説明

携帯端末装置

【課題】 携帯電話機における香りの発散の促進等を図る。
【解決手段】 携帯電話機本体12にポケット16を形成すると共に、ポケット16の底壁に開口26を形成する。開口26の下側にVIBモータ28を設置する。ポケット16を電池カバー18で被う。電池カバー18のポケット16対応部に透孔20を形成する。VIBモータ28を着信に応答して回転させる。この回転によって発生される風は、開口26、ポケット16内の香りを染み込ませた綿24、そして透孔20を経て外気へ放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末装置に関し、詳しくは芳香物質からの香りの発散を促進させる手段を備える携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機の製造メーカーにおいては、携帯電話機の機能を追求して携帯電話機に高度な機能を付加してユーザにその利用価値を売り込む方向に進んでいる。
また、ユーザ側において、製造メーカーによって提供される機能とは別にユーザ自身により携帯電話機に加飾等してカスタマイズした機能を携帯電話機に付加しつつ、携帯電話機の利用を図ることも行われている。
【0003】
このユーザ自身によるカスタマイズし得る機能を携帯電話機に付加する技術的手段も既に提案されている。その例が特許文献1に開示されている。
特許文献1は、本体に対して蓋体を折り畳み可能にするヒンジ機構を有する折り畳み式携帯電話機において、そのヒンジ機構を構成する駒部に装入室を形成すると共に、装入室内部を外気に連通させる1又は複数の小孔を開蓋時に露出する駒部の位置に形成している。また、その装入室の一端には、芳香部材を装入する開口部を形成し、その開口部は栓部材で閉塞する構成となっている。
【0004】
この構成により、携帯電話機に着信があって蓋体を開いた状態においては、駒部の小孔は露出されて装入室内の芳香は外部に発散されるから、芳香を楽しみつつの通話が可能にする。
また、携帯電話機の不使用時に、蓋体は折り畳まれて駒部の小孔領域は本体及び蓋体の小孔領域対応部で閉塞される。したがって、芳香部材の不要な使用は防止される。
【0005】
また、特許文献2には、着信時から通話開始までの間、芳香の発散を促進させる技術的手段を備えた携帯電話機が開示されている。すなわち、携帯電話機のケーシングの一部に窓を開設し、その窓に蓋を被せてケーシング内に閉空間を形成する。その閉空間内に着信を振動で知らせる回転式起振機構の偏心荷重に芳香部材を取り付けて構成されている。上記蓋には、1又は複数の小孔が形成されている。
この構成により、着信時から通話開始までの間、回転式起振機構によって芳香部材は、回転してその芳香の発散が促進される。
【0006】
また、特許文献3には、携帯電話機の構成部品から発生する熱によって香りを発散させる技術的手段が開示されている。すなわち、操作部のスイッチの操作によって通話が開始されると、音声処理回路等から発熱し、その近傍にある多孔質基材から香りが発散される。また、通話との連動でなく、ユーザの随時に操作されるスイッチの閉成により発熱体から発熱させてその近傍に置かれる多孔質基材から香りを発散させることも開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、携帯電話機に芳香発生手段を備える技術的手段が開示されている。すなわち、その芳香発生手段は、芳香剤タンクと芳香剤タンクに連通される芳香用開口との間にポンプを設け、このポンプをポンプ駆動回路により制御する仕組みとなっているが、芳香剤タンクは、その中に装填された芳香剤を加熱するヒータを装備されてその全体が構成されている。そして、ポンプの駆動時間又は速度を調整する手段も開示している。また、着信時、送信時に芳香を発生させることも開示している。
【特許文献1】特許第3643779号
【特許文献2】特許第3643780号
【特許文献3】特開2002−359671号公報
【特許文献4】特開2003−283631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、携帯電話機を提供するメーカー側は、今までのところ、専ら、携帯電話機の通信機能の向上をその技術的課題の唯一のものの如くして来ていたが、近時、ユーザ自身でカスタマイズし得る機能を携帯電話機に付加して携帯電話機の付加価値を高めるようになっていることは、上述した通りである。その例が、特許文献1乃至4に開示されるユーザに楽しませる香りを携帯電話機から発散させる技術的手段である。
【0009】
特許文献1による香り発散手段は、折り畳み式携帯電話機のヒンジ機構を構成する駒部に形成された装入室内に芳香部材を挿入した後、その装入室内に芳香部材を栓部材で閉じ込めた状態にする一方、装入室を形成している駒部に1又は複数の小孔に形成してその小孔から香りを発散させている。
したがって、装入室から自然に抜け出て来る香りを楽しむことができるだけの手段が、そこには開示されているに過ぎず、香りの発散を促進させる技術的手段はない。
【0010】
また、特許文献2は、着信時から通話開始までの間、回転式起振機構によって芳香部材を回転させてその芳香の発散を促進させる技術的手段が開示されている。
しかし、芳香部材は、回転式起振機構に取り付けられているから、芳香の発散時間に限りがあるばかりでなく、更なる発展的な利用性に大きな制限があるという技術的課題がある。
【0011】
また、特許文献3は、通話が開始されるとき、携帯電話機の構成部品から発生する熱によって多孔質基材の香りの発散を促進させる技術的手段が開示されている。また、通話との連動でなく、ユーザの随時に操作されるスイッチの閉成による発熱体に通電して発熱させてその近傍に置かれる多孔質基材から香りを発散させることも開示している。
したがって、特許文献3に開示される技術的手段は、熱の利用を必要不可欠の要件とし、香りの発散に加熱手段を必要としてしまうという技術的課題がある。
【0012】
また、特許文献4は、その芳香発生手段を、芳香剤タンク内の芳香剤をヒーターで加熱しつつ、発生した芳香をポンプで吸引して携帯電話機外へ発散させるものであるから、この芳香発生手段も熱を必要不可欠の要件としており、特許文献3と同様の技術的課題がある。
【0013】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、芳香物質貯蔵部の香りを染み込ませた繊維材等からの香りの発散の促進に風を当てる携帯端末装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、香りを出す携帯端末装置に係り、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備えてなることを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯端末装置に係り、前記芳香物質貯蔵部は、通気性を一部又は全部に有することを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の携帯端末装置に係り、前記芳香物質貯蔵部は、前記芳香物質の香りを外部へ導出する香り排出口を有するカバーを携帯端末装置本体に被せるようにして構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の携帯端末装置に係り、前記カバーは、電池カバーであることを特徴としている。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の携帯端末装置に係り、前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する送風手段からなることを特徴としている。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の携帯端末装置に係り、前記送風手段は、モータと、該モータに取り付けられたファンとで構成されることを特徴としている。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の携帯端末装置に係り、前記送風手段は、振動モータであることを特徴としている。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の携帯端末装置に係り、前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する振動手段からなることを特徴としている。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の携帯端末装置に係り、前記振動手段は、振動モータであることを特徴としている。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項5、6、7又は8記載の携帯端末装置に係り、前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた着信検出回路の出力信号によって閉成されることを特徴としている。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項5、6、7又は8記載の携帯端末装置に係り、前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた通電制御出回路の出力信号によって閉成されることを特徴としている。
【0025】
請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか一に記載の携帯端末装置に係り、前記芳香物質貯蔵部は、香りを染み込ませた繊維材又は多孔質材を貯蔵することを特徴としている。
【0026】
請求項13記載の発明は、香りを出す折り畳み式携帯端末装置に係り、折り畳み式携帯端末装置の通話部に設けられ、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、前記該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備え、前記芳香物質貯蔵部は、前記通話部を開いたときの面に、香りを外部へ導出する香り排出口を有し、前記香り排出口は、前記折り畳み式携帯端末装置の受話部に設けた閉塞材で閉塞されることを特徴としている。
【0027】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記芳香物質貯蔵部は、通気性を一部又は全部に有することを特徴としている。
【0028】
請求項15記載の発明は、請求項13又は14記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する送風手段からなることを特徴としている。
【0029】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記送風手段は、モータと、該モータに取り付けられたファンとで構成されることを特徴としている。
【0030】
請求項17記載の発明は、請求項15記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記送風手段は、振動モータであることを特徴としている。
【0031】
請求項18記載の発明は、請求項13又は14記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する振動手段からなることを特徴としている。
【0032】
請求項19記載の発明は、請求項18記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記振動手段は、振動モータであることを特徴としている。
【0033】
請求項20記載の発明は、請求項15乃至19のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた着信検出回路の出力信号によって閉成されることを特徴としている。
【0034】
請求項21記載の発明は、請求項15乃至19のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた通電制御出回路の出力信号によって閉成されることを特徴としている。
【0035】
請求項22記載の発明は、請求項13乃至21のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置に係り、前記芳香物質貯蔵部は、香りを染み込ませた繊維材又は多孔質材を貯蔵することを特徴としている。
【発明の効果】
【0036】
この発明によれば、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備えて香りを出す携帯端末装置を構成しているから、香り発散手段により香りの発散を促進させてその香りを楽しみつつ通話を行うことができる。
また、香りは、ユーザ自身の選択に委ねられるから、第三者とは違う携帯端末装置を所持したいというユーザ自身の要望を満たし得る携帯端末装置を提供できる。
また、折り畳み式携帯端末装置では、その不使用時の折り畳んだ状態では、香りを放出する香り排出口を閉塞する構成としているので、香りの自然発散を防止し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
この発明は、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備えて構成される。
また、折り畳み式携帯端末装置では、その不使用時の折り畳んだ状態では、香りを放出する香り排出口を閉塞するようにして構成される。
【実施例1】
【0038】
図1は、この発明の実施例1である携帯電話機の香り発散室を分解して示す図、図2は、同携帯電話機の電池カバーを携帯電話機本体に被せた状態の図、図3は、図2の切断線II−IIをA方向から見た断面図、また、図4は、上記携帯電話機のモータ駆動回路図である。
この実施例の携帯電話機10は、香り発散室に収容され、香りを染み込ませた綿に対して風を当てて香りの発散を促進させる構成の電話機に係り、図1乃至図3に示すように、携帯電話機本体(以下、単に本体という)12に、香り(芳香物質)を染み込ませた綿14を収納するポケット(開放型収納部)16が形成され、このポケット16は電池カバー18を被せられるように構成されている。電池カバー18には、透孔(開口)20が形成されている。ポケット16に電池カバー18が被せられると、そこに香り発散室22(芳香物質貯蔵部)が形成される。香り発散室22内に香りを揮発させる物、例えば、好みの香りを染み込ませた綿24が収納される。
【0039】
香り発散室22の下部に開口26(図3)が形成され、この開口26の下方に送風機を構成する振動モータ(以下、VIBモータともいう)28が配置されている。VIBモータ28の分銅の回転によって発生される風は、開口26を通して香り発散室22内へ送り込まれるように構成されている。
VIBモータ28は、図4に示すように、スイッチ34を介して電池36に接続されている。スイッチ34は、着信検出回路38の出力に接続されて着信検出信号によって閉成されるように構成されている。
なお、本体12には、電池パック室30が形成され、この電池パック室30内に電池パック32が収められ、携帯電話機10の電気的各部に給電が行われる。
【0040】
次に、図1乃至図3を参照して、この実施例の動作を説明する。
携帯電話機10は、通常、電池パック32を電池パック室30内へ所定の設定状態で収納し、電池カバー18を本体12に被着されて使用される。
この電池カバー18の被着に先立って、開放型収納部16内へ香りを染み込ませた綿14を収める。そして、電池カバー18の本体12への被着を行う。これにより、携帯電話機10に香り発散室22が形成され、香り発散室22内の香りは、極く微量ずつ、透孔20を通して外部へ気化して周囲に漂う。
【0041】
このような状態にある携帯電話機10に着信があると、その着信は、着信検出回路38によって検出される。着信検出回路38による着信検出に応答してスイッチ34が閉成されてVIBモータ28が回転される。この回転によって、開口26を通した香り発散室22への、そして透孔20を通した外気への送風が開始される。
この送風により、それまで極く微量であった香りの外気への発散が、大いに促進されることになる。この状態において、ユーザが通話に入るときには、ユーザ自身の好みの香りを楽しみつつ、通話を行うことができる。
また、開放型収納部16に収めて使用しようとする、香りを染み込ませた綿24としては、ユーザ好みの他の種類の香りのものを必要に応じて選択して使用することができる。
【0042】
このように、この実施例の構成によれば、香りの自然発散ができる構造を形成し、さらに着信があるとその香りの発散を促進させる構成を取り入れているので、通話時に、ユーザ好みの香りを楽しみつつ通話を行うことができる。
また、香りは、ユーザ自身の選択に委ねられるから、第三者とは違う携帯電話機を所持したいというユーザ自身の要望を満たし得る携帯電話機の提供が可能になり、携帯電話機の需要の増大に役立つ。
【実施例2】
【0043】
図5は、この発明の実施例2である折り畳み式携帯電話機の開いた状態での斜視図、図6は、同折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態での一部断面側面図、また、図7は、同折り畳み式携帯電話機の開いた状態での一部断面側面図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態では、香り発散室の透孔を閉塞するようにした点である。
すなわち、この実施例の折り畳み式携帯電話機10Aは、図5乃至図7に示すように、折り畳み式携帯電話機10Aを折り畳んだ状態において、香り発散室22Aの透孔(開口)20Aを、受話部50に設けられたクッション(閉塞材)52で閉塞させるように構成した点にその特徴部分がある。
【0044】
香り発散室22Aは、折り畳み式携帯電話機10Aの通話部54に挿入口57を形成し、その挿入口57に出し入れ自在のポケット(上側開放型引き出し)58を設け、側壁56から上記本体内に差し込まれたポケット58と対向する通話部54の外壁位置に透孔20Aを設けて構成される。
受話部50と通話部54とは、この実施例においても、連結部62によってほぼ180度の範囲内で折り畳み自在に連結されている。
受話部50と通話部54とを折り畳んだ状態において、通話部54の透孔20Aと対面する受話部50の位置にクッション52が固着されている。
図6及び図7に図示するように、実施例1と同様、ポケット58に開口26Aが形成され、その開口26Aへ送風するようにVIBモータ28が設けられている。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
【0045】
次に、図5乃至図7を参照して、この実施例の動作について説明する。
携帯電話機10Aの使用に先立って、通話部54を開いた状態又は折り畳んだ状態で、上側開放型引き出し58の中に香りを染み込ませた綿24を入れ、その引き出し58を通話部54の挿入口57に差し込む。
通話部54を開いた状態での綿24の装填の場合は、通話部54を折り畳んで着信を待つ。この状態においては、クッション52によって透孔20Aは塞がれるから、香り発散室22A内の香りは、外部へ発散しない。
【0046】
このような状態にある携帯電話機10Aに着信があると、その着信は、着信検出回路38(図4参照)によって検出される。また、携帯電話機10Aの通話部54は開かれ、クッション52による透孔20Aの閉塞は無くなる。
したがって、着信検出回路38による着信検出に応答してスイッチ34が閉成されてVIBモータ28が回転されると、開口26Aを通した香り発散室22Aへの、そして透孔20Aを通した外気への送風が開始される。
この送風により、香りの外気への発散が、大いに促進されることになる。この状態において、ユーザが通話に入るときには、ユーザ自身の好みの香りを楽しみながら、通話を行うことができる。
また、上側開放型引き出し58に詰めて使用しようとする、香りを染み込ませた綿24としては、ユーザ好みの他の種類の香りのものを必要に応じて選択して使用することができる。
【0047】
このように、この実施例の構成によれば、香りの自然発散を防止し得る構造を形成し、さらに着信があるとその香りの発散を促進させる構成を取り入れているので、通話時に、ユーザ好みの香りを楽しみながら通話を行うことができる。
また、香りは、ユーザ自身の選択に委ねられるから、第三者とは違う携帯電話機を所持したいというユーザ自身の要望を満たし得る携帯電話機の提供が可能になり、携帯電話機の需要の増大に役立つ。
【0048】
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、香りを染み込ませた綿は、その他の繊維材又は多孔質材で代替してもよい。
また、VIBモータへの通電を連続的でなく、着信後定期的な又は不定期的な間隔で回転又は速度の制御を行う通電制御回路を設けてモータの回転時間又は速度を制御するようにしてもよい。
VIBモータによる送風に限らず、芳香物質又は芳香物質を含浸する含浸材(綿、フェルト、不織布等)に機械的振動を与えるようにしてもよい。
芳香物質の香りを外部に発散させるための芳香物質貯蔵部の香り排出口を、必要に応じて、不織布やフェルト、布地等の多孔性素材で、充填或るいは被覆するようにしてもよい。
また、VIBモータは、他の形式のモータで代替してもよい。
上記実施例は、携帯電話機について説明したが、その他の形式の携帯端末装置でも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、この発明の実施例1である携帯電話機の香り発散室を分解して示す図である。
【図2】同携帯電話機の電池カバーを携帯電話機本体に被せた状態の図である。
【図3】図2の切断線II−IIをA方向から見た断面図である。
【図4】上記の携帯電話機のモータ駆動回路図である。
【図5】この発明の実施例2である折り畳み式携帯電話機の開いた状態での斜視図である。
【図6】同折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ状態での一部断面側面図である。
【図7】同折り畳み式携帯電話機の開いた状態での一部断面側面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 携帯電話機
10A 折り畳み式携帯電話機
12 携帯電話機本体
20、20A 透孔(香り排出口)
22、22A 香り発散室(芳香物質貯蔵部の一部)
24 香りを染み込ませた綿(芳香物質貯蔵部の残部)
26、26A 開口
28 VIBモータ(送風手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香りを出す携帯端末装置であって、
芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、
該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段と
を備えてなることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記芳香物質貯蔵部は、通気性を一部又は全部に有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記芳香物質貯蔵部は、前記芳香物質の香りを外部へ導出する香り排出口を有するカバーを携帯端末装置本体に被せるようにして構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記カバーは、電池カバーであることを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する送風手段からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記送風手段は、モータと、該モータに取り付けられたファンとで構成されることを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記送風手段は、振動モータであることを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する振動手段からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記振動手段は、振動モータであることを特徴とする請求項8記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた着信検出回路の出力信号によって閉成されることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた通電制御出回路の出力信号によって閉成されることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記芳香物質貯蔵部は、香りを染み込ませた繊維材又は多孔質材を貯蔵することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載の携帯端末装置。
【請求項13】
香りを出す折り畳み式携帯端末装置であって、
折り畳み式携帯端末装置の通話部に設けられ、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、
前記該芳香物質貯蔵部に貯蔵された前記芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備え、
前記芳香物質貯蔵部は、前記通話部を開いたときの面に、香りを外部へ導出する香り排出口を有し、前記香り排出口は、前記折り畳み式携帯端末装置の受話部に設けた閉塞材で閉塞されることを特徴とする折り畳み式携帯端末装置。
【請求項14】
前記芳香物質貯蔵部は、通気性を一部又は全部に有することを特徴とする請求項13記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項15】
前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する送風手段からなることを特徴とする請求項13又は14記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項16】
前記送風手段は、モータと、該モータに取り付けられたファンとで構成されることを特徴とする請求項15記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項17】
前記送風手段は、振動モータであることを特徴とする請求項15記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項18】
前記香り発散手段は、駆動スイッチを有する振動手段からなることを特徴とする請求項13又は14記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項19】
前記振動手段は、振動モータであることを特徴とする請求項18記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項20】
前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた着信検出回路の出力信号によって閉成されることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項21】
前記駆動スイッチは、前記携帯端末装置に設けられた通電制御出回路の出力信号によって閉成されることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置。
【請求項22】
前記芳香物質貯蔵部は、香りを染み込ませた繊維材又は多孔質材を貯蔵することを特徴とする請求項13乃至21のいずれか一に記載の折り畳み式携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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