説明

携帯端末用卓上充電器

【課題】ダイオード等の電気部品を必要とせず、携帯端末の端部をどちらの向きに向けた状態でも嵌合部に携帯端末を差し込むことができ、かつ、適切な充電作業を行うことのできる携帯端末用卓上充電器を提供する。
【解決手段】携帯端末2の端部を保持する携帯端末用卓上充電器1の嵌合部6の底面5に対し一対の正負の電力供給用端子151,152と他の一対の正負の電力供給用端子161,162が点対称となるように配備し、正の電力供給用端子151と161を電気的に短絡して接続すると共に、負の電力供給用端子152と162を電気的に短絡して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等を始めとする携帯端末用卓上充電器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等を載置して充電作業を行うようにした所謂クレイドル型の携帯端末用卓上充電器が既に公知である。
【0003】
図12は従来型の携帯端末用卓上充電器の外観を一例で示した斜視図、図13および図14は従来型の携帯端末用卓上充電器の内部構造とパーツの組み付け状態を視点を変えて示した斜視図である。
【0004】
従来型の携帯端末用卓上充電器3は、図13および図14に示されるように、トップケース31とボトムケース32からなるケーシングの内部に、正負の電力供給用端子332,333とI/Oコネクタ331を実装した基板33を組み込んで構成される。
【0005】
トップケース31の中央部には、図13および図14に示されるように、携帯端末の端部を保持するための周壁部4と底面5からなる嵌合部6が一体に形成され、この嵌合部6に携帯端末の端部を差し込むことで、携帯端末を直立させた状態に保持できるようになっている。
【0006】
一般に、携帯電話等を始めとする携帯端末の端面形状は、その充電時の姿勢、つまり、フォールディング式の携帯端末においては折り畳んだ状態、また、リジッド式の携帯端末にあっては其の端面形状それ自体が、長方形,長方形の4隅に面取りを施して形成された8角形,楕円形状等を呈するのが普通であり、これを差し込む嵌合部6の周壁部4および底面5は、これらの端面形状に合わせて形成される。図13および図14では、一例として、充電に際して折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末を保持するのに適した嵌合部6の形状を示している。
【0007】
正負の電力供給用端子332,333は、図13に示されるように、U字型に屈曲した接点部と該接点部に連絡する捩りコイルバネ部と該捩りコイルバネ部の他端に形成されたL字型の屈折部により一体に形成され、L字型の屈折部の先端を基板33の部品取付ホールに突入させた状態で該部品取付ホールを取り巻くプリント回路にハンダ付け等で固定されている。
【0008】
また、I/Oコネクタ331も、正負の電力供給用端子332,333の場合と同様、其の下面側に突出したピン端子を基板33の部品取付ホールに突入させた状態で、該部品取付ホールを取り巻くプリント回路にハンダ付け等で固定され、このI/Oコネクタ331に接続された図示しない電源供給ケーブルを介して外部から供給される電力を、基板33のプリント回路を介して正負の電力供給用端子332,333に供給するようになっている。
【0009】
嵌合部6の一部を形成する楕円状の底面5の長軸方向の両側には、図14に示されるように、正負の電力供給用端子332,333のU字型の接点部を突出させるためのスリット312,312が穿設され、このスリット312,312を貫通して正負の電力供給用端子332,333のU字型の接点部が底面5の上面側に突出するようになっている。
【0010】
正負の電力供給用端子332,333とI/Oコネクタ331を実装した基板33は、トップケース31側に形成された嵌合部6の楕円状の底面5との間に一定の間隙をおいてボトムケース32上に載置され、図14に示されるように、トップケース31側から下方に向けて突出するスリット付きの2本の矩形状チューブで正負の電力供給用端子332,333の捩りコイルバネ部の外周部をサポートされ、水平および垂直方向の位置ずれを防止された状態で、矩形状チューブの先端とボトムケース32との間に挟み込まれている。
【0011】
トップケース31における下部開口部の内周側の何箇所かには径方向内側に向けて僅かに突出する嵌合爪313が設けられる一方、これに対応するボトムケース32の外周部上の何箇所かには嵌合凹部322が形成され、最終的に、トップケース31側の嵌合爪313をボトムケース32側の嵌合凹部322に嵌合させてトップケース31とボトムケース32を一体化し、ボトムケース32のネジ通し穴321から突入させたビス34の先端を、トップケース31側から下方に向けて突出するボス311の先端のタップ穴に螺合させることで、トップケース31とボトムケース32を固着するようになっている。
【0012】
図15(a)は携帯端末用卓上充電器3の嵌合部6に折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末2を適切に嵌合させて充電作業を行っているときの状況を示した斜視図である。
【0013】
この携帯端末2はキースイッチやマイクを備えた主筐体とディスプレイやスピーカを備えた副筐体とを折り畳んで小型化できる構造であり、一般に、主筐体に比べて副筐体の方が薄く構成されており、携帯端末2の二次電池に充電を行うために必要とされる正負の充電用端子は、厚みのある主筐体側の端部に設けられることが多いので、結果的に、携帯端末2を折り畳んだ状態では、主筐体と副筐体とを合わせて形成される携帯端末の楕円状の端部の長軸に沿う形で正負の充電用端子が配置されることになる。
【0014】
携帯端末用卓上充電器3の嵌合部6における楕円状の底面5には、図14に示されるように、楕円の長軸方向に沿って正負の電力供給用端子332,333の接点部が突設されているので、図15(a)に示されるような適切な状態で携帯端末2の端部を携帯端末用卓上充電器3の嵌合部6に差し込めば、携帯端末2側の正負の充電用端子の各々が携帯端末用卓上充電器3の正負の電力供給用端子332,333と正しく接続され、適正な充電作業を行うことができる。
【0015】
しかし、携帯端末2の端部および嵌合部6の底面5が共に楕円状に形成されているため、図15(b)に示されるようにして携帯端末2を水平面内で180°回転させた状態でも、携帯端末2の端部を携帯端末用卓上充電器3の嵌合部6に差し込むことが可能であり、このような誤った使い方をすると、充電の極性が反転してしまい、携帯端末2の二次電池や内部回路が損傷する問題が生じる。
【0016】
携帯端末2側の正負の充電用端子および携帯端末用卓上充電器3側の正負の電力供給用端子332,333を楕円の短軸方向に沿って外側にオフセットした構成とすれば、図15(b)に示されるようにして携帯端末2を誤って携帯端末用卓上充電器3の嵌合部6に嵌合させても携帯端末2側の正負の充電用端子と携帯端末用卓上充電器3側の正負の電力供給用端子332,333が接触することはなくなるので、携帯端末2側の正負の充電用端子と携帯端末用卓上充電器3側の正負の電力供給用端子332,333が極性を反転した状態で接続されることを防止することが可能であるが、その場合、充電は全く行なわれない。従って、携帯端末2の二次電池や内部回路の損傷は防止できるが、ユーザが差し込みの間違いに気付かずに其の状態を放置していると、充電が完了している筈の携帯端末2に全く充電がなされていないといった不都合を生じる恐れがある。
【0017】
あるいは、嵌合部6の内側や携帯端末2の端部外周に組み違い防止用の突起等を設けて誤った差し込み自体を阻止したり、または、携帯端末2の端面形状として長方形,長方形の4隅に面取りを施して形成された8角形,楕円形状等以外のものを選択することで誤った差し込みを阻止するといったことも考えられるが、そうした場合、携帯端末2の見映えが悪くなったり、携帯端末2のデザインが制限されるといった弊害も生じてしまう。
【0018】
このような問題は、長方形,長方形の4隅に面取りを施して形成された8角形,楕円形等の端面形状を有する携帯端末2に限らず、対称的な端面形状を有する携帯端末2の全てに関連する問題である。
【0019】
対称的な端面形状を有する機器を充電器上に載置して充電作業を行う際に生じる上述の問題を解消する技術としては、特許文献1に開示される充電装置が公知である。
【0020】
特許文献1の充電装置は、正方形状の端面を有する子機において該端面の隣接する頂角部分から突出する2本の充電用端子を充電装置側の電力供給用端子に接続して充電作業を行うもので、充電装置の上面に4つの電力供給用端子を正方配列すると共に、これらの電力供給用端子と複数のダイオードを組み合わせることで、充電装置上に子機が適正に載置された状態,水平面内で90°位相をずらして載置された状態,180°位相をずらして載置された状態,270°位相をずらして載置された状態の何れの場合でも適切な充電作業を行なえるようになっているが、複数のダイオードを必要とするために回路構成が複雑となり、また、生産コストが割高となる点で問題が残る。
【0021】
【特許文献1】実開平3−117334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、対称的な形状を有する端面に正負の充電用端子を備えた携帯端末の充電作業に対処するためのもので、その目的とするところは、ダイオード等の電気部品を必要とせず、携帯端末の端部をどちらの向きに向けた状態でも嵌合部に携帯端末を差し込むことができ、かつ、適切な充電作業を行うことのできる携帯端末用卓上充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の携帯端末用卓上充電器は、直交し長さの異なる2つの対称軸に対して線対称な端面形状を有する携帯端末の端部を保持する嵌合部の底面に正負の電力供給用端子を備え、前記携帯端末の端部に設けられた正負の充電用端子の各々に前記電力供給用端子の各々を接触させて前記携帯端末の二次電池に充電用の電力を供給するようにした携帯端末用卓上充電器であり、前記目的を達成するため、特に、
前記携帯端末の端部の正負の充電用端子の配設位置に合わせて、前記嵌合部の底面の中央から位置をずらせて一対の正負の電力供給用端子を突出させて設けると共に、
前記嵌合部の底面の中央を対称の中心として点対称となる位置に、他の一対の正負の電力供給用端子を突出させて設け、
正の電力供給用端子同士を電気的に短絡して接続し、且つ、負の電力供給用端子同士を電気的に短絡して接続したことを特徴とする構成を有する。
【0024】
携帯端末の端部を保持する携帯端末用卓上充電器の嵌合部には、一対の正負の電力供給用端子が、携帯端末の端部の正負の充電用端子の配設位置に合わせて、嵌合部の底面の中央から位置をずらせて設けられており、更に、嵌合部の底面の中央を対称の中心として点対称となる位置に、他の一対の正負の電力供給用端子が設けられているので、携帯端末を携帯端末用卓上充電器の嵌合部に適切に嵌合させた状態、または、この姿勢から帯端末を水平面内で180°回転させて嵌合させた状態の何れにおいても、何れか一方の一対の正負の電力供給用端子を、極性をたがえずに携帯端末の正負の充電用端子に接続して、適切に充電作業を行うことができる。また、正の電力供給用端子同士が電気的に短絡して接続され、且つ、負の電力供給用端子同士が電気的に短絡して接続されているので、ダイオード等の電気部品は不要であって生産コストの高騰化も免れる。
【0025】
また、前記一対の正負の電力供給用端子および他の一対の正負の電力供給用端子は、相互に独立して前記嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退可能とされていることが望ましい。
【0026】
携帯端末の正負の充電用端子と接触していない側の一対の正負の電力供給用端子を卓上充電器本体内に縮退させることで、電力供給用端子と携帯端末の端部との干渉による電力供給用端子の損傷が防止される。
【0027】
より具体的には、例えば、前記一対の正負の電力供給用端子と他の一対の正負の電力供給用端子とを卓上充電器本体内の相異なる2つの基板上に固設し、
各基板の各々に、該基板を介して前記正負の電力供給用端子を前記嵌合部の底面から突出させる方向に付勢する付勢手段を配備する構成により、電力供給用端子の縮退動作が実現される。
【0028】
このような構成を適用した場合では、携帯端末の正負の充電用端子と接触している一対の正負の電力供給用端子が、此れらの端子を固設した基板を付勢する専用の付勢手段によって一体的に携帯端末の正負の充電用端子に圧接されるので、電気的な接触状態を適正な状態に保持して確実な充電作業を行うことができ、また、携帯端末の正負の充電用端子と接触していない側の一対の正負の電力供給用端子は、携帯端末の端部との干渉による押圧力を受け、該一対の正負の電力供給用端子を固設した基板を付勢する専用の付勢手段の付勢力に抗して嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退するので、電力供給用端子と携帯端末の端部との干渉による電力供給用端子の損傷が防止される。
【0029】
具体的には、前記付勢手段は、前記基板の揺動を許容する揺動軸と、該基板上の正負の電力供給用端子が前記嵌合部の底面から突出する方向に該基板を揺動付勢する弾性体とによって構成することができる。
【0030】
基板を揺動させることで正負の電力供給用端子の突出縮退動作を行わせる関係上、嵌合部の底面と平行な方向に沿って基板のスパン、つまり、揺動軸から電力供給用端子の接点部までの離間距離を或る程度長く設計する必要があり、嵌合部の底面と平行な平面内における携帯端末用卓上充電器の外径が多少は大型化するが、嵌合部における底面の法線方向に沿って基板を直線移動させるような構成と比較すれば、直線移動を規制するためのガイド手段が不要となることから上下方向の高さの短縮が可能であり、携帯端末用卓上充電器の全体的な小型化に役立つ。つまり、嵌合部における底面と平行な平面内における携帯端末用卓上充電器の外径は、携帯端末を保持する携帯端末用卓上充電器の安定を確保する必要上或る程度の大きさが必要であり、実際には、その範囲内に基板を配置することが可能であるので、携帯端末用卓上充電器の外径が実質的に増大することはない。そして、直線移動を規制するためのガイド手段が不要となることから上下方向の高さの短縮が容易であるから、結果として、基板を直線移動させる構成との比較においては携帯端末用卓上充電器の全体的な小型化、端的に言えば、高さの短縮が実現される。また、嵌合部の底面の高さを低く抑えることができるので、携帯端末を保持する嵌合部の周壁部の高さを相対的に増大させることが可能であり、携帯端末の保持に関わる安定度が増大する。
【0031】
前記付勢手段は、基板の揺動を許容する揺動軸と、該基板上の正負の電力供給用端子が前記嵌合部の底面から突出する方向に該基板を揺動付勢するウエイトとによって構成してもよい。
【0032】
スプリング等の弾性体に代えてウエイトを付勢手段として利用することにより、パーツ点数の削減や生産コストの低減化が可能である。
【0033】
更に、前記各基板の各々には、正負の充電用端子の配設位置周辺を除く前記携帯端末の端部が正負の電力供給用端子に干渉することを検知し、該正負の電力供給用端子を前記嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退させる自動回避機構を配備することができる。
【0034】
携帯端末の正負の充電用端子と接触していない側の一対の正負の電力供給用端子が自動的に嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退するので、電力供給用端子と携帯端末の端部との干渉による電力供給用端子の損傷を確実に防止することができる。
【0035】
具体的には、この自動回避機構は、正負の電力供給用端子の近傍位置で一端部を前記基板上に当接させ、その他端部を前記嵌合部の底面から突出させた柱状体によって構成することが可能である。
【0036】
このような構成を適用した場合、携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込むと、携帯端末の正負の充電用端子と接触しない側の一対の正負の電力供給用端子の近傍に位置する柱状体の他端部が携帯端末の端部に当接し、この柱状体の一端部が付勢手段の付勢力に抗して基板を揺動させることで、携帯端末の正負の充電用端子と接触していない側の一対の正負の電力供給用端子を嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退させる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の携帯端末用卓上充電器によれば、携帯端末を携帯端末用卓上充電器の嵌合部に適切に嵌合させた状態、また、この姿勢から携帯端末を水平面内で180°回転させて嵌合させた状態の何れにおいても、携帯端末用卓上充電器の正負の電力供給用端子を極性をたがえずに携帯端末の正負の充電用端子に接続して適切に充電作業を行うことができる。
【0038】
また、ダイオード等の電気部品が不要であることから、生産コストの高騰化といった弊害の発生も未然に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に、本発明を実施するための最良の形態について一例を挙げて具体的に説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の携帯端末用卓上充電器1の外観を示した斜視図、図2は同実施形態の携帯端末用卓上充電器1を示した平面図、図3および図4は同実施形態の携帯端末用卓上充電器1の内部構造とパーツの組み付け状態を視点を変えて示した斜視図である。
【0040】
携帯端末用卓上充電器1は、図3および図4に示されるように、トップケース11とボトムケース12からなるケーシングの内部に、一対の正負の電力供給用端子151,152を実装した基板15と、他の一対の正負の電力供給用端子161,162を実装した基板16、および、I/Oコネクタ141を実装した基板14を組み込んで構成される。
【0041】
トップケース11の中央部には、図3および図4に示されるように、携帯端末の端部を保持するための周壁部4と底面5からなる嵌合部6が一体に形成され、この嵌合部6に携帯端末の端部を差し込むことで、携帯端末を直立させた状態に保持できるようになっている。
【0042】
ここでは、一例として、図15(a)および図15(b)に示されるような携帯端末2、つまり、充電に際して折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末2を保持するのに適した嵌合部6の形状について示している。嵌合部6の形状は充電対象となる携帯端末の端面形状に合わせて設計されるべきもので、その形状は、楕円形状に限定されない。また、ここでいう端面形状の意味合いは、必ずしも携帯端末それ自体の端面形状を意味するものではなく、実際に携帯端末を嵌合部6に差し込むときの形状である。従って、充電に際して折り畳まれるフォールディング式の携帯端末にあっては、キースイッチやマイクを備えた主筐体とディスプレイやスピーカを備えた副筐体とを折り畳んだ状態における端面形状であり、また、リジッド式の携帯端末にあっては其の端面形状それ自体が端面形状である。携帯端末2の端面形状や嵌合部6の底面5の形状としては、楕円形状の他、長方形,長方形の4隅に面取りを施して形成された8角形等が考えられ、これらの形状は、何れも、直交し長さの異なる2つの対称軸(長軸と短軸)に対して線対称な形状である。
【0043】
正負の電力供給用端子151,152は、図3に示されるように、U字型に屈曲した接点部と該接点部に連絡する捩りコイルバネ部と該捩りコイルバネ部の他端に形成されたL字型の屈折部により一体に形成され、L字型の屈折部の先端を基板15の部品取付ホールに突入させた状態で該部品取付ホールを取り巻くプリント回路にハンダ付け等で固定されている。これと同様、正負の電力供給用端子161,162も、図3に示される通り、U字型に屈曲した接点部と該接点部に連絡する捩りコイルバネ部と該捩りコイルバネ部の他端に形成されたL字型の屈折部によって一体に形成されており、L字型の屈折部の先端を基板16の部品取付ホールに突入させた状態で該部品取付ホールを取り巻くプリント回路にハンダ付け等で固定されている。
【0044】
I/Oコネクタ141は、其の下面側に突出したピン端子を基板14の部品取付ホールに突入させた状態で、該部品取付ホールを取り巻くプリント回路にハンダ付け等で固定され、このI/Oコネクタ141に接続された図示しない電源供給ケーブルを介して外部から充電用の電力を供給される。I/Oコネクタ141に供給される充電用の電力のうちプラス側の出力は、基板14上の図示しないプリント回路および基板14と基板15を電気的に接続するフレキシブルリード線142aを介して基板15上の正の電力供給用端子151に印加され、更に、基板15上の図示しないプリント回路および基板15と基板16を電気的に接続するフレキシブルリード線154aを介して基板16上の正の電力供給用端子161に印加される。また、I/Oコネクタ141に供給される充電用の電力のうちマイナス側の出力は、基板14上の図示しないプリント回路および基板14と基板15を電気的に接続するフレキシブルリード線142bを介して基板15上の負の電力供給用端子152に印加され、更に、基板15上の図示しないプリント回路および基板15と基板16を電気的に接続するフレキシブルリード線154bを介して基板16上の負の電力供給用端子162に印加されるようになっている。
【0045】
つまり、一対の正負の電力供給用端子151,152と他の一対の正負の電力供給用端子161,162は、相異なる2つの基板15,16上に相互に独立して配備され、且つ、正の電力供給用端子同士である電力供給用端子151と電力供給用端子161とが電気的に短絡して接続され、同時に、負の電力供給用端子である電力供給用端子152と電力供給用端子162とが電気的に短絡して接続されていることになる。
【0046】
基板15の下面側には、軸方向に一定の間隔をおいて矩形状の鍔部を有する円柱シャフト状の揺動軸153が、其の一部である鍔部の平坦部を利用したハンダ付け或いは接着等により一体に固着され、また、基板16の下面側にも、同様の構造を有する他の揺動軸163が、其の一部である鍔部の平坦部を利用して一体に固着されている。
【0047】
一方、ボトムケース12の上面側とトップケース11における底面5の下面側には、図3および図4に示されるように、揺動軸153を揺動自在に軸支するための半円弧状の軸受け121と、該軸受け121に対向して揺動軸153を支える半円弧状の軸押さえ115a,115bが形成され、図5に示されるように、ボトムケース12とトップケース11を組み合わせた状態で、揺動軸153の回転つまり基板15の揺動が許容されるようになっている。これと同様にして、揺動軸163を揺動自在に軸支するための半円弧状の軸受け121と軸押さえ116a,116bがボトムケース12の上面側と底面5の下面側に形成され、揺動軸163の回転つまり基板16の揺動が許容されている。
【0048】
更に、トップケース11における嵌合部6の一部を構成する楕円状の底面5には、図4に示されるように、正の電力供給用端子151と負の電力供給用端子162のU字型の接点部を突出させるための長尺のスリット112、および、負の電力供給用端子152と正の電力供給用端子161のU字型の接点部を突出させるための長尺のスリット113が、携帯端末2の端部の正負の充電用端子の配設位置に合わせて穿設され、一対の正負の電力供給用端子151,152と他の一対の正負の電力供給用端子161,162が図2に示されるようにして底面5から突出することを許容している。
【0049】
この実施形態においては、充電の対象となる携帯端末2の正負の充電用端子が、該携帯端末2の楕円状の端部の中央から楕円の短軸の方向にオフセットして所定の間隔をおいて配備されているので、携帯端末用卓上充電器1の嵌合部6に対する携帯端末2の差し込み方次第で、図2に示されるように、一対の正負の電力供給用端子151,152が携帯端末2の正負の充電用端子に当接し、また、この状態から携帯端末2を水平面内で180°回転させた状態で嵌合部6に差し込めば他の一対の正負の電力供給用端子161,162が携帯端末2の正負の充電用端子に当接することになる。
【0050】
つまり、基板15上の一対の正負の電力供給用端子151,152を基準とすれば、携帯端末2の端部の正負の充電用端子の配設位置に合うように嵌合部6の底面5の中央から位置をずらせて該一対の正負の電力供給用端子151,152が設けられていることになり、基板16上の正負の電力供給用端子161,162は、図2に示される通り、底面5の中央を対称の中心として、一対の正負の電力供給用端子151,152と点対称の位置に配設された他の一対の正負の電力供給用端子ということになる。
【0051】
一対の正負の電力供給用端子151,152を固設した基板15は、電力供給用端子151,152におけるU字型の接点部を図2に示されるようにして底面5のスリット112,113から突出させる方向、つまり、該基板15を図3中の時計方向に揺動させる方向に向けて、付勢手段としての弾性体をなすコイルバネ155で揺動軸153を中心に揺動付勢され、該基板15上の一対の正負の電力供給用端子151,152のU字型の接点部を嵌合部6の底面5から突出させている。これと同様、他の一対の正負の電力供給用端子161,162を固設した基板16は、電力供給用端子161,162におけるU字型の接点部を底面5のスリット113,112から突出させる方向、要するに、該基板16を図3中の反時計方向に揺動させる方向に向けて、付勢手段としての弾性体をなすコイルバネ165で揺動軸163を中心に揺動付勢され、該基板16上の他の一対の正負の電力供給用端子161,162のU字型の接点部を嵌合部6の底面5から突出させている。揺動軸153,163は基板15,16を揺動付勢するために欠くべからざるパーツであるから、基板15,16を付勢する付勢手段の一部ということができる。なお、図3中の符号124,125はコイルバネ155,165の一端を内嵌して位置ずれを防止するためのバネ受けであり、何れもボトムケース12上に一体的に形成されている。
【0052】
また、嵌合部6の底面5には、図4に示されるように、基板15,16の先端部の位置に対応させて孔7,8が穿設され、一対の正負の電力供給用端子151,152におけるU字型の接点部の近傍位置で一端部を基板15上に当接させ其の他端部を嵌合部6の底面5から突出させるフランジ付きの柱状体17と、他の一対の正負の電力供給用端子161,162におけるU字型の接点部の近傍位置で一端部を基板16上に当接させ其の他端部を嵌合部6の底面5から突出させるフランジ付きの柱状体18が、上下方向に移動自在な状態で嵌入されている。このうち柱状体17は、正負の充電用端子の配設位置周辺を除く携帯端末2の端部が電力供給用端子151,152の接点部に干渉することを検知して電力供給用端子151,152を嵌合部6の底面5から卓上充電器本体1内に縮退させる基板15用の自動回避機構を構成し、また、柱状体18は、正負の充電用端子の配設位置周辺を除く携帯端末2の端部が電力供給用端子161,162の接点部に干渉することを検知して電力供給用端子161,162を嵌合部6の底面5から卓上充電器本体1内に縮退させる基板16用の自動回避機構の主要部を構成している。柱状体17,18の長手方向の中央部には孔7,8の内径を上回る外径を有するフランジ17a,18aが一体成形され、柱状体17,18が孔7,8から上方に離脱することを防止している。
【0053】
基板14と基板15を接続するフレキシブルリード線142a,142bと基板15と基板16を接続するフレキシブルリード線154a,154bは或る程度の冗長的な長さと可撓性を有し、基板14に対する基板15の姿勢変化、および、基板15と基板16の間に生じる相対的な姿勢変化を許容できるようになっているので、一対の正負の電力供給用端子151,152を固設した基板15と、他の一対の正負の電力供給用端子161,162を固設した基板16は、相互に独立して、揺動軸153,163を中心に揺動自在である。
【0054】
図4に示されるように、トップケース11における下部開口部の内周側の何箇所かには径方向内側に向けて僅かに突出する嵌合爪114が設けられる一方、これに対応するボトムケース12の外周部上の何箇所かには嵌合凹部123が形成され、最終的に、トップケース11側の嵌合爪114をボトムケース12側の嵌合凹部123に嵌合させてトップケース11とボトムケース12を一体化し、ボトムケース12のネジ通し穴126から突入させたビス9の先端を、トップケース11側から下方に向けて突出するボス10の先端のタップ穴に螺合させることで、トップケース11とボトムケース12が固着される。
【0055】
図6〜図8は折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末2の主筐体の端部に設けられた正負の充電用端子21,22が携帯端末用卓上充電器1の一対の正負の電力供給用端子151,152に当接するようにして携帯端末2の端部を嵌合部6に差し込んでいく際の状況を図2の矢視A−Aに沿って示した断面図、また、図9〜図11は同じ状況を図2の矢視B−Bに沿って示した断面図である。
【0056】
次に、図6〜図11を参照して、携帯端末用卓上充電器1の各部の動作について具体的に説明する。なお、携帯端末2の主筐体の端部に設けられた正負の充電用端子21,22のうち、負の充電用端子22は図6〜図11の断面よりも紙面手前側つまり図2における負の電力供給用端子152に相当する位置に設けられ、また、正の充電用端子21は図6〜図11の断面よりも紙面後方側つまり図2における正の電力供給用端子151に相当する位置に設けられているものとする。
【0057】
まず、図6および図9に示されるように、携帯端末用卓上充電器1の嵌合部6における底面5と携帯端末2の端部とが相当に離間している状況下では、図9に示される通り、嵌合部6の底面5から突出した柱状体17,18の何れの先端も携帯端末2の端部とは接触しない。
従って、図6に示されるように、基板15は一対の正負の電力供給用端子151,152のU字型の接点部を嵌合部6の底面5のスリット112,113から突出させた初期の姿勢に保持され、また、基板16も他の一対の正負の電力供給用端子161,162のU字型の接点部を嵌合部6の底面5のスリット113,112から突出させた初期の姿勢に保持される。
【0058】
次いで、この状態から更に携帯端末2を嵌合部6に押し込んでいくと、携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触しない側の一対の正負の電力供給用端子161,162の近傍に位置する柱状体18すなわち基板16上に一端を当接させた柱状体18の他端部が、図10に示されるようにして、正負の充電用端子21,22の配設位置周辺を除く携帯端末2の端部、つまり、この実施形態においては携帯端末2の副筐体の端部に当接し、このまま携帯端末2が押し込まれると電力供給用端子161,162が携帯端末2の副筐体の端部に干渉することを検知する。そして、携帯端末2の副筐体の端部に当接した柱状体18の一端部が基板16の上面を押圧し、コイルバネ165の付勢力に抗して基板16を図10中で時計方向に揺動させる。この結果、基板16上に固設された電力供給用端子161,162つまり携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触しない側の一対の正負の電力供給用端子161,162が、図7に示されるようにして、嵌合部6の底面5から卓上充電器本体内に縮退させられる。
一方、携帯端末2における正負の充電用端子21,22の配設位置周辺は図10に示される通り内側に凹むような形で成形されているので、携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触する側の一対の正負の電力供給用端子151,152の近傍に位置する柱状体17すなわち基板15上に一端を当接させた柱状体17の他端部が携帯端末2の主筐体の端部に干渉することはない。従って、基板15が柱状体17の一端部で押圧されることはなく、基板15上に固設された正負の電力供給用端子151,152の姿勢は図7に示されるように図6と同様の初期の姿勢に保持される。
【0059】
そして、この状態から更に携帯端末2を嵌合部6に押し込むと、図11に示されるように、基板16上に一端を当接させた柱状体18即ち自動回避機構が、付勢手段であるコイルバネ165の付勢力に抗して基板16を図11中で更に時計方向に揺動させ、該基板16上に固設された正負の電力供給用端子161,162を、図8に示されるようにして、嵌合部6の底面5から卓上充電器本体内に完全に縮退させる。
前述した通り、携帯端末2における正負の充電用端子21,22の配設位置周辺は内側に凹むような形で成形されているので、柱状体17の他端部が携帯端末2の主筐体の端部に干渉することはなく、図11に示されるようにして携帯端末2の端部が嵌合部6の底面5に完全に底突きした状況に至っても、基板15の姿勢自体は図8に示されるように図6および図7と同様の初期の姿勢に保持される。
この時点では、既に、携帯端末2における正負の充電用端子21,22が、基板15上に固設された正負の電力供給用端子151,152のU字型の接点部に当接しているが、電力供給用端子151,152の捩りコイルバネ部の弾性復帰力は基板15を図8中で時計方向に揺動付勢しているコイルバネ155の弾性復帰力に比べて小さいので、基板15の姿勢は図8に示されるような初期の姿勢に概ね保持され、電力供給用端子151,152のU字型の接点部が電力供給用端子151,152の捩りコイルバネ部の弾性復帰力によって携帯端末2における正負の充電用端子21,22に確実に圧着される。
このようにして、携帯端末用卓上充電器1における正の電力供給用端子151が携帯端末2における正の充電用端子21に確実に導通し、且つ、携帯端末用卓上充電器1における負の電力供給用端子152が携帯端末2における負の充電用端子22に確実に導通するので、確実な充電作業を行うことができ、また、充電に必要とされない側の他の一対の正負の電力供給用端子161,162は、嵌合部6の底面5から卓上充電器本体内に完全に縮退しているので、電力供給用端子161,162が携帯端末2の端部と干渉して損傷を受けるといった心配も全くない。
仮に、電力供給用端子151,152に捩りコイルバネ部を設けていない場合であっても、付勢手段であるコイルバネ155の付勢力によって電力供給用端子151,152のU字型の接点部を携帯端末2における正負の充電用端子21,22に押圧させて導通を確保することが可能である。
【0060】
そして、充電完了後に携帯端末2を嵌合部6から引き抜けば、付勢手段であるコイルバネ165の付勢力によって基板16が図11中で反更に時計方向に揺動し、該基板16上に固設された正負の電力供給用端子161,162の接点部が嵌合部6の底面5のスリット113,112から突出して図6に示されるような初期の姿勢に自動的に復帰し、同時に、柱状体18も嵌合部6の底面5における孔8から突出して図9に示されるような初期の待機状態に復帰する。
【0061】
また、図6や図9に示される状態と逆の向き、つまり、携帯端末2を水平面内で180°回転させた状態で嵌合部6に差し込んだ場合においては、前記とは逆に、携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触しない側の一対の正負の電力供給用端子151,152を固設した基板15上に一端を当接させた柱状体17の他端部が携帯端末2の副筐体の端部に当接して基板15の上面を押圧し、コイルバネ155の付勢力に抗して基板15を揺動させる。この結果、基板15上に固設された電力供給用端子151,152つまり携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触しない側の一対の正負の電力供給用端子151,152が嵌合部6の底面5から卓上充電器本体内に縮退させられる。
この際、携帯端末2の正負の充電用端子21,22と接触する側の一対の正負の電力供給用端子161,162を固設した基板16に一端を当接させた柱状体18の他端部が携帯端末2の主筐体の端部に干渉することはないので、基板16上に固設された正負の電力供給用端子161,162の姿勢が初期の姿勢に保持され、電力供給用端子161,162のU字型の接点部が電力供給用端子161,162の捩りコイルバネ部の弾性復帰力によって携帯端末2における正負の充電用端子21,22に確実に圧着される。
このようにして、携帯端末用卓上充電器1における正の電力供給用端子161が携帯端末2における正の充電用端子21に確実に導通し、且つ、携帯端末用卓上充電器1における負の電力供給用端子162が携帯端末2における負の充電用端子22に確実に導通するので、確実な充電作業を行うことができ、また、充電に必要とされない側の他の一対の正負の電力供給用端子151,152は、嵌合部6の底面5から卓上充電器本体内に完全に縮退しているので、電力供給用端子151,152が携帯端末2の端部と干渉して損傷を受けるといった心配がなく、また、ダイオード等の電気部品が不要であることから生産コストの高騰化も免れる。
【0062】
以上に述べたように、図6や図9に示される向きで携帯端末用卓上充電器1の嵌合部6に携帯端末2を差し込んだ場合、更には、この状態から携帯端末2を水平面内で180°回転させて嵌合部6に差し込んだ場合の何れにおいても、確実に充電作業を行うことができる。
【0063】
この実施形態では基板15,16をコイルバネ155,165で揺動付勢することで一対の正負の電力供給用端子151,152と他の一対の正負の電力供給用端子161,162を嵌合部6における底面5のスリット112,113から突出させるようにしたが、コイルバネ155,165に代えて基板15,16上に設けたウエイトによって付勢手段を構成することも可能である。具体的には、図3における基板15上の右端部寄りの位置にウエイトを設けて揺動軸153を中心に基板15を図3中で時計方向に揺動付勢し、また、図3における基板16上の左端部寄りの位置にウエイトを設けて揺動軸163を中心に基板16を図3中で反時計方向に揺動付勢するようにすればよい。ウエイトは基板15,16と一体成形でもよいし或いは別の部材を固着し設けても構わない。これにより部品点数の削減とコストの削減ができる。
【0064】
この実施形態では、基板15,16揺動させることで正負の電力供給用端子151,152や161,162の突出縮退動作を行わせる関係上、嵌合部6の底面5と平行な方向に沿って図3の基板15,16の左右方向のスパンを或る程度長く設計する必要があり、嵌合部6の底面5と平行な平面内における携帯端末用卓上充電器1の外径が多少は大型化するが、嵌合部6における底面5の法線方向つまり図3の上下方向に沿って基板15,16を直線移動させるような構成と比較すれば、直線移動を規制するためのガイド手段が不要となることから上下方向の高さの短縮が可能であり、携帯端末用卓上充電器1の全体的な小型化が可能である。つまり、嵌合部6における底面5と平行な平面内における携帯端末用卓上充電器1の外径すなわちボトムケース12の直径は、携帯端末2を保持する携帯端末用卓上充電器1の安定を確保する必要上或る程度の大きさが必要であり、実際には、その範囲内に基板15,16を配置することが可能であるので、携帯端末用卓上充電器1の外径が携帯端末用卓上充電器1の安定の確保に必要とされる大きさを超えて増大することはない。そして、直線移動を規制するためのガイド手段が不要となることから上下方向の高さの短縮が容易であるから、結果として、基板15,16を上下方向に直線移動させる構成との比較においては携帯端末用卓上充電器1の全体的な小型化、端的に言えば、高さの短縮が実現される。また、嵌合部6の底面5の高さを低く抑えることができるので、携帯端末2を保持する嵌合部6の周壁部4の高さを相対的に増大させることが可能であり、携帯端末2の保持に関わる安定度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明を適用した一実施形態の携帯端末用卓上充電器の外観を示した斜視図である。
【図2】同実施形態の携帯端末用卓上充電器を示した平面図である。
【図3】同実施形態の携帯端末用卓上充電器の内部構造とパーツの組み付け状態を示した斜視図である。
【図4】同実施形態の携帯端末用卓上充電器の内部構造とパーツの組み付け状態を視点を変えて示した斜視図である。
【図5】携帯端末用卓上充電器のケーシングを構成するトップケースとボトムケースを組み合わせた状態を簡略化して示した断面図である。
【図6】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視A−Aに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面と携帯端末の端部とが相当に離間している時点での状況について示した断面図である。
【図7】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視A−Aに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面に携帯端末の端部が接近した時点での状況について示した断面図である。
【図8】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視A−Aに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面に携帯端末の端部が底突きした時点での状況について示した断面図である。
【図9】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視B−Bに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面と携帯端末の端部とが相当に離間している時点での状況について示した断面図である。
【図10】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視B−Bに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面に携帯端末の端部が接近した時点での状況について示した断面図である。
【図11】携帯端末用卓上充電器の嵌合部に携帯端末を差し込んでいく際の状況を図2の矢視B−Bに沿って示した断面図で、特に、携帯端末用卓上充電器における嵌合部の底面に携帯端末の端部が底突きした時点での状況について示した断面図である。
【図12】従来型の携帯端末用卓上充電器の外観を一例で示した斜視図である。
【図13】従来型の携帯端末用卓上充電器の内部構造とパーツの組み付け状態を示した斜視図である。
【図14】従来型の携帯端末用卓上充電器の内部構造とパーツの組み付け状態を視点を変えて示した斜視図である。
【図15】従来型の携帯端末用卓上充電器の有する問題点を示した作用原理図であり、図15(a)は携帯端末用卓上充電器の嵌合部に折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末を適切に嵌合させて充電作業を行っているときの状況を示した斜視図、また、図15(b)は携帯端末用卓上充電器の嵌合部に折り畳んだ状態で端面が楕円形状となるフォールディング式の携帯端末を誤って嵌合させた状況を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯端末用卓上充電器
2 携帯端末
3 携帯端末用卓上充電器(従来例)
4 周壁部
5 底面
6 嵌合部
7 孔
8 孔
9 ビス
10 ボス
11 トップケース
12 ボトムケース
14 基板
15 基板
16 基板
17 柱状体(自動回避機構の主要部)
17a フランジ
18 柱状体(自動回避機構の主要部)
18a フランジ
21 正の充電用端子
22 負の充電用端子
31 トップケース
32 ボトムケース
33 基板
34 ビス
112 スリット
113 スリット
114 嵌合爪
115a,115b 軸押さえ
116a,116b 軸押さえ
121 軸受け
122 軸受け
123 嵌合凹部
124 バネ受け
125 バネ受け
126 ネジ通し穴
141 I/Oコネクタ
142a フレキシブルリード線
142b フレキシブルリード線
151 正の電力供給用端子
152 負の電力供給用端子
153 揺動軸
154a フレキシブルリード線
154b フレキシブルリード線
155 コイルバネ(付勢手段,弾性体)
161 正の電力供給用端子
162 負の電力供給用端子
163 揺動軸
165 コイルバネ(付勢手段,弾性体)
311 ボス
312 スリット
313 嵌合爪
321 ネジ通し穴
322 嵌合凹部
331 I/Oコネクタ
332 正の電力供給用端子
333 負の電力供給用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交し長さの異なる2つの対称軸に対して線対称な端面形状を有する携帯端末の端部を保持する嵌合部の底面に正負の電力供給用端子を備え、前記携帯端末の端部に設けられた正負の充電用端子の各々に前記電力供給用端子の各々を接触させて前記携帯端末の二次電池に充電用の電力を供給するようにした携帯端末用卓上充電器であって、
前記携帯端末の端部の正負の充電用端子の配設位置に合わせて、前記嵌合部の底面の中央から位置をずらせて一対の正負の電力供給用端子を突出させて設けると共に、
前記嵌合部の底面の中央を対称の中心として点対称となる位置に、他の一対の正負の電力供給用端子を突出させて設け、
正の電力供給用端子同士を電気的に短絡して接続し、且つ、負の電力供給用端子同士を電気的に短絡して接続したことを特徴とする携帯端末用卓上充電器。
【請求項2】
前記一対の正負の電力供給用端子および他の一対の正負の電力供給用端子が、相互に独立して前記嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退可能とされていることを特徴とした請求項1記載の携帯端末用卓上充電器。
【請求項3】
前記一対の正負の電力供給用端子と他の一対の正負の電力供給用端子とが卓上充電器本体内の相異なる2つの基板上に固設され、
各基板の各々には、該基板を介して前記正負の電力供給用端子を前記嵌合部の底面から突出する方向に付勢する付勢手段が配備されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯端末用卓上充電器。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記基板の揺動を許容する揺動軸と、該基板上の正負の電力供給用端子が前記嵌合部の底面から突出する方向に該基板を揺動付勢する弾性体とによって構成されていることを特徴とした請求項3記載の携帯端末用卓上充電器。
【請求項5】
前記付勢手段は、前記基板の揺動を許容する揺動軸と、該基板上の正負の電力供給用端子が前記嵌合部の底面から突出する方向に該基板を揺動付勢するウエイトとによって構成されていることを特徴とした請求項3記載の携帯端末用卓上充電器。
【請求項6】
前記各基板の各々には、前記正負の充電用端子の配設位置周辺を除く前記携帯端末の端部が正負の電力供給用端子に干渉することを検知し、該正負の電力供給用端子を前記嵌合部の底面から卓上充電器本体内に縮退させる自動回避機構が配備されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の携帯端末用卓上充電器。
【請求項7】
前記自動回避機構は、前記正負の電力供給用端子の近傍位置で一端部を前記基板上に当接させ、その他端部を前記嵌合部の底面から突出させた柱状体によって構成されていることを特徴とする請求項6記載の携帯端末用卓上充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−160990(P2008−160990A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347801(P2006−347801)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】