説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】着信を検出した場合にユーザが動作していてもその着信報知に気づかせることができるようにする。
【解決手段】CPU1は、電話通信部5からの着信検出に応答して、ユーザの動作変化の有無を検出するほか、この検出結果に応じて当該着信に対する着信報知を制御する。ユーザの動作変化は、例えば、携帯電話装置が移動し始めたか否か、ユーザ操作を行い始めたか否かなどよって判別し、また、着信報知を制御するときにはその報知時間を延長したり、着信音の音量をアップさせたりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信手段を有した携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電話での着信報知は、ユーザがどのような状況下にいるかによって直ぐ気づく場合と気づかない場合とがある。例えば、ユーザが携帯電話を胸ポケットに入れて屋外に居るようなときに静止していれば、着信報知に気づくことが多いが、歩行しているようなときや走行しているようなときにはその着信報知に気づかないことが多い。同様のことは、ユーザが居る環境についても言えることであり、例えば、静かな所にいるときには着信報知に気づくが、騒音の中にいるときにはその着信報知に気づかないことが多い。
【0003】
そこで、従来では、ユーザがどのような環境下にいるのか、つまり、周囲の騒音レベルに応じてその着信報知方法を変更し、その着信報知を少しでも気づきやすくするようにした技術が存在している(特許文献1参照)。また、周囲への迷惑防止や運転中での危険防止のためにユーザの状況、すなわち、携帯電話のユーザが交通手段によって移動中であるか否かの状況に応じて着信報知方法の設定を変更するようにした技術も存在している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−200300号公報
【特許文献2】特開2003−235079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術(特許文献1)にあっては、着信検出時での最初の状態に応じてその着信音のパターンや着信音量が決まってしまう。従って、ユーザがたまたま大きく動き出そうとしている直前のタイミングで着信があったようなときには、その時点における周囲の騒音レベルで着信設定が決まってしまうため、その動き始めの振動などでその着信報知自体に全く気づかないまま着信報知が切れてしまう可能性がある。
【0005】
また、上述した先行技術(特許文献2)であっては、ユーザの状況に応じてその着信報知方法を一律に変更してしまうものであるが、その設定された着信報知方法であっても実際に着信があった際に、その着信報知自体にユーザが気づかずにそのまま不在着信となってしまうこともある。このように不在着信になっても携帯電話側では積極的な報知を行わないため、着信に対する対応が遅れてしまう可能性があった。
【0006】
この発明の課題は、着信を検出した場合にユーザが動作していてもその着信報知に気づかせることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、通信手段を有した携帯端末装置であって、前記通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作変化の有無を検出する動作変化検出手段と、前記着信報知中に前記動作変化検出手段の検出結果に応じて当該着信報知を制御する着信報知制御手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項8記載の発明)。
【0008】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記動作変化検出手段は、当該端末装置が移動し始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出する、ようにしたことを特徴とする(請求項2記載の発明)。
【0009】
前記動作変化検出手段は、当該端末装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出する、ようにしたことを特徴とする(請求項3記載の発明)。
【0010】
前記着信報知制御手段は、着信報知を制御する場合に、報知時間の変更、着信報知の種類の変更、着信音の音量変更、着信音の音色変更のうち、少なくともその何れかの制御を行う、ようにしたことを特徴とする(請求項4記載の発明)。
【0011】
請求項5記載の発明は、通信手段を有した携帯端末装置であって、前記通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作リズムを取得する取得手段と、この取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに応じて前記着信に対する着信報知を制御する着信報知制御手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項5記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項9記載の発明)。
【0012】
なお、上述した請求項5記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記着信報知制御手段は、前記取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに同調する同期で着信報知を行わせる、ようにしたことを特徴とする(請求項6記載の発明)。
【0013】
前記着信報知制御手段は、前記取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに同調しない非同期で着信報知を行わせる、ようにしたことを特徴とする(請求項7記載の発明)。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、着信を検出した場合にユーザが動作していてもその着信報知を適切に制御することで、その報知に気づかせることが可能となり、着信に対する対応遅れなどを効果的に防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能(音声電話機能など)、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などの各種の機能が備えられている。
【0016】
CPU1は、記憶部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部2は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図2及び図3に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。記録メディア3は、着脱自在な可搬型メモリで、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成されている。メモリ4は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ4内の各種のデータは、記憶部2にセーブされる。
【0017】
電話通信部5は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能(音声電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、音声電話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。この電話通信部5から着信有り信号を受け取った着信検出時においてCPU1は、ユーザの動作変化に応じてその着信報知を制御するようにしている。ここで、ユーザの動作変化とは、携帯電話装置を所持しているユーザが動作し始めた状態であり、ユーザが移動し始めたり、携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたりしたときである。
【0018】
操作部7は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU1は、操作部7からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部8は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用したもので、文字情報、画像情報、待受画像などを表示する。報知部9は、サウンドスピーカ、LED(発光ダイオード)、振動モータを備え、電話着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時にも駆動されるもので、着信報知時には、予め設定されているメロディ音などを設定音量で発生させたり、LEDを点滅駆動させたり、振動モータを駆動してバイブレーションを発生させたりする。
【0019】
加速度センサ10は、携帯電話装置に加わる振動を検出する振動センサを構成するもので、CPU1は、その検出結果を取り込み、振動の強弱及びその変化の規則性などから携帯電話装置を所持したユーザが移動(歩行や走行)し始めたかを判別するようにしている。この場合、CPU1は、着信を検出して着信報知を行った場合に加速度センサ10の検出結果から当該携帯電話装置が移動し始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を判別し、ユーザの動作変化に応じて着信報知を制御するようにしている。言い換えれば、ユーザが着信報知に気づかずに移動し始めたとしても、その着信報知を制御して、報知時間を延長したり、着信音の音量をアップさせたりするようにしている。
【0020】
明るさセンサ11は、携帯電話装置の周囲の明るさを検出する照度計であり、明るさセンサ11の検出結果に基づいてCPU1は、携帯電話装置をカバンなどに入れている状態からそれを出したかによって携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かを判別するようにしている。接触センサ12は、ユーザが携帯電話装置を把持しているかを検出するタッチセンサであり、接触センサ12の検出結果に基づいてCPU1は、携帯電話装置を机などに置いてある状態から手に持ったかによって携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かを判別するようにしている。
【0021】
スタイル検出センサ13は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在な携帯電話装置において、2つの筐体の折り畳みを開いたオープンスタイルと2つの筐体を折り畳んで閉じたクローズスタイルとを検出するもので、スタイル検出センサ13の検出結果に基づいてCPU1は、クローズスタイルからオープンスタイルに変化したかによって携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かを判別するようにしている。
【0022】
この場合、CPU1は、携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を判別し、ユーザの動作変化に応じて着信報知を制御するようにしている。言い換えれば、携帯電話装置をカバンなどから取り出し始めたり、ユーザが携帯電話装置を持ち始めたり、オープンスタイルに移り始めたりしたようなときでもその着信報知を制御して、報知時間を延長したり、着信音の音量をアップさせたりするようにしている。
【0023】
次に、この第1実施形態における携帯電話装置の動作概念を図2及び図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0024】
図2及び図3は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、電話通信部5を作動させて現在位置を登録する待受処理を行うと共に、所定の待受画像を読み出して表示出力させながら着信の待受状態となる(図2のステップA1)。この待受状態において電話通信部5から着信有り信号を受け取ったかによって着信有無を調べ(ステップA2)、着信が無ければ、何れかの操作が行われたかを調べる(ステップA3)。いま、発信操作、メール送信操作などが行われたときには(ステップA3でYES)、操作に対応した処理として、発信処理、メール送信処理などを実行した後(ステップA4)、上述の待受状態に戻る(ステップA1)。
【0025】
待受状態において着信有りを検出すると(ステップA2でYES)、加速度センサ10の検出結果をユーザの現在の状況として取得した後(ステップA5)、振動の強弱及びその変化の規則性などから携帯電話装置を所持したユーザが移動中(歩行中や走行中)であるか否かを調べ(ステップA6)、ユーザが移動中であれば、その相手側から着信が遮断されるまで(ステップA7)、上述のステップA5に戻る。また、移動中に相手側から着信が遮断されたときには(ステップA7でYES)、不在である旨を記録する不在記録を行った後(ステップA8)、上述の待受状態に戻る(ステップA1)。
【0026】
一方、着信検出時に移動中でなければ(ステップA6でNO)、図3のフローに移り、着信報知を開始させ、予め設定されている報知方法に従ってメロディ音などを設定音量で発生させたり、LEDを点滅駆動させたり、振動モータを駆動してバイブレーションを発生させたりする(ステップA9)。そして、着信検出から所定時間(例えば、1分)が経過するまで着信応答操作(オフフック操作)の待ち状態となる(ステップA10、A11)。いま、所定時間が経過する前に着信応答操作が行われたときには(ステップA11でYES)、回線接続によって通話可能状態となる(ステップA14)。その後、通話終了に応じて回線接続が遮断されると(ステップA15でYES)、上述の待受状態に戻る(図2のステップA1)。
【0027】
また、着信応答操作が行われないときには(ステップA11でNO)、加速度センサ10の検出結果から当該携帯電話装置が移動し始めたか否かを判別したり、明るさセンサ11、接触センサ12、スタイル検出センサ13の検出結果から当該携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かを判別したりすることによってユーザの動作変化の有無を判別する(ステップA12)。ここで、ユーザが移動し始めたり、カバンなどから携帯電話装置を取り出したり、手に持ち始めたり、オープンスタイルに変更し始めたりしたときには、その状況を示すために変化フラグ(図示省略)をセットした後(ステップA13)、上述のステップA10に戻る。
【0028】
また、着信応答操作が行われずに所定時間が経過したときには(ステップA10でYES)、上述した変化フラグのセット有無を調べ(ステップA16)、変化フラグがセットされていなければ、上述の待受状態に戻るが(図2のステップA1)、変化フラグがセットされていれば(ステップA16でYES)、現在発生中の着信報知を制御して、その報知時間を延長すると共に、着信音の音量をアップさせる(ステップA17)。そして、この延長時間(例えば、10秒)が経過したかを調べ(ステップA18)、延長時間が経過するまで着信応答操作の待ち状態となる(ステップA19)。いま、延長時間が経過する前に着信応答操作が行われたときには(ステップA19でYES)、上述のステップA14に移って通話可能状態となるが、延長時間が経過したときには(ステップA18でYES)、上述の待受状態に戻る(図2のステップA1)。
【0029】
以上のように、この第1実施形態においてCPU1は、電話通信部5からの着信検出に応答して、ユーザの動作変化の有無を検出するほか、この検出結果に応じて当該着信に対する着信報知を制御するようにしたので、着信報知に気づかずにユーザが動作し始めたとしてもその着信報知を適切に制御することで、その報知に気づかせることが可能となり、着信に対する対応遅れなどを効果的に防ぐことが可能となる。
【0030】
携帯電話装置が移動し始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出するようにしたので、ユーザが着信報知に気づかずに移動し始めたとしてもその移動中に着信報知に気づかせることが可能となる。
【0031】
携帯電話装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出するようにしたので、カバンなどから携帯電話装置を取り出したり、手に持ち始めたり、オープンスタイルに変更し始めたりしたような場合でも着信報知に気づかせることが可能となる。
【0032】
着信報知を制御する場合にはその報知時間を延長したり、着信音の音量をアップさせたりするようにしたので、着信報知に気づかせることが容易となる。
【0033】
なお、上述した第1実施形態においては、着信報知を制御する場合にはその報知時間を延長したり、着信音の音量をアップさせたりするようにしたが、例えば、着信音による報知からバイブレーションによる着信報知あるいはLED点滅による着信報知に変更するなどのように着信報知の種類を変更したり、楽器音を変更したり、ソフト的な音色からハード的な音色に変更するなどのように着信音の音色を変更したりしてもよい。また、報知時間の延長、着信音の音量変更、着信報知の種類変更、着信音の音色変更のうち、その2以上を組み合わせるようにしてもよい。
【0034】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図4及び図5を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、着信報知に気づかずにユーザが動作し始めたとしてもその着信報知を制御することでその報知に気づかせるようにしたが、この第2実施形態においては、着信時にユーザが動いていてもその動作リズム(歩行リズムや走行リズムなど)を検出し、この動作リズムに応じて着信報知を制御するようにしたものである。つまり、歩行リズムや走行リズムとは異なる周期で着信報知を行ったり、歩行リズムや走行リズムとは位相をずらして着信報知を行ったりするようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0035】
図4は、着信時におけるユーザの動作リズムに応じて制御される着信報知を説明するための図である。
図4(A)は、ユーザが移動(歩行や走行)しているときの動作リズム(歩行リズムや走行リズム)であり、CPU1は、携帯電話装置を所持しているユーザの歩行や走行に応じて携帯電話装置に加わる振動を検出する加速度センサ10からその検出結果を取り込んで、振動の強弱及びその変化の規則性などからユーザが歩行や走行しているときの歩行リズムや走行リズムを取得する。図示の動作リズムは、鋸歯状のリズム波形を示し、図中、丸印は動作変化点を示し、その下側の丸印は着地したときの動作変化点である。
【0036】
図4(B)は、図4(A)の動作リズムに応じて制御される着信報知(バイブレーション報知)のパターンを示したもので、このバイブレーション報知は、図4(A)の動作リズムにおける動作変化点の中間点の周期で行われる。つまり、歩行リズムや走行リズムとは位相をずらして着信報知が行われる。図4(C)は、図4(A)の動作リズムに応じて制御される着信報知(着信音報知)のパターンを示したもので、この着信音報知は、図4(A)の動作リズムとは異なる周期で行われる(動作リズムの周期T1<着信音報知の周期T2)。
【0037】
図5は、第2実施形態において電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、電話通信部5を作動させて現在位置を登録する待受処理を行うと共に、所定の待受画像を読み出して表示出力させながら着信の待受状態となる(図2のステップB1)。この待受状態において電話通信部5から着信有り信号を受け取ったかによって着信有無を調べ(ステップB2)、着信が無ければ、何れかの操作が行われたかを調べる(ステップB3)。いま、発信操作、メール送信操作などが行われたときには(ステップB3でYES)、操作に対応した処理として、発信処理、メール送信処理などを実行した後(ステップB4)、上述の待受状態に戻る(ステップB1)。
【0038】
この待受状態において着信有りを検出すると(ステップB2でYES)、加速度センサ10の検出結果をユーザの現在の状況として取得し、その検出結果に変化が有るか(停止しているか移動しているか)を調べる(ステップB5)。いま、加速度センサ10の検出結果に変化が無く、停止しているときには、ステップB16に移り、予め設定されている報知方法に従ってメロディ音などを設定音量で発生させたり、LEDを点滅駆動させたり、振動モータを駆動してバイブレーションを発生させたりする。ここで、着信応答操作が行われると(ステップB17でYES)、回線接続によって通話可能状態となる(ステップB11)。その後、通話終了に応じて回線接続が遮断されると(ステップB12でYES)、上述の待受状態に戻る(ステップB1)。
【0039】
加速度センサ10の検出結果に変化が有り、移動しているときには(ステップB5でYES)、その変化の周期は一定かを調べ(ステップB6)、周期性が無く不規則な変化であれば、上述したステップB16に移り、設定されている報知方法に従った着信報知を行わせるが、周期性が有り規則的な変化であれば(ステップB6でYES)、その動作リズムを特定する(ステップB7)。そして、予め設定されている報知方法はバイブレーション報知であるかを調べ(ステップB8)、バイブレーション報知であれば、ステップB9に移り、特定した動作リズムの動作変化点の中間点の周期でバイブレーション報知を行わせる。これによって動作リズムとは位相がずれたバイブレーション報知が行われる(図4(B)参照)。ここで、着信応答操作が行われると(ステップB10でYES)、通話可能状態となる(ステップB11)。
【0040】
一方、報知方法がバイブレーション報知でなければ(ステップB8でNO)、次のステップB13に移り、予め記憶されている各種の着信音パターンの中から動作リズムとは異なる周期の着信音パターンを選択した後(図4(C)参照)、選択した着信音パターンに応じた着信音による着信報知を行わせる(ステップB14)。ここで、着信応答操作が行われると(ステップB15でYES)、通話可能状態となる(ステップB11)。
【0041】
以上のように、この第2実施形態においてCPU1は、電話通信部5からの着信検出に応答して、ユーザの動作リズムを取得すると共に、この動作リズムに応じて着信に対する着信報知を制御するようにしたので、動作リズムに応じて着信報知を適切に制御することで、その報知に気づかせることが可能となり、着信に対する対応遅れなどを効果的に防ぐことが可能となる。
【0042】
ユーザの動作リズムとは同調しない非同期で着信報知を行わせるようにしたので、歩行や走行時の振動や音などに惑わされることなく、着信報知に気づかせることが可能となる。
【0043】
なお、上述した第2実施形態においては、ユーザの動作リズムとは同調しない非同期で着信報知を行わせるようにしたが、動作リズムに同調する同期で着信報知を行わせるようにしてもよい。すなわち、動作リズムに同期させるか非同期とさせるかは、ユーザがどのような動作を行っているのか、人によってはどのような報知が効果的であるのかが異なる場合があるため、動作リズムと非同期とする場合に限らず、動作リズムに同期させる場合であってもよい。
【0044】
また、上述した第1及び第2実施形態においては、通信手段として音声電話機能を例示したが、電子メール機能であってもよい。すなわち、電話通信部5を介してメールを受信した場合の着信報知を制御するようにしてもよい。
その他、携帯端末装置としては携帯電話装置に限らず、例えば、PDA、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【図3】図2の動作に続くフローチャート。
【図4】着信時におけるユーザの動作リズムに応じて制御される着信報知を説明するための図。
【図5】第2実施形態において電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0046】
1 CPU
2 記憶部
5 電話通信部
7 操作部
8 表示部
9 報知部
10 加速度センサ
11 明るさセンサ
12 接触センサ
13 スタイル検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を有した携帯端末装置であって、
前記通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作変化の有無を検出する動作変化検出手段と、
前記着信に対する着信報知中に前記動作変化検出手段の検出結果に応じて当該着信報知を制御する着信報知制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記動作変化検出手段は、当該端末装置が移動し始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記動作変化検出手段は、当該端末装置に対してユーザ操作を行い始めたか否かに応じてユーザの動作変化の有無を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記着信報知制御手段は、着信報知を制御する場合に、報知時間の変更、着信報知の種類の変更、着信音の音量変更、着信音の音色変更のうち、少なくともその何れかの制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
通信手段を有した携帯端末装置であって、
前記通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作リズムを取得する取得手段と、
この取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに応じて前記着信に対する着信報知を制御する着信報知制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
前記着信報知制御手段は、前記取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに同調する同期で着信報知を行わせる、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記着信報知制御手段は、前記取得手段によって取得されたユーザの動作リズムに同調しない非同期で着信報知を行わせる、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項8】
コンピュータに対して、
通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作変化の有無を検出する機能と、
前記着信に対する着信報知中に前記動作変化検出手段の検出結果に応じて当該着信報知を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに対して、
通信手段からの着信検出に応答して、ユーザの動作リズムを取得する機能と、
前記取得されたユーザの動作リズムに応じて前記着信に対する着信報知を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−290306(P2009−290306A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138257(P2008−138257)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】