説明

搬送車および搬送車システム

【課題】左右の車輪に別個にモータが設けられて独立して車輪を駆動可能な搬送車において、走行挙動を安定化する。
【解決手段】搬送車3において、速度パターン発生部62は、第1モータ26および第2モータ29を制御する。速度パターン発生部62は、搬送車3が曲線部203を走行するときに、速度指令パターンを速度比率テーブル300を用いて異なる速度指令に変換することで、第1モータ26および第2モータ29を制御している。速度比率テーブル300は、カーブ走行開始テーブル304と、カーブ走行継続テーブル305と、カーブ走行終了テーブル306とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車および搬送車システムに関し、特に、左右の車輪に別個にモータが設けられて独立して車輪を駆動可能な搬送車および搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型化したガラス基板やそれが複数枚収納されたカセットを搬送するための搬送車が知られている。搬送車は、工場内のクリーンルーム内を自動走行して、処理装置間で物品を搬送する。
【0003】
搬送車が走行する軌道は、例えば、天井から吊り下げられたレールである。レールおよび搬送車が走行する空間は、外部から遮断されたクリーンルームになっている。
【0004】
搬送車は、左右両側に車輪を有しており、一方の車輪にモータが接続されて駆動輪になっており、他方の車輪が従動輪になっている。搬送車は、さらに、左右のガイドレールに当接するガイドローラを有している(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−4374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
搬送車がカーブを走行する際には、左右の車輪に適切な速度差が生じさせる必要がある。しかし、左右の車輪にそれぞれ別個のモータを設けることで、左右の車輪を駆動輪として独立して駆動する場合、左右の車輪の駆動を適切に行うことが困難であった。そのため、特許文献1では、駆動輪を前後に配置して搬送車を走行させている。
【0007】
本発明の課題は、左右の車輪に別個にモータが設けられて独立して車輪を駆動可能な搬送車において、走行挙動を安定化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0009】
本発明の一見地に係る搬送車は、曲線部を含む軌道に沿って走行する搬送車であって、車体と、第1走行車輪および第2走行車輪と、第1モータおよび第2モータと、走行コントローラとを備えている。第1走行車輪および第2走行車輪は、車体の左右に設けられている。第1モータおよび第2モータは、第1走行車輪および第2走行車輪にそれぞれ接続されている。走行コントローラは、第1モータおよび第2モータを制御する。走行コントローラは、搬送車が曲線部を走行するときに、速度指令パターンを左右車輪速度比率テーブルを用いて異なる速度指令に変換することで、第1モータおよび第2モータを制御している。左右車輪速度比率テーブルは、カーブ走行開始テーブルと、カーブ走行継続テーブルと、カーブ走行終了テーブルとを有している。
この搬送車では、走行コントローラが第1モータおよび第2モータを制御して、それにより左右の第1走行車輪および第2走行車輪が独立して駆動される。より具体的には、走行コントローラは、搬送車が曲線部を走行するときに、左右車輪速度比率テーブルを用いて速度指令パターンを異なる速度指令に変換することで、第1モータおよび第2モータを制御している。そのため、第1走行車輪と第2走行車輪が適切な速度差を与えられた状態で、搬送車が曲線部を走行する。
また、左右車輪速度変換テーブルが、カーブ走行開始テーブルと、カーブ走行継続テーブルと、カーブ走行終了テーブルとを有しているので、これら各テーブルを使い分けることができる。つまり、曲線部の長さに合わせた速度パターンまたはテーブルを用意する必要がない。
【0010】
走行コントローラは、カーブ走行開始テーブルを用いて速度指令パターンを変換している途中でカーブ終了を把握した場合は、カーブ走行終了テーブルを用いて速度指令パターンを変換してもよい。カーブ走行終了テーブルは、カーブ終了把握時におけるカーブ走行開始テーブルの速度比率と同じ速度比率の箇所から用いられる。
この場合、カーブ走行開始テーブルを用いている途中であってカーブ走行終了テーブルを用いることができる。つまり、異なる長さの曲線部にも対応可能である。
【0011】
走行コントローラは、カーブ走行終了テーブルを用いて速度指令パターンを変換している途中でカーブ開始を把握した場合は、カーブ走行開始テーブルを用いて速度指令パターンを変換してもよい。カーブ走行開始テーブルは、カーブ開始把握時におけるカーブ走行終了テーブルの速度比率と同じ速度比率の箇所から用いられる。
この場合、カーブ走行終了テーブルを用いている途中であってカーブ走行開始テーブルを用いることができる。つまり、異なる長さの曲線部にも対応可能である。
【0012】
本発明の他の見地に係る搬送車システムは、軌道と、上述の搬送車と、被検出部材と、検出器と、判定部とを備えている。被検出部材は、軌道の曲線部におけるカーブ開始位置からカーブ終了位置まで設けられている。検出器は、車体に設けられ、被検出部材を検出可能である。判定部は、検出器からの検出結果に基づいて、車体の位置を判定する。
このシステムでは、検出器からの検出結果に基づいて、判定部が車体の位置を判定するので、搬送車の正確な位置が得られる。それにより、走行コントローラは、左右車輪速度比率テーブルを用いて速度指令パターンを異なる速度指令に精度良く変換できる。
【0013】
被検出部材の開始部分が、曲線部のカーブ開始位置よりも走行方向手前に設けられていてもよい。
この場合は、被検出部材の開始部分が曲線部のカーブ開始位置よりも走行方向手前に設けられているので、速度指令パターンを左右車輪速度比率テーブルを用いて異なる速度指令に変換することが、搬送車が曲線部に到達する前に開始される。したがって、搬送車の曲線部における走行が安定して、その結果、ガイドローラがガイドに強く接触するような不具合が生じにくい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る搬送車または搬送車システムでは、左右車輪速度変換テーブルが、カーブ走行開始テーブルと、カーブ走行継続テーブルと、カーブ走行終了テーブルとを有しているので、曲線部の長さに合わせた速度パターンまたはテーブルを用意する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態が採用された搬送車システムの模式図。
【図2】搬送車システムの部分平面図。
【図3】搬送車システムの制御構成を示すブロック構成図。
【図4】搬送車の走行制御部を示すブロック構成図。
【図5】カーブ走行時の速度比率テーブル。
【図6】カーブ走行時の速度比率テーブル、カーブ走行時に機体中心に駆動車輪があると想定した場合の速度指令のグラフ、および速度指令を速度比率テーブルを用いて左右車輪速度に変換した場合の左右車輪の速度のグラフ。
【図7】曲線部走行時の走行制御部の動作を示すフローチャート。
【図8】カーブ走行開始テーブルによる変換中に曲線終了となる場合に実際に利用される速度比率テーブル。
【図9】カーブ走行終了テーブルによる変換中に曲線開始となる場合に実際に利用される速度比率テーブル。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1)搬送車システム
図1を用いて本発明の一実施形態が採用された搬送車システム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態が採用された搬送車システムの模式図である。
【0017】
搬送車システム1は、軌道2と、軌道2上を走行する搬送車3と有している。この実施形態では、軌道2は天井から吊り下げられており、さらに、軌道2の周囲はクリーンルームになっている。
【0018】
軌道2は、走行レール4とガイドレール6を有している。走行レール4は、左右の第1走行レール4aおよび第2走行レール4bから構成されている。第1走行レール4aおよび第2走行レール4bは、平坦な走行面を有している。
【0019】
ガイドレール6は、第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bを有している。第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bは、第1走行レール4aおよび第2走行レール4bの外側端にそれぞれ設けられている。第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bは上方に延びている。
【0020】
また、第1走行レール4aおよび第2走行レール4bに沿って、図示しない給電線が設けられている。
【0021】
軌道2は、図2に示すように、第1直線部201と、第1直線部201の先にある分岐部206と、分岐部206から右側に曲がる曲線部203と、分岐部206からそのまま直線状に延びる第2直線部202とを有している。
【0022】
第1走行レール4aと第2走行レール4bは、第1直線部201から、分岐部206を通って、第2直線部202と曲線部203の両方に分かれて延びている。
【0023】
第1直線部201から第2直線部202に向かう部分の第1走行レール4aには、分岐部206において第1ガイドレール6aが設けられていない。さらに、第1直線部201から曲線部203に向かう部分の第2走行レール4bには、分岐部206において第2ガイドレール6bが設けられていない。
【0024】
(2)搬送車
搬送車3は、搬送車本体15と、駆動走行部18と、従動走行部19を有している。搬送車本体15の構造は従来と同じであるので説明を省略する。駆動走行部18および従動走行部19は、搬送車本体15に対してそれぞれ回動自在に取り付けられるボギー台車である。
【0025】
図1を用いて、駆動走行部18を説明する。駆動走行部18は、主に、本体フレーム20と、第1駆動輪ユニット21と、第2駆動輪ユニット22と、固定ガイドローラ機構(31,32)と、分岐ガイドローラ機構(33,34,35)とを有している。
【0026】
第1駆動輪ユニット21は、本体フレーム20の右側端部に装着されており、第1走行車輪25と、第1モータ26と、第1エンコーダ27とを有している。第1走行車輪25は、第1走行レール4aの走行面の上に載っている。第1モータ26は、第1走行車輪25に連結されている。第1エンコーダ27は、第1モータ26の回転を計測して、パルス信号を送信する。これにより、第1モータ26の回転速度や回転回数を得ることができる。
【0027】
第2駆動輪ユニット22は、本体フレーム20の左側端部に装着されており、第2走行車輪28と、第2モータ29と、第2エンコーダ30とを有している。第2走行車輪28は、第2走行レール4bの走行面の上に載っている。第2モータ29は第2走行車輪28に連結されている。第2エンコーダ30は、第2モータ29の回転を計測して、パルス信号を送信する。これにより、第2モータ29の回転速度や回転回数を得ることができる。
【0028】
固定ガイドローラ機構(31,32)は、一対の第1固定ガイドローラ31と、一対の第2固定ガイドローラ32とを有している。一対の第1固定ガイドローラ31は、本体フレーム20の右側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第1固定ガイドローラ31は、第1走行車輪25の走行方向前後両側に離れて配置され、第1ガイドレール6aの内側に常に当接または近接している。一対の第2固定ガイドローラ32は、本体フレーム20の左側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第2固定ガイドローラ32は、第2走行車輪28の走行方向前後両側に離れて配置され、第2ガイドレール6bの内側に常に当接または近接している。
【0029】
分岐ガイドローラ機構(33,34,35)は、分岐部206において分岐動作を行うための機構であり、一対の第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34と、第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)とを有している。
【0030】
第1分岐ガイドローラ33は、第1固定ガイドローラ31に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ34は、第2固定ガイドローラ32に対応して配置されている。第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)は、第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34の位置を変更するための機構である。
【0031】
以上の構造により、第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)によって、第1分岐ガイドローラ33および第2分岐ガイドローラ34が第1ガイドレール6aの外側に当接または近接するガイド位置と、第1ガイドレール6aから離れた非ガイド位置との間で移動する。
【0032】
従動走行部19は、主に、本体フレーム23と、第1従動輪36と、第2従動輪37と、第2固定ガイドローラ機構(40,41)と、第2分岐ガイドローラ機構(42,43,44)とを有している。
第1従動輪36は、走行レール4の第1走行レール4aの上に載っている。第2従動輪37は、走行レール4の第2走行レール4bの上に載っている。
【0033】
第2固定ガイドローラ機構(40,41)は、一対の第3固定ガイドローラ40と、一対の第4固定ガイドローラ41とを有している。第3固定ガイドローラ40は、本体フレーム23の右側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第3固定ガイドローラ40は、第1従動輪36の走行方向前後両側に離れて配置され、第1ガイドレール6aの内側に常に当接または近接している。第4固定ガイドローラ41は、本体フレーム23の左側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第4固定ガイドローラ41は、第2従動輪37の走行方向前後両側に離れて配置され、第2ガイドレール6bの内側に常に当接または近接している。
【0034】
第2分岐ガイドローラ機構(42,43,44)は、分岐部206において分岐動作を行うための機構であり、一対の第3分岐ガイドローラ42と、第4分岐ガイドローラ43と、第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)とを有している。
【0035】
第1分岐ガイドローラ33は、第1固定ガイドローラ31に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ34は、第2固定ガイドローラ32に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)は、第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34の位置を変更するための機構である。
【0036】
以上の構造により、第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)によって、第3分岐ガイドローラ42および第4分岐ガイドローラ43が第1ガイドレール6aの外側に当接または近接するガイド位置と、第1ガイドレール6aから離れた非ガイド位置との間で移動する。
【0037】
(3)被検出部およびセンサ
図2を用いて、走行レール4に沿って設けられた複数種類の被検出部について説明する。被検出部は、反射テープ11と、バーコード13と、磁気マーク14とを含んでいる。なお、図2では、反射テープ11と、バーコード13と、磁気マーク14は、走行レール4の内側に図示されているが、実際には走行レール4上またはガイドレール上面に設けられている。
反射テープ11は、曲線部203において搬送車3の位置を検出するための部材であり、曲線部203に配置されている。反射テープ11の開始端11aは、曲線部203の実際の開始位置203aより走行方向手前に配置されている。また、反射テープ11の終了端(図示せず)は、実際の曲線部の終了位置(図示せず)より手前に配置されている。
バーコード13は、走行レール4の原点マークおよび複数の基準マークとして機能している。
磁気マーク14は、搬送車3の停止位置を示す部材である。磁気マーク14は、鋼などの磁性体や、銅やアルミなどの非磁性体で構成されている。この実施形態では、磁気マーク14は、第1直線部201に配置されており、磁気マーク14の中間が停止位置80になっている。
【0038】
駆動走行部18および従動走行部19には、さらに、図3に示すように、光電センサ47と、リニアスケール49と、バーコードリーダ50とが設けられている。光電センサ47は、反射テープ11を検出するためのものである。なお、図における光電センサ47は、右側に曲がる曲線部を走行中の位置を検出するためのセンサであり、左側に曲がる曲線部用のセンサ(図示せず)は別に設けられている。リニアスケール49は、磁気マーク14を検出するためのものである。リニアスケール49は、磁気マーク14に対する搬送車3の絶対位置、言い換えれば磁気マーク14を基準とする位置を求める。バーコードリーダ50は、バーコード13を検出するためのものである。
【0039】
(4)制御構成
図3を用いて、搬送車システム1の制御構成を説明する。図3は、搬送車システムの制御構成を示すブロック構成図である。
【0040】
搬送車システム1は、搬送車コントローラ52を有している。搬送車コントローラ52は、複数の搬送車3の走行を管理するためのコントローラである。搬送車コントローラ52と搬送車3は交信可能である。搬送車コントローラ52は、コントローラ本体54と、メモリ55を有している。コントローラ本体54は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。メモリ55内には、ルートマップが記憶されている。
【0041】
ルートマップとは、走行ルートの配置、原点の位置、原点を基準とする基準位置や移載位置の座標を記載したマップである。座標は、原点からの走行距離を搬送車のエンコーダの出力パルス数などに換算したものである。
【0042】
搬送車3は、走行制御部59を有している。走行制御部59は、搬送車コントローラ52からの指令に基づいて第1モータ26と第2モータ29に駆動信号を送信できる。走行制御部59は、さらに、分岐制御部60に接続されている。分岐制御部60は、搬送車コントローラ52からの指令に基づいて第1分岐ガイドローラ駆動部35および第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)に駆動信号を送信できる。
【0043】
(5)搬送車の走行制御系
図4を用いて、走行制御部59を説明する。図4は、搬送車の走行制御部を示すブロック構成図である。
走行制御部59は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータであり、ルートマップ61と、速度パターン発生部62と、第1モータ制御部63と、第2モータ制御部64、速度比率テーブル300とを有している。
【0044】
さらに、走行制御部59には、第1エンコーダ27、第2エンコーダ30、光電センサ47,リニアスケール49およびバーコードリーダ50が接続されている。
ルートマップ61は、走行制御部59内のメモリに保存されている。速度パターン発生部62は、搬送車コントローラ52と交信可能である。
【0045】
走行制御部59は、搬送車コントローラ52から搬送指令を受け取ると、ルートマップ61に基づいて現在位置から停止位置までの距離を求めて、当該距離を速度パターン発生部62に入力する。速度パターン発生部62は、ルートマップ61上の現在位置の座標と、目的位置の座標との差から走行距離を算出し、これによって停止位置までの走行速度のパターンを発生する。
【0046】
第1モータ制御部63は、第1誤差増幅部65Aと、第1PID制御部66Aと、第1アンプ67Aとを主に有している。第1誤差増幅部65Aは誤差を増幅する。第1PID制御部66Aは、第1誤差増幅部65Aで求めた誤差に基づいてPID制御を行う。第1アンプ67Aは、第1モータ26への電流増幅などを行う。第1エンコーダ27が、第1モータ26の回転軸の回転数を検出し、これにより得る第1走行車輪25の現在位置と速度が速度パターン発生部62や第1誤差増幅部65Aに入力される。なお、第1モータ制御部63の構成は一実施例であって、本発明はこれに限定されない。
【0047】
第2モータ制御部64は、第2誤差増幅部65Bと、第2PID制御部66Bと、第2アンプ67Bと、PI制御部68を主に有している。第2誤差増幅部65Bは誤差を増幅する。第2PID制御部66Bは、第2誤差増幅部65Bで求めた誤差に基づいてPID制御を行う。PI制御部68は、第2PID制御部66Bと並列に配置されており、第2誤差増幅部65Bで求めた誤差に基づいてPI制御を行う。第2アンプ67Bは、第2モータ29への電流増幅などを行う。第2エンコーダ30が、第2モータ29の回転軸の回転数を検出し、これにより得る第2走行車輪28の現在位置と速度が速度パターン発生部62や第2誤差増幅部65Bに入力される。なお、第2モータ制御部64の構成は一実施例であって、本発明はこれに限定されない。
以上に述べた構成によって、搬送車3は、ルートマップ61に記載の座標と自機の内部座標(エンコーダによって求めた座標)とを比較しながら走行を続ける。
【0048】
(6)走行制御動作の概略説明
搬送車3は、一般的に、軌道2に沿って、ルートマップ61から求めた所要走行距離と、第1エンコーダ27および第2エンコーダ30から求めた現在位置ならびに現在速度により走行制御を行う。
【0049】
搬送車3が曲線部203を走行する際の制御動作について説明する。曲線部203を走行する際には、一般的に、左右のモータが完全な同期を取れないことに起因して、走行軌跡が実際のカーブレールとは一致せず、走行車輪がガイドレールに衝突するなどの挙動不安定になる問題が考えられる。本発明はその問題を解決するための以下のような手段を用いている。
【0050】
光電センサ47からの検出結果ならびに第1エンコーダ27および第2エンコーダ30からの検出結果を照合して、速度パターン発生部62は、搬送車3の現在位置を確認する。速度パターン発生部62は、現在位置情報および速度比率テーブル300(後述)を使用することで、適切な左右速度差が生じるように目標速度信号を第1誤差増幅部65Aおよび第2誤差増幅部65Bに送信する。
【0051】
速度パターン発生部62は、曲線部203に進入すると、内輪を減速して外輪を加速することで、搬送車3の中心速度を規定速度(例えば、60m/分)に合わせて走行させる。速度パターン発生部62は、予め算出した速度比率テーブル300を使用することで、演算効率を向上させており、処理負荷を軽減している。
【0052】
(7)速度比率テーブル
図5を用いて、速度パターン発生部62が利用しているカーブ走行時の速度比率テーブル(車輪速度変換テーブル)300について説明する。速度比率テーブル300は、カーブ走行の時間に対する左右の駆動輪の速度比率を定めたテーブルであって、外輪速度比率301と内輪速度比率302とを有している。
【0053】
図から明らかなように、カーブ突入時に内輪と外輪の速度比率が100%同士である場合には、外輪速度比率301が大きくなるにつれて内輪速度比率302が小さくなっていく。そして、外輪速度比率301が100+α%(例えば、合計115%)になりさらに内輪速度比率302が100−α%(例えば、合計85%)になると、その状態が所定の走行区間で続く。そして、最後に、外輪速度比率301が小さくなっていき、それにつれて内輪速度比率302が大きくなっていき、最後に両者が100%になる。
なお、上記のαの値は、左右の駆動車輪間隔とカーブ曲率に従って異なるように設定されている。
【0054】
以上をまとめると、速度比率テーブル300においては、速度比率が離れていくカーブ走行開始テーブル304と、速度比率が一定であるカーブ走行継続テーブル305と、速度比率が近づいていくカーブ走行終了テーブル306とが設定されている。より具体的には、カーブ走行開始テーブル304では、外輪速度比率301は時間に比例して増大し、内輪速度比率302は時間に比例して減少する。カーブ走行終了テーブル306では、外輪速度比率301は時間に比例して減少し、内輪速度比率302は時間に比例して増大する。
【0055】
(8)曲線部走行制御の詳細説明
図6および図7を用いて、搬送車3が曲線部203を走行する際の速度制御について説明する。図6は、カーブ走行時の速度比率テーブル、カーブ走行時に機体中心に駆動車輪があると想定した場合の速度指令のグラフ、および速度指令を速度比率テーブルを用いて変換した左右車輪の速度のグラフである。図7は、曲線部走行時の走行制御部の動作を示すフローチャートである。
【0056】
図6の上段は、前述の速度比率テーブル300である。図6の中段は、カーブ走行時に機体中心に駆動車輪があると想定した旋回中心速度307である。旋回中心速度307は、加速期間308,一定速度期間309、および減速期間310に分かれている。図6の下段は、搬送車3がカーブ前から所定の加速度で加速して、カーブ後に停止する場合の内外輪速度図である。
【0057】
以下、図7を用いて、速度パターン発生部62の制御動作を説明する。なお、速度パターン発生部62は、曲線部203に入る前から速度指令を発生して、速度指令を第1モータ26および第2モータ29に与えている。
ステップS1では、速度パターン発生部62は、曲線部203に到達するのを待つ。曲線部203に到達したことは、光電センサ47が反射テープ11の開始端11aを検出することによって把握される。
【0058】
ステップS2では、速度パターン発生部62は、曲線部203において第1エンコーダ27および第2エンコーダ30からの検出結果により得られる搬送車3の位置が正確か否かを、光電センサ47からの検出結果に基づいて判断する。正確な場合は、プロセスはステップS3をスキップしてステップS4に移行する。不正確な場合は、プロセスはステップS3に移行する。
【0059】
ステップS3では、速度パターン発生部62は、第1エンコーダ27および第2エンコーダ30からの出力値を正確な値に更新する。
【0060】
ステップS4では、速度パターン発生部62は、旋回中心速度307に基づいた速度指令を発生する。
【0061】
ステップS5では、速度パターン発生部62は、速度指令を速度比率テーブル300を用いて左右速度差指令311に変換する。具体的には、曲線部203における搬送車3の位置と速度比率テーブル300により該当位置の乗率を求めて、現在の速度に乗率を乗じることで、該当位置での内輪速度および外輪速度を算出する。つまり、旋回中心速度307に対して外輪速度比率301の値を積算することで外輪速度指令312を作成し、さらに旋回中心速度307に対して内輪速度比率302の値を積算することで内輪速度指令313を作成する。
【0062】
ステップS6では、速度パターン発生部62は、左右速度差指令311を第1モータ制御部63と第2モータ制御部64にそれぞれ出力する。
【0063】
ステップS7では、速度パターン発生部62は、搬送車3が曲線部203から離脱したか否かを判断する。離脱していない場合はプロセスはステップS2に戻る。離脱した場合はプロセスは終了する。曲線部203を離脱したか否かは、例えば、光電センサ47からの検出結果に基づいて判断される。
【0064】
以上のステップS1〜S7が連続して実行され、その結果、図6の下段に示す左右の駆動輪の速度が実現される。例えば、図6においては以下のようになっている。
【0065】
・時刻t0〜t1:速度比率テーブル300による変換は行われていない。したがって、左右の駆動輪には、旋回中心速度307の加速期間308における速度指令値がそのまま与えられている。
・時刻t1〜t2:旋回中心速度307の加速期間308における速度指令値が、速度比率テーブル300のカーブ走行開始テーブル304を用いて、左右速度差指令に変換されている。
・時刻t2〜t3:旋回中心速度307の加速期間308における速度指令値が、速度比率テーブル300のカーブ走行継続テーブル305を用いて、左右速度差指令に変換されている。
・時刻t3〜t4:旋回中心速度307の一定速度期間309における速度指令値が、速度比率テーブル300のカーブ走行継続テーブル305を用いて、左右速度差指令に変換されている。
・時刻t4〜t5:旋回中心速度307の一定速度期間309における速度指令値が、速度比率テーブル300のカーブ走行終了テーブル306を用いて、左右速度差指令に変換されている。
・時刻t5〜t6:速度比率テーブル300による変換は行われていない。したがって、左右の駆動輪には、旋回中心速度307の一定速度期間309の速度指令値がそのまま与えられている。
・時刻t6〜t7:速度比率テーブル300による変換は行われていない。したがって、左右の駆動輪には、旋回中心速度307の減速期間310の速度指令値がそのまま与えられる。
【0066】
以上のようにして、曲線部203を走行する際に第1モータ26および第2モータ29の回転数を適切に変化させることにより、搬送車3がカーブを適切に走行できる。したがって、ガイドレールに大きな負荷が作用しない。
(9)速度比率テーブルのシフト動作
【0067】
速度パターン発生部62は、速度比率テーブル300を用いて左右速度変換を行っている途中で軌道2の状態変化に応じて、適宜、速度比率テーブル300の変換箇所をシフトすることができる。これにより、距離が異なる複数の曲線部に対しても対応可能である。例えば、180度カーブ、90度カーブ、45度カーブを含む全てのカーブに1つの速度比率テーブルで対応可能である。
1)カーブ継続中に突然カーブ検出がオフした場合
例えば、カーブ継続中に突然カーブ検出がオフした場合は、速度パターン発生部62は、カーブ走行継続テーブル305からカーブ走行終了テーブル306に切り替えて、速度指令パターンを左右の車輪速度に変換する。
【0068】
2)カーブ開始中に突然カーブ検出がオフした場合
速度パターン発生部62は、図8に示すように、カーブ走行開始テーブル304を用いて速度指令パターンを変換している途中でカーブ終了を把握した場合(時刻t9)は、カーブ走行終了テーブル306を用いて速度指令パターンを変換する。カーブ走行終了テーブル306は、カーブ終了把握時におけるカーブ走行開始テーブル304の速度比率と同じ速度比率の箇所(時刻t12での速度比率)から用いられる。したがって、実際に用いられる外輪速度比率301’と内輪速度比率302’は、図8に示すように、菱形形状である。
この場合、カーブ走行開始テーブル304を用いている途中であってもカーブ走行終了テーブル306を用いることができる。つまり、長さが異なる曲線部にも、対応可能である。
【0069】
3)カーブ終了中に突然カーブ検出がオンした場合
速度パターン発生部62は、図9に示すように、カーブ走行終了テーブル306を用いて速度指令パターンを変換している途中でカーブ開始を把握した場合(時刻t18)は、カーブ走行開始テーブル304を用いて速度指令パターンを変換する。カーブ走行開始テーブル304は、カーブ開始把握時におけるカーブ走行終了テーブルの速度比率と同じ速度比率の箇所(時刻t15での速度比率)から用いられる。したがって、外輪速度比率301’’および内輪速度比率302’’の途中で次の外輪速度比率301’’’および内輪速度比率302’’’を用いることが開始される。
この場合、カーブ走行終了テーブル306を用いている途中であってもカーブ走行開始テーブル304を用いることができる。つまり、長さが異なる曲線部にも対応可能である。
【0070】
4)走行開始時(速度0の時)に既にカーブ検出がオンした場合
速度パターン発生部62は、カーブ走行継続テーブル305を用いて速度変換制御を開始する。
【0071】
上述のように曲線部の走行制御は光電センサ47による検出結果に依存しているので、光電センサ47の故障チェックの重要性が高い。そこで、センサの動作はルートマップ61にも登録され、ルートマップ61と光電センサ47の入力のチェックが常時行われている。その結果、例えば、右カーブと左カーブ検出が両方ともオンした場合は異常であると判定され、さらに、直線部でカーブ検出がオンした場合も異常であると判定される。
【0072】
(10)特徴
上記実施形態は、下記のように表現可能である
搬送車3は、曲線部203を含む軌道2に沿って走行する搬送車であって、搬送車本体15と、第1走行車輪25および第2走行車輪28と、第1モータ26および第2モータ29と、速度パターン発生部62とを備えている。第1走行車輪25および第2走行車輪28は、搬送車本体15の左右に設けられている。第1モータ26および第2モータ29は、第1走行車輪25および第2走行車輪28にそれぞれ接続されている。速度パターン発生部62は、第1モータ26および第2モータ29を制御する。速度パターン発生部62は、搬送車3が曲線部203を走行するときに、速度指令パターンを速度比率テーブル300を用いて異なる速度指令に変換することで、第1モータ26および第2モータ29を制御している。速度比率テーブル300は、カーブ走行開始テーブル304と、カーブ走行継続テーブル305と、カーブ走行終了テーブル306とを有している。
この搬送車3では、速度パターン発生部62が第1モータ26および第2モータ29を制御して、それにより左右の第1走行車輪25および第2走行車輪28が独立して駆動される。より具体的には、速度パターン発生部62は、搬送車3が曲線部203を走行するときに、速度指令パターンを速度比率テーブル300を用いて異なる速度指令に変換することで、第1モータ26および第2モータ29を制御している。そのため、第1走行車輪25と第2走行車輪28が適切な速度差を与えられた状態で、搬送車3が曲線部203を走行する。
また、速度比率テーブル300が、カーブ走行開始テーブル304と、カーブ走行継続テーブル305と、カーブ走行終了テーブル306とを有しているので、これら各テーブルを使い分けることができ、そのため曲線部の長さに合わせた速度パターンまたはテーブルを用意する必要がない。
【0073】
搬送車システム1は、軌道2と、搬送車3と、反射テープ11と、光電センサ47と、速度パターン発生部62とを備えている。反射テープ11は、軌道2の曲線部203におけるカーブ開始位置からカーブ終了位置まで設けられている。光電センサ47は、搬送車本体15に設けられ、反射テープ11を検出可能である。速度パターン発生部62は、光電センサ47からの検出結果に基づいて、搬送車本体15の位置を判定する。
このシステムでは、光電センサ47からの検出結果に基づいて、速度パターン発生部62が搬送車本体15の位置を判定するので、搬送車3の正確な位置が得られる。それにより、速度パターン発生部62は、速度比率テーブル300を用いて速度指令パターンを異なる速度指令に精度良く変換できる。
【0074】
反射テープ11の開始端11aが、曲線部203のカーブ開始位置203aよりも走行方向手前に設けられている。
この場合は、反射テープ11の開始端11aが曲線部203のカーブ開始位置203aよりも走行方向手前に設けられているので、速度指令パターンを速度比率テーブル300を用いて異なる速度指令に変換することが、搬送車3が曲線部203に実際に到達する前に開始される。したがって、搬送車3の曲線部203における走行が安定して、その結果、ガイドローラがガイドに強く接触するような不具合が生じにくい。
【0075】
(11)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0076】
前記実施形態では、搬送車が曲線部の開始と終わりをセンサによって検出していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、搬送車がエンコーダによってソフト的に判断してもよい。
【0077】
前記実施形態では反射テープは曲線部に沿って連続的に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。反射テープは断続的に設けられていてもよい。
前記実施形態では搬送車は天井から吊り下げられた軌道上を走行していたが、本発明はこれに限定されない。軌道は地上に設けられていてもよいし、搬送車が軌道から吊り下げられていてもよい。
【0078】
前記実施形態ではエンコーダはモータの回転を計測していたが、本発明はこれに限定されない。エンコーダは駆動輪または従動輪の回転を計測してもよい。
【0079】
被検出部およびセンサの組み合せの種類および検出目的は、前記実施形態に限定されない。
被検出部の設置位置や数は、前記実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、左右の車輪に別個にモータが設けられて独立して車輪を駆動可能な搬送車に広く適用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 搬送車システム
2 軌道
3 搬送車
4 走行レール
4a 第1走行レール
4b 第2走行レール
6 ガイドレール
6a 第1ガイドレール
6b 第2ガイドレール
11 反射テープ(被検出部材)
11a 開始端
13 バーコード
14 磁気マーク
15 搬送車本体(車体)
18 駆動走行部
19 従動走行部
20 本体フレーム
21 第1駆動輪ユニット
22 第2駆動輪ユニット
23 本体フレーム
25 第1走行車輪
26 第1モータ
27 第1エンコーダ
28 第2走行車輪
29 第2モータ
30 第2エンコーダ
31 第1固定ガイドローラ
32 第2固定ガイドローラ
33 第1分岐ガイドローラ
34 第2分岐ガイドローラ
35 第1分岐ガイドローラ駆動部
36 第1従動輪
37 第2従動輪
40 第3固定ガイドローラ
41 第4固定ガイドローラ
42 第3分岐ガイドローラ
43 第4分岐ガイドローラ
44 第2分岐ガイドローラ駆動部
47 光電センサ(検出器)
49 リニアスケール
50 バーコードリーダ
52 搬送車コントローラ
54 コントローラ本体
55 メモリ
59 走行制御部
60 分岐制御部
61 ルートマップ
62 速度パターン発生部(走行コントローラ、判定部)
63 第1モータ制御部
64 第2モータ制御部
80 停止位置
201 第1直線部
202 第2直線部
203 曲線部
203a 開始位置
206 分岐部
300 速度比率テーブル(左右車輪速度変換テーブル)
301 外輪速度比率
302 内輪速度比率
304 カーブ走行開始テーブル
305 カーブ走行継続テーブル
306 カーブ走行終了テーブル
307 旋回中心速度
308 加速期間
309 一定速度期間
310 減速期間
311 左右速度差指令
312 外輪速度指令
313 内輪速度指令

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲線部を含む軌道に沿って走行する搬送車であって、
車体と、
前記車体の左右に設けられた第1走行車輪および第2走行車輪と、
前記第1走行車輪および前記第2走行車輪にそれぞれ接続された第1モータおよび第2モータと、
前記第1モータおよび前記第2モータを制御する走行コントローラとを備え、
前記走行コントローラは、前記搬送車が前記曲線部を走行するときに、速度指令パターンを左右車輪速度変換テーブルを用いて異なる速度指令に変換することで、前記第1モータおよび前記第2モータを制御しており、
前記左右車輪速度変換テーブルは、カーブ走行開始テーブルと、カーブ走行継続テーブルと、カーブ走行終了テーブルとを有している、
搬送車。
【請求項2】
前記走行コントローラは、前記カーブ走行開始テーブルを用いて前記速度指令パターンを変換している途中でカーブ終了を把握した場合は、前記カーブ走行終了テーブルを用いて前記速度指令パターンを変換し、
前記カーブ走行終了テーブルは、前記カーブ終了把握時における前記カーブ走行開始テーブルの速度比率と同じ速度比率の箇所から用いられる、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記走行コントローラは、前記カーブ走行終了テーブルを用いて速度指令パターンを変換している途中でカーブ開始を把握した場合は、前記カーブ走行開始テーブルを用いて前記速度指令パターンを変換し、
前記カーブ走行開始テーブルは、前記カーブ開始把握時における前記カーブ走行終了テーブルの速度比率と同じ速度比率の箇所から用いられる、請求項1または2に記載の搬送車。
【請求項4】
曲線部を含む軌道と、
請求項1〜3のいずれかに記載の搬送車と、
前記軌道の前記曲線部におけるカーブ開始位置からカーブ終了位置まで設けられた被検出部材と、
前記車体に設けられ、前記被検出部材を検出可能な検出器と、
前記検出器からの検出結果に基づいて、前記車体の位置を判定する判定部と、
を備えている搬送車システム。
【請求項5】
前記被検出部材の開始部分は、前記曲線部のカーブ開始位置よりも走行方向手前に設けられている、請求項4に記載の搬送車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−3675(P2012−3675A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140421(P2010−140421)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】