説明

携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置

【課題】 通信コンテンツとデータ放送を同時に表示する携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置を操作する利用者に対して、操作の対象となるコンテンツが表示される領域を明確にすることで、誤操作の抑止を実現する携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置を提供すること。
【解決手段】 操作対象判別部4で、利用者からの操作指示が、データ放送に対するものであるのか、通信コンテンツに対するものであるのかを判別し、表示効果作成部7で当該操作対象領域を他の領域と区別できる表示上の装飾を作成する。そして、表示レイアウト処理部6で、操作対象のコンテンツの表示領域に表示上の装飾を付加してから表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置に関し、より特定的には、少なくともデジタルテレビジョン放送に含まれるデータ放送を受信する機能と、ネットワークから通信コンテンツを取得する機能とを併せて持ち、かつ、データ放送および通信コンテンツを同時に表示する携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BS(Broadcasting Satellite)放送、CS(Communications Satellite)放送に続いて、地上波放送でも、デジタルテレビジョン放送が開始された。デジタルテレビジョン放送では、映像および音声のほかにも、ニュースや天気予報といったデータ放送もあわせて受信することが可能であり、新しいサービスが生み出されている。一方、携帯電話をはじめとする携帯型電子機器は、多機能化が進み、テレビ受信も可能となってきている。更に、地上波デジタルテレビジョン放送では、携帯端末向けのサービスも計画されており、地上波デジタルテレビジョン放送の受信が可能な携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置(以下、携帯デジタルテレビと称す。)も開発されてきている。
【0003】
ここで、従来の携帯デジタルテレビでは、デジタルテレビジョン放送を受信する機能と、通信によりインターネットやメールなどに代表される通信コンテンツを受信する機能とを併せて持っている場合には、それぞれの機能が別個独立に表示処理を行う(例えば、特許文献1参照)。すなわち、デジタルテレビジョン放送を受信しているときには、データ放送あるいはテレビ放送が画面に表示され、その間、通信コンテンツを画面に表示することはない。同様に、インターネット等により通信コンテンツを受信しているときには、画面には通信コンテンツしか表示されず、データ放送あるいはテレビ放送は画面には表示されない。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたタイプの携帯デジタルテレビの他、デジタルテレビジョン放送に含まれるテレビ放送およびデータ放送の表示処理と、インターネット等から取得する通信コンテンツの表示処理とを並行して行い、1つの画面に同時に表示するタイプの携帯デジタルテレビも出てくることが予想される。図9は、1つの表示画面を有する携帯デジタルテレビにおいて、表示画面内の表示領域を分割し、各領域を縦方向に並列配置して、テレビ放送、データ放送、および通信コンテンツを同時にそれぞれの領域に表示する携帯デジタルテレビの一例である。図9において、携帯デジタルテレビの表示画面90は、第1の表示領域91と、第2の表示領域92と、第3の表示領域93とに分けられている。第1の表示領域91にはテレビ放送が表示され、第2の表示領域92にはデータ放送が表示される。そして、第3の表示領域93には、通信コンテンツが表示される。
【特許文献1】特開平11−261908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような携帯デジタルテレビにおいて、各表示領域を1つの表示画面内に並列に配置しただけでは、利用者がこれから行おうとする操作の対象が、データ放送に対するものになるのか通信コンテンツに対するものになるのかが判別しにくい。そのため、利用者がデータ放送に対して操作するつもりが、通信コンテンツを操作してしまう場合もあり得る。その結果、通信コンテンツが例えばiモード(登録商標)等で提供されている有料コンテンツだった場合、パケットの送受信等が発生し、利用者の意図しない課金が発生するという問題点がある。そのため、各コンテンツに対して利用者が操作を行う際に、誤操作による利用者の意図しない課金等を防ぐために、現在の操作対象を明確にする必要がある。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、少なくとも通信コンテンツおよびデータ放送を1画面内に同時に表示する携帯デジタルテレビを操作する利用者に対して、誤操作の抑止を可能とする携帯デジタルテレビを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下のような構成を採用した。
【0008】
第1の発明は、デジタルテレビジョン放送に含まれるデータ放送を受信するデータ放送受信部と、ネットワークから通信コンテンツを取得する通信コンテンツ取得部と、表示部と、表示上の装飾を行うための装飾データを作成する装飾データ作成部と、利用者の操作がデータ放送に対する操作か通信コンテンツに対する操作かを判別する操作対象判別部と、操作対象判別部の判別結果に基づき、操作対象となったデータを判別するネットワーク判別部と、表示部の表示領域を、複数の領域に分割し、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方に装飾データを合成して当該分割された1つの領域に出力し、同時に、データ放送および通信コンテンツの他方を当該分割された他の1つの領域に出力する表示レイアウト処理部とを備える、携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、装飾データ作成部は、表示部の所定の表示領域を囲むフレームのデータを装飾データとして作成し、表示レイアウト処理部は、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方を表示する分割された領域の周囲にフレームのデータを配置して、当該一方のデータと合成して出力する。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明において、装飾データ作成部は、表示部に表示する文字のサイズを指定する文字サイズ情報を装飾データとして作成し、表示レイアウト処理部は、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方を表示する領域の文字のサイズを、文字サイズ情報に指定された文字サイズにして出力する。
【0011】
第4の発明は、上記第1の発明において、装飾データ作成部は、表示部の所定の領域の背景色を指定する背景色指示を装飾データとして作成し、表示レイアウト処理部は、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方を表示する領域の背景色を背景色指示に基づいた色で出力する。
【0012】
第5の発明は、上記第1の発明において、装飾データ作成部は、操作対象であることを示すアイコンを装飾データとして作成し、表示レイアウト処理部は、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方を表示する領域の近傍に、アイコンが表示されるようにアイコンと操作対象となったデータ放送および通信コンテンツの一方とを合成して出力する。
【0013】
第6の発明は、上記第5の発明において、装飾データ作成部は、アニメーション動作を行うアイコンを作成する。
【0014】
第7の発明は、上記第5の発明において、装飾データ作成部は、データ放送および通信コンテンツのいずれであるかを示す、それぞれ異なる画像のアイコンを作成し、表示レイアウト処理部は、操作対象となったデータ放送および通信コンテンツに対応付けてそれぞれ異なる画像のアイコンを出力する。
【発明の効果】
【0015】
第1乃至第5の発明によれば、利用者の操作対象であるデータ放送および通信コンテンツの一方が表示される画面上の領域に表示上の装飾を施してから画面に表示することにより、現在の操作対象領域と他の表示領域を容易に区別することができ、操作するつもりのない領域を操作してしまう等の利用者の意図しない誤操作を防ぐことができる。
【0016】
第6の発明によれば、アニメーション動作をするアイコンを表示することにより、静止画のアイコンを表示する場合にくらべてアイコンの存在を目立たせることができ、より一層表示領域の区別がしやすくなる。
【0017】
第7の発明によれば、データ放送および通信コンテンツの一方を示す画像のアイコンをそれぞれ作成し、データ放送および通信コンテンツと対応付けて表示することにより、共に同じ画像のアイコンを作成して表示した場合に比べ、表示領域の内容がデータ放送であるか、あるいは通信コンテンツであるかが一目で把握しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置(以下、携帯デジタルテレビと称す。)の機能構成を示したブロック図である。図1において、携帯デジタルテレビ1は、データ放送受信部2、通信コンテンツ取得部3、操作対象判別部4、ネットワーク判別部5、表示レイアウト処理部6、表示効果作成部7、および表示部8で構成される。携帯デジタルテレビ1は、例えばデジタルテレビジョン放送波(以下、デジタル放送と称す。)が受信できるテレビ受信機能付き携帯電話等の携帯端末装置で実現される。
【0020】
図1において、データ放送受信部2は、デジタル放送を受信する。また、データ放送受信部2は、受信した信号の中からBML(Broadcast Markup Language)コンテンツを抽出し、セクションデータを1つのモジュールとしてつなげることで、データ放送のコンテンツ(以下、データコンテンツと称す。)として表示可能なデータを構成する。また、データ放送受信部2は、受信したデータコンテンツを、ネットワーク判別部5に渡す。
【0021】
通信コンテンツ取得部3は、利用者の通信コンテンツの取得要求に応じて、インターネット等のネットワーク上に存在する所定のサーバに対して通信コンテンツの取得要求を行う。ここで、通信コンテンツとしては、インターネットのコンテンツや携帯電話向けコンテンツやメール等が該当する。そして、通信コンテンツ取得部3は、通信コンテンツを取得し、当該通信コンテンツをネットワーク判別部5に渡す。
【0022】
操作対象判別部4は、利用者から入力された操作指示が、データコンテンツに対するものであるのか、通信コンテンツに対するものであるのかを判別する。また、判別した結果(すなわち、利用者の操作対象がどちらであるか)をネットワーク判別部5に通知する。
【0023】
ネットワーク判別部5は、データ放送受信部2および通信コンテンツ取得部3から受け取ったコンテンツを保持する。そして、上記操作対象判別部4から通知された判別結果と、保持しているデータコンテンツあるいは通信コンテンツとを関連付ける。また、ネットワーク判別部5は、上記関連付けを保持し、画面上のどの表示領域にどのコンテンツを表示するのかを管理するために、表示管理テーブルを有する。図2は、表示管理テーブルの一例を示す図である。図2において、表示管理テーブルには、カレントフラグ21、アドレス情報22、コンテンツデータ23、および表示領域情報24が記述されている。カレントフラグ21は、現在の操作対象を示すフラグであり、操作対象判別部4から通知された判別結果に基づいて設定される。アドレス情報22は、各コンテンツが存在するサーバのアドレスを示す。コンテンツデータ23は、データ放送受信部2あるいは通信コンテンツ取得部3から渡されたコンテンツの内容であり、一般的にはHTML(Hyper Text Markup Language)あるいはBMLで記述されているデータである。表示領域情報24は、各コンテンツデータ23を表示する画面上の各表示領域を示す情報である。
【0024】
表示レイアウト処理部6は、コンテンツデータ23の記述に沿って各コンテンツが表示部8の表示画面30に表示されるよう表示イメージのレイアウトを行う。また、上記レイアウト後の表示イメージのデータのうち、操作対象となっているコンテンツのデータと以下に述べる装飾データとを合成する。そして、当該合成後のデータと、操作対象となっていないコンテンツのデータとを同時に画面に表示するための最終的なデータ(以下、表示用データと称す。)を作成する。
【0025】
表示効果作成部7は、任意の表示領域に表示上の装飾を行うための、装飾データを作成する。表示部8は、表示画面30に表示レイアウト処理部6の作成した表示用データを表示する。
【0026】
本発明は、以上のような構成において、例えば利用者が通信コンテンツを操作した場合に、操作対象たる画面上の通信コンテンツが表示されている領域を、太枠(フレーム)で囲む等の装飾を付加して表示するものである。ここでは、説明を具体的にするため、図3に示すように、携帯デジタルテレビ1の表示部8の表示画面30は、縦方向に並列配置される3つの表示領域に区分けされているものとする。そして、各表示領域の表示内容については、第1の表示領域31にはテレビ放送を表示し、第2の表示領域32にはデータコンテンツを表示し、第3の表示領域33には通信コンテンツを表示するように予め割り当てられているものとする。そして、利用者が第3の表示領域33に表示されている通信コンテンツを利用する場合に、当該第3の表示領域33にフレームを付加して表示するものとして、以下の実施例を説明する。
【0027】
以下、図1〜図8を用いて、携帯デジタルテレビ1が行う表示処理の詳細動作を説明する。図4は、本発明の実施例に係る表示処理の詳細を示すフローチャートである。まず、利用者が、携帯デジタルテレビ1に表示されている通信コンテンツ、例えば所定のサイトのメニューから「天気情報」を選ぶと、通信コンテンツ取得部3は、「天気情報」コンテンツが存在するインターネット上のサーバにアクセスする。そして、通信コンテンツ取得部3は、当該サーバから「天気情報」コンテンツを取得する。次に、通信コンテンツ取得部3は、受信したコンテンツをネットワーク判別部5に渡す(ステップS01)。また、これと並行して、データ放送受信部2もデータコンテンツを受信し、当該データコンテンツをネットワーク判別部5に渡す。なお、携帯デジタルテレビ1は、テレビ放送受信部(図示せず)においてテレビ放送を受信し、表示画面30(より正確には第1の表示領域31)に受信したテレビ放送を表示するが、テレビ放送を表示する技術は本発明とは直接関係しないため、テレビ放送に関する処理の説明を省略する。
【0028】
ネットワーク判別部5は、データ放送受信部2および通信コンテンツ取得部3から渡された各コンテンツを、それぞれコンテンツデータ23として、表示管理テーブル(図2参照)に格納する(ステップS02)。また、上記各コンテンツのアドレスも、アドレス情報22として、表示管理テーブルに格納する。次に、ネットワーク判別部5は、格納された各コンテンツが通信コンテンツかデータコンテンツかを判別する。コンテンツの種類の判別は、例えば、アドレス情報22の最初が「http://」で始まっていれば通信コンテンツであり、「arib−dc://」で始まっていればデータコンテンツであるという判別の方法等が考えられる。そして、ネットワーク判別部5は、上述のように予め設定されている表示領域の割当に従って、各コンテンツの表示領域を決定する。本実施例では、「天気情報」は通信コンテンツであるため、ネットワーク判別部5は、当該コンテンツの表示領域を、第3の表示領域33と決定し、表示領域情報24にその旨を格納する(ステップS03)。また、ネットワーク判別部5は、データコンテンツについては、その表示領域を第2の表示領域32と決定し、同様にその旨を格納する。
【0029】
次に、操作対象判別部4は、上述した利用者が行った操作が、通信コンテンツに対するものであったのか、データコンテンツに対するものであったのかを判別し(ステップS04)、当該判別結果をネットワーク判別部5へ通知する(ステップS05)。当該判別については、例えば、携帯デジタルテレビ1の操作部(図示せず)において、利用者が「決定」キーを押下した時点において、カーソルの存在する位置がどの表示領域上であるかを判別する等の方法が考えられる。本実施例では、利用者の操作は通信コンテンツに対するものであるため、操作対象判別部4は、第3の表示領域33が操作対象である旨の判別結果をネットワーク判別部5へ通知する。
【0030】
操作対象判別部4から判別結果を受けたネットワーク判別部5は、当該判別結果に基づき、操作対象であることを示すカレントフラグ21を、「天気情報」のコンテンツデータ23(すなわち、通信コンテンツ)に対応付けて設定する(ステップS06)。ここで、各コンテンツが同時に表示される領域のうち、操作対象となるのは常に1つだけとなるため、カレントフラグ21は、上記表示管理テーブル内のコンテンツデータ23のいずれか1つに対してのみ設定されることになる。そして、ネットワーク判別部5は、当該カレントフラグ21、各コンテンツデータ23および表示領域情報24を表示レイアウト処理部6に渡す(ステップS07)。
【0031】
表示レイアウト処理部6は、ネットワーク判別部5から渡された各コンテンツデータ23を解釈し、表示領域情報24で指定されている各表示領域に収まるように画面レイアウト処理を行う(ステップS08)。更に、表示レイアウト処理部6は、表示効果作成部7に、カレントフラグ21が設定されている表示領域情報24(本実施例では第3の表示領域33)用の装飾データの作成指示を出す。
【0032】
装飾データの作成指示を受けた表示効果作成部7は、フレームのデータを作成する(ステップS09)。図5は、表示効果作成部7が作成するフレームを付加した表示画面30の一例を示す図である。表示効果作成部7が作成するフレームのデータは、図5に示すような、所定の表示領域(本実施例では第3の表示領域33)を取り囲むようなフレーム51の画像データである。表示効果作成部7は、作成したフレーム51のデータを表示レイアウト処理部6に渡す(ステップS10)。
【0033】
表示レイアウト処理部6は、ステップS08でレイアウト処理を施したコンテンツデータ23のうち、カレントフラグ21が設定されているコンテンツデータ23と、ステップS10で表示効果作成部7から渡されたフレーム51のデータとを合成する。そして、当該合成後のデータと、カレントフラグが設定されていない上記レイアウト処理後のコンテンツデータ23とを合わせて、最終的に表示画面30に表示するための表示用データを作成する(ステップS11)。そして、表示レイアウト処理部6は作成した表示用データを表示部8に引き渡す。表示部8は、表示用データに基づいて、「天気情報」コンテンツの表示領域がフレームで囲まれた状態の画面(図5参照)になるように表示画面30の表示の更新を行う(ステップS12)。以上で、本実施例にかかる表示処理は終了する。
【0034】
このように、本発明の実施例では、通信コンテンツを表示する第3の表示領域33(すなわち利用者の操作対象領域)をフレームで囲むことにより、データコンテンツを表示する第2の表示領域32と比して目立たせて表示することができる。そのため、利用者は、現在自分が操作している対象はどの表示領域になるのか、あるいは自分がこれから行う入力操作が、データコンテンツに対して入力されるものかデータコンテンツに対して入力されるものかを区別することができる。その結果、通信コンテンツに入力するつもりがデータコンテンツに対して入力してしまう(あるいはその逆)というような誤操作を防ぐことが可能となる。
【0035】
さらに、作成したフレーム51を点滅させながら表示画面30に表示してもよい。これにより、表示画面30における操作対象領域をより一層目立たせる表示が可能となる。
【0036】
なお、本実施例では、上述のステップS07〜S12において表示画面30全体を更新する処理を行っているが、操作対象となっている表示領域(本実施例では第3の表示領域33)についてだけ画面を更新する処理を行い、その他の領域については画面の更新を行わないようにしてもよい。この場合は、上記ステップS07で、カレントフラグが設定されているコンテンツデータ23のみを表示レイアウト処理部6に渡し、以降は当該コンテンツデータに対して同様の処理を行えばよい。これにより、画面全体を更新する場合に比べ、表示処理の負荷軽減を図ることができる。
【0037】
また、本実施例では、表示画面30を3つに区分けしているが、区分けされた表示領域は複数あれば良い。また、各コンテンツデータ23は、それぞれどの表示領域に表示されてもかまわない。さらに、表示画面30を区分けする形態は、横方向に並列配置してもいいし、縦横方向にそれぞれ分割してもかまわない。
【0038】
また、上記操作対象となる表示領域の装飾については、上述したフレームの付加の他、文字サイズ(フォントサイズ)の変更や背景色の変更やアイコンの付加、等による装飾も考えられる。以下、これらの装飾について説明する。なお、以下の説明において、操作対象となる表示領域は全て第3の表示領域33であるものとする。
【0039】
図6は、文字サイズの変更による装飾の一例を示す図である。この場合は、例えば、画面表示する文字サイズの初期値(標準値)を9ptとあらかじめ設定しておく。そして、上述の表示処理と同様の処理を行うが、上記ステップS09において、表示効果作成部7が、フレームデータを作成する代りに文字サイズの指定情報を作成することが考えられる。そして、上記ステップS10において表示効果作成部7は、当該指定情報を表示レイアウト処理部6に渡せばよい。表示レイアウト処理部6は、上記ステップS11において、文字サイズの指定情報に基づき、例えば第3の表示領域33の文字サイズを12ptに変更して表示用データを作成すればよい。その結果、図6に示すように、第3の表示領域33の文字61のサイズが第2の表示領域32の文字サイズに比して大きくなって表示されることになる。
【0040】
また、第3の表示領域33の文字サイズは変更せずに、第2の表示領域32の文字サイズを小さくしてもよい。この場合は、上述と同様に、例えば、画面表示する文字サイズの初期値(標準値)を9ptとあらかじめ設定しておき、表示効果作成部7は、文字サイズの指定情報を作成して表示レイアウト処理部6に渡す。そして、表示レイアウト処理部6は、上記ステップS11において、文字サイズの指定情報に基づき、例えば第2の表示領域32の文字サイズを6ptに変更して表示用データを作成すればよい。その結果、第2の表示領域32の文字のサイズが第3の表示領域33の文字サイズに比して小さくなって表示される。
【0041】
図7は、背景色の変更による装飾の一例を示す図である。この場合は、上記ステップS09において、表示効果作成部7がフレームデータを作成する代わりに、予め設定されている、操作対象領域を示すための専用の背景色の指定情報を作成することが考えられる。そして、上記ステップS10において、表示効果作成部7は、当該指定情報を表示レイアウト処理部6に渡せばよい。その後、表示レイアウト処理部6は、上記ステップS11において、当該指定情報に基づいて第3の表示領域33の背景色71を変更した表示用データを作成すればよい。その結果、図7に示すように、第3の表示領域33の背景色が、操作領域を示すための専用色で表示されることになる。
【0042】
図8は、アイコンの付加による装飾の一例を示す図である。図8において、表示画面30は、上述の3つの表示領域31〜33に加えてアイコン用表示領域82、83を有する。アイコン用表示領域82は第2の表示領域32の左方に隣接する領域である。同様にアイコン用表示領域83は第3の表示領域33の左方に隣接する領域である。アイコン81は、現在の操作対象となる表示領域を示すものであり、アイコン用表示領域82あるいは83内に表示される。この場合は、上記ステップS09において、表示効果作成部7は、フレームデータの作成の代りにアイコンデータを作成することが考えられる。そして、上記ステップS10において、当該アイコンデータを表示レイアウト処理部6に渡せばよい。表示レイアウト処理部6は、上記ステップS11において、当該アイコンデータを元にアイコンを作成し、アイコン用表示領域83を確保して、当該領域にアイコン81を表示するような表示用データを作成すればよい。その結果、図8に示すように、第3の表示領域33に隣接する位置にアイコン81が表示されることになる。なお、表示されるアイコン81の画像についても、データコンテンツおよび通信コンテンツをそれぞれ示すような個別の画像を使用してもよい。例えば、データコンテンツが操作対象であることを示す場合は、当該データコンテンツを発信している放送局のイメージキャラクターやテレビ放送のチャンネルなどのアイコンを表示し、操作対象が通信コンテンツを示す場合は、当該通信コンテンツのキャリアのトレードマークやイメージ画像をアイコンとして表示してもよい。更に、利用者からの入力待ちの間、アニメーション動作を行うアイコン81を作成してもよい。この場合は、上記ステップS09において、表示効果作成部7は、フレームデータの作成の代りにアニメーションデータも含むアイコンデータを作成することが考えられる。
【0043】
このように、文字サイズ変更等の装飾を施すことによって、フレームを付加した場合と同様に、操作対象となる表示領域を他の表示領域から目立たせることができる。その結果、利用者は次に行う操作の対象がどこになるかを容易に把握でき、誤操作を防ぐことが可能となる。更に、上記のアイコン表示による装飾を行った場合は、アイコンの画像をコンテンツの発信元等に関連付けたもの等にすることにより、コンテンツ内容がデータコンテンツであるか通信コンテンツであるかの把握が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明にかかる携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置は、利用者の操作対象となるコンテンツが表示される領域を、所定の表示上の装飾を施してから表示することができ、少なくともデジタルテレビジョン放送に含まれるデータ放送と通信によるコンテンツとを取得し、同時に表示する機能を有する携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置等の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施形態に係る表示管理テーブルの一例を示す図
【図3】本発明の実施形態に係る携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面の領域割当の一例を示す図
【図4】本発明の実施形態に係る表示処理の詳細を示すフローチャート
【図5】通信コンテンツの表示領域にフレームを付加した携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面の一例を示す図
【図6】通信コンテンツの表示領域の文字サイズを大きくした携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面の一例を示す図
【図7】通信コンテンツの表示領域の背景色を変更した携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面の一例を示す図
【図8】アイコンを付加した携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面の一例を示す図
【図9】従来におけるデータコンテンツと通信コンテンツを1画面内に表示する携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置の表示画面を示す図
【符号の説明】
【0046】
1 携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置
2 データ放送受信部
3 通信コンテンツ取得部
4 操作対象判別部
5 ネットワーク判別部
6 表示レイアウト処理部
7 表示効果作成部
8 表示部
21 カレントフラグ
22 アドレス情報
23 コンテンツデータ
24 表示領域情報
30、90 表示画面
31、91 第1の表示領域
32、92 第2の表示領域
33、93 第3の表示領域
51 フレーム
61 文字データ
71 背景色
81 アイコン
82、83 アイコン用表示領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルテレビジョン放送に含まれるデータ放送を受信するデータ放送受信部と、
ネットワークから通信コンテンツを取得する通信コンテンツ取得部と、
表示部と、
表示上の装飾を行うための装飾データを作成する装飾データ作成部と、
利用者の操作が前記データ放送に対する操作か前記通信コンテンツに対する操作かを判別する操作対象判別部と、
前記操作対象判別部の判別結果に基づき、操作対象となったデータを判別するネットワーク判別部と、
前記表示部の表示領域を、複数の領域に分割し、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方に前記装飾データを合成して当該分割された1つの領域に出力し、同時に、前記データ放送および前記通信コンテンツの他方を当該分割された他の1つの領域に出力する表示レイアウト処理部とを備える、携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項2】
前記装飾データ作成部は、前記表示部の所定の表示領域を囲むフレームのデータを前記装飾データとして作成し、
前記表示レイアウト処理部は、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方を表示する分割された領域の周囲に前記フレームのデータを配置して、当該一方のデータと合成して出力することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項3】
前記装飾データ作成部は、前記表示部に表示する文字のサイズを指定する文字サイズ情報を前記装飾データとして作成し、
前記表示レイアウト処理部は、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方を表示する領域の文字のサイズを、前記文字サイズ情報に指定された文字サイズにして出力することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項4】
前記装飾データ作成部は、前記表示部の所定の領域の背景色を指定する背景色指示を前記装飾データとして作成し、
前記表示レイアウト処理部は、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方を表示する領域の背景色を前記背景色指示に基づいた色で出力することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項5】
前記装飾データ作成部は、操作対象であることを示すアイコンを前記装飾データとして作成し、
前記表示レイアウト処理部は、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方を表示する領域の近傍に、前記アイコンが表示されるように前記アイコンと前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツの一方とを合成して出力することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項6】
前記装飾データ作成部は、アニメーション動作を行う前記アイコンを作成することを特徴とする、請求項5に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。
【請求項7】
前記装飾データ作成部は、前記データ放送および前記通信コンテンツのいずれであるかを示す、それぞれ異なる画像のアイコンを作成し、
前記表示レイアウト処理部は、前記操作対象となった前記データ放送および前記通信コンテンツに対応付けて前記それぞれ異なる画像のアイコンを出力することを特徴とする、請求項5に記載の携帯型デジタルテレビジョン放送受信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−50158(P2006−50158A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227051(P2004−227051)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】