説明

携帯電子機器

【課題】検出部により検出された負荷が水圧に起因するものなのか、他の圧力に起因するものなのかを適切に判断し、当該判断に応じて所定の制御を行うことができる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話装置1は、操作部、及び操作部に対する押圧を検出する操作検出部101、を有する第1筐体と、操作部を外部に露出させる開状態と、第1筐体との間に外部と連通される間隙を形成するように操作部を被覆する閉状態と、を移動可能に第1筐体に連結される第2筐体と、開状態において操作検出部101により押圧が検出されると当該押圧に応じた第1の制御を行い、閉状態において操作検出部101により押圧が検出されると第2の制御を行う制御部103と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧操作による圧力を検出する操作検出部を複数有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、雨や埃等による影響を軽減するために、防水機能を付加した携帯端末が市場に提供されている。例えば、負荷を検出する検出部と、当該検出部により負荷が検出されると第1の制御(通常の携帯端末が発揮する着信等の諸機能)を行う制御部を有する水深計付携帯電子機器が提案されている(特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開平7−218662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に示されているような機器においては、検出部により検出された負荷が水圧に起因するものなのか、他の圧力に起因するものなのか適切に判断することが困難である。
【0004】
本発明は、検出部により検出された負荷が水圧に起因するものなのか、他の圧力に起因するものなのかを適切に判断し、当該判断に応じて所定の制御を行うことができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、操作部、及び該操作部に対する押圧を検出する操作検出部、を有する第1筐体と、前記操作部を外部に露出させる開状態と、前記第1筐体との間に外部と連通される間隙を形成するように前記操作部を覆う閉状態と、を移動可能に前記第1筐体に連結される第2筐体と、前記開状態において前記操作検出部により押圧が検出されると当該押圧に応じた第1の制御を行い、前記閉状態において前記操作検出部により押圧が検出されると第2の制御を行う制御部と、を有することを特徴とする。
【0006】
(2)本発明では、(1)の携帯電子機器において、前記操作検出部を複数有し、前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に検出されると前記第2の制御を行う、ことが好ましい。
【0007】
(3)本発明では、(2)の携帯電子機器において、前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に一定時間検出されると前記第2制御を行う、ことが好ましい。
【0008】
(4)本発明では、(2)又は(3)の携帯電子機器において、前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に検出された時間の長さに応じて前記第2の制御を異ならせる、ことが好ましい。
【0009】
(5)本発明では、(1)乃至(4)の携帯電子機器において、前記制御部は、前記操作検出部により検出される押圧の程度に応じて前記第2の制御を異ならせる、ことが好ましい。
【0010】
(6)本発明では、(2)乃至(4)いずれかの携帯電子機器において、複数の前記操作検出部それぞれに近接して配置され、それぞれ異なる圧力を検出する複数の圧力検出部を更に備え、前記制御部は、前記複数の操作検出部により検出される押圧、又は前記複数の圧力検出部により検出される圧力に応じて前記第2の制御を異ならせる、ことが好ましい。
【0011】
(7)本発明では、(1)乃至(6)の携帯電子機器において、所定の機能を実行する機能実行部を有し、前記制御部は、前記機能実行部により前記所定の機能が実行されている状態で前記閉状態における前記操作検出部により押圧が検出されると、前記機能の実行の抑制を前記第2の制御として行う、ことが好ましい。
【0012】
(8)本発明では、(1)乃至(6)の携帯電子機器において、報知部を有し、
前記制御部は、前記報知部による報知を前記第2の制御として行う、ことが好ましい。
【0013】
(9)本発明では、(8)の携帯電子機器において、圧力と水深とが対応づけられた対応情報を記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記閉状態において前記操作検出部により押圧が検出されると、当該押圧に係る圧力と前記記憶部に記憶された前記対応情報に基づいて水深を割り出すと共に、前記割り出された水深の結果を前記報知部により報知する制御を前記第2の制御として行う、ことが好ましい。
【0014】
(10)本発明では、(1)乃至(6)の携帯電子機器において、前記制御部は、電源の抑制動作を前記第2の制御として行う、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検出部により検出された負荷が水圧に起因するものなのか、他の圧力に起因するものなのかを適切に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下、携帯電子機器の一例として携帯電話装置について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等のアンテナを備えた他の通信機器であっても良い。
【0017】
図1は、ホスト装置と通信を行う本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。また、図2は、携帯電話装置1を折畳んだ状態の斜視図を示す。
【0018】
携帯電話装置1は、図1及び図2に示すように、表面がフロントパネル2aとフロントケース2bとリアケース2cと図示しないリアパネル2dとにより構成される操作部側筐体部2(第1筐体)と、表面がフロントパネル3aとフロントケース3bとリアケース3cとリアパネル3dとにより構成される表示部側筐体部3(第2筐体)と、を備えて構成される。
【0019】
操作部側筐体部2は、フロントパネル2aの表面に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とが露出するように構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、を含む複数のキーから構成されている。
また、操作部側筐体部2の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキー30と、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェースを覆うキャップ31とが設けられている。
【0020】
表示部側筐体部3は、フロントパネル3aに、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22とが露出するように構成される。
表示部側筐体部3は、一方の側面に、スライドキー32を備えている。また、表示部側筐体部3のリアパネル3d表面には、被写体を撮像するカメラ33と、被写体に光を照射するライト34と、が露出して形成されている。なお、カメラ33とライト34は、カメラモジュールを構成する。
【0021】
操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、図1に示すように、ヒンジ機構4(連結部)を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に動かすことにより、開状態と閉状態とを移動可能に構成される。
ここで、携帯電話装置1の開状態とは、操作部側筐体部2の表面(操作部11)と表示部側筐体部3との表面(表示部)とが外部に露出して互いに開くことで操作部11が露出された状態を示す。また、携帯電話装置1の閉状態とは、操作部側筐体部2の操作部11と表示部側筐体部3の表示部とが互いに向き合って折り畳まれることで操作部11が被覆された状態を示す。この携帯電話装置1の閉状態では、操作部側筐体部2の操作部11は、表示部側筐体部3によって被覆されるが、操作部11の表面側には、表示部側筐体部3との間に外部と連通する間隙が形成される。
【0022】
携帯電話装置1の開閉状態は、操作部側筐体部2に配置される磁石(図示せず)と、表示部側筐体部3に配置されるホール素子(図示せず)とにより構成される開閉センサにより検出される。具体的には、開閉センサにより操作部側筐体部2と表示部側筐体部3との位置関係の違いに伴う磁気の強弱を検出し、検出される結果に基づいて、携帯電話装置1の開閉状態を判別する。
【0023】
なお、本実施形態において、ヒンジ機構4による折り畳み式の携帯電話装置1の説明をしているが、折り畳み式ではなく、両筐体2、3を重ね合わせた閉状態から一方の筐体を一方向にスライドさせて開状態に移動可能なスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるように閉状態と開状態とを移動可能に構成される回転式や、両筐体2、3を、2軸ヒンジを介して連結したものでも良い。ただし、これらいずれの場合であっても、閉状態においては、第1筐体と第2筐体との間には外部に連通される間隙が形成されるものとする。
【0024】
操作部側筐体部2は、図3に示すように、フロントパネル2aと、フロントケース2bと(図3においてはフロントパネル2aとフロントケース2bとは結合されている)、上述した操作部11を備えるキーシート40と、配線基板45と、を備える。キーシート40は、全体がラバーで構成されており、表面に操作部11を構成する複数のキー(押し子)が形成されている。
【0025】
配線基板45は、フロントパネル2a側の面に複数のキースイッチA(図7参照)を有し、それぞれのキースイッチAは、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、配線基板45の表面に印刷された不図示の電気回路に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通する。なお、配線基板45は、複数の絶縁フィルムの間に配線を挟み込んだものである。
【0026】
また、フロントパネル2aには、複数のキー孔16が形成される。複数のキー孔16それぞれからは、キーシート40上に形成される機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15の押圧面が露出する。この露出した操作部11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15の押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチAそれぞれにおけるメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
【0027】
図4は、携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話装置1は、図4に示すように、外部の端末と通信を行う通信部6と、通信部6により通信される情報を処理する処理部7と、を備えている。
【0028】
通信部6は、図4に示すように、第1の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ51と、RF回路を含み、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部52と、を備える。通信部6は、充電池(図示せず)から電源の供給を受けている。
【0029】
メインアンテナ51は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ51は、第1の使用周波数帯の他に、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であっても良いし、更に、第3の使用周波数帯にも対応できる複数バンド対応型により構成されていても良い。
【0030】
通信処理部52は、メインアンテナ51によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部7に供給し、処理部7から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ51を介して外部装置に送信する。
【0031】
処理部7は、図4に示すように、操作部11と、音声入力部12と、ディスプレイ21と、レシーバ22と、所定の演算処理を行うCPU71と、所定のデータが格納されているメモリ72と、所定の音処理を行う音響処理部73と、所定の画像処理を行う画像処理部74と、一定周期で振動するモータ75と、被写体を撮像するカメラ33と、着信音等が出力されるスピーカ70a、70bと、を備えている。処理部7は、充電池(図示せず)から電源の供給を受けている。
【0032】
このように構成される携帯電話装置1は、例えば、ダイバーが海へ潜水する際に海中においても利用できるように、防水機能を有している。また、携帯電話装置1は、水圧を負荷として検出する機能を有しているが、この携帯電話装置1によれば、当該負荷が水圧に起因するものなのか、他の圧力(例えば、人為的に行われた圧力)に起因するものなのかを適切に判断することができる。以下に、携帯電話装置1に係る当該機能を発揮するための構成と動作について詳述する。
【0033】
携帯電話装置1は、図5に示すように、複数の操作検出部101と、制御部103とを備えている。複数の操作検出部101それぞれは、押圧操作による押圧を検出する。ここで、制御部103は、携帯電話装置1の開状態において複数の操作検出部101の少なくとも1つにより押圧が検出されると、当該押圧に応じた第1の制御(例えば、水圧以外の圧力が検出されたことにより行われる制御)を行う。また、制御部103は、携帯電話装置1の閉状態において複数の操作検出部101の少なくとも1つにより押圧が検出されると、第1の制御とは異なる第2の制御(例えば、水圧が検出されたことにより行われる制御)を行う。
【0034】
ここで、操作検出部101と制御部103とによる水圧検出について説明する。複数の操作検出部101は、それぞれ操作部11を構成する複数のキーそれぞれに対応して配置される複数のキースイッチA(図7参照)に相当し、また、制御部103は、CPU71に相当する。
【0035】
通常、折り畳み式の携帯電話装置1は、開状態において操作部11を構成する複数のキーが操作され、閉状態においてこれら複数のキーが押圧されることはない。
一方、携帯電話装置1が水中における使用に供される場合には、閉状態であっても水圧によって操作部11を構成する複数のキーは押圧される。つまり、水中においては、携帯電話装置1が閉状態であっても、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3との間に形成され外部と連通する間隙から操作部11の表面に水が浸入するため、この操作部11は、水深に応じた水圧により押圧される。
【0036】
そこで、制御部103(CPU71)は、複数の操作検出部101(複数のキースイッチA)が携帯電話装置1の開状態で押圧されているか、閉状態で押圧されているかを判断し、開状態で押圧されていると判断した場合には、通常使用であると判断して第1の制御を行う。また、閉状態で押圧されていると判断した場合には、水中での使用であると判断して第2の制御を行う。
なお、第1の制御とは、水圧以外の圧力が検出されたことにより行われる制御であって、通常の使用に係る制御(通話時における制御や、メールの送受信における制御等)のことである。また、第2の制御とは、水圧が検出されたことにより行われる制御であって、特殊使用に係る制御(警告のためのLED等の発光制御や、電源をOFFにする制御等)である。
【0037】
このようにして、携帯電話装置1によれば、操作検出部101により検出された押圧がユーザの操作によるものなのか、水圧によるものなのかを容易に判断することができるため、部品点数の削減を図りつつ、機器の状態に応じた適切な制御を行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
【0038】
なお、本実施例においては、複数の操作検出部101は、複数のキースイッチAに相当するとして説明したが、これに限られず、水圧を検出可能であれば他の形態であっても適用が可能である。
また、操作検出部101は、1つであっても良い。
【0039】
また、操作検出部101を複数有し、制御部103は、複数の操作検出部101により均一の押圧が同時に一定時間検出されると第2の制御を行うような構成であっても良い。
【0040】
携帯電話装置1が特殊使用(例えば、水中における使用)に供される場合には、操作部11を構成する複数のキーは、水深に応じた水圧により全てのキーが均一の圧力で同時に押圧される。そこで、携帯電話装置1は、複数の操作検出部101が均一の圧力で同時に押圧されている場合には第2の制御を行い、そうでない場合には第1の制御を行う。また、携帯電話装置1が水中にある場合、高い確率で操作検出部101が均一の押圧を同時に所定時間以上検出するであろうと推定される。
そこで、携帯電話装置1は、複数の操作検出部101が一定の圧力で同時に押圧されている場合であっても、当該押圧の検出時間が一定時間(例えば10秒間)連続しなければ水中である可能性が低いため第2の制御を行わず、当該押圧の検出時間が一定時間(例えば10秒間)連続している場合には水中の可能性が高いため第2の制御を行うようにしても良い。
【0041】
したがって、携帯電話装置1は、閉状態において、偶然に複数の操作検出部101が均一の押圧を同時に検出したとしても、第2の制御が誤って行われるおそれが低減され、使い勝手を向上させることができる。
【0042】
また、制御部103は、複数の操作検出部101により均一の押圧が同時に検出された時間の長さに応じて第2の制御を異ならせるような構成であっても良い。
【0043】
例えば、制御部103は、操作検出部101により均一の押圧が同時に検出された時間が1分間の場合には、第2の制御としてLED等の発光制御を行い、当該時間が10分間の場合には、第2の制御としてLED等の発光制御に加え、モータ75による振動制御を行う。このような制御を行うことにより、水中での状態を適切にユーザに知らしめることができ、携帯電話装置1の破損を好適に回避することができる。
【0044】
また、例えば、制御部103は、複数の操作検出部101により均一の押圧が同時に検出された時間が1分間の場合には、電源回路を制御してスリープモードに移行させ、当該時間が10分間の場合には、電源回路を制御して電源をOFFにする。このような制御を行うことにより、水中での状態の変化に伴う携帯電話装置1の破損を回避し、かつ省電力を図ることができる。
【0045】
このように、複数の操作検出部101により均一の押圧が同時に検出された時間は、携帯電子機器が水中におかれている時間とみなすことができるので、検出時間に応じて第2の制御を異ならせることにより、水中での使い勝手を更に向上させることができる。
【0046】
また、制御部103は、操作検出部101により検出される押圧の程度に応じて第2の制御を異ならせるような構成であっても良い。
【0047】
例えば、制御部103は、操作検出部101により検出された押圧が一定の閾値以下(圧力が弱い)の場合には、LED等の発光制御を行い、当該押圧が一定の閾値以上(圧力が強い)の場合には、LED等の発光制御に加え、モータ75による振動制御を行う。このような制御を行うことにより、水圧の変化を適切にユーザに知らしめることができ、携帯電話装置1の破損を回避することができる。
【0048】
また、例えば、制御部103は、操作検出部101により検出された押圧が一定の閾値以下(圧力が弱い)の場合には、電源回路を制御してスリープモードに移行させ、当該押圧が一定の閾値以上(圧力が強い)の場合には、電源回路を制御して電源をOFFにする。このような制御を行うことにより、水圧の変化に伴う携帯電話装置1の破損を回避し、かつ省電力化を図ることができる。
【0049】
このようにして、操作検出部101により検出された押圧は、水深に比例して大きくなると考えられるので、押圧に応じて第2の制御を異ならせることにより、水中での使い勝手を更に向上させることができる。
【0050】
また、複数の操作検出部101それぞれに近接して配置され、それぞれ異なる圧力を検出する複数の圧力検出部102を更に備え、制御部103は、複数の操作検出部101により検出される押圧、又は複数の圧力検出部102により検出される圧力に応じて第2の制御を異ならせるような構成であっても良い。
【0051】
複数の圧力検出部102は、複数のキースイッチAそれぞれに近接して配置される複数の圧力検出スイッチB(図7参照)に相当する。複数の圧力検出部102(圧力検出スイッチB)は、それぞれ異なる圧力により押圧されるように構成されており、水深に応じて検出圧力の小さい圧力検出部102から順に押圧されて圧力を検出する。
例えば、制御部103は、複数の圧力検出部102(圧力検出スイッチB)のうちの1つの圧力検出部102(圧力検出スイッチB)により圧力が検出された場合には、複数のLEDのうちの1つのLEDの発光制御を行い、複数の圧力検出部102のうちの2つの圧力検出部102により圧力が検出された場合には、複数のLEDのうちの2つのLEDの発光制御を行う。
【0052】
このように、圧力を検出する圧力検出部102の数は、水深に比例して大きくなると考えられる。よって、圧力に応じて第2の制御を異ならせる(例えば、発光させるLEDの数を異ならせる)ことにより、水中での使い勝手を更に向上させることができる。
【0053】
また、携帯電話装置1は、図5に示すように、所定の機能を実行する機能実行部104を有する構成であっても良い。このような構成の場合には、制御部103は、携帯電話装置1の閉状態において、機能実行部104により所定の機能が実行されているときに操作検出部101により押圧が検出されると機能の実行の抑制を前記第2の制御として行う。
【0054】
例えば、水中において使用困難な機能(水中では音が伝わりにくいため、特に放音を伴う機能(ヘッドホン使用中を除く)。)が携帯電話装置1を閉じた状態で実行されているときに、この携帯電話装置1が水中に没した場合には、当該機能を実行している意味がなく、無駄に電力が消費されてしまう。
【0055】
そこで、携帯電話装置1によれば、このような状況下においては、第2の制御により当該機能が抑制されるため、省電力化を図ることができる。
【0056】
また、携帯電話装置1は、図5に示すように、報知部105を有する構成であっても良い。このような構成の場合には、制御部103は、携帯電話装置1の閉状態において操作検出部101により押圧が検出されると、報知部105による報知を第2の制御として行う。
【0057】
例えば、携帯電話装置1の閉状態において操作検出部101により押圧が検出された場合には、制御部103は、報知部105としてのLEDやディスプレイ21のバックライトを発光させたり、また、報知部105としてのモータ75を駆動させたりする。
【0058】
このような構成によれば、携帯電話装置1は、一定以上の水深に達した場合に、所定の報知(例えば、LEDの発光による警告)を行うことにより、携帯電話装置1の破損を回避し、使い勝手の向上を図ることができる。
【0059】
また、携帯電話装置1は、図5に示すように、圧力と水深とが対応づけられた対応情報を記憶する記憶部106を有するような構成であっても良い。このような構成の場合には、制御部103は、携帯電話装置1の閉状態において操作検出部101により押圧が検出されると、当該押圧に係る圧力と記憶部106に記憶された対応情報に基づいて水深を割り出すと共に、割り出された水深の結果を報知部105により報知する制御を第2の制御として行う。
【0060】
例えば、携帯電話装置1は、操作検出部101が検出した押圧に係る圧力と記憶部106としてのメモリ72に記憶された対応情報とに基づいて水深を割り出し、この割り出した水深を、報知部105としてのディスプレイ21により表示する。
このような構成によれば、携帯電話装置1は、割り出した水深を報知部105により報知するので、ユーザは、水深を容易に認識でき、携帯電話装置1の使い勝手が向上する。
【0061】
また、制御部103は、電源の抑制動作を第2の制御として行う構成であっても良い。
【0062】
このような構成によれば、携帯電話装置1は、一定以上の水深に達した場合に、電源の抑制(例えば、電源のOFF)を行うことにより、携帯電話装置1の破損を回避し、省電力化を図ることができる。
【0063】
<水没検出方法>
ここで、水没したときの検出方法について図7を参照しながら説明する。図7は、図1のX−X線断面図である。
携帯電話装置1では、上述した通り、操作部11は、複数のキーを備えており、当該操作部11を構成する複数のキーがキーシート40上に設けられている。
また、携帯電話装置1は、閉状態と開状態とを移動可能に構成されており、閉状態においては、操作部11は、表示部側筐体部3に被覆されているが、この閉状態においても、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3との間には、外部と連通した間隙が形成される。したがって、携帯電話装置1が閉状態であっても、水没時には、操作部11は直接水圧を受ける構成となっている。
本発明に係る携帯電話装置1は、既存の装置構成を利用して、携帯電話装置1の開閉状態と、複数のキーそれぞれに対応して配置される複数のキースイッチAによるキーの押圧検出と、キーシート40の構造と、により水没及び水圧をリアルタイムに検出することができる水深(水圧)計の機能を有している。
【0064】
通常、操作部11を構成する複数のキーそれぞれが押圧されるときの重さは100〜150(g)である。なお、当該重さは、携帯電話装置によって異なり、100(g)以下の場合もあり得るし、150(g)以上の場合もあり得る。本実施例においては、一応の目安として、操作部11を構成する複数のキーそれぞれが押圧されるときの重さを100〜150(g)にしている。
【0065】
また、1つのキー面積を約13(mm)×7(mm)=91(mm)であるとすると、水深1mでの水圧は1(g/cm)より91(mm)×1000(mm)/1000(mm)3=91(g)となり、水深2mでは91×2=182(g)となり、水深4mでは91×4=364(g)となり、・・・、水深20mでは91×4=1820(g)となる。
したがって、水深2(m)では全てのキーが水圧によって押圧されている状態となる。
【0066】
制御部103は、通常の使用状態で操作部11が操作される可能性が極めて低い携帯電話装置1の閉状態において、操作検出部101が所定の圧力を検出した状態を水没状態と判定する。これにより、通常の使用状態(開状態)で操作部11が操作された場合に第2の制御が実行されるのを抑制できる。このようにして、携帯電話装置1は、水没を検出する機構を直接水で濡らすことなく水没状態を確実に検出することができる。
なお、制御部103は、携帯電話装置1の閉状態において、複数の操作検出部101が同時に押圧された状態を水没状態と判定しても良い。
【0067】
また、携帯電話装置1では、通常のキー操作よりも弱い力で押圧されるようにキースイッチAとラバー厚みを設定する構成にすることにより、2(m)よりも浅い場所で押圧を検出することができる。また、通常のキー操作よりも強い力で押圧されるようにキースイッチAとラバー厚みを設定する構成にすることにより、2(m)よりも深い場所で水没を検出することができる。
【0068】
<水深検出方法>
つぎに、水深の検出方法について説明する。
携帯電話装置1においては、図7に示すように、操作部11を構成する複数のキーそれぞれに対応して、上述の水没を検出するキースイッチAとは異なる圧力検出スイッチBを設け、これら複数の圧力検出スイッチBとキーシート40のラバー厚みとを適宜組み合わせて設定し、水深度毎に1つずつ圧力検出スイッチBが順番に押圧される構成にする。このような構成によれば、制御部103は、押圧される圧力検出スイッチBに応じて、水深を検出することができる。
なお、操作部11を構成する複数のキーそれぞれに検出圧力の異なるキースイッチAを配置して、キースイッチAとキーシート40のラバー厚みとを適宜組み合わせて設定し、水深度毎に1つずつキーが順番に押下される構成であっても良い。
また、キースイッチAで検出される圧力に応じて水深を検出する構成であっても良い。
【0069】
<水深表示方法>
つぎに、水深の表示方法について説明する。
キーシート40には、図7に示すように、複数の発光部C(例えば、LEDにより構成されている)が形成されており、各キーを背後から照らすように構成されている。携帯電話装置1では、これら複数の発光部Cをレベルメータのように利用して、水深が一目で分かるように制御する。例えば、制御部103は、記憶部106に記憶された対応情報に基づいて水深を割り出し、水深が2mでは、LEDを1個点灯し、水深が4mでは、2個点灯し、・・・、水深が20mでは10個点灯する等の制御を行っても良い。
【0070】
また、ディスプレイ21により水深を表示するような構成としても良い。
なお、ディスプレイ21により水深を表示するような構成の場合には、ディスプレイ21のバックライトは、約50mAの電流を消費する。また、バックライトを長時間点灯すると、電池の負担が大きくなってしまう。これに対してLED一個の消費電流は、2mA程度とバックライトに比べて消費量が少なく、また、長時間の点灯ができるため、ユーザは、都合に合わせて操作部11を眺めることにより容易に水深の確認ができる(図6を参照。)。
【0071】
<水没警告>
つぎに、水没したときの警告方法について説明する。
防水機能を有する装置であっても、その防水機能を超えるような水没等の環境下に置かれる場合がある。本発明に係る携帯電話装置1は、水没検出機能により水中にあることを検出し、水没時間を記録する機能と、筐体の表面に温度センサを搭載し、水温を検出する機能とを有している。
【0072】
携帯電話装置1では、水没時間を記録する機能と、水温を検出する機能とにより得られた情報から、1.水深(水圧)が設定した水深を超えた場合、2.水没時間が設定時間を超えた場合、3.水温が設定温度範囲を超えた場合、のいずれかに該当する場合に所定の警告(例えば、LED等の発光動作や、モータ75の駆動による警告)を行う。
【0073】
つぎに、キーシート40の具体的な構成について説明する。
なお、以下の実施例では、キーシート40上に形成されるテンキー(1〜9、0)と、*キーと、#キーの12個のキーを利用して水没検出を行い、これら12個のキーにそれぞれ対応して配置された圧力検出スイッチを利用して水深検出を行う構成とする。また、各キーは、キーを押下したという感触(クリック感)をユーザに与える必要があるため、全てのキーが同じ加重で動くように構成されている。
【0074】
携帯電話装置1では、図7に示すように、水圧がかかると、この水圧によりキーシート40に設けられた各キーが押圧される。各キーに対応して配置された各キースイッチAは、上述したように、配線基板45上のパターンをメタルドーム等により押し付けてスイッチングさせており、メタルドーム等により一定の加重が確保できる。
【0075】
携帯電話装置1は、閉状態において、水圧によって所定のキースイッチAが押下された状態を検出した場合には、水没していると判定する。即ち、複数のキースイッチAは、水没検出スイッチとして機能する。
【0076】
また、携帯電話装置1では、図7に示すように、各キーに対応して配置された各圧力検出スイッチBの上部に位置するキーシート40とフロントパネル2aとの間にも水が侵入するような構成にされており、各圧力検出スイッチBの上部に位置するキーシート40は、水圧を均等に受ける。
【0077】
また、携帯電話装置1は、水圧によるキーの誤入力を防ぐために、水没していると判定した後は、キーロックをかける構成であっても良い。また、携帯電話装置1は、水没後において水中カメラ等の機能を使いたい場合には、特定のキーのみ操作可能とするような構成であっても良い。
【0078】
また、携帯電話装置1では、各キーに対応するキースイッチAは、特定の水圧で押下されるようにそれぞれ設定され、水深が深くなる毎に1つずつ押下されるように構成されても良い。例えば、テンキーの「1」のキーを182(g)の押圧力に設定し、テンキーの「2」のキーを364(g)の押圧力に設定することにより、何個のキーが押圧されたかにより重さが分かり、当該重さから水深を検出することができる。
【0079】
また、携帯電話装置1では、検出した水深によりテンキーを点灯表示させる構成であっても良い。例えば、4(m)の水深で「1」キーと「2」キーに対応する圧力検出スイッチBが押下されれば、「1」キーの背面及び「2」キーの背面に配置されている発光部(LED)Cを点灯させることにより、水深が4(m)であることをユーザに視覚的に報知することができる(図8を参照)。また、携帯電話装置1は、他の報知例として、ディスプレイ21により「水深○○m」と表示する構成であっても良い。
【0080】
<動作方法>
つぎに、携帯電話装置1の動作について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0081】
ステップS1において、制御部103は、水没の監視を開始する。制御部103は、間欠的に待受受信を行うタイミングで水没の監視を行っても良いし、間欠的又は連続的に任意のタイミングで水没の監視を行っても良い。
なお、メインアンテナ51が待ち受け状態時に、間欠的に図示しない基地局から信号を受信するよう構成されている場合には、この水没の監視を、メインアンテナ51の間欠的な受信時に対応して行うようにしても良い。こうすることにより、メインアンテナ51により信号が受信される際に消費される電力を有効活用して水没の監視を行うことができる。
【0082】
ステップS2において、制御部103は、携帯電話装置1の開閉状態の検出を行う。制御部103は、携帯電話装置1が閉状態であることを検出した場合には、ステップS3に進む。また、携帯電話装置1が開状態であることを検出した場合には、ステップS1に戻る。
【0083】
ステップS3において、制御部103は、キーの押下(押圧)検出を行う。制御部103は、所定のキースイッチAが押下されていることを検出した場合には、水没を検出し、ステップS4に進む。また、所定のキースイッチAが押下されていないと検出した場合には、ステップS1に戻る。
【0084】
ステップS4において、制御部103は、水没を検出した場合には、水圧によるキー押下の誤動作を防止するために、キーロックの制御を行う。
【0085】
ステップS5において、制御部103は、ステップS4の工程による水没を検出した後に、水没時間をカウントするタイマーの駆動を開始する。
【0086】
ステップS6において、制御部103は、温度センサにより測定されている水温を検出し、予め設定された温度の範囲か否かを判断する。設定温度の範囲外の場合には(No)、ステップS7に進み、設定温度の範囲内の場合には(Yes)、ステップS8又はステップS10に進む。
【0087】
ステップS7において、制御部103は、設定温度の範囲外である旨を表示する。
【0088】
ステップS8において、制御部103は、警告動作を行う。なお、制御部103は、その後、設定温度の範囲内に戻れば、ステップS7における表示と、ステップS8における警告動作を解除する。
【0089】
ステップS9において、制御部103は、ステップS7における表示と、ステップS8における警告動作が実行されている場合であって、設定温度の範囲内に戻ったことを確認した場合には、ステップS7における表示と、ステップS8における警告動作を解除する。
【0090】
ステップS10において、制御部103は、ステップS5の工程により駆動したタイマーを参照し、水没時間を測定し、予め設定してある時間を超えているか否かを判断する。設定時間を超えていると判断した場合には(Yes)、ステップS11に進み、設定時間を超えていないと判断した場合には(No)、ステップS13に進む。
【0091】
ステップS11において、制御部103は、設定時間を超えている旨を表示する。
【0092】
ステップS12において、制御部103は、警告動作を行う。
【0093】
ステップS13において、制御部103は、押下されている圧力検出スイッチBの数nをカウントするカウンタをゼロにする(n=0)。
【0094】
ステップS14において、制御部103は、設定されているn番目のキーに対応する圧力検出スイッチBが押下されているか否かを判定する。n番目のキーに対応する圧力検出スイッチBが押下されていると判定した場合には、ステップS15に進み、n番目のキーに対応する圧力検出スイッチBが押下されていないと判定した場合には、ステップS16に進む。各圧力検出スイッチBは、対応するキー毎に押下される圧力が異なっており、制御部103は、押下されている圧力検出スイッチBを監視することで水深を測定することができる。
【0095】
ステップS15において、制御部103は、n番目のキーに対応する発光部(LED)Cを点灯するように制御する。例えば、制御部103は、「1」キーに対応する圧力検出スイッチBのみ押下されている場合には、「1」キーに対応する発光部(LED)Cのみ点灯するように制御する。
【0096】
ステップS16において、制御部103は、押下されている圧力検出スイッチBの数nを1つインクリメントする(n=n+1)。
【0097】
ステップS17において、制御部103は、押下されている圧力検出スイッチBの数nが規定の数(キーの数+1)に達したか否かを判断する。規定の数に達していると判断した場合には(Yes)、ステップS18に進み、規定の数に達していないと判断した場合には、ステップS14に戻る。
【0098】
ステップS18において、制御部103は、設定した深度よりも深いか否かを判断する。設定した深度よりも深いと判断した場合には(Yes)、ステップS19に進み、設定した深度よりも深くないと判断した場合には(No)、ステップS21又はステップS22に進む。
【0099】
ステップS19において、制御部103は、設定深度よりも深い旨を表示する。
【0100】
ステップS20において、制御部103は、警告動作を行う。なお、制御部103は、その後、設定深度の範囲内に戻れば、ステップS19における表示と、ステップS20における警告動作を解除する。
【0101】
ステップS21において、制御部103は、ステップS19における表示と、ステップS20における警告動作が実行されている場合であって、設定深度の範囲内に戻ったことを確認した場合には、ステップS19における表示と、ステップS20における警告動作を解除する。
【0102】
ステップS22において、制御部103は、キーの押下検出を行う。制御部103は、所定のキーが押下されていることを検出した場合には、水没し続けていることを検出し、ステップS6に戻る。また、所定のキースイッチAが押下されていないと検出した場合には、ステップS23に進む。
【0103】
ステップS23において、制御部103は、ステップS5の工程により駆動したタイマーをリセットする。
【0104】
ステップS24において、制御部103は、ステップS4の工程により制御されたキーロックを解除する。
【0105】
ステップS25において、制御部103は、水没の監視を終了する。
【0106】
なお、携帯電話装置1は、ユーザが予め、水深、水温、時間の範囲を設定できるようにしておき、範囲を超えた時に警告するような設定部を備える構成であっても良い。
【0107】
従来構成に係る携帯電話装置においては、回路に形成されている検出用の回路端子が水に濡れるか否かによって水没の検出を行っていた。一方で本発明に係る携帯電話装置1では、上述したように、携帯電話装置1の開閉状態とキーの押圧状態とを検出することにより水没を検出しており、従来装置のように回路内に水を侵入させる必要がなく、回路を水濡れから防ぐことができる。
【0108】
また、従来構成に係る携帯電話装置においては、水圧センサから出力される電気信号量を処理部(CPU)の読めるデジタル値に変換することにより水深の検出を行っており、外付けのセンサが必要なため製造コストの増加に繋がっていた。一方で本発明に係る携帯電話装置1は、既存の部品であるラバーキーと筐体の構造、及びキースイッチの拡張、及び水圧が水深に比例して等しく筐体に作用する事象を利用することにより水深を検出するので、製造コストを増加することなく水深の検出を行うことができる。
【0109】
また、従来構成に係る携帯電話装置では、水深を液晶ディスプレイ等に表示することによりユーザに報知していた。一方で本発明に係る携帯電話装置1では、既存の部品であるキーの照明する部材(キーLED)の点灯パターンを水深によって変化させて、レベルメータのように表示制御することによりユーザに報知する。したがって、携帯電話装置1は、一目で水深を認識させることができ、また、液晶ディスプレイに水深表示をさせることに比べて大幅に消費電流の削減を図ることができる。
また、携帯電話装置1では、例えば、数秒程度で消灯してしまう液晶ディスプレイに比べて、低消費電力で長時間の水深表示が可能であり、ユーザは、容易に水深を確認することができる効果を奏する。
【0110】
また、従来構成に係る携帯電話装置では、いわゆるダイバー向けの仕様ではないため、だいたい1m程度の水没状態しか想定していない。このような携帯電話装置をより防水性能を向上させてダイバー向けの仕様にしようとした場合には、種々の問題(例えば、キーが水圧によって押されてしまい、誤動作を起こしてしまう等)が予想される。本発明に係る携帯電話装置1では、水没判定によりキーロックをかけることによりキーの誤動作を防止する構成になっている。
【0111】
また、本発明に係る携帯電話装置1では、ダイバー機能を持たせることにより、予め設定した範囲(例えば、水深)を超えたときに、水中にあっても認識できるような警告をユーザに与える構成になっており、未然に事故を抑制することができる。
なお、警告を与えるのみならず、予め設定した範囲を超えた場合には、その旨を記憶部106に記憶するよう構成しても良い。これにより、規格外の使用がなされたことが記憶部106に記憶されるため、通常の故障なのか、規格外使用に起因する故障なのかが、記憶部106の内容を参照することで容易に判定することができ、故障の原因を探る手掛かりとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に係る携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置を折畳んだ状態の斜視図である。
【図3】操作部側筐体部に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図4】本発明に係る携帯電話装置の機能を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る携帯電話装置のダイバー機能を発揮する構成に係るブロック図である。
【図6】LEDの消費電力とディスプレイのバックライトの消費電力との対比を示す図である。
【図7】図1のX−X線断面図である。
【図8】テンキーにより深度を表示する際の表示形態の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る携帯電話装置の動作の説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1 携帯電話装置
2 操作部側筐体部
3 表示部側筐体部
101 操作検出部
102 圧力検出部
103 制御部
104 機能実行部
105 報知部
106 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部、及び該操作部に対する押圧を検出する操作検出部、を有する第1筐体と、
前記操作部を外部に露出させる開状態と、前記第1筐体との間に外部と連通される間隙を形成するように前記操作部を被覆する閉状態と、を移動可能に前記第1筐体に連結される第2筐体と、
前記開状態において前記操作検出部により押圧が検出されると当該押圧に応じた第1の制御を行い、前記閉状態において前記操作検出部により押圧が検出されると第2の制御を行う制御部と、を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記操作検出部を複数有し、
前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に検出されると前記第2の制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に一定時間検出されると前記第2の制御を行う、ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記操作検出部により均一の押圧が同時に検出された時間の長さに応じて前記第2の制御を異ならせる、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作検出部により検出される押圧の程度に応じて前記第2の制御を異ならせる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
複数の前記操作検出部それぞれに近接して配置され、それぞれ異なる圧力を検出する複数の圧力検出部を更に備え、
前記制御部は、前記複数の操作検出部により検出される押圧、又は前記複数の圧力検出部により検出される圧力に応じて前記第2の制御を異ならせる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
所定の機能を実行する機能実行部を有し、
前記制御部は、前記機能実行部により前記所定の機能が実行されている状態で前記閉状態における前記操作検出部により押圧が検出されると、前記機能の実行の抑制を前記第2の制御として行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
報知部を有し、
前記制御部は、前記報知部による報知を前記第2の制御として行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
圧力と水深とが対応づけられた対応情報を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記閉状態において前記操作検出部により押圧が検出されると、当該押圧に係る圧力と前記記憶部に記憶された前記対応情報に基づいて水深を割り出すと共に、前記割り出された水深の結果を前記報知部により報知する制御を前記第2の制御として行う、ことを特徴とする請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、電源の抑制動作を前記第2の制御として行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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