で台座に対する走行台車の走行方向を任意に変えられるように形成されている。このように形成された搬送台車を前後、左右に複数台並べて連結し、各搬送台車の台座の上に荷重が均等に加わるように大形の重量物を載置して搬送するようにしている。このような搬送装置によれば、各搬送台車を独立して、かつ協調させて駆動することにより重量物の搬送進路を自由に変更可能なので、狭いエリア内で進行方向を自由に変えながら重量物を搬送できる。
【0004】
また、特許文献1に記載の搬送台車の台座は、エアジャッキ等のジャッキアップ機構を備えて構成されているから、各搬送台車の台座の地上高を調整して、大形重量物を水平に搬送できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3525260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、搬送装置の走行を制御する制御装置について具体的に開示されていない。すなわち、搬送台車を前後左右に複数並べて配置して構成される搬送装置により1つの重量物を搬送する場合、各搬送台車がばらばらに動くことは許されない。例えば、搬送装置を旋回走行させる場合、内側を旋回する搬送台車と、外側を旋回する搬送台車は、旋回半径が異なることから、異なる旋回半径に応じて搬送台車の操舵角及び走行速度を協調させて制御しなければならないが、特許文献1では各搬送台車の走行を協調させて制御することについて、具体的に考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、搬送装置を構成する複数の搬送台車の走行を協調させて制御するのに好適な搬送装置の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、搬送対象物が載置される台座を水平面内で回動自在に走行台車に支持させ、前記走行台車を同軸に配置された一対の車輪に軸支させ、該一対の車輪をそれぞれ別個に駆動する一対のモータを有してなる搬送台車を前後左右に複数並べて配置し、複数の前記搬送台車の台座に重量物を載置して搬送する搬送装置の制御装置を、次のように構成したことを特徴とする。
【0008】
すなわち、搬送台車は、一対のモータをそれぞれ駆動制御するドライバと、台座面に平行な平面座標系の基準軸に対する一対の車輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、ドライバを制御する子コントローラを備えて構成する。また、子コントローラと有線又は無線により通信可能に設けられた親コントローラを設ける。親コントローラは、平面座標系における搬送装置の中心を原点座標として、各搬送台車の一対の車輪間の中心を台車座標として記憶しておき、入力される旋回走行、前進又は後退走行、左又は右走行、斜め走行の少なくとも一の制御モード指令に応答して、各搬送台車の操舵角を演算して操舵角指令値及び各搬送台車の台車座標における速度指令値を演算して、それぞれ前記子コントローラに出力するように構成する。一方、子コントローラは、入力される操舵角指令値に基づいて、ドライバを介してそれぞれ自己の一対の車輪を互いに正逆方向に回転させて操舵角を制御した後、速度指令値に基づいてドライバを介してそれぞれ自己の一対の車輪の回転速度をそれぞれ制御するように構成する。
【0009】
このように、搬送装置の制御装置を、各搬送台車に分散して設けられた子コントローラと、分散された複数の子コントローラを親コントローラで統括制御するようにしたことを特徴とする。つまり、親コントローラは、入力される旋回走行、前進又は後退走行、左又は右走行、斜め走行の少なくとも一の制御モード指令に応じて、搬送装置を構成する各搬送台車の操舵角指令値あるいは台車座標における速度指令値を演算等により決定するようにしている。その結果、各搬送台車の操舵角や速度の制御を容易に協調させることができる。
【0010】
一方、子コントローラは、親コントローラから入力される操舵角指令値あるいは速度指令値に応じて、それぞれ自己の一対の車輪の回転速度をそれぞれ求める。例えば、平面座標系の基準軸に対する各搬送台車の現在の操舵角と操舵角指令値との差を求め、その差をゼロにするように一対の車輪を互いに正逆方向に回転させる。これにより、搬送台車の台車座標を中心として搬送台車が回転し、平面座標系の基準軸に対する車輪の操舵角が操舵角指令値に制御される。つまり、親コントローラは、搬送装置を例えば左又は右走行させる制御モードのときは、操舵角指令値を平面座標系の基準軸に対して各搬送台車の操舵角を−90°又は+90°にする。また、搬送装置を例えば左旋回又は右旋回させる制御モードのときは、各搬送台車iに対してそれぞれ操舵角指令値θi(θは±の値をとる。)を出力する。
【0011】
また、親コントローラは、各搬送台車の速度指令値として台車座標における速度指令値を決めて、各子コントローラに出力する。各子コントローラは、自己の台車座標における速度指令値に基づいて一対の車輪の回転速度を求め、ドライバを介してそれぞれ一対の車輪の回転速度をそれぞれ制御する。このとき、前進又は後退走行、左又は右走行、斜め走行のときは、一対の車輪の回転速度は同一であるが、旋回走行のときは、搬送台車の旋回中心に対する一対の車輪の内輪と外輪の旋回半径に応じて、各子コントローラにより各車輪の回転速度を演算して制御する。
【0012】
上述したように、本発明によれば、親コントローラにより搬送装置の制御に合わせて、協調して制御すべき各搬送台車の操舵角指令値、搬送台車の速度指令値、旋回半径等の指令値を各子コントローラに出力し、各子コントローラはそれらの入力される指令値に基づいて、自己の搬送台車の個々の車輪の回転方向及び回転速度を制御するようにしている。これにより、親コントローラによる制御演算の負荷を減らすことができ、搬送台車の個々の車輪の回転方向及び回転速度の制御を子コントローラで分散して実行できる。その結果、親コントローラにより各搬送台車の制御を時分割で行う場合に比べて、各搬送台車の制御の時間遅れを最小化して、各搬送台車を同一時に協調して制御を行うことができる。
【0013】
本発明の場合において、前記親コントローラは、入力される車輪の速度制限値と前記搬送台車の一対の車輪の間隔を記憶しておき、前記旋回走行の制御モード指令が入力されたとき、入力される前記搬送装置の旋回中心座標と前記搬送装置の旋回半径に基づいて、各搬送台車の前記台車座標における旋回半径を算出し、各搬送台車の旋回半径の最大旋回半径を求めて前記速度制限値とともに前記子コントローラに出力し、前記子コントローラは、入力される最大旋回半径の車輪の回転速度を前記速度制限値以下に設定し、前記速度制限値を基準として旋回半径に応じて自己の各車輪の回転速度を算出して前記ドライバを制御することが好ましい。これによれば、各搬送台車の各車輪の回転速度を速度制限値以下に抑えて協調できるから、車輪の回転速度の不整合によるスリップ(空転)などを回避できる。
【0014】
また、本発明において、前記子コントローラは、前記ドライバに制御指令を生成する子演算処理部と、子演算処理部に設けられた記憶部と、子演算処理部に接続され有線又は無線により前記親コントローラと通信する子通信制御部とを有して形成され、前記親コントローラは、制御指令を入力する入力部と、該入力部に接続された親演算処理部と、該親演算処理部に設けられた記憶部と、前記親演算処理部に接続され前記子コントローラと通信する親通信制御部を備えて形成された構成とすることができる。
【0015】
また、前記子コントローラは、前記操舵角検出器から出力される検出信号を取り込んで、周期的に前記親コントローラに出力することができる。これにより、親コントローラは常に各搬送台車の操舵方向を認識することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搬送装置を構成する複数の搬送台車の走行を協調させて制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る制御装置が適用される搬送装置の全体構成を示す平面図であり、同図(a)は4台連結、同図(b)は8台連結、同図(c)は6台連結の搬送装置の実施例を示している。
【図2】本発明に係る制御装置が適用可能な一実施例の搬送台車の走行方向から見た正面図である。
【図3】図3(a)は図2の搬送台車の走行台車の横断面図、図3(b)は走行台車の側面図である。
【図4】本発明に係る制御装置の一実施形態のブロック構成図である。
【図5】搬送装置の搬送径路の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る制御装置による搬送台車の初期設定の一例を示すフローチャートである。
【図7】搬送台車の初期設定の動作を説明する図である。
【図8】本発明に係る制御装置による走行制御の一例の旋回制御を示すフローチャートである。
【図9】搬送台車の旋回動作を説明する図である。
【図10】本発明に係る制御装置による走行制御の一例の旋回走行の制御を示すフローチャートである。
【図11】搬送台車の旋回走行の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の搬送装置の制御装置の一実施形態について説明する。
図1(a)に示す搬送台車を4台連結してなる搬送装置の例に基づいて、本発明の制御装置の一実施形態を説明する。同図に示すように、搬送装置100は、4台の搬送台車1(a〜d)を前後左右に2台ずつ並べ、それらの搬送台車1(a〜d)を連結部材110により連結して形成されている。搬送台車1は、図1(a)の連結構成に限らず、搬送対象物の大きさ及び重量に応じて、同図(b)、(c)のように、8台連結あるいは6台連結の形態、さらには、より多数台連結の形態を採用することができる。
【0019】
各搬送台車1(a〜d)は、図2に示すように、それぞれ同一に構成されている。搬送台車1は、走行台車3と台座5を備えている。走行台車3は、2つの車輪7(a,b)を有しており、各車輪7(a,b)の回転が別個に制御されることにより、前進又は後退走行、旋回(操蛇)走行、左又は右走行の各動作が可能になっている。台座5は、水平面内で回動可能に走行台車3に支持されており、搬送対象物を載置して昇降させるジャッキ機能を有している。なお、走行台車3は、2つの車輪7とともに、車輪7の前後に1又は複数の補助輪又は走行面を摺動する補助足を設けることにより自走可能になっているが、補助輪と補助足については説明を省略する。
【0020】
走行台車3は、図2及び図3(a)、(b)に示すように、フレーム9と、同一軸回りに回転可能に軸支された2つの車輪7a,7bと、モータ11及び減速歯車列13から構成される駆動装置37を備えている。駆動装置37は、2つの車輪7a,7bに対応させて、図において左右対称に設けられている。フレーム9は、真上から見たときに矩形に形成された枠体15と、枠体15の前後方向に突き出した4本の延出部17a〜17dを有して形成されている。また、枠体15の内側の前後方向に2枚の仕切壁19a,19bが平行に設けられ、これにより枠体15は、3つの部屋に仕切られている。仕切壁19a,19bの外側の部屋に、それぞれ車輪7a、7bが収納されている。車輪7a、7bの回転軸21a、bは、枠体15と仕切壁19a、19bとにそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されている。
【0021】
延出部17a,17bには、それぞれモータ11を支持する貫通穴23が設けられている。延出部17c,17dは、延出部17a,17bの反対側に互いに平行に延出され、後述の台車制御装置を支持する貫通穴25が設けられている。モータ11の回転動力は、減速歯車列13を介して車輪7に伝達されるようになっている。減速歯車列13は、モータ11の回転軸に同軸となるように固定した小歯車27と、小歯車27と噛み合う複数の歯車29、31、33を備えている。ここで、モータ11を含む駆動装置37は、走行台車3の接地面から車輪7の高さの範囲内に設けられ、これにより低床化が図られている。さらに、走行台車3は、図3(b)に示すように、2つの車輪7に対して進行方向の前方及び後方に向かって、それぞれフレームの底面が上方向に傾斜するように、フレーム9の床面側が傾斜して形成されている。
【0022】
一方、枠体15の真中の部屋の枠体15の壁面には、それぞれ貫通穴39,41が設けられ、これらの貫通穴39,41に、図2に示す通し軸43が固定されている。したがって、通し軸43は車輪7の回転軸21と直交する水平方向に延在されている。通し軸43には、貫通穴49を有するブロック状の支持部材47が通し軸43回りに揺動可能に支持されている。支持部材47の上端面には、台座5を回転自在に支持する軸受51が設けられている。
【0023】
図2に示すように、台座5は、支持部材47に軸受51を介して支持される下板59と、この下板59に載置されて空気出入口を備えた袋状のエアバッグ61と、搬送対象物が載置されてエアバッグ61の上に載置される上板63と、下板59と上板63とを連結させる連結部材65を備えて構成される。エアバッグ61は、内部に空気を出し入れすることにより、膨張又は収縮して、上板63を昇降させるようになっている。なお、エアバッグ61は、図示していないエアホースと空気制御弁を介して圧縮空気源に連結されている。空気制御弁は搬送装置の制御装置により開閉調節されるようになっている。
【0024】
台座5の下板59の中央部の下面に中空の筒状部67が突出して設けられ、この筒状部67が支持部材47の軸受51に支持されるようになっている。これにより、台座5は水平面内で回動可能に走行台車3に支持されている。下板59の上面には、エアバッグ61が粘着シート(例えば、両面テープ)などで貼り付けられ、エアバッグ61の上には、上板63が載置されている。また、図2に示すように、下板59のエアバッグ61が載置される面と、上板63のエアバッグ61と対向する面には、それぞれエアバッグ61の四隅などの外縁に沿って突出する突条部75が設けられ、これによりエアバッグ61の位置ずれを規制している。
【0025】
図2に示すように、台座5の下板59と上板63の対向する各辺の中央付近は、それぞれ連結部材65で連結されている。連結部材65は、第1〜第4の板状部材77,79,81,83が、3つの回転軸部85,87,89で回動可能に連結された3軸の蝶番構造となっている。また、図示していないが、板状部材79と板状部材81は、連結部材65がエアバッグ61側に折り畳まれる方向にバネなどの弾性部材で付勢されている。つまり、エアバッグ61の伸縮に応じて上板63は昇降するが、上板63が最も高い位置に上昇されたとき連結部材65が延びきって直線状になると、次に下降するときに連結部材65が所定の方向に折れ曲がらないおそれがあるから、弾性部材の付勢力で連結部材65を所定の方向に折れ曲がるようにしている。また、連結部材65は、例えば、エアバッグ61の空気が完全に抜き出されて上板63が最下位に降下した状態で、完全に折り畳まれた状態となる。
【0026】
このように構成される搬送台車1の特徴動作について説明する。搬送台車1が平坦な路面を走行するとき、2つの車輪7の回転軸21と台座5はいずれも路面に対して平行である。このとき、通し軸43を介して互いに回動可能な支持部材47とフレーム9(走行台車3)は、相対的な回転角度がゼロとなっている。これに対し、搬送台車1がうねりや段差などのある路面を走行するときは、左右の車輪7a,7bにいずれか一方が段差などに乗り上げることが想定される。例えば、片方の車輪7bが段差に乗り上げたときには、フレーム9が支持部材47に対して通し軸43を中心として相対的に回動(揺動)する。これにより、搬送台車1は、走行台車3の片方の車輪7bが段差に乗り上げても、通し軸43の軸回りでフレーム9が回動して、台座5の水平状態が保持される。したがって、走行台車3が傾いても、各車輪7a,7bにかかる荷重の変動を抑制することができる。また、このときの衝撃荷重は、エアバッグ61が収縮して吸収する。さらに、車輪7a,7bにかかる偏荷重を抑制することができるから、車輪7や車輪7の回転軸21或いは回転軸21の軸受部などの損傷を防ぐことができるため、搬送台車1の耐久性を向上させることができる。
【0027】
次に、本発明の特徴である搬送装置の制御装置の実施形態について、図1(a)の4台連結の搬送装置100を例に説明する。図1(a)に示すように、4台の搬送台車1(a〜d)は前後左右に2台ずつ配置され、それらの搬送台車1(a〜d)は連結部材110によって連結されている。連結部材110は、搬送装置100の外周に位置する台座5の外側辺にボルトなどで固定された平板状の接合用ピース111と、これらの接合用ピース111同士を接合する角パイプなどの接合材112から構成されている。接合用ピース111と接合材112は、接合用ピース111の側縁を接合材112に沿って折り曲げ、ボルト113により固定して接合されている。これにより、4台の搬送台車1(a〜d)によって1台の搬送装置100が構成されている。
【0028】
このように構成される搬送装置100の制御装置の構成について、図4を参照して説明する。搬送装置100を構成する各搬送台車1(a〜d)には、車輪7a、bを歯車列からなる駆動装置37a、bを介して回転駆動するモータ11R,Lがそれぞれ設けられている。モータ11R,Lにはサーボモータが用いられ、モータ11R,Lには、サーボモータを駆動制御するサーボドライバ121R、Lが接続されている。これらにより、モータ11R,11Lは速度制御及びトルク制御されるようになっている。また、各搬送台車1(a〜d)には、台座5の重量物積載面に平行な平面座標系(X,Y)の基準軸(X軸又はY軸)に対する一対の車輪7a、7bの操舵角θを検出する操舵角検出器122と、サーボドライバ121R、Lを介して車輪7a、7bを制御する子コントローラ123を備え、これらにより台車制御装置が構成されている。
【0029】
搬送台車1aの子コントローラ123は、サーボドライバ121R、Lの制御指令を生成する子演算処理部CPUと、子演算処理部CPUに内蔵された記憶部と、子演算処理部CPUに接続され有線のLANケーブル124に接続された子通信制御部COMと、デジタル入出力部DIOと、デジタル−アナログ変換部D/Aと、パルスカウンタCNT1、2を備えて構成されている。デジタル入出力部DIOは、子演算処理部CPUとサーボドライバ121R、Lとの間の信号の入出力、及びモータ11R,Lへのブレーキ指令を出力するようになっている。デジタル−アナログ変換部D/Aは、子演算処理部CPUから出力される指令をアナログ信号に変換して、サーボドライバ121R、Lに速度指令及びトルク制限値を出力するようになっている。パルスカウンタCNT1は、サーボドライバ121R、Lからモータ11R,Lの回転数のパルスを取り込むようになっている。パルスカウンタCNT2は、操舵角検出器122から出力される操舵角の検出パルスを取り込んで計数し、操舵角を子演算処理部CPUに入力するようになっている。
【0030】
また、操舵角検出器122は、例えば、台座5を回転自由に支持させた走行台車3との相対的な回転角度を検出可能に形成されている。すなわち、台座5の筒状部67の外周面の全周に渡って所定ピッチで異なる磁気を着磁させた着磁帯を位相をずらして2条設け、その2条の着磁帯に対向させて、走行台車3側に2つの磁気センサ(A相、B相)を設けて構成することができる。これにより、台座5と走行台車3の相対回転角度の変化に応じて、また、相対回転の方向に応じて、操舵角検出器122の磁気センサから2列(A相、B相)の検出パルスが出力される。この2列の出力パルスを子コントローラ123のパルスカウンタCNT2で、相対回転方向に応じて増減計数することにより、台座5と走行台車3の相対回転角度(つまり、操舵角)を検出することができる。他の搬送台車1b〜dの子コントローラ123も同一に構成されている。
【0031】
各子コントローラ123の子通信制御部COMに接続されたLANケーブル124は、それぞれ別個に通信HUB125を介して親コントローラ126の親通信制御部COM1に通信可能に接続されている。親コントローラ126は、親演算処理部CPUと、指令等の入力部であるタッチパネル127と、タッチパネル127との通信を制御する通信制御部COM2を備えて構成されている。なお、タッチパネル127に代えて、キーボードなどの各種の入力装置を適用できる。また、LANケーブル124に代えて無線LANを用いることができ、タッチパネル127も、無線により通信制御部COM2と通信可能に形成することができる。
【0032】
このように構成される搬送装置の制御装置を用いることにより、例えば、図5に示すような搬送径路200を地点Aから地点Iまで、各搬送台車1a〜dを協調制御して搬送装置100を走行させることができる。つまり、地点A−B間は直進(前進)走行、地点B−C間は直進(左)走行、地点C−D間は斜め(後退)走行、地点D−E間は半径5mの旋回走行、地点E−F間は直進(前進)走行、地点F−G間は半径6mの旋回走行、地点G−H間は直進(前進)走行、地点H−I間は半径4mの旋回走行である。
【0033】
図5のような搬送径路200に沿って搬送装置100を走行させる際、各搬送台車1a〜dを協調して制御しなければ、何れかの車輪が空転したり、車輪が過負荷になる。以下、各子コントローラ123と親コントローラ126の協調制御について、図6〜図11を参照して、搬送装置100の旋回走行を中心に説明する。まず、搬送装置の制御装置が適切に機能するためには、搬送装置100に平面座標系を定義するとともに、各搬送台車1a〜dの台車座標系を平面座標系に整合させる必要がある。また、制御を開始するにあたって、各搬送台車1a〜dの操舵角θの初期状態を基準の操舵角(例えば、θ=0)に調整する必要がある。
【0034】
図6に、初期設定処理のフローチャートを示す。まず、各搬送台車1a〜dの台車座標(Xi,Yi、本例の場合、iはa〜d)を登録する(S1)。台車座標(Xi,Yi)は、図7に示すように、搬送装置100に平面座標系(X,Y)を定義する。平面座標系は、矩形の搬送装置100の中心を原点座標(0,0)とし、原点座標を通り、対向する辺に平行な直交2軸(X,Y)で平面座標系を規定する。一方、台車座標(Xi,Yi)は、各搬送台車1a〜dの一対の車輪間の中心を平面座標系で規定する。これにより、搬送装置100と各搬送台車1a〜dの位置関係を平面座標系で表すことができる。図7に基づいて、各搬送台車の台車座標(Xi,Yi)を実測等により決定し、タッチパネル127から入力して親コントローラ126の演算処理部CPUの記憶部に登録する。なお、積載する重量物の重心位置は、搬送装置100に原点座標位置に合わせることが好ましい。
【0035】
次いで、全ての搬送台車の台車座標(Xi,Yi)が登録されたことを確認する(S2)。全ての台車座標(Xi,Yi)の登録が完了したら、各搬送台車1a〜dの操舵角θを0°に初期設定する(S3)。操舵角θの初期設定は、例えば、図7に示すように、一対の車輪の回転軸を結ぶ線が、X軸に平行又はY軸に直交する状態を操舵角θ=0と定義する。そして、子コントローラ123のパルスカウンタCNT2で検出された台座5と走行台車3の相対回転角度、つまり一対の車輪の操舵角が0°になるように、タッチパネル127を介して各搬送台車1a〜dを制御する。すなわち、操舵角検出器122により検出された現在の操舵角θを子コントローラ123から親コントローラ126を介してタッチパネル127などの表示画面に出力表示する。これに基づいて、タッチパネル127から各搬送台車1a〜dの操舵角θを初期値0°に合わせる指令を入力すると、親コントローラ126から各子コントローラ123に操舵角θを初期値0°に合わせる指令が出力される。これにより、各子コントローラ123は、一対の車輪7a、bを互いに逆方向に回転させる旋回指令をサーボドライバ121R,Lに出力し、操舵角検出器122から出力される操舵角θの検出値を初期値0°に合わせるように、一対の車輪7a、bが互いに逆回転する。この車輪の操舵角θを初期値0°に合わせる処理を全ての搬送台車1a〜dについて実施したことを確認して(S4)、初期設定を完了する。
【0036】
次に、走行制御の手順について、図8〜図11を参照して説明する。初期設定が完了した後、タッチパネル127から制御モードの選択指令を入力する(S11)。制御モードには、図5の搬送径路200に沿って、搬送装置100を旋回走行させるか、前進又は後退走行させるか、左又は右走行させるか、斜め走行させる制御モードが含まれる。例えば、旋回走行モードが選択された場合は、ステップS12の判断で、ステップS13に進む。それ以外の制御モードのときは、選択された他の制御モードに進む(S31)。
【0037】
旋回走行モードが選択された場合、ステップS13において、タッチパネル127の要求に合わせて、タッチパネル127を操作して、図9に示すように搬送装置100の旋回中心座標(XO,YO)を入力する。これにより、親コントローラの親演算処理部CPUは、平面座標系において幾何学的に、各搬送台車1a〜dの台車座標(Xi,Yi)の旋回半径Riを算出する(S14)。そして、求めた旋回半径Riの中から最大旋回半径Rmaxを抽出する(S15)。例えば、図9の例では、搬送台車1aと1cの旋回半径Ra、Rcが最大旋回半径Rmaxになる。次いで、安全を確保するため、タッチパネル127からスタンバイSWがオンされているか否かを確認し(S16)、スタンバイSWがオンされていなければ、オンされるまで待つ。
【0038】
スタンバイSWがオンされていれば、親コントローラ126は、旋回走行させるための各搬送台車1a〜dの操舵角θiを算出する(S17)。すなわち、図9に示すように、旋回中心(XO,YO)と各搬送台車1a〜dの台車座標(Xi,Yi)を直線で結び、その直線に直交する方向の操舵角θa〜dを算出する。なお、この操舵角θa〜dは、旋回中心と各搬送台車1a〜dの台車座標を結ぶ直線と、X軸とのなす角度と同じである。求めた各搬送台車1a〜dの操舵角θa〜dは、親コントローラ126から各子コントローラ123に親通信制御部COMを介してそれぞれ出力される(S18)。
【0039】
各子コントローラ123は、子通信制御部COMを介して入力される操舵角θa〜dに基づいて、サーボドライバ121R,Lに指令を送り、モータ11R,Lを一対の車輪7a,bが互いに逆回転するように駆動する(S19)。例えば、図9において、搬送台車1aは、車輪7aを正転させ、車輪7bを逆転させて、一対の車輪7a,bの操舵角をθaに制御する。一方、搬送台車1cは、車輪7aを逆転させ、車輪7bを正転させて、一対の車輪7a,bの操舵角をθcに制御する。図9の例では、操舵角θは時計回りを正、反時計回りを負として定義している。
【0040】
各子コントローラ123は、ステップ19の操舵角調整後の操舵角θiを制御した後、操舵角検出器122により検出される操舵角検出値が操舵角指令値に一致したか否かを、パルスカウンタ部CNT2の内容により確認する(S20)。これは、例えば、何らかの異常(制御系の故障、段差などの車輪障害)により、車輪7a,bが所望のとおり回転しない異常を監視するためである。ステップS20において操舵角検出値が操舵角指令値に一致していない場合は、サイドステップS19に戻って操舵角制御を再試行する。再試行を設定回数(例えば、1〜2回)行っても、操舵角検出値が操舵角指令値に一致しない場合は、ステップS31に進んで異常処理を実行する。操舵角検出値が操舵角指令値に一致した場合は、操舵角制御を終了して、サーボドライバ121R,Lによるサーボ制御を一旦オフする。
【0041】
次に、図10に示すように、タッチパネル127から搬送装置100に対し、走行指令が入力されるまで待機する(S23)。走行指令が入力された場合は、ステップ24に進んで、サーボドライバ121R,Lによるサーボ制御をオンする。次いで、各搬送台車1a〜dの車輪の回転速度を算出する(S25)。各搬送台車1a〜dの車輪の回転速度の算出は、2段階に分かれている。つまり、まず、親コントローラ126により各搬送台車1a〜dの台車座標における速度指令値を求める。また、親コントローラ126には、予めタッチパネル127から入力設定された車輪の速度制限値Voと、搬送台車1a〜dの一対の車輪の共通の間隔Lが記憶されている。そして、親コントローラ126は、各搬送台車1a〜dの台車座標における速度指令値と、ステップS15で求めた最大旋回半径Rmaxと、車輪の速度制限値Voとを対応する子コントローラ123に出力する。
【0042】
各子コントローラ123は、予め記憶している車輪間隔Lと、入力される自己の搬送台車1の台車座標における速度指令値Viと、台車座標における旋回半径Riと、最大旋回半径Rmaxと、車輪の速度制限値Voとに基づいて、各車輪の回転速度ViR、ViLを算出する(S25)。この算出は、図指令の場合、以下の式になる。
ViR=Vo×(Ri+L/2)/Rmax
ViL=Vo×(Ri−L/2)/Rmax
つまり、車輪の速度制限値Voを受けるのは、最大旋回半径Rmaxの搬送台車の旋回半径が大きい方の車輪であることは明らかであるから、その車輪の回転速度ViR,Lが車輪の速度制限値Voを越えないことを条件として、他の車輪の回転速度をRmaxを基準に按分して各子コントローラ123において求める。
【0043】
ステップS25で算出した各車輪の回転速度ViR、ViLを各サーボドライバ121R,Lに出力して、各搬送台車1a〜dの走行を開始する(S26)。そして、走行中、各搬送台車1a〜dの操舵角θiを監視して(S27)、操舵角θiが許容範囲(例えば、±5°)を越えているときには、異常処理に移行する(S33)。ステップS27、28をタッチパネル127から走行停止指令が入力されるまで継続する(S29)。タッチパネル127から走行停止指令が入力されたときは、親コントローラ126は各搬送台車1a〜dの子コントローラ123に走行停止指令を出力して、サーボドライバ121R,Lによるサーボ制御を停止して、旋回走行を終了し(S30)、ステップS11に戻って、次の制御モード選択を待つ。
【0044】
他の制御モードの制御は、旋回走行の変形で対応することができる。例えば、前進又は後退走行の場合は、操舵角θ=0°に制御して各搬送台車1a〜dに同一の正又は負の速度指令値を与えればよい。また、左又は右走行の場合は、操舵角θ=90°又は−90°に制御して各搬送台車1a〜dに同一の正又は負の速度指令値を与えればよい。さらに、斜め走行の場合は、操舵角θを任意の値に制御して、各搬送台車1a〜dに同一の正又は負の速度指令値を与えればよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の搬送装置の制御装置によれば、各子コントローラ123と親コントローラ126は、親コントローラ126により搬送装置100の制御に合わせて、協調して制御すべき各搬送台車1a〜dの操舵角指令値、搬送台車1a〜dの速度指令値、旋回半径等の指令値を各子コントローラ123に出力し、各子コントローラ123はそれらの入力される指令値に基づいて、自己の搬送台車1a〜dの個々の車輪の回転方向及び回転速度を制御するようにしている。これにより、親コントローラ126による制御演算の負荷を減らすことができ、搬送台車1a〜dの個々の車輪の回転方向及び回転速度の制御を子コントローラ123で分散して実行できる。その結果、親コントローラ126により各搬送台車1a〜dの制御を時分割で行う場合に比べて、各搬送台車1a〜dの制御の時間遅れを最小化して、各搬送台車1a〜dを同一時に協調して制御を行うことができる。
【0046】
なお、上記実施形態では説明しなかったが、サーボドライバ121R,Lは、子演算処理部CPUから出力されるトルク制限値を取り込み、モータ11R,Lの出力トルクをトルク制限値に従って制限するように構成されている。これにより、例えば1つの車輪が段差に乗り上げたことにより過負荷になるのを防止できる。また、トルク制限により車輪の動力が減った分は、サーボドライバ121R,Lにより他の車輪のモータ11R,Lのトルクが増加してバックアップすることができる。また、サーボドライバ121R,Lは、モータ11R,Lの回転速度(正転、逆転)を常に監視しており、その回転速度をパルスカウンタ部CNT1を介して、子コントローラ123及び親コントローラ126に出力するようになっている。これにより、子コントローラ123及び親コントローラ126は、サーボドライバ121R,L又はモータ11R,Lの協調制御異常の有無を速やかに監視することができる。
【符号の説明】
【0047】
1a〜d 搬送台車
7a、b 車輪
11R,L モータ
37a,b 駆動装置
121R,L サーボドライバ
122 操舵角検出器
123 子コントローラ
124 LANケーブル
125 HUB
126 親コントローラ
127 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物が載置される台座を水平面内で回動自在に走行台車に支持させ、前記走行台車を同軸に配置された一対の車輪に軸支させ、該一対の車輪をそれぞれ別個に駆動する一対のモータを有してなる搬送台車を前後左右に複数並べて配置し、複数の前記搬送台車の台座に重量物を載置して搬送する搬送装置の制御装置において、
前記搬送台車は、前記一対のモータをそれぞれ駆動制御するドライバと、前記台座面に平行な平面座標系の基準軸に対する前記一対の車輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、前記ドライバを制御する子コントローラを備えてなり、
前記子コントローラと有線又は無線により通信可能に設けられた親コントローラを設け、
前記親コントローラは、前記平面座標系における前記搬送装置の中心を原点座標として、各搬送台車の一対の車輪間の中心を台車座標として記憶しておき、入力される旋回走行、前進又は後退走行、左又は右走行、斜め走行の少なくとも一の制御モード指令に応答して、各搬送台車の操舵角を演算して操舵角指令値及び各搬送台車の前記台車座標における速度指令値を演算して前記子コントローラに出力し、
前記子コントローラは、入力される前記操舵角指令値に基づいて、前記ドライバを介してそれぞれ自己の一対の車輪を互いに正逆方向に回転させて操舵角を制御した後、前記速度指令値に基づいて前記ドライバを介してそれぞれ自己の一対の車輪の回転速度をそれぞれ制御することを特徴とする搬送装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置の制御装置において、
前記親コントローラは、入力される車輪の速度制限値と前記搬送台車の一対の車輪の間隔を記憶しておき、前記旋回走行の制御モード指令が入力されたとき、入力される前記搬送装置の旋回中心座標と前記搬送装置の旋回半径に基づいて、各搬送台車の前記台車座標における旋回半径を算出し、各搬送台車の旋回半径の最大旋回半径を求めて前記速度制限値とともに前記子コントローラに出力し、
前記子コントローラは、入力される最大旋回半径の車輪の回転速度を前記速度制限値とし、前記速度制限値を基準として自己の各車輪の回転速度を算出して前記ドライバを制御することを特徴とする搬送装置の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の搬送装置の制御装置において、
前記子コントローラは、前記ドライバに制御指令を生成する子演算処理部と、子演算処理部に設けられた記憶部と、子演算処理部に接続され有線又は無線により前記親コントローラと通信する通信制御部とを有して形成され、
前記親コントローラは、制御指令を入力する入力部と、該入力部に接続された演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部と、前記演算処理部に接続され前記子コントローラと通信する通信制御部を備えて形成されたことを特徴とする搬送装置の制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置の制御装置において、
前記子コントローラは、前記操舵角検出器から出力される検出信号を取り込んで、周期的に前記親コントローラに出力することを特徴とする搬送装置の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−81585(P2011−81585A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233027(P2009−233027)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000178011)山九株式会社 (48)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】