説明

携帯端末装置、表示制御方法、及び表示制御プログラム

【課題】 行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、細かい手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能な携帯端末装置を提供する。
【解決手段】 本携帯端末装置は、タッチパネルを介してイメージを入力する手書き入力部11と、イメージを表示する表示部15と、保存イメージとしてのイメージを保存するイメージ管理部16と、入力領域を指定する編集指示部12と、複数行又は複数列に渡る入力領域が指定された場合、保存イメージから、入力領域に含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域を生成する仮想入力領域生成部13と、を備える。表示部15は、複数行又は複数列に渡る入力領域を表示する一覧表示と仮想入力領域を表示する編集表示とを行う。イメージ管理部16は、保存中の保存イメージと仮想入力領域に入力されたイメージとを新たな保存イメージとして保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯端末装置として、キー操作による入力の代わりに、もしくはキー操作による入力とは別に、表示画面上をタッチして入力を行う所謂タッチパネル機能を搭載した携帯端末装置が普及している。タッチパネル機能を搭載した携帯端末装置によれば、直感的な入力を行うことができ、ユーザにとって理解しやすい入力を行うことができる。
【0003】
一方、携帯端末装置は、一般的に表示画面が小型であることが多い。この場合、例えばスケジュール機能により予定を書き込むなど、小さな文字をタッチパネルにより入力するときには、文字、図形、記号等をユーザの思い通りに入力することができないことがある。
【0004】
小さな画面等で小さな文字等を入力するための装置として、小さな表示画面で手書きイメージを入力する際、手書きに適したサイズの枠を表示し、入力が完了した時点でイメージを適切なサイズに縮小して表示する手書き入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この手書き入力装置によれば、操作者は、表示画面上の手書き表示領域に情報を直接手書きするのではなく、手書き表示範囲より拡大された枠内に情報を手書きすることができるので、例えば画数の多い文字や複雑なパターン等の手書き入力を容易に行うことができる。
【0005】
また、小さな文字を描くために描画部分を拡大する機能を有し、座標入力面の右端(下端)を含む領域にある描画方向判定面におけるタッチやドラッグのデタッチから所定の時間タッチが検出されない場合には、横方向(縦方向)にスクロールするタッチパネル付きディスプレイ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このディスプレイ装置によれば、自動的にスクロールの方向を判定して行の始端に向けて画像をスクロールすることができる。
【0006】
また、小さな文字を描くために描画部分を拡大する機能を有し、入力位置が拡大画面の端に近づいたときに、手書き入力できるスペースを確保するためにスクロールする表示装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。この表示装置によれば、拡大画面上の入力位置と拡大画面の端との間にスペースが生じ、このスペースに手書き入力を連続して行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−124164号公報
【特許文献2】特開2004−046797号公報
【特許文献3】特開2009−098990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、スケジュール機能やカレンダー機能により、行単位や列単位で区切られた入力領域に文字等を入力するとき、行又は列の終端に達した後に入力を継続する場合には、次行又は次列の始端から入力しなければならないことがある。例えば、図6を示すようなカレンダー機能を用いた場合に、1行目の入力領域の終端である土曜日(19日)のスケジュールを入力した後に、2行目の入力領域の始端である日曜日(20日)のスケジュールを入力することがある。また、例えば19日から20日にかけて連続する予定を記入するために、複数期間に渡る矢印等を入力することがある。
【0009】
さらに、携帯端末装置は一般的に表示画面が小さいので、タッチパネルを介して入力を行うときには拡大画面で対応する場面が多い。そのため、このような場合には、拡大画面で入力領域の終端に達したときに、スクロール操作を何度も行ったり、拡大画面→通常画面→拡大画面と変更するために拡大率の変更を何度も行ったりする必要があり、ユーザ操作が煩雑となっていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能な携帯端末装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の携帯端末装置は、タッチパネルを介してイメージを入力する入力部と、イメージを表示する表示部と、保存イメージとしてのイメージを保存するイメージ保存部と、前記入力部により入力するための入力領域を指定する入力領域指定部と、前記入力領域指定部により複数行又は複数列に渡る前記入力領域が指定された場合、前記イメージ保存部に保存された保存イメージから、前記入力領域に含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域を生成する仮想入力領域生成部と、を備え、前記表示部が、前記複数行又は複数列に渡る入力領域を表示する一覧表示と、前記仮想入力領域を表示する編集表示と、を行い、前記イメージ保存部が、保存中の前記保存イメージと、前記仮想入力領域生成部により生成された仮想入力領域に入力されたイメージとを、新たな保存イメージとして保存する。
【0012】
この構成により、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能である。特に、一覧表示では物理的には分離された入力領域であっても、論理的な繋がりを基に一列又は一行に整列された仮想入力領域を生成することで、入力操作が容易になる。
【0013】
また、本発明の携帯端末装置は、前記仮想入力領域生成部により生成された仮想入力領域の行又は列の長さが、前記表示部に表示される表示画面における同方向の長さより長い場合には、スクロール制御を行うスクロール制御部を備える。
【0014】
この構成により、生成された仮想入力領域が表示画面に対して大きい場合であっても、下層入力領域の全体を利用することができる。特に、仮想入力領域が所望のサイズよりも小さい場合であっても、連続的な入力領域においてスムーズに入力操作を行うことができる。
【0015】
また、本発明の携帯端末装置は、前記表示部に表示されるイメージの表示制御を行う表示制御部を備え、前記表示制御部が、前記仮想入力領域における論理的に連続する先の領域及び後の領域の両領域に渡り1つのイメージが入力された場合、前記一覧表示では、前記先の領域の終端部及び前記後の領域の始端部の各々に、前記1つのイメージを表示するよう制御する。
【0016】
この構成により、一覧表示において、1つのイメージが入力されたいずれの領域においても、イメージを確実に認識することができる。
【0017】
また、本発明の携帯端末装置は、前記表示制御部が、両領域の各々に表示される前記1つのイメージのうち、両領域外に入力された部分の表示態様を変更する。
【0018】
この構成により、一覧表示において、1つのイメージが入力されたいずれの領域においても、イメージを確実に認識することができ、かつイメージが領域をまたいで描かれたことが容易に理解できる。
【0019】
また、本発明の携帯端末装置は、前記表示制御部が、先の領域又は後の領域に表示される前記1つのイメージの表示態様を変更する。
【0020】
この構成により、イメージを確実に認識することができる。また、ユーザが優先する領域では通常通り表示し、優先しない領域では簡易的に表示することができる。
【0021】
また、本発明の表示制御方法は、タッチパネルを介して入力されたイメージを表示するための表示制御方法であって、表示部によりイメージを表示する表示ステップと、入力部により入力するための入力領域を指定するステップと、複数行又は複数列に渡る前記入力領域が指定された場合、保存イメージとしてのイメージを保存するイメージ保存部に保存された保存イメージから、前記入力領域に含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域を生成するステップと、前記イメージ保存部に保存中の前記保存イメージと、前記生成された仮想入力領域に入力されたイメージとを、前記イメージ保存部により新たな保存イメージとして保存するステップと、を有し、前記表示ステップにおいて、前記複数行又は複数列に渡る入力領域を表示する一覧表示と、前記仮想入力領域を表示する編集表示と、を行う。
【0022】
この方法により、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能である。特に、一覧表示では物理的には分離された入力領域であっても、論理的な繋がりを基に一列又は一行に整列された仮想入力領域を生成することで、入力操作が容易になる。
【0023】
また、本発明の表示制御プログラムは、上記表示制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0024】
このプログラムにより、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能である。特に、一覧表示では物理的には分離された入力領域であっても、論理的な繋がりを基に一列又は一行に整列された仮想入力領域を生成することで、入力操作が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の携帯端末装置によれば、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に高精度に描くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態における携帯端末装置の構成例を示すブロック図
【図2】(A)〜(D)本発明の実施形態における仮想入力領域を用いた手書き入力の一例を説明するための図
【図3】(A)〜(B)本発明の実施形態における仮想入力領域を用いた手書き入力の一例を説明するための図
【図4】(A)〜(C)本発明の実施形態における仮想入力領域への入力において、1つのイメージが論理的な繋ぎ目をまたいで入力されたときの表示例を示す図
【図5】本発明の実施形態における携帯端末装置が手書き入力を行うときの動作例を示すシーケンス図
【図6】従来の手書き入力の一例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0028】
本発明の実施形態における携帯端末装置は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ等、表示画面を有する機器を広く含む。特に、イメージを入力するためのタッチパネルの面積が小さな機器を想定している。以下、携帯端末装置を例に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態における携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す携帯端末装置1は、手書き入力部11、編集指示部12、仮想入力領域生成部13、表示制御部14、表示部15、イメージ管理部16、を有して構成される。
【0030】
手書き入力部11は、タッチパネルを有し、指等での接触又は押下による手書き入力を検知する。例えば、ユーザが指等をタッチパネル上で連続的に移動させることにより、手書き入力部11は、その指等の移動を軌跡として検知する。手書き入力部11により入力された(描かれた)イメージの軌跡の情報(軌跡情報)は、仮想入力領域生成部13に送られる。この軌跡情報は、例えば座標情報の集合により表される。手書き入力部11は、後述する一覧表示された入力領域、又は、後述する仮想入力領域VI(図2(B)参照)、への入力を行う。
【0031】
なお、ここでのイメージとは、文字、図形、記号などの画像を広く含む。また、入力手段(指等)としては、指以外にタッチペン等であってもよく、タッチパネルに対して細かい入力を行うことが困難な入力手段が広く含まれる。
【0032】
編集指示部12は、編集開始指示及び編集終了指示を行う。編集開始指示は、仮想入力領域VIを用いた入力を開始するための指示である。編集終了指示は、仮想入力領域VIを用いた入力を終了するための指示である。
【0033】
編集指示部12は、編集開始指示を行うときには、手書き入力部11によりイメージを入力するための入力領域IAを指定する。例えば、論理的に連続するが物理的に分離された領域を入力領域IAとして指定する。例えば、図2(A)に示すカレンダーにおいて、携帯端末装置1が有するカレンダー機能により、16日〜23日までのスケジュールを書き込む場合、16日〜23日までの領域を入力領域IAとして指定する。このカレンダーでは、一覧表示においてマトリックス状に入力領域IAが表示されている。
【0034】
また、編集終了指示を行うときには、編集作業を終了するために、仮想入力領域VIの表示を終了するよう表示部15へ指示する。
【0035】
仮想入力領域生成部13は、編集指示部12により複数行又は複数列に渡る入力領域IAが指定された場合、入力領域IAに含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域VIを生成する。仮想入力領域VIは、イメージ管理部16に保存されている保存イメージ(背景イメージ等)から生成される。図2(B)は、仮想入力領域VIの背景イメージ図である。
【0036】
また、仮想入力領域生成部13は、生成された仮想入力領域VIとこの仮想入力領域VIに入力されたイメージとを合成する。合成されたイメージは逐次、編集画面として表示される。また、仮想入力領域生成部13は、合成されたイメージを、イメージ管理部16により保存された保存イメージにおける該当部分に、上書き保存させる。例えば、図2(B)、(C)に示すように、カレンダー1月分のイメージのうち、仮想入力領域VIに対応する16〜23日の領域の部分のみを、入力されたイメージを含むように上書き保存させる。なお、仮想入力領域VIへの入力が未だ行われていない場合には、仮想入力領域VIの背景イメージのみがイメージ管理部16に保存されている。
【0037】
表示制御部14は、仮想入力領域VIに含まれる領域のうち、表示部15に表示される領域を制御(例えば移動)する。例えば、図2(B)において16日〜23日までの領域の仮想入力領域VIが生成された状態で、図2(C)に示すような18日〜20日を表示部15に表示されるように制御する。また、仮想入力領域VIの行(X方向)又は列(X方向と直交するY方向)の長さが、表示部15に表示される表示画面における同方向(X方向又はY方向)の長さより長い場合には、例えば図2(C)に示すように、その方向にスクロールするためのスクロールバーSBを表示させ、必要に応じてスクロール制御を行う。
【0038】
また、表示制御部14は、表示部15により表示されるイメージを形成する。表示対象となるイメージは、イメージ管理部16により保存された保存イメージの少なくとも一部である。表示部15の表示画面のサイズよりも保存イメージの方が大きい場合には、保存イメージの一部を切出して表示対象となるイメージを形成する。
【0039】
また、表示制御部14は、表示部15の表示画面の拡大率を制御する。表示部15の表示画面としては、主に、拡大率が1より大きい画面である拡大画面と、拡大率が1(等倍)の画面である通常画面と、拡大率が1より小さい画面である縮小画面と、がある。拡大画面は、主に、通常画面では手書き入力が困難な細かい入力を行う場合に利用され、通常画面は、通常の一般的な入力を行う場合に利用される。
【0040】
また、表示制御部14は、一覧表示では分離して表示されるが、論理的に連続する領域にまたがって1つのイメージが入力された場合には、両領域の各々にイメージを表示するよう制御するなど、入力イメージの表示制御を行う(後述する図4(A)〜(C)参照)。
【0041】
表示部15は、液晶パネル等で構成され、表示画面上で、表示制御部14により形成されたイメージを表示する。表示部15による表示には、一覧表示と編集表示とがある。一覧表示では、イメージ管理部16により保存されたイメージが一覧表示され、複数行又は複数列に渡る入力領域が表示される。また、編集表示では、イメージ管理部16により保存されたイメージのうち、編集のための領域として指定された仮想入力領域VIのイメージを表示される。このとき、仮想入力領域VIに入力されたイメージは、逐次、編集表示される。図2(A)、(D)は一覧表示のイメージ図であり、図2(B)、(C)は編集表示のイメージ図である。なお、図2(B)に示すイメージに対して直接指等で入力するのではなく、図2(C)に示すイメージに対して入力することを想定している。表示されるイメージとしては、例えばカレンダーの各日付の領域を囲む枠などの背景イメージ、その日付の領域に書き込まれた文字のイメージ、複数日に渡って同様の予定があることを示すための矢印のイメージ、などがある。なお、一覧表示では、論理的に連続する領域が行又は列毎に区切られて分離されている状態で表示される。
【0042】
イメージ管理部16は、RAM(Random Access Memory)等を有して構成され、保存イメージとしてのイメージを保存する。保存イメージとしては、例えば、一覧表示や編集表示を行うときに背景に表示される背景イメージがある。一覧表示用の背景イメージと編集表示用の背景イメージとしては、共通して同じものを用いてもよいし、別々のものを用いてもよい。また、他の保存イメージとしては、仮想入力領域生成部13により背景イメージと入力イメージとが合成されたイメージがある。さらに、イメージ管理部16は、既に手書き入力等が行われており、合成された保存イメージが保存されている場合には、保存イメージと入力イメージとが合成されたイメージを、新たな保存イメージとして保存する。
【0043】
なお、本実施形態で説明する表示制御方法の各ステップを実行させるための表示制御プログラムは、携帯端末装置1内の所定のメモリ(不図示)に格納される。
【0044】
次に、携帯端末装置1の動作例について説明する。
【0045】
本実施形態の携帯端末装置1は、図3(A)に示すように、表示部15の表示画面上の二次元空間に自由にタッチパネル等を介して手書き入力することができる。図3(A)の線部Lは、自由な手書き入力の一例である。これに加え、携帯端末装置1では、仮想入力領域VIを用いて手書き入力するための「仮想入力モード」を設ける。仮想入力モードは、あらかじめ設定されているものであってもよいし、ユーザ操作等により仮想入力モードを指定することができるようにしてもよい。仮想入力モードでは、図2(A)に示すように、複数行又は列に渡る入力領域IAが指定された場合には、仮想入力領域生成部13が仮想入力領域VIを生成する。仮想入力領域VIは、一覧表示LDでは分離して表示される場合であっても、図2(B)に示すように、論理的な連続性を有する場合には分離されていた個所も結合して一列又は一行で表示される。
【0046】
また、仮想入力領域VIを用いた入力では、表示制御部14が、表示部15の表示画面について、論理的に連続する方向とは直交する方向の幅に対して、手書き入力が容易に行えるよう拡大率を制御する。例えば、図3(B)に示すように、単に仮想入力領域VIを生成しただけでは縦幅に対して手書き入力が困難である場合には、拡大率を大きくする。これにより、ユーザの手書き入力の際の利便性が向上する。
【0047】
また、図3(B)に示すように、例えば拡大率を大きくした場合などに、仮想入力領域VIの入力方向(X方向)の長さが、表示画面における仮想入力領域VIの入力方向と同一方向(X方向)の長さよりも長い場合には、表示制御部14が、その方向にスクロールが行えるようにする。具体的には、表示制御部14が、スクロールバーSBなどを表示し、必要に応じてスクロール制御する。これにより、仮想入力領域VI内で、表示対象の位置をスクロールして切り替えることができる。
【0048】
また、仮想入力領域VIへの入力において、文字等の1つのイメージが論理的な繋ぎ目をまたいで入力された場合、つまり仮想入力領域VIにおける複数の領域に渡って1つのイメージが入力された場合、以下の例のように一覧表示する。
【0049】
第1例としては、表示制御部14は、1つのイメージが論理的な繋ぎ目をまたいだことを検知すると、論理的に連続する先の領域の終端部及び後の領域の始端部の各々に、1つのイメージを表示させる。つまり、一覧表示LDでは、分離された終端及び始端のいずれにも、そのイメージを表示させる。
【0050】
図4(A)に示す例では、仮想入力領域VIの19日と20日の領域にまたいでイメージとしての文字「う」が入力されているが、一覧表示LDでは、分離して表示される19日と20日のそれぞれに、文字「う」が表示されている。文字「う」は19日の領域の終端及び20日の領域の始端を超えて入力されているので、一覧表示LDでも枠を超えて表示させる。
【0051】
これにより、1つのイメージが入力されたいずれの領域においても、イメージを確実に認識することができる。
【0052】
また、第2例としては、表示制御部14は、1つのイメージが論理的な繋ぎ目をまたいだことを検知すると、一覧表示LDでは、論理的に連続する先の領域及び後の領域の両端部の各々に表示される1つのイメージのうち、両領域外に入力された部分の表示態様を変更する。本実施形態において表示形態を変更するとは、例えば、一覧表示LDにおける該当部分の文字の大きさを小さくしたり、該当部分の表示色を変更したり、該当部分の文字を斜体にしたりすることが考えられる。
【0053】
図4(B)に示す例では、仮想入力領域VIの19日と20日の領域にまたいでイメージとしての文字「う」が入力されているが、一覧表示LDでは、分離して表示される19日と20日の領域のそれぞれにおいて、領域外の部分については文字色を変更している。本実施形態における文字色の変更としては、例えば、領域外(枠外)に描かれた文字の部分であることが明確になるように、該当部分を薄い色にしたり、該当部分の輝度を小さくしたりすることが考えられる。さらに、文字色を無色にすることも含まれる。ここでは、19日の領域の終端(右端)より右側の部分、20日の領域の始端(左端)より左側の部分について、文字の表示色が変更されている。
【0054】
これにより、1つのイメージが入力されたいずれの領域においても、イメージを確実に認識することができ、かつイメージが領域をまたいで描かれたことが容易に理解できる。
【0055】
また、第3例としては、表示制御部14は、1つのイメージが論理的な繋ぎ目をまたいだことを検知すると、一覧表示LDでは、論理的に連続する先の領域又は後の領域に表示される1つのイメージの表示態様を変更する。
【0056】
図4(C)に示す例では、仮想入力領域VIの19日と20日の領域にまたいでイメージとしての文字「う」が入力されているが、一覧表示LDでは、19日の領域では「う」が通常通りに表示され、20日の領域では「う」の表示色が変更されて表示されている。さらに、20日の領域では「う」の表示色を無色とし、「う」が表示されないようにしてもよい。
【0057】
これにより、1つのイメージが入力されたいずれの領域においても、イメージを確実に認識することができる。また、ユーザがスケジュール機能で優先する日付の領域では通常通り表示し、優先しない日付の領域では簡易的に表示することができる。
【0058】
次に、携帯端末装置1が手書き入力を行うときの動作について説明する。
図5は、携帯端末装置1が手書き入力を行うときの動作例を示すシーケンス図である。ここでは、カレンダー機能により表示されるカレンダーにスケジュールを書き込むことを想定する。
【0059】
まず、表示部15は、イメージ管理部16に保存されているイメージを一覧表示する(ステップS101)。ここで一覧表示されるイメージとは、一覧表示用の背景イメージ、その背景イメージにあらかじめ書き込まれて保存されたイメージ、などである。例えば、週毎に改行された1月分のカレンダーが表示される。ここでは、表示されたカレンダーの各日の領域が入力領域となる。
【0060】
続いて、編集指示部12は、仮想入力領域VIを用いた入力を開始するための編集開始指示を行う(ステップS102)。このとき、表示部15に表示された入力領域の各領域のうち、編集すべき領域を指定する。例えば、図2(A)に示すように、論理的に連続する16日〜23日の領域を編集対象として選択する。図2(A)に示す例では、19日の領域と20日の領域との間で改行されている。
【0061】
続いて、仮想入力領域生成部13は、編集対象として選択された領域を論理的に連続して一行又は一列に整列し、仮想入力領域VIを生成する。つまり、イメージ管理部16により保存されたイメージのうちの入力領域IAに指定された領域を切出し、整列させる(ステップS103)。例えば、図2(B)に示すように、編集対象である16日〜23日の領域を1行に整列し、仮想入力領域VIを生成する。
【0062】
続いて、表示部15は、生成された仮想入力領域VIの少なくとも一部を表示(編集表示)する(ステップS104)。拡大率との関係で、表示部15に表示される表示領域よりも仮想入力領域VIの方が大きい場合には、表示制御部14が、スクロールバーSBを表示部15に表示させる。これにより、スクロール制御を行うことが可能となる。例えば、図2(C)に示すように、表示部15により17日〜19日の領域を表示し、スクロール制御により16日の領域及び20日〜23日の領域を表示させることができる状態とする。
【0063】
続いて、手書き入力部11により、仮想入力領域VIを用いてイメージを入力する(ステップS105)。また、仮想入力領域生成部13は、仮想入力領域VIの背景イメージ又は背景イメージとともにあらかじめ書き込まれ保存されていたイメージと、手書き入力部11により今回入力されたイメージと、を合成する。例えば、図2(C)に示すように、仮想入力領域VIの背景イメージと、18日〜19日の領域にスケジュールとして入力された「東京」の文字とを合成する。
【0064】
続いて、表示部15は、仮想入力領域生成部13により合成されたイメージを表示する(ステップS106)。例えば、図2(D)に示すように、仮想入力領域VIの背景イメージと、18日〜19日の領域にスケジュールとして入力された「東京」の文字と、が合成されたイメージが表示される。ここで表示されるイメージは、編集表示でのイメージであり、手書き入力部11によりイメージが入力される度に逐次更新される。
【0065】
手書き入力が終了したら、編集指示部12は、仮想入力領域VIを用いた入力を終了するための編集終了指示を行う(ステップS107)。このとき、編集指示部12は、表示部15に対して仮想入力領域VIの表示を終了するよう指示する。これにより、仮想入力領域VIの表示が終了する。
【0066】
編集終了指示に伴い、仮想入力領域生成部13により合成されたイメージが確定される。イメージ管理部16は、確定されたイメージを新たな保存イメージとして保存する(ステップS108)。
【0067】
そして、イメージ管理部16は、イメージ管理部16により新たに保存された保存イメージを一覧表示する(ステップS109)。例えば、図2(D)に示すように、18日〜19日の領域に「東京出張」の文字が表示され、16日〜23日の領域にわたって両方向矢印のイメージが表示される。また、1つのイメージが19日〜20日の領域にわたって入力された場合には、先に説明した図4(A)〜(C)のような表示を行う。
【0068】
このような本実施形態の携帯端末装置1によれば、仮想入力領域VIを用いることで、論理的に連続するが一覧表示では途中で分離された領域に、文字列や記号等のイメージを効率良く描くことができる。したがって、例えばマトリックス状に領域が配列されたカレンダー等に対して、容易に手書きイメージを描くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、行単位又は列単位で区切られた入力領域に入力する場合であっても、手書きイメージを容易に描くことが可能な携帯端末装置、表示制御プログラム等に有用である。
【符号の説明】
【0070】
1 携帯端末装置
11 手書き入力部
12 編集指示部
13 仮想入力領域生成部
14 表示制御部
15 表示部
16 イメージ管理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを介してイメージを入力する入力部と、
イメージを表示する表示部と、
保存イメージとしてのイメージを保存するイメージ保存部と、
前記入力部により入力するための入力領域を指定する入力領域指定部と、
前記入力領域指定部により複数行又は複数列に渡る前記入力領域が指定された場合、前記イメージ保存部に保存された保存イメージから、前記入力領域に含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域を生成する仮想入力領域生成部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数行又は複数列に渡る入力領域を表示する一覧表示と、前記仮想入力領域を表示する編集表示と、を行い、
前記イメージ保存部は、保存中の前記保存イメージと、前記仮想入力領域生成部により生成された仮想入力領域に入力されたイメージとを、新たな保存イメージとして保存する携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
前記仮想入力領域生成部により生成された仮想入力領域の行又は列の長さが、前記表示部に表示される表示画面における同方向の長さより長い場合には、スクロール制御を行うスクロール制御部を備える携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置であって、更に、
前記表示部に表示されるイメージの表示制御を行う表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記仮想入力領域における論理的に連続する先の領域及び後の領域の両領域に渡り1つのイメージが入力された場合、前記一覧表示では、前記先の領域の終端部及び前記後の領域の始端部の各々に、前記1つのイメージを表示するよう制御する携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置であって、
前記表示制御部は、両領域の各々に表示される前記1つのイメージのうち、両領域外に入力された部分の表示態様を変更する携帯端末装置。
【請求項5】
請求項3に記載の携帯端末装置であって、
前記表示制御部は、先の領域又は後の領域に表示される前記1つのイメージの表示態様を変更する携帯端末装置。
【請求項6】
タッチパネルを介して入力されたイメージを表示するための表示制御方法であって、
表示部によりイメージを表示する表示ステップと、
保存イメージとしてのイメージをイメージ保存部により保存するイメージ保存ステップと、
入力部により入力するための入力領域を指定するステップと、
複数行又は複数列に渡る前記入力領域が指定された場合、保存イメージとしてのイメージを保存する前記イメージ保存部に保存された保存イメージから、前記入力領域に含まれる各領域が論理的に連続して一行又は一列に整列した仮想入力領域を生成するステップと、
前記イメージ保存部に保存中の前記保存イメージと、前記生成された仮想入力領域に入力されたイメージとを、前記イメージ保存部により新たな保存イメージとして保存するステップと、
を有し、
前記表示ステップにおいて、前記複数行又は複数列に渡る入力領域を表示する一覧表示と、前記仮想入力領域を表示する編集表示と、を行う表示制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の表示制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるための表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−168649(P2012−168649A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27718(P2011−27718)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】