説明

携帯端末装置、及びプログラム

【課題】ユーザ操作等により携帯端末装置の電源をオフした場合でも予約情報を確認するために電源をオンする必要がないようにする。
【解決手段】予約情報メモリRIには予約情報が記憶されおり、チェックイン装置300との間で予約実行のチェックイン操作が行われ、所定の制限時間以内に携帯電話機の電源がオフされると、予約実行された予約に対応する前記予約情報メモリRIに記憶されている予約情報を、メモリ性を有する表示部106に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ性を有する表示手段を備える携帯端末装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空券やコンサートや演劇といった公演等のチケットを電子化し、ネットワークを介した予約されたチケット情報を携帯端末装置と電子チケットのサービス管理装置に記憶しておき、飛行機の搭乗時や公演会場への入場時に携帯端末装置をチェックイン装置にかざし、携帯端末装置に記憶されている予約情報と電子チケットサービス管理装置に記憶されている予約情報を照合し、合致する場合は入場が許可されるという、紙によるチケットを使用しない電子チケットサービスが広まってきている。
【0003】
従来技術として、携帯電話機を利用してチケットレスで予約とチェックインを可能とするチケットレスシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、携帯情報端末を利用してチケットレスで予約とチェックインを可能とし、更に携帯情報端末に印字部を備え、予約内容を印字することを可能とするペーパーレスチェックインシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−109343号公報
【特許文献2】特開2002−92444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においてはチケットレスのため座席番号等のチケット情報を確認するためには携帯電話機の画面に表示するか、プリントする必要がある。画面に表示して確認する場合は携帯電話機の電源をオンし、チケット情報を呼び出して表示する必要があり、飛行機への搭乗や公演会場への入場等で電源オフを求められる或いは電池残量不足で電源オフしてしまうと、チケット情報が確認できなくなってしまう。また、特許文献2のようにプリントする場合は、チケットレスであるにもかかわらずプリンタやプリント用紙が必要であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ユーザ操作等により携帯端末装置の電源をオフした場合でも情報を確認できる携帯端末装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的達成のため、請求項1に記載の発明は、メモリ性を有する表示手段と、所定の処理が実行されたか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出された場合に、所定の処理が実行されたことを記憶する状態記憶手段と、電源オフ時、前記状態記憶手段により所定の処理が実行されたことが記憶されているか否かを判別する状態判別手段と、前記状態判別手段により所定の処理が実行された状態であると判別された場合は、電源オフに先立って該所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示した後、当該携帯端末装置の電源をオフする制御手段と、を具備することを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項10記載の発明)。
【0008】
上記目的達成のため、請求項2に記載の発明は、メモリ性を有する表示手段と、所定の処理が実行されたか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により所定の処理が実行されたことが検出された場合は、該所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示した後、当該携帯端末装置の電源をオフする制御手段と、を具備することを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項11記載の発明)。
【0009】
また、好ましい態様として、例えば請求項3記載のように、前記所定の処理は他の通信端末装置との間で実行される通信であるようにしてもよい。
【0010】
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、前記通信は非接触通信であり、該非接触通信を介して所定の予約を実行するようにしてもよい。
【0011】
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、該非接触通信を介して特定施設へ入退場するようにしてもよい。
【0012】
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、前記所定の処理に対応する情報を記憶する情報記憶手段を更に具備し、前記制御手段は、前記情報記憶手段に記憶されている該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示するようにしてもよい。
【0013】
また、好ましい態様として、例えば請求項7記載のように、前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出された際に所定の処理に対応する情報を取得する取得手段を更に具備し、前記制御手段は、前記取得手段に取得された該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示するようにしてもよい。
【0014】
また、好ましい態様として、例えば請求項8記載のように、前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出されてから該携帯端末装置が電源オフされるまでの時間を計測する計時手段と、前記計時手段により計測されている時間があらかじめ設定された時間以内であるか否かを判別する時間判別手段と、を更に具備し、前記制御手段は、前記時間判別手段によりあらかじめ設定された時間以内と判別された場合に該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示するようにしてもよい。
【0015】
また、好ましい態様として、例えば請求項9記載のように、電池残量があらかじめ設定された値を下回るか否を判別する電池残量判別手段を更に具備し、前記制御手段は、前記電池残量判別手段によりあらかじめ設定された値を下回ると判別された場合に電源をオフするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定の処理が実行された状態で携帯端末装置が電源オフされた場合に、該所定の処理に対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に表示するようにしたことにより、ユーザ操作等により電源をオフした場合でも情報を確認できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図9を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、携帯端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1はこの実施形態を説明するシステムのブロック図である。同図に示すように、このシステムは、携帯電話機100、電子チケットサービス管理装置200、チェックイン装置300、ネットワーク400、入場装置500を含んで構成されている。ネットワーク400は、携帯電話機100と電子チケットサービス管理装置200、チェックイン装置300と電子チケットサービス管理装置200とを通信可能に接続する、インターネット等の有線又は無線通信方式の通信ネットワークである。
【0018】
携帯電話機100は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、非接触IC機能などを備えている。非接触IC機能は、対応する非接触ICのリーダライタ装置との間で無線通信をおこなう。
【0019】
制御部101は、二次電池を備えた電源部102からの電力供給によって動作し、記憶部103内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部101にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部103は、内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図6〜図9に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部103のデータ領域には、後述する予約情報メモリRI、実行予約メモリER、制限時間メモリLT、電源オフ閾値メモリPO、スケジュール情報メモリSCなどが格納されている。
【0020】
通信部104は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、音声通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部105を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部105から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。一方、電子メール機能、インターネット接続機能などによって通信部104を介して受信取得した表示データは、メモリ性を有する電子ペーパなどを使用した高精細な表示部106に与えられて表示出力される。
【0021】
操作部107は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部101は、操作部107からの操作信号に応じた処理として、例えば、電話発信処理など、各種の処理を実行する。報知部108は、サウンドスピーカ、振動モータ、LED(発光ダイオード)などを備えたもので、着信報知時に駆動されるほか、アラーム報知時にも駆動される。時計部109は、現在日時を得たり、経過時間を計測したりするもので、制御部101は、時計部109をアクセスして現在日時を取得する。
【0022】
非接触IC部110は、例えば、ISO/IEC 14443やNFC(Near Field Communication)などといった近接無線通信規格に準拠した非接触ICチップなどから構成され、対応する非接触ICのリーダライタ装置にアンテナが近接されることで励起され、当該リーダライタ装置との無線通信をおこなう。
【0023】
電子チケットサービス管理装置200は、ネットワーク400を介して予約操作された電子チケット情報を記憶管理する。
【0024】
制御部201は、記憶部202内の各種のプログラムに応じてこの電子チケットサービス管理装置200の全体動作を制御するもので、この制御部201にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部202は、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、電子チケットサービスの処理を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部202のデータ領域には、管理する予約情報などが格納されている。
通信部203は、ネットワーク400を介して携帯電話機100とチェックイン装置200との間でデータの送受信を行う。
【0025】
チェックイン装置300は、携帯電話機100と電子チケットサービス管理装置200との間でチェックイン処理を行う。
【0026】
制御部301は、記憶部302内の各種のプログラムに応じてこのチェックイン装置300の全体動作を制御するもので、この制御部301にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部302は、プログラム領域を有し、このプログラム領域には、チェックインの処理を実現するためのプログラムが格納されている。通信部303は、ネットワーク400を介して電子チケットサービス管理装置との間で通信を行う。非接触IC部304は、上述した非接触ICのリーダライタ装置で、携帯電話機100の非接触IC部110との間で近接の無線通信を行う。
【0027】
入場装置500は、携帯電話機100との間で入場処理を行う。
【0028】
制御部501は、記憶部502内の各種のプログラムに応じてこの入場装置500の全体動作を制御するもので、この制御部501にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部502は、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、施設入場処理を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部502のデータ領域には、施設対応情報などが格納されている。非接触IC部503は、非接触ICのリーダライタ装置で、携帯電話機100の非接触IC部110との間で近接の無線通信を行う。
【0029】
図2は、予約情報メモリRIを説明するための図である。
この予約情報メモリRIは、航空チケットの場合は、日時、航空会社、路線、座席番号、公演の場合は、日時、公演名、会場名、座席番号、といった予約情報をNo.と関連付けて記憶するものである。
【0030】
図3は、実行予約メモリER、制限時間メモリLT、電源オフ閾値メモリPOを説明するための図である。
図3(A)は、実行予約メモリERを示した図である。この実行予約メモリERは、予約実行のチェックインが行われた予約の予約情報メモリRIに関連付けられて記憶されているNo.を記憶するものである。
図3(B)は、制限時間メモリLTを示した図である。この制限時間メモリLTは、予約実行のチェックインが行われた、特定施設に入場した、或いはスケジュールアラームが報知されたために携帯電話機100の電源をオフしたのか、その他の理由で電源オフしたのかを判別するための制限時間を記憶するものである。
図3(C)は、電源オフ閾値メモリPOを示した図である。この電源オフ閾値メモリPOは、携帯電話機100を保護するために電源を強制オフする閾値となる電圧を記憶するものである。
【0031】
図4は、スケジュール情報メモリSCを示した図である。このスケジュール情報メモリSCはスケジュールの内容、開始時刻、終了時刻、アラーム通知フラグAF、表示データを記憶するものである。
アラーム通知フラグAFは値が1の場合は開始時刻より、例えば5分前にアラーム通知を行い、0の場合は通知を行わない。
表示データは電源オフに際し表示部106に表示するデータである。
【0032】
図5(A)〜(C)は表示例を示したものである。
図5(A)は、予約実行のチェックインを行った予約情報を表示させた場合の表示例を示したものである。
図5(B)は、施設入場を行った際に取得した施設対応情報を表示させた場合の表示例を示したものである。
図5(C)は、スケジュール情報を表示させた場合の表示例を示したものである。
【0033】
次に、この実施形態における携帯電話機の動作概念を図6〜図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0034】
先ず、制御部101は、通信部104を作動させて現在位置を登録する起動処理を行い(ステップS1)、予約実行フラグRF、入場フラグEF、及びスケジュールフラグSFに0をセットし(ステップS2)、所定の待受画像を読み出して待ち受け画面として表示させながら音声通話の待ち受け状態となる(ステップS3)。
予約実行フラグRFは、予約実行のチェックインが行われたか否かを判別するために、入場フラグEFは、特定施設に入場したか否かを判別するために、スケジュールフラグSFはアラーム報知されたスケジュール情報があったが否かを判別するために使用される。
【0035】
この待ち受け状態において音声通話の着信ありを検出すると(ステップS4でYES)、報知部108を駆動させて着信メロディなどを発生させる着信報知を行ったのち、着信応答操作(オフフック操作)に応答して(ステップS5でYES)、通話可能状態とするために通話処理を行う(ステップS6)。そして、オンフック操作に応答して(ステップS7でYES)、回線切断処理を行ったのち(ステップS8)、待ち受け状態に戻る(ステップS3)。
【0036】
また、待ち受け状態において電子チケット予約操作が検出された場合には(ステップS9でYES)、通信部104と電子チケットサービス管理装置200の通信部203との間でネットワーク400を介して通信の確立を行い、通信が確立し(ステップS10でYES)、ユーザによる電子チケット予約の操作が行われると(ステップS11)、電子チケットサービス管理装置200の制御部201により電子チケット予約処理が行なわれ、処理結果が記憶部203に記憶される、とともに携帯電話機100の記憶部103の予約情報メモリRIに予約情報を図2に示すように記憶する(ステップS13)。
【0037】
待ち受け状態においてスケジュール情報登録操作が検出された場合には(ステップS14でYES)、ユーザによるスケジュール情報登録の操作が行われると(ステップS15)、図4に示すスケジュール情報メモリSCにスケジュール情報を記憶するスケジュール情報登録処理が行われる(ステップS16)。
【0038】
また、待ち受け状態においてチェックイン操作が検出された場合には(ステップS17でYES)、チェックイン実行処理として非接触IC部110とチェックイン装置300の非接触IC部304との間で非接触通信を確立し、チェックイン装置300の通信部303と電子チケットサービス管理装置200の通信部203との間で通信を確立し、図2に示す予約情報メモリRIに記憶されている予約情報と電子チケットサービス管理装置200の記憶部202に記憶されている予約情報が一致した場合は、予約を実行する(ステップS18)。
続いて、実行された予約No.を図3(A)に示す実行予約メモリERに記憶し(ステップS19)、電源オフフラグPFの値が1であるか否かを判別し(ステップS20)、電源オフフラグPFの値が1の場合は、予約実行フラグRFに1をセットし(ステップS21)、時計部109による計時を開始する(ステップS22)。
この電源オフフラグPFはチェックイン、或いは後述する施設入場、スケジュールアラームの報知がされた場合に電源オフする否かを判別するために使用される。
一方、電源オフフラグPFの値が1でない場合は、後述するステップS36〜S38の処理を行う。
【0039】
待ち受け状態において特定施設への入場操作が検出された場合には(ステップS23でYES)、入場処理として非接触IC部110と入場装置500の非接触IC部503との間で非接触通信の確立し、入場が許可される(ステップS24)。
続いて、入場装置500の記憶部502に記憶されている施設対応情報を取得し(ステップS25)、電源オフフラグPFの値が1であるか否かを判別し(ステップS26)、電源オフフラグPFの値が1の場合は、入場フラグEFに1をセットし(ステップS27)、時計部109による計時を開始する(ステップS22)。
一方、電源オフフラグPFの値が1でない場合は、後述するステップS42〜S44の処理を行う。
【0040】
また、待ち受け画面において報知時刻に該当するアラーム通知フラグAFの値が1のスケジュール情報が検出されたばあいには(ステップS28)、報知部108を駆動させてアラームメロディなどを発生させる報知処理を行い(ステップS29)、電源オフフラグPFの値が1であるか否かを判別し(ステップS30)、電源オフフラグPFの値が1の場合は、スケジュールフラグに1をセットし(ステップS31)、時計部109による計時を開始する(ステップS22)。
一方、電源オフフラグPFの値が1でない場合は、後述するステップS47〜S49の処理を行う。
【0041】
待ち受け状態において電源オフの操作が検出された場合には(ステップS32でYES)、予約実行フラグRFの値が1であるか否かを判別し(ステップS33)、予約実行フラグRFの値が1の場合は時計部109による計時を終了し(ステップS34)、計時した時間が図3(B)に示す制限時間メモリLTに記憶されている制限時間以下であるか否かを判別する。ここで制限時間以下である場合(ステップS35でYES)、と上述したステップS20でNOの場合に、図3(A)に示す実行予約メモリERに記憶されている実行予約No.の予約情報を図2に示す予約情報メモリRIから参照して図5(A)に示すようにメモリ性を有する表示部106に表示し(ステップS36)、予約実行フラグRFに0をセットして(ステップS37)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
【0042】
このように例えば制限時間を30分とした場合、予約実行のチェックインを行い、計時を開始してから30分以内の場合は、チェックインしたことに伴い電源オフしたと判定し予約情報を、メモリ性を有する表示部に表示することで、電源オフしても表示部106に予約情報が残るため、電源オンすることなく予約情報を確認することができる。
【0043】
一方、計時時間が制限時間を超える場合は(ステップS35でNO)、予約実行フラグRFに0をセットし(ステップS37)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
この場合は、チェックインしたことに伴い電源オフしたのではないと判定し予約情報を、メモリ性を有する表示部106には表示しない。
【0044】
予約実行フラグRFの値が1でない場合は(ステップS33でNO)、入場フラグEFの値が1であるか否かを判別し(ステップS40)、入場フラグEFの値が1の場合は時計部109による計時を終了し(ステップS41)、計時した時間が図3(B)に示す制限時間メモリにLT記憶されている制限時間以下であるか否かを判別する。ここで制限時間以下である場合(ステップS42でYES)、と上述したステップ26でNOの場合に、入場装置500より取得した施設対応情報を図5(B)に示すように表示部に表示し(ステップS43)、入場フラグEFに0をセットして(ステップS44)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
【0045】
このように例えば制限時間を30分とした場合、特定施設へ入場し、計時を開始してから30分以内の場合は、特定施設に入場したことに伴い電源オフしたと判定し、取得した施設対応情報を、メモリ性を有する表示部に表示することで、電源オフしても表示部106に施設対応情報が残るため、電源オンすることなく施設対応情報を確認することができる。
【0046】
一方、計時時間が制限時間を超える場合は(ステップS42でNO)、入場フラグEFに0をセットし(ステップS44)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
この場合は、特定施設に入場したことに伴い電源オフしたのではないと判定し施設対応情報を、メモリ性を有する表示部106には表示しない。
【0047】
さらに、入場フラグEFの値が1でない場合は(ステップS40でNO)、スケジュールフラグSFの値が1であるか否かを判別し(ステップS45)、スケジュールフラグSFの値が1の場合は時計部109による計時を終了し(ステップS46)、計時した時間が図3(B)に示す制限時間メモリLTに記憶されている制限時間以下であるか否かを判別する。
ここで制限時間以下である場合(ステップS47でYES)、と上述したステップ31でNOの場合に、図6に示すスケジュール情報メモリからスケジュール表示データを図5(C)に示すように表示部に表示し(ステップS48)、スケジュールフラグSFに0をセットして(ステップS49)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
【0048】
このように例えば制限時間を5分とした場合、スケジュールアラーム報知後、計時を開始してから5分以内の場合は、スケジュールを確認したことに伴い電源オフしたと判定し、対応するスケジュール情報を、メモリ性を有する表示部に表示することで、電源オフしても表示部106にスケジュール情報が残るため、電源オンすることなくスケジュール情報を確認することができる。
【0049】
一方、計時時間が制限時間を超える場合は(ステップS47でNO)、スケジュールフラグSFに0をセットし(ステップS49)、携帯電話機100の電源をオフする(ステップS38)。
この場合は、スケジュールを確認したことに伴い電源オフしたのではないと判定しスケジュール情報を、メモリ性を有する表示部106には表示しない。
【0050】
また、待ち受け状態において電池残量が図3(C)に示す電源オフ閾値メモリPOに記憶されている電源オフ閾値より小さいと検出された場合には(ステップS39でYES)、ステップS33に移行し、以降上述したステップS33からステップS49の処理を行う。
【0051】
待ち受け状態において、電源オフフラグPFの設定を行う電源オフ設定操作が検出された場合には(ステップS50でYES)、ユーザによる電源オフ設定の操作が行われると(ステップS51)、操作された設定の登録を行う電源オフ設定登録処理が行われる(ステップS52)。
【0052】
また、待ち受け状態において何らかの操作が行われた場合には(ステップS53でYES)、操作に応じた処理が行われる(ステップS54)。例えば、ユーザ操作に応じて任意の時計時刻を設定する処理、音声電話発信処理などが行われる。
【0053】
以上のように、この実施形態において、所定の処理が実行されている状態で携帯端末装置が電源オフされた場合に所定の処理に対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に表示するようにしたことにより、ユーザ操作等により電源をオフした場合でも所定の処理に対応する情報が表示手段に残り、確認のため電源をオンすることなく情報を確認することができる。
【0054】
また、所定の処理が実行され、対応する情報を取得し、メモリ性を有する表示手段に表示した後電源オフするようにしたことにより、特定の処理実行後、電源オフを求められる場合であっても、電源オフ操作を忘れても自動で電源オフされ、更に対応する情報が表示手段に残り、確認のため電源オンをすることなく情報を確認することができる。
【0055】
更に、所定の処理を通信としたことで、通信が実行された状態で通信の実行に対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に表示するようにしたことにより、電源をオフしても対応する情報が表示手段に残り、確認のため電源をオンすることなく情報を確認することができる。
【0056】
更に、所定の処理を、非接触通信を介して所定の予約を実行するようにしたことで、例えば、飛行機やコンサート等の予約が実行された状態で予約の実行に対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に表示するようにしたことにより、電源をオフしても対応する情報が表示手段に残り、確認のため電源をオンすることなく情報を確認することができる。
【0057】
また、所定の処理を、非接触通信を介して特定施設へ入退場するようにしたことで、例えば、飛行機への搭乗やコンサート会場への入場が実行された状態で入退場の実行に対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に表示するようにしたことにより、電源をオフしても対応する情報が表示手段に残り、確認のため電源をオンすることなく情報を確認することができる。
【0058】
更に、所定の処理に対応する情報を記憶するようにしたことで、対応する情報を他から取得する必要がない。
【0059】
また、所定の処理に対応する情報を取得するようにしたことで、対応する情報を自携帯端末装置に記憶する必要がない。
【0060】
更に、所定の処理が実行されてからから所定時間以内に携帯端末装置が電源オフしたか否かを判定するようにしたことにより、例えば、飛行機への搭乗やコンサート会場への入場等で電源オフを求められる状況であると判断された場合のみ、所定の処理対応する情報を、メモリ性を有する表示手段に残し確認できる。
【0061】
更に、電池残量があらかじめ設定された値を下回る場合に、メモリ性を有する表示手段に所定の処理に対応する情報を表示してから電源オフするようにしたことにより、携帯端末装置保護のために強制電源オフした場合でも、メモリ性を有する表示手段に情報が残り、確認することができる。
【0062】
なお、上述した各実施形態は携帯電話機に限らず、例えば、PDA、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話機の基本的な構成要素を含むシステムのブロック図。
【図2】予約情報メモリRIを説明するための図。
【図3】(A)〜(C)は、実行予約メモリER、制限時間メモリLT、電源オフ閾値メモリPOを説明するための図。
【図4】スケジュール情報SCを説明するための図。
【図5】(A)〜(C)は、予約実行のチェックインを行った予約情報を表示させた場合、施設入場を行った際に取得した施設対応情報を表示させた場合、スケジュール情報を表示させた場合の表示例。
【図6】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作を示したフローチャート。
【図7】図6に続く動作を示したフローチャート。
【図8】図7に続く動作を示したフローチャート。
【図9】図8に続く動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
101 携帯電話機の制御部
103 携帯電話機の記憶部
104 携帯電話機の通信部
106 携帯電話機の表示部
107 携帯電話機の操作部
108 携帯電話機の報知部
109 携帯電話機の時計部
110 携帯電話機の非接触IC部
201 電子チケットサービス管理装置の制御部
202 電子チケットサービス管理装置の通信部
203 電子チケットサービス管理装置の記憶部
301 チェックイン装置の制御部
302 チェックイン装置の通信部
303 チェックイン装置の記憶部
304 チェックイン装置の非接触IC部
400 ネットワーク
501 チェックイン装置の制御部
502 チェックイン装置の記憶部
503 チェックイン装置の非接触IC部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性を有する表示手段と、
所定の処理が実行されたか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出された場合に、所定の処理が実行されたことを記憶する状態記憶手段と、
電源オフ時、前記状態記憶手段により所定の処理が実行されたことが記憶されているか否かを判別する状態判別手段と、
前記状態判別手段により所定の処理が実行された状態であると判別された場合は、電源オフに先立って該所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示した後、当該携帯端末装置の電源をオフする制御手段と、
を具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
メモリ性を有する表示手段と、
所定の処理が実行されたか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により所定の処理が実行されたことが検出された場合は、該所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示した後、当該携帯端末装置の電源をオフする制御手段と、
を具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記所定の処理は他の通信端末装置との間で実行される通信であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記通信は非接触通信であり、該非接触通信を介して所定の予約を実行することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記通信は非接触通信であり、該非接触通信を介して特定施設へ入退場することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記所定の処理に対応する情報を記憶する情報記憶手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記情報記憶手段に記憶されている該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至5に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出された際に所定の処理に対応する情報を取得する取得手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記取得手段に取得された該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至5に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出されてから該携帯端末装置が電源オフされるまでの時間を計測する計時手段と、
前記計時手段により計測されている時間があらかじめ設定された時間以内であるか否かを判別する時間判別手段と、
を更に具備し、
前記制御手段は、前記時間判別手段によりあらかじめ設定された時間以内と判別された場合に該実行された所定の処理に対応する情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1、3、4または5に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
電池残量があらかじめ設定された値を下回るか否を判別する電池残量判別手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記電池残量判別手段によりあらかじめ設定された値を下回ると判別された場合に電源をオフすることを特徴とする請求項1、3、4または5に記載の携帯端末装置。
【請求項10】
コンピュータに、
メモリ性を有する表示機能と、
所定の処理が実行されたか否かを検出する機能と、
前記検出手段により所定の処理が実行されたと検出された場合に、所定の処理が実行されたことを記憶する機能と、
電源オフ時、前記状態記憶機能により所定の処理が実行されたことが記憶されているか否かを判別する機能と、
前記状態判別機能により所定の処理が実行された状態であると判別された場合は、電源オフに先立って該所定の処理に対応する情報を前記表示機能に表示した後、当該コンピュータの電源をオフする機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
メモリ性を有する表示機能と、
所定の処理が実行されたか否かを検出する機能と、
前記検出機能により所定の処理が実行されたことが検出された場合は、該所定の処理に対応する情報を前記表示機能に表示した後、当該コンピュータの電源をオフする機能と、
を実現させるプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−194771(P2009−194771A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35300(P2008−35300)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】