携帯通信端末および使用可能時間算出方法
【課題】算出される使用可能時間が実際の使用可能時間により近づくようにすることができるようにする。
【解決手段】複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段201と、計測手段201が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段202に保存する使用時間保存手段203と、計測手段201が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段202に保存する単位消費電力量保存手段204と、各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段205と、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段206とを備えている。
【解決手段】複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段201と、計測手段201が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段202に保存する使用時間保存手段203と、計測手段201が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段202に保存する単位消費電力量保存手段204と、各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段205と、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段206とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電池の蓄電量および機能の使用状態に応じた使用可能時間を算出する携帯通信端末および使用可能時間算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯通信端末には、基本的な通話機能に加えて、電子メール送受信機能や、ゲーム機能、撮影機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能等を実現するための部品が搭載され、1台でゲーム機やカメラ機、音楽プレイヤとしても使用可能である。
【0003】
しかし、各機能を使用していると、充電池の蓄電量が減少して通話機能や電子メール送受信機能を使用できなくなる場合がある。
【0004】
一般に、携帯通信端末の蓄電量は3段階程度の段階数で表示されるので、ユーザが蓄電量を正確に把握するのは困難である。
【0005】
また、蓄電量が100段階等の多段階数で表示されても、ユーザの使用方法によって使用可能な時間は異なる。例えば、蓄電量が10%である場合に、電子メール送受信機能を使用した場合には2時間使用可能であるが、通話機能を使用した場合には、20分しか使用できないことがある。
【0006】
特許文献1および特許文献2には、使用可能時間を算出する機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−160954号公報(段落0015〜0035、図1)
【特許文献2】特開2006−101584号公報(段落0018〜0061、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている機器は、温度と消費電力とにもとづいて使用可能時間を算出している。しかし、使用可能時間は、使用される機能に応じて消費電力が異なることを考慮して算出されることが好ましい。また、特許文献2に記載されている機器は、予め設定された機能ごとの消費電力量にもとづいて使用可能時間を算出するように構成されているが、使用可能時間を算出する際に、各々の機能の使用時間が日々変動することを考慮して、平均使用時間にもとづいて使用時間が算出される。さらに、特許文献2には、曜日ごとの使用状況に応じた使用可能時間を算出することが記載されているが、具体的に、どのように曜日ごとの使用状況を考慮するかについての記載はない。
【0009】
平均使用時間にもとづいて使用時間を算出する場合に、各々の機能の使用時間が日々変動しているときには、算出された使用可能時間が妥当でない可能性がある。例えば、翌日のある機能の消費電力量が極端に大きくなったり小さくなったりする場合には、算出された使用可能時間と実際の使用可能時間とがかけ離れてしまう。なお、「機能の消費電力量」は、ユーザが携帯通信端末の機能を使用しているときの携帯通信端末の消費電力量を意味する。
【0010】
そこで、本発明は、算出される使用可能時間が実際の使用可能時間により近づくようにすることができる携帯通信端末および使用可能時間算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による携帯通信端末は、通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末であって、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段と、計測手段が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存手段と、計測手段が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段に保存する単位消費電力量保存手段と、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段と、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による使用可能時間算出方法は、通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末の使用可能時間を算出する使用可能時間算出方法であって、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測ステップと、計測ステップで計測された使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存ステップと、計測ステップで計測された単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段に保存する単位消費電力量保存ステップと、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出ステップと、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、算出される使用可能時間が実際の使用可能時間により近づくようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の携帯通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】各機能を実現するために動作している代表的な部品の例を使用状態ごとに示す説明図である。
【図3】時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式をグラフ化した例を示す説明図である。
【図4】記憶部に記憶された機能使用時間の例を示す説明図である。
【図5】曜日ごとの各機能の使用時間の例を示す説明図である。
【図6】本発明の携帯通信端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】平均消費電力量から予想される日曜日と月曜日における蓄電量の変化の一例を示す説明図である。
【図8】LCDに表示される画面の例を示す説明図である。
【図9】LCDに表示される詳細な電池残量の画面の例を示す説明図である。
【図10】本発明の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の携帯通信端末について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の携帯通信端末100の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、携帯通信端末100は、装置制御部101、記憶部102、表示部103、入力部104、電源制御部105、充電池106、無線部107、および計時機能を有し日時と曜日とを示すデータを出力するタイマ回路108を含む。なお、携帯通信端末100は、例えば、通話機能や電子メール送受信機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能を実現するための部品が搭載された携帯電話機によって実現される。
【0017】
装置制御部101は、装置制御部101は、携帯通信端末100の各部の動作を制御する。具体的には、通話機能や電子メール送受信機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能、アラーム機能を実現するために搭載された部品を制御して、各機能を実現させるための動作を行う。
【0018】
また、装置制御部101は、充電池106の放電量を示す情報を検出する電源制御部105を介して充電池106の放電量を示す情報を入力し、単位時間あたりの各機能の各使用状態に応じた消費電力量(各機能の各使用状態ごとの消費電力量)を算出する。また、装置制御部101は、時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式(一次関数の式)を作成し、記憶部102に記憶させる。
【0019】
入力部104は、例えば、ボタンによって実現され、ユーザによってなされた操作に応じた指示を入力する。表示部103は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって実現され、情報を表示する。
【0020】
無線部107は、例えば、アンテナに接続された無線回路によって実現される。そして、無線部107は、例えば、携帯電話基地局と情報を送受信して、通話機能および電子メール送受信機能を実現する。また、無線部107は、テレビジョン放送を受信して、テレビジョン放送受信機能を実現する。記憶部102には情報が記憶される。
【0021】
図2は、各機能を実現するために動作している代表的な部品の例を使用状態ごとに示す説明図である。図2の音楽再生の欄に示すように、音楽再生機能が使用される場合に、ユーザによって操作がなされているときには、例えば、CPU、音楽再生回路、LCD、LCDバックライト、およびキーバックライトが動作している。
【0022】
また、図2の音楽再生の欄に示すように、音楽再生機能が使用される場合に、LCD等に情報が表示されていないときには、例えば、CPUおよび音楽再生回路が動作している。つまり、音楽再生機能の使用状態には、LCDに情報が表示されている状態と、LCDに情報が表示されていない状態(表示OFF)とがある。
【0023】
また、図2のワンセグの欄(ワンセグ:地上波デジタルテレビジョン放送における携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)に示すように、テレビジョン放送受信機能が使用される場合に、視聴中(LCDに映像を表示中)には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0024】
また、図2のワンセグの欄に示すように、テレビジョン放送受信機能が使用される場合に、録画中(記憶部102に映像データおよび音声データを記録中)には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、テレビジョン放送受信機能の使用状態には、視聴中状態と録画中状態とがある。
【0025】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、送信する電子メールの作成中には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0026】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、電子メールの送信中には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0027】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、電子メールの受信中には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。つまり、電子メール送受信機能の使用状態には、電子メールの作成中状態と、送信中状態と、受信中状態とがある。
【0028】
また、図2の通話の欄に示すように、通話機能が使用される場合に、通話開始時には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0029】
また、図2の通話の欄に示すように、通話機能が使用される場合に、通話中には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、通話機能の使用状態には、通話開始時(発呼状態)と通話中状態とがある。
【0030】
また、図2の待ち受けの欄に示すように、通話の待ち受け中である場合に、LCDに待ち受け画面が表示されているとき(表示ON)には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0031】
また、図2の待ち受けの欄に示すように、通話の待ち受け中である場合に、LCDに待ち受け画面が表示されていないとき(表示OFF)には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、待ち受け中の使用状態には、表示ON状態と表示OFF状態とがある。
【0032】
また、図2のWebの欄に示すように、インターネット等を介してWebサーバから情報を受信中である場合には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0033】
また、図2のWebの欄に示すように、インターネット等を介してWebサーバから受信した情報をLCDに表示中である場合には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。つまり、Web閲覧時の使用状態には情報受信中状態と表示中状態とがある。
【0034】
また、図2のアラームの欄に示すように、アラーム音を鳴動中である場合には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0035】
図3は、時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式の例を示す説明図である。図3において、縦軸は充電池106の全蓄電容量に対する蓄電量の比率を示し、横軸は各機能の使用状態ごとの使用時間を示す。図3に示すように、各機能の使用状態ごとに単位時間あたりの消費電力量は異なる。
【0036】
一般に、携帯通信端末は、ユーザの各曜日の生活パターンに応じて使用される機能および使用時間が異なる。例えば、日曜日と月曜日とでユーザの生活パターンは異なり、各機能の使用時間は、日曜日と月曜日とで異なる。一例として、ユーザは、日曜日にはアラーム機能を使用せず、月曜日には、例えば、起床時にアラームを使用する。
【0037】
また、一般に、ユーザは、月曜日を含む週日には通勤中に携帯通信端末100の表示部103にWebページを表示させることが多い。よって、週日では、日曜日よりもWebサーバからの情報受信時間とWebページの表示時間が長い。
【0038】
また、一般に、携帯通信端末100は、月曜日を含む週日の勤務時間中には操作されないと考えられる。よって、日曜日よりも表示OFF状態の待ち受け時間が長い。しかし、週日でも、電子メールの受信は行われる。
【0039】
月曜日を含む週日には、ユーザは、昼休み中などに携帯通信端末100に電子メールの送受信やWebページの表示、音楽再生、テレビジョン放送番組表示などを行わせることが多い。
【0040】
また、一般に、ユーザは、月曜日を含む週日には、帰宅後に携帯通信端末100の通話機能を使用したり、電子メールの送受信機能を使用したりすることが多い。
【0041】
図4は、記憶部102に記憶された機能使用時間の例を示す説明図である。図4には、以上に説明したようなユーザの一般的な使用状況にもとづく各機能の使用状態ごとの使用時間の一例が示されている。なお、図4に示す数値の単位はms(ミリ秒)である。
【0042】
図5は、曜日ごとの各機能の使用時間の例を示す説明図である。ただし、図5には、日曜日と月曜日とにおける各機能の使用時間が例示されている。
【0043】
装置制御部101は、各曜日における各機能の使用状態別の使用時間にもとづいて、各曜日における予想される消費電力量を算出する。具体的には、装置制御部101は、記憶部102に記憶されている各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式に使用時間を代入して、各機能の使用状態ごとの消費電力量を求め、求められた消費電力量の総和を1日の消費電力量とする。
【0044】
次に、本実施形態の携帯通信端末の動作を図面を参照して説明する。図6は、本発明の携帯通信端末100の動作を示すフローチャートである。図6(A)は、使用時間を算出する処理を示し、図6(B)は、使用可能時間を算出する処理を示す。
【0045】
使用時間を算出する処理として、ユーザによって携帯通信端末100のテレビジョン放送受信機能が視聴のために使用された場合の処理を例にする。
【0046】
ユーザによって入力部104にテレビジョン放送受信機能の視聴開始操作がなされると、装置制御部101は、ワンセグ機能を起動する(ステップS101)すなわち、テレビジョン放送受信機能を実現するための部品を起動する。また、そのときの日時を示すデータをタイマ回路108から読み出し、読み出したデータを記憶部102に一時的に記憶させる(ステップS102)。
【0047】
また、装置制御部101は、電源制御部105を介して充電池106の放電量を示す情報を入力し、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式を作成し、記憶部102に記憶させる(ステップS103)。なお、具体的には、記憶部102には、単位時間あたりの消費電力量を示す係数のみが記憶される。また、ステップS103の処理では、例えば、1秒間の充電池106の放電量(出力電圧と出力電流の積)を単位時間あたりの消費電力量とする。
【0048】
また、本実施形態では、装置制御部101は、放電量を示す情報を入力して線形式を作成する処理を1回だけ実行するが、装置制御部101は、線形式を作成する処理を複数回実行し、複数の線形式の平均(具体的には、係数の平均値)を記憶部102に記憶させるようにしてもよい。また、機能が起動されたときから機能が終了するときまでの放電量にもとづいて線形式を作成してもよい。
【0049】
本実施形態では、ある機能が使用される度に単位時間あたりの消費電力量を算出する。各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を予めROMに格納してもよいが、携帯通信端末100の経時変化や使用環境等に応じて単位時間あたりの消費電力量が変化する可能性があるので、本実施形態のように機能が使用される度に算出して記憶することが好ましい。
【0050】
ユーザによってテレビジョン放送受信機能の視聴終了操作がなされると、装置制御部101は、ワンセグ機能を終了させる(ステップS104)。すなわち、テレビジョン放送受信機能を実現するための部品の動作を停止させる。そして、装置制御部101は、そのときの日時を示すデータをタイマ回路108から読み出し、読み出したデータ示す日時と記憶部102に一時的に記憶されているデータ示す日時との差を、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間とする(ステップS105)。そして、タイマ回路108から曜日を示すデータを読み出し、使用時間を、タイマ回路108から読み出したデータが示す曜日に対応づけて記憶部102に記憶させる(ステップS106)。なお、同日にテレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間が既に記憶部102に記憶されていた場合には、算出した使用時間を記憶部102に記憶されていた使用時間に加算する。
【0051】
ステップS101〜S106の処理によって、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間が、その日の曜日に対応して記憶部102に記憶される。なお、ここでは、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間を例にしたが、装置制御部101は、他の機能が使用されるときにも、使用状態に応じて使用時間を算出して、曜日に対応して記憶部102に記憶させる。また、記憶部102には、数週間(例えば、2週間)分の曜日ごとの使用時間が記憶される。装置制御部101は、ステップS106の処理で、今週の曜日に対応させて使用時間を記憶部102に記憶させる。
【0052】
次に、使用可能時間を算出する処理を、図6(B)を参照して説明する。装置制御部101は、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、使用可能時間を算出する処理を実行する。使用可能時間の算出開始の条件は、例えば、携帯通信端末100の電源オン時に成立する。また、予め決められている時刻になったことを使用可能時間の算出開始の条件の成立にしたり、ユーザの操作を使用可能時間の算出開始の条件の成立にしたりしてもよい。
【0053】
装置制御部101は、各曜日の携帯通信端末100の平均消費電力量を算出する(ステップS201)。「各曜日の平均消費電力量」は、複数回の各々の曜日の消費電力量の平均値を意味する。例えば、記憶部102に、2週間分の各機能の使用状態ごとの消費電力量が記憶されていたとする。ステップS201において、装置制御部101は、2週間分の各機能の使用状態ごとの消費電力量の平均値を、曜日ごとに算出する。すなわち、まず、2回の日曜の各機能の使用状態のそれぞれについて、使用時間の平均値を算出し、算出した平均値を、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式に代入して、各機能の使用状態ごとの消費電力量を求め、求められた消費電力量の総和を日曜の平均消費電力量とする。
【0054】
装置制御部101は、月曜から土曜についても、日曜についての処理と同様の処理によって平均消費電力量を算出する。
【0055】
そして、装置制御部101は、ステップS201の処理で算出された各曜日の平均消費電力量と現在の曜日とにもとづいて、使用可能時間を算出する(ステップS202)。
【0056】
図7は、平均消費電力量から予想される日曜日と月曜日における蓄電量の変化の一例を示す説明図である。図7において、縦軸は充電池106の全蓄電容量に対する蓄電量の比率を示し、横軸は時間を示す。図7には、現時点が日曜日になったとき(日曜日の午前0時)である場合が例示されている。また、日曜日になったとき(日曜日の午前0時)の蓄電量は充電池106の全蓄電容量の95%であったとする。そして、月曜日になるときの蓄電量が充電池106の全蓄電容量の35%まで減少すると予測されることが示されている。したがって、日曜日には充電が行われなくても、充電池106の蓄電量がなくなることはない。しかし、日曜日に充電が行われることなく月曜日に各機能が平均使用時間使用されると、充電池106の蓄電量がなくなると予測されることが示されている。なお、装置制御部101は、現時点の曜日以降の各々の曜日の携帯通信端末100の消費電力量を用いて使用可能時間を算出するのであるが、使用可能時間の算出開始の条件が成立したときが日曜日の午前0時である場合には、使用可能時間の算出に際して、日曜日の消費電力量は用いられない
【0057】
図7に示す例において、「通話」に対応する線分は、「通話」についての日曜の使用時間の平均値と「通話」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。なお、「通話」の使用状態には、「通話開始時」と「通話中」とがあるが、図7における「通話」に対応する線分に相当する消費電力量は、「通話開始時の消費電力量と「通話中」の消費電力量との和である。「音楽再生」に対応する線分は、「音楽再生」についての日曜の使用時間の平均値と「音楽再生」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。「電子メール送受信」に対応する線分は、「電子メール送受信」についての日曜の使用時間の平均値と「電子メール送受信」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。
【0058】
なお、図7に示す例において、「電池切れ」になる時刻が午前10時であるとすると、使用可能時間は、36時間である(常時電源オンの場合)。すなわち、装置制御部101は、充電池106の蓄電量がなくなると予測される時刻と現時刻とから、使用可能時間を得ることができる。
【0059】
また、使用可能時間の算出時期として日曜日になったとき(日曜日の午前0時)を例にしたが、使用可能時間の算出時期が曜日の切替時点でない場合には、現時点の曜日の平均消費電力量も考慮される。例えば、土曜日の1日の平均消費電力量によって充電池106の蓄電量が50%減少する場合に、使用可能時間の算出時期が土曜日の13時(午後1時)であるときには、土曜日のうちに(11/24)×50=23%蓄電量が減少するとみなす。
【0060】
そして、装置制御部101は、使用可能時間を表示部103のLCDに表示させる。また、装置制御部101は、現在の日時に使用可能時間を加えた時刻(つまり、充電池106が供給する電力で携帯通信端末100の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻)を充電開始時刻として表示部103のLCDに表示させる。装置制御部101は、表示部103のLCDに表示させた充電開始時刻と記憶部102に記憶されている充電実行時刻(例えば、午後9時)とにもとづいて、次回の充電実行時刻(例えば、当日の午後9時)までに蓄電量がなくなるか否かを示す使用可否情報を表示部103のLCDに表示させる(ステップS203)。なお、装置制御部101は、充電池106の充電が開始されたときに、タイマ回路108から日時を示すデータを入力し、入力したデータが示す時刻を充電実行時刻として記憶部102に記憶させる。また、記憶部102に記憶されている最新の充電実行時刻を、現時点の日における充電実行時刻(充電が実行されると予想される時刻)とする。
【0061】
具体的には、装置制御部101は、例えば、充電開始時刻が記憶部102に記憶されている充電実行時刻よりも遅い場合に、「電池残量:○」を表示部103のLCDに表示させ、充電開始時刻が記憶部102に記憶されている充電実行時刻よりも早い場合に、「電池残量:×」を表示部103のLCDに表示させる。
【0062】
図8は、LCDに表示される画面の例を示す説明図である。図7に示す例では、使用可能時間は6時間20分であり、充電開始時刻は現在から6時間20分後の22時20分頃であり、「電池残量:○」が表示部103のLCDに表示されている。
【0063】
なお、装置制御部101は、ユーザの操作に応じて、電池残量の詳細な情報を表示部103のLCDに表示させてもよい。図9は、LCDに表示される詳細な電池残量の画面の例を示す説明図である。
【0064】
図9に示す例では、機能ごとの使用可能時間が、待ち受け状態では10時間、通話機能が使用された場合には2時間、電子メール送受信機能が使用された場合には4時間であることが表示されている。装置制御部101は、例えば、その時点における充電池106の蓄電量を各機能の単位時間あたりの消費電力量で除算することによって、各々の機能ごとの使用可能時間(その機能のみが継続使用された場合の使用可能時間)を算出する。
【0065】
なお、図9に示す例では、使用状態ごとの表示は行われていないが、使用状態ごとに使用可能時間が表示されるように構成されていてもよいし、各機能が使用された場合における使用状態の時間の割合に応じて算出した使用可能時間が表示されるように構成されていてもよい。
【0066】
以上に述べたように、本実施形態によれば、携帯通信端末の使用可能時間を正確に算出でき、ユーザに充電すべきか否かを容易に判断させることができる。また、LCDに使用可否情報を表示させるので、ユーザに適切なタイミングで充電させることができる。携帯通信端末で充電池106としてよく用いられているリチウムイオン充電池は、充電回数が増加すると性能が劣化する。本実施形態によれば、充電回数の増加を抑えることができる。
【0067】
なお、装置制御部101が現在の日時に使用可能時間を加えた時刻よりも早い時刻(例えば、30分早い時刻)をLCDに充電開始時刻として表示させてもよい。そのように構成された場合には、充電開始時刻から蓄電量がなくなるまでに猶予時間があるので、ユーザに安心感を与えることができる。
【0068】
また、装置制御部101は、使用可能時間が予め決められた時間(例えば、30分)よりも短い場合に、消費電力量を低減した省電力状態に遷移させるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、LCDバックライトやキーバックライトの輝度を低下させたり、LCDバックライトやキーバックライトを消灯させたりする。また、LCDに表示させる待ち受け画面を消費電力量が少ない他の待ち受け画面に変更したりする。
【0069】
そのように構成された場合には、充電池106の蓄電量がなくなるまでの時間を長くすることができる。
【0070】
また、携帯通信端末100の温度に対する消費電力量の変化や充電池106の温度に対する特性の変化を示す温度特性情報を予め記憶部102に記憶させ、携帯通信端末100の内部の温度を測定する温度センサ(温度測定手段)を備え、装置制御部101が、当該温度センサが測定した温度と、温度特性情報とにもとづいて使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、周辺環境に応じた適切な使用可能時間を算出することができる。
【0071】
また、装置制御部101は、複数の機能のうち、一部の機能が既に使用された場合には、当該一部の機能を除いた他の機能の平均使用時間の割合にもとづいて、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。具体的には、通話機能の平均使用時間が1時間である場合に、既に通話機能が1時間使用されたことが記憶部102に記憶されている場合には、通話機能以外の機能の平均使用時間の割合にもとづいて、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。また、通話機能の平均使用時間が1時間である場合に、既に通話機能が30分使用されたことが記憶部102に記憶されている場合には、通話機能の平均使用時間の割合を使用時間に応じて減じて(本例では、1時間のうち30分使用されたので(つまり50%使用されたので)、通話機能の平均使用時間の割合を50%減じて)、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、実際の使用状況に応じた使用可能時間を算出することができる。
【0072】
次に、本発明の概要を説明する。図10は、本発明の概要を示すブロック図である。本発明による携帯通信端末は、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段201(図1に示す構成では、電源制御部105および装置制御部101で実現されている。)と、計測手段201が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段202(図1における記憶部102に相当)に保存する使用時間保存手段203(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、計測手段201が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段202に保存する単位消費電力量保存手段204(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段202に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段205(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、現時点の充電池の蓄電量(例えば、前回の充電時の充電量−現時点までの放電量)と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段206(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)とを備えている。
【0073】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が算出した使用可能時間を表示部(図1における表示部103に相当)に表示する使用可能時間表示制御手段(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)を含む構成も開示されている。
【0074】
そのような構成によれば、ユーザに適切なタイミングで充電させることができる。
【0075】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が、現在日時と使用可能時間とにもとづいて、充電池が供給する電力で携帯通信端末の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻を算出することも開示されている。そのような構成によれば、ユーザに現在の充電池の蓄電量にもとづく動作不能時刻を認識させることができる。
【0076】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が算出した使用可能時間が予め決められた時間よりも短い場合に、消費電力量が低減される省電力状態に遷移させる状態遷移手段(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)を含む構成も開示されている。そのような構成によれば、充電池の蓄電量がなくなるまでの時間を長くすることができる。
【0077】
また、上記の実施形態には、携帯通信端末内の温度を測定する温度測定手段を含み、使用可能時間算出手段206が、温度測定手段が測定した温度に適合する使用可能時間を算出する構成も開示されている。そのような構成によれば、周辺環境に応じた適切な使用可能時間を算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明を、使用可能時間を算出する携帯通信端末に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
100 携帯通信端末
101 装置制御部
102 記憶部
103 表示部
104 入力部
105 電源制御部
106 充電池
107 無線部
108 タイマ回路
201 計測手段
202 記憶手段
203 使用時間保存手段
204 単位消費電力量保存手段
205 消費電力量算出手段
206 使用可能時間算出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電池の蓄電量および機能の使用状態に応じた使用可能時間を算出する携帯通信端末および使用可能時間算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯通信端末には、基本的な通話機能に加えて、電子メール送受信機能や、ゲーム機能、撮影機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能等を実現するための部品が搭載され、1台でゲーム機やカメラ機、音楽プレイヤとしても使用可能である。
【0003】
しかし、各機能を使用していると、充電池の蓄電量が減少して通話機能や電子メール送受信機能を使用できなくなる場合がある。
【0004】
一般に、携帯通信端末の蓄電量は3段階程度の段階数で表示されるので、ユーザが蓄電量を正確に把握するのは困難である。
【0005】
また、蓄電量が100段階等の多段階数で表示されても、ユーザの使用方法によって使用可能な時間は異なる。例えば、蓄電量が10%である場合に、電子メール送受信機能を使用した場合には2時間使用可能であるが、通話機能を使用した場合には、20分しか使用できないことがある。
【0006】
特許文献1および特許文献2には、使用可能時間を算出する機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−160954号公報(段落0015〜0035、図1)
【特許文献2】特開2006−101584号公報(段落0018〜0061、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている機器は、温度と消費電力とにもとづいて使用可能時間を算出している。しかし、使用可能時間は、使用される機能に応じて消費電力が異なることを考慮して算出されることが好ましい。また、特許文献2に記載されている機器は、予め設定された機能ごとの消費電力量にもとづいて使用可能時間を算出するように構成されているが、使用可能時間を算出する際に、各々の機能の使用時間が日々変動することを考慮して、平均使用時間にもとづいて使用時間が算出される。さらに、特許文献2には、曜日ごとの使用状況に応じた使用可能時間を算出することが記載されているが、具体的に、どのように曜日ごとの使用状況を考慮するかについての記載はない。
【0009】
平均使用時間にもとづいて使用時間を算出する場合に、各々の機能の使用時間が日々変動しているときには、算出された使用可能時間が妥当でない可能性がある。例えば、翌日のある機能の消費電力量が極端に大きくなったり小さくなったりする場合には、算出された使用可能時間と実際の使用可能時間とがかけ離れてしまう。なお、「機能の消費電力量」は、ユーザが携帯通信端末の機能を使用しているときの携帯通信端末の消費電力量を意味する。
【0010】
そこで、本発明は、算出される使用可能時間が実際の使用可能時間により近づくようにすることができる携帯通信端末および使用可能時間算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による携帯通信端末は、通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末であって、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段と、計測手段が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存手段と、計測手段が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段に保存する単位消費電力量保存手段と、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段と、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による使用可能時間算出方法は、通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末の使用可能時間を算出する使用可能時間算出方法であって、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測ステップと、計測ステップで計測された使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存ステップと、計測ステップで計測された単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段に保存する単位消費電力量保存ステップと、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出ステップと、現時点の充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、算出される使用可能時間が実際の使用可能時間により近づくようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の携帯通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】各機能を実現するために動作している代表的な部品の例を使用状態ごとに示す説明図である。
【図3】時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式をグラフ化した例を示す説明図である。
【図4】記憶部に記憶された機能使用時間の例を示す説明図である。
【図5】曜日ごとの各機能の使用時間の例を示す説明図である。
【図6】本発明の携帯通信端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】平均消費電力量から予想される日曜日と月曜日における蓄電量の変化の一例を示す説明図である。
【図8】LCDに表示される画面の例を示す説明図である。
【図9】LCDに表示される詳細な電池残量の画面の例を示す説明図である。
【図10】本発明の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の携帯通信端末について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の携帯通信端末100の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、携帯通信端末100は、装置制御部101、記憶部102、表示部103、入力部104、電源制御部105、充電池106、無線部107、および計時機能を有し日時と曜日とを示すデータを出力するタイマ回路108を含む。なお、携帯通信端末100は、例えば、通話機能や電子メール送受信機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能を実現するための部品が搭載された携帯電話機によって実現される。
【0017】
装置制御部101は、装置制御部101は、携帯通信端末100の各部の動作を制御する。具体的には、通話機能や電子メール送受信機能、テレビジョン放送受信機能、音楽再生機能、アラーム機能を実現するために搭載された部品を制御して、各機能を実現させるための動作を行う。
【0018】
また、装置制御部101は、充電池106の放電量を示す情報を検出する電源制御部105を介して充電池106の放電量を示す情報を入力し、単位時間あたりの各機能の各使用状態に応じた消費電力量(各機能の各使用状態ごとの消費電力量)を算出する。また、装置制御部101は、時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式(一次関数の式)を作成し、記憶部102に記憶させる。
【0019】
入力部104は、例えば、ボタンによって実現され、ユーザによってなされた操作に応じた指示を入力する。表示部103は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって実現され、情報を表示する。
【0020】
無線部107は、例えば、アンテナに接続された無線回路によって実現される。そして、無線部107は、例えば、携帯電話基地局と情報を送受信して、通話機能および電子メール送受信機能を実現する。また、無線部107は、テレビジョン放送を受信して、テレビジョン放送受信機能を実現する。記憶部102には情報が記憶される。
【0021】
図2は、各機能を実現するために動作している代表的な部品の例を使用状態ごとに示す説明図である。図2の音楽再生の欄に示すように、音楽再生機能が使用される場合に、ユーザによって操作がなされているときには、例えば、CPU、音楽再生回路、LCD、LCDバックライト、およびキーバックライトが動作している。
【0022】
また、図2の音楽再生の欄に示すように、音楽再生機能が使用される場合に、LCD等に情報が表示されていないときには、例えば、CPUおよび音楽再生回路が動作している。つまり、音楽再生機能の使用状態には、LCDに情報が表示されている状態と、LCDに情報が表示されていない状態(表示OFF)とがある。
【0023】
また、図2のワンセグの欄(ワンセグ:地上波デジタルテレビジョン放送における携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)に示すように、テレビジョン放送受信機能が使用される場合に、視聴中(LCDに映像を表示中)には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0024】
また、図2のワンセグの欄に示すように、テレビジョン放送受信機能が使用される場合に、録画中(記憶部102に映像データおよび音声データを記録中)には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、テレビジョン放送受信機能の使用状態には、視聴中状態と録画中状態とがある。
【0025】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、送信する電子メールの作成中には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0026】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、電子メールの送信中には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0027】
また、図2のメールの欄に示すように、電子メール送受信機能が使用される場合に、電子メールの受信中には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。つまり、電子メール送受信機能の使用状態には、電子メールの作成中状態と、送信中状態と、受信中状態とがある。
【0028】
また、図2の通話の欄に示すように、通話機能が使用される場合に、通話開始時には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0029】
また、図2の通話の欄に示すように、通話機能が使用される場合に、通話中には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、通話機能の使用状態には、通話開始時(発呼状態)と通話中状態とがある。
【0030】
また、図2の待ち受けの欄に示すように、通話の待ち受け中である場合に、LCDに待ち受け画面が表示されているとき(表示ON)には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0031】
また、図2の待ち受けの欄に示すように、通話の待ち受け中である場合に、LCDに待ち受け画面が表示されていないとき(表示OFF)には、例えば、CPUおよび無線回路が動作している。つまり、待ち受け中の使用状態には、表示ON状態と表示OFF状態とがある。
【0032】
また、図2のWebの欄に示すように、インターネット等を介してWebサーバから情報を受信中である場合には、例えば、CPU、無線回路、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0033】
また、図2のWebの欄に示すように、インターネット等を介してWebサーバから受信した情報をLCDに表示中である場合には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。つまり、Web閲覧時の使用状態には情報受信中状態と表示中状態とがある。
【0034】
また、図2のアラームの欄に示すように、アラーム音を鳴動中である場合には、例えば、CPU、LCD、LCDバックライトおよびキーバックライトが動作している。
【0035】
図3は、時間を変数とし、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式の例を示す説明図である。図3において、縦軸は充電池106の全蓄電容量に対する蓄電量の比率を示し、横軸は各機能の使用状態ごとの使用時間を示す。図3に示すように、各機能の使用状態ごとに単位時間あたりの消費電力量は異なる。
【0036】
一般に、携帯通信端末は、ユーザの各曜日の生活パターンに応じて使用される機能および使用時間が異なる。例えば、日曜日と月曜日とでユーザの生活パターンは異なり、各機能の使用時間は、日曜日と月曜日とで異なる。一例として、ユーザは、日曜日にはアラーム機能を使用せず、月曜日には、例えば、起床時にアラームを使用する。
【0037】
また、一般に、ユーザは、月曜日を含む週日には通勤中に携帯通信端末100の表示部103にWebページを表示させることが多い。よって、週日では、日曜日よりもWebサーバからの情報受信時間とWebページの表示時間が長い。
【0038】
また、一般に、携帯通信端末100は、月曜日を含む週日の勤務時間中には操作されないと考えられる。よって、日曜日よりも表示OFF状態の待ち受け時間が長い。しかし、週日でも、電子メールの受信は行われる。
【0039】
月曜日を含む週日には、ユーザは、昼休み中などに携帯通信端末100に電子メールの送受信やWebページの表示、音楽再生、テレビジョン放送番組表示などを行わせることが多い。
【0040】
また、一般に、ユーザは、月曜日を含む週日には、帰宅後に携帯通信端末100の通話機能を使用したり、電子メールの送受信機能を使用したりすることが多い。
【0041】
図4は、記憶部102に記憶された機能使用時間の例を示す説明図である。図4には、以上に説明したようなユーザの一般的な使用状況にもとづく各機能の使用状態ごとの使用時間の一例が示されている。なお、図4に示す数値の単位はms(ミリ秒)である。
【0042】
図5は、曜日ごとの各機能の使用時間の例を示す説明図である。ただし、図5には、日曜日と月曜日とにおける各機能の使用時間が例示されている。
【0043】
装置制御部101は、各曜日における各機能の使用状態別の使用時間にもとづいて、各曜日における予想される消費電力量を算出する。具体的には、装置制御部101は、記憶部102に記憶されている各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式に使用時間を代入して、各機能の使用状態ごとの消費電力量を求め、求められた消費電力量の総和を1日の消費電力量とする。
【0044】
次に、本実施形態の携帯通信端末の動作を図面を参照して説明する。図6は、本発明の携帯通信端末100の動作を示すフローチャートである。図6(A)は、使用時間を算出する処理を示し、図6(B)は、使用可能時間を算出する処理を示す。
【0045】
使用時間を算出する処理として、ユーザによって携帯通信端末100のテレビジョン放送受信機能が視聴のために使用された場合の処理を例にする。
【0046】
ユーザによって入力部104にテレビジョン放送受信機能の視聴開始操作がなされると、装置制御部101は、ワンセグ機能を起動する(ステップS101)すなわち、テレビジョン放送受信機能を実現するための部品を起動する。また、そのときの日時を示すデータをタイマ回路108から読み出し、読み出したデータを記憶部102に一時的に記憶させる(ステップS102)。
【0047】
また、装置制御部101は、電源制御部105を介して充電池106の放電量を示す情報を入力し、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式を作成し、記憶部102に記憶させる(ステップS103)。なお、具体的には、記憶部102には、単位時間あたりの消費電力量を示す係数のみが記憶される。また、ステップS103の処理では、例えば、1秒間の充電池106の放電量(出力電圧と出力電流の積)を単位時間あたりの消費電力量とする。
【0048】
また、本実施形態では、装置制御部101は、放電量を示す情報を入力して線形式を作成する処理を1回だけ実行するが、装置制御部101は、線形式を作成する処理を複数回実行し、複数の線形式の平均(具体的には、係数の平均値)を記憶部102に記憶させるようにしてもよい。また、機能が起動されたときから機能が終了するときまでの放電量にもとづいて線形式を作成してもよい。
【0049】
本実施形態では、ある機能が使用される度に単位時間あたりの消費電力量を算出する。各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を予めROMに格納してもよいが、携帯通信端末100の経時変化や使用環境等に応じて単位時間あたりの消費電力量が変化する可能性があるので、本実施形態のように機能が使用される度に算出して記憶することが好ましい。
【0050】
ユーザによってテレビジョン放送受信機能の視聴終了操作がなされると、装置制御部101は、ワンセグ機能を終了させる(ステップS104)。すなわち、テレビジョン放送受信機能を実現するための部品の動作を停止させる。そして、装置制御部101は、そのときの日時を示すデータをタイマ回路108から読み出し、読み出したデータ示す日時と記憶部102に一時的に記憶されているデータ示す日時との差を、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間とする(ステップS105)。そして、タイマ回路108から曜日を示すデータを読み出し、使用時間を、タイマ回路108から読み出したデータが示す曜日に対応づけて記憶部102に記憶させる(ステップS106)。なお、同日にテレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間が既に記憶部102に記憶されていた場合には、算出した使用時間を記憶部102に記憶されていた使用時間に加算する。
【0051】
ステップS101〜S106の処理によって、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間が、その日の曜日に対応して記憶部102に記憶される。なお、ここでは、テレビジョン放送受信機能の視聴中状態の使用時間を例にしたが、装置制御部101は、他の機能が使用されるときにも、使用状態に応じて使用時間を算出して、曜日に対応して記憶部102に記憶させる。また、記憶部102には、数週間(例えば、2週間)分の曜日ごとの使用時間が記憶される。装置制御部101は、ステップS106の処理で、今週の曜日に対応させて使用時間を記憶部102に記憶させる。
【0052】
次に、使用可能時間を算出する処理を、図6(B)を参照して説明する。装置制御部101は、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、使用可能時間を算出する処理を実行する。使用可能時間の算出開始の条件は、例えば、携帯通信端末100の電源オン時に成立する。また、予め決められている時刻になったことを使用可能時間の算出開始の条件の成立にしたり、ユーザの操作を使用可能時間の算出開始の条件の成立にしたりしてもよい。
【0053】
装置制御部101は、各曜日の携帯通信端末100の平均消費電力量を算出する(ステップS201)。「各曜日の平均消費電力量」は、複数回の各々の曜日の消費電力量の平均値を意味する。例えば、記憶部102に、2週間分の各機能の使用状態ごとの消費電力量が記憶されていたとする。ステップS201において、装置制御部101は、2週間分の各機能の使用状態ごとの消費電力量の平均値を、曜日ごとに算出する。すなわち、まず、2回の日曜の各機能の使用状態のそれぞれについて、使用時間の平均値を算出し、算出した平均値を、各機能の使用状態ごとの単位時間あたりの消費電力量を係数とする線形式に代入して、各機能の使用状態ごとの消費電力量を求め、求められた消費電力量の総和を日曜の平均消費電力量とする。
【0054】
装置制御部101は、月曜から土曜についても、日曜についての処理と同様の処理によって平均消費電力量を算出する。
【0055】
そして、装置制御部101は、ステップS201の処理で算出された各曜日の平均消費電力量と現在の曜日とにもとづいて、使用可能時間を算出する(ステップS202)。
【0056】
図7は、平均消費電力量から予想される日曜日と月曜日における蓄電量の変化の一例を示す説明図である。図7において、縦軸は充電池106の全蓄電容量に対する蓄電量の比率を示し、横軸は時間を示す。図7には、現時点が日曜日になったとき(日曜日の午前0時)である場合が例示されている。また、日曜日になったとき(日曜日の午前0時)の蓄電量は充電池106の全蓄電容量の95%であったとする。そして、月曜日になるときの蓄電量が充電池106の全蓄電容量の35%まで減少すると予測されることが示されている。したがって、日曜日には充電が行われなくても、充電池106の蓄電量がなくなることはない。しかし、日曜日に充電が行われることなく月曜日に各機能が平均使用時間使用されると、充電池106の蓄電量がなくなると予測されることが示されている。なお、装置制御部101は、現時点の曜日以降の各々の曜日の携帯通信端末100の消費電力量を用いて使用可能時間を算出するのであるが、使用可能時間の算出開始の条件が成立したときが日曜日の午前0時である場合には、使用可能時間の算出に際して、日曜日の消費電力量は用いられない
【0057】
図7に示す例において、「通話」に対応する線分は、「通話」についての日曜の使用時間の平均値と「通話」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。なお、「通話」の使用状態には、「通話開始時」と「通話中」とがあるが、図7における「通話」に対応する線分に相当する消費電力量は、「通話開始時の消費電力量と「通話中」の消費電力量との和である。「音楽再生」に対応する線分は、「音楽再生」についての日曜の使用時間の平均値と「音楽再生」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。「電子メール送受信」に対応する線分は、「電子メール送受信」についての日曜の使用時間の平均値と「電子メール送受信」についての単位時間あたりの消費電力量とにもとづいて算出された消費電力量に相当する。
【0058】
なお、図7に示す例において、「電池切れ」になる時刻が午前10時であるとすると、使用可能時間は、36時間である(常時電源オンの場合)。すなわち、装置制御部101は、充電池106の蓄電量がなくなると予測される時刻と現時刻とから、使用可能時間を得ることができる。
【0059】
また、使用可能時間の算出時期として日曜日になったとき(日曜日の午前0時)を例にしたが、使用可能時間の算出時期が曜日の切替時点でない場合には、現時点の曜日の平均消費電力量も考慮される。例えば、土曜日の1日の平均消費電力量によって充電池106の蓄電量が50%減少する場合に、使用可能時間の算出時期が土曜日の13時(午後1時)であるときには、土曜日のうちに(11/24)×50=23%蓄電量が減少するとみなす。
【0060】
そして、装置制御部101は、使用可能時間を表示部103のLCDに表示させる。また、装置制御部101は、現在の日時に使用可能時間を加えた時刻(つまり、充電池106が供給する電力で携帯通信端末100の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻)を充電開始時刻として表示部103のLCDに表示させる。装置制御部101は、表示部103のLCDに表示させた充電開始時刻と記憶部102に記憶されている充電実行時刻(例えば、午後9時)とにもとづいて、次回の充電実行時刻(例えば、当日の午後9時)までに蓄電量がなくなるか否かを示す使用可否情報を表示部103のLCDに表示させる(ステップS203)。なお、装置制御部101は、充電池106の充電が開始されたときに、タイマ回路108から日時を示すデータを入力し、入力したデータが示す時刻を充電実行時刻として記憶部102に記憶させる。また、記憶部102に記憶されている最新の充電実行時刻を、現時点の日における充電実行時刻(充電が実行されると予想される時刻)とする。
【0061】
具体的には、装置制御部101は、例えば、充電開始時刻が記憶部102に記憶されている充電実行時刻よりも遅い場合に、「電池残量:○」を表示部103のLCDに表示させ、充電開始時刻が記憶部102に記憶されている充電実行時刻よりも早い場合に、「電池残量:×」を表示部103のLCDに表示させる。
【0062】
図8は、LCDに表示される画面の例を示す説明図である。図7に示す例では、使用可能時間は6時間20分であり、充電開始時刻は現在から6時間20分後の22時20分頃であり、「電池残量:○」が表示部103のLCDに表示されている。
【0063】
なお、装置制御部101は、ユーザの操作に応じて、電池残量の詳細な情報を表示部103のLCDに表示させてもよい。図9は、LCDに表示される詳細な電池残量の画面の例を示す説明図である。
【0064】
図9に示す例では、機能ごとの使用可能時間が、待ち受け状態では10時間、通話機能が使用された場合には2時間、電子メール送受信機能が使用された場合には4時間であることが表示されている。装置制御部101は、例えば、その時点における充電池106の蓄電量を各機能の単位時間あたりの消費電力量で除算することによって、各々の機能ごとの使用可能時間(その機能のみが継続使用された場合の使用可能時間)を算出する。
【0065】
なお、図9に示す例では、使用状態ごとの表示は行われていないが、使用状態ごとに使用可能時間が表示されるように構成されていてもよいし、各機能が使用された場合における使用状態の時間の割合に応じて算出した使用可能時間が表示されるように構成されていてもよい。
【0066】
以上に述べたように、本実施形態によれば、携帯通信端末の使用可能時間を正確に算出でき、ユーザに充電すべきか否かを容易に判断させることができる。また、LCDに使用可否情報を表示させるので、ユーザに適切なタイミングで充電させることができる。携帯通信端末で充電池106としてよく用いられているリチウムイオン充電池は、充電回数が増加すると性能が劣化する。本実施形態によれば、充電回数の増加を抑えることができる。
【0067】
なお、装置制御部101が現在の日時に使用可能時間を加えた時刻よりも早い時刻(例えば、30分早い時刻)をLCDに充電開始時刻として表示させてもよい。そのように構成された場合には、充電開始時刻から蓄電量がなくなるまでに猶予時間があるので、ユーザに安心感を与えることができる。
【0068】
また、装置制御部101は、使用可能時間が予め決められた時間(例えば、30分)よりも短い場合に、消費電力量を低減した省電力状態に遷移させるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、LCDバックライトやキーバックライトの輝度を低下させたり、LCDバックライトやキーバックライトを消灯させたりする。また、LCDに表示させる待ち受け画面を消費電力量が少ない他の待ち受け画面に変更したりする。
【0069】
そのように構成された場合には、充電池106の蓄電量がなくなるまでの時間を長くすることができる。
【0070】
また、携帯通信端末100の温度に対する消費電力量の変化や充電池106の温度に対する特性の変化を示す温度特性情報を予め記憶部102に記憶させ、携帯通信端末100の内部の温度を測定する温度センサ(温度測定手段)を備え、装置制御部101が、当該温度センサが測定した温度と、温度特性情報とにもとづいて使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、周辺環境に応じた適切な使用可能時間を算出することができる。
【0071】
また、装置制御部101は、複数の機能のうち、一部の機能が既に使用された場合には、当該一部の機能を除いた他の機能の平均使用時間の割合にもとづいて、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。具体的には、通話機能の平均使用時間が1時間である場合に、既に通話機能が1時間使用されたことが記憶部102に記憶されている場合には、通話機能以外の機能の平均使用時間の割合にもとづいて、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。また、通話機能の平均使用時間が1時間である場合に、既に通話機能が30分使用されたことが記憶部102に記憶されている場合には、通話機能の平均使用時間の割合を使用時間に応じて減じて(本例では、1時間のうち30分使用されたので(つまり50%使用されたので)、通話機能の平均使用時間の割合を50%減じて)、使用可能時間を算出するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、実際の使用状況に応じた使用可能時間を算出することができる。
【0072】
次に、本発明の概要を説明する。図10は、本発明の概要を示すブロック図である。本発明による携帯通信端末は、複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段201(図1に示す構成では、電源制御部105および装置制御部101で実現されている。)と、計測手段201が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段202(図1における記憶部102に相当)に保存する使用時間保存手段203(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、計測手段201が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて記憶手段202に保存する単位消費電力量保存手段204(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、記憶手段202に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段205(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)と、現時点の充電池の蓄電量(例えば、前回の充電時の充電量−現時点までの放電量)と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段206(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)とを備えている。
【0073】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が算出した使用可能時間を表示部(図1における表示部103に相当)に表示する使用可能時間表示制御手段(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)を含む構成も開示されている。
【0074】
そのような構成によれば、ユーザに適切なタイミングで充電させることができる。
【0075】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が、現在日時と使用可能時間とにもとづいて、充電池が供給する電力で携帯通信端末の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻を算出することも開示されている。そのような構成によれば、ユーザに現在の充電池の蓄電量にもとづく動作不能時刻を認識させることができる。
【0076】
また、上記の実施形態には、使用可能時間算出手段206が算出した使用可能時間が予め決められた時間よりも短い場合に、消費電力量が低減される省電力状態に遷移させる状態遷移手段(図1に示す構成では、装置制御部101で実現されている。)を含む構成も開示されている。そのような構成によれば、充電池の蓄電量がなくなるまでの時間を長くすることができる。
【0077】
また、上記の実施形態には、携帯通信端末内の温度を測定する温度測定手段を含み、使用可能時間算出手段206が、温度測定手段が測定した温度に適合する使用可能時間を算出する構成も開示されている。そのような構成によれば、周辺環境に応じた適切な使用可能時間を算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明を、使用可能時間を算出する携帯通信端末に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
100 携帯通信端末
101 装置制御部
102 記憶部
103 表示部
104 入力部
105 電源制御部
106 充電池
107 無線部
108 タイマ回路
201 計測手段
202 記憶手段
203 使用時間保存手段
204 単位消費電力量保存手段
205 消費電力量算出手段
206 使用可能時間算出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末であって、
前記複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存手段と、
前記計測手段が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて前記記憶手段に保存する単位消費電力量保存手段と、
使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、前記記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段と、
現時点の前記充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段と
を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
使用可能時間算出手段が算出した使用可能時間を表示部に表示する使用可能時間表示制御手段を備えた
請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
使用可能時間算出手段は、現在日時と使用可能時間とにもとづいて、充電池が供給する電力で当該携帯通信端末の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻を算出する
請求項1または請求項2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
使用可能時間算出手段が算出した使用可能時間が予め決められた時間よりも短い場合に、消費電力量が低減される省電力状態に遷移させる状態遷移手段を備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
当該携帯通信端末内の温度を測定する温度測定手段を含み、
使用可能時間算出手段は、前記温度測定手段が測定した温度に適合する使用可能時間を算出する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末の使用可能時間を算出する使用可能時間算出方法であって、
前記複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測された使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存ステップと、
前記計測ステップで計測された単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて前記記憶手段に保存する単位消費電力量保存ステップと、
使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、前記記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出ステップと、
現時点の前記充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出ステップとを含む
ことを特徴とする使用可能時間算出方法。
【請求項7】
使用可能時間算出ステップで算出された使用可能時間を表示部に表示する
請求項6記載の使用可能時間算出方法。
【請求項1】
通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末であって、
前記複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存手段と、
前記計測手段が計測した単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて前記記憶手段に保存する単位消費電力量保存手段と、
使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、前記記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出手段と、
現時点の前記充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出手段と
を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
使用可能時間算出手段が算出した使用可能時間を表示部に表示する使用可能時間表示制御手段を備えた
請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
使用可能時間算出手段は、現在日時と使用可能時間とにもとづいて、充電池が供給する電力で当該携帯通信端末の駆動が不能になる時刻である動作不能時刻を算出する
請求項1または請求項2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
使用可能時間算出手段が算出した使用可能時間が予め決められた時間よりも短い場合に、消費電力量が低減される省電力状態に遷移させる状態遷移手段を備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
当該携帯通信端末内の温度を測定する温度測定手段を含み、
使用可能時間算出手段は、前記温度測定手段が測定した温度に適合する使用可能時間を算出する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
通話機能を含む複数の機能を有し、充電池が供給する電力で駆動される携帯通信端末の使用可能時間を算出する使用可能時間算出方法であって、
前記複数の機能のうちの各々の機能が使用されているときに、使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測された使用時間を、機能ごとに、かつ、現時点の曜日に対応させて記憶手段に保存する使用時間保存ステップと、
前記計測ステップで計測された単位時間あたりの消費電力量を、機能に対応させて前記記憶手段に保存する単位消費電力量保存ステップと、
使用可能時間の算出開始の条件が成立すると、前記記憶手段に保存されている各機能に対応する使用時間と単位時間あたりの消費電力量とを用いて、曜日ごとの当該携帯通信端末の消費電力量を算出する消費電力量算出ステップと、
現時点の前記充電池の蓄電量と現時点の曜日以降の各々の曜日の当該携帯通信端末の消費電力量とから、使用可能時間を算出する使用可能時間算出ステップとを含む
ことを特徴とする使用可能時間算出方法。
【請求項7】
使用可能時間算出ステップで算出された使用可能時間を表示部に表示する
請求項6記載の使用可能時間算出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−278645(P2010−278645A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127820(P2009−127820)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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