説明

携帯端末、ソフトウェアキーボード表示方法、及びソフトウェアキーボード表示プログラム

【課題】次に入力される可能性が高いソフトウェアキーを拡大表示し、かつ次に入力される可能性の低いソフトウェアキーに対しても所定の表示領域を確保する携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末50は、操作表示部54に複数のキーボード画像を切替えて表示するための制御部90と、複数のキーボード画像を記憶するための記憶部92とを含む。複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含む。複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示される。一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像でも基準となる第1のサイズで表示され、かつ、他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では第1のサイズで、他のキーボード画像では第1のサイズより大きなサイズで表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関し、特に、利用者によって操作される、キーと同様の形状の画像を表示一体型のタッチパネルに表示するソフトウェアキーボードを実現する携帯端末、ソフトウェアキーボード表示方法、及びソフトウェアキーボード表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カーナビゲーション装置、及び携帯用音楽プレーヤ等の、表示一体型のタッチパネルを備えた携帯情報端末が普及している。そのような携帯情報端末では、ソフトウェアキーボードと呼ばれるユーザインタフェース(以下、UIと呼ぶ。)を備えたものが多い。
【0003】
ソフトウェアキーボードとは、タッチパネル等に表示される複数キーの画像配列を利用したUIである。ソフトウェアキーボードで使用されるキーは、PC(Personal Computer)等に備え付けられているキーボードと同様に配列されることが多い。ソフトウェアキーボードの各キーには、文字及び記号等が表示される。以下、そのようなソフトウェアキーボードのキーの画像を、「ソフトウェアキー」と呼ぶ。利用者が、ソフトウェアキーが表示された箇所を押下することによって、携帯情報端末の制御装置はそのキーに対応した情報を受取り、何らかの動作を行なう。例えば、携帯情報端末にエディタ機能が設けられており、ソフトウェアキーが、A、B、及びC等のアルファベットに割当てられているものとする。利用者が、ある文字に割当てられたキーを押下すると、エディタのプログラムに、そのキーに割当てられた文字コードが通知される。この文字コードに応答してエディタプログラムは入力テキストの表示領域に、押下されたキーに対応する文字を表示したりする。
【0004】
なお、以下に述べるソフトウェアキーボードでは、QWERTY配列でソフトウェアキーが配列されているものとする。
【0005】
ところで、携帯情報端末は、持ち運びすることが便利なように、小型であることが望ましい。また、電子回路の微細化技術の発達も著しい。したがって、携帯情報端末のサイズも小型化される傾向にある。ところが、携帯情報端末のサイズが小さくなるほど、その携帯情報端末に備え付けられるタッチパネルの表示面積も小さくなる。その結果、ソフトウェアキーのサイズも小さくなる。
【0006】
ソフトウェアキーのサイズが小さくなると、利用者が指又はタッチペン等でソフトウェアキーを押下する場合に、誤入力の可能性が高まる。例えば、ソフトウェアキーの表示面積が小さいために、利用者が押下しようとしているキーに隣接するキーを押下してしまう可能性が高くなる。
【0007】
また、誤入力を避けるために、ゆっくりとした速度で正確にソフトウェアキーを押下しようとすると、入力するのに時間がかかるという課題も生じる。
【0008】
そこで、以上の課題を解決するために、特許文献1は、あるソフトウェアキーが押下されたとき、次に押下される可能性が高いソフトウェアキーを拡大して表示する技術を開示している。
【0009】
特許文献1に記載の携帯情報端末装置は、タッチパネルを含む。そのタッチパネルにはソフトウェアキーボードが表示され、ソフトウェアキーにはアルファベットが表示される。利用者がローマ字を入力するためにあるソフトウェアキーを押下したとき、その携帯情報端末装置は、ローマ字変換表を参照して、そのソフトウェアキーの後に入力される可能性の高いソフトウェアキーを拡大して表示する。
【0010】
例えば、利用者が、「G」と表示されたソフトウェアキーを押下したものとする。ローマ字入力において、アルファベットの順列をひらがなに変換する場合、通常、「G」の後には、「A」、「I」、「U」、「E」、「O」、「YA」、「YU」及び「YO」のいずれかが入力される。したがって、「G」が入力された後、これらのソフトウェアキーが拡大して表示される。他のキーの表示位置及び表示の大きさは変化しない。
【0011】
表示領域の面積は狭く、確実な入力を容易にするため、拡大されるソフトウェアキーは、その隣接するソフトウェアキーを覆うように拡大されて表示される。
【0012】
特許文献1に記載の技術では、拡大されたソフトウェアキーに隣接するソフトウェアキーの文字が利用者にとって見えなくなる場合がある。例えば、Yに対応するキーを拡大すると、そのキーに隣接するキーの「T」の文字が、Yに対応するキーに覆われてしまうことがあるのである。
【0013】
その場合に利用者が「T」を入力したい場合、「T」のソフトウェアキーのうち覆われていない箇所に触れれば入力可能である。しかし、入力可能であったとしても、「T」のソフトウェアキーへの接触は、専用のタッチペンを使用したとしても困難な作業である。なぜなら、表示されるソフトウェアキーの面積が小さくなった分だけ、利用者は、ゆっくりとした速度で注意深く正確にタッチペンをそのキーに接触させないといけないからである。
【0014】
また、携帯電話に代表される小型の携帯端末は、出張先及び電車の中等の移動中での利用が前提とされる商品である。したがって、片手での操作、タッチペンの収納し忘れ、及びタッチペンの紛失等によって、タッチパネルを指で操作しなければならないことも考えられる。タッチペンの先端と比較すると、指とタッチパネルとの接触面積は非常に大きい。そうすると、他のソフトウェアキーに覆われたソフトウェアキーを指で押下しようとすることは、タッチペンで押下することよりも困難な作業であると言える。
【0015】
さらに、キーボードの操作に慣れていない利用者にとっては、拡大されたソフトウェアキーに隣接するソフトウェアキーがどの文字に対応するかがわからなくなる。したがって、仮に、その利用者がその隣接するキーに対応する文字を入力したい場合、利用者は、その文字に対応するソフトウェアキーを見つけることが困難となり、困惑してしまうだろう。それは、利用者にとって好ましくないことである。
【0016】
そこで、特許文献2は、拡大されるソフトウェアキーに隣接するソフトウェアキーの文字を利用者が認識可能となる技術を開示している。特許文献2では、ポインティングデバイスによる操作によって、あるソフトウェアキー上にカーソルが移動した場合、そのソフトウェアキーに隣接する全てのソフトウェアキーに表示されている文字を覆うように、そのソフトウェアキーを拡大して表示する。拡大されたソフトウェアキーの中心部分には、そのソフトウェアキーに対応する文字が表示される。隣接する全てのソフトウェアキーの各々において、拡大されたソフトウェアキーの外周部のうち当該隣接するソフトウェアキーが覆われた箇所に、当該隣接するソフトウェアキーに対応する文字が小さく表示される。さらに、拡大されたソフトウェアキーのうち隣接するソフトウェアキーに対応する文字の箇所にカーソルが移動した場合、それまで拡大表示していたソフトウェアキーを通常のサイズに戻す。その後、その隣接するソフトウェアキーを同じ方法で拡大表示する。その新規に拡大したソフトウェアキーの外周部に、隣接するソフトウェアキーに対応する文字を小さく表示する。そのように、ソフトウェアキーを拡大表示することによって、拡大されたソフトウェアキーに隣接するキーがどの文字に対応しているかを、利用者は容易に認識することができる。そうすることによって、キーボードの操作に慣れていない利用者であっても、操作しやすくなる。
【特許文献1】特開平9‐160910
【特許文献2】特開2003‐177848
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、ローマ字変換できない複数の子音が連続で入力された場合に、その複数の子音をどのようにローマ字変換するかは、装置に組込まれている、ローマ字変換する仮名漢字モジュールに依存する。しかし、一般的な、QWERTY配列でキーが配列されているキーボードのために開発された仮名漢字モジュールでは、「GTA」及び「GGA」と入力されると、それぞれ「Gた」及び「っが」に変換され、エラーとはならずに何らかの文字に変換される。
【0018】
この仮名漢字モジュールの仕様を利用して、ローマ字入力において、アルファベットからなる略字(例えば、CPU等)を入力して、入力のための効率を高めている利用者も存在する。すなわち、ローマ字入力において、「G」に対応するソフトウェアキーを拡大して、「T」のソフトウェアキーへの押下を困難にさせてしまうようでは、略字の入力のための操作性を阻害させてしまうことであると言える。次に入力される可能性が低いソフトウェアキーであっても、最低限、押下することが容易であるように、その表示領域を確保することが必要である。
【0019】
しかし、特許文献1に記載の技術では、この課題を解決することは困難である。なぜなら、特許文献1に記載の技術では、あるソフトウェアキーが拡大された場合、そのソフトウェアキーが隣接するソフトウェアキーを覆ってしまう場合がありからである。そうすると、隣接するソフトウェアキーのための十分な表示領域を確保できない。
【0020】
ところで、ローマ字入力において、「G」を押下すると、次に入力される可能性が高い文字は「A」、「I」、「U」、「E」、「O」、「H」、及び「Y」のいずれかである。したがって、「G」に対応するソフトウェアキーが押下されると、その次に入力される可能性が高いそれらのソフトウェアキーを全て同時に拡大表示する必要があると考えられる。
【0021】
しかし、特許文献2に記載の技術では、それを実現することが困難である。「H」に隣接するソフトウェアキーは、「U」及び「Y」であり、特許文献2に記載の技術では、それらの3つのソフトウェアキーを同時に拡大する方法について述べられていない。
【0022】
したがって、本発明の目的は、次に入力される可能性が高いソフトウェアキーを拡大表示し、かつ次に入力される可能性の低いソフトウェアキーに対しても所定の表示領域を確保する携帯端末、ソフトウェアキーボード表示方法、及びソフトウェアキーボード表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の局面に係る携帯端末は、各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶手段と、キーボード画像記憶手段に接続され、表示装置の表示画面上に、キーボード画像記憶手段に記憶された複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するためのソフトウェアキーボード入力手段とを含む。複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含む。複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示される。一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では第1のサイズで、他のキーボード画像では第1のサイズより大きなサイズで表示される。
【0024】
キーボード画像記憶手段は、各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶する。ソフトウェアキーボード入力手段は、表示装置の表示画面上に、キーボード画像記憶手段に記憶されている複数のキーボード画像を切替えて表示し、かつ利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力する。
【0025】
複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組み合わせも互いに重ならないように表示され、かつ、一部のソフトウェアキー及び他のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても第1のサイズ以上のサイズで表示される。したがって、どのキーボード画像が表示されたとしても、利用者にとって操作しやすいソフトウェアキーのサイズが確保されることとなる。
【0026】
ソフトウェアキーが第1のサイズより大きいサイズで表示されると、このソフトウェアキーは、利用者にとって操作しやすくなる。その結果、次に入力される可能性が高いソフトウェアキーを拡大表示し、かつ次に入力される可能性の低いソフトウェアキーに対しても所定の表示領域を確保する携帯端末を提供することができる。
【0027】
好ましくは、複数のキーボード画像は、どのソフトウェアキーも第1のサイズで表示される基準キーボード画像を含み、ソフトウェアキーボード入力手段は、基準キーボード画像と異なるキーボード画像が表示されてから予め定められた時間が経過しても、当該キーボード画像のどのソフトウェアキーも利用者により指定されなかったことに応答して、表示画面上のキーボード画像を基準キーボード画像に切替えて表示する。
【0028】
ソフトウェアキーボード入力手段が、上記した条件によって、表示画面上に基準キーボード画像に切換えて表示する。通常、キーボードを良く利用している利用者がキーボード画像を利用する場合、新規にソフトウェアキーを操作してから別のソフトウェアキーの操作を行なうまでに、それほど時間はかからない。したがって、予め定められた時間の間、操作されないということは、利用者によってキーボード画像への操作が中断された可能性が高いと考えられる。そのような場合、いくらかのソフトウェアキーを拡大したキーボード画像を表示したままにしておくことは意味のないことである。ソフトウェアキーボード入力手段が、基準キーボード画像に切替えて表示することにより、一部のソフトウェアキーが拡大されたキーボード画像を表示したままにするという無意味な表示を防止することができる。
【0029】
より好ましくは、ソフトウェアキーボード入力手段は、利用者により指定されたソフトウェアキーの履歴にしたがって、複数のキーボード画像を切替えて表示画面上に表示させる。
【0030】
ソフトウェアキーボード入力手段は、利用者によって指定されたソフトウェアキーの履歴にしたがって、複数のキーボード画像を切替える。履歴にしたがって複数のキーボード画像が切替るので、表示画面上に表示されたキーボードの操作性は向上する。
【0031】
さらに好ましくは、ソフトウェアキーボード入力手段は、指定されるソフトウェアキーの組合せと、当該組合せの後に表示されるキーボード画像とを関係付けて記憶するための手段と、利用者により指定されたソフトウェアキーの履歴にしたがって、記憶するための手段を参照して、次に表示されるキーボード画像を決定して表示させるための手段とを含む。
【0032】
記憶するための手段は、指定されるキーの組合せと、組合せの後に表示されるキーボード画像とを関係付けて記憶する。表示させるための手段は、操作されたキーの履歴にしたがって、記憶するための手段を参照して、次に表示されるキーボード画像を決定して表示させる。指定されたソフトウェアキーの履歴にしたがってキーボード画像が表示されるので、利用者によるキーボードの操作性は向上する。
【0033】
本発明の第2の局面に係るソフトウェアキーボード表示方法は、入出力制御部が、各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶部に接続するステップと、入出力制御部が、表示装置の表示画面上に、キーボード画像記憶部に記憶された複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するステップとを含む。複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含む。複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示される。一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では第1のサイズで、他のキーボード画像では第1のサイズより大きなサイズで表示される。
【0034】
本発明の第3の局面に係るソフトウェアキーボード表示プログラムは、コンピュータにより実行されると、当該コンピュータを、各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶手段に接続するための接続手段と、表示装置の表示画面上に、キーボード画像記憶手段に記憶された複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するためのソフトウェアキーボード入力手段として機能させる。複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含む。複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示される。一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では第1のサイズで、他のキーボード画像では第1のサイズより大きなサイズで表示される。
【発明の効果】
【0035】
以上のように本発明によれば、表示画面上にどのキーボード画像が表示されたとしても、利用者にとって操作しやすいソフトウェアキーのサイズが確保されることとなる。従来と比較して、利用者による、表示画面上に表示されたキーボード画像の操作性は向上する。その結果、次に入力される可能性が高いソフトウェアキーを拡大表示し、かつ次に入力される可能性の低いソフトウェアキーに対しても所定の表示領域を確保する携帯端末、ソフトウェアキーボード表示方法、及びソフトウェアキーボード表示プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下の実施の形態の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0037】
[子音の分類]
本実施の形態では、アルファベットの子音を、第1〜第3の子音タイプに分類する。
【0038】
子音のうち、ローマ字入力で拗音を入力するために、その後に「H」及び「Y」のいずれも入力され得る子音を、第1の子音タイプと呼ぶ。第1の子音タイプに属する子音は、「C」、「D」、「H」、「S」、及び「T」である。例えば、利用者が「ちゃ」を入力したい場合、「C」の後に「HA」又は「YA」を入力すれば良い。
【0039】
子音のうち、ローマ字で拗音を入力するために、その後に「Y」のみが入力され得る子音を、第2の子音タイプと呼ぶ。第2の子音タイプに属する子音は、「B」、「F」、「G」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「P」、「Q」、「R」、「V」、「X」、「Y」、及び「Z」である。例えば、「びゃ」を入力したい場合、「B」の後に、「YA」を入力すればよい。第2の子音タイプを入力した後に、「H」と母音のいずれかとを続けて入力しても、ひらがなには変換されないものとする。
【0040】
子音のうち、ローマ字で拗音を入力するために、その後に「H」のみが入力され得る子音を、第3の子音タイプと呼ぶ。第3の子音タイプに属する子音は、「W」である。例えば、「うぃ」を入力したい場合、「W」を入力した後に「HI」を入力すればよい。第3の子音タイプを入力した後に、「Y」と母音のいずれかとを続けて入力しても、ひらがなには変換されないものとする。
【0041】
[携帯端末50の構成]
図1は、本実施の形態に係る携帯端末50の外観構成を示す図である。図1を参照して、携帯端末50は、扁平な直方体形状である第1筐体52と、上面の中央部分が露出された状態と、第1筐体52によって上面の中央部分が覆われる状態との間で形状が変化可能なように第1筐体52に連結されている第2筐体66とを含む。
【0042】
なお、当該連結機構は、公知の機構であり、また本発明と直接の関係を持たないのでその詳細はここでは説明しない。
【0043】
携帯端末50は、第2筐体66の上面の中央部分に配置され、文字入力等に使用される多数の、図示しないハードウェアキーと、第2筐体66の上面の、第1筐体52によって覆われない領域に配置されている、利用者によって操作されるトラックボール60とを含む。
【0044】
携帯端末50は、第1筐体52の上面のほぼ全面に配置された、表示部58及びその上に積層されたタッチパネル56からなる、表示一体型のタッチパネルである操作表示部54を含む。
【0045】
操作表示部54は、本実施の形態では、利用者が表示画面の任意の位置に触れると、その位置が利用者により指定されたものとして、その位置情報を出力する機能を持つ。
【0046】
携帯端末50には、ローマ字でひらがなを入力するためのエディタ機能が備わっている。そのエディタ機能が実行されている間、携帯端末50は、QWERTY配列でソフトウェアキーが配列されたソフトウェアキーボードを操作表示部54に表示する。利用者は、そのソフトウェアキーボードを操作することによって、ローマ字でひらがなを携帯端末50に入力する。
【0047】
ソフトウェアキーボードは、操作表示部54の下側にある文字入力領域64に表示される。操作表示部54の上側の文字表示領域62には、利用者がソフトウェアキーボードを操作することによって入力された文字が表示される。
【0048】
文字入力領域64は長方形状である。文字入力領域64には、座標系が規定される。その座標系は、文字入力領域64の左上の頂点を原点として、その原点から右側水平方向をX軸の正の方向とし、下側垂直方向をY軸の正の方向とする。
【0049】
図2は、携帯端末50のハードウェア構成を示すブロック図である。図2を参照して、携帯端末50は、携帯端末50の制御中枢を司る、実質的にコンピュータからなる制御部90と、いずれも制御部90に接続され、制御部90によって提供される、各種アプリケーションの画像を表示したりする操作表示部54、種々の情報を記憶する記憶部92、並びに入力装置98、トラックボール60、スピーカ、及び図示しない無線通信装置等のように、携帯端末としての一般的機能を実現するための各種入出力デバイスとを含む。
【0050】
操作表示部54は、各種アプリケーションの画像を表示する表示部58と、利用者に触れられると、その位置が利用者に指定されたものとして、その位置情報をパネル上の座標の形で出力するタッチパネル56とを含む。
【0051】
記憶部92は、制御部90の機能を実現するプログラムにより内部的に使用される変数及びテーブルをそれぞれ記憶するための各種変数記憶部94及びテーブル記憶部96とを含む。
【0052】
テーブル記憶部96は、アルファベットの順列をローマ字に変換するための変換表を記憶するためのローマ字規則テーブル100と、操作表示部54に表示されるソフトウェアキーボードの表示の態様を決定するための第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104等とを含む。本実施の形態では、テンプレートテーブルは、6個用意されている。これらをそれぞれ第1〜第6のテンプレートテーブルと呼ぶ。
【0053】
制御部90は、時間を計時するための、図示しないタイマを含む。制御部90は、そのタイマを用いることにより、テーブル記憶部96を参照して、ソフトウェアキーボードを操作表示部54に表示する処理を実行する。その処理の詳細については後述する。
【0054】
[テンプレートテーブルの構成]
第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第6のテンプレートテーブルは、各々、操作表示部54に表示されるソフトウェアキーボードにおいて、各ソフトウェアキーの表示領域を定めるためのテーブルである。それらのテンプレートテーブルでは、隣接するソフトウェアキーに重畳しないように、各ソフトウェアキーの座標の領域が規定される。テンプレートテーブルごとに、ソフトウェアキーの表示領域が異なる。
【0055】
本実施の形態では、利用者がソフトウェアキーボードを使用して、新規にひらがなを入力する場合、全てのソフトウェアキーを同じサイズで表示する。その場合の、各ソフトウェアキーのサイズを「小サイズ」と呼ぶ。
【0056】
新規に第1の子音タイプの子音が入力された場合、次に入力されるアルファベットは、母音、「H」、及び「Y」のいずれかである。本実施の形態では、第1の子音タイプの子音が入力された後、母音、「H」、及び「Y」に対応するソフトウェアキーを拡大して表示する。
【0057】
また、第1の子音タイプが入力された後、「H」及び「Y」と比較すると、母音が入力される可能性が高い。本実施の形態では、第1の子音タイプが入力された後、「H」及び「Y」に対応するソフトウェアキーを小サイズよりやや大きいサイズ(以下、「中サイズ」と呼ぶ。)で拡大表示し、母音に対応するソフトウェアキーを中サイズより大きいサイズ(以下、「大サイズ」と呼ぶ。)で拡大表示する。
【0058】
同様にして、本実施の形態では、第2の子音タイプが新規に入力された後、「Y」及び母音に対応するソフトウェアキーを、それぞれ中サイズ及び大サイズで拡大表示する。
【0059】
同様にして、本実施の形態では、第3の子音タイプが新規に入力された後、「H」及び母音に対応するソフトウェアキーを、それぞれ中サイズ及び大サイズで拡大表示する。
【0060】
数字に対応するソフトウェアキーが新規に入力された場合、利用者は続けて数字を入力する可能性が高い。本実施の形態では、数字が新規に入力された後、数字に対応するソフトウェアキーを全て中サイズで拡大表示する。
【0061】
以下、第1の子音タイプの子音と「H」及び「Y」のいずれかとが続けて新規に入力された場合、第2の子音タイプの子音と「Y」とが続けて新規に入力された場合、又は、第3の子音タイプの子音と「H」とが続けて新規に入力された場合のことを「拗音入力状態」と呼ぶ。拗音入力状態であるとき、その次には母音が入力される可能性が高い。本実施の形態では、拗音入力状態では、母音に対応するソフトウェアキーを大サイズで拡大表示する。
【0062】
図3は、第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第6のテンプレートテーブルの仕様について説明するための図である。
【0063】
図3を参照して、第1のテンプレートテーブル102は、新規にローマ字でひらがなを入力する場合に、文字入力領域64に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。本実施の形態では、母音に対応するソフトウェアキーが入力されると、それまで入力されたアルファベットの順列がひらがなに変換される。一旦母音が入力された後は、新規にローマ字でひらがなを入力する状態になる。その場合はいずれのソフトウェアキーも拡大表示する必要はない。そうした場合に、第1のテンプレートテーブルが使用される。第1のテンプレートテーブル102では、全てのソフトウェアキーは小サイズで表示される。
【0064】
第2のテンプレートテーブル104は、直前に入力されたソフトウェアキーが第1の子音タイプであった場合に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。第2のテンプレートテーブル104は、母音は大サイズで拡大表示され、「H」及び「Y」は中サイズで拡大表示される。母音、「H」、及び「Y」以外のソフトウェアキーは小サイズで表示される。
【0065】
第3のテンプレートテーブルは、直前に入力されたソフトウェアキーが第2の子音タイプであった場合に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。第3のテンプレートテーブルでは、母音は大サイズで拡大表示され、「Y」は中サイズで拡大表示される。母音及び「Y」以外のソフトウェアキーは小サイズで表示される。
【0066】
第4のテンプレートテーブルは、直前に入力されたソフトウェアキーが第3の子音タイプであった場合に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。第4のテンプレートテーブルでは、母音は大サイズで拡大表示され、「H」は中サイズで拡大表示される。母音及び「H」以外のソフトウェアキーは小サイズで表示される。
【0067】
第5のテンプレートテーブルは、直前に入力されたソフトウェアキーが数字であった場合に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。第5のテンプレートテーブルでは、数字は中サイズで拡大表示され、数字以外のソフトウェアキーは小サイズで表示される。大サイズで表示されるソフトウェアキーはない。
【0068】
第6のテンプレートテーブルは、拗音入力状態のように特殊な状態時に表示されるソフトウェアキーボードのためのテーブルである。第6のテンプレートテーブルでは、母音は大サイズで拡大表示され、母音以外のソフトウェアキーは小サイズで表示される。中サイズで表示されるソフトウェアキーはない。
【0069】
図4は、第1のテンプレートテーブル102の構成を示す図である。図4を参照して、第1のテンプレートテーブル102においては、アルファベット及び0〜9の数字の各文字に対して1組の座標データが割当てられる。一組の座標データは、対応する文字に割当てられたソフトウェアキーの上辺と左辺とが交わる頂点の座標である第1のX座標及び第1のY座標と、その頂点と対角をなす頂点の座標である第2のX座標及び第2のY座標とを含む。
【0070】
第2のテンプレートテーブル104及び第3〜第6のテンプレートテーブルの構成は、第1のテンプレートテーブル102の構成と同様である。ただし、各文字に割当てられた座標データの値が異なっている。
【0071】
図5〜10は、それぞれ第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第6のテンプレートテーブルにしたがって表示されるソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
【0072】
図5を参照して、第1のソフトウェアキーボード120では、0〜9の数字及びアルファベットに対応するソフトウェアキーは、全て小サイズの同一の長方形状である。QWERTY配列を構成する4行のソフトウェアキー群の各々は、互いに所定の間隔を隔てて並べて表示される。各行に属する各ソフトウェアキーは、当該行において隣接するソフトウェアキーと所定の間隔を隔てて配置される。
【0073】
図6を参照して、第2のソフトウェアキーボード130は、第1のソフトウェアキーボード120とほぼ同様であるが、以下の点において異なる。
【0074】
第2のソフトウェアキーボード130では、「A」に対応するソフトウェアキーは、大サイズで表示され、かつその対向する1組の2辺が、それぞれその行において隣接する2つのソフトウェアキーに接するように表示される。「H」に対応するソフトウェアキーは中サイズで表示される。「A」及び「H」に対応するソフトウェアキーの中心の座標は、それぞれ拡大される前の「A」及び「H」のソフトウェアキーの中心の座標と同じである。「E」、「U」、「I」、及び「O」に対応するソフトウェアキーも、全て大サイズで表示され、「Y」に対応するソフトウェアキーは中サイズで表示される。他のキーはいずれも小サイズである。2行目のソフトウェアキー群は、隙間なく配置され表示される。
【0075】
図7を参照して、第3のソフトウェアキーボード140は、第2のソフトウェアキーボード130とほぼ同様であるが、「H」に対応するソフトウェアキーが小サイズで表示される点において異なる。
【0076】
図8を参照して、第4のソフトウェアキーボード150は、第2のソフトウェアキーボード130とほぼ同様であるが、以下の点において異なる。
【0077】
第4のソフトウェアキーボード150において、「Y」に対応するソフトウェアキーが小サイズで表示される。2行目のソフトウェアキー群のうち「Q」以外のソフトウェアキーは、隙間なく配置され表示される。
【0078】
図9を参照して、第5のソフトウェアキーボード160は、第1のソフトウェアキーボード120とほぼ同様であるが、数字に対応するソフトウェアキーが全て中サイズである点と、数字に対応するソフトウェアキーが隙間なく配置される点とにおいて異なる。
【0079】
図10を参照して、第6のソフトウェアキーボード170は、第4のソフトウェアキーボード150とほぼ同様であるが、「H」に対応するソフトウェアキーが小サイズで表示される点において異なる。
【0080】
図11は、第1のソフトウェアキーボード120と第2のソフトウェアキーボード130とを比較するための図である。図11を参照して、第1のソフトウェアキーボード120は、「A」、「H」、「W」、「E」、「R」、「T」、「Y」、「U」、「I」、及び「O」にそれぞれ対応するソフトウェアキー180〜198を含む。第2のソフトウェアキーボード130は、「A」、「H」、「W」、「E」、「R」、「T」、「Y」、「U」、「I」、及び「O」にそれぞれ対応するソフトウェアキー200〜218を含む。ソフトウェアキー180〜198は、上記したように、それぞれソフトウェアキー200〜218とサイズが異なる。ソフトウェアキー180、182、及び198の中心座標は、それぞれソフトウェアキー200、202、及び218の中心座標と同じである。ソフトウェアキー204〜216は、その中心座標がそれぞれソフトウェアキー184〜196の中心座標を左側に移動させた位置にある。そのように構成されることによって、第2のソフトウェアキーボード130の2行目のソフトウェアキー群は隙間なく配置される。
【0081】
図12は、第1のソフトウェアキーボード120と第4のソフトウェアキーボード150とを比較するための図である。第4のソフトウェアキーボード150は、「A」、「H」、「W」、「E」、「R」、「T」、「Y」、「U」、「I」、及び「O」にそれぞれ対応するソフトウェアキー240〜254を含む。ソフトウェアキー240〜254は、上記したように、それぞれソフトウェアキー180〜198とサイズが異なる。ソフトウェアキー180、182、186、及び198の中心座標は、それぞれソフトウェアキー240、242、244、及び254の中心座標と同じである。ソフトウェアキー246〜252は、その中心座標がそれぞれソフトウェアキー190〜196の中心座標を左側に移動させた位置にある。そのように構成されることによって、第4のソフトウェアキーボード150の2行目のソフトウェアキー群のうち「Q」を除くソフトウェアキー群は隙間なく配置される。
【0082】
[ローマ字規則テーブル100の構成]
図13は、ローマ字規則テーブル100の構成を示す図である。図13を参照して、ローマ字規則テーブル100においては、新規に入力される、アルファベット及び0〜9の数字の各文字に対して1つのレコードが割当てられる。ローマ字規則テーブル100の各レコードは、文字のタイプを記憶するためのタイプフィールドと、文字とその次に入力される文字との順列によってローマ字変換されるひらがなを記憶するためのかな変換フィールドと、文字の入力後に表示されるテンプレートテーブルを指定するための第1のテンプレートフィールと、文字の入力後に、拗音を入力するために「H」及び「Y」が入力された場合に表示されるテンプレートテーブルの名前を指定するための第2のテンプレートフィールドとを含む。
【0083】
タイプフィールドに記憶される値は、母音、第1〜第3の子音、及び数字からなる。タイプフィールドには、新規文字入力文字フィールドに記憶されている文字に対応するタイプが記憶される。
【0084】
かな変換フィールドには、新規に入力された文字と、次に入力される母音、「Ya」、「Yi」、「Yu」、「Ye」、「Yo」、「Ha」、「Hi」、「Hu」、「He」、及び「Ho」のいずれかとの順列によって変換されるひらがなと、NULLとのいずれかが記憶される。
【0085】
かな変換フィールドにNULLが記憶されている場合、変換するためのひらがなが存在しないことを示す。新規に入力される文字が母音又は数字である場合、かな変換フィールドには全てNULLが格納される。なぜなら、本実施の形態では、母音に対応するソフトウェアキーが入力されると、それまでに入力されたアルファベットの順列がひらがなに変換されるからである。文字が数字であった場合、数字とアルファベットとの組合せで、ひらがなに変換されることはないからである。
【0086】
新規に入力される文字が第2の子音タイプである場合、かな変換フィールドの「Ha」〜「Ho」には、NULLが格納される。新規に入力される文字が第3の子音タイプである場合、かな変換フィールドの「Ya」〜「Yo」には、NULLが格納される。
【0087】
新規に入力される文字と、次に入力される文字との順列が、どのひらがなに変換されるかは、よく知られたことなのでここではその詳細については説明しない。
【0088】
第1のテンプレートフィールドには、第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第5のテンプレートテーブルのいずれかの名前が記憶される。新規に入力される文字が母音、第1〜第3の子音タイプ、及び数字である場合、第1のテンプレートフィールドには、それぞれ第1のテンプレートテーブル102、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第5のテンプレートテーブルの名前が記憶される。
【0089】
第2のテンプレートフィールドには、第6のテンプレートテーブル及びNULLのいずれかが記憶される。新規に入力される文字が母音及び数字である場合、第2のテンプレートフィールドには、NULLが記憶される。なぜなら、母音及び数字の後に、拗音を入力するために、「H」及び「Y」が入力されることはないからである。新規に入力される文字が子音である場合、第2のテンプレートフィールドには、第6のテンプレートテーブルの名前が記憶される。
【0090】
以下、エディタ機能における文字表示方式について述べる。
【0091】
エディタ機能において、文字表示領域62には、文字は「未確定表示」及び「確定表示」のいずれかで表示される。「未確定表示」とは、ローマ字に変換される前の状態であって、文字表示領域62において入力が確定していない表示の状態を言う。例えば、新規に、子音に対応するソフトウェアキーを押下した場合、その一文字だけではローマ字変換することはできない。したがって、子音が一文字入力されただけでは、文字表示領域62において、その子音は未確定表示される。
【0092】
本実施の形態では、未確定表示される文字には、文字表示領域62において、下線を引くこととする。再び図1を参照して、例えば、新規に「S」に対応するソフトウェアキーが押下されたものとする。「S」のみではローマ字変換できないため、未確定表示として「S」に下線を引いて表示する。
【0093】
「確定表示」とは、ローマ字変換した後の表示の状態であって、文字表示領域62において入力が確定した場合での表示の状態を言う。例えば、新規に母音に対応するソフトウェアキーが押下された場合、母音のみでは即座にひらがなに変換可能である。したがって、対応するひらがなが確定表示される。また、新規に一文字の子音と母音とが続けて押下された場合、それらの文字の組合せでローマ字変換可能なので、対応するひらがなが表示される。
【0094】
確定表示では、文字をそのまま文字表示領域62に表示することとし、未確定表示のように下線を引いたりはされない。
【0095】
本実施の形態では、母音及び数字のいずれかが押下された場合、それまで表示していた未確定表示を、ローマ字規則テーブル100にしたがってローマ字変換することとする。
【0096】
なお、通常はこのようにローマ字かな変換後に、かな漢字変換が行なわれるが、かな漢字変換は本発明に直接関係しないため、ここではその説明はしない。
【0097】
[ソフトウェア構成]
図14〜図18は、携帯端末50で実行されるエディタ機能のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このプログラムを実質的にコンピュータである制御部90が実行することにより、携帯端末50のエディタ機能が実現される。
【0098】
図14を参照して、このプログラムは、利用者によってエディタ機能が開始されたことによって起動し、第1のテンプレートテーブル102にしたがった第1のソフトウェアキーボード120を文字入力領域64に表示するステップ300と、ステップ300の後、アルファベット及び数字に対応するソフトウェアキーが利用者によって押下されるまで待機するステップ302とを含む。
【0099】
なお、ステップ302において、ソフトウェアキーが押下されたか否かは、以下のようにして判定される。利用者が操作表示部54に触れたものとする。タッチパネル56は、その位置情報を出力する。制御部90は、第1のテンプレートテーブル102を参照して、その位置情報がいずれのソフトウェアキーの表示領域に属するかを検索する。その位置情報がいずれかのソフトウェアキーの表示領域に属していた場合、制御部90は、アルファベット及び数字に対応するソフトウェアキーが押下されたと判定する。
【0100】
このプログラムはさらに、ステップ302において、アルファベット及び数字に対応するソフトウェアキーが押下されたと判定した場合、押下されたソフトウェアキーが母音に対応するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ304と、ステップ304の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応するひらがなを文字表示領域62に確定表示し、制御をステップ302に戻すステップ306とを含む。
【0101】
このプログラムはさらに、ステップ304の判定結果がNOの場合に、第1の子音タイプが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ308と、ステップ308の判定結果がNOの場合に、第2の子音タイプが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ310と、ステップ310の判定結果がNOの場合に、第3の子音タイプが押下された否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ312とを含む。なお、ステップ312の判定結果がNOの場合、押下されたソフトウェアキーは数字に対応している。
【0102】
図15を参照して、このプログラムはさらに、図14に示すステップ308の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する子音を文字表示領域62に未確定表示するステップ340と、ステップ340の後、第2のテンプレートテーブル104にしたがった第2のソフトウェアキーボード130を文字入力領域64に表示するステップ342とを含む。
【0103】
このプログラムはさらに、ステップ342の後、タイマをリセットするステップ344と、ステップ344の後、アルファベット及び数字に対応するソフトウェアキーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ346と、ステップ346の判定結果がNOの場合に、タイマによって計時された時間が、予め定められた時間(例えば、2秒)を超えたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ348と、ステップ348の判定結果がYESの場合に、第1のソフトウェアキーボード120を文字入力領域64に表示し、制御をステップ344に戻すステップ350とを含む。なお、ステップ348の判定結果がNOの場合、制御はステップ346に戻る。
【0104】
通常、キーボードを良く利用している利用者がローマ字入力のエディタ機能を利用する場合、新規に文字を入力してから次の文字を入力するまでに、それほど時間はかからない。したがって、予め定められた時間(2秒)の間、文字が入力されないということは、エディタ機能の利用が中断されて別のアプリケーションが利用される可能性が高いと考えられる。もし、利用者がエディタ機能の利用を再開したとしても、前に入力しようとしていた文字を忘れて、新規に文字を入力し直す場合があり得る。そのような場合、いくらかのソフトウェアキーを拡大した第2のソフトウェアキーボード130を表示したままにしておくことは意味のないことである。したがって、ステップ348及び350において、予め定められた時間が経過してもソフトウェアキーへの入力がなかった場合、第1のソフトウェアキーボード120を表示することにする。
【0105】
このプログラムはさらに、ステップ346の判定結果がYESの場合、押下されたソフトウェアキーが母音に対応するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ352と、ステップ352の判定結果がYESの場合、文字表示領域62において、現在表示している未確定文字に対応するひらがなを確定文字で表示して、制御を図14に示すステップ300に戻すステップ354とを含む。
【0106】
このプログラムはさらに、ステップ352の判定結果がNOの場合に、「H」及び「Y」のいずれかに対応するソフトウェアキーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ356と、ステップ356の判定結果がNOの場合、文字表示領域62において、現在未確定表示されている文字をひらがなに変化して確定表示し、制御を図14に示すステップ308に戻すステップ358と、ステップ356の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する文字を未確定表示で文字表示領域62に表示するステップ360と、ステップ360の後、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344に戻すステップ362とを含む。
【0107】
図16を参照して、このプログラムはさらに、図14に示すステップ310の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する子音を文字表示領域62に未確定表示するステップ390と、ステップ390の後、第3のテンプレートテーブルにしたがった第3のソフトウェアキーボード140を文字入力領域64に表示するステップ392とを含む。
【0108】
このプログラムはさらに、ステップ392の後、図15に示すステップ344〜354と同様の処理をそれぞれ実行するステップ344A〜354Aを含む。
【0109】
このプログラムさらに、ステップ352Aの判定結果がNOの場合、「Y」に対応するソフトウェアキーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ394と、ステップ394の判定結果がNOの場合、文字表示領域62において、現在未確定表示されている文字をひらがなに変換して確定表示し、制御を図14に示すステップ308に戻すステップ396と、ステップ394の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する文字を未確定表示で文字表示領域62に表示するステップ398と、ステップ398の後、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344Aに戻すステップ400とを含む。
【0110】
図17を参照して、このプログラムはさらに、図14に示すステップ312の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する子音を文字表示領域62に未確定表示するステップ420と、ステップ420の後、第4のテンプレートテーブルにしたがった第4のソフトウェアキーボード150を文字入力領域64に表示するステップ422とを含む。
【0111】
このプログラムはさらに、ステップ422の後、図15に示すステップ344〜354と同様の処理をそれぞれ実行するステップ344B〜354Bを含む。
【0112】
このプログラムはさらに、ステップ352Bの判定結果がNOの場合、「H」に対応するソフトウェアキーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ424と、ステップ424の判定結果がNOの場合、文字表示領域62において、現在未確定表示されている文字をひらがなに変換して確定表示し、制御を図14に示すステップ308に戻すステップ426と、ステップ424の判定結果がYESの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する文字を未確定表示で文字表示領域62に表示するステップ428と、ステップ428の後、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344Bに戻すステップ430とを含む。
【0113】
図18を参照して、このプログラムはさらに、図14に示すステップ312の判定結果がNOの場合に、押下されたソフトウェアキーに対応する数字を文字表示領域62に確定表示するステップ450と、ステップ450の後、第5のテンプレートテーブルにしたがった第5のソフトウェアキーボード160を文字入力領域64に表示するステップ452とを含む。
【0114】
このプログラムはさらに、ステップ452の後、図15に示すステップ344〜352と同様の処理をそれぞれ実行するステップ344C〜352Cを含む。
【0115】
このプログラムさらに、ステップ352Cの判定結果がYESの場合、それまで表示していた未確定文字と新規に押下された母音との順列に対応するひらがなを確定文字で表示して、制御を図14に示すステップ300に戻すステップ454と、ステップ352Cの判定結果がNOの場合、数字に対応するソフトウェアキーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ456とを含む。ステップ456の判定結果がYESの場合、制御はステップ450に戻る。ステップ456の判定結果がNOの場合、制御は図14に示すステップ308に戻る。
【0116】
[動作]
図1〜図18を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る携帯端末50は以下のように動作する。なお、これに先立ち、ローマ字規則テーブル100及び第1のテンプレートテーブル102には、それぞれ図13及び図4に示す情報が予め記憶されているものとする。また、第2のテンプレートテーブル104、及び第3〜第6のテンプレートテーブルには、第1のテンプレートテーブル102と同様にして、アルファベット及び数字に対応するソフトウェアキーの表示領域が定められているものとする。
【0117】
利用者が携帯端末50のエディタ機能を起動したものとする。
【0118】
携帯端末50は、文字入力領域64に、第1のテンプレートテーブル102にしたがって、第1のソフトウェアキーボード120を表示し(図14に示すステップ300)、利用者からソフトウェアキーのいずれかが押下されるまで待機する(図14に示すステップ302)。
【0119】
(1)母音に対応するソフトウェアキーに触れた場合の動作
ステップ300の後、利用者が、第1のソフトウェアキーボード120の、母音に対応するソフトウェアキーに触れたものとする。ステップ304の判定結果がYESとなり、携帯端末50は、入力された母音に対応するひらがなを文字表示領域62に確定表示し、制御をステップ302に戻す(図14に示すステップ306)。
【0120】
(2)第1の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れた場合の動作
ステップ300の後、利用者が、第1のソフトウェアキーボード120の、第1の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れたものとする。
【0121】
携帯端末50は、押下されたソフトウェアキーに対応する、第1の子音タイプのアルファベットを文字表示領域62に未確定表示し(図15に示すステップ340)、第2のテンプレートテーブル104にしたがって、第2のソフトウェアキーボード130を文字入力領域64に表示する(図15に示すステップ342)。携帯端末50は、タイマをリセットし(図15に示すステップ344)、利用者からいずれかのソフトウェアキーのいずれかが押下されるまで待機する(図15に示すステップ346)。
【0122】
ステップ346において、予め定められた時間(例えば、2秒)の間、利用者がどのソフトウェアキーも押下しなかった場合、ステップ348の判定結果がYESとなる。携帯端末50は、第1のソフトウェアキーボード120を文字入力領域64に表示し(図15に示すステップ350)、制御をステップ344に戻す。
【0123】
ステップ346において、利用者が、拗音を入力するために「H」及び「Y」のいずれかに対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、押下されたソフトウェアキーに対応するアルファベットを文字表示領域62に未確定表示する(図15に示すステップ360)。携帯端末50は、第6のテンプレートテーブルにしたがって、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344に戻す(図15に示すステップ362)。
【0124】
ステップ346において、利用者が、母音に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、現在、文字表示領域62に未確定表示されている文字と新規に入力された母音との順列を、対応するひらがなに変換して確定表示し、制御を図14に示すステップ300に戻す(図15に示すステップ354)。
【0125】
ステップ346において、利用者が、母音でも「H」でも「Y」でもないソフトウェアキーを押下した場合、文字表示領域62に表示されている未確定表示を確定表示に変換して、制御を図14に示すステップ308に戻す(図15に示すステップ358)。
【0126】
(3)第2の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れた場合の動作
ステップ300の後、利用者が、第1のソフトウェアキーボード120の、第2の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れたものとする。
【0127】
携帯端末50は、押下されたソフトウェアキーに対応する、第2の子音タイプのアルファベットを文字表示領域62に未確定表示し(図16に示すステップ390)、第3のテンプレートテーブルにしたがって、第3のソフトウェアキーボード140を文字入力領域64に表示する(図16に示すステップ392)。
【0128】
その後、携帯端末50は、ステップ344〜352とそれぞれ同様であるステップ344A〜352Aの処理を行なう。
【0129】
ただし、ステップ346Aにおいて、利用者が、母音に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、ステップ354と同様の処理を行ない、制御をステップ300に戻す(図16に示すステップ354A)。
【0130】
ステップ346Aにおいて、利用者が、拗音を入力するために「Y」に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、現在押下したソフトウェアキーに対応するアルファベットを文字表示領域62に未確定表示する(図16に示すステップ398)。携帯端末50は、第6のテンプレートテーブルにしたがって、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344Aに戻す(図16に示すステップ400)。
【0131】
ステップ346Aにおいて、利用者が、母音及び「Y」以外のソフトウェアキーを押下した場合、文字表示領域62に未確定表示されている文字と新規に入力された文字とをひらがなに変換して確定表示し、制御を図14に示すステップ308に戻す(図16に示すステップ396)。
【0132】
(4)第3の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れた場合の動作
ステップ300の後、利用者が、第1のソフトウェアキーボード120の、第3の子音タイプに対応するソフトウェアキーに触れたものとする。
【0133】
携帯端末50は、押下されたソフトウェアキーに対応する、第3の子音タイプのアルファベットを文字表示領域62に未確定表示し(図17に示すステップ420)、第4のテンプレートテーブルにしたがって、第4のソフトウェアキーボード150を文字入力領域64に表示する(図17に示すステップ422)。
【0134】
その後、携帯端末50は、ステップ344〜354とそれぞれ同様であるステップ344B〜354Bの処理を行なう。
【0135】
ただし、ステップ346Bにおいて、利用者が、母音に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、ステップ354と同様の処理を行ない、制御をステップ300に戻す(図16に示すステップ354B)。
【0136】
ステップ346Bにおいて、利用者が、拗音を入力するために「H」に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、現在押下したソフトウェアキーに対応するアルファベットを文字表示領域62に未確定表示する(図17に示すステップ428)。携帯端末50は、第6のテンプレートテーブルにしたがって、第6のソフトウェアキーボード170を文字入力領域64に表示して、制御をステップ344Bに戻す(図17に示すステップ430)。
【0137】
ステップ346Bにおいて、利用者が、母音及び「H」以外のソフトウェアキーを押下した場合、文字表示領域62に表示されている未確定表示と新規に入力された文字とをひらがなに変換して確定表示し、制御を図14に示すステップ308に戻す(図17に示すステップ426)。
【0138】
(5)数字に対応するソフトウェアキーに触れた場合の動作
ステップ300の後、利用者が、第1のソフトウェアキーボード120の、数字に対応するソフトウェアキーに触れたものとする。
【0139】
携帯端末50は、押下されたソフトウェアキーに対応する数字を文字表示領域62に確定表示し(図18に示すステップ450)、第5のテンプレートテーブルにしたがって、第5のソフトウェアキーボード160を文字入力領域64に表示する(図18に示すステップ452)。
【0140】
その後、携帯端末50は、ステップ344〜352とそれぞれ同様であるステップ344C〜352Cの処理を行なう。
【0141】
ただし、ステップ346Cにおいては、利用者が、数字に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、制御をステップ450に戻す。利用者が、母音でも数字でもないソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、制御をステップ308に戻す。利用者が、母音に対応するソフトウェアキーを押下した場合、携帯端末50は、入力された母音に対応するひらがなを、文字表示領域62に確定表示し、制御をステップ302に戻す(図18に示すステップ454)。
【0142】
(ひらがな入力の具体例)
図19は、当該エディタ機能で、ひらがなを入力する場合での具体例を示す図である。図19を参照して、利用者がエディタ機能を起動した場合、操作表示部54は、文字表示領域62に何も表示されず、文字入力領域64に第1のソフトウェアキーボード120が表示される初期状態500となる。以下、「N」、「A」、「W」、「A」、「C」、「H」、及び「O」の順にソフトウェアキーが押下された場合について説明する。
【0143】
利用者が「N」を押下すると、操作表示部54は、文字表示領域62に「n」が未確定表示され、かつ文字入力領域64に第3のソフトウェアキーボード140が表示される状態502に遷移する。「N」は第2の子音タイプだからである。利用者が「A」を押下すると、操作表示部54は、「n」と「a」との順列によって定まるひらがな「な」が文字表示領域62に確定表示され、かつ文字入力領域64に第1のソフトウェアキーボード120が表示される状態504に遷移する。つづいて、利用者が「W」を押下すると、操作表示部54は、文字表示領域62に「w」が未確定表示され、かつ文字入力領域64に第4のソフトウェアキーボード150が表示される状態506に遷移する。「W」が第3の子音タイプのためである。つづいて、利用者が「A」を押下すると、操作表示部54は、「w」と「a」との順列によって定まるひらがな「わ」が文字表示領域62に確定表示され、かつ文字入力領域64に第1のソフトウェアキーボード120が表示される状態508に遷移する。
【0144】
利用者が「C」を押下すると、操作表示部54は、文字表示領域62に「C」が未確定表示され、かつ文字入力領域64に第2のソフトウェアキーボード130が表示される状態510に遷移する。「C」は第1の子音タイプであるためである。つづいて、利用者が「H」を押下すると、操作表示部54は、文字表示領域62に「H」が未確定表示され、かつ文字入力領域64に第6のソフトウェアキーボード170が表示される状態512に遷移する。「C」及び「H」の順は、第6のテンプレートテーブル採用の条件に合致するためである。
【0145】
利用者が、「O」を押下すると、操作表示部54は、「c」と「h」と「o」との順列によって定まるひらがな「ちょ」が文字表示領域62に確定表示され、かつ文字入力領域64に第1のソフトウェアキーボード120が表示される状態514に遷移する。
【0146】
利用者が数字「3」に対応するソフトウェアキーを押下すると、操作表示部54は、文字表示領域62に「3」が確定表示され、かつ文字入力領域64に第5のソフトウェアキーボード160が表示される状態516に遷移する。
【0147】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る携帯端末50では、ローマ字でひらがなを入力する場合、次に入力される可能性の高いソフトウェアキーを拡大させた複数のソフトウェアキーボードを用意している。それらの複数のソフトウェアキーボードでは、入力される可能性の低いソフトウェアキーが、拡大表示されるソフトウェアキーに覆われないように設定されている。したがって、次に入力される可能性が低いソフトウェアキーについて、利用者が押下しにくいということはない。
【0148】
また、ソフトウェアキーが押下される度に、押下された文字にとって適切なソフトウェアキーボードが表示される。したがって、利用者は、文章を入力しやすくなる。
【0149】
以上の結果、本実施の形態に係る携帯端末50によって、文章の入力にとって操作性が良いソフトウェアキーボードを提供することができる。
【0150】
[変形例]
上記した実施の形態では、ソフトウェアキーボードは表示一体型のタッチパネルである操作表示部54に表示されていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、どのような表示媒体に表示されても良い。例えば、ソフトウェアキーボードは、タッチパネルの他に、接触された位置情報を出力する機能を持たない表示装置に表示されて使用されても良い。そのような場合、当該表示装置に表示されたカーソルをあるソフトウェアキーに重ねて表示して、クリック等の動作を利用者に行なわせ、その動作をソフトウェアキーの押下の動作とみなせばよい。
【0151】
上記した実施の形態では、ソフトウェアキーボードでは、QWERTY配列でソフトウェアキーが配列されていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、ソフトウェアキーはどのような配列パターンで配列されていてもよい。
【0152】
上記した実施の形態では、ソフトウェアキーボードでは、ソフトウェアキーに対応する文字はアルファベット及び数字であった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、ソフトウェアキーに対応する文字は、どのような記号であっても良い。
【0153】
上記した実施の形態では、携帯端末50のエディタ機能は、アルファベットをひらがなに変換する機能であった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。当該エディタ機能は、アルファベットの順列をひらがなに変換し、その変換されたひらがなを対応する漢字に変換する機能であっても良い。また、当該エディタ機能は、日本語のみに限定されない。
【0154】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末50の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末50のブロック図である。
【図3】テンプレートテーブルの仕様について説明するための図である。
【図4】図2に示す第1のテンプレートテーブル102の構成を示す図である。
【図5】第1のテンプレートテーブル102にしたがって、ソフトウェアキーが配置された第1のソフトウェアキーボード120の構成を示す図である。
【図6】第2のテンプレートテーブル104にしたがって、ソフトウェアキーが配置された第2のソフトウェアキーボード130の構成を示す図である。
【図7】第3のテンプレートテーブルにしたがって、ソフトウェアキーが配置された第3のソフトウェアキーボード140の構成を示す図である。
【図8】第4のテンプレートテーブルにしたがって、ソフトウェアキーが配置された第4のソフトウェアキーボード150の構成を示す図である。
【図9】第5のテンプレートテーブルにしたがって、ソフトウェアキーが配置された第5のソフトウェアキーボード160の構成を示す図である。
【図10】第6のテンプレートテーブルにしたがって、ソフトウェアキーが配置された第6のソフトウェアキーボード170の構成を示す図である。
【図11】第1のソフトウェアキーボード120と第2のソフトウェアキーボード130とを比較するための図である。
【図12】第1のソフトウェアキーボード120と第4のソフトウェアキーボード150とを比較するための図である。
【図13】図2に示すローマ字規則テーブル100の構成を示す図である。
【図14】携帯端末50の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図15】携帯端末50の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図16】携帯端末50の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図17】携帯端末50の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図18】携帯端末50の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図19】文字入力の具体例について説明するための図である。
【符号の説明】
【0156】
50 携帯電話
52 第1筐体
54 操作表示部
56 タッチパネル
58 表示部
62 文字表示領域
64 文字入力領域
66 第2筐体
90 制御部
92 記憶部
94 各種変数記憶部
96 テーブル記憶部
98 入力装置
100 ローマ字規則テーブル
102 第1のテンプレートテーブル
104 第2のテンプレートテーブル
120 第1のソフトウェアキーボード
130 第2のソフトウェアキーボード
140 第3のソフトウェアキーボード
150 第4のソフトウェアキーボード
160 第5のソフトウェアキーボード
170 第6のソフトウェアキーボード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶手段と、
前記キーボード画像記憶手段に接続され、表示装置の表示画面上に、前記キーボード画像記憶手段に記憶された前記複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するためのソフトウェアキーボード入力手段とを含む携帯端末であって、
前記複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含み、
前記複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示され、
一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、
他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では前記第1のサイズで、他のキーボード画像では前記第1のサイズより大きなサイズで表示される、携帯端末。
【請求項2】
前記複数のキーボード画像は、どのソフトウェアキーも前記第1のサイズで表示される基準キーボード画像を含み、
前記ソフトウェアキーボード入力手段は、前記基準キーボード画像と異なるキーボード画像が表示されてから予め定められた時間が経過しても、当該キーボード画像のどのソフトウェアキーも利用者により指定されなかったことに応答して、前記表示画面上のキーボード画像を前記基準キーボード画像に切替えて表示する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
入出力制御部が、各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶部に接続するステップと、
入出力制御部が、表示装置の表示画面上に、前記キーボード画像記憶部に記憶された前記複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するステップとを含むソフトウェアキーボード表示方法であって、
前記複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含み、
前記複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示され、
一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、
他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では前記第1のサイズで、他のキーボード画像では前記第1のサイズより大きなサイズで表示される、ソフトウェアキーボード表示方法。
【請求項4】
コンピュータにより実行されると、当該コンピュータを、
各々が複数のソフトウェアキーを含む複数のキーボード画像を記憶したキーボード画像記憶手段に接続するための接続手段と、
表示装置の表示画面上に、前記キーボード画像記憶手段に記憶された前記複数のキーボード画像を切替えて表示し、利用者により指定されたソフトウェアキーに対応する文字コードを出力するためのソフトウェアキーボード入力手段として機能させるソフトウェアキーボード表示プログラムであって、
前記複数のキーボード画像はいずれも、同じ配列パターンで配列された複数のソフトウェアキーを含み、
前記複数のキーボード画像のいずれにおいても、隣接するどのソフトウェアキーの組合せも互いに重ならないように表示され、
一部のソフトウェアキーは、どのキーボード画像においても基準となる第1のサイズで表示され、かつ、
他のソフトウェアキーは、一部のキーボード画像では前記第1のサイズで、他のキーボード画像では前記第1のサイズより大きなサイズで表示される、ソフトウェアキーボード表示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−79441(P2010−79441A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244757(P2008−244757)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】