説明

携帯通信機器

【課題】ユーザーが入力操作キーを操作したことを視覚的に認識しやすくする。
【解決手段】携帯電話機1に指示入力又は情報入力を受け付ける少なくとも1つの入力操作キー4を設ける。入力操作キー4の操作によって発光する発光体9を設け、制御部(制御手段)により、入力操作キー4が操作されたときに、その操作に応じて発光体9を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作キーを有する携帯電話機等の携帯通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯通信機器には、携帯性を考慮して開発された小型軽量化された本体に、通話開始キー、終話キー、数字キー、各種ファンクションキー等の様々な入力操作キーが設けられている。これらの入力操作キーを操作すると、音を発してユーザーに入力操作キーが操作されたことを知らせることにより、ユーザーの入力操作キーの押し忘れを防止することが行われている。
【0003】
また、携帯通信機器は、携帯電話用の電波が届く範囲であれば、街中、山中を問わず至る所で使用できる。
【0004】
一方、通信機器(固定電話)に関し、入力操作キーが操作されたときにその番号を音声により知らせるというものがある(特許文献1参照)。これは、ユーザーの誤ったキー操作によって間違い電話になることを未然に防止せんとする技術である。
【特許文献1】実開昭60−90960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1のようなキー操作の確認装置では、次のような問題が発生する。
【0006】
まず、入力操作キーを操作するたびに確認音が発生する。その音はユーザー以外にも聞こえるが、ユーザー以外にとっては雑音でしかない。特に携帯電話機等の携帯通信機器は、固定電話と違って、人が多く集まる中で使用される場合もあり、確認音の発生は他人の迷惑になりやすい。携帯通信機器を使用する際の周囲の環境によっては、ユーザーは音が聞き取りにくい、又は、聞こえないということが予想され、入力操作キーが操作されたかという確認手段としては確実なものとはいえない。
【0007】
また、携帯通信機器が小型化することにより、入力操作キーも必然的に小さくなる。そのため、ユーザーはどの入力操作キーを押したかを認識しにくくなっている。1つのキーを押し、そのキーを保持した時間によって複数の操作内容を選択するという手法があるが、どの入力操作キーを押しているかという認識が難しいため、携帯通信機器の操作を難しくしている。
【0008】
また、入力操作キーを操作すると、その操作した内容が表示画面に表示されるが、老眼が多い高齢者や視力が弱い人には、表示画面に表示されていることが認識しにくいため不便である。
【0009】
さらに、高齢者は指の感覚が鈍るため、入力操作キーを押しているということが判りにくくなっている。入力操作キーを押したときに発する操作音も、難聴が多い高齢者や聴覚にハンディキャップを持つ人には聞くことができないため不便である。
【0010】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが入力操作キーを操作したことを視覚的に認識しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明では、ユーザーが入力操作キーを押していることを視覚的に認識できるように、入力操作キーを押したときに発光する発光体(LED等)を設けた。
【0012】
具体的には、第1の発明では、指示入力又は情報入力を受け付ける少なくとも1つ以上の入力操作キーと、前記入力操作キーの操作によって発光する発光体と、前記入力操作キーが操作されたときに、その操作に応じて前記発光体を制御する制御手段とを備えることとした。
【0013】
この構成によれば、入力操作キーを操作すると、携帯通信機器に設けられた発光体が発光する。このことで、ユーザーは自らが入力操作キーを押したことを視覚によって確認でき、操作性が向上する。
【0014】
第2の発明では、前記携帯通信機器は、表示画面を備え、前記発光体は、前記入力操作キーを操作するときの前記表示画面の向きと同じ側に向かって発光するように設置されている。
【0015】
この構成によれば、ユーザーは、発光体が発光したことを認識しやすい、すなわち、入力操作キーを操作したことが確認しやすいので、携帯通信機器の操作性が向上する。特に、発光体が、ユーザーが入力操作キーを操作中に手等で隠れず、かつユーザーにとって見えやすい位置に設けられていることが好ましい。また、折り畳み式携帯通信機器においては、発光体は、表示画面が設けられている面だけでなく、通話キーや終話キーといった、複数の入力操作キーが設けられている面に設けてもよい。
【0016】
第3の発明では、前記表示画面が設けられた上側本体と、前記入力操作キーが設けられた下側本体と、前記上側本体と下側本体とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備え、
前記ヒンジ部は、前記下側本体の前記入力操作キーを有する面から膨出した膨出部と、前記上側本体において凹形に形成された凹形部とを備え、前記凹形部の凹部に前記膨出部が嵌り込み、前記凹形部と前記膨出部とが、前記幅方向に延びる軸で回動可能に連結され、
前記膨出部には前記発光体が、前記入力操作キーを操作するときの前記表示画面の向きと同じ側に向かって発光するように設置されている
この構成によれば、上側本体は、ヒンジ部側が凹形に形成されているので、携帯通信機器を折り畳んだ状態でも、上側本体の凹形部から膨出部の発光体が設置されている面を外部から見ることができる。このため、携帯通信機器が折り畳まれているか否かにかかわらず、ユーザーは発光体を見ることができる。
【0017】
第4の発明では、前記入力操作キーは、前記上側本体又は下側本体の側面に設けられている。
【0018】
この構成によれば、携帯通信機器の上側本体又は下側本体の側面に設けた入力操作キーを操作した場合には、携帯通信機器を閉じた状態でもユーザーが発光体を見ることができるので、携帯通信機器を開くことなく操作キーを操作したことを知ることができる。このことで、操作のたびに携帯通信機器を開き、操作が行われたかを確認する必要がない。
【0019】
第5の発明では、前記制御手段は、前記入力操作キーを操作した状態が所定時間継続したとき、発光状態が変化するように前記発光体を制御するように構成されている。
【0020】
この構成によれば、ユーザーは入力操作キーの操作をどれくらいの時間継続したかを視覚によって知ることができ、入力操作キーの操作継続時間によって携帯通信機器の指示内容が変わる場合において誤操作が防止される。
【0021】
第6の発明では、前記発光体は、発光色の変化により発光状態が変化するように構成されている。
【0022】
この構成によれば、ユーザーは入力操作キーの操作をどれくらいの時間継続したかを発光色の変化によって知ることができ、入力操作キーの操作継続時間によって携帯通信機器の指示内容が変わる場合において誤操作が防止される。
【0023】
第7の発明では、前記発光体は、色の異なる単色の発光素子を組み合わせて構成されている。
【0024】
この構成によれば、入力操作キーの操作の時間継続により、単色の発色素子が交代で発光することにより、ユーザーはどの程度時間継続したかを知ることができ、入力操作キーの操作継続時間によって携帯通信機器の指示内容が変わる場合において誤操作が防止される。
【0025】
第8の発明では、前記発光体は、2つ以上の異なる色を発色可能な多色発光素子から構成されている。
【0026】
この構成によれば、入力操作キーの操作の時間継続により、多色発光素子が異なる色を発光することにより、ユーザーはどの程度時間継続したかを知ることができ、入力操作キーの操作継続時間によって携帯通信機器の指示内容が変わる場合において誤操作が防止される。
【0027】
第9の発明では、前記発光体は、点灯から点滅又は点滅間隔の変化により発光状態が変化するように構成されている。
【0028】
この構成によれば、入力操作キーの操作の時間継続により、発光体が点滅したり、点滅間隔を変化させることにより、ユーザーは入力操作キーの操作からどの程度の時間が継続したかを知ることができ、入力操作キーの操作継続時間によって携帯通信機器の指示内容が変わる場合において誤操作が防止される。
【0029】
第10の発明では、前記制御手段は、前記入力操作キーの入力操作が開始されたときに第1発光状態に点灯させ、前記入力操作状態が前記所定時間よりも短い予備時間を継続したときに、第2発光状態に変化し、前記入力操作状態が前記所定時間継続したときに第3発光状態に変化させるように前記発光体を制御するように構成されている。
【0030】
この構成によれば、ユーザーは入力操作キーを操作したことと、入力操作キーを操作してどれくらいの時間継続したかということを、発光体の状態の移り変わりによって視覚により知る。このことで、入力操作キーが確実に操作されていることが認識される。例えば、第1発光状態から第2発光状態への移行に基づいて、ユーザーは間もなく電源断処理が行われることを知る。つまり、第2発光状態への移行は電源断処理の予告となり、ユーザーはこれを契機として、必要に応じて入力操作キーの操作を解除し、電源断処理を中断させる。
【0031】
第11の発明では、前記入力操作キーは、終話処理を行いかつ、前記入力操作キーを操作した状態が前記所定時間継続すると電源断処理を行う終話キーである。
【0032】
この構成によれば、終話キーは、該終話キーの操作されている時間によって終話処理と電源断処理の両方を行うことができる。このことで、ユーザーは、終話後そのまま終話キーを押し続けていると、発光状態の変化によって電源断処理に入ったことを知る。
【0033】
第12の発明では、前記第1発光状態から第2発光状態への移行時に電源断処理を中断可能に構成されている。
【0034】
この構成によれば、第1発光状態から第2発光状態への移行に基づいて、ユーザーは間もなく電源断処理が行われることを知り、これを契機として、必要に応じて入力操作キーの操作を解除し、電源断処理を中断させる。
【0035】
第13の発明では、携帯通信機器は、携帯電話機とする。
【0036】
この構成によれば、幅広いユーザーが携帯電話機を使用するときに、入力操作キーを操作したことを視覚的に認識しやすくなる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、上記第1の発明によれば、ユーザーが入力操作キーを操作して発光体が発光することにより、ユーザーが視覚的に入力操作キーが操作されたことを確認するようにしている。このため、入力操作キーの押し忘れ防止につながり、携帯通信機器の操作性を向上させることができる。
【0038】
上記第2の発明によれば、発光体を入力操作キーを操作するときの表示画面の向きと同じ側に向かって発光するように設置して、ユーザーが入力操作キーの操作中に発光体が発光したことを認識しやすいようにしている。このため、入力操作キーを操作したことを瞬時に確認でき、誤操作を未然に防ぐことができる。
【0039】
上記第3の発明では、上側本体のヒンジ部側を凹形に形成し、携帯通信機器を折り畳んだ状態でも、上側本体の凹形部から膨出部の発光体を外部から見ることができるようにしている。このため、ユーザーが入力操作キーを操作したことを容易に視覚的に認識することができる。
【0040】
上記第4の発明によれば、前記入力操作キーを前記上側本体又は下側本体の側面に設け、携帯通信機器を開くことなく操作キーを操作したことを知ることができるようにしている。このため、操作のたびに携帯通信機器を開き、操作が行われたかを確認する必要がないので、携帯通信機器の操作性をさらに向上させることができる。
【0041】
上記第5の発明によれば、ユーザーは、入力操作キーを操作している状態がどれくらいの時間継続されているかを発光体の状態にて知ることができるようにしている。このため、入力操作キーを継続して操作することが必要な場合の誤操作を未然に防ぐことができるとともに、操作性を向上させることができる。
【0042】
上記第6の発明では、発光体を発光色の変化により発光状態が変化するように構成し、第7の発明では、前記発光体を色の異なる単色の発光素子を組み合わせて構成し、第8の発明では、前記発光体を2つ以上の異なる色を発色可能な多色発光素子から構成している。これらの発明によれば、発光体の色の変化により、入力操作キーの操作の時間がどの程度時間継続したかを知ることができので、誤操作を防止することができる。
【0043】
上記第9の発明によれば、発光体を点灯から点滅又は点滅間隔の変化により発光状態が変化するように構成している。このため、発光体の発行の間隔により、入力操作キーの操作の時間がどの程度時間継続したかを知ることができので、誤操作を防止することができる。
【0044】
上記第10の発明によれば、発光体の発光状態が段階的に変化することから、入力操作キーを操作してどれくらいの時間操作を継続したかということを視覚的に知ることができる。このことによって、入力操作キーを押していないといった誤操作や、入力操作キーを継続して操作することが必要な場合の誤操作を未然に防ぐことができる。また、第1発光状態から第2発光状態への移行を契機として入力操作キーの操作を解除し、電源断処理を中断させることも可能となる。
【0045】
上記第11の発明によれば、終話キーは、該終話キーを押している継続時間により、終話処理又は電源断処理を行うようにしている。このことで、ユーザーは、終話後そのまま終話キーを押し続けていると発光状態の変化によって電源断処理に入ったことを知ることができ、携帯通信機器における操作性を向上させることができる。
【0046】
上記第12の発明によれば、第1発光状態から第2発光状態への移行時に電源断処理を中断可能としている。このため、必要に応じて入力操作キーの操作を解除し、容易に電源断処理を中断させることができる。
【0047】
上記第13の発明によれば、携帯通信機器を携帯電話機としている。このため、ユーザーが入力操作キーを操作したことを視覚的に認識しやすい、商品価値の高い携帯電話機が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0049】
−携帯電話機の外観構成−
図1は、本発明の実施形態に係る携帯通信機器としての携帯電話機1の外観構成を示している。この携帯電話機1は、折り畳み式に構成され、図1では開いた状態を示している。
【0050】
前記携帯電話機1は、表示画面2が設けられている上側本体3と、通話キー4aや終話キー4bといった複数の入力操作キー4が設けられている下側本体5と、上側本体3と下側本体5とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部6とを備えている。
【0051】
前記ヒンジ部6は、前記下側本体5の入力操作キー4を有する面から膨出するように形成された膨出部7と、上側本体3において凹形に形成された凹形部8とを備えている。凹形部8の凹部に膨出部7が嵌り込み、凹形部8と膨出部7とが、携帯電話機1の幅方向に延びる軸で回動可能に連結されている。また、膨出部7には発光体9が、入力操作キー4を操作するときの表示画面2の向きと同じ側(ユーザー側)に向かって発光するように設置してある。
【0052】
図2は、図1に示す折り畳み式の携帯電話機1の閉じた状態を示している。
【0053】
上側本体3は、ヒンジ部6側が凹形に形成されているので、携帯電話機1を折り畳んだ状態でも、上側本体3の凹形部8から膨出部7の発光体9が設置されている面を外部から見ることができる。すなわち、携帯電話機1が折り畳まれているか否かにかかわらず、ユーザーは発光体9を見ることができる。
【0054】
−携帯電話機の電気的構成−
次に、図3を参照して、前記携帯電話機1の電気的構成を説明する。
【0055】
この図に示すように、携帯電話機1は、入力操作キー4、表示画面2(LCD:Liqid Crystal Display)、発光体9の他に、制御部10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、タイマー13、電波回路14、アンテナ15及び表示駆動回路16を備えている。
【0056】
制御部10には、入力操作キー4、RAM11、ROM12、タイマー13、電波回路14及び表示駆動回路16がそれぞれ接続されている。また、電波回路14にはアンテナ15が、表示駆動回路16には発光体9と表示画面2とがそれぞれ接続されている。
【0057】
電波回路14は、アンテナ15を介して基地局又は他の通信機器との間でやりとりされる通信データの送受信処理を行う。
【0058】
入力操作キー4は、そのキー操作に基づいて、入力された指示又は情報を制御部10に伝える働きを持つ。
【0059】
制御部10は、入力操作キー4によって、指示又は情報の入力があったとき、必要に応じてタイマー13を作動させる。さらに、読み出し専用装置であるROM12や記憶装置であるRAM11により、タイマー13が作動している時間と、あらかじめプログラムされている設定内容とに基づいて表示駆動回路16を制御し、発光体9の発光状態及び表示画面2の作動及び表示内容の切替を行う。
【0060】
−携帯電話機の制御動作−
次に、図4を参照して、入力操作キー4を操作したときの制御動作を説明する。
【0061】
図4は、入力操作キー4を操作したときの携帯電話機1の制御部10による制御動作の流れを示すフローチャートである。特に、このフローチャートは、通話中において終話キー4bを操作したときの動作状態を示している。
【0062】
まず、通話している状態からスタート後のステップS20で終話キー4bが操作されると、続くステップS21でタイマー13が作動し、前回のカウントがリセットされて新たなカウントが開始される。ステップS22において発光体9を第1発光状態にして、ステップS23において終話処理が実行される。
【0063】
続くステップS24では、終話キー4bがオン状態か否かが判定される。オン状態であるときは、ステップS25に進んでタイマー13の第1設定時間を消化したか否かが判定される。ステップS25において、第1設定時間を消化しているときはステップS26に進んで、発光体9を第2発光状態へ変化させる。
【0064】
続くステップS27においてタイマー13の第2設定時間を消化したか否かが判定される。第2設定時間を消化しているときは、ステップS28において発光体9を第3発光状態へ変化させ、ステップS29において電源断処理が実行され、電源が切断されると同時にステップS31において発光体9は消灯し、制御は終了する。
【0065】
また、ステップS24において、終話キー4bがオフ状態にあったときには、ステップS31に進んで発光体9を消灯し、制御は終了する。
【0066】
また、ステップS25において、タイマー13の第1設定時間を消化していなければステップS24に戻る。
【0067】
ここで、発光体9が第2発光状態である間に終話キー4bをオフ状態にすると、電源断処理に移行しないようにあらかじめプログラムしてあるので、ユーザーはこれを契機として必要に応じて終話キー4bの操作を解除し、電源断処理を中断させることができる。すなわち、ステップS27においてタイマー13の第2設定時間を消化していなければ、ステップS30に進んで終話キー4bがオン状態か否かが判定される。オン状態であるときはステップS27に戻り、オフ状態であるときは、ステップS31において発光体9を消灯し、制御は終了する。
【0068】
−具体例−
次に、この発明の実施形態を具体例をもとに説明する。
【0069】
図5乃至図7は、通話状態から終話状態、さらに電源断の状態に至るまでのタイムチャートを表している。図5乃至図7では、発光体9の各発光状態を具体的に表しており、第1発光状態(青)、第2発光状態(黄)、第3発光状態(赤)としている。図5乃至図7の縦軸は、前に述べた各発光状態と、終話キー4bのオン、オフ状態と、携帯電話機1の状態、すなわち通話状態、終話状態又は電源断状態とをそれぞれ表しており、横軸は時間を表している。
【0070】
−(終話処理のみを行う場合)−
まず、図5で示されている終話処理のみを行う場合について説明する。
【0071】
図5における操作では、ユーザーは通話状態の携帯電話機1を終話状態にするために、終話キー4bを押す。すなわち終話キー4bをオン状態にする。終話キー4bを押すと同時に、終話処理が実行されて終話し、発光体9は第1発光状態である青色を点灯し、ユーザーに終話キー4bが操作されていることを知らせる。するとユーザーは視覚的に終話キー4bを操作したことと、終話処理が実行され終話したこととを認識し、終話キー4bの状態をオフ状態にするとともに発光体9は消灯する。
【0072】
−(電源断処理を行う場合)−
次に、図6に示される、電源断処理を行う場合について説明する。
【0073】
図6における操作では、ユーザーは携帯電話機1を電源断の状態にするため、終話キー4bを所定の時間押し続けることが必要になる。
【0074】
まずはじめに、ユーザーは終話キー4bを操作する。それと同時に終話処理が実行されて終話し、発光体9は第1発光状態である青色を点灯し、ユーザーに終話キー4bが操作されたことを知らせる。このことで、ユーザーは終話キー4bが操作されていることを視覚的に認識するとともに、終話キー4bをオン状態に保持する。第1発光状態におけるタイマーの設定時間を消費すると、発光体9は第2発光状態である黄色に変化する。さらに、第2発光状態におけるタイマーの設定時間を消費していれば、発光体9は第3発光状態である赤色に変化し、ユーザーに電源を切断することを知らせて、電源断処理を実行するとともに発光体9を消灯する。
【0075】
−(電源断処理を中断する場合)−
最後に、図7に示される、電源断処理を中断する場合について説明する。
【0076】
発光体9が第2発光状態である黄色に変化するまでは、前述した電源断処理の場合と同じである。
【0077】
発光体9が第2発光状態である黄色に変化すると、終話キー4bがオン状態か否かで次のステップが判定される。オン状態であれば、前述したように、第3発光状態である赤色に変化し、電源断処理を実行し、発光体9は消灯する。オフ状態であれば、発光体9が消灯するとともに、電源断処理が解除され、結果として終話処理のみが行われたことになる。
【0078】
このように、入力操作キー4をオン状態に保持している時間によって発光体9の発光状態を変化させることで、ユーザーは、どのくらいの時間入力操作キー4を保持しているかを視覚的に認識しやすくなり、入力操作キー4の保持が必要である場合において、操作に必要な設定時間を消化できていないうちに入力操作キー4の操作を止めてしまうといった誤操作を未然に防ぐことができる。また、第2発光状態にあるときに、操作キー4をオフ状態にすると電源断処理を解除されるようにすることで、ユーザーは電源断処理を解除できる契機を視覚的に認識することができるため、誤操作の防止に有利になる。
【0079】
発光体の色、点灯、点滅等といった発光状態と、発光状態が変化する段階とは前記に限られたものではない。
【0080】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態では、折り畳み式の携帯電話機1における終話キー4bを用いた終話処理と電源断処理とについて述べたが、本発明による携帯電話機1の入力操作はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば、入力操作キー4を用いた、終話処理や電源断処理以外の処理についても応用が可能である。
【0081】
本実施形態では、終話キーを操作した場合の実施例、すなわち折り畳み式の携帯電話機1を開いた状態で使用した場合についてを述べているが、携帯電話機1が図2のように閉じた状態でもユーザーが発光体を見ることができるようなものであれば、携帯電話機1の側面等に設けられた入力操作キーを操作した場合において、携帯電話機1を開くことなく操作キーを操作したことを知ることができる。このことで、携帯電話機1の側面等に設けられた入力操作キーを操作する場合において、操作のたびに携帯電話機1を開き、操作が行われたかを確認する必要がないので、携帯電話機1の操作性を向上させることができる。
【0082】
本実施形態では、携帯通信機器として携帯電話機1の例を示したが、PHS等の通話可能な携帯通信機器で本発明は適用可能である。
【0083】
本実施形態では、表示画面2をLCDで構成したが、有機ELディスプレイによって構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明は、終話キー等の入力操作キーを有する携帯電話機等の携帯通信機器について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に係る折り畳み式携帯電話機の外観構成図(開いた状態)である。
【図2】折り畳み式携帯電話機の外観構成図(閉じた状態)である。
【図3】携帯電話機の電気的構成図である。
【図4】携帯電話機の動作状態を表すフローチャートである。
【図5】終話処理における携帯電話機のタイムチャートである。
【図6】電源断処理における携帯電話機のタイムチャートである。
【図7】電源断処理解除における携帯電話機のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 携帯電話機(携帯通信機器)
2 表示画面
4b 終話キー(入力操作キー)
9 発光体
10 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示入力又は情報入力を受け付ける少なくとも1つの入力操作キーと、
前記入力操作キーの操作によって発光する発光体と、
前記入力操作キーが操作されたときに、その操作に応じて前記発光体を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯通信機器において、
表示画面を備え、
前記発光体は、前記入力操作キーを操作するときの前記表示画面の向きと同じ側に向かって発光するように設置されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯通信機器において、
前記表示画面が設けられた上側本体と、前記入力操作キーが設けられた下側本体と、前記上側本体と下側本体とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備え、
前記ヒンジ部は、前記下側本体の前記入力操作キーを有する面から膨出した膨出部と、前記上側本体において凹形に形成された凹形部とを備え、前記凹形部の凹部に前記膨出部が嵌り込み、前記凹形部と前記膨出部とが、前記幅方向に延びる軸で回動可能に連結され、
前記膨出部には前記発光体が、前記入力操作キーを操作するときの前記表示画面の向きと同じ側に向かって発光するように設置されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の携帯通信機器において、
前記入力操作キーは、上記上側本体又は下側本体の側面に設けられていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の携帯通信機器において、
前記制御手段は、前記入力操作キーを操作した状態が所定時間継続したとき、発光状態が変化するように前記発光体を制御するように構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯通信機器において、
前記発光体は、発光色の変化により発光状態が変化するように構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯通信機器において、
前記発光体は、色の異なる単色の発光素子を組み合わせて構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項8】
請求項6に記載の携帯通信機器において、
前記発光体は、2つ以上の異なる色を発色可能な多色発光素子から構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項9】
請求項5に記載の携帯通信機器において、
前記発光体は、点灯から点滅又は点滅間隔の変化により発光状態が変化するように構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項10】
請求項5乃至9のいずれか1つに記載の携帯通信機器において、
前記制御手段は、前記入力操作キーの入力操作が開始されたときに第1発光状態に点灯させ、前記入力操作状態が前記所定時間よりも短い予備時間を継続したときに、第2発光状態に変化させ、前記入力操作状態が前記所定時間継続したときに第3発光状態に変化させるように前記発光体を制御するように構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1つに記載の携帯通信機器において、
前記入力操作キーは、終話処理を行いかつ、前記入力操作キーを前記所定時間操作すると電源断処理を行う終話キーであることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項12】
請求項11に記載の携帯通信機器において、
前記第1発光状態から第2発光状態への移行時に電源断処理を中断可能に構成されていることを特徴とする携帯通信機器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1つに記載の携帯通信機器において、
携帯電話機であることを特徴とする携帯通信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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