携帯電子機器
【課題】音声出力部により振動が発生した場合に、誤って歩数が計測されるのを抑制できる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、加速度を検出する加速度センサ35と、音声データAに基づいて音声を出力するスピーカ34と、スピーカ34が出力する音声の出力状態に基づく振動パターンBにより、加速度センサ35が検出した加速度データCを補正した補正加速度データを計算する計算部42と、を備え、計算部42は、当該補正加速度データに基づいてユーザの歩数を計測する。
【解決手段】携帯電話機1は、加速度を検出する加速度センサ35と、音声データAに基づいて音声を出力するスピーカ34と、スピーカ34が出力する音声の出力状態に基づく振動パターンBにより、加速度センサ35が検出した加速度データCを補正した補正加速度データを計算する計算部42と、を備え、計算部42は、当該補正加速度データに基づいてユーザの歩数を計測する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩数計測の機能を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯電子機器には、自機の姿勢や動作等の状態を検出するために、加速度センサが搭載されているもがある。このような携帯電子機器は、加速度センサにより検出された各状態に応じて、例えば、所定のアプリケーションを起動させたり、制御内容を変更させたりするように構成されている。
【0003】
加速度センサを利用したアプリケーションとしては、様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、加速度センサにより検出された加速度を利用して歩数を計測するアプリケーションプログラムを有する携帯電話機が提案されている。
【0004】
ここで、加速度に基づく歩数の計測アルゴリズムの一例を説明する。人により歩き方の違いはあるが、多くは、加速度が1Gより低くなった後に1Gより高くなるサイクルを繰り返すことが知られている。したがって、このサイクルをカウントしていけば、歩数を計測することができる。
【0005】
具体的には、例えば以下の手順を繰り返す。すなわち、(1)加速度が1Gより低くなるのを検出する。(2)加速度が1Gより高く、かつ(1)で検出した加速度との差が一定以上あることを検出する。(3)一定時間内に(2)が成立したら歩数としてカウントする。(4)歩数をカウントするか、一定時間を過ぎたら(1)に戻って繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−167758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年では、携帯電子機器の多機能化に伴って、音声出力部(スピーカ)より音楽等の音声を出力する機能を備えた携帯電子機器も多く登場している。そして、このスピーカは、音声を出力する度に、振動を発生させる。
【0008】
すると、特許文献1の携帯電話機では、歩行動作以外の動作、すなわちスピーカの振動によって発生する加速度が合成されて加速度センサにより検出される。その結果、歩数としてカウントされる加速度の閾値を超えてしまう場合があるため、誤った歩数を計測してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、音声出力部により振動が発生した場合に、誤って歩数が計測されるのを抑制できる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯電子機器は、加速度を検出する加速度検出部と、音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、前記音声出力部が出力する音声の出力状態に基づいて、前記加速度検出部が検出した第1の加速度を補正した補正加速度を計算する第1の計算部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記音声の出力状態に基づいて所定の物理量を計算する第2の計算部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記所定の物理量と前記第1の加速度とに基づいて前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0012】
また、前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する第2の加速度である、ことが好ましい。
【0013】
また、前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する音量である、ことが好ましい。
【0014】
また、前記第1の計算部は、前記第2の加速度の逆位相の加速度を、前記第1の加速度に加算することにより、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0015】
また、前記第2の計算部は、前記所定の物理量を時系列に逐次計算し、前記音声出力部は、前記第2の計算部により前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声を出力し、前記第1の計算部は、前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声が出力されるのと同時に、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記音声出力部が音声を出力しているとき、前記第1の加速度および前記所定の物理量を時系列に同期させて記憶する記憶部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記記憶に記憶された前記第1の加速度と前記所定の物理量とに基づいて、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る携帯電子機器は、外部からの入力を受け付ける操作部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記操作部が所定の操作入力を受け付けたことを契機に、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る携帯電子機器は、表示部をさらに備え、前記所定の操作入力は、前記表示部に前記第1の計算部による計算結果を表示させる指示操作の一部または全てである、ことが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る携帯電子機器は、第1の筐体と、第2の筐体と、をさらに備え、前記所定の操作入力は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合った状態である閉状態から、開かれた状態である開状態へと変形させる操作入力である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、音声出力部により振動が発生した場合に、誤って歩数が計測されるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るCPUの処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る携帯電話機が静止状態でスピーカが振動した場合の加速度データと、補正加速度データと、を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る携帯電話機において、ユーザが歩行中にスピーカが振動した場合の加速度データを示す図である。
【図7】図6の加速度データのうち、歩行動作により発生した加速度成分と、スピーカの振動により発生した加速度成分とを分けて示した図である。
【図8】第2実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係るCPUの処理を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係るCPUのデータ取得処理を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係るCPUの歩数カウント処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第1実施形態について説明する。なお、携帯電子機器の一例として携帯電話機1を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機等、様々な携帯電子機器に適用可能である。
【0023】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0024】
携帯電話機1は、操作部側筐体2(第1の筐体)と、表示部側筐体3(第2の筐体)と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0025】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0026】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0027】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機1は、操作部11と、表示部21と、CPU30と、通信部31と、アンテナ32と、メモリ33と、スピーカ34(音声出力部)と、加速度センサ35(加速度検出部)と、開閉センサ36と、を備える。
【0028】
CPU30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、通信部31、スピーカ34等に対して所定の制御を行う。また、CPU30は、操作部11、加速度センサ35、あるいは開閉センサ36等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、CPU30は、処理実行の際には、メモリ33を制御し、各種プログラムおよびデータの読み出し、およびデータの書き込みを行う。
【0029】
表示部21は、CPU30の制御に従って、所定の画像処理を行う。そして、処理後の画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで画面出力する。
【0030】
通信部31は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。そして、通信部31は、アンテナ32より受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU30に供給し、また、CPU30から供給された信号を変調処理し、アンテナ32から外部装置に送信する。
【0031】
メモリ33は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU30による演算処理に利用される。また、メモリ33は、本実施形態に係る歩数計測の処理を実行させるプログラムや、各種データ等を記憶する。具体的には、音楽等の音声データと共に、この音声データをスピーカ34から出力したときに発生する加速度データ等を記憶する。なお、メモリ33は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
また、前記加速度データは、記憶されずにCPU30によって計算されてもよい。
【0032】
スピーカ34は、CPU30が備えるか、または別途設けられる音声制御部(図示せず)により処理された音声信号を外部に出力する。この音声信号は、通信部31から供給された信号や、メモリ33に記憶された音声データに対して、所定の音声処理を行ったもののである。これにより、例えば、メモリ33に予め格納してある音楽や、通話に伴う音声、テレビやラジオ放送の音声がスピーカ34より出力される。なお、スピーカ34は、上述のレシーバ22と共通の構成であってよい。
【0033】
ここで、スピーカ34は、各種の音声信号を出力する際に、携帯電話機1の筐体を振動させるため、音声信号に応じた加速度を携帯電話機1に発生させることになる。
【0034】
加速度センサ35は、携帯電話機1の加速度(第1の加速度)を検出し、検出結果をCPU30に出力する。加速度センサ35は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の互いに直交する3方向の加速度を検出する3軸(3次元)タイプであって、外部から加わった力(F)と質量(m)に基づいて、加速度(a)を測定する(加速度(a)=力(F)/質量(m))。ここで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度値をそれぞれ(X,Y,Z)としたときに、合成加速度値(G)は、「G=√(X2+Y2+Z2)」で表される。
【0035】
なお、本実施形態の加速度センサ35は3軸タイプとしたが、これには限られない。例えば、簡易的に1軸や2軸であってもよいし、あるいは精度良く検出するために4軸以上の多軸センサを用いてもよい。
【0036】
また、加速度センサ35は、例えば、圧電素子によって所定の質量に加わる力を計測して軸ごとの加速度を求め、数値データ化してバッファリングする。そして、CPU30は、周期的にバッファリングされた加速度データを読み出す。なお、加速度センサ35は、圧電素子(圧電式)に限らず、ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型等によるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式や、可動コイルを動かしてフィードバック電流によってもとに戻すサーボ式や、加速度によって生じる歪を歪ゲージによって測定する歪ゲージ式等により構成されてもよい。
【0037】
開閉センサ36は、操作部側筐体2に配置される磁石(図示せず)と、表示部側筐体3に配置されるホール素子(図示せず)とにより構成され、携帯電話機1の開閉状態を検出する。具体的には、開閉センサ36は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との位置関係の違いに伴う磁気の強弱を検出し、検出された結果に基づいて、携帯電話機1が開状態であるか閉状態であるかを判別する。
【0038】
図3は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42(第1の計算部)と、を備える。
【0039】
再生部41は、メモリ33に記憶されている音声データAを取得し、時系列に逐次、スピーカ34に提供するための音声信号を生成する。また、再生部41は、スピーカ34から音声を出力する際の音量データを、計算部42に提供する。
【0040】
計算部42は、再生部41に提供された音声データAと関連付けられてメモリ33に記憶されている振動パターンBを取得する。この振動パターンBは、音声データAに基づく音声がスピーカ34から出力されたときに発生する携帯電話機1の振動を示す所定の物理量であって、具体的には、加速度センサ35により検出されるものと同様の加速度データ(第2の加速度)である。
【0041】
なお、所定の物理量は、加速度には限られず、例えば、速度や躍度、あるいは振動数および振幅(音量)等、携帯電話機1の振動を示す様々なデータが採用可能である。計算部42は、これら所定の物理量を加速度データに変換し、変換後の加速度データを振動パターンBとして利用する。
【0042】
さらに、計算部42は、加速度センサ35により検出された加速度データC(第1の加速度)を取得する。また、計算部42は、メモリ33から取得した振動パターンB(第2の加速度)に対して、再生部41から取得した音量データにより増減の調整を行う。すなわち、音量が大きくなるほどスピーカ34により発生する加速度の大きさも上昇するので、音量が大きいほど振動パターンBが示す加速度値を大きく調整し、音量が小さいほど加速度値を小さく調整する。
【0043】
次に、計算部42は、加速度データCから、音量データにより調整を行った振動パターンBを減算して、補正加速度データを得る。ここで、減算とは、振動パターンBと逆位相の加速度データを加算することを示す。
【0044】
そして、計算部42は、この補正加速度データに対して、所定の歩数計測のアルゴリズムを適用し、歩数データを算出して出力する。なお、歩数計測には、既知の様々なアルゴリズムが適用可能である。以下、簡単のため、補正加速度データを時系列に監視した結果、加速度が所定の閾値を超えた回数を歩数として計測するものとして説明する。
【0045】
図4は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS1では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0047】
ステップS2では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS3に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS4に移る。
【0048】
ステップS3では、CPU30は、ステップS2で出力していると判断された音声データAに対応する振動パターンBをメモリ33から取得する。そして、CPU30は、取得した振動パターンBを音量データにより調整した後、ステップS1で取得した加速度データCから、調整済みの振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0049】
ステップS4では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0050】
図5は、本実施形態に係る携帯電話機1が静止状態でスピーカ34が振動した場合の加速度データと、補正加速度データと、を示す図である。
【0051】
CPU30は、加速度センサ35から、スピーカ34の振動により発生する加速度が合成された加速度データCを取得する。この加速度データCを用いて歩数カウントを実施した場合には、ユーザが実際には歩いていないのに、加速度が歩数カウントの閾値を超えることで、歩数としてカウントされてしまう。
【0052】
そこで、CPU30は、スピーカ34の振動により発生する加速度の逆位相の加速度データ、すなわち振動パターンBを加速度データCに加算する。その結果、スピーカ34の振動により発生した加速度が打ち消され、静止状態を示す補正加速度データが得られる。この補正加速度データを用いて歩数カウントを実施した場合には、加速度が歩数カウントの閾値を超えないので、正しい歩数(0歩)が計測される。
【0053】
図6は、本実施形態に係る携帯電話機1において、ユーザが歩行中にスピーカ34が振動した場合の加速度データを示す図である。
【0054】
CPU30は、歩行動作による周期の長い加速度の変動に、スピーカ34の振動により発生した周期の短い加速度の変動が合成された加速度データCを取得する。この加速度データCを用いて歩数カウントを実施した場合には、スピーカ34の振動により発生した加速度成分により、歩数カウントの閾値を超える加速度の変動が実際の歩数より多く発生してしまう。
【0055】
図7は、図6の加速度データのうち、歩行動作により発生した加速度成分と、スピーカ34の振動により発生した加速度成分とを分けて示した図である。
【0056】
CPU30は、スピーカ34により発生する加速度の逆位相の加速度データ、すなわち振動パターンBを加速度データCに加算する。その結果、図7に示すような歩行動作により発生した加速度データが補正加速度データとして抽出される。
【0057】
すると、CPU30は、この補正加速度データを用いて歩数カウントを実施した場合、歩行動作により閾値を超えた加速度の変動を正しく検出し、正しい歩数を計測することができる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、音声データAに対応する振動パターンBを予め記憶しておくことにより、スピーカ34からの音声出力に起因する振動の加速度成分を除去した補正加速度データを取得することができる。その結果、スピーカ34の振動の有無によらず、歩行動作に起因する加速度に基づいて、歩数を計測することができる。
【0059】
<第2実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第2実施形態について説明する。本実施形態では、メモリ33は、振動パターンBを予め記憶しておらず、再生される音声データから振動パターンBを予測計算する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0060】
図8は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42と、予測部43(第2の計算部)と、を備える。
【0061】
予測部43は、再生部41にて再生処理され、スピーカ34から出力される前の音声信号と、この音声信号がスピーカ34から出力されるときの音量データと、を時系列に逐次、取得する。そして、予測部43は、取得した音声信号および音量データから予測されるスピーカ34の振動による加速度を、振動パターンBとしてリアルタイムに算出する。
【0062】
そして、計算部42は、第1実施形態と同様に、加速度センサ35により取得した加速度データCから、予測部43により算出された振動パターンBを減算して、補正加速度データを得た後、この補正加速度データを用いて、スピーカ34から音声信号が出力されるのと同時に、あるいは遅延なく歩数データを算出して出力する。
【0063】
図9は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS11では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0065】
ステップS12では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS13に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS15に移る。
【0066】
ステップS13では、CPU30は、ステップS12で出力していると判断された音声データAから、スピーカ34の振動による加速度成分としての振動パターンBを算出する。
【0067】
ステップS14では、CPU30は、ステップS13で算出した振動パターンBを音量データにより調整した後、ステップS11で取得した加速度データCから、調整済みの振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0068】
ステップS15では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、出力される音声データAから振動予測の計算を行い、振動パターンBを生成する。これにより、予め記憶された音楽等の音声データに限らず、テレビやラジオ放送等の、予め振動パターンを準備できない音声を出力させる場合であっても、スピーカ34からの音声出力に起因する振動の加速度成分を除去した補正加速度データを取得することができる。その結果、出力される音声データの種類によらず、歩行動作に起因する加速度に基づいて、歩数を計測することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、音声データを再生すると共に、リアルタイムに振動パターンBを算出して歩数計測を行うので、ユーザは、補正加速度データに基づく正しい歩数データを、所望したときに即座に取得することができる。
【0071】
<第3実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第3実施形態について説明する。本実施形態では、振動パターンBおよび加速度データCを記憶しておき、所定のタイミングで歩数計測を実施する。なお、第1実施形態または第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0072】
図10は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42と、予測部43と、を備え、さらにメモリ33(記憶部)を制御する。
【0073】
予測部43は、第2実施形態とは異なり、算出した振動パターンBをメモリ33に記憶する。また、メモリ33は、加速度センサにより検出された加速度データCについても、振動パターンBと時系列に同期させて記憶する。
【0074】
そして、計算部42は、所定のタイミングでメモリ33から読み込んだ加速度データCおよび振動パターンBに基づいて、補正加速度データを得た後、この補正加速度データを用いて、歩数データを算出して出力する。
【0075】
ここで、所定のタイミングとは、歩数計測の結果を表示部21へ表示させるための指示操作入力の一部または全てである。具体的には、例えば、歩数計測のアプリケーション起動の操作入力や、アプリケーション起動の後に、結果表示の指示入力を受け付けたタイミングであってよい。
【0076】
図11は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30のデータ取得処理を示すフローチャートである。
【0077】
ステップS21では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0078】
ステップS22では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS23に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS24に移る。
【0079】
ステップS23では、CPU30は、ステップS22で出力していると判断された音声データAから、スピーカ34の振動による加速度成分としての振動パターンBを算出し、メモリ33に記憶する。
【0080】
ステップS24では、CPU30は、ステップS21で取得した加速度データCを、ステップS23で記憶した振動パターンBと時系列に同期を取って、メモリ33に記憶する。
【0081】
図12は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の歩数カウント処理を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS31では、CPU30は、データ取得処理(図11)で記憶した加速度データCおよび振動パターンBを、メモリ33から読み込む。
【0083】
ステップS32では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力していたか否か、すなわち、振動パターンBが加速度データCに対応付けられているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていたと判断し、ステップS33に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS34に移る。
【0084】
ステップS33では、CPU30は、ステップS31で読み込んだ加速度データCから、振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0085】
ステップS34では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、加速度データCおよび振動パターンBを一旦、バッファ(メモリ33)に記憶し、後から歩数カウント処理を実行する。これにより、計算部42の処理負荷を低減し、より正確に歩数を計測できる可能性がある。
【0087】
また、本実施形態によれば、ユーザが所望するタイミングで所定の操作入力を受け付けて、歩数計測の結果出力を行うので、ユーザの利便性が向上する。
【0088】
本実施形態では、歩数計測を実施するタイミングを、歩数計測の結果を表示部21へ表示させるための指示操作入力を受け付けたときとしたが、これには限られない。例えば、携帯電話機1の操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開き、閉状態から開状態へ変形させたタイミングであってもよい。この場合、CPU30は、開閉センサ36から開状態へ変形したことを示す信号を受信したことに応じて、歩数計測を実施する。
【0089】
これにより、ユーザは、明示的な操作入力によらず、表示の意思を示唆する開状態への変形動作(表示部21を表出させる動作)により、歩数計測の結果を表示させることができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0090】
また、メモリ33に記憶する加速度データCおよび振動パターンBは、時刻と関連付けて記憶することとしてよい。この場合、CPU30は、歩数を計測する時間(開始時刻および終了時刻)を指定する入力を受け付け、この時間に対応する加速度データCおよび振動パターンBを用いることにより、ユーザの所望する時間の歩数を計測して提示することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 操作部側筐体(第1の筐体)
3 表示部側筐体(第2の筐体)
11 操作部
21 表示部
30 CPU(第1の計算部、第2の計算部)
33 メモリ(記憶部)
34 スピーカ(音声出力部)
35 加速度センサ(加速度検出部)
36 開閉センサ
41 再生部
42 計算部(第1の計算部)
43 予測部(第2の計算部)
A 音声データ
B 振動パターン(第2の加速度)
C 加速度データ(第1の加速度)
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩数計測の機能を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯電子機器には、自機の姿勢や動作等の状態を検出するために、加速度センサが搭載されているもがある。このような携帯電子機器は、加速度センサにより検出された各状態に応じて、例えば、所定のアプリケーションを起動させたり、制御内容を変更させたりするように構成されている。
【0003】
加速度センサを利用したアプリケーションとしては、様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、加速度センサにより検出された加速度を利用して歩数を計測するアプリケーションプログラムを有する携帯電話機が提案されている。
【0004】
ここで、加速度に基づく歩数の計測アルゴリズムの一例を説明する。人により歩き方の違いはあるが、多くは、加速度が1Gより低くなった後に1Gより高くなるサイクルを繰り返すことが知られている。したがって、このサイクルをカウントしていけば、歩数を計測することができる。
【0005】
具体的には、例えば以下の手順を繰り返す。すなわち、(1)加速度が1Gより低くなるのを検出する。(2)加速度が1Gより高く、かつ(1)で検出した加速度との差が一定以上あることを検出する。(3)一定時間内に(2)が成立したら歩数としてカウントする。(4)歩数をカウントするか、一定時間を過ぎたら(1)に戻って繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−167758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年では、携帯電子機器の多機能化に伴って、音声出力部(スピーカ)より音楽等の音声を出力する機能を備えた携帯電子機器も多く登場している。そして、このスピーカは、音声を出力する度に、振動を発生させる。
【0008】
すると、特許文献1の携帯電話機では、歩行動作以外の動作、すなわちスピーカの振動によって発生する加速度が合成されて加速度センサにより検出される。その結果、歩数としてカウントされる加速度の閾値を超えてしまう場合があるため、誤った歩数を計測してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、音声出力部により振動が発生した場合に、誤って歩数が計測されるのを抑制できる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯電子機器は、加速度を検出する加速度検出部と、音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、前記音声出力部が出力する音声の出力状態に基づいて、前記加速度検出部が検出した第1の加速度を補正した補正加速度を計算する第1の計算部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記音声の出力状態に基づいて所定の物理量を計算する第2の計算部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記所定の物理量と前記第1の加速度とに基づいて前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0012】
また、前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する第2の加速度である、ことが好ましい。
【0013】
また、前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する音量である、ことが好ましい。
【0014】
また、前記第1の計算部は、前記第2の加速度の逆位相の加速度を、前記第1の加速度に加算することにより、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0015】
また、前記第2の計算部は、前記所定の物理量を時系列に逐次計算し、前記音声出力部は、前記第2の計算部により前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声を出力し、前記第1の計算部は、前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声が出力されるのと同時に、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記音声出力部が音声を出力しているとき、前記第1の加速度および前記所定の物理量を時系列に同期させて記憶する記憶部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記記憶に記憶された前記第1の加速度と前記所定の物理量とに基づいて、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る携帯電子機器は、外部からの入力を受け付ける操作部をさらに備え、前記第1の計算部は、前記操作部が所定の操作入力を受け付けたことを契機に、前記補正加速度を計算する、ことが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る携帯電子機器は、表示部をさらに備え、前記所定の操作入力は、前記表示部に前記第1の計算部による計算結果を表示させる指示操作の一部または全てである、ことが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る携帯電子機器は、第1の筐体と、第2の筐体と、をさらに備え、前記所定の操作入力は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合った状態である閉状態から、開かれた状態である開状態へと変形させる操作入力である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、音声出力部により振動が発生した場合に、誤って歩数が計測されるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るCPUの処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る携帯電話機が静止状態でスピーカが振動した場合の加速度データと、補正加速度データと、を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る携帯電話機において、ユーザが歩行中にスピーカが振動した場合の加速度データを示す図である。
【図7】図6の加速度データのうち、歩行動作により発生した加速度成分と、スピーカの振動により発生した加速度成分とを分けて示した図である。
【図8】第2実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係るCPUの処理を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係るCPUの機能を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係るCPUのデータ取得処理を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係るCPUの歩数カウント処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第1実施形態について説明する。なお、携帯電子機器の一例として携帯電話機1を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機等、様々な携帯電子機器に適用可能である。
【0023】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0024】
携帯電話機1は、操作部側筐体2(第1の筐体)と、表示部側筐体3(第2の筐体)と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0025】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0026】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0027】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機1は、操作部11と、表示部21と、CPU30と、通信部31と、アンテナ32と、メモリ33と、スピーカ34(音声出力部)と、加速度センサ35(加速度検出部)と、開閉センサ36と、を備える。
【0028】
CPU30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、通信部31、スピーカ34等に対して所定の制御を行う。また、CPU30は、操作部11、加速度センサ35、あるいは開閉センサ36等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、CPU30は、処理実行の際には、メモリ33を制御し、各種プログラムおよびデータの読み出し、およびデータの書き込みを行う。
【0029】
表示部21は、CPU30の制御に従って、所定の画像処理を行う。そして、処理後の画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで画面出力する。
【0030】
通信部31は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。そして、通信部31は、アンテナ32より受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU30に供給し、また、CPU30から供給された信号を変調処理し、アンテナ32から外部装置に送信する。
【0031】
メモリ33は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU30による演算処理に利用される。また、メモリ33は、本実施形態に係る歩数計測の処理を実行させるプログラムや、各種データ等を記憶する。具体的には、音楽等の音声データと共に、この音声データをスピーカ34から出力したときに発生する加速度データ等を記憶する。なお、メモリ33は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
また、前記加速度データは、記憶されずにCPU30によって計算されてもよい。
【0032】
スピーカ34は、CPU30が備えるか、または別途設けられる音声制御部(図示せず)により処理された音声信号を外部に出力する。この音声信号は、通信部31から供給された信号や、メモリ33に記憶された音声データに対して、所定の音声処理を行ったもののである。これにより、例えば、メモリ33に予め格納してある音楽や、通話に伴う音声、テレビやラジオ放送の音声がスピーカ34より出力される。なお、スピーカ34は、上述のレシーバ22と共通の構成であってよい。
【0033】
ここで、スピーカ34は、各種の音声信号を出力する際に、携帯電話機1の筐体を振動させるため、音声信号に応じた加速度を携帯電話機1に発生させることになる。
【0034】
加速度センサ35は、携帯電話機1の加速度(第1の加速度)を検出し、検出結果をCPU30に出力する。加速度センサ35は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の互いに直交する3方向の加速度を検出する3軸(3次元)タイプであって、外部から加わった力(F)と質量(m)に基づいて、加速度(a)を測定する(加速度(a)=力(F)/質量(m))。ここで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度値をそれぞれ(X,Y,Z)としたときに、合成加速度値(G)は、「G=√(X2+Y2+Z2)」で表される。
【0035】
なお、本実施形態の加速度センサ35は3軸タイプとしたが、これには限られない。例えば、簡易的に1軸や2軸であってもよいし、あるいは精度良く検出するために4軸以上の多軸センサを用いてもよい。
【0036】
また、加速度センサ35は、例えば、圧電素子によって所定の質量に加わる力を計測して軸ごとの加速度を求め、数値データ化してバッファリングする。そして、CPU30は、周期的にバッファリングされた加速度データを読み出す。なお、加速度センサ35は、圧電素子(圧電式)に限らず、ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型等によるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式や、可動コイルを動かしてフィードバック電流によってもとに戻すサーボ式や、加速度によって生じる歪を歪ゲージによって測定する歪ゲージ式等により構成されてもよい。
【0037】
開閉センサ36は、操作部側筐体2に配置される磁石(図示せず)と、表示部側筐体3に配置されるホール素子(図示せず)とにより構成され、携帯電話機1の開閉状態を検出する。具体的には、開閉センサ36は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との位置関係の違いに伴う磁気の強弱を検出し、検出された結果に基づいて、携帯電話機1が開状態であるか閉状態であるかを判別する。
【0038】
図3は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42(第1の計算部)と、を備える。
【0039】
再生部41は、メモリ33に記憶されている音声データAを取得し、時系列に逐次、スピーカ34に提供するための音声信号を生成する。また、再生部41は、スピーカ34から音声を出力する際の音量データを、計算部42に提供する。
【0040】
計算部42は、再生部41に提供された音声データAと関連付けられてメモリ33に記憶されている振動パターンBを取得する。この振動パターンBは、音声データAに基づく音声がスピーカ34から出力されたときに発生する携帯電話機1の振動を示す所定の物理量であって、具体的には、加速度センサ35により検出されるものと同様の加速度データ(第2の加速度)である。
【0041】
なお、所定の物理量は、加速度には限られず、例えば、速度や躍度、あるいは振動数および振幅(音量)等、携帯電話機1の振動を示す様々なデータが採用可能である。計算部42は、これら所定の物理量を加速度データに変換し、変換後の加速度データを振動パターンBとして利用する。
【0042】
さらに、計算部42は、加速度センサ35により検出された加速度データC(第1の加速度)を取得する。また、計算部42は、メモリ33から取得した振動パターンB(第2の加速度)に対して、再生部41から取得した音量データにより増減の調整を行う。すなわち、音量が大きくなるほどスピーカ34により発生する加速度の大きさも上昇するので、音量が大きいほど振動パターンBが示す加速度値を大きく調整し、音量が小さいほど加速度値を小さく調整する。
【0043】
次に、計算部42は、加速度データCから、音量データにより調整を行った振動パターンBを減算して、補正加速度データを得る。ここで、減算とは、振動パターンBと逆位相の加速度データを加算することを示す。
【0044】
そして、計算部42は、この補正加速度データに対して、所定の歩数計測のアルゴリズムを適用し、歩数データを算出して出力する。なお、歩数計測には、既知の様々なアルゴリズムが適用可能である。以下、簡単のため、補正加速度データを時系列に監視した結果、加速度が所定の閾値を超えた回数を歩数として計測するものとして説明する。
【0045】
図4は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS1では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0047】
ステップS2では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS3に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS4に移る。
【0048】
ステップS3では、CPU30は、ステップS2で出力していると判断された音声データAに対応する振動パターンBをメモリ33から取得する。そして、CPU30は、取得した振動パターンBを音量データにより調整した後、ステップS1で取得した加速度データCから、調整済みの振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0049】
ステップS4では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0050】
図5は、本実施形態に係る携帯電話機1が静止状態でスピーカ34が振動した場合の加速度データと、補正加速度データと、を示す図である。
【0051】
CPU30は、加速度センサ35から、スピーカ34の振動により発生する加速度が合成された加速度データCを取得する。この加速度データCを用いて歩数カウントを実施した場合には、ユーザが実際には歩いていないのに、加速度が歩数カウントの閾値を超えることで、歩数としてカウントされてしまう。
【0052】
そこで、CPU30は、スピーカ34の振動により発生する加速度の逆位相の加速度データ、すなわち振動パターンBを加速度データCに加算する。その結果、スピーカ34の振動により発生した加速度が打ち消され、静止状態を示す補正加速度データが得られる。この補正加速度データを用いて歩数カウントを実施した場合には、加速度が歩数カウントの閾値を超えないので、正しい歩数(0歩)が計測される。
【0053】
図6は、本実施形態に係る携帯電話機1において、ユーザが歩行中にスピーカ34が振動した場合の加速度データを示す図である。
【0054】
CPU30は、歩行動作による周期の長い加速度の変動に、スピーカ34の振動により発生した周期の短い加速度の変動が合成された加速度データCを取得する。この加速度データCを用いて歩数カウントを実施した場合には、スピーカ34の振動により発生した加速度成分により、歩数カウントの閾値を超える加速度の変動が実際の歩数より多く発生してしまう。
【0055】
図7は、図6の加速度データのうち、歩行動作により発生した加速度成分と、スピーカ34の振動により発生した加速度成分とを分けて示した図である。
【0056】
CPU30は、スピーカ34により発生する加速度の逆位相の加速度データ、すなわち振動パターンBを加速度データCに加算する。その結果、図7に示すような歩行動作により発生した加速度データが補正加速度データとして抽出される。
【0057】
すると、CPU30は、この補正加速度データを用いて歩数カウントを実施した場合、歩行動作により閾値を超えた加速度の変動を正しく検出し、正しい歩数を計測することができる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、音声データAに対応する振動パターンBを予め記憶しておくことにより、スピーカ34からの音声出力に起因する振動の加速度成分を除去した補正加速度データを取得することができる。その結果、スピーカ34の振動の有無によらず、歩行動作に起因する加速度に基づいて、歩数を計測することができる。
【0059】
<第2実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第2実施形態について説明する。本実施形態では、メモリ33は、振動パターンBを予め記憶しておらず、再生される音声データから振動パターンBを予測計算する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0060】
図8は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42と、予測部43(第2の計算部)と、を備える。
【0061】
予測部43は、再生部41にて再生処理され、スピーカ34から出力される前の音声信号と、この音声信号がスピーカ34から出力されるときの音量データと、を時系列に逐次、取得する。そして、予測部43は、取得した音声信号および音量データから予測されるスピーカ34の振動による加速度を、振動パターンBとしてリアルタイムに算出する。
【0062】
そして、計算部42は、第1実施形態と同様に、加速度センサ35により取得した加速度データCから、予測部43により算出された振動パターンBを減算して、補正加速度データを得た後、この補正加速度データを用いて、スピーカ34から音声信号が出力されるのと同時に、あるいは遅延なく歩数データを算出して出力する。
【0063】
図9は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の処理を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS11では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0065】
ステップS12では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS13に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS15に移る。
【0066】
ステップS13では、CPU30は、ステップS12で出力していると判断された音声データAから、スピーカ34の振動による加速度成分としての振動パターンBを算出する。
【0067】
ステップS14では、CPU30は、ステップS13で算出した振動パターンBを音量データにより調整した後、ステップS11で取得した加速度データCから、調整済みの振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0068】
ステップS15では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、出力される音声データAから振動予測の計算を行い、振動パターンBを生成する。これにより、予め記憶された音楽等の音声データに限らず、テレビやラジオ放送等の、予め振動パターンを準備できない音声を出力させる場合であっても、スピーカ34からの音声出力に起因する振動の加速度成分を除去した補正加速度データを取得することができる。その結果、出力される音声データの種類によらず、歩行動作に起因する加速度に基づいて、歩数を計測することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、音声データを再生すると共に、リアルタイムに振動パターンBを算出して歩数計測を行うので、ユーザは、補正加速度データに基づく正しい歩数データを、所望したときに即座に取得することができる。
【0071】
<第3実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態の一例である第3実施形態について説明する。本実施形態では、振動パターンBおよび加速度データCを記憶しておき、所定のタイミングで歩数計測を実施する。なお、第1実施形態または第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0072】
図10は、本実施形態に係るCPU30の機能を示すブロック図である。CPU30は、再生部41と、計算部42と、予測部43と、を備え、さらにメモリ33(記憶部)を制御する。
【0073】
予測部43は、第2実施形態とは異なり、算出した振動パターンBをメモリ33に記憶する。また、メモリ33は、加速度センサにより検出された加速度データCについても、振動パターンBと時系列に同期させて記憶する。
【0074】
そして、計算部42は、所定のタイミングでメモリ33から読み込んだ加速度データCおよび振動パターンBに基づいて、補正加速度データを得た後、この補正加速度データを用いて、歩数データを算出して出力する。
【0075】
ここで、所定のタイミングとは、歩数計測の結果を表示部21へ表示させるための指示操作入力の一部または全てである。具体的には、例えば、歩数計測のアプリケーション起動の操作入力や、アプリケーション起動の後に、結果表示の指示入力を受け付けたタイミングであってよい。
【0076】
図11は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30のデータ取得処理を示すフローチャートである。
【0077】
ステップS21では、CPU30は、加速度センサ35から、携帯電話機1の加速度を示す加速度データCを取得する。
【0078】
ステップS22では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていると判断し、ステップS23に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS24に移る。
【0079】
ステップS23では、CPU30は、ステップS22で出力していると判断された音声データAから、スピーカ34の振動による加速度成分としての振動パターンBを算出し、メモリ33に記憶する。
【0080】
ステップS24では、CPU30は、ステップS21で取得した加速度データCを、ステップS23で記憶した振動パターンBと時系列に同期を取って、メモリ33に記憶する。
【0081】
図12は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるCPU30の歩数カウント処理を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS31では、CPU30は、データ取得処理(図11)で記憶した加速度データCおよび振動パターンBを、メモリ33から読み込む。
【0083】
ステップS32では、CPU30は、音声をスピーカ34から出力していたか否か、すなわち、振動パターンBが加速度データCに対応付けられているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、スピーカ34の振動により歩行動作以外に起因する加速度が検出されていたと判断し、ステップS33に移る。一方、判定がNOの場合は、検出された加速度が歩行動作のみによると判断し、ステップS34に移る。
【0084】
ステップS33では、CPU30は、ステップS31で読み込んだ加速度データCから、振動パターンBを減算処理して、新たに加速度データC(補正加速度データ)を得る。
【0085】
ステップS34では、CPU30は、加速度データCに基づいて、所定のアルゴリズムにより歩数カウントを実施する。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、加速度データCおよび振動パターンBを一旦、バッファ(メモリ33)に記憶し、後から歩数カウント処理を実行する。これにより、計算部42の処理負荷を低減し、より正確に歩数を計測できる可能性がある。
【0087】
また、本実施形態によれば、ユーザが所望するタイミングで所定の操作入力を受け付けて、歩数計測の結果出力を行うので、ユーザの利便性が向上する。
【0088】
本実施形態では、歩数計測を実施するタイミングを、歩数計測の結果を表示部21へ表示させるための指示操作入力を受け付けたときとしたが、これには限られない。例えば、携帯電話機1の操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開き、閉状態から開状態へ変形させたタイミングであってもよい。この場合、CPU30は、開閉センサ36から開状態へ変形したことを示す信号を受信したことに応じて、歩数計測を実施する。
【0089】
これにより、ユーザは、明示的な操作入力によらず、表示の意思を示唆する開状態への変形動作(表示部21を表出させる動作)により、歩数計測の結果を表示させることができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0090】
また、メモリ33に記憶する加速度データCおよび振動パターンBは、時刻と関連付けて記憶することとしてよい。この場合、CPU30は、歩数を計測する時間(開始時刻および終了時刻)を指定する入力を受け付け、この時間に対応する加速度データCおよび振動パターンBを用いることにより、ユーザの所望する時間の歩数を計測して提示することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 操作部側筐体(第1の筐体)
3 表示部側筐体(第2の筐体)
11 操作部
21 表示部
30 CPU(第1の計算部、第2の計算部)
33 メモリ(記憶部)
34 スピーカ(音声出力部)
35 加速度センサ(加速度検出部)
36 開閉センサ
41 再生部
42 計算部(第1の計算部)
43 予測部(第2の計算部)
A 音声データ
B 振動パターン(第2の加速度)
C 加速度データ(第1の加速度)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度を検出する加速度検出部と、
音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、
前記音声出力部が出力する音声の出力状態に基づいて、前記加速度検出部が検出した第1の加速度を補正した補正加速度を計算する第1の計算部と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電子機器であって、
前記音声の出力状態に基づいて所定の物理量を計算する第2の計算部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記所定の物理量と前記第1の加速度とに基づいて前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電子機器であって、
前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する第2の加速度である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯電子機器であって、
前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する音量である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項5】
請求項3に記載の携帯電子機器であって、
前記第1の計算部は、前記第2の加速度の逆位相の加速度を、前記第1の加速度に加算することにより、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の携帯電子機器であって、
前記第2の計算部は、前記所定の物理量を時系列に逐次計算し、
前記音声出力部は、前記第2の計算部により前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声を出力し、
前記第1の計算部は、前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声が出力されるのと同時に、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項7】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の携帯電子機器であって、
前記音声出力部が音声を出力しているとき、前記第1の加速度および前記所定の物理量を時系列に同期させて記憶する記憶部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記記憶に記憶された前記第1の加速度と前記所定の物理量とに基づいて、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯電子機器であって、
外部からの入力を受け付ける操作部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記操作部が所定の操作入力を受け付けたことを契機に、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯電子機器であって、
表示部をさらに備え、
前記所定の操作入力は、前記表示部に前記第1の計算部による計算結果を表示させる指示操作の一部または全てである、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項10】
請求項8に記載の携帯電子機器であって、
第1の筐体と、第2の筐体と、をさらに備え、
前記所定の操作入力は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合った状態である閉状態から、開かれた状態である開状態へと変形させる操作入力である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項1】
加速度を検出する加速度検出部と、
音声データに基づいて音声を出力する音声出力部と、
前記音声出力部が出力する音声の出力状態に基づいて、前記加速度検出部が検出した第1の加速度を補正した補正加速度を計算する第1の計算部と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電子機器であって、
前記音声の出力状態に基づいて所定の物理量を計算する第2の計算部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記所定の物理量と前記第1の加速度とに基づいて前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電子機器であって、
前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する第2の加速度である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯電子機器であって、
前記所定の物理量は、前記音声の出力状態に基づいて発生する音量である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項5】
請求項3に記載の携帯電子機器であって、
前記第1の計算部は、前記第2の加速度の逆位相の加速度を、前記第1の加速度に加算することにより、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の携帯電子機器であって、
前記第2の計算部は、前記所定の物理量を時系列に逐次計算し、
前記音声出力部は、前記第2の計算部により前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声を出力し、
前記第1の計算部は、前記所定の物理量が計算された後の音声データに基づく音声が出力されるのと同時に、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項7】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の携帯電子機器であって、
前記音声出力部が音声を出力しているとき、前記第1の加速度および前記所定の物理量を時系列に同期させて記憶する記憶部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記記憶に記憶された前記第1の加速度と前記所定の物理量とに基づいて、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯電子機器であって、
外部からの入力を受け付ける操作部をさらに備え、
前記第1の計算部は、前記操作部が所定の操作入力を受け付けたことを契機に、前記補正加速度を計算する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯電子機器であって、
表示部をさらに備え、
前記所定の操作入力は、前記表示部に前記第1の計算部による計算結果を表示させる指示操作の一部または全てである、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項10】
請求項8に記載の携帯電子機器であって、
第1の筐体と、第2の筐体と、をさらに備え、
前記所定の操作入力は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合った状態である閉状態から、開かれた状態である開状態へと変形させる操作入力である、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−177973(P2010−177973A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17384(P2009−17384)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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