説明

携帯型表示端末及びプログラム

【課題】電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションを増大させることができる携帯型表示端末及びプログラム。
【解決手段】携帯型表示端末は、電源からの電力供給が断たれたときでも表示を維持する不揮発性表示部を備えている。携帯型表示端末は、不揮発性表示部に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、そのコンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶する情報記憶部を備えている。携帯型表示端末は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、付加情報を不揮発性表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型表示端末及びプログラムに関するものであり、電源からの電力供給が断たれたときでも表示を維持する携帯型表示端末及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電源からの電力供給が断たれたときにおいても表示状態を保持する不揮発性表示部を備えた電子ペーパー等の携帯型表示端末が使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような携帯型表示端末では、電源オン状態から電源オフ状態となる直前において不揮発性表示部に表示されている情報をそのまま維持することによって、電源オン状態から電源オフ状態に移行した後においても、表示されていた情報をユーザに対して閲覧可能に表示させることができる。例えば、あるコンテンツ情報を表示させた状態において、電源オン状態から電源オフ状態となった場合には、その表示されているコンテンツ情報をそのまま維持し、表示させ続けることができる。
【0003】
一方、セキュリティ等の関係で、電源オン状態から電源オフ状態に移行した直前に不揮発性表示部において表示されていた情報を消去し、「電源オフしました」というような文字情報を表示させる白紙表示を行う携帯型表示端末も一般に販売されている。
【特許文献1】特開2007−187927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような携帯型表示端末では、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する場合において、その電源オフ状態へ移行する直前に表示されているコンテンツ情報を表示するか、上述した白紙表示を行わせるかであったが、コンテンツ情報や白紙表示以外の情報を表示させることがなく、ユーザの意図しない情報が表示されるなど、電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションが少ない。
【0005】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションを増大させることができる携帯型表示端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0007】
すなわち、請求項1記載の本発明では、電源からの電力供給が断たれたときでも表示を維持する不揮発性表示部と、前記不揮発性表示部を駆動して、前記不揮発性表示部に情報を表示する制御部と、前記不揮発性表示部に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶する情報記憶部と、を備え、前記制御部は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、前記付加情報を前記不揮発性表示部に表示することを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2記載の本発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、当該移行直前の電源オン状態において表示していたコンテンツ情報に付加された付加情報を前記不揮発性表示部に表示することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3記載の本発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記制御部は、電源オフ状態において、所定のタイミングで繰り返し電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して前記不揮発性表示部に表示する前記付加情報を切り替えることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4記載の本発明では、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記制御部は、外部装置と通信可能であり、前記制御部は、電源オフ状態において、前記外部装置からの要求に応じて、電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して前記不揮発性表示部に表示する前記付加情報を切り替えることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5記載の本発明では、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、ユーザによって操作可能な操作部を備え、前記制御部は、前記操作部の操作が所定時間ない場合に、電源オン状態から電源オフ状態へ移行することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6記載の本発明では、請求項1から5のいずれかに記載の携帯型表示端末における前記制御部の機能をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は6に係る発明では、不揮発性表示部に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、そのコンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶し、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、付加情報を不揮発性表示部に表示する。従って、コンテンツ情報以外に、電源オフ状態へ移行する際にコンテンツ情報に付加する付加情報を表示することができ、電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションを増大させることができる。また、コンテンツ情報ではなく、付加情報を表示させることによって、ユーザに電源オフ状態であることが認識できる。
【0014】
また、請求項2に係る発明では、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、その移行直前の電源オン状態において表示していたコンテンツ情報に付加された付加情報を不揮発性表示部に表示する。従って、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、ユーザが視認していたコンテンツ情報に付加する付加情報を表示させることによって、電源オン状態と電源オフ状態とで関連性を持たせることができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明では、電源オフ状態において、所定のタイミングで繰り返し電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して不揮発性表示部に表示する付加情報を切り替える。従って、電源オフ状態であった場合であっても、所定のタイミングで繰り返し、付加情報を切り替えることができ、表示させる付加情報にバリエーションを持たせることができ、更には、一時的に電源オン状態にするため、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明では、電源オフ状態において、通信可能な外部装置からの要求に応じて、電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して不揮発性表示部に表示する付加情報を切り替える。従って、電源オフ状態であった場合であっても、外部装置からの要求に応じて、付加情報を切り替えることができ、表示させる付加情報にバリエーションを持たせることができ、更には、一時的に電源オン状態にするため、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。
【0017】
また、請求項5に係る発明では、ユーザによって操作可能な操作部の操作が所定時間ない場合に、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する。従って、電源オン状態から電源オフ状態に移行させる機会を増大させることによって、付加情報を表示させる機会を増大させることができ、更には、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
尚、本発明は、電源オン状態から電源オフ状態に移行する際における制御に関するものであり、以下の実施形態における携帯型表示端末1に採用する。
【0020】
まず、図1を参照して、携帯型表示端末1の外観及び主な動作について説明する。図1は、携帯型表示端末1の正面図である。
【0021】
図1に示すように、携帯型表示端末1は、略直方体形状をしており、その正面には電気泳動表示装置21が設けられている。また、図1において図示しないが、携帯型表示端末1の右側面には、メモリカード23(図2参照)を挿入するためのカードスロットが設けられている。携帯型表示端末1では、メモリカード23に記憶されているコンテンツを電気泳動表示装置21に表示させることができる。尚、本実施の形態における「コンテンツ」では、文字、静止画像及び動画のうちの少なくとも1つを表示することができる。そして、「コンテンツ」は、文字を表示させるためのデータ,画像を表示させるためのデータ及び動画を表示させるためのデータのうちの少なくとも1つのデータで構成される。これらのデータを「コンテンツ本体」とする。さらに、本実施の形態における「コンテンツ」では、コンテンツに付加される「付加情報」がコンテンツ本体に付随されている。付加情報には、例えば、電源オフ状態において電気泳動表示装置21に表示させる情報が少なくとも含まれている。また、この付加情報は、電源オン状態においては表示されることなく、電源オフ状態において表示されることがある。
【0022】
そして、電気泳動表示装置21の右側には、ユーザによって操作可能な操作部としての操作キー14が設けられている。決定キー145の上下左右にはそれぞれ、上キー141,下キー142,左キー144,右キー143が設けられている。例えば、上キー141及び下キー142は目次画面やメニュー画面においてコンテンツを選択するためのキーであり、左キー144及び右キー143は表示されているコンテンツのページめくりを行うためのキーである。これらの操作キー14を電気泳動表示装置21に表示されている情報に応じて操作することにより、メモリカード23に記憶されているコンテンツを表示させたり、各種設定の指示がなされたりする。
【0023】
また、操作キー14の下部には電源ボタン15が設けられている。電源ボタン15は、携帯型表示端末1の電源の入り切りを指示するキーである。
【0024】
次に、図2を参照して、携帯型表示端末1の電気的構成について説明する。図2は、携帯型表示端末1の電気的構成を示す模式図である。
【0025】
図2に示すように、携帯型表示端末1には、制御部としてのCPU10と、表示コントローラ11と、充電コントローラ12と、メモリカードインタフェース(I/F)13と、操作キー14と、電源ボタン15と、ROM16と、RAM17と、EEPROM18と、RTC19と、通信コントローラ24が設けられている。
【0026】
CPU10は携帯型表示端末1の制御を司り、特に、電気泳動表示装置21(不揮発性表示部)を駆動して、情報を表示する。ROM16は、各種情報及び携帯型表示端末1を動作させる表示端末プログラムが記憶されている。RAM17は各種のデータを一時的に記憶するメモリであり、EEPROM18は、携帯型表示端末1の識別番号等を記憶した不揮発性メモリである。RTC(Real Time Clock)19は、時間を計測する。そして、表示コントローラ11は、電気泳動表示装置21(図1参照)への情報の表示を制御する。メモリカードI/F13は、メモリカード23からの情報の読み取り、書き込みを制御する。そして、通信コントローラ24は、通信部25を制御し、サーバ300などの他の装置と通信可能とする。尚、携帯型表示端末1は、図示外の外部電源から電力供給を受けていない場合には、バッテリ22の電力で駆動される。バッテリ22又は外部電源からの電力供給経路は、CPU10に対するものと、ROM16,RAM17,EEPROM18,表示コントローラ11といった周辺装置に対するものとの2系統ある。そして、充電コントローラ12は、バッテリ22への外部電源からの充電を制御する。
【0027】
また、この携帯型表示端末1では、電源ボタン15の押下により電源の入り切りを指示できる。電源が切られている状態で電源ボタン15が押下されたり、操作キー14が押下されたりすると、「電源投入」の指示とされ、CPU10及び周辺機器への電力供給が行われ、携帯型表示端末1は稼働状態となる。一方、電源が入っている状態で電源ボタン15が押下されると、「電源切断」の指示とされ、電源を切るための処理が行われて、CPU10及び周辺機器への電力供給が断たれる。また、ユーザからの操作が所定時間(電源オフ設定時間)行われなかった場合にも、携帯型表示端末1は使用されていない状態であるとして、電源を切るための処理が行われて、CPU10及び周辺機器への電力供給が断たれる。
【0028】
尚、本実施形態における電源オフ状態とは、充電不足やバッテリ22自体の未装填等が原因で、バッテリ22からの電源が携帯型表示端末1に供給不可能な状態や、バッテリ22からの電源が携帯型表示端末1に供給可能な状態であっても、電源ボタン15の押下、所定時間の未操作等の特定の操作により、電気泳動表示装置21、CPU10、周辺装置(RAM17,表示コントローラ11などの各コントローラ等)などの少なくともいずれかへの電源を供給できない状態である。具体的には、電源オフ状態とは、下記の(a)から(e)いずれか、もしくは複数の状態である。(a)ユーザが電源ボタン押下等の特定の操作により、明示的に電源オフした状態(指定時間経過したら、電源オフ設定による電源オフ操作も含む)。(b)表示部への電力供給を停止している状態。(c)周辺装置(RAM、各コントローラ等)への電力供給を停止している状態。(d)CPUへの電力供給を停止している状態。(e)電源供給を停止し、システム全体が停止している状態(バッテリを抜いた完全電力供給停止状態でもよい)。
【0029】
電気泳動表示装置21は、不揮発性の不揮発性表示部であり、電気泳動表示装置21への電力供給が断たれても表示状態を保持することができる。つまり、この電気泳動表示装置21は、電源からの電力供給が断たれたときでも表示を維持する。このため、電源オフ状態であっても維持(保持)された情報を視認可能となり、省電力を図ることもできる。
【0030】
また、この携帯型表示端末1は、外部端末200とメモリカード23を介してデータの読み書きが可能である。この外部端末200は、携帯型表示端末1に対して文書などのコンテンツ本体や、そのコンテンツに関連する情報などを供給することとなる。
【0031】
外部端末200には、制御部としてのCPU210と、表示コントローラ211と、メモリカードインタフェース(I/F)213と、操作部214と、ROM216と、RAM217と、ハードディスクドライブ(HDD)218とが設けられている。
【0032】
CPU210は外部端末200の制御を司る。ROM216は、各種情報及び外部端末200を動作させる表示端末プログラムが記憶されている。RAM217は各種のデータを一時的に記憶するメモリであり、HDD218は、外部端末200の各種情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。そして、表示コントローラ211は、表示装置221への情報の表示を制御する。メモリカードI/F213は、メモリカード23からの情報の読み取り、書き込みを制御する。
【0033】
この外部端末200は、メモリカード23を介して、携帯型表示端末1におけるコンテンツを供給するために用いられるが、特に、コンテンツに対応する付加情報を供給するためにも用いられる。
【0034】
また、この携帯型表示端末1は、サーバ300と通信網(図示せず)を介して通信可能である。このサーバ300は、携帯型表示端末1に対して文書などのコンテンツ本体や、そのコンテンツに関連する情報などを供給することとなる。
【0035】
サーバ300には、制御部としてのCPU310と、ROM316と、RAM317と、ハードディスクドライブ(HDD)318と、通信コントローラ324と、が設けられている。
【0036】
CPU310はサーバ300の制御を司る。ROM316は、各種情報及びサーバ300を動作させるプログラムが記憶されている。RAM317は各種のデータを一時的に記憶するメモリであり、HDD318は、サーバ300の各種情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。そして、通信コントローラ324は、通信部325を制御し、携帯型表示端末1などの他の装置と通信可能とする。
【0037】
このサーバ300は、通信網(図示せず)を介して、携帯型表示端末1におけるコンテンツを供給するために用いられるが、特に、コンテンツに対応する付加情報を供給するためにも用いられる。
【0038】
ここで、電気泳動表示装置21の物理的構成の概略について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、電気泳動表示装置21の正面図である。図4は、電気泳動表示装置21のI−I線(図3)における矢視方向断面図であり、図5は、電気泳動表示装置21のII−II線(図3)における矢視方向断面図である。
【0039】
図3〜図5に示すように電気泳動表示装置21は、その下面部分に設けられる下部基板50と、その上面部分に設けられる上部基板60とが対向配置され、下部基板50と上部基板60との間に表示部70を備える。尚、I−I線は、携帯型表示端末1の横方向(図1の左右方向)に平行な線を示し、II−II線は、縦方向(図1の上下方向)に平行な線を示す。尚、図3〜図5では、説明しやすいように、画素数を5×4の20個としているが、実際には、必要に応じた画素数を設けることができる。
【0040】
下部基板50は、表示部70に電界を発生させる下部電極52と、下部電極52の上面側に絶縁材料を塗布等して形成した絶縁膜である下部電極保護膜51と、下部電極52の下面側に設けられて携帯型表示端末1を支持する筐体支持部53とを備える。下部電極保護膜51は、ポリエチレンテレフタレートやシリカ等の樹脂フィルムやガラスなどの無機材料等の高い絶縁性を発揮可能な材料により形成される。尚、本実施の形態では、下部電極保護膜51及び筐体支持部53は、可撓性のあるポリエチレンテレフタレートにより構成されたプラスチック基板(樹脂フィルム)である。また、下部電極52は、一定の電圧が印加されるように線状の電気導電体が横方向(I−I線方向)に平行に配設された、複数の電極を具備する基板である。
【0041】
下部基板50の上方向には、下部基板50に対向して、かつ平行に所定間隔を空けて上部基板60が設けられる。上部基板60は、表示部70に電界を発生させる上部電極62と、上部電極62の下面側に絶縁材料を塗布等して形成した絶縁膜である上部電極保護膜61と、上部電極62の上面側に設けられて透明な部材により構成されて表示画面として機能する表示層63とを備える。上部電極保護膜61はポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ガラスなどの高い透明性を発揮可能な材料により形成される。また、上部電極62は、一定の電圧が印加されるように線状の電気導電体が縦方向(II−II線方向)に平行に配設された、複数の電極を具備する基板であり、かつ高い透明性を発揮可能な材料により構成される。本実施の形態では、上部電極保護膜61はポリエチレンテレフタレートにより構成されたプラスチック基板(樹脂フィルム)である。また、上部電極62は酸化インジウムすず(ITO)により形成された透明電極であり、表示層63はガラス基板である。つまり、上部基板60は透明体であるから、利用者が上部基板60の上方向から表示部70を視認可能な表示基板として機能する。
【0042】
次に、表示部70について説明する。対向して設けられる下部基板50及び上部基板60と、スペーサー71とで形成される間隙が、表示部70である。スペーサー71は、下部基板50及び上部基板60との間隙に架設され、その間隙を格子状に均等に分割して複数の小区画セルを形成し、下部基板50及び上部基板60を支持する。スペーサー71は、格子状に複数の貫通孔が形成された板状部材として構成された可撓性部材であり、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂で構成されればよい。
【0043】
また、表示部70の内部には、帯電粒子33a,33b及び分散媒34が充填される。帯電粒子33a,33bは、分散媒34中において帯電可能な材料が用いられ、有機化合物や無機化合物からなる顔料や染料、もしくは顔料や染料を合成樹脂で包んだものからなる。本実施の形態では、帯電粒子33aはスチレン樹脂と二酸化チタンの混合物で、平均粒子径が5μmのもの(7wt%)であって、粒子中の二酸化チタンの量が40wt%のものを使用する。また、帯電粒子33bはスチレン樹脂とカーボンブラックの混合物で、平均粒子径が5μmのもの(10wt%)であって、粒子中のカーボンブラックの量が30wt%のものを使用する。そのため、帯電粒子33aは白色の色調であり、帯電粒子33bは黒色の色調である。また、帯電粒子33aと帯電粒子33bとは正あるいは負に相異なるように帯電しており、ここでは帯電粒子33aが負に、帯電粒子33bが正に帯電しているものとする。
【0044】
一方、分散媒34としては、高絶縁性を発揮可能で、かつ粘性の低い、アルコール類,炭化水素,シリコーンオイルなどを利用できる。本実施の形態では、パラフィン系溶剤であるエクソンモービル社製Isopar(73wt%)を使用する。尚、分散媒34には添加剤としてエタノール(10wt%)が加えられている。
【0045】
また、上部基板60の上面(下部基板50と対向しない面)には、正面視、小区画セルが存在しない表示部70の周縁部を、利用者が視認できないように隠蔽するためのマスク部40が設けられる。マスク部40は、上部基板60の四辺に沿って一定幅で設けられ、表示部70を利用者が視認できるように貫通孔が設けられたロの字型形状の板状部材であり、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を着色したものを接着したり、表示層63の表面に印刷したインク層で形成したりすればよい。そして、電気泳動表示装置21をその上方から見ると、マスク部40に設けられた貫通孔から、表示部70を視認することができる構成となっている。
【0046】
次に、図6(a)を参照して、携帯型表示端末1で電源オン状態から電源オフ状態に移行する場合において、電源オフ状態で表示させる情報を決定するための電源オフ時付加情報テーブルについて説明する。図6(a)は、携帯型表示端末1における電源オフ時付加情報テーブルを示す説明図である。
【0047】
電源オフ時付加情報テーブルは、主に、電源オフ状態において表示する付加情報を示すテーブルである。電源オフ時付加情報テーブルは、携帯型表示端末1のEEPROM18やメモリカード23内に記憶されており、操作キー14や外部端末200の操作部214の操作に応じて設定可能である。電源オフ時付加情報テーブルは、図6(a)に示すように、コンテンツと付加情報とが対応付けられて設定されている。
【0048】
このように、図6(a)に示す電源オフ時付加情報テーブルによって、コンテンツ(コンテンツ情報)と、付加情報とが対応して記憶されている。これらのような電源オフ時付加情報テーブルは、EEPROM18やメモリカード23などに記憶されている。このため、EEPROM18やメモリカード23は、電気泳動表示装置21に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、そのコンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶することとなる。つまり、これらEEPROM18や、メモリカード23は、情報記憶部の一例である。
【0049】
次に、図7を参照して、電気泳動表示装置21の表示内容について説明する。図7は、電気泳動表示装置21にコンテンツが表示されている状態を示す説明図である。
【0050】
電気泳動表示装置21では、電源オン状態においては、図7(a)に示すようなメールの内容など、各種情報が表示される。この場合においては、電気泳動表示装置21の表示領域下方には、ページ情報等が表示されている。
【0051】
そして、このような電源オン状態で、電源ボタン15の押下操作が行われたときや、操作キー14の操作なく電源オフ設定時間が経過したときには、電源オン状態から電源オフ状態となるが、この場合において、図7(b)に示すように、設定されている付加情報1(例えば、広告情報1)が表示され、電気泳動表示装置21の表示領域下方には、「電源オフしました」というメッセージが表示される。また、この付加情報1は、電源オフ状態となる直前に電気泳動表示装置21に表示されていたコンテンツ情報に対応する情報である。
【0052】
尚、本実施形態においては、電源オフ状態に移行する直前に表示されていたコンテンツ情報に付加情報が対応付けられていた場合には、オフ電源状態において、その付加情報を表示するが、コンテンツ情報に付加情報が対応付けられていない場合には、図7(c)に示すように、白紙表示が行われることになる。この白紙表示においては、電気泳動表示装置21の表示領域全般の表示内容が消去され、電気泳動表示装置21の表示領域中央には、「電源オフしました」というメッセージが表示される。
【0053】
また、図7(b)や図7(c)に示すような電源オフ状態において、電源ボタン15の押下操作が行われたときや、電源オフ設定時間が経過した後に別の操作キー14が操作されたときには、電源オフ状態から電源オン状態となり、図7(d)に示すように、電気泳動表示装置21の表示領域には、トップページが表示される。
【0054】
ここで、週間漫画雑誌等をコンテンツ情報として、漫画単行本の広告情報などをコンテンツ情報の付加情報として採用した場合を具体的な一例として挙げる。この場合において、通信網を介してサーバ300から、ユーザが所望とする週間漫画雑誌をダウンロードした場合に、その週間漫画雑誌に漫画単行本の広告情報が付加されて自動的にダウンロードされる。そして、電源オフ状態に移行する際に、その直前に週間漫画雑誌のコンテンツが表示されていた場合には、電源オフ状態において、週間漫画雑誌に対応する漫画単行本の広告情報が表示されることとなる。
【0055】
このように、付加情報が広告情報である場合には、広告情報を表示させる機会があるため、例えば、コンテンツ情報を購入する際に、広告情報が付加されている場合には、その購入額を低減させることができる。更には、そのコンテンツ情報に関連した広告情報を付加することによって、関連性を有する広告情報を表示させることができる。
【0056】
次に、図8から図11のフローチャートを参照して、携帯型表示端末1等の動作について説明する。図8から図10は、携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートであり、図11は、外部端末200において実行される処理の動作を示すフローチャートである。特に、図8に示すメイン処理は、携帯型表示端末1の電源がオンされた際に開始される。つまり、電源ボタン15が押下される、又は、操作キー14が押下された際に開始される。
【0057】
まず、図8に示すように、メイン処理では、CPU10は、端末起動処理が行われる(ステップS11)。CPU10は、詳しくは図9を用いて後述するが、携帯型表示端末1の起動処理を実行することとなる。そして、CPU10は、電気泳動表示装置21にトップページを表示する(ステップS12)。これによって、CPU10は、図7(d)に示すようにトップページを表示させる制御を行うこととなる。
【0058】
次に、CPU10は、操作キー14などの任意キーの押下操作があったか否かを判定する(ステップS51)。CPU10は、任意キーの押下操作があったと判定した場合には(ステップS51:YES)、ステップS55に進み、任意キーの押下操作がなかったと判定した場合には(ステップS51:NO)、電源オフ設定時間を計測するためにタイマ計測を開始し(ステップS52)、ステップS53に進む。
【0059】
ステップS53においても、CPU10は、操作キー14などの任意キーの押下操作があったか否かを判定する。CPU10は、任意キーの押下操作があったと判定した場合には(ステップS53:YES)、ステップS55に進み、任意キーの押下操作がなかったと判定した場合には(ステップS53:NO)、電源オフ設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS54)。CPU10は、電源オフ設定時間が経過したと判定した場合には(ステップS54:YES)、ステップS61に進み、ユーザ電源オフ設定が経過していないと判定した場合には(ステップS54:NO)、再度、ステップS53に進む。
【0060】
このように、操作キー14の操作が所定時間ない場合に、電源オン状態から電源オフ状態へ移行するため、電源オン状態から電源オフ状態に移行させる機会を増大させることによって、付加情報を表示させる機会を増大させることができ、更には、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。尚、本実施形態においては、この電源オフ設定時間が携帯型表示端末1本体に変更可能に設定されているが、本発明はこれに限らない。
【0061】
ステップS55において、CPU10は、電源ボタン15が押下操作されたか否かを判定する。CPU10は、電源ボタン15が押下操作されたと判定した場合には(ステップS55:YES)、ステップS61に進み、電源ボタン15が押下操作されていないと判定した場合には(ステップS55:NO)、その操作に対応する処理を実行し(ステップS57)、再度、ステップS51に進む。
【0062】
これによって、電源オン状態において、任意キーの操作がなく電源オフ設定時間が経過した場合や、電源ボタン15の操作があった場合には、ステップS61に進むこととなる。
【0063】
ステップS61において、CPU10は、表示しているコンテンツ情報に対応する付加情報があるか否かを判定する。そして、CPU10は、コンテンツ情報に対応する付加情報があると判定した場合には(ステップS61:YES)、図7(b)に示すように、ステップS66に進む。そして、CPU10は、表示しているコンテンツ情報に対応する付加情報を電気泳動表示装置21に表示し(ステップS66)、フッタ(表示領域下方)に「電源オフしました」というメッセージを表示し(ステップS67)、ステップS68に進む。
【0064】
このように、CPU10は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、その移行直前の電源オン状態において表示していたコンテンツ情報に付加された付加情報を電気泳動表示装置21に表示することとなる。従って、コンテンツ情報以外に、電源オフ状態へ移行する際にコンテンツ情報に付加する付加情報を表示することができ、電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションを増大させることができる。また、コンテンツ情報ではなく、付加情報を表示させることによって、ユーザに電源オフ状態であることが認識できる。また、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、ユーザが視認していたコンテンツ情報に付加する付加情報を表示させることによって、電源オン状態と電源オフ状態とで関連性を持たせることができる。
【0065】
一方、CPU10は、コンテンツ情報に対応する付加情報がないと判定した場合には(ステップS61:NO)、図7(c)に示すように、白紙表示を行い(ステップS62)、ステップS68に進む。この白紙表示においては、CPU10は、電気泳動表示装置21に表示されている情報を消し、「電源オフしました」というメッセージを表示することとなる。
【0066】
そして、CPU10は、端末停止処理が行われる(ステップS68)。CPU10は、詳しくは図10を用いて後述するが、携帯型表示端末1の停止処理を実行することとなり、携帯型表示端末1は、省電力モードとなる。
【0067】
図8のステップS11などで呼び出される端末起動処理では、まず、図9に示すように、CPU10への電力供給が開始され(ステップS21)、次いで周辺装置への電力供給が開始される(ステップS22)。そして、周辺装置の初期化処理が行われ(ステップS23)、CPU10においてシステムが起動される(ステップS24)。このシステム起動により、それ以降のような処理が実行される。
【0068】
図8のステップS68などで呼び出される端末停止処理では、まず、図10に示すように、CPU10は、周辺装置の電源供給停止を行い(ステップS26)、CPU10の電源供給停止する(ステップS27)。これによって、携帯型表示端末1は、省電力モードとなる。
【0069】
次に、図11に示すように、外部端末200において所定周期で呼び出される電源オフ設定処理では、外部端末におけるCPU210は、最初のコンテンツ情報を読み出す(ステップS101)。
【0070】
そして、CPU210は、そのコンテンツ情報に付加情報があるか否かを判定する(ステップS102)。この処理において、CPU210は、操作部214の操作に応じて、コンテンツ情報に付加情報を付加する設定が行われたか否かによって、コンテンツ情報に付加情報があるか否かを判定することとなる。CPU210は、コンテンツ情報に付加情報があると判定した場合には(ステップS102:YES)、メモリカード23における電源オフ時付加情報テーブルに登録し(ステップS103)、ステップS104に進む。これによって、外部端末200において、コンテンツ情報にコンテンツ情報を付加することができる。一方、CPU210は、コンテンツ情報に付加情報がないと判定した場合には(ステップS102:NO)、ステップS103を実行することなく、ステップS104に進む。
【0071】
ステップS104において、CPU210は、操作部214の操作に応じて、全コンテンツ完了したか否かを判定する。CPU210は、全コンテンツ完了していないと判定した場合には、次のコンテンツ情報を読み出し(ステップS105)、再度、ステップS102に進む。これによって、各コンテンツ情報毎に付加情報を付加するか否かが設定可能となる。一方、CPU210は、全コンテンツ完了したと判定した場合には、電源オフ情報を設定し(ステップS106)、本処理を終了する。これによって、コンテンツ情報に付加情報を付加するか否かの設定が終了することとなる。そして、CPU210は、コンテンツ情報と、そのコンテンツ情報に付加する付加情報に関する情報と、を対応付けてメモリカード23に記憶することとなり、このメモリカード23を読み取る携帯型表示端末1のCPU10は、コンテンツ情報と、付加情報に関する情報とを電気泳動表示装置21に表示することが可能となる。
【0072】
以上のようにして、本実施の形態の携帯型表示端末1では、電気泳動表示装置21に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、そのコンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶し、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、付加情報を電気泳動表示装置21表示する。従って、コンテンツ情報以外に、電源オフ状態へ移行する際にコンテンツ情報に付加する付加情報を表示することができ、電源オフ状態において表示させる情報にバリエーションを増大させることができる。また、コンテンツ情報ではなく、付加情報を表示させることによって、ユーザに電源オフ状態であることが認識できる。
【0073】
尚、上記実施の形態におけるCPU10は、「制御部」に相当し、電気泳動表示装置21は、「不揮発性表示部」に相当し、操作キー14は、「操作部」に相当し、EEPROM18、メモリカード23は、「情報記憶部」に相当する。
【0074】
尚、本発明の携帯型表示端末1は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0075】
上述した実施形態においては、外部端末200において、図6(a)に示すような電源オフ時付加情報テーブルを更新し、メモリカード23を介して外部端末200からコンテンツ情報や付加情報を取得したが、これに限らず、例えば、携帯型表示端末1自体で電源オフ時付加情報テーブルを更新してもよい。また、例えば、通信網を介してサーバ300からコンテンツ情報や付加情報を取得してもよい。
【0076】
また、上述した実施形態においては、1つのコンテンツ情報に対して1つの付加情報を付加したが、これに限らず、例えば、複数の付加情報を付加してもよい。また、付加情報が付加されていない場合には、白紙表示を行ったが、これに限らず、例えば、ランダムに他の情報を表示してもよい。
【0077】
また、上述した実施形態においては、電源オフ状態に移行したら電源オン状態になるまで付加情報の表示を変更させなかったが、これに限らず、例えば、複数の付加情報を順番に表示させてもよい。また、この場合において、付加情報を表示させる時間を設定できるようにしてもよい。また、例えば、最後に操作キー14等を操作してから電源オフ状態となるまでの時間を、コンテンツ情報や付加情報毎に設定できるようにしてもよい。
【0078】
このような実施形態について、図6(b)、図12及び図13を用いて以下に説明する。尚、本実施形態においては、発明の理解を容易とするために、異なる構成、処理について主に説明をし、同じような構成、処理については説明を省略する。
【0079】
まず、電源オフ時付加情報テーブルにおいては、図6(b)に示すように、コンテンツ情報に対して、所定の表示順序で複数の付加情報が付加可能である。具体的には、文書Dというコンテンツ情報には、情報2、情報4、情報5の順序で対応付けられている。また、この付加情報としては、電源オフ設定時間と、表示間隔と、が対応付けられている。
【0080】
電源オフ設定時間とは、操作キー14の操作なしに経過すると電源オフ状態となる時間であり、携帯型表示端末1本体に設定されるものとは別に、付加情報毎に設定可能となっている。尚、この携帯型表示端末1本体に設定されている電源オフ設定時間よりも、付加情報毎に設定されている電源オフ設定時間が優先される。
【0081】
具体的な一例としては、コンテンツ情報として文書Dが表示された場合には、電源オフ状態となる際に表示する情報2に基づいて、例えば時間2が電源オフ設定時間として設定されている。これによって、文書Dが表示されてからは、操作キー14が操作されずに時間2が経過した場合には、電源オフ状態となる。
【0082】
また、表示間隔とは、一のコンテンツ情報に対して複数の付加情報が設定されている場合に、それら複数の付加情報を設定された順序で表示するが、その表示時間を示している。
【0083】
具体的な一例としては、コンテンツ情報として文書Dが表示された場合には、情報2に基づいて、例えば表示間隔2が表示間隔として設定され、情報4に基づいて、例えば表示間隔4が表示間隔として設定され、情報5に基づいて、例えば表示間隔5が表示間隔として設定されている。これによって、コンテンツ情報として文書Dが表示され、電源オフ状態となった場合には、情報2に対応する表示間隔2だけ表示させる。そして、表示間隔2が経過した後には、情報4に対応する表示間隔4だけ表示させる。そして、表示間隔4が経過した後には、情報5に対応する表示間隔5だけ表示させる。そして、表示間隔5が経過した後には、情報2に戻ることとなる。
【0084】
このような電源オフ時付加情報テーブルは、上述した図11のステップS103において設定され、ステップS106でメモリカード23に記憶されることとなる。これによって、携帯型表示端末1において、CPU10は、そのメモリカード23から付加情報を読み取り可能であり、以下のような処理を実行することとなる。
【0085】
次に、図12を参照して、メイン処理において、CPU10は、ステップS12が終了した場合には、ステップS41に進む。ステップS41において、CPU10は、表示しているコンテンツ情報に付加情報があるか否かを判定する。
【0086】
CPU10は、表示しているコンテンツ情報に付加情報があると判定した場合には(ステップS41:YES)、ステップS42に進む。そして、CPU10は、付加情報より電源オフ時間を読み出し、RAM17の所定領域にセットする(ステップS42)。具体的な一例としては、CPU10は、図6(b)に示す文書Dを表示している場合には、図6(b)に示す電源オフ時付加情報テーブルを参照し、電源オフ状態になった場合に最初に表示させる情報2における時間2をセットすることとなる。
【0087】
そして、CPU10は、電源オフ時に表示する付加情報を読み出し、RAM17の所定領域にセットし(ステップS43)、ステップS51に進む。具体的な一例としては、CPU10は、図6(b)に示す文書Dを表示している場合には、図6(b)に示す電源オフ時付加情報テーブルを参照し、電源オフ状態になった場合に最初に表示させる情報2をセットすることとなる。
【0088】
一方、CPU10は、表示しているコンテンツ情報に付加情報がないと判定した場合には、ステップS42、ステップS43を実行することなく、ステップS51に進む。
【0089】
このように、電源オフ状態となる前に、電源オフ設定時間と、その後に表示させる付加情報とがセットされることとなる。そして、セットされた電源オフ設定時間が上述したステップS54において参照されることとなる。また、セットされた付加情報は、電源オフ状態となり、上述したようなステップS66で参照され、表示されることとなる。
【0090】
また、ステップS68が終了した場合には、ステップS69に処理を移す。ステップS69においては詳しく図13を用いて後述するが、CPU10は、電源オフ中処理を実行する。この処理において、CPU10は、表示間隔となった場合に、一時的に、電源オン状態に移行し、付加情報を切り替えて、再度、電源オフ状態に移行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS11に処理を移すこととなる。
【0091】
図12のステップS69で呼び出される電源オフ中処理では、まず、図13に示すように、CPU10は、電源ボタン15が押下されたか否かを判定する(ステップS201)。CPU10は、電源ボタン15が押下されたと判定した場合には(ステップS201:YES)、電源オフ状態にする前に図6に示すようなテーブルなどの各種情報を更新し、本処理を終了し、図12のステップS11に処理を移すこととなる。これによって、電源オフ状態において、電源ボタン15を押下することによって、電源オン状態に移行されることとなる。一方、CPU10は、電源ボタン15が押下されていないと判定した場合には(ステップS201:NO)、ステップS202に進む。
【0092】
ステップS202において、CPU10は、表示時間が経過したか否かを判定する。この処理において、CPU10は、電気泳動表示装置21に表示している付加情報に対応する表示間隔を読み出し、表示時間が経過したか否かを判定することとなる。CPU10は、表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップS202:NO)、再度、ステップS201に処理を移す。一方、CPU10は、表示時間が経過したと判定した場合には(ステップS202:YES)、ステップS203に処理を移す。
【0093】
そして、ステップS203において、CPU10は、端末起動処理を実行し、携帯型表示端末1を起動させる。そして、CPU10は、図6(b)に示す電源オフ時付加情報テーブルにおける順序の設定より、直前まで表示していた付加情報の次の順番に設定されている付加情報を表示させることとなる。そして、CPU10は、フッタ(表示領域下方)に「電源オフしました」というメッセージを表示する(ステップS205)。そして、CPU10は、端末停止処理を行い(ステップS206)、再度、ステップS201に進む。
【0094】
これによって、CPU10は、電源オフ状態において、表示している付加情報に対応する表示間隔が経過したタイミングで、電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行する。そして、CPU10は、電気泳動表示装置21に表示する付加情報を切り替える。そして、CPU10は、電源オン状態から電源オフ状態に移行することとなる。尚、このような処理は、付加情報毎に対応付けられている表示時間が経過したという所定のタイミングで繰り返し実行されることとなる。
【0095】
従って、電源オフ状態であった場合であっても、電源オフ状態であった場合であっても、所定のタイミングで繰り返し、付加情報を切り替えることができ、表示させる付加情報にバリエーションを持たせることができ、更には、一時的に電源オン状態にするため、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。
【0096】
また、通信網を介してサーバ300などから、コンテンツ情報や付加情報がダウンロードしたタイミングで、電源オン状態に一時的に移行し、付加情報を切り替えるようにしてもよい。また、新規にコンテンツ情報や付加情報をダウンロードするものだけではなく、例えば、コンテンツ情報や付加情報の更新用のダウンロードであってもよい。
【0097】
このような実施形態について、図14を用いて以下に説明する。尚、本実施形態においては、発明の理解を容易とするために、異なる構成、処理について主に説明をし、同じような構成、処理については説明を省略する。
【0098】
携帯型表示端末1において、図12のステップS69で呼び出される電源オフ中処理では、まず、図14に示すように、CPU10は、電源ボタン15が押下されたか否かを判定する(ステップS201)。CPU10は、電源ボタン15が押下されたと判定した場合には(ステップS201:YES)、本処理を終了し、図12のステップS11に処理を移すこととなる。これによって、電源オフ状態において、電源ボタン15を押下することによって、電源オン状態に移行されることとなる。一方、CPU10は、電源ボタン15が押下されていないと判定した場合には(ステップS201:NO)、ステップS251に進む。
【0099】
ステップS251において、CPU10は、サーバから起動要求があったか否かを判定する。
【0100】
一方、サーバ300において、CPU310は、更新するコンテンツ情報があるか否かを判定する(ステップS301)。この更新するコンテンツ情報とは、例えば、コンテンツ情報は更新しなくても付加情報を更新するようなものも含む。
【0101】
CPU310は、更新するコンテンツ情報があると判定した場合には(ステップS301:YES)、そのコンテンツ情報を送信する端末を決定する。この場合において、CPU310は、更新する前のコンテンツ情報を送信した履歴を参照し、コンテンツ情報を送信する端末を決定することとなる。そして、CPU310は、コンテンツ情報を送信する携帯型表示端末1に起動要求を送信する(ステップS302)。
【0102】
一方、CPU310は、更新するコンテンツ情報がないと判定した場合には(ステップS301:NO)、再度、ステップS301に処理を移す。このように、更新するコンテンツ情報があるか否かが逐次監視されることとなる。
【0103】
携帯型表示端末1において、CPU10は、サーバ300から起動要求を受信し(ステップS252)、起動要求を受信したと判定した場合には(ステップS251:YES)、端末起動処理を実行し(ステップS253)、起動完了情報をサーバ300に送信する(ステップS254)。尚、このような起動要求は、電源オン時においても受信され、以下と同じような処理を行うこととなる。
【0104】
サーバ300において、CPU310は、携帯型表示端末1から起動完了情報を受信した場合には(ステップS303)、更新するコンテンツ情報(付加情報を含む)を送信する(ステップS304)。この場合においては、例えば、コンテンツ情報自体は更新しなくても、付加情報が更新されるものであってもよく、もちろん、コンテンツ情報自体も更新されてもよい。この処理が終了した場合には、後述する受信完了の受信を待ち(ステップS305)、再度、ステップS301に進む。
【0105】
携帯型表示端末1において、CPU10は、サーバ300から更新するコンテンツ情報を受信し(ステップS255)、受信完了情報をサーバ300に送信する(ステップS256)。
【0106】
そして、CPU10は、更新した電源オフ時表示情報を表示する。この処理において、CPU10は、図6(b)に示す電源オフ時付加情報テーブルを参照し、受信した更新情報を更新する。そして、CPU10は、更新前のコンテンツ情報や付加情報を、更新後のコンテンツ情報や付加情報として表示を切り替えることとなる。
【0107】
そして、CPU10は、フッタ(表示領域下方)に「電源オフしました」というメッセージを表示する(ステップS258)。そして、CPU10は、端末停止処理を行い(ステップS259)、再度、ステップS201に進む。
【0108】
これによって、CPU10は、電源オフ状態において、サーバ300(外部装置)からの要求に応じて、電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行する。そして、CPU10は、電気泳動表示装置21に表示する付加情報を更新する(切り替える)。そして、CPU10は、電源オン状態から電源オフ状態に移行することとなる。尚、このような処理は、付加情報毎に対応付けられている表示時間が経過したという所定のタイミングで繰り返し実行されることとなる。
【0109】
従って、電源オフ状態であった場合であっても、外部装置からの要求に応じて、付加情報を切り替えることができ、表示させる付加情報にバリエーションを持たせることができ、更には、一時的に電源オン状態にするため、電源オン状態となっている時間を短くすることによって、より一層、省電力を図ることができる。
【0110】
尚、上述した実施形態においては、メモリカード23にコンテンツ情報を格納させたが、これに限らず、例えば、USBなどを介して、携帯型表示端末1におけるEEPROM18にコンテンツ情報を格納させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】携帯型表示端末1の正面図である。
【図2】携帯型表示端末1及び外部端末200の電気的構成を示す模式図である。
【図3】電気泳動表示装置21の正面図である。
【図4】電気泳動表示装置21のI−I線(図2)における矢視方向断面図である。
【図5】電気泳動表示装置21のII−II線(図2)における矢視方向断面図である。
【図6】携帯型表示端末1における電源オフ時付加情報テーブルを示す説明図である。
【図7】電気泳動表示装置21にコンテンツが表示されている状態を示す説明図である。
【図8】携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】外部端末200において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】携帯型表示端末1において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】携帯型表示端末1とサーバ300において実行される処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
1 携帯型表示端末
10 CPU
14 操作キー
15 電源ボタン
16 ROM
18 EEPROM
19 RTC
21 電気泳動表示装置
22 バッテリ
23 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの電力供給が断たれたときでも表示を維持する不揮発性表示部と、
前記不揮発性表示部を駆動して、前記不揮発性表示部に情報を表示する制御部と、
前記不揮発性表示部に表示する情報が記憶されたコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に付加される付加情報とを記憶する情報記憶部と、を備え、
前記制御部は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、前記付加情報を前記不揮発性表示部に表示することを特徴とする携帯型表示端末。
【請求項2】
前記制御部は、電源オン状態から電源オフ状態へ移行する際に、当該移行直前の電源オン状態において表示していたコンテンツ情報に付加された付加情報を前記不揮発性表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯型表示端末。
【請求項3】
前記制御部は、電源オフ状態において、所定のタイミングで繰り返し電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して前記不揮発性表示部に表示する前記付加情報を切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型表示端末。
【請求項4】
前記制御部は、外部装置と通信可能であり、
前記制御部は、電源オフ状態において、前記外部装置からの要求に応じて、電源オフ状態から電源オン状態に一時的に移行して前記不揮発性表示部に表示する前記付加情報を切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯型表示端末。
【請求項5】
ユーザによって操作可能な操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部の操作が所定時間ない場合に、電源オン状態から電源オフ状態へ移行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯型表示端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の携帯型表示端末における前記制御部の機能をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−39931(P2010−39931A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204439(P2008−204439)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】