説明

携帯端末、混雑情報収集サーバ、及び混雑状況把握方法

【課題】任意の場所における混雑状況を把握すること。
【解決手段】本発明の携帯端末10Bは、アクティブ型のRFIDを介して周囲の携帯端末10Cへ応答要求を行う。そして、その応答要求に応じ、RFIDを介して周囲の携帯端末10Cから返信される応答を受け付け、その応答数をカウントする。続いて、カウントされた結果に基づいてカウント情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、混雑情報収集サーバ、及び混雑状況把握方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アミューズメントパーク等、人の集まる場所の混雑状況を把握する方法がある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、次の技術が開示されている。まず、対象となる場所にRFIDタグを設置し、RFIDタグの周囲に位置する携帯電話は、RFIDタグのタグIDを読み取り、読み取ったタグIDを情報収集サーバへ送信する。情報収集サーバでは、タグID毎に携帯電話からの受信回数をカウントし、RFIDタグが設置された場所における携帯電話の台数を把握する。そして、携帯電話の台数により混雑状況を把握する。
【特許文献1】特開2005−196610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の方法では、予めRFIDタグが設置された場所における混雑状況しか把握できない。
【0005】
そこで、本発明は、任意の場所における混雑状況を把握することが可能な携帯端末、混雑情報収集サーバ、及び混雑状況把握方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末は、アクティブ型のRFIDタグ及びRFIDリーダを含むRFID部と、RFID部を介して周囲の携帯端末へ応答要求を行う応答要求手段と、応答要求に応じ、RFID部を介して周囲の携帯端末から返信される応答を受け付ける応答受付手段と、応答受付手段によって受け付けられた応答数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされた結果に基づいてカウント情報を生成するカウント情報生成手段と、を備えることを特徴とする携帯端末。
【0007】
本発明の混雑状況把握方法は、応答要求手段が、アクティブ型のRFIDを介して周囲の携帯端末へ応答要求を行う応答要求ステップと、応答受付手段が、応答要求に応じ、RFIDを介して周囲の携帯端末から返信される応答を受け付ける応答受付ステップと、カウント手段が、応答受付ステップにおいて受け付けられた応答数をカウントするカウントステップと、カウント情報生成手段が、カウントステップにおいてカウントされた結果に基づいてカウント情報を生成する情報生成ステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
これらの発明では、アクティブ型のRFIDを用いて通信を行うので、一台の携帯端末が周囲の携帯端末と自立的に応答要求及び応答受付を行うことができる。そして、応答数をカウントし、カウント結果に基づいてカウント情報を生成することにより、一台の携帯端末の周囲に存在する携帯端末の数を把握し、その数に基づいて一台の携帯端末が位置する場所の混雑状況を把握することができる。よって、任意の場所における混雑状況を把握することが可能となる。
【0009】
また、本発明の携帯端末では、自機の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段によって取得された自機の位置情報をカウント情報生成手段によって生成されるカウント情報に関連付けられるように所定のサーバへ送信する送信手段と、を更に備えることも好ましい。
【0010】
このようにすれば、カウント情報を所定のサーバに送信することにより、所定のサーバにおいて、複数の携帯端末から送信されるカウント情報が集約されることなる。また、自機の位置情報をカウント情報と関連付けられるように所定のサーバへ提供するので、カウント情報が示す混雑状況の位置を所定のサーバにて把握することができる。よって、複数の任意の場所における混雑状況を把握することが可能となる。
【0011】
本発明の混雑情報収集サーバは、第1の携帯端末から指定位置を示す位置情報と指定位置の周囲の混雑情報を要求する旨の情報とを含む混雑情報要求を受け付ける要求受付手段と、要求受付手段によって受け付けられた混雑情報要求に応じて指定位置の付近に位置する第2の携帯端末からカウント情報を取得するカウント情報取得手段と、カウント情報取得手段によって取得されたカウント情報に基づいて生成される混雑情報を第1の携帯端末へ返信する返信手段と、を備え、カウント情報は、第2の携帯端末の周囲に位置する第3の携帯端末から第2の携帯端末の要求に応じて第2の携帯端末へアクティブ型のRFIDを介して返信された応答数に基づいて生成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の混雑情報収集サーバでは、第1の携帯端末から混雑情報要求を受け付け、第2の携帯端末からカウント情報を取得することにより、第1の携帯端末によって要求された混雑情報の対象となる指定位置の近辺に位置する第2の携帯端末から、指定位置の近辺に位置する第3の携帯端末の数に基づくカウント情報を取得することとなる。よって、指定位置の混雑状況を把握することができる。そして、このカウント情報に基づいて生成される混雑情報を第1の携帯端末へ返信するので、指定された任意の場所の混雑情報を提供することができる。
【0013】
また、本発明の混雑情報収集サーバは、要求受付手段が混雑情報要求を受け付けると、複数の携帯端末が属する基地局の位置と指定位置とをマッチングして指定位置の近辺に位置する第4の携帯端末を抽出するマッチング手段と、マッチング手段によって抽出された第4の携帯端末にGPS位置情報を要求するGPS位置情報要求手段と、を更に備え、マッチング手段は、GPS位置情報要求手段による要求に応じて第4の携帯端末から返信されるGPS位置情報が示す位置と指定位置とをマッチングして、指定位置の近辺に位置する携帯端末を第2の携帯端末として抽出することも好ましい。
【0014】
このようにすれば、最初に、基地局情報に基づいて指定位置の近辺に位置する携帯端末を抽出し、その抽出した携帯端末から送信されると共に一般的に基地局情報より精度の高いGPS位置情報に基づいて指定位置の近辺に位置する携帯端末を抽出するので、指定位置の近辺に位置する携帯端末を効率良く且つ精度よく抽出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯端末、混雑情報収集サーバ、及び混雑状況把握方法によれば、任意の場所における混雑状況を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る携帯端末、混雑情報収集サーバ、及び混雑状況把握方法の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、実施形態における混雑情報収集システム1の構成を例示する図である。図1に示すように、混雑情報収集システム1は、複数の携帯端末10A〜10C(例えば、携帯電話機)及び混雑情報収集サーバ30を備え、この複数の携帯端末10A〜10Cと混雑情報収集サーバ30とは、移動体通信網等のネットワークNを介して互いに情報の送受信が可能に構成されている。ネットワークNには、複数の基地局20が含まれ、携帯端末10A〜10Cは、それぞれ属する基地局20を中継して混雑情報収集サーバ30と通信を行う。また、混雑情報収集サーバ30は、ネットワークNにおいて、各携帯端末10A〜10Cの属する基地局20の位置情報が登録された位置登録データベース40と情報の送受信が可能に構成されている。
【0018】
混雑情報収集システム1は、携帯端末10Aが、混雑情報収集サーバ30に対して位置を指定すると共にその位置の混雑情報を要求すると、混雑情報収集サーバ30から該当する位置周辺の混雑情報が提供されるシステムである。混雑情報収集サーバ30から提供される混雑情報は、携帯端末10Aによって指定された指定位置の近辺に存在する携帯端末10Bが、携帯端末10Bの周囲に位置する複数の携帯端末10Cと通信することによって得られる情報に基づいて生成される。以下、混雑情報収集システム1に含まれる携帯端末10A〜10C及び混雑情報収集サーバ30について具体的に説明する。
【0019】
各携帯端末10A〜10Cは、互いに同様な機能を有しており、これらの携帯端末10A〜10Cを携帯端末10として構成を説明する。図2は、携帯端末10のハードウエア構成図である。携帯端末10は、ハードウエアとして、CPU101、主記憶装置であるROM102及びRAM103、入力デバイスである操作部104、データ送受信デバイスである通信装置105などを含んで構成されている。携帯端末10においては、CPU101の制御のもとでRAM103等にインストールされたコンピュータソフトウェアを実行することにより各機能が実現される。
【0020】
また、携帯端末10は、アクティブ型のRFIDタグ106とRFIDリーダ107とアンテナ(図示せず)を含むRFID部108を備える。携帯端末10は、アクティブ型のRFIDタグ106内に内蔵された電池の電力によりRFIDタグ106から情報を送信する。そして、携帯端末10は、他の携帯端末10のRFIDタグ106から送信された情報をアンテナにより受信して、RFIDリーダ107により読み込む。これにより、複数の携帯端末10は、数メートルから数十メートル以内の範囲でアクティブ型のRFIDを介して情報の送受信ができる。
【0021】
混雑情報収集サーバ30は、ハードウエアとして、CPU、RAM及びROM、ハードディスク等の補助記憶装置、キーボード及びマウス等の操作部、ディスプレイ、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信装置などを含むコンピュータシステムとして構成されている(図示せず)。
【0022】
図3は、携帯端末10及び混雑情報収集サーバ30の機能構成図である。図3に示すように、携帯端末10は、携帯端末10Aとして混雑情報収集サーバ30へ混雑情報の要求及び取得を行うための機能Aを有している。この機能Aは、混雑情報要求部11及び混雑情報取得部12の機能要素を含む。混雑情報要求部11は、指定位置を示す指定位置情報と混雑情報を要求する旨の情報とを混雑情報収集サーバ30へ送信する。指定位置情報は、緯度経度を示す情報、「渋谷ハチ公前」等の場所名を示す情報、現在属する基地局の位置情報、住所を示す情報、又は、地図上の位置を指定する情報等である。混雑情報取得部12は、混雑情報要求部11による混雑情報の要求に応じて混雑情報収集サーバ30から返信される混雑情報を受信して、指定位置の混雑情報を取得する。混雑情報は、例えば、1平方メートル当たりに存在する人数を示す情報である。
【0023】
携帯端末10は、携帯端末10Bとして、混雑情報収集サーバ30の要求に応じて指定位置の混雑状況を把握するための機能Bを有している。この機能Bは、GPS位置情報取得部13、応答要求部14、応答受付部15、カウント部16、及びカウント情報生成部17を含む。GPS位置情報取得部13は、混雑情報収集サーバ30から送信されるGPS位置情報を要求する旨の情報に応じて、GPSによる自機の位置情報を取得し、GPS位置情報として自機の電話番号と共に混雑情報収集サーバ30へ返信する。
【0024】
応答要求部14は、混雑情報収集サーバ30から混雑状況の把握を要求する旨の情報を受信すると、アクティブ型のRFIDタグ106を介して応答要求を行う旨の情報を周囲の携帯端末へ発信する。応答受付部15は、応答要求部14による応答要求に応じて周囲の携帯端末10Cから返信される応答をアンテナ及びRFIDリーダ107を介して受け付ける。応答要求部14による応答要求は、RFIDの通信可能な範囲内に位置する携帯端末10Cに届き、応答受付部15は、その携帯端末10Cから返信される応答を受け付けることとなる。
【0025】
カウント部16は、応答受付部15が受け付けた応答数をカウントする。カウント情報生成部17は、カウント部16によるカウント結果を示すカウント情報を生成する。送信部18は、カウント情報生成部17が生成したカウント情報を混雑情報収集サーバ30へ送信する。送信部18は、混雑情報収集サーバ30において、自機が送信したGPS位置情報とカウント情報とを互いに関連づけられるように、カウント情報に自機の電話番号の情報を付加して送信する。
【0026】
携帯端末10は、携帯端末10Cとして、携帯端末10Bからの応答要求に対して応答する機能Cを有している。機能Cは、応答部19を含み、応答部19は、アンテナ及びRFIDリーダ107を介して、他の携帯端末の応答要求部14から送信される応答要求を受信し、RFIDタグ106を介して応答を返信する。
【0027】
携帯端末10の機能B及び機能Cを用いて、携帯端末10Bの周囲の携帯端末10Cの数をカウントし、混雑状況を把握することができる。図4は、携帯端末10によって混雑状況を把握する方法を示す図である。図4(a)及び(b)は、携帯端末10を携帯するユーザ3が複数存在する状態を示している。複数の携帯端末10のうち、少なくとも1つの携帯端末10が混雑情報収集サーバ30から混雑状況の把握を要求する旨の情報を受信すると、その携帯端末10は、携帯端末10Bとしての機能を発揮する。図4において、ユーザ3Bは、その携帯端末10Bを携帯するユーザである。
【0028】
携帯端末10Bの応答要求部14が、RFIDタグ106を介して応答要求を発信すると、その通信距離を半径とし、携帯端末10Bを中心とする円の範囲5内に存在する携帯端末10が応答要求を受信する。この応答要求を受信した携帯端末10が携帯端末10Cとしての機能を発揮して、応答を携帯端末10Bに返信する。(図4において、ユーザ3Cは、携帯端末10Cを携帯するユーザである。)そして、携帯端末10Bの応答受付部15は、携帯端末10Cからの返信応答を受け付け、カウント部16が返信応答数をカウントする。返信応答数が、携帯端末10Bの周囲に存在する携帯端末10Cの台数であり、混雑状況を示す情報である。
【0029】
図4(a)は、7人のユーザ3Cが有する携帯端末10Cによって応答が携帯端末10Bへ返信され、携帯端末10Bによって7人が感知された状態を示す。図4(b)は、2人のユーザ3Cが有する携帯端末10Cによって応答が携帯端末10Bへ返信され、携帯端末10Bによって2人が感知された状態を示す。
【0030】
図3に戻って、引き続き、混雑情報収集サーバ30の機能要素について説明する。混雑情報収集サーバ30は、要求受付部31、マッチング部32、GPS位置情報要求部33、カウント情報取得部34、混雑情報生成部35、返信部36、及び混雑情報データベース37を備える。
【0031】
要求受付部31は、携帯端末10Aから指定位置情報と混雑情報を要求する旨の情報とを受信し、混雑情報要求を受け付ける。マッチング部32は、要求受付部31が混雑情報要求を受け付けると、位置登録データベース40を参照して混雑情報要求の指定位置と複数の携帯端末10が属する基地局20の位置とをマッチングして、指定位置の付近に位置する携帯端末10(第4の携帯端末)を抽出する。位置登録データベース40には、図5に示すように、携帯端末10を識別する電話番号と、携帯端末10の属する基地局20の位置情報とが関連付けて登録されている。
【0032】
GPS位置情報要求部33は、基地局20の位置情報に基づいてマッチング部32によって抽出された携帯端末10へGPSによる位置情報を要求する旨のGPS位置情報要求を送信する。そして、GPS位置情報要求部33は、要求に応じて返信されるGPS位置情報を取得し、取得したGPS位置情報をマッチング部32へ出力する。マッチング部32は、GPS位置情報要求部33が取得したGPS位置情報が示す位置と指定位置とをマッチングして、より精度よく指定位置の近辺に位置する携帯端末10を携帯端末10Bとして抽出する。より具体的には、マッチング部32は、例えば、GPS位置情報が示す緯度経度と指定位置の緯度経度をマッチングする。又は、マッチング32は、GPS位置情報が示す緯度経度の所定範囲内に指定位置の緯度経度が含まれるかどうかマッチングする。
【0033】
カウント情報取得部34は、マッチング部32が抽出した携帯端末10Bへ混雑状況の把握を要求する旨の情報を送信し、その要求に応じて返信されるカウント情報を取得する。混雑情報生成部35は、カウント情報取得部34が取得したカウント情報に基づいて混雑情報を生成する。例えば、混雑情報生成部35は、カウント情報が示す人数を携帯端末10BにおけるRFIDの通信範囲の面積で除することにより、単位面積当たりの人数示す混雑情報を生成する。また、混雑情報生成部35は、上記単位面積当たりの人数を更に、人口に対する携帯端末10を有する割合で除することにより、単位面積当たりの人数を類推した人数を混雑情報としてもよい。
【0034】
返信部36は、混雑情報生成部35が生成した混雑情報を携帯端末10Aへ返信する。また、この混雑情報は、混雑情報データベース37に蓄積される。図6に示すように、混雑情報データベース37は、カウント情報取得部34がカウント情報を取得した日時と、カウント情報を送信した携帯端末10BのGPS位置情報と、混雑情報と、場所名とが互いに関連付けて蓄積されている。
【0035】
次に、図7を参照して本実施形態における携帯端末10及び混雑情報収集サーバ30の動作を説明する。図7は、実施形態における携帯端末10A〜10C及び混雑情報収集サーバ30の動作を示すシーケンス図である。
【0036】
まず、指定位置情報を含むと共に混雑情報を要求する旨の情報が、携帯電話10Aの混雑情報要求部11によって混雑情報収集サーバ30へ送信され、混雑情報要求がなされる(ステップS1)。混雑情報を要求する旨の情報が混雑情報収集サーバ30の要求受付部31によって受信されると、位置登録データベース40を参照することにより各携帯端末が属する基地局の位置と指定位置とが、マッチング部32によってマッチングされ、指定位置の近辺に位置する携帯端末10が抽出される(ステップS2)。
【0037】
抽出された携帯端末10へGPS位置情報を要求する旨の情報が、GPS位置情報要求部33によって送信される(ステップS3)。GPS位置情報を要求する旨の情報が携帯端末によって受信されると、GPS位置情報がGPS位置情報取得部13によって取得され(ステップS4)、混雑情報収集サーバ30へ送信される(ステップS5)。
【0038】
GPS位置情報が混雑情報収集サーバ30のGPS位置情報要求部33によって取得されると、GPS位置情報が示す位置と指定位置とが、マッチング部32によってマッチングされ、より精度よく指定位置の近辺に位置する携帯端末10Bが抽出される(ステップS6)。抽出された携帯端末10Bへ、混雑状況の把握を要求する旨の情報が、混雑情報収集サーバ30のカウント情報取得部34によって送信される(ステップS7)。
【0039】
混雑状況の把握を要求する旨の情報が携帯端末10Bによって受信されると、応答要求部14によって、RFIDタグ106を介して周囲の携帯端末10Cへ応答要求がなされる(ステップS8)。その携帯端末10Bの応答要求に応じて、携帯端末10Cの応答部19によって、RFIDタグ106を介した返信応答がなされる(ステップS9)。返信応答がなされると、返信応答が、応答受付部15によって受け付けられ(ステップ10)、受け付けられた応答数が、カウント部16によってカウントされる(ステップS11)。
【0040】
応答数がカウントされると、カウント結果に基づいてカウント情報がカウント情報生成部17によって生成され(ステップS12)、生成されたカウント情報が送信部18によって混雑情報収集サーバ30へ送信される(ステップS13)。カウント情報が混雑情報収集サーバ30のカウント情報取得部34によって取得されると、カウント情報に基づいて混雑情報が、混雑情報生成部35によって生成され(ステップS14)、返信部36によって携帯端末10Aへ送信される(ステップS15)。このようにして、任意に指定された位置の混雑情報が、携帯端末10Aに提供される。
【0041】
以上説明したように、携帯端末10Bでは、アクティブ型のRFIDを用いて通信を行うので、一台の携帯端末10Bが周囲の携帯端末10Cと自立的に応答要求及び応答受付を行うことができる。そして、応答数をカウントし、カウント結果に基づいてカウント情報を生成することにより、一台の携帯端末10Bの周囲に存在する携帯端末10Cの数を把握し、その数に基づいて一台の携帯端末10Bが位置する場所の混雑状況を把握することができる。よって、携帯端末10Bの表示部に混雑情報を表示することによって、任意の場所における混雑状況を把握し、提供することが可能となる。
【0042】
また、携帯端末10Bでは、GPS位置情報に電話番号を示す情報を付加して送信した後、カウント情報に再び電話番号を示す情報を不可して送信するので、混雑情報収集サーバ30において、複数の携帯端末10Bから送信されるカウント情報が集約されると共に、カウント情報が示す混雑状況の位置を把握することができる。よって、複数の任意の場所における混雑状況を把握することが可能となる。
【0043】
混雑情報収集サーバ30では、携帯端末10Aから混雑情報要求を受け付け、携帯端末10Bからカウント情報を取得することにより、携帯端末10Aによって要求された混雑情報の対象となる指定位置の近辺に位置する携帯端末10Bから、指定位置の近辺に位置する携帯端末10Cの数に基づくカウント情報を取得することとなる。よって、指定位置の混雑状況を把握することができる。そして、このカウント情報に基づいて生成される混雑情報を携帯端末10Aへ返信するので、要求に応じて指定された任意の場所の混雑情報を提供することができる。
【0044】
また、混雑情報収集サーバ30は、最初に、基地局情報に基づいて指定位置の近辺に位置する携帯端末10を抽出し、更にその抽出した携帯端末10から送信されると共に一般的に基地局情報より精度の高いGPS位置情報に基づいて指定位置の近辺に位置する携帯端末10Bを抽出するので、指定位置の近辺に位置する携帯端末10Bを効率良く且つ精度よく抽出することができる。
【0045】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、混雑情報収集サーバ30において携帯端末10Aから混雑情報の要求を受け付けるとマッチング部32において指定位置付近に存在する携帯端末10Bを抽出したが、混雑情報データベース37を検索して、指定位置に該当する混雑情報が蓄積されている場合、蓄積された混雑情報を携帯端末10Aに返信してもよい。
【0046】
また、例えば、携帯端末10が定期的に周囲の携帯端末10とアクティブ型のRFID(RFID部108)を介して応答要求を行い、応答数をカウントし、カウント情報を混雑情報収集サーバ30へ送信してもよい。その場合、混雑情報データベース37に混雑情報を蓄積し、携帯端末10Aから混雑情報の要求があった場合に、混雑情報データベース37を検索して、指定位置に該当する混雑情報を返信することとしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、GPS位置情報を用いたが、位置を示す情報であれば、GPS位置情報に限られない。また、GPS位置情報を用いずに、基地局20の位置情報により抽出した携帯端末10に混雑情況の把握を要求する旨の情報を送信してもよい。
【0048】
また、携帯端末10Aは、時刻を指定する指定時刻情報を含めて混雑情報を要求する旨の情報を混雑情報収集サーバ30へ送信してもよい。この場合、混雑情報収集サーバ30は、上述の手順で取得したカウント情報と、過去の混雑情報の統計データとに基づいて予測した混雑予測情報を生成し、その混雑予測情報を返信する。
【0049】
また、携帯端末10Aは、指定位置から半径何メートル等の範囲を指定する指定範囲情報を含めて混雑情報を要求してもよい。この場合、混雑情報収集サーバ30は、既に混雑情報データベース37に蓄積された混雑情報から、指定範囲内(例えば、指定位置から半径500m)の位置情報を示す混雑情報を検索し、該当する混雑情報が示す単位面積当たりの人数を加重平均して、指定された範囲内の混雑情報とする。要求された範囲内の混雑情報が混雑情報データベース37に蓄積されていない場合には、該当する範囲内を管轄する基地局20の配下の携帯端末10すべてに、GPS位置情報を要求し、GPS位置情報が示す経度緯度が、該当する範囲内である携帯端末10を抽出する。そして、抽出した携帯端末10へ混雑情況の把握を要求する旨の情報を送信して、指定範囲内の混雑情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態における混雑情報収集システムの構成を例示する図である。
【図2】携帯端末のハードウエア構成図である。
【図3】携帯端末及び混雑情報収集サーバの機能構成図である。
【図4】携帯端末によって混雑状況を把握する方法を示す図である。
【図5】位置登録データベースにおいて登録された基地局の位置情報を示す図である。
【図6】混雑情報データベースにおいて蓄積された混雑情報を示す図である。
【図7】実施形態における携帯端末及び混雑情報収集サーバの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0051】
1…混雑情報収集システム、10…携帯端末、10A…携帯端末(第1の携帯端末)、10B…携帯端末(第2の携帯端末)、10C…携帯端末(第3の携帯端末)、13…位置情報取得部(位置情報取得手段、送信手段)、14…応答要求部(応答要求手段)、15…応答受付部(応答受付手段)、16…カウント部(カウント手段)、17…カウント情報生成部(カウント情報生成手段)、30…混雑情報収集サーバ、31…要求受付部(要求受付手段)、32…マッチング部(マッチング手段)、33…GPS位置情報要求部(GPS位置情報要求手段)、34…カウント情報取得部(カウント情報取得手段)、36…返信部(返信手段)、108…RFID部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ型のRFIDタグ及びRFIDリーダを含むRFID部と、
前記RFID部を介して周囲の携帯端末へ応答要求を行う応答要求手段と、
前記応答要求に応じ、前記RFID部を介して前記周囲の携帯端末から返信される応答を受け付ける応答受付手段と、
前記応答受付手段によって受け付けられた応答数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によってカウントされた結果に基づいてカウント情報を生成するカウント情報生成手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
自機の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された前記自機の位置情報を前記カウント情報生成手段によって生成される前記カウント情報に関連付けられるように所定のサーバへ送信する送信手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
第1の携帯端末から指定位置を示す位置情報と前記指定位置の周囲の混雑情報を要求する旨の情報とを含む混雑情報要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段によって受け付けられた前記混雑情報要求に応じて前記指定位置の付近に位置する第2の携帯端末からカウント情報を取得するカウント情報取得手段と、
前記カウント情報取得手段によって取得された前記カウント情報に基づいて生成される前記混雑情報を前記第1の携帯端末へ返信する返信手段と、
を備え、
前記カウント情報は、前記第2の携帯端末の周囲に位置する第3の携帯端末から前記第2の携帯端末の要求に応じてアクティブ型のRFIDを介して前記第2の携帯端末へ返信された応答数に基づいて生成されることを特徴とする混雑情報収集サーバ。
【請求項4】
前記要求受付手段が前記混雑情報要求を受け付けると、複数の携帯端末が属する基地局の位置と前記指定位置とをマッチングして前記指定位置の近辺に位置する第4の携帯端末を抽出するマッチング手段と、
前記マッチング手段によって抽出された前記第4の携帯端末にGPS位置情報を要求するGPS位置情報要求手段と、
を更に備え、
前記マッチング手段は、前記GPS位置情報要求手段による要求に応じて前記第4の携帯端末から返信されるGPS位置情報が示す位置と前記指定位置とをマッチングして、前記指定位置の近辺に位置する携帯端末を前記第2の携帯端末として抽出することを特徴とする請求項3に記載の混雑情報収集サーバ。
【請求項5】
応答要求手段が、アクティブ型のRFIDを介して周囲の携帯端末へ応答要求を行う応答要求ステップと、
応答受付手段が、前記応答要求に応じ、前記RFIDを介して前記周囲の携帯端末から返信される応答を受け付ける応答受付ステップと、
カウント手段が、前記応答受付ステップにおいて受け付けられた応答数をカウントするカウントステップと、
カウント情報生成手段が、前記カウントステップにおいてカウントされた結果に基づいてカウント情報を生成する情報生成ステップと、
を備えることを特徴とする混雑状況把握方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−159005(P2008−159005A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350410(P2006−350410)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】