説明

携帯端末装置、プログラムおよび表示方法

【課題】ユーザが表示領域を有効に利用可能な、複数の表示部を有する携帯電話機1を提供する。
【解決手段】携帯電話機1において、判断部100は、第2表示部21の少なくとも一部および第1表示部11が外部に露出する第2形態において、第1検出部14または第2検出部24により検出された入力に応じた実行画面を、第1表示部の第1表示領域11a1および第2表示部の第2表示領域21a1が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、第3表示領域に表示することが可能か否かを判断する。表示制御部100は、判断部により実行画面を第1表示形態で第3表示領域に表示できないと判断されると、第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で実行画面を一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示する、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置、プログラムおよび表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの表示面を有する携帯端末装置が知られている。このような携帯端末装置には、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」と言う。)を実行し、アプリケーションに基づく画面を第1および第2表示面のそれぞれに表示する機能が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−305262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、第1表示面および第2表示面を合わした表示領域に対応させてアプリケーションの画面を表示するように、アプリケーションが設定されていない場合がある。このような表示領域にアプリケーションの画面を表示しようとすると、表示に不具合が生じる。たとえば、画面の内容が鮮明に表示されなかったり、画面が表示領域の中央や端などに表示されて、画面の周囲が黒くなったり、画面が引き延ばされて表示されたりする。このため、2つの表示面により表示領域が拡大されても、拡大された表示領域が有効に利用されていない。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが表示領域を有効に利用可能な、複数の表示部を有する携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1態様に係る携帯端末装置は、第1表示部と、第2表示部と、前記第1表示部を有する第1キャビネットと、前記第2表示部を有する第2キャビネットと、前記第1表示部が外部に露出する第1形態と、前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部と、前記第1表示部および前記第2表示部の表示を制御する表示制御部と、前記第2形態において、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断する判断部とを備える。ここで、前記表示制御部は、前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示する。
【0007】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記実行画面を前記第2表示形態で前記第3表示領域に表示し、前記実行画面を表示する表示領域を前
記第3表示領域から前記一方の表示領域に切り替える入力が前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出されると、前記実行画面を前記第2表示形態で前記一方の表示領域に表示し、前記所定の機能を示す画像を前記他方の表示領域に表示するよう構成され得る。
【0008】
本態様に係る携帯端末装置において、記憶部をさらに備えるよう構成され得る。ここで、前記実行画面を表示する前記表示領域を前記第3表示領域から前記一方の表示領域に切り替える前記入力が検出されると、前記第2形態において前記実行画面を前記第2表示形態で表示する表示領域として前記一方の表示領域が前記記憶部に記憶される。
【0009】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できると判断されると、前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示するよう構成され得る。
【0010】
本態様に係る携帯端末装置において、前記画像が示す機能を実行する実行部をさらに備えるよう構成され得る。ここで、前記実行部は、前記所定の機能を示す画像を選択する入力が前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出されると、選択された前記画像が示す前記機能を実行する。
【0011】
この発明の第2態様に係るプログラムは、第1表示部と、第2表示部と、前記第1表示部を有する第1キャビネットと、前記第2表示部を有する第2キャビネットと、前記第1表示部が外部に露出する第1形態と前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、前記第2形態において、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断し、前記実行画面を第1表示形態で前記第3表示領域に表示できない場合、前記第1表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を前記他方の表示領域に表示する機能を付与する。
【0012】
この発明の第3態様に係る表示方法は、第1表示部と、第2表示部と、前記第1表示部を有する第1キャビネットと、前記第2表示部を有する第2キャビネットと、前記第1表示部が外部に露出する第1形態と前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部とを備える携帯端末装置の表示方法において、前記第2形態で、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断するステップと、前記実行画面を第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが表示領域を有効に利用可能な、複数の表示部を有する携帯端
末装置、プログラムおよび表示方法を提供することができる。
【0014】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る携帯電話機の状態の切り替えを説明するための図である。
【図3】実施の形態に係る携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る操作項目画面またはアプリケーションAの画面Aを各表示面に表示した図である。
【図5】実施の形態に係るアプリケーションAの画面Aを複合表示領域に表示した図である。
【図6】実施の形態に係るアプリケーションAの画面A1を第1表示面に表示し、ウィジェット一覧画面またはアプリケーションAの画面Aを第2表示面に表示した図である。
【図7】実施の形態に係るアプリケーションAの画面Aを複合表示領域に表示した図である。
【図8】実施の形態に係るアプリケーションAの画面Aを第1表示面に表示し、ウィジェット一覧画面またはアプリケーション画面を第2表示面に表示した図である。
【図9】実施の形態に係るアプリケーション画面を各表示面に表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るアプリケーション画面を各表示面に表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係るアプリケーションAの画面Aを第1表示面に表示し、ウィジェット一覧画面を第2表示面に表示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
<携帯電話機の構成>
図1は、携帯電話機1の構成を示す分解斜視図である。携帯電話機1は、第1キャビネット10と、第2キャビネット20と、これら第1、第2キャビネット10、20を保持する保持体30とで構成されている。
【0018】
第1キャビネット10は、横長の直方体形状を有する。第1キャビネット10の正面には、第1タッチパネルおよび第1タッチキーが配されている。
【0019】
第1タッチパネルは、第1ディスプレイ11およびタッチセンサ(以下、「第1パネルセンサ」と言う。)12を含む。
【0020】
第1ディスプレイ11は、ユーザの操作に応じた画像を第1表示面11a1に表示する表示部に相当し、第1表示面11a1は第1ディスプレイ11の表示領域に相当する。第1ディスプレイ11は、第1液晶パネル11aおよびバックライト(以下、「第1パネルバックライト」と言う。)11b(図3参照)で構成されている。第1液晶パネル11aの前面に第1表示面11a1が備えられる。第1パネルバックライト11bは、1つまたは複数の光源を含み、第1液晶パネル11aを照明する。
【0021】
第1パネルセンサ12は、第1表示面11a1に対する入力を検出する検出部に相当す
る。第1パネルセンサ12は、透明な長方形状のシートであり、第1ディスプレイ11の第1表示面11a1を覆う。第1パネルセンサ12は、マトリクス状に配された第1透明電極と第2透明電極(図示せず)とを備えている。第1パネルセンサ12は、これら透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザが触れた第1表示面11a1上の位置を検出し、その入力位置に応じた位置信号を出力する。なお、ユーザが第1表示面11a1を触れるとは、たとえば、ユーザがペンなどの接触部材や指により第1表示面11a1をタッチすることである。第1表示面11a1にタッチした接触部材や指はユーザにより静止されてもよいし、移動されてもよい。また、接触部材や指が第1表示面11a1にタッチしている時間は短くても、長くてもよい。
【0022】
1つまたは複数、この実施形態では3つの第1タッチキーK11、K12、K13(図4(a)参照)が、第1ディスプレイ11に隣接して設けられる。各第1タッチキーK11、K12、K13は、第1ディスプレイ11に対して所定の情報を入力するためのキー部に相当する。各第1タッチキーK11、K12、K13は、パネル(以下、「第1キーカバー」と言う。)13a、バックライト(以下、「第1キーバックライト」と言う。)13b、およびタッチセンサ(以下、「第1キーセンサ」と言う。)14を含む。第1キーカバー13aに所定の画像が表示される。
【0023】
第1キーセンサ14は、第1キーカバー13aに対する入力を検出する検出部に相当する。第1キーセンサ14には静電容量の変化を検出するセンサなどが用いられる。このため、各第1タッチキーK11、K12、K13の第1キーカバー13aに指や接触部材がタッチされると、第1キーセンサ14は、静電容量の変化を検出し、検出信号を出力する。
【0024】
第1キャビネット10の内部には、中央やや後ろ位置にカメラモジュール15が配されている。このカメラモジュール15における被写体像を取り込むためのレンズ窓(図示せず)が、第1キャビネット10の下面に設けられている。
【0025】
また、第1キャビネット10の内部には、前面近傍の中央位置に磁石16が配されており、右前角部に磁石17が配されている。
【0026】
第1キャビネット10の右側面および左側面には、突起部18が設けられている。
【0027】
第2キャビネット20は、横長の直方体形状であって、第1キャビネット10とほぼ同じ形状と大きさを有する。第2キャビネット20には、第2タッチパネルおよび第2タッチキーが配されている。
【0028】
第2タッチパネルは、第2ディスプレイ21およびタッチセンサ(以下、「第2パネルセンサ」と言う。)22を含む。
【0029】
第2ディスプレイ21は、ユーザの操作に応じた画像を第2表示面21a1に表示する表示部に相当し、第2表示面21a1は第2ディスプレイ21の表示領域に相当する。第2ディスプレイ21は、第2液晶パネル21aおよびバックライト(以下、「第2パネルバックライト」と言う。)21bで構成されている。第2液晶パネル21aの前面に第2表示面21a1が備えられる。第2パネルバックライト21bは、1つまたは複数の光源を含み、第2液晶パネル21aを照明する。なお、第1ディスプレイ11および第2ディスプレイ21は、有機EL等他の表示素子により構成されてもよい。
【0030】
第2パネルセンサ22は、第2表示面21a1に対する入力を検出する検出部に相当する。第2パネルセンサ22は、第1パネルセンサ12と同様の形状および構成を有する。
第2パネルセンサ22は、第2ディスプレイ21の第2表示面21a1を覆い、ユーザが触れた第2表示面21a1上の位置を検出し、その入力位置に応じた位置信号を出力する。
【0031】
1つまたは複数、この実施形態では3つの第2タッチキーK21、K22、K23(図4(c)参照)が、第2ディスプレイ21に隣接して設けられる。第2タッチキーK21、K22、K23は、第2ディスプレイ21に対して所定の情報を入力するためのキー部に相当する。各第2タッチキーK21、K22、K23は、パネル(以下、「第2キーカバー」と言う。)23a、バックライト(以下、「第2キーバックライト」と言う。)23b、およびタッチセンサ(以下、「第2キーセンサ」と言う。)24(図3参照)を含む。
【0032】
第2キーセンサ24は、第2キーカバー23aに対する入力を検出する検出部に相当する。なお、第2キーセンサ24の構成および機能は第1キーセンサ14とほぼ同様である。
【0033】
第2キャビネット20の内部には、後面近傍の中央位置に磁石25が配されている。
この磁石25と第1キャビネット10の磁石16とは、後述する開状態で互いに引き合うよう配置されている。
【0034】
第2キャビネット20の内部において、右前角部には閉鎖センサ26が配されている。閉鎖センサ26は、たとえば、ホールICなどで構成され、磁石17の磁力を検出すると、センサ信号を出力する。後述する閉状態で、第1キャビネット10の磁石17が閉鎖センサ26に接近するので、センサ信号が閉鎖センサ26からCPU100へ出力される。一方、開状態になると、第1キャビネット10の磁石17が閉鎖センサ26から離れるので、閉鎖センサ26からセンサ信号が出力されない。
【0035】
第2キャビネット20の両側面にはそれぞれ2つの軸部27が設けられている。
【0036】
保持体30は、底板部31と、底板部31の右端部に形成された右保持部32と、底板部31の左端部に形成された左保持部33とで構成されている。
【0037】
底板部31には、3つのコイルバネ34が左右方向に並ぶように配されている。第2キャビネット20が保持体30に取り付けられた状態において、コイルバネ34は、第2キャビネット20の下面に当接し、第2キャビネット20に対して上方に押し上げる力を付与する。
【0038】
右保持部32の上面にはマイク35および電源キー36が配されている。左保持部33の上面には、スピーカ38が配されている。また、右保持部32の外側面には、複数のハードキー37が配されている。
【0039】
右保持部32および左保持部33の内側面には、案内溝39(左保持部33側のみ図示)が形成されている。案内溝39は、上溝39a、下溝39bおよび2つの縦溝39cとで構成されている。上溝39aおよび下溝39bは前後方向に延び、縦溝39cは、上溝39aと下溝39bとを繋ぐように上下に延びる。
【0040】
携帯電話機1を組み立てる際には、軸部27が案内溝39の下溝39bに挿入され、第2キャビネット20が保持体30の収容領域R内に配置される。突起部18が案内溝39の上溝39aに挿入され、第1キャビネット10が第2キャビネット20の上に配置され、第1キャビネット10が保持体30の収容領域R内に収まる。
【0041】
こうして、底板部31、右保持部32および左保持部33に囲まれた収容領域Rの中に、第1キャビネット10および第2キャビネット20が上下に重なった状態で収容される。この状態では、第1キャビネット10は、上溝39aに沿って前後にスライド可能である。第2キャビネット20は、下溝39bに沿って前後にスライド可能である。また、第2キャビネット20が前方に移動し、軸部27が縦溝39cまで到達すると、第2キャビネット20は、縦溝39cに沿って上下にスライド可能となる。
【0042】
図2(a)〜図2(d)は、携帯電話機1を閉状態から開状態へ切り替えるための操作について説明するための図である。
【0043】
図2(a)に示す閉状態では、第1キャビネット10が第2キャビネット20の上に重ねられて、携帯電話機1が畳まれる。閉状態は、第1キャビネット10により第2表示面21a1が覆われる第1形態に相当する。閉状態では、第1表示面11a1のみが外部に露出する。
【0044】
図2(b)に示す矢印の方向に、第1キャビネット10が後方に移動し、図2(c)に示す矢印の方向に、第2キャビネット20が前方へ引き出される。これにより、閉鎖センサ26が磁石17の磁力を検出せず、センサ信号を出力しなくなると、携帯電話機1は開状態に切り替えられる。この開状態では、第2表示面21a1の一部が外部に現れる。
【0045】
第2キャビネット20が第1キャビネット10に重ならなくなると、図1に示す軸部27が縦溝39cに入る。軸部27が縦溝39cに沿って動き、第2キャビネット20は上下に移動可能になる。このとき、コイルバネ34の弾性力と、磁石16および磁石25の引力とにより、第2キャビネット20は上昇する。
【0046】
図2(d)に示すように、第2キャビネット20が第1キャビネット10と密着して並び、第2表示面21a1が第1表示面11a1と同じ高さになる。これにより、第1キャビネット10および第2キャビネット20が広げられて、第1表示面11a1と第2表示面21a1の双方が外部に露出する。
【0047】
なお、開状態は、図2(b)〜図2(d)に示すように、第2表示面21a1の少なくとも一部が外部に露出する第2形態に相当する。
【0048】
また、突起部18が案内溝39の案内溝39の上溝39aを移動し、軸部27が下溝39b、縦溝39cおよび上溝39aを移動することにより、閉状態および開状態が切り替えられる。このため、突起部18、軸部27および案内溝39が閉状態および開状態を切替可能なように、第1キャビネット10および第2キャビネット20を連結させる機構部に相当する。
【0049】
図3は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、キー入力回路303、通信モジュール304、バックライト駆動回路305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、バッテリー309および電源部310を備えている。
【0050】
カメラモジュール15はCCD等の撮像素子を有する。カメラモジュール15は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ301は、カメラモジュール15からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0051】
マイク35は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。音声エンコーダ302は、マイク35からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0052】
キー入力回路303は、電源キー36やハードキー37の各キーが押されたときに、各キーに応じた入力信号をCPU100へ出力する。
【0053】
通信モジュール304は、CPU100からのデータを無線信号に変換し、アンテナ304aを介して基地局へ送信する。また、通信モジュール304は、アンテナ304aを介して受信した無線信号をデータに変換してCPU100へ出力する。
【0054】
バックライト駆動回路305は、CPU100からの制御信号に応じた駆動信号を第1パネルバックライト11b、第1キーバックライト13b、第2パネルバックライト21bおよび第2キーバックライト23bに供給する。第1パネルバックライト11b、第1キーバックライト13b、第2パネルバックライト21bおよび第2キーバックライト23bは、それぞれバックライト駆動回路305による駆動信号により点灯し、第1液晶パネル11a、第1キーカバー13a、第2液晶パネル21aおよび第2キーカバー23aを照明する。
【0055】
映像デコーダ306は、CPU100からの画像データを第1液晶パネル11aおよび第2液晶パネル21aで表示できる映像信号に変換し、これらを各液晶パネル11a、21aに出力する。第1液晶パネル11aは、映像信号に応じた画像を第1表示面11a1に表示する。第2液晶パネル21aは、映像信号に応じた画像を第2表示面21a1に表示する。
【0056】
音声デコーダ307は、CPU100からの音声信号と、着信音やアラーム音等の各種報知音の音信号とにデコード処理を施し、さらにアナログ信号に変換してスピーカ38に出力する。スピーカ38は、音声デコーダ307からの音声信号や音信号を再生する。
【0057】
バッテリー309は、CPU100およびCPU100以外の各部へ電力を供給するためのものであり、二次電池からなる。バッテリー309は電源部310に接続されている。
【0058】
電源部310は、バッテリー309の電圧を各部に必要な大きさの電圧に変換して各部へ供給する。また、電源部310は、外部電源(図示せず)を介して供給された電力をバッテリー309へ供給して、バッテリー309を充電する。
【0059】
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む。
【0060】
メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。かかる制御プログラムには、アプリケーションの画面を第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示できない場合、アプリケーションの画面を第2表示形態で第1表示面11a1に表示し、所定の機能を示す画像を第2表示面21a1に表示する制御プログラムが含まれる。また、通話、メール、ウェブブラウザおよび画像表示などの機能を実現する各種アプリケーションが記憶されている。
【0061】
なお、アプリケーションの画面は、ユーザによる入力に応じた実行画面に相当する。複合表示領域11a1、21a1は、第1表示面11a1および第2表示面21a1が合わ
されて1つの領域とみなされた1つの第3表示領域に相当する。後述するように、第1表示形態は、複合表示領域に対応した表示の形式であり、第2表示形態は、第1表示面11a1および第2表示面21a1のそれぞれの単一表示領域に対応した表示の形式である。
【0062】
また、アプリケーションにはウィジェットが含まれる。ウィジェットには、受信したメールの内容を表示するもの、SNSに対する書き込み内容を表示するもの、株価、ニュースおよび天気などの情報を表示するもの、時計、カレンダー、辞書、ならびに、計算機などがある。ウィジェットには、アプリケーションの一部の機能を有し、全ての機能を含むアプリケーションとリンクしたものがある。たとえば、メールに関するウィジェットには、最新の受信メールの内容を表示するものや、最新の着信履歴を表示するものなどがある。このような一部の機能を有するウィジェットでは、メールの作成や返信などの他の機能を持つアプリケーションとリンクしている。
【0063】
メモリ200には、音声データ、画像データおよびテキストデータなどのデータが所定のファイル形式で保存される。これらのデータとしては、カメラモジュール15で撮影された写真のデータ、各パネルセンサ12、22により入力されたデータ、および通信モジュール304を介して外部から取り込んだデータなどが挙げられる。
【0064】
メモリ200には、各表示面11a1、21a1に表示されている画像に関する情報が記憶されている。各表示面11a1、21a1に表示されている画像には、アイコン、ボタンおよび写真などの絵と、テキスト領域に入力されたテキストとなどがある。画像に関する情報には、画像に係る処理の情報と、各表示面11a1、21a1において画像が表示されている位置とが含まれる。アイコンやボタンなどの画像に係る処理の情報には、アプリケーションやファイルなどの処理対象と、起動や終了などの処理内容とが含まれる。
【0065】
メモリ200には、第1および第2タッチキーに関する情報が記憶されている。第1および第2タッチキーに関する情報には、各タッチキーの入力を検出する各キーセンサ14、24と、各タッチキーに対応付けられた処理の情報とが含まれる。
【0066】
たとえば、第1タッチキーK11が短時間押される場合には、操作項目画面を第1表示面11a1に表示する処理の情報が対応付けられている。また、第1タッチキーK11が長時間押される場合には、最近利用したアプリケーションの一覧画面を第1表示面11a1に表示する処理の情報が対応付けられている。第2タッチキーK21が短時間押される場合には、操作項目画面を第2表示面21a1に表示する処理の情報が対応付けられている。また、第2タッチキーK21が長時間押される場合には、最近利用したアプリケーションの一覧を第2表示面21a1に表示する処理の情報が対応付けられている。なお、操作項目画面には、操作項目を表わすアイコンが配列される。
【0067】
第1タッチキーK12および第2タッチキーK22には、携帯電話機1の設定条件を変更するための設定画面を各表示面11a1、21a1に表示する処理の情報が対応付けられている。設定画面には、音量、画面輝度、実行中のアプリケーションの一覧などが表示される。
【0068】
第1タッチキーK13および第2タッチキーK23には、直前に実行された処理が取り消されて1つ前の処理に戻る処理や、直前に表示されていたアプリケーションの画面を各表示面11a1、21a1に表示する処理の情報が対応付けられている。
【0069】
CPU100は、キー入力回路303、各パネルセンサ12、22および各キーセンサ14、24からの信号に基づき、制御プログラムに従って、カメラモジュール15、マイク35、通信モジュール304、各液晶パネル11a、21a、スピーカ38、スピーカ
38等を動作させる。これにより、CPU100は、通話およびメール等の各種アプリケーションを実行する。
【0070】
CPU100は、実行部として、ユーザによる入力に応じた処理を実行する。具体的には、各表示面11a1、21a1がユーザによりタッチされると、CPU100は各パネルセンサ12、22から入力位置に応じた位置信号を受け付ける。CPU100は、位置信号の入力位置に表示されている画像および画像に係る処理の情報を特定する。CPU100は、特定した処理の情報に従って処理対象のアプリケーションやファイルをメモリ200から読み出して、アプリケーションに処理内容を実行させる。
【0071】
たとえば、図4(a)に示すように、ユーザがアイコンAをタッチすると、CPU100は、アイコンAの処理対象であるアプリケーションAをメモリ200から読み出して実行する。
【0072】
また、図6(a)および図7(b)に示すように、後述するウィジェット一覧画面からウィジェットの画像がタッチされると、CPU100は、タッチされたウィジェットにリンクするアプリケーションをメモリ200から読み出して実行する。
【0073】
各キーカバー13a、23aがユーザによりタッチされると、CPU100は各キーセンサ14、24から検出信号を受け付けるとともに、検出信号を出力したキーセンサ14、24を識別する。CPU100は、キーセンサ14、24が検出したタッチキーおよび各タッチキ14、24ーに対応付けられた処理の情報をメモリ200の表示情報を基づいて特定し、処理の情報に従って処理を実行する。
【0074】
たとえば、図4(a)に示す第1タッチキーK11をユーザが短時間タッチすると、CPU100は操作項目画面の画像データをメモリ200から読み出す。
【0075】
CPU100は、判断部として、実行部により実行されたアプリケーションの画面を第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示できるか否かを判断する。
【0076】
これは、アプリケーションが、単一表示領域または複合表示領域11a1、21a1の画面解像度などの表示規格に合わせて、画面の表示サイズを切り替えるように設定されているか否かにより判断される。なお、第1表示形態は、単一表示領域の表示規格に表示サイズを合わせてアプリケーションの画面を表示する形式である。第2表示形態は、複合表示領域11a1、21a1の表示規格に表示サイズを合わせてアプリケーションの画面を表示する形式である。
【0077】
画面の表示サイズは、画面の表示サイズを拡大または縮小したり、画面の一部を切り出したりすることにより、変更される。たとえば、アプリケーションの画面のサイズが単一表示領域の表示規格に対応し、単一表示領域と複合表示領域11a1、21a1とでアスペクト比が異なることがある。このようなアプリケーションの画面を複合表示領域11a1、21a1に表示する場合、複合表示領域11a1、21a1のアスペクト比に合わせてアプリケーションの画面の一部を切り出し、その画面の一部を拡大することにより、画面の表示サイズを複合表示領域11a1、21a1の表示規格に合わせる。
【0078】
たとえば、アプリケーションの設定に複合表示領域11a1、21a1への表示可能を示す情報(以下、「複合表示領域対応情報」と言う。)が含まれていると、画面の表示サイズが単一表示領域および複合表示領域11a1、21a1の表示規格に合わせて変更される。このため、アプリケーションの画面は、第2表示形態で単一表示領域に表示され、かつ第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示され得ると判断される。
【0079】
一方、アプリケーションの設定に複合表示領域対応情報が含まれていなければ、画面の表示サイズが単一表示領域の表示規格に合うが、複合表示領域11a1、21a1の表示規格に合わない。このため、アプリケーションの画面は、第2表示形態で単一表示領域に正しく表示されるが、第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示されないと判断される。
【0080】
なお、アプリケーションの画面を第2表示形態で複合表示領域11a1に表示することも可能である。しかし、画面の表示サイズが複合表示領域11a1、21a1の表示規格に合っていないため、画面が複合表示領域11a1、21a1に正しく表示されない。たとえば、アプリケーションの画面の表示サイズが変更されない場合、図5(a)に示すように、単一表示領域に対応した表示サイズで画面が複合表示領域11a1、21a1の中央に表示されて、画面の周囲が黒く表示される。また、画面の表示サイズが拡大される場合、図5(b)に示すように、画面が引き延ばされて表示され、アプリケーションの画面の内容が鮮明に表示されない。
【0081】
CPU100は、表示制御部として、映像デコーダ306およびバックライト駆動回路305へ制御信号を出力する。たとえば、CPU100は、バックライト駆動回路305を制御し、各パネルバックライト11b、21bおよび各キーバックライト13b、23bを消灯する。一方、CPU100は、各パネルバックライト11b、21bを点灯すると共に、映像デコーダ306を制御し、各表示面11a1、21a1に画像を表示させる。また、CPU100が各キーバックライト13b、23bを点灯する。なお、CPU100は、各表示面11a1、21a1に画像を表示する際のコントラスト、輝度、画面サイズ、および画面の透明度なども制御する。
【0082】
たとえば、CPU100は、ユーザ操作に応じて実行部により実行されたアプリケーション画面を各表示面11a1、21a1に表示する。なお、アプリケーション画面は、携帯電話機1の状態に応じて表示形態が異なる。
【0083】
閉状態において、CPU100は、図4(b)に示すように、アプリケーションの画面を第2表示形態で第1表示面11a1に表示する。
【0084】
開状態において、CPU100は、判断部の判断結果に応じた表示形態でアプリケーションの画面を各表示面11a1、21a1に表示する。
【0085】
即ち、アプリケーションの画面が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示され得ると判断部により判断される。この場合、CPU100は、複合表示領域11a1、21a1の表示規格に合わせて画面の表示サイズを調整して、メモリ200に含まれる表示用のメモリ領域に複合表示領域11a1、21a1に表示する画面を生成する。これにより、図4(c)に示すように、アプリケーションの画面が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示される。このように、アプリケーションの画面は複合表示領域11a1、21a1の全体に表示され、かつ、画面に表示される絵や文字などの内容は、ゆがんだり、ぼけたりせずに、正しい形で明確に表示される。
【0086】
一方、アプリケーションの画面が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示され得ないと判断部により判断される場合、CPU100は、図8(a)に示すように、アプリケーションの画面を第2表示形態で第1表示面11a1に表示し、所定の機能を示す画像を含む画面を第2表示面21a1に表示する。所定の機能を示す画像を含む画面としては、アイコンの一覧を表示する操作項目画面、および、ウィジェットの一覧を表示する画面などが挙げられる。ウィジェット一覧画面には、所定または任意の1つまたは複
数のウィジェットの画像が表示される。たとえば、ウィジェット一覧画面にウィジェットの画像が横に並んで配置される。ユーザがウィジェットの画像にタッチして指を横にスライドすると、指の入力位置に応じてウィジェットの画像は横に移動して表示される。
【0087】
CPU100は、異なるアプリケーションまたは処理の画面が各表示面11a1、21a1に表示されている場合、図6(a)などに示すように、ユーザにより操作対象になっているアクティブ状態の画面の縁に直線状のバー画像BIを表示する。
【0088】
CPU100は、ユーザの操作対象になっている表示面またはタッチキーを点灯する。なお、消灯しているタッチキーはユーザが操作されても、操作に応じた処理は実行されない。
【0089】
<第1実施形態の処理手順>
図4(a)は、閉状態において、操作項目画面を第1表示面11a1に表示した図である。図4(b)は、閉状態において、アプリケーションAの画面Aを第1表示面11a1に表示した図である。図4(c)は、アプリケーションAの画面A1、A2を複合表示領域11a1、21a1に表示した図である。図5(a)および図5(b)は、アプリケーションAの画面Aおよびダイアログボックスを複合表示領域11a1、21a1に表示した図である。図6(a)は、アプリケーションAの画面A1を第1表示面11a1に表示し、ウィジェット一覧画面を第2表示面21a1に表示した図である。図6(b)は、アプリケーションAの画面A1を第1表示面11a1に表示し、ウィジェットにリンクするアプリケーションの画面AW2を第2表示面21a1に表示した図である。図7(a)は、アプリケーションAの画面Aを複合表示領域11a1、21a1に表示した図である。図7(b)は、アプリケーションAの画面Aを第1表示面11a1に表示し、ウィジェット一覧画面を第2表示面21a1に表示した図である。図8(a)は、アプリケーションAの画面Aを第1表示面11a1に表示し、ウィジェット一覧画面を第2表示面21a1に表示した図である。図8(b)は、アプリケーションAの画面Aを第1表示面11a1に表示し、ウィジェットにリンクするアプリケーションの画面AW2を第2表示面21a1に表示した図である。図9および10は、ユーザの操作に応じてアプリケーション画面を単一表示領域または複合表示領域11a1、21a1に表示する処理手順を示すフローチャートである。なお、画面A1および画面A2は連続して1つの画面Aを形成する。
【0090】
ユーザの操作に応じてアプリケーションを起動する操作がなされると、アプリケーション画面の表示を制御する処理がCPU100により実行される。この制御処理では、アプリケーションの設定およびユーザの選択に応じて、開状態におけるアプリケーションの画面の表示形態が切り替えられる。
【0091】
ユーザの操作によりアプリケーションが起動されるか否かが監視される(S101)。たとえば、図4(a)に示す操作項目画面においてアイコンAがユーザによりタッチされると、アイコンAが示すアプリケーションAが起動される(S101:YES)。
【0092】
次に、アプリケーションAの画面Aを表示する領域を特定するために、携帯電話機1の状態が判断される(S102)。
【0093】
携帯電話機1が閉状態であれば(S102:NO)、第1表示面11a1のみが外部に露出している。このため、図4(b)に示すように、第1表示面11a1にアプリケーションAの画面Aが第2表示形態で表示される(S103)。
【0094】
一方、携帯電話機1が開状態であれば(S102:YES)、第1および第2表示面21a1が外部に露出している。このため、複合表示領域11a1、21a1にアプリケー
ションAの画面Aが表示される。なお、携帯電話機1が開状態になるには、閉状態においてアプリケーションAが起動され、画面Aが第1表示面11a1に表示されている状態において、携帯電話機1が開状態に切り替えられた場合と、開状態においてアプリケーションAが起動された場合とがある。
【0095】
アプリケーションAの画面Aを複合表示領域11a1、21a1に表示するとき、画面Aが第1表示形態で表示できない可能性もある。これを特定するため、アプリケーションAの設定に複合表示領域対応情報が含まれているか否かが判断される。アプリケーションAの設定に複合表示領域対応情報が含まれていれば、画面Aが第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示され得ると判断される(S104:YES)。よって、たとえば、携帯電話機1が閉状態から開状態に切り替えられた場合には、アプリケーションAの表示形態が第2表示形態から第1表示形態に切り替えられ、図4(c)に示すように、画面Aを構成する画面A1およびA2が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示される(S105)。
【0096】
また、画面A1およびA2が複合表示領域11a1、21a1に表示されると共に、ウィジェット一覧画面を表示するアプリケーションが起動される(S106)。ここでは、アプリケーションAがフォアグランドで実行され、画面A1およびA2が複合表示領域11a1、21a1に表示されている。このため、ウィジェット一覧画面のアプリケーションはバックグランドで実行されて、ウィジェット一覧画面は表示されない。
【0097】
しかし、第2表示面21a1に表示される画面を切り替えるための切替ボタンSBが画面A2上に表示される。切替ボタンSBがタッチされると(S107:YES)、図6(a)に示すように、画面A2に代えて、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S108)。このとき、第1表示面11a1には画面A1が引き続き表示されている。また、第2表示面21a1に表示されるウィジェット一覧画面上に切替ボタンSBが表示される。
【0098】
ウィジェット一覧画面上の切替ボタンSBがタッチされると(S109:YES)、図4(a)に示すように、ウィジェット一覧画面に代えて、画面A2が第2表示面21a1に表示される。このため、画面A1、A2が複合表示領域11a1、21a1に表示される(S110)。
【0099】
一方、図6(a)に示すウィジェット一覧画面が表示されている状態において、切替ボタンSBがタッチされず(S109:NO)、ウィジェットW2の画像W2がタッチされると(S111:YES)、ウィジェットW2にリンクするアプリケーションAW2を起動する。そして、図6(b)に示すように、アプリケーションAW2の画面AW2が第2表示面21a1に表示される(S112)。このアプリケーションAW2の画面AW2により、ユーザは、ウィジェットW2で表示されている内容よりさらに詳細な情報を見ることができると共に、表示された内容に応じた操作をすることもできる。
【0100】
アプリケーションAW2の画面AW2上に、アプリケーションAW2を終了させるための終了ボタンEBが表示される。終了ボタンEBがタッチされると(S113:YES)、アプリケーションAW2が終了し、画面AW2に代えて、図6(a)に示すウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S108)。
【0101】
一方、切替ボタンSBやウィジェットがタッチされず(S107:NO、S110、S111:NO)、アプリケーションAを終了する操作がユーザによりなされると(S114:YES)、処理が終了する。
【0102】
また、S104の処理において、アプリケーションAの設定に複合表示領域対応情報が含まれていれば、画面Aが第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示できないと判断される(S104:NO)。そこで、図5(a)に示すように、画面Aを第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示され、画面A上にダイアログボックスが配される(S115)。ダイアログボックスには、「表示形態を継続しますか」とのメッセージ、”YES”ボタン、”NO”ボタンが表示される。
【0103】
このように、画面Aが複合表示領域11a1、21a1に表示されると共に、ウィジェット一覧画面を表示するアプリケーションがバックグラウンドで起動される(S116)。この場合、複合表示領域11a1、21a1には画面Aが既に表示されているため、ウィジェット一覧画面は表示されない。
【0104】
ダイアログボックスのボタンがタッチされると、“YES”ボタンまたは“NO”ボタンの何れがタッチされたか判断される(S117)。タッチされたボタンが“NO”ボタンでない、すなわち、“YES”ボタンであれば(S117:NO)、“YES”ボタンに応じた表示領域がメモリ200に記憶される(S118)。すなわち、ユーザにより、開状態において画面Aが第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示されている状態を継続することが選択された。よって、アプリケーションAについては開状態で画面Aを第2表示形態で表示する表示領域として、複合表示領域11a1、21a1がメモリ200に記憶される。これにより、アプリケーションAが次回起動される際には、開状態において画面Aは第2表示形態で、メモリ200に記憶されている複合表示領域11a1、21a1に表示される。
【0105】
このように、タッチされたボタンが“YES”ボタンであれば(S117:NO)、現在の表示状態が継続される。よって、画面Aは複合表示領域11a1、21a1に対応していないが、画面Aは第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示される。そして、図7(a)に示すように、メッセージは削除される(S119)。
【0106】
なお、第2表示面21a1に表示される画面を切り替えるための切替ボタンSBが第2表示面21a1に表示される。切替ボタンSBがタッチされると(S107:YES)、図7(b)に示すように、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S108)。ウィジェット一覧画面上の切替ボタンSBがタッチされると(S109:YES)、ウィジェット一覧画面に代えて、図7(a)に示す画面Aが第2表示面21a1に表示される(S110)。また、図7(b)に示すウィジェット一覧画面において、ウィジェットW2の画像W2がタッチされると(S109:NO、S111:YES)、ウィジェットW2にリンクするアプリケーションAW2の画面AW2が第2表示面21a1に表示される(S112)。アプリケーションAW2の終了ボタンEBがタッチされると(S113:YES)、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S108)。また、切替ボタンSBやウィジェットがタッチされず(S107:NO、S110、S111:NO)、アプリケーションAを終了する操作がユーザによりなされると(S114:YES)、処理が終了する。
【0107】
S117の処理において、“NO”ボタンがタッチされ場合には(S117:YES)、ユーザにより、アプリケーションAの画面Aは第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示されている表示状態を継続しないことが選択された。このため、アプリケーションAについては開状態で画面Aを第2表示形態で表示する表示領域として、第1表示面11a1または第2表示面21a1の単一表示領域がメモリ200に記憶される(S120)。
【0108】
そして、図8(a)に示すように、画面Aは第1表示面11a1に表示され、ウィジェ
ット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S121)。ウィジェット一覧画面において、ウィジェットW2の画像W2がタッチされると(S122:YES)、図8(b)に示すように、ウィジェットW2にリンクするアプリケーションAW2の画面AW2が第2表示面21a1に表示される(S123)。画面AW2上の終了ボタンEBがタッチされると(S124:YES)、画面AW2に代えて、図8(a)に示すウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示される(S121)。一方、ウィジェットや終了ボタンEBがタッチされず(S122:NO、S124:NO)、アプリケーションAを終了する操作がなされると(S125:YES)、処理が終了する。
【0109】
以上、本実施形態によれば、アプリケーションの画面が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示できない場合、一度、アプリケーションの画面が第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示される。このため、ユーザは、表示された画面の状態を見た上で、アプリケーションの画面を第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示するか、または単一表示領域に表示するか、を選択することができる。このように、ユーザの意図に応じて、アプリケーションの画面の表示領域を変更することができる。
【0110】
また、本実施形態によれば、第1表示形態で表示できないアプリケーションの画面を単一表示領域に表示することがユーザにより選択されると、アプリケーションの画面は第2表示形態で第1表示面11a1に表示される。また、第2表示面21a1にウィジェット一覧画面が表示される。このように、第2表示面21a1が無駄にならず、表示面を有効に利用することができる。
【0111】
しかも、ウィジェット一覧画面には、所定の機能を示すウィジェットの画像が表示される。このため、ユーザは、アプリケーションを起動することなく、ウィジェットの画像により表示されている情報を確認することができ、利便性に優れる。
【0112】
さらに、アプリケーションの画面が第1表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示される場合や、アプリケーションの画面が第2表示形態で複合表示領域11a1、21a1に表示することがユーザにより選択された場合、アプリケーションの画面は複合表示領域11a1、21a1に表示される。このような場合でも、携帯電話機1が開状態になると、ウィジェット一覧画面のアプリケーションが起動される。このため、切替ボタンSBにより、ユーザは、アプリケーションを終了することなく、ウィジェット一覧画面を表示することができ、操作性に優れる。
【0113】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0114】
たとえば、上記実施形態では、アプリケーションの画面が複合表示領域11a1、21a1に対応していない場合、アプリケーションの画面およびメッセージを複合表示領域11a1、21a1に表示した上で、ユーザに表示形態を選択させる構成とされている。これに対して、アプリケーションの画面が第1表示面11a1または第2表示面21a1に自動的に表示されてもよい。
【0115】
さらに、上記実施形態では、複合表示領域11a1、21a1に対応していないアプリケーションの画面が単一表示領域に表示するように選択されると、アプリケーションの画面は第1表示面11a1に表示され、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示された。しかしながら、アプリケーションの画面が第2表示面21a1に表示され、ウィ
ジェット一覧画面が第1表示面11a1に表示されてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、切替ボタンSBがタッチされると、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示されたが、ウィジェット一覧画面が第1表示面11a1に表示されてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、図6(a)、図7(b)および図8(a)に示すように、携帯電話機1の向きが横にされたとき、ウィジェット一覧画面ではウィジェット画像が横に並ぶように配置された。これに対して、携帯電話機1の向きが縦にされたとき、図11(a)に示すように、ウィジェット一覧画面ではウィジェット画像が斜めに並ぶように配置されてもよい。ユーザがウィジェットの画像をタッチして斜めに指をスライドさせると、ウィジェット画像の表示位置は斜めに移動する。また、図11(b)に示すように、ウィジェット一覧画面の中央に表示されるウィジェット画像の詳細情報が表示されてもよい。
【0118】
さらに、上記実施形態では、携帯電話機1が閉状態から開状態に切り替えられた際、アプリケーションの画面が第1表示面11a1に表示され、ウィジェット一覧画面が第2表示面21a1に表示された。このとき、いずれの画面をアクティブ状態にするかを設定できるようにしてもよい。たとえば、画面が第1表示面11a1に表示されるアプリケーションに応じてアクティブ状態の画面を設定することもできる。アプリケーションがゲームや動画などであれば、このアプリケーションの画面がアクティブ状態に設定される。メールやウェブブラウザなどのアプリケーションであれば、ウイジェット一覧画面がアクティブ状態に設定される。
【0119】
さらに、上記実施形態では、携帯電話機1を用いたが、PDAや携帯ゲーム機などの携帯端末装置を用いることもできる。
【0120】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 携帯電話機
10 第1キャビネット
11 第1ディスプレイ
11a1 第1表示面
12 第1パネルセンサ
20 第2キャビネット
21 第2ディスプレイ
21a1 第2表示面
22 第2パネルセンサ
18 突起部
27 軸部
39 案内溝
100 CPU
200 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部と、
第2表示部と、
前記第1表示部を有する第1キャビネットと、
前記第2表示部を有する第2キャビネットと、
前記第1表示部が外部に露出する第1形態と、前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、
前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、
前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部と、
前記第1表示部および前記第2表示部の表示を制御する表示制御部と、
前記第2形態において、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断する判断部とを備え、
前記表示制御部は、前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、
前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記実行画面を前記第2表示形態で前記第3表示領域に表示し、
前記実行画面を表示する表示領域を前記第3表示領域から前記一方の表示領域に切り替える入力が前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出されると、前記実行画面を前記第2表示形態で前記一方の表示領域に表示し、前記所定の機能を示す画像を前記他方の表示領域に表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
記憶部をさらに備え、
前記実行画面を表示する前記表示領域を前記第3表示領域から前記一方の表示領域に切り替える前記入力が検出されると、前記第2形態において前記実行画面を前記第2表示形態で表示する表示領域として前記一方の表示領域が前記記憶部に記憶される、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、前記判断部により前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示できると判断されると、前記実行画面を前記第1表示形態で前記第3表示領域に表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記画像が示す機能を実行する実行部をさらに備え、
前記実行部は、前記所定の機能を示す画像を選択する入力が前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出されると、選択された前記画像が示す前記機能を実行する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
第1表示部と、第2表示部と、前記第1表示部を有する第1キャビネットと、前記第2表示部を有する第2キャビネットと、前記第1表示部が外部に露出する第1形態と前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、
前記第2形態において、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断し、前記実行画面を第1表示形態で前記第3表示領域に表示できない場合、前記第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示する機能を付与するプログラム。
【請求項7】
第1表示部と、第2表示部と、前記第1表示部を有する第1キャビネットと、前記第2表示部を有する第2キャビネットと、前記第1表示部が外部に露出する第1形態と前記第2表示部の少なくとも一部および前記第1表示部が外部に露出する第2形態とで切り替え可能なように前記第1キャビネットと前記第2キャビネットを連結させる機構部と、前記第1表示部に対する入力を検出する第1検出部と、前記第2表示部に対する入力を検出する第2検出部とを備える携帯端末装置の表示方法において、
前記第2形態で、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれか一方により検出された前記入力に応じた実行画面を、前記第1表示部の第1表示領域および前記第2表示部の第2表示領域が合わされて1つの領域とみなされた第3表示領域に対応した第1表示形態で、前記第3表示領域に表示することが可能か否かを判断するステップと、
前記実行画面を第1表示形態で前記第3表示領域に表示できないと判断されると、前記第1表示領域および前記第2表示領域の一方の表示領域に対応した第2表示形態で前記実行画面を前記一方の表示領域に表示し、所定の機能を示す画像を他方の表示領域に表示するステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−203349(P2012−203349A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70426(P2011−70426)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】