携帯用エアロゾルディスペンサ
エアロゾル容器(3)および取り付けられた噴霧キャップ(2)を備える人間工学的に優れた携帯用のエアロゾルディスペンサ(1)であって、容器(3)は、その上部に弁(15)、およびその上部端部寄りにくびれたセクション(4)を有し、くびれたセクション(4)の上側の伸長部は、取り付けられたキャップ(2)内へとなだらかに続き、取り付けられたキャップ(2)は、最大断面寸法に到達しそこからさらに上へと低減し、そして:(i)取り付けられたキャップの最大断面寸法の上方のその表面(8)上に位置する作動ボタン(6)であって、上方向に15°から50°に傾斜されている、前記ボタン(6)と、(ii)キャップ(2)の作動ボタン(6)とは反対側の噴霧開口(7)と、(iii)容器(3)上の弁(15)と噴霧開口(7)の間に流体連通をもたらす関連付けられた噴霧チャネル(15)とを有し、ディスペンサー(1)の寸法は、消費者が、容器のくびれたセクション(4)の周りでディスペンサー(1)を握り、同じ手を用いて、人差し指で作動ボタン(6)を押さえ付けてディスペンサー(1)を作動させることを可能にする、人間工学的に優れた携帯用のエアロゾルディスペンサ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用エアロゾルディスペンサ、特に化粧組成物を人体の表面上に分与するための携帯用エアロゾルディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,398,082号明細書は、携帯用キャニスターのための作動機構を開示しており、この機構では、スライダーが、指圧によって、弁が係合解除される位置から弁が係合可能な位置に移動可能であり、指圧が取り除かれたとき、隠しばねが、弁が係合解除される位置にスライダーを戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,398,082号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、摺動可能な作動ボタンを備えた人間工学的に優れたエアロゾルディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様では、エアロゾル容器および取り付けられた噴霧キャップを備える携帯用の円筒状エアロゾルディスペンサが提供され、容器は、その上部に弁、およびその上側端部寄りにくびれたセクションを有し、くびれたセクションの上側の伸長部は、取り付けられたキャップ内へとなだらかに続き、取り付けられたキャップは、最大断面寸法に到達しそこからさらに上へと低減し:
(i)取り付けられたキャップの最大断面寸法の上方のその表面上に位置する作動ボタンであって、上方向に15°から50°に傾斜されている、前記ボタンと、
(ii)キャップの作動ボタンとは反対側の噴霧開口と、
(iii)容器上の弁と噴霧開口の間に流体連通をもたらす関連付けられた噴霧チャネルとを有し、
ディスペンサーの寸法は、消費者が、容器のくびれたセクションの周りでディスペンサーを握り、同じ手を用いて、人差し指で作動ボタンを押さえ付けてディスペンサーを作動させることを可能にする。
【0006】
本発明の第2の態様では、化粧用エアロゾル組成物を人体に施与する方法であって、本発明の第1の態様による作動装置を用いることを含む、方法が提供される。
【0007】
この説明を通じて、「上部」、「上側」、「垂直」、「水平」、および「下方向」などの方向用語は、容器の基部が水平面上に着座した状態で「直立」位置にあるディスペンサーを指していることを理解されたい。ディスペンサーのそのような方向は、図1および図2に示されている。
【0008】
用語「垂下する」は、他方から下方向に突出する形状を指すことを理解されたい。
【0009】
用語「横方向」は、2つ前の段落で説明されたように配向されたときの、ディスペンサーの垂直軸に対して概ね直角である平面を指すことを理解されたい。
【0010】
ディスペンサーの垂直軸は、その主要軸として考えられてもよく、用語「水平」は、この軸に対して直角である平面を指している。
【0011】
本発明のディスペンサーは、片手を用いた操作が容易である。容器の傾斜した作動ボタンおよびくびれた設計により、好都合にディスペンサーを手の中で保持することが可能になり、このとき人差し指は、簡単な伸張動作を介して作動装置を作動させることができる。望ましいことに、ディスペンサーは、消費者が、容器のくびれ部を拇指丘と中指および薬指の間で握り、消費者の人差し指を、その指腹が、作動前に作動ボタンの上部にある指パッドの中心に置かれたときに、わずかに曲がった体勢状態にすることができるように寸法設定される。
【0012】
作動ボタンの上面は、その指パッドであると考えなければならない。
【0013】
容器のくびれたセクションは、ゆるやかな輪郭の狭小にされたセクションであることを理解されたい。すなわち、「くびれ部」に向かって直径が除々に減少するセクション、その後直径が除々に増大するセクションが続くものである。「くびれ部」は、くびれたセクションの最も狭小の部分であることを理解されたい。
【0014】
ディスペンサーの「上側」部分は、ディスペンサーのそのくびれ部の上方の部分であること、およびディスペンサーの「下側」部分は、ディスペンサーのそのくびれ部の下方の部分であることを理解されたい。
【0015】
容器のくびれたセクションは、通常、容器の2分の1、好ましくはその上3分の1の部分として存在する。
【0016】
くびれたセクションの上側の伸長部は、取り付けられた噴霧キャップ内へとなだらかに続いている。すなわち、ディスペンサーの直径の上向きの伸長部は、ほぼ同じ程度で、容器からキャップ内へと移っていく。これは、容器と噴霧キャップの間に明確な接合部が存在する可能性を排除しているのではない。実際、これは標準的である(以下参照)。好ましくは、ディスペンサーの上側部分の最大直径は、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントである。
【0017】
安定性という理由から、ディスペンサーの上側部分の最大直径は、好ましくは、ディスペンサーの下側部分の最大直径を超えない。より好ましくは、ディスペンサーの上側部分の直径は、ディスペンサーの下側部分の直径と同じまたはほぼ同じである。
【0018】
好ましい実施形態では、噴霧キャップは、エアロゾル容器の上部において所定位置に係止可能である。これは、噴霧キャップの底部の内縁およびエアロゾル容器の上部寄りの関連付けられた溝の周りにビーディング加工を用いることによって達成され得る。エアロゾル容器の上部の所定位置に「係止された」噴霧キャップを有することにより、操作上の堅牢性が改良される。噴霧キャップは、取り外されることなく、そこを通じてエアロゾル容器内の製品が分与され得る(噴霧される)キャップである。これは、容器上の弁と噴霧キャップ内の噴霧開口との間の流体連通を与える関連付けられた噴霧チャネルを有することによって達成される。
【0019】
噴霧開口は、噴霧キャップの外壁によって画定された空隙である。この空隙を通じて、噴霧チャネルは、容器上の弁が開かれたときに容器の中身を分与することを可能にする。噴霧開口は、ディスペンサーの正面にあると考えられるものである。
【0020】
容器上の弁は、それにかかる下方向の圧力によって開かれ得、この圧力は通常、関連付けられた噴霧チャネルにかかる下方向の圧力によって発生する。
【0021】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部は、30mmから40mm、より好ましくは33mmから39mm、最も好ましくは35mmから37mmの外径を有する。
【0022】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、作動ボタンの指パッドの中心から70mmから90mm、より好ましくは75mmから81mm、最も好ましくは77.5mmから79.5mmのところに位置する。これらの寸法は、ディスペンサーが女性によって使用されるときに特に適切であり、得られたディスペンサーは、一般的な女性の手の中に良好に嵌まり、特に使用が簡単である。
【0023】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタンの指パッドの中心の間の距離との比は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、少なくとも0.42対1、かつ0.50対1を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも0.44対1かつ0.48対1を超えないものであり、最も好ましくは、少なくとも0.45対1かつ0.47対1を超えないものである。これらの寸法は、ディスペンサーが女性によって使用されるときに特に適切であり、得られたディスペンサーは、一般的な女性の手の中に良好に嵌まり、特に使用が簡単である。
【0024】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部の外径と、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントにある容器の直径との比は、少なくとも1対1.15かつ1対1.35を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも1対1.2かつ1対1.3を超えないものであり、最も好ましくは1対1.25である。これらの相対寸法は、特に上記の段落で詳述された好ましい比の1つと組み合わせて、人間工学的な利点の向上をもたらす。
【0025】
作動ボタンは、好ましくは、これを摺動させることによって作動され、すなわち作動ボタンを前方向に摺動させて噴霧開口を介してエアロゾル容器の中身を放出させる。ボタンの摺動は、人差し指を延ばすことによって好都合に行われることが可能であり、このとき前記指は、指腹が作動ボタンの中心に着座した状態でわずかに曲がった体勢にある。
【0026】
繰り返し使用するために、作動ボタンは、戻り機構を有することが極めて好ましい。通常、作動ボタンには戻りばねが嵌合され、この戻りばねは、ボタンが前方向に押されたときに付勢され、ボタン上の圧力が除去されたとき、ボタンをその元の位置に戻すように働く。
【0027】
作動ボタンは、水平に対して、15°から50°、好ましくは20°から45°、より好ましくは25°から40°の角度で存在する。これらの角度は、その前後軸に沿った作動ボタンと、同じ垂直面内にある水平線との間の角度と考えなければならない。作動装置が湾曲しているとき、示された角度において曲線の接線が存在することが必要とされる。
【0028】
作動ボタンは、握りを向上させるために、その上面を横切るリブを有することができる。好ましくは、ボタンの上面は、同じ理由のために熱可塑性エラストマーで作製される。作動ボタンの主本体は、代替の可塑性材料、たとえばアセタールコポリマーで作製されてもよい。
【0029】
作動ボタン、特にその指パッドは、好ましくはその前端部において上方向に湾曲している。これはボタンの前方向の摺動を助けるように働き、したがって、本発明の人間工学的な利点に寄与することができる。
【0030】
容器の中身の放出は、通常、容器の上部にある弁から噴霧開口まで導く噴霧チャネルを介するものである。好ましい実施形態では、作動ボタンは、前方向に摺動されたとき、下方向の圧力をバルブ上に及ぼすことが可能になり、それによって前記弁が開かれ、容器内の加圧されたエアロゾル組成物を分与することが可能になる。
【0031】
上記の段落による好ましい実施形態では、作動ボタンは、前方向に摺動され、次いで、エアロゾル容器の上部にある弁上に下方向の圧力を及ぼすために下方向に摺動される。好ましくは、これは、噴霧チャネル上に下方向の圧力を及ぼす作動ボタンから垂下する突起部を介して達成され、噴霧チャネルは、次に弁の下方向の圧力を及ぼす。
【0032】
関連付けられた噴霧チャネルを含む噴霧キャップは、通常、ポリプロピレンなどのプラスチックで作製される。製造の一般的な方法は、射出成形である。
【0033】
本発明によって使用されるエアロゾル容器は、通常、すずメッキまたはアルミニウムで作製される。弁は、容器の上部、通常は中心位置に位置している。容器は、その中に保存されたエアロゾル組成物の圧力に耐えることができる。この圧力は、2または3バールまで、10バールまで、または14バールまでであってもよい。
【0034】
エアロゾル容器は、好ましくは、人体の表面に施与するための化粧組成物を含有する。そのような用途およびそのような組成物では、本発明の人間工学的な利点は特に有利であり、ディスペンサーは、ユーザー自身の体に向かって製品を噴霧するのに特に適している。これは、通常、腋の下部分を標的にした製品、すなわち、防臭および制汗組成物を噴霧する場合に特に当てはまる。
【0035】
以下の特有の実施形態を参照して説明された特徴は、上記で与えられたおよび/または特許請求の範囲で与えられた全体的な説明に独立的に組み込まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】くびれたエアロゾル容器(3)の上部の所定位置に噴霧キャップ(2)を備える本発明によるディスペンサー(1)の後面/側面図である。
【図2】図1に示されたディスペンサー(1)の正面/側面図である。
【図3】エアロゾル容器(3)の上部に通常は存在し得るバルブカップおよび関連付けられたバルブが無い、図1に示されたディスペンサー(1)の分解された後面/側面図である。
【図4】噴霧キャップ(2)の後面/側面/上面図である。
【図5】噴霧キャップ(2)の正面図である。
【図6】示された断面線A−A、B−B、およびC−Cを有する噴霧キャップ(2)の上面図である。
【図7】噴霧キャップ(2)の底面図である。
【図8】噴霧キャップ(2)の底部にあるビーティング加工部(10)を横切る断面である。
【図9】噴霧キャップ(2)の底部にあるビーティング加工部(11)を横切る断面である。
【図10】A−Aに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図11】B−Bに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図12】C−Cに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図13】噴霧チャネル(15)の正面/側面図である。
【図14】わずかに下方から見た作動ボタン(6)の正面/側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1から図3を参照すれば、エアロゾル容器(3)は、その上側端部寄りにくびれたセクション(4)を有する。エアロゾル容器(3)のくびれたセクション(4)の上側伸長部は、取り付けられた噴霧キャップ(2)内へとなだらかに続くが、これらの2つの間には明確な接合部(5)が存在している。
【0038】
噴霧キャップ(2)は、その最大断面寸法の上方のその表面上に存在する摺動可能な作動ボタン(6)を有し、その反対側には、噴霧キャップ(2)の側壁(8)によって画定された噴霧開口(7)が存在する。
【0039】
ディスペンサー(1)は、特に女性の手による取り扱いが最も容易であるように設計される。くびれたセクション(4)は、ユーザーの拇指丘と中指および薬指の間で容易に握られ得、そのようにして握られたとき、ユーザーの同じ手の人差し指の指腹は、駆動ボタン(6)上に載せることができ、このとき人差し指は、前方向および上方向の伸張に備え、わずかに曲がった体勢にある。
【0040】
この特有の実施形態では、容器(3)のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタン(6)の中心の間の距離との比は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿った最短距離として測定されたとき、0.46対1である。
【0041】
噴霧キャップ(2)およびその特徴は、図4から図12にさらに示されている。噴霧キャップ(2)は、側壁(8)によって画定された円形の断面を有し、噴霧キャップ(2)の直径は、その上側端部に向かって減少している。側壁(8)は、ディスペンサー(1)の正面にあると考えられる楕円形の噴霧開口(7)を画定する。楕円形の噴霧開口(7)は、水平方向にその短軸を有し、側壁(8)の上側端部寄りに位置している。
【0042】
噴霧開口(7)の両側の側壁(8)から内方向に突出しているのは、2本の支持翼(9)である。これらの支持翼(9)は、側壁(8)の上部からその長さを約半分下ったポイントまで延びる薄い壁である。噴霧開口(7)に面する支持翼(9)の各々の側部から、噴霧チャネル誘導壁(10)が突出している。これらの噴霧チャネル誘導壁(10)は、ディスペンサー(1)の前後軸(A−A)に対して直角の垂直平面内にある。これらは、噴霧開口(7)の近傍で支持翼(9)から互いに向かって延びる。噴霧チャネル誘導壁(10)は、これらの間に空隙を残して終端し、この空隙は、常に、楕円の噴霧開口(7)の短軸よりわずかに大きいものである。
【0043】
側壁(8)の底部には、噴霧キャップ(2)をエアロゾル容器(1)の上部にスナップ式に係止することを可能にすることが意図されたビーディング加工部(11Aおよび11B)が存在する。ビーディング加工部は、側壁(8)の底部内面の周りに等しく分散され、かつ波形ビーディング加工部(11B)によって介在された6つの滑らかなビード(11A)からなる。ビーディング加工部(11Aおよび11B)の詳細な断面は、図8および図9にそれぞれ示されている。ビーディング加工は、エアロゾル容器1の上部周りのくぼみ(12)内にスナップ式に取り付けられる(図3を参照)。
【0044】
噴霧キャップ(2)はまた、開口(14)を画定する上壁(13)も有し、開口は、関連付けられた噴霧チャネル(15)のセグメントを収容することが意図されている(下記参照)。上壁(13)は、前後で高さが変わる、つまり前部では比較的高く、後部に向かって低くなる内壁(16)によって側壁(8)に連結される。
【0045】
上壁(13)は、水平から約32°の角度で作動装置の前部に向かって上方向に傾斜した大きなセグメント(13A)と、概ね水平である小さいセグメント(13B)とを有する。(図11を参照)。小さいセグメント(13B)は、上壁(13)の前端部に存在する。上壁(13)内の開口(14)は、大きいセグメント(13A)および小さいセグメント(13B)が結合する場所の中央に位置するが、多くは小さい部分(13B)によって画定される。
【0046】
開口(14)の両側、すなわち作動ボタン(6)の移動の方向に直角な方向に、2つの突出部(17)が、上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する。突出部(17)はそれぞれ、開口(14)に隣接するそれらの側部上に高くなった尾根部(18)を有する。
【0047】
大きい円形の開口壁(19および20)は、開口(14)の輪郭をとり、いずれも垂直方向に上壁(13)から垂下および隆起している。(図12を参照)。上壁(13)から垂下する下側セグメント(19)は、上壁(13)から隆起する上側セグメント(20)よりも長い。上壁(13)から垂下する下側セグメント(19)は、その前部に、空隙(21)、空隙(21)の縁から噴霧開口(7)に向かって延びる平行な別の壁(22)を有する。これらの平行な別の壁(22)は、噴霧開口(7)の方向に上方向に傾く下側縁(23)を有する。平行な別の壁(22)は、内壁(16)の外側縁(24)と同じ高さで終端する。
【0048】
上壁(13)から隆起する開口壁の上側セグメント(20)は、これもまた上壁(13)から隆起する上記で述べられた突出部(17)によって当接される。上側セグメント(20)の前部から、高くなったアーチ型天井部(25)が延び、上側セグメント(20)を内壁(16)に連結し、上壁(13)の小さいセグメント(13B)および開口壁の上側セグメント(20)における「空隙」の橋渡しをする。高くなったアーチ型天井部(25)は、その上部にドームが付けられ、その内面(26)は、上壁(13)から垂下する開口壁の下側セグメント(19)内の空隙(21)の縁から延びる平行な別の壁(22)の内面と連続する。高くなったアーチ型天井部(25)は、噴霧チャネル(15)のセグメントを収容するように設計される(下記参照)。
【0049】
大きい円形の開口壁(19および20)の内面(20C)は、連続的であり、開口(14)の両側の上壁(13)から隆起する2つの突出部(17)と整列される垂直な後退部(20D)を両側に有する。
【0050】
上壁(13)の大きいセグメント(13A)から、中央の突出部(27)が隆起し、上壁(13)内の空隙(29)を通り抜けて延びる後面(28)を有する。この広範囲にわたる後面(28)は、実質的な支承壁を形成し、これ以降そのように称されることになる。
【0051】
上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部に向かって、拘束クリップ(30)が突出する。これらは、作動ボタン(6)のセグメントを拘束するように意図されている(下記参照)。クリップ(30)は、拘束クリップ(30)から後方向、すなわち作動ボタン(6)が押される方向から離れる方向に延びる上壁(13)内の平行なスリット(31)上に着座する。
【0052】
2つの別の平行なスリット(32)が、上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する。これらの別の平行なスリット(32)もまた、前後に通り、中央突出部(27)の両側に位置し、上壁(13)から中央突出部(27)の後面(28)と同じ高さのポイントまで隆起する突出部(17)の直後から伸びている。
【0053】
上記で述べられた噴霧チャネル(15)は、図13に示されている。これは、垂直なセグメント(33)および垂直なセグメント(34)に対して約114°の角度、すなわち水平から24°の角度にあるセグメント(34)からなる。垂直なセグメント(33)および傾斜したセグメント(34)は、流体連通している。
【0054】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、エアロゾル容器(3)の弁軸(図示されず)上に嵌合するように設計され、前記嵌合を助けるためにその基部(36V)において広げられている。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)はまた、噴霧キャップ(2)の上壁(13)内の開口(14)内にぴったりと嵌合するように設計されている(下記参照)。このようにして、噴霧チャネル(15)の横方向の移動が、制限される。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、ディスペンサー(1)が操作されたとき、作動ボタン(6)のセグメントが押さえ付ける弾性領域(35)を、その上部に有する。
【0055】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、その側部の両側から、すなわち作動ボタン(6)の移動方向に対して直角な方向に突出する垂直に向けられた長方形ブロック(33A)を有する。これらの長方形ブロック(33A)は、大きな円形開口の壁(19および20)の内面(20C)内の垂直な後退部(20D)内で摺動することができるように設計される。そのような手段により、噴霧チャネル(15)の回転移動が、制限される。
【0056】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、その両側の長方形ブロック(33A)の上方を少し過ぎたところに各々存在する、2つの小さい保持クリップ(33B)を有する。これらのクリップ(33B)は、製造中、噴霧チャネル(15)を定位置に保持するように働き、ディスペンサー(1)の最初の使用時にそこから抜き出る。
【0057】
噴霧チャネル(15)の傾斜したセグメント(34)は、内面的および外面的のいずれにおいても垂直なセグメント(33)より狭小である。傾斜したセグメント(34)は、垂直なセグメント(33)の上部から噴霧開口(7)に向かって通じている。傾斜したセグメント(34)の噴霧開口端部では、楕円の噴霧開口(7)の直後に嵌合し、常に外側から見える空隙は残さないように設計された楕円ディスク(36D)が存在する。また、傾斜したセグメント(34)の端部では、噴霧品質を改良するように設計された従来の渦流チャンバ(37)も存在している。
【0058】
作動ボタン(6)が、図14に示されている。これは、指パッド(38)およびそこから垂下したさまざまな要素からなる。指パッド(38)は、前後方向、すなわちそれが摺動するように設計される方向に長い。指パッドは、噴霧キャップ(2)の上壁(13)に着座するように設計される。指パッド(38)は、使用における人間工学性を改良するために、その前端部(39)において上方向に湾曲する。また、この同じ目的のために、湾曲した突出部(38A)もまたその上面に存在している(これらの特徴に関しては図1および図3を参照)。
【0059】
指パッド(38)から垂直に垂下しているのは、2つの配向クリップ(40)であり、これらのクリップは、中央突出部(27)の両側に位置する上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する2つの平行なスリット(32)を通り抜けるように設計される。クリップ(40)は、スリット(32)内へのそれらの挿入を助ける、外方向に向いているくさび(41)を有し、クリップ(40)は、挿入が行われたときに一時的に内方向に曲げられる。作動ボタン(6)が押されたとき、保持クリップ(40)は、そのそれぞれのスリット(32)内で前方向に摺動する。
【0060】
指パッド(38)からその中央の前後軸に沿って垂下しているのは、竜骨形状の構造(43)である。前記構造は、その前端部近くの指パッド(38)の下側側部から外方向に傾き、指パッド(38)の長さの約半分のところで終端する。竜骨形状の構造(43)の下側部分(44)は、ディスペンサー(1)が操作されたときに、作動ボタン(6)の垂直セグメント(33)の上部における弾性領域(35)を押さえ付けるように設計される。
【0061】
弾性の板ばね(45)が、その前後軸の後ろ寄りのポイントで指パッド(38)から垂下している。板ばね(45)は、前記上壁(13)から隆起する中央突出部(27)の後方に存在する噴霧キャップ(2)の上壁(13)内の空隙(29)を通り抜けるように配置される。板ばね(45)は、上壁(13)から隆起する中央突出部(27)の延長された後面(28)を形成する大きな耐力壁(28)に当接するように設計される。作動ボタン(6)が前方向に押されたとき、板ばねが付勢される。作動ボタン(6)が解除されたとき、板ばね(45)は、作動ボタン(6)をその元の位置に向かって押し出す。
【0062】
指パッド(38)の前部から、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する2つの突出部(17)と相互作用するように設計された2つの突出部(46)が垂下する。作動ボタン(6)が前方向に押されたとき、指パッド(38)から垂下する突出部(46)の下側部分は、前記垂下する突出部(46)が前記隆起する突出部(17)を行きすぎるまで、噴霧キャップ(2)の上壁(13)を隆起させる突出部(17)の上部分に沿って摺動する。噴霧キャップ(2)の上壁(13)から隆起する突出部(17)上の高くなった尾根部(18)は、このプロセス中、指パッド(38)から垂下する突出部(46)を誘導するように働く。前記垂下突出部(46)が、前記隆起する突出部(17)を行きすぎた後、作動ボタン(6)は、押し下げられ得る。
【0063】
指パッド(38)の後ろから、ヒンジ継手(48)を有する2本の支柱(47)が垂下しており、ヒンジ継手(48)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する平行なスリット(31)内に取り付けられるように設計されている。
【0064】
作動装置が操作されるとき、作動ボタン(6)は、前方向に摺動され、指パッド(38)の前部から垂下する突出部(46)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する突出部(17)に沿って進む。これと同時に、指パッドから垂下する2つの配向クリップ(40)が、中央突出部(27)の両側に位置する上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する2つの平行なスリット(32)内で前方向に摺動し、指パッド(38)の後ろから垂下するヒンジ継手(48)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する平行なスリット(31)に沿って摺動する。それと同時に、板ばね(45)は、支承壁(28)を押さえ付けることによって付勢されるようになる。
【0065】
指パッド(38)の前部から垂下する突出部(46)が、上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する突出部(17)を摺動して過ぎたとき、作動ボタン(6)は、押し下げられることが可能になる。このとき、指パッド(38)の後ろから垂下するヒンジ継手(48)は、上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する拘束クリップ(30)に到達している。指パッド(38)が、押し下げられ、そこから垂下した竜骨形状の構造(43)が、噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)の上部の弾性領域(35)を押圧する。これにより、噴霧チャネル(15)が、それが上に着座する容器(1)の弁軸(VS)を押圧し、それによって弁が開かれ、容器(1)内の製品の排出が可能になる。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)の押し下げ中、噴霧チャネル(15)の傾斜したセグメント(34)は、開口壁の上側セグメント(20)と内側壁(16)を連結するアーチ型天井部(25)内で下方向に摺動し、噴霧チャネル(15)の端部にある楕円ディスク(36)は、楕円の噴霧開口(7)の直後で下方向に摺動する。
【0066】
圧力が作動ボタン(6)から取り除かれたとき、容器(1)の弁軸(VS)に関連付けられたばねは、噴霧チャネル(15)を上方向に押し出し、その直後、指パッド(38)から垂下した板ばね(45)は、作動ボタン(6)をその元の位置に押し戻す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用エアロゾルディスペンサ、特に化粧組成物を人体の表面上に分与するための携帯用エアロゾルディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,398,082号明細書は、携帯用キャニスターのための作動機構を開示しており、この機構では、スライダーが、指圧によって、弁が係合解除される位置から弁が係合可能な位置に移動可能であり、指圧が取り除かれたとき、隠しばねが、弁が係合解除される位置にスライダーを戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,398,082号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、摺動可能な作動ボタンを備えた人間工学的に優れたエアロゾルディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様では、エアロゾル容器および取り付けられた噴霧キャップを備える携帯用の円筒状エアロゾルディスペンサが提供され、容器は、その上部に弁、およびその上側端部寄りにくびれたセクションを有し、くびれたセクションの上側の伸長部は、取り付けられたキャップ内へとなだらかに続き、取り付けられたキャップは、最大断面寸法に到達しそこからさらに上へと低減し:
(i)取り付けられたキャップの最大断面寸法の上方のその表面上に位置する作動ボタンであって、上方向に15°から50°に傾斜されている、前記ボタンと、
(ii)キャップの作動ボタンとは反対側の噴霧開口と、
(iii)容器上の弁と噴霧開口の間に流体連通をもたらす関連付けられた噴霧チャネルとを有し、
ディスペンサーの寸法は、消費者が、容器のくびれたセクションの周りでディスペンサーを握り、同じ手を用いて、人差し指で作動ボタンを押さえ付けてディスペンサーを作動させることを可能にする。
【0006】
本発明の第2の態様では、化粧用エアロゾル組成物を人体に施与する方法であって、本発明の第1の態様による作動装置を用いることを含む、方法が提供される。
【0007】
この説明を通じて、「上部」、「上側」、「垂直」、「水平」、および「下方向」などの方向用語は、容器の基部が水平面上に着座した状態で「直立」位置にあるディスペンサーを指していることを理解されたい。ディスペンサーのそのような方向は、図1および図2に示されている。
【0008】
用語「垂下する」は、他方から下方向に突出する形状を指すことを理解されたい。
【0009】
用語「横方向」は、2つ前の段落で説明されたように配向されたときの、ディスペンサーの垂直軸に対して概ね直角である平面を指すことを理解されたい。
【0010】
ディスペンサーの垂直軸は、その主要軸として考えられてもよく、用語「水平」は、この軸に対して直角である平面を指している。
【0011】
本発明のディスペンサーは、片手を用いた操作が容易である。容器の傾斜した作動ボタンおよびくびれた設計により、好都合にディスペンサーを手の中で保持することが可能になり、このとき人差し指は、簡単な伸張動作を介して作動装置を作動させることができる。望ましいことに、ディスペンサーは、消費者が、容器のくびれ部を拇指丘と中指および薬指の間で握り、消費者の人差し指を、その指腹が、作動前に作動ボタンの上部にある指パッドの中心に置かれたときに、わずかに曲がった体勢状態にすることができるように寸法設定される。
【0012】
作動ボタンの上面は、その指パッドであると考えなければならない。
【0013】
容器のくびれたセクションは、ゆるやかな輪郭の狭小にされたセクションであることを理解されたい。すなわち、「くびれ部」に向かって直径が除々に減少するセクション、その後直径が除々に増大するセクションが続くものである。「くびれ部」は、くびれたセクションの最も狭小の部分であることを理解されたい。
【0014】
ディスペンサーの「上側」部分は、ディスペンサーのそのくびれ部の上方の部分であること、およびディスペンサーの「下側」部分は、ディスペンサーのそのくびれ部の下方の部分であることを理解されたい。
【0015】
容器のくびれたセクションは、通常、容器の2分の1、好ましくはその上3分の1の部分として存在する。
【0016】
くびれたセクションの上側の伸長部は、取り付けられた噴霧キャップ内へとなだらかに続いている。すなわち、ディスペンサーの直径の上向きの伸長部は、ほぼ同じ程度で、容器からキャップ内へと移っていく。これは、容器と噴霧キャップの間に明確な接合部が存在する可能性を排除しているのではない。実際、これは標準的である(以下参照)。好ましくは、ディスペンサーの上側部分の最大直径は、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントである。
【0017】
安定性という理由から、ディスペンサーの上側部分の最大直径は、好ましくは、ディスペンサーの下側部分の最大直径を超えない。より好ましくは、ディスペンサーの上側部分の直径は、ディスペンサーの下側部分の直径と同じまたはほぼ同じである。
【0018】
好ましい実施形態では、噴霧キャップは、エアロゾル容器の上部において所定位置に係止可能である。これは、噴霧キャップの底部の内縁およびエアロゾル容器の上部寄りの関連付けられた溝の周りにビーディング加工を用いることによって達成され得る。エアロゾル容器の上部の所定位置に「係止された」噴霧キャップを有することにより、操作上の堅牢性が改良される。噴霧キャップは、取り外されることなく、そこを通じてエアロゾル容器内の製品が分与され得る(噴霧される)キャップである。これは、容器上の弁と噴霧キャップ内の噴霧開口との間の流体連通を与える関連付けられた噴霧チャネルを有することによって達成される。
【0019】
噴霧開口は、噴霧キャップの外壁によって画定された空隙である。この空隙を通じて、噴霧チャネルは、容器上の弁が開かれたときに容器の中身を分与することを可能にする。噴霧開口は、ディスペンサーの正面にあると考えられるものである。
【0020】
容器上の弁は、それにかかる下方向の圧力によって開かれ得、この圧力は通常、関連付けられた噴霧チャネルにかかる下方向の圧力によって発生する。
【0021】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部は、30mmから40mm、より好ましくは33mmから39mm、最も好ましくは35mmから37mmの外径を有する。
【0022】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、作動ボタンの指パッドの中心から70mmから90mm、より好ましくは75mmから81mm、最も好ましくは77.5mmから79.5mmのところに位置する。これらの寸法は、ディスペンサーが女性によって使用されるときに特に適切であり、得られたディスペンサーは、一般的な女性の手の中に良好に嵌まり、特に使用が簡単である。
【0023】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタンの指パッドの中心の間の距離との比は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、少なくとも0.42対1、かつ0.50対1を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも0.44対1かつ0.48対1を超えないものであり、最も好ましくは、少なくとも0.45対1かつ0.47対1を超えないものである。これらの寸法は、ディスペンサーが女性によって使用されるときに特に適切であり、得られたディスペンサーは、一般的な女性の手の中に良好に嵌まり、特に使用が簡単である。
【0024】
好ましい実施形態では、容器のくびれ部の外径と、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントにある容器の直径との比は、少なくとも1対1.15かつ1対1.35を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも1対1.2かつ1対1.3を超えないものであり、最も好ましくは1対1.25である。これらの相対寸法は、特に上記の段落で詳述された好ましい比の1つと組み合わせて、人間工学的な利点の向上をもたらす。
【0025】
作動ボタンは、好ましくは、これを摺動させることによって作動され、すなわち作動ボタンを前方向に摺動させて噴霧開口を介してエアロゾル容器の中身を放出させる。ボタンの摺動は、人差し指を延ばすことによって好都合に行われることが可能であり、このとき前記指は、指腹が作動ボタンの中心に着座した状態でわずかに曲がった体勢にある。
【0026】
繰り返し使用するために、作動ボタンは、戻り機構を有することが極めて好ましい。通常、作動ボタンには戻りばねが嵌合され、この戻りばねは、ボタンが前方向に押されたときに付勢され、ボタン上の圧力が除去されたとき、ボタンをその元の位置に戻すように働く。
【0027】
作動ボタンは、水平に対して、15°から50°、好ましくは20°から45°、より好ましくは25°から40°の角度で存在する。これらの角度は、その前後軸に沿った作動ボタンと、同じ垂直面内にある水平線との間の角度と考えなければならない。作動装置が湾曲しているとき、示された角度において曲線の接線が存在することが必要とされる。
【0028】
作動ボタンは、握りを向上させるために、その上面を横切るリブを有することができる。好ましくは、ボタンの上面は、同じ理由のために熱可塑性エラストマーで作製される。作動ボタンの主本体は、代替の可塑性材料、たとえばアセタールコポリマーで作製されてもよい。
【0029】
作動ボタン、特にその指パッドは、好ましくはその前端部において上方向に湾曲している。これはボタンの前方向の摺動を助けるように働き、したがって、本発明の人間工学的な利点に寄与することができる。
【0030】
容器の中身の放出は、通常、容器の上部にある弁から噴霧開口まで導く噴霧チャネルを介するものである。好ましい実施形態では、作動ボタンは、前方向に摺動されたとき、下方向の圧力をバルブ上に及ぼすことが可能になり、それによって前記弁が開かれ、容器内の加圧されたエアロゾル組成物を分与することが可能になる。
【0031】
上記の段落による好ましい実施形態では、作動ボタンは、前方向に摺動され、次いで、エアロゾル容器の上部にある弁上に下方向の圧力を及ぼすために下方向に摺動される。好ましくは、これは、噴霧チャネル上に下方向の圧力を及ぼす作動ボタンから垂下する突起部を介して達成され、噴霧チャネルは、次に弁の下方向の圧力を及ぼす。
【0032】
関連付けられた噴霧チャネルを含む噴霧キャップは、通常、ポリプロピレンなどのプラスチックで作製される。製造の一般的な方法は、射出成形である。
【0033】
本発明によって使用されるエアロゾル容器は、通常、すずメッキまたはアルミニウムで作製される。弁は、容器の上部、通常は中心位置に位置している。容器は、その中に保存されたエアロゾル組成物の圧力に耐えることができる。この圧力は、2または3バールまで、10バールまで、または14バールまでであってもよい。
【0034】
エアロゾル容器は、好ましくは、人体の表面に施与するための化粧組成物を含有する。そのような用途およびそのような組成物では、本発明の人間工学的な利点は特に有利であり、ディスペンサーは、ユーザー自身の体に向かって製品を噴霧するのに特に適している。これは、通常、腋の下部分を標的にした製品、すなわち、防臭および制汗組成物を噴霧する場合に特に当てはまる。
【0035】
以下の特有の実施形態を参照して説明された特徴は、上記で与えられたおよび/または特許請求の範囲で与えられた全体的な説明に独立的に組み込まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】くびれたエアロゾル容器(3)の上部の所定位置に噴霧キャップ(2)を備える本発明によるディスペンサー(1)の後面/側面図である。
【図2】図1に示されたディスペンサー(1)の正面/側面図である。
【図3】エアロゾル容器(3)の上部に通常は存在し得るバルブカップおよび関連付けられたバルブが無い、図1に示されたディスペンサー(1)の分解された後面/側面図である。
【図4】噴霧キャップ(2)の後面/側面/上面図である。
【図5】噴霧キャップ(2)の正面図である。
【図6】示された断面線A−A、B−B、およびC−Cを有する噴霧キャップ(2)の上面図である。
【図7】噴霧キャップ(2)の底面図である。
【図8】噴霧キャップ(2)の底部にあるビーティング加工部(10)を横切る断面である。
【図9】噴霧キャップ(2)の底部にあるビーティング加工部(11)を横切る断面である。
【図10】A−Aに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図11】B−Bに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図12】C−Cに沿って噴霧キャップ(2)を貫く断面図である。
【図13】噴霧チャネル(15)の正面/側面図である。
【図14】わずかに下方から見た作動ボタン(6)の正面/側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1から図3を参照すれば、エアロゾル容器(3)は、その上側端部寄りにくびれたセクション(4)を有する。エアロゾル容器(3)のくびれたセクション(4)の上側伸長部は、取り付けられた噴霧キャップ(2)内へとなだらかに続くが、これらの2つの間には明確な接合部(5)が存在している。
【0038】
噴霧キャップ(2)は、その最大断面寸法の上方のその表面上に存在する摺動可能な作動ボタン(6)を有し、その反対側には、噴霧キャップ(2)の側壁(8)によって画定された噴霧開口(7)が存在する。
【0039】
ディスペンサー(1)は、特に女性の手による取り扱いが最も容易であるように設計される。くびれたセクション(4)は、ユーザーの拇指丘と中指および薬指の間で容易に握られ得、そのようにして握られたとき、ユーザーの同じ手の人差し指の指腹は、駆動ボタン(6)上に載せることができ、このとき人差し指は、前方向および上方向の伸張に備え、わずかに曲がった体勢にある。
【0040】
この特有の実施形態では、容器(3)のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタン(6)の中心の間の距離との比は、ディスペンサーの湾曲した外面に沿った最短距離として測定されたとき、0.46対1である。
【0041】
噴霧キャップ(2)およびその特徴は、図4から図12にさらに示されている。噴霧キャップ(2)は、側壁(8)によって画定された円形の断面を有し、噴霧キャップ(2)の直径は、その上側端部に向かって減少している。側壁(8)は、ディスペンサー(1)の正面にあると考えられる楕円形の噴霧開口(7)を画定する。楕円形の噴霧開口(7)は、水平方向にその短軸を有し、側壁(8)の上側端部寄りに位置している。
【0042】
噴霧開口(7)の両側の側壁(8)から内方向に突出しているのは、2本の支持翼(9)である。これらの支持翼(9)は、側壁(8)の上部からその長さを約半分下ったポイントまで延びる薄い壁である。噴霧開口(7)に面する支持翼(9)の各々の側部から、噴霧チャネル誘導壁(10)が突出している。これらの噴霧チャネル誘導壁(10)は、ディスペンサー(1)の前後軸(A−A)に対して直角の垂直平面内にある。これらは、噴霧開口(7)の近傍で支持翼(9)から互いに向かって延びる。噴霧チャネル誘導壁(10)は、これらの間に空隙を残して終端し、この空隙は、常に、楕円の噴霧開口(7)の短軸よりわずかに大きいものである。
【0043】
側壁(8)の底部には、噴霧キャップ(2)をエアロゾル容器(1)の上部にスナップ式に係止することを可能にすることが意図されたビーディング加工部(11Aおよび11B)が存在する。ビーディング加工部は、側壁(8)の底部内面の周りに等しく分散され、かつ波形ビーディング加工部(11B)によって介在された6つの滑らかなビード(11A)からなる。ビーディング加工部(11Aおよび11B)の詳細な断面は、図8および図9にそれぞれ示されている。ビーディング加工は、エアロゾル容器1の上部周りのくぼみ(12)内にスナップ式に取り付けられる(図3を参照)。
【0044】
噴霧キャップ(2)はまた、開口(14)を画定する上壁(13)も有し、開口は、関連付けられた噴霧チャネル(15)のセグメントを収容することが意図されている(下記参照)。上壁(13)は、前後で高さが変わる、つまり前部では比較的高く、後部に向かって低くなる内壁(16)によって側壁(8)に連結される。
【0045】
上壁(13)は、水平から約32°の角度で作動装置の前部に向かって上方向に傾斜した大きなセグメント(13A)と、概ね水平である小さいセグメント(13B)とを有する。(図11を参照)。小さいセグメント(13B)は、上壁(13)の前端部に存在する。上壁(13)内の開口(14)は、大きいセグメント(13A)および小さいセグメント(13B)が結合する場所の中央に位置するが、多くは小さい部分(13B)によって画定される。
【0046】
開口(14)の両側、すなわち作動ボタン(6)の移動の方向に直角な方向に、2つの突出部(17)が、上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する。突出部(17)はそれぞれ、開口(14)に隣接するそれらの側部上に高くなった尾根部(18)を有する。
【0047】
大きい円形の開口壁(19および20)は、開口(14)の輪郭をとり、いずれも垂直方向に上壁(13)から垂下および隆起している。(図12を参照)。上壁(13)から垂下する下側セグメント(19)は、上壁(13)から隆起する上側セグメント(20)よりも長い。上壁(13)から垂下する下側セグメント(19)は、その前部に、空隙(21)、空隙(21)の縁から噴霧開口(7)に向かって延びる平行な別の壁(22)を有する。これらの平行な別の壁(22)は、噴霧開口(7)の方向に上方向に傾く下側縁(23)を有する。平行な別の壁(22)は、内壁(16)の外側縁(24)と同じ高さで終端する。
【0048】
上壁(13)から隆起する開口壁の上側セグメント(20)は、これもまた上壁(13)から隆起する上記で述べられた突出部(17)によって当接される。上側セグメント(20)の前部から、高くなったアーチ型天井部(25)が延び、上側セグメント(20)を内壁(16)に連結し、上壁(13)の小さいセグメント(13B)および開口壁の上側セグメント(20)における「空隙」の橋渡しをする。高くなったアーチ型天井部(25)は、その上部にドームが付けられ、その内面(26)は、上壁(13)から垂下する開口壁の下側セグメント(19)内の空隙(21)の縁から延びる平行な別の壁(22)の内面と連続する。高くなったアーチ型天井部(25)は、噴霧チャネル(15)のセグメントを収容するように設計される(下記参照)。
【0049】
大きい円形の開口壁(19および20)の内面(20C)は、連続的であり、開口(14)の両側の上壁(13)から隆起する2つの突出部(17)と整列される垂直な後退部(20D)を両側に有する。
【0050】
上壁(13)の大きいセグメント(13A)から、中央の突出部(27)が隆起し、上壁(13)内の空隙(29)を通り抜けて延びる後面(28)を有する。この広範囲にわたる後面(28)は、実質的な支承壁を形成し、これ以降そのように称されることになる。
【0051】
上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部に向かって、拘束クリップ(30)が突出する。これらは、作動ボタン(6)のセグメントを拘束するように意図されている(下記参照)。クリップ(30)は、拘束クリップ(30)から後方向、すなわち作動ボタン(6)が押される方向から離れる方向に延びる上壁(13)内の平行なスリット(31)上に着座する。
【0052】
2つの別の平行なスリット(32)が、上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する。これらの別の平行なスリット(32)もまた、前後に通り、中央突出部(27)の両側に位置し、上壁(13)から中央突出部(27)の後面(28)と同じ高さのポイントまで隆起する突出部(17)の直後から伸びている。
【0053】
上記で述べられた噴霧チャネル(15)は、図13に示されている。これは、垂直なセグメント(33)および垂直なセグメント(34)に対して約114°の角度、すなわち水平から24°の角度にあるセグメント(34)からなる。垂直なセグメント(33)および傾斜したセグメント(34)は、流体連通している。
【0054】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、エアロゾル容器(3)の弁軸(図示されず)上に嵌合するように設計され、前記嵌合を助けるためにその基部(36V)において広げられている。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)はまた、噴霧キャップ(2)の上壁(13)内の開口(14)内にぴったりと嵌合するように設計されている(下記参照)。このようにして、噴霧チャネル(15)の横方向の移動が、制限される。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、ディスペンサー(1)が操作されたとき、作動ボタン(6)のセグメントが押さえ付ける弾性領域(35)を、その上部に有する。
【0055】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、その側部の両側から、すなわち作動ボタン(6)の移動方向に対して直角な方向に突出する垂直に向けられた長方形ブロック(33A)を有する。これらの長方形ブロック(33A)は、大きな円形開口の壁(19および20)の内面(20C)内の垂直な後退部(20D)内で摺動することができるように設計される。そのような手段により、噴霧チャネル(15)の回転移動が、制限される。
【0056】
噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)は、その両側の長方形ブロック(33A)の上方を少し過ぎたところに各々存在する、2つの小さい保持クリップ(33B)を有する。これらのクリップ(33B)は、製造中、噴霧チャネル(15)を定位置に保持するように働き、ディスペンサー(1)の最初の使用時にそこから抜き出る。
【0057】
噴霧チャネル(15)の傾斜したセグメント(34)は、内面的および外面的のいずれにおいても垂直なセグメント(33)より狭小である。傾斜したセグメント(34)は、垂直なセグメント(33)の上部から噴霧開口(7)に向かって通じている。傾斜したセグメント(34)の噴霧開口端部では、楕円の噴霧開口(7)の直後に嵌合し、常に外側から見える空隙は残さないように設計された楕円ディスク(36D)が存在する。また、傾斜したセグメント(34)の端部では、噴霧品質を改良するように設計された従来の渦流チャンバ(37)も存在している。
【0058】
作動ボタン(6)が、図14に示されている。これは、指パッド(38)およびそこから垂下したさまざまな要素からなる。指パッド(38)は、前後方向、すなわちそれが摺動するように設計される方向に長い。指パッドは、噴霧キャップ(2)の上壁(13)に着座するように設計される。指パッド(38)は、使用における人間工学性を改良するために、その前端部(39)において上方向に湾曲する。また、この同じ目的のために、湾曲した突出部(38A)もまたその上面に存在している(これらの特徴に関しては図1および図3を参照)。
【0059】
指パッド(38)から垂直に垂下しているのは、2つの配向クリップ(40)であり、これらのクリップは、中央突出部(27)の両側に位置する上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する2つの平行なスリット(32)を通り抜けるように設計される。クリップ(40)は、スリット(32)内へのそれらの挿入を助ける、外方向に向いているくさび(41)を有し、クリップ(40)は、挿入が行われたときに一時的に内方向に曲げられる。作動ボタン(6)が押されたとき、保持クリップ(40)は、そのそれぞれのスリット(32)内で前方向に摺動する。
【0060】
指パッド(38)からその中央の前後軸に沿って垂下しているのは、竜骨形状の構造(43)である。前記構造は、その前端部近くの指パッド(38)の下側側部から外方向に傾き、指パッド(38)の長さの約半分のところで終端する。竜骨形状の構造(43)の下側部分(44)は、ディスペンサー(1)が操作されたときに、作動ボタン(6)の垂直セグメント(33)の上部における弾性領域(35)を押さえ付けるように設計される。
【0061】
弾性の板ばね(45)が、その前後軸の後ろ寄りのポイントで指パッド(38)から垂下している。板ばね(45)は、前記上壁(13)から隆起する中央突出部(27)の後方に存在する噴霧キャップ(2)の上壁(13)内の空隙(29)を通り抜けるように配置される。板ばね(45)は、上壁(13)から隆起する中央突出部(27)の延長された後面(28)を形成する大きな耐力壁(28)に当接するように設計される。作動ボタン(6)が前方向に押されたとき、板ばねが付勢される。作動ボタン(6)が解除されたとき、板ばね(45)は、作動ボタン(6)をその元の位置に向かって押し出す。
【0062】
指パッド(38)の前部から、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する2つの突出部(17)と相互作用するように設計された2つの突出部(46)が垂下する。作動ボタン(6)が前方向に押されたとき、指パッド(38)から垂下する突出部(46)の下側部分は、前記垂下する突出部(46)が前記隆起する突出部(17)を行きすぎるまで、噴霧キャップ(2)の上壁(13)を隆起させる突出部(17)の上部分に沿って摺動する。噴霧キャップ(2)の上壁(13)から隆起する突出部(17)上の高くなった尾根部(18)は、このプロセス中、指パッド(38)から垂下する突出部(46)を誘導するように働く。前記垂下突出部(46)が、前記隆起する突出部(17)を行きすぎた後、作動ボタン(6)は、押し下げられ得る。
【0063】
指パッド(38)の後ろから、ヒンジ継手(48)を有する2本の支柱(47)が垂下しており、ヒンジ継手(48)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する平行なスリット(31)内に取り付けられるように設計されている。
【0064】
作動装置が操作されるとき、作動ボタン(6)は、前方向に摺動され、指パッド(38)の前部から垂下する突出部(46)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する突出部(17)に沿って進む。これと同時に、指パッドから垂下する2つの配向クリップ(40)が、中央突出部(27)の両側に位置する上壁(13)の大きいセグメント(13A)内に存在する2つの平行なスリット(32)内で前方向に摺動し、指パッド(38)の後ろから垂下するヒンジ継手(48)は、噴霧キャップ(2)の上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する平行なスリット(31)に沿って摺動する。それと同時に、板ばね(45)は、支承壁(28)を押さえ付けることによって付勢されるようになる。
【0065】
指パッド(38)の前部から垂下する突出部(46)が、上壁(13)の小さいセグメント(13B)から隆起する突出部(17)を摺動して過ぎたとき、作動ボタン(6)は、押し下げられることが可能になる。このとき、指パッド(38)の後ろから垂下するヒンジ継手(48)は、上壁(13)の大きいセグメント(13A)の後部寄りに位置する拘束クリップ(30)に到達している。指パッド(38)が、押し下げられ、そこから垂下した竜骨形状の構造(43)が、噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)の上部の弾性領域(35)を押圧する。これにより、噴霧チャネル(15)が、それが上に着座する容器(1)の弁軸(VS)を押圧し、それによって弁が開かれ、容器(1)内の製品の排出が可能になる。噴霧チャネル(15)の垂直なセグメント(33)の押し下げ中、噴霧チャネル(15)の傾斜したセグメント(34)は、開口壁の上側セグメント(20)と内側壁(16)を連結するアーチ型天井部(25)内で下方向に摺動し、噴霧チャネル(15)の端部にある楕円ディスク(36)は、楕円の噴霧開口(7)の直後で下方向に摺動する。
【0066】
圧力が作動ボタン(6)から取り除かれたとき、容器(1)の弁軸(VS)に関連付けられたばねは、噴霧チャネル(15)を上方向に押し出し、その直後、指パッド(38)から垂下した板ばね(45)は、作動ボタン(6)をその元の位置に押し戻す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル容器および取り付けられた噴霧キャップを備える携帯用の円筒状エアロゾルディスペンサであって、容器が、その上部に弁、およびその上部端部寄りにくびれたセクションを有し、くびれたセクションの上側の伸長部が、取り付けられたキャップ内へとなだらかに続き、取り付けられたキャップが、最大断面寸法に到達しそこからさらに上へと低減し、そして、
(i)取り付けられたキャップの最大断面寸法の上方のその表面上に位置する作動ボタンであって、上方向に15°から50°に傾斜されている、ボタンと、
(ii)キャップの作動ボタンとは反対側の噴霧開口と、
(iii)容器上の弁と噴霧開口の間に流体連通をもたらす関連付けられた噴霧チャネルとを有し、
ディスペンサーの寸法が、消費者が、容器のくびれたセクションの周りでディスペンサーを握り、同じ手を用いて、人差し指で作動ボタンを押さえ付けてディスペンサーを作動させることを可能にする、エアロゾルディスペンサ。
【請求項2】
容器のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタンの指パッドの中心の間の距離との比が、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、少なくとも0.42対1かつ0.50対1を超えないものである、請求項1に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項3】
容器のくびれ部の外径と、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントでの容器の直径との比が、少なくとも1対1.15かつ1対1.35を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも1対1.2かつ1対1.3を超えないものであり、最も好ましくは、1対1.25である、請求項1または2に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項4】
ディスペンサーの上側部分の最大直径の最大直径が、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントである、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項5】
作動ボタンが、摺動作動される、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項6】
容器のくびれ部が、33cmから39cmの外径を有し、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、作動ボタンの指パッドの中心から75cmから81cmのところに位置する、請求項1から5のいずれかに記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項7】
作動ボタンが、戻り機構を有する、請求項1から6のいずれかに記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項1】
エアロゾル容器および取り付けられた噴霧キャップを備える携帯用の円筒状エアロゾルディスペンサであって、容器が、その上部に弁、およびその上部端部寄りにくびれたセクションを有し、くびれたセクションの上側の伸長部が、取り付けられたキャップ内へとなだらかに続き、取り付けられたキャップが、最大断面寸法に到達しそこからさらに上へと低減し、そして、
(i)取り付けられたキャップの最大断面寸法の上方のその表面上に位置する作動ボタンであって、上方向に15°から50°に傾斜されている、ボタンと、
(ii)キャップの作動ボタンとは反対側の噴霧開口と、
(iii)容器上の弁と噴霧開口の間に流体連通をもたらす関連付けられた噴霧チャネルとを有し、
ディスペンサーの寸法が、消費者が、容器のくびれたセクションの周りでディスペンサーを握り、同じ手を用いて、人差し指で作動ボタンを押さえ付けてディスペンサーを作動させることを可能にする、エアロゾルディスペンサ。
【請求項2】
容器のくびれ部の外径と、くびれ部の外径と作動ボタンの指パッドの中心の間の距離との比が、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、少なくとも0.42対1かつ0.50対1を超えないものである、請求項1に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項3】
容器のくびれ部の外径と、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントでの容器の直径との比が、少なくとも1対1.15かつ1対1.35を超えないものであり、より好ましくは、少なくとも1対1.2かつ1対1.3を超えないものであり、最も好ましくは、1対1.25である、請求項1または2に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項4】
ディスペンサーの上側部分の最大直径の最大直径が、噴霧キャップが容器上に取り付けられるポイントである、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項5】
作動ボタンが、摺動作動される、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項6】
容器のくびれ部が、33cmから39cmの外径を有し、ディスペンサーの湾曲した外面に沿って最短距離として測定されたとき、作動ボタンの指パッドの中心から75cmから81cmのところに位置する、請求項1から5のいずれかに記載のエアロゾルディスペンサ。
【請求項7】
作動ボタンが、戻り機構を有する、請求項1から6のいずれかに記載のエアロゾルディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−507450(P2012−507450A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533728(P2011−533728)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064314
【国際公開番号】WO2010/052168
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064314
【国際公開番号】WO2010/052168
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】
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