説明

携帯通信端末および情報選択方法

【課題】 複数の状態が選択可能に表示された状態であっても優れた操作性を得ることができる携帯通信端末およびその情報選択方法を提供する。
【解決手段】 携帯通信端末は、画像や文字等の情報を表示可能な表示部(101)と操作部(106)とを有する携帯通信端末であって、複数の情報を選択可能に表示部に表示させる制御手段(212)と、第2ユニットの操作部が設けられた面に表示部(101)の辺に沿った方向に伸びた形状を有し表示部に表示された情報の選択を行う選択操作手段(109)と、を有し、前記制御手段が、前記複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部に前記選択操作手段に沿って表示させ、前記選択操作手段の操作方向と同じ方向に少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示部を有する携帯通信端末に係り、特に複数の機能を搭載した携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型の表示部を有する携帯通信端末が普及しつつあり、特に表示画面を横長に変更できるタイプの携帯電話機は映像コンテンツの表示に適していることから、携帯性(持ち運び易さ)との両立を図るうえで注目されている。このような携帯通信端末の一例として、特開2007−49294号公報(特許文献1)に、2つの筐体をスライド可能かつ回動可能に連結し、液晶表示部を横長の姿勢に変更可能な携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−49294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年の携帯通信端末は情報処理能力も大きく向上しており、音声通話機能だけでなく、テレビ電話、カメラ、ブラウザ(インターネット接続)、電子メール、放送受信(TV)など様々な機能(タスク)が搭載されている。特に、複数の機能を同時実行して表示部に表示している状態では、所望の機能を選択することが容易ではなくなり、表示画面の姿勢を縦長あるいは横長に変更しても操作性を向上させることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、複数の状態が選択可能に表示された状態であっても優れた操作性を得ることができる携帯通信端末および情報選択方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による携帯通信端末は、画像や文字等の情報を表示可能な矩形の表示部と操作部と有する携帯通信端末であって、複数の機能を選択可能に前記表示部に表示させる制御手段と、前記第2ユニットの前記操作部が設けられた面に、前記表示部の辺に沿った方向に伸びた形状で前記表示部の横辺に沿ってまたは縦辺および横辺の両方に沿って配置され、前記表示部に表示された複数の機能の選択を行う選択操作手段と、を有し、前記制御手段が、前記複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部に前記選択操作手段に沿って表示させ、前記選択操作手段の操作方向と同じ方向に少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させることを特徴とする。
本発明による情報選択方法は、携帯通信端末に設けられた矩形の表示部に表示された複数の情報を選択する方法であって、 複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部の1つの辺に沿った方向に配列表示し、前記表示部の辺に沿った方向に伸びた形状で前記表示部の横辺に沿ってまたは縦辺および横辺の両方に沿って配置された線状の選択操作手段により検出された位置情報に従って少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させ、前記強調表されたアイコンに対応する機能を選択する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の状態が選択可能に表示された状態であっても優れた操作性を得ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)、(B)および(C)は、本発明の一実施例による携帯通信端末の縮退状態、スライド状態および回転状態をそれぞれ示す平面図である。
【図2】本実施例による携帯通信端末のユニット結合部を示す一部破断の平面図である。
【図3】本実施例による携帯通信端末の回転状態における操作例を説明するための平面図である。
【図4】本実施例による携帯通信端末の回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例による携帯通信端末における操作子の機能割当変更手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】(A)は本実施例による携帯通信端末における機能起動制限手順の一例を示すフローチャートであり、(B)は機能一括起動手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施例による携帯通信端末の記憶部に格納された設定情報の一例を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.構成
図1(A)、(B)および(C)は、本発明の一実施例による携帯通信端末の縮退状態、スライド状態および回転状態をそれぞれ示す平面図であり、図2は本実施例による携帯通信端末のユニット結合部を示す一部破断の平面図である。本実施例による携帯通信端末は、第1ユニット10と第2ユニット20とが結合部30(図2参照)によってスライド可能かつ回転可能に連結されている。すなわち、結合部30には、図1(B)に示すように第1ユニット10と第2ユニット20とを矢印方向にスライドさせるスライド機構と、最も伸展させたスライド状態において第1ユニットと第2ユニットとを図1(C)に示すように回動可能に結合する回転機構とが設けられている。
【0010】
第1ユニット10と第2ユニット20とは、図1(A)に示す縮退状態でほぼ重なるように形状およびサイズがほぼ同一であり、その形状は縦長の矩形である。第1ユニット10の前面のほぼ全体に縦長矩形の表示部101が設けられ、その上にタッチパネルが設けられている。表示部101のサイズは一例として100×35[mm]である。さらに第1ユニット10の長手方向の両端にスピーカ102および103が搭載されている。また、縮退状態およびスライド状態において、表示部101上のタッチスクリーンに入力手段として十字キー104が表示されてもよい。
【0011】
図1(B)および図2に示すように、結合部30によって第1ユニット10は第2ユニット20に対して矢印方向にスライド可能である。このスライド状態で、第2ユニット20の前面下部に設けられたマイク105およびテンキー106が露出する。後述するように、スライド状態で電話機能が使用可能となるので、電話モードでは上端のスピーカ102を受話器、下端のマイク105を送話器として使用すればよい。
【0012】
図1(C)に示すように、結合部30によって、スライド状態の第1ユニット10は第2ユニット20に対して矢印方向に回転可能である。回転状態では、第1ユニット10と第2ユニット20とがT字状となり、横方向の第1ユニット10の表示部101が横長画面となり、その左右対称の位置にスピーカ102および103が位置する形態となる。
【0013】
この回転状態で、第2ユニット20の前面にあってテンキー106の上に設けられた十字キー108、トラックパッド109およびカメラ開口部107が露出する。図示されていないが、その他にスクロールキーや決定キー等のキーも別個に設けられていてもよい。十字キー108は、表示画面のカーソルの移動、メニュー項目の選択、表示画面のスクロール、あるいはアクティブウィンドウの切替などを行うことができる。
【0014】
上述したように、本実施例による携帯通信端末では、大きく分けて2種類の操作子が設けられている。第1の操作子は通常の情報入力用の操作キーであり、携帯電話機などに設けられているテンキー106などである。第2の操作子は機能ウィンドウ、アイコンあるいはメニュー項目の選択や表示画面のスクロールなどを行う選択操作キーであり、ここではトラックパッド109である。
【0015】
トラックパッド109は、操作が容易であることと端末の小型化が可能となるように、線形状あるいは横長形状であることが望ましい。本実施例におけるトラックパッド109は、横長の表示部101に対応してほぼ平行に設けられている。ただし、更にもう1本の線状トラックパッドを直交して設けることで2次元的な画面操作も可能である。トラックパッド109は静電式あるいは感圧式の周知のものを使用することができ、ユーザがトラックパッド109上で指をスライドさせることで表示画面の操作が可能となる。具体例は後述するが、たとえば、表示画面のカーソルの移動、メニュー項目の選択、表示画面のスクロール、あるいはアクティブウィンドウの切替などである。また、トラックパッド109は回転状態以外の端末状態では第1ユニット10によって覆われて保護されているので、意図しない画面操作を防止できる。
【0016】
図3は本実施例による携帯通信端末の回転状態における操作例を説明するための平面図である。端末が回転状態であれば、表示部101が横長であることを利用して、メールや電話帳検索などのだけでなく、Webサイトのコンテンツ画像表示、TV視聴、カメラ撮影あるいはTV電話などの機能を利用することができ、また図3に例示するように、これら複数の機能(タスク)をいわゆるウィンドウ表示することもできる。
【0017】
図3の例では、4つのタスクTask1-Task4が表示部101にウィンドウ表示されている。更に、これらのタスクにそれぞれ対応したアイコンT1−T4が表示画面の最下部にトラックパッド109と平行になるように表示されている。また、現在アクティブになっているウィンドウおよびそれに対応したアイコン(図3ではTask2、T2)は、一目で判別できるように強調表示されることが望ましい。
【0018】
このように複数タスクが起動してそれぞれのウィンドウが表示されているとき、ユーザが指でトラックパッド109を左から右へ走査すると、アクティブウィンドウを示す強調表示も同じ方向へ移動する。すなわちアクティブウィンドウがTask2およびT2から右にあるTask3およびT3へ、さらにTask4およびT4へシフトする。逆にトラックパッド109の右から左へ指を走査すると、同じ方向にアクティブウィンドウをシフトさせることができる。所望のタスクの操作またはメニューあるいはメニュー項目の選択を行う場合には、たとえば当該タスクをアクティブにしてからトラックパッド109を指で2回連続して打つなどの操作により決定すればよい。
【0019】
このように起動している複数のタスクにそれぞれ対応したアイコンが表示画面の最下部にトラックパッド109と平行になるように表示されているので、トラックパッド109上で指を移動させるだけで、多数のタスクから所望のタスクを容易に選択することができる。なお、1つのタスクだけが起動されている場合は、後述するようにトラックパッド109の機能をスクロールに切り替えてもよい。
【0020】
図4は本実施例による携帯通信端末の回路構成を示すブロック図である。本実施例による携帯通信端末は、無線通信機能(通話、メール送受信、インターネット接続)だけでなくTV放送受信機能も備えており、そのためにアンテナを介して無線基地局(図示せず)との間で無線により情報の送受を行う無線通信部201と、放送局(地上局、衛星など)から送信された放送信号をアンテナを介して受信して復調し、映像データ、音声データ、その他データの信号処理を行う放送受信部202と、を有する。
【0021】
また、回転状態で利用可能となるカメラ機能は、画像情報の取得(撮影)を行うカメラ部203によって実現される。音声処理部204は、送話部(マイク105)および受話部(スピーカ102)を介して入出力された音声信号の処理を行う。
【0022】
音声出力切替制御部205は、上述したようにスライド状態での電話モードではスピーカ102を音声処理部204に接続し、音声処理部204からの受信音声信号をスピーカ102により出力する。また、回転状態でのTV受信モードあるいはコンテンツ再生モードなどでは、音声出力切替制御部205は、スピーカ102およびスピーカ103の両方をモノラル/ステレオ音声出力装置として機能させる。この機能以外では、スピーカ103は、楽音や報知音などの鳴音出力を行うために使用される。
【0023】
表示部101は、上述したように、画像、図形、文字、記号などの情報を表示する機能を有するが、タッチパネル206が表示部101上に設けられていることで、圧力や静電容量等の方式により利用者の入力操作を感知するスイッチ機能(タッチスクリーン)としても機能する。
【0024】
操作制御部207は、テンキー106、十字キー108およびトラックパッド109、その他スクロールキーや決定キー等が接続され、タッチパネル206とともにユーザによる各種情報入力を可能にする。
【0025】
状態検出部208は、スライドセンサ209および回動センサ210に接続され、端末の第1ユニット10および第2ユニット20の状態を検出する。スライドセンサ209および回動センサ210は、たとえば磁気/ホール素子または凸部/押下スイッチ等で構成することができ、スライドセンサ209は第1ユニット10が第2ユニット20に対してスライドして伸展状態(図1(B))になったことを検出し、回動センサ210は第1ユニット10が第2ユニット20に対して回転して回転状態(図1(C))になったことを検出する。
【0026】
記憶部211は半導体メモリおよび/または磁気メモリ(HDDなど)から構成され、電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報、コンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、撮影画像、携帯無線端末の設定情報などを格納する。
【0027】
制御部212は、上述した各ブロック(参照番号101、201−208、211)とバス接続されており、電話機能、メール機能、インターネット(Web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、コンテンツ再生機能、その他端末に搭載された機能や端末の全体的な動作の制御を行う。たとえば、制御部212の制御の下で、状態検出部208によって検出された端末の状態(縮退状態、スライド状態あるいは回転状態)に従って、操作キーやトラックパッドなどの操作子の機能割当を変更したり、表示部101が縦長か横長かによって表示画面の向きを変化させたり、端末の状態に応じて予め設定された機能のみを一括して画面に表示したりする。また、上述したようにトラックパッド109は、第1ユニット10のスライド伸展および回動によって外部に露出し、表示部101に表示された機能ウィンドウ、アイコンあるいはメニュー/メニュー項目の選択、スクロール等を行うことができる。
【0028】
なお、制御部212は、CPU等のプログラム制御プロセッサ上でそれぞれの機能および機能制御プログラムを実行することで、ソフトウエアにより実現されうる。
【0029】
2.動作
2.1)操作子の割当機能変更
図5は本実施例による携帯通信端末における操作子の機能割当変更手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、回転状態でトラックパッド109が利用可能である場合の機能割当変更を例示する。
【0030】
制御部212は、状態検出部208の検出信号をモニタし、端末が回転状態になったか否かを判定する(ステップS301)。回転状態で十字キー108およびトラックパッド109が操作可能になると(ステップS301:Yes)、制御部212は現在複数のタスクが起動しているか否かを判定する(ステップS302)。
【0031】
現在複数のタスクが起動している場合(ステップS302:Yes)、制御部212はトラックパッド109によるマルチタスク操作を有効とし(ステップS303)、トラックパッド109が走査されたか否かを判定する(ステップS304)。トラックパッド109が走査された時(ステップS304:Yes)、制御部212はトラックパッド109の操作位置に応じたタスクを選択して機能アクティブにする(ステップS305)。
【0032】
現在単一のタスクが起動している場合(ステップS302:No)、制御部212はトラックパッド109によるスクロール操作を有効とし(ステップS306)、トラックパッド109が走査されたか否かを判定する(ステップS307)。トラックパッド109が走査された時(ステップS307:Yes)、制御部212はトラックパッド109の走査量に応じた横方向のスクロールを行う(ステップS308)。
【0033】
このようにトラックパッド109の機能は、マルチタスク起動中か単一タスク起動中かに応じてタスク選択とスクロールとの間で切り替えられる。同様の機能変更は、回転状態で露出する十字キー108にも適用できる。
【0034】
2.2)機能起動制御
図6(A)は本実施例による携帯通信端末における機能起動制限手順の一例を示すフローチャートであり、(B)は機能一括起動手順の一例を示すフローチャートである。図7は本実施例による携帯通信端末の記憶部に格納された設定情報の一例を示すテーブルである。
【0035】
上述したように、本実施例による携帯通信端末は、第1ユニット10と第2ユニット20とを閉じた縮退状態から、第1ユニット10をスライドさせて第2ユニット20のテンキー106を外部に露出させたスライド状態、更に第1ユニット10を回動させて第2ユニット20の十字キー106、トラックパッド109およびカメラ開口部107を露出させた回転状態へ変位することができる。従って、所定の機能(通話、メール、テレビ電話、インターネット接続、放送受信等)を最適な端末状態で利用できるように予め設定しておくことが望ましい。特に多機能化が進むほど端末状態と使用可能なキーおよび機能とをマッチングさせることが煩雑になるので、このマッチングをある範囲で事前に設定しておくことが望ましい。更に、端末の処理能力および表示面積を考慮して、同時起動されるタスク数を制限することが望ましい。
【0036】
たとえば、図7に示すように、縮退状態では第2ユニット2に設けられたキーは露出していないので、電源キー(図示せず。)の他にはタッチスクリーン十字キー104のみを有効にしておき、1つのタスク(ここではメニュー選択)のみを起動可能にしておく(Nth=1)。更に、予め起動する機能をメニュー選択に設定しておく。
【0037】
スライド状態ではテンキー106が露出するので、タッチスクリーン十字キー104の他にテンキー106を有効にし、3つのタスク(ここではメニュー選択、電話およびメール)を起動可能にするとともに、最大起動タスク数を2に制限しておく(Nth=2)。更に、予め起動する機能をメニュー選択と電話機能の2つに設定しておく。
【0038】
回転状態ではテンキー106に加えて十字キー108、トラックパッド109およびカメラも操作可能になるので、全タスク(ここではメニュー選択、電話、メール、テレビ受信、カメラ撮影、テレビ電話、Web接続、コンテンツ再生)を起動可能にするとともに、起動タスク数を5に制限する(Nx=5)。更に、予め起動する機能をメニュー選択、電話機能、メール機能、カメラ機能およびWeb接続機能の5つに設定しておく。
【0039】
このような設定情報が記憶部211に格納されていると仮定した場合、ユーザが何らかの操作子を操作してある機能を起動しようとしたとき、制御部212は次のようにして機能起動の可否を判定し制限する。
【0040】
図6(A)に示すように、制御部212は、タッチスクリーン十字キー104、テンキー106あるいは十字キー108の操作により機能の起動要求があるか否かを判定し(ステップS401)、機能起動要求があれば(ステップS401:Yes)、状態検出部208の検出結果を用いて現在の端末の状態が回転状態であるか否かを判定する(ステップS402)。回転状態以外、すなわち縮退状態あるいはスライド状態であれば(ステップS402:No)、制御部212は記憶部211の設定情報テーブルを参照して、要求された機能が現端末状態で許可された機能に含まれるか否かを判定する(ステップS403)。許可された機能であれば(ステップS403:Yes)、制御部212はさらに現在起動中の機能数Nfが設定された上限起動数Nth以下であるか否かを判定する(ステップS404)。Nf≦Nthであれば(ステップS404:Yes)、要求された機能を起動する(ステップS405)。
【0041】
現在の端末の状態が回転状態であれば(ステップS402:Yes)、制御部212は記憶部211の設定情報テーブルを参照して、現在起動中の機能数Nfが設定された上限起動数Nx以下であるか否かを判定する(ステップS406)。Nf≦Nxであれば(ステップS406:Yes)、要求された機能を起動する(ステップS405)。
【0042】
機能の起動要求がない場合(ステップS401:No)、要求された機能が現状態で許可された機能でない場合(ステップS403:No)、Nf>Nthである場合(ステップS404:No)あるいはNf>Nxである場合(ステップS406:No)には、当該機能を起動することなく処理を終了する。ただし、その際、要求が拒否された理由をユーザに通知することが望ましい。たとえば、要求された機能が現状態で許可された機能でない場合であれば(ステップS403:No)、その旨を表示部101に表示する。また現在起動中の機能数Nfが上限起動数Nthを超えているのであれば(ステップS404:No)、起動中の機能をどれか終了させるように催促するように表示部101に表示する。
【0043】
このように携帯通信端末の状態に応じて、ユーザによる最適な機能選択を促すことができる。例えば、切替操作性に応じて、縮退状態ではタスク数1、スライド状態ではタスク数2、回転状態タスク数5の起動機能数の上限を設定することで、ユーザが切替操作で迷うことを回避できる。また各端末状態での起動できる機能(タスク)として、例えば、動画再生/編集は、当該タスク(機能)を利用する上での必要な操作子(テンキー106、十字キー108、トラックパッド109)が露出して操作性に支障がない回転状態でのみ起動できるようにすれば、利用者の操作性向上にもつながる。
【0044】
また、ユーザが事前に起動しておきたい機能を端末状態ごとに設定しておくことで、端末の状態を変更するだけで最適な機能を一括して起動することができる。
【0045】
図6(B)に示すように、制御部212は、状態検出部208の検出結果をモニタしながら端末の状態に変化があるか否かを判定する(ステップS501)。端末状態に変化があれば(ステップS501:Yes)、制御部212は記憶部211の設定情報テーブルを参照して、現在の状態に機能設定がされているか否かを判定する(ステップS502)。
【0046】
現在の状態に機能設定がされていれば(ステップS502:Yes)、その設定された機能を起動する(ステップS503)。たとえば、スライド状態から回転状態へ変化させたならば、制御部212は記憶部211の設定情報テーブルから回転状態の設定起動機能(ここでは、メニュー選択、電話機能、メール機能、カメラ機能およびWeb接続機能)を参照して、スライド状態で起動していない機能(メール機能、カメラ機能およびWeb接続機能)を一括して起動する。
【0047】
なお、現在の状態に機能設定がされていない場合には(ステップS502:No)、前回の最終利用機能を起動するようにすればよい(ステップS504)。
【0048】
このように、制御部212は、開状態(スライド→回動状態)に変位させたときに、事前の設定に応じた所定の機能(インターネット接続、放送受信等)を一括して起動させるように制御する。これにより、個々に機能を立ち上げる手間を省き、マルチタスク機能の十分な活用を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は携帯電話機などの表示部を有する携帯通信端末に提供可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 第1ユニット
20 第2ユニット
30 結合部
101 表示部
102 スピーカ
103 スピーカ
104 タッチスクリーン十字キー
105 マイク
106 テンキー
107 カメラ開口部
108 十字キー
109 トラックパッド
201 無線通信部
202 放送受信部
203 カメラ部
204 音声処理部
205 音声出力切替制御部
206 タッチパネル
207 操作制御部
208 状態検出部
209 スライドセンサ
210 回動センサ
211 記憶部
212 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像や文字等の情報を表示可能な矩形の表示部と操作部と有する携帯通信端末において、
複数の機能を選択可能に前記表示部に表示させる制御手段と、
前記第2ユニットの前記操作部が設けられた面に、前記表示部の辺に沿った方向に伸びた形状で前記表示部の横辺に沿ってまたは縦辺および横辺の両方に沿って配置され、前記表示部に表示された複数の機能の選択を行う選択操作手段と、
を有し、前記制御手段が、前記複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部に前記選択操作手段に沿って表示させ、前記選択操作手段の操作方向と同じ方向に少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記制御手段は、複数の機能を起動して前記表示部にそれらの情報を表示しているときは前記選択操作手段を前記複数の機能の切替操作手段として制御し、単一機能を起動して前記表示部に表示しているときには前記選択操作手段を前記表示情報の移動手段として制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記選択操作手段は、前記表示部の長手方向とほぼ平行に伸びた形状を有し、前記表示部の所定領域と対応した操作子であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記表示部を有する第1ユニットと前記操作部を有する第2ユニットとからなり、前記第1ユニットは前記第2ユニットとほぼ同一形状および同一サイズを有し、前記第1ユニットと前記第2ユニットとはスライド可能であり、かつスライド伸展状態において回転可能に結合されており、前記表示部が前記第2ユニットに対してほぼ直交する横長状態となる回転状態に設定されたとき、前記選択操作手段は、前記表示部の長手方向と平行であることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの位置関係に応じて起動する機能数を制限することを特徴とする請求項4に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの位置関係に応じて起動すべき機能を予め設定することを特徴とする請求項4または5に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記選択操作手段はトラックパッドであることを特徴とする請求項1−6のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
携帯通信端末に設けられた矩形の表示部に表示された複数の情報を選択する方法において、
複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部の1つの辺に沿った方向に配列表示し、
前記表示部の辺に沿った方向に伸びた形状で前記表示部の横辺に沿ってまたは縦辺および横辺の両方に沿って配置された線状の選択操作手段により検出された位置情報に従って少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させ、
前記強調表示されたアイコンに対応する機能を選択する、
ことを特徴とする携帯通信端末における情報選択方法。
【請求項9】
複数の機能を起動して前記表示部にそれらの情報を表示しているときは前記選択操作手段によって前記複数の機能を切り替え、単一機能を起動して前記表示部に表示しているときには前記選択操作手段によって前記表示情報をスクロールさせる、ことを特徴とする請求項8に記載の携帯通信端末における情報選択方法。
【請求項10】
携帯通信端末に設けられた矩形の表示部に表示された複数の情報を選択するようにコンピュータを機能させるプログラムであって、
複数の機能にそれぞれ対応した複数のアイコンを前記表示部の1つの辺に沿った方向に配列表示し、
前記表示部の辺に沿った方向に伸びた形状で前記表示部の横辺に沿ってまたは縦辺および横辺の両方に沿って配置された線状の選択操作手段により検出された位置情報に従って少なくとも前記アイコンの強調表示を移動させ、
前記強調表示されたアイコンに対応する機能を選択する、
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−178837(P2012−178837A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85661(P2012−85661)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2007−253254(P2007−253254)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】