説明

携帯電子機器

【課題】安価且つ簡単な構成で、操作キーにおける照光色のバリエーションを増やすことができる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の携帯電話機は、操作キー7を有する操作パッド8と、操作キー7の回路パターンが形成されたプリント基板12と、プリント基板12に実装されたLED19を有し操作パッド8を照光する照光部23と、操作パッド8と照光部23との間に配置され、操作キ7ーに対応する色材25の配列パターンを有した照光色変更シート16と、を有し、照光色変更シート16が取替え可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機(携帯電子機器)は、暗所において使用するときのユーザのキー操作を容易にするために、操作キーを照明するためのバックライトを備え、操作キーを内側から照明するようになっている。従来においては、各操作キーの機能を明示するために、操作キーを複数有する操作パッドの内側に各操作キーに対応した色材を印刷するなどしていた。
操作キーを所望の色の光で照光する方法として、例えば、特許文献1には、透光性部材からなるキートップ部材を所定の色で着色しておき、照光していないときと照光した時とで操作キーの照光色のバリエーションが異なる照光式ラバースイッチが開示されている。
ところが、このような構造では、操作キーの照光色を変更したい場合には、操作部自体を取り替えなければならず非常にコストがかかる他、交換作業に手間がかかってしまう。
そこで、操作キーの発光色を任意に可変できるものとして、例えば、赤色、青色、緑色を発光する複数のLEDからなるバックライトを備えた携帯電話機が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】実開平5−6574号公報
【特許文献2】特開2003−309639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した構成では、各LEDの発光色とそれぞれの組み合わせからなる色で操作キーを照光することが可能である。しかしながら、各LEDを発光テーブルに合わせて駆動するドライバICが必要となるなど、装置構成が複雑にならざるを得なかった。また、操作キーの照光色のバリエーションにおいては未だ制限があった。
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、簡単な構成でコストを抑え、操作キーにおける照光色のバリエーションを増やすことができる携帯電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の携帯電子機器は、上記課題を解決するために、操作キーを有する操作部と、前記操作キーの回路パターンが形成されたプリント基板と、前記プリント基板に実装された発光素子を有し前記操作部を照光する照光部と、前記操作部と前記照光部との間に配置され、前記操作キーに対応する色材の配列パターンを有した照光色変更シートと、を有し、前記照光色変更シートが取替え可能である。
【0006】
また、本発明においては、操作キーを有する操作部と、前記操作キーの回路パターンが形成されたプリント基板と、前記プリント基板に実装された発光素子を有し前記操作部を照光する照光部と、前記操作部と前記照光部との間に配置され、前記操作キーに対応する色材の配列パターンを有した照光色変更シートと、を有し、前記照光色変更シートが、前記配列パターンを複数組有するとともに前記操作部に対してスライド可能に配置されていることが好ましい。
【0007】
また、本発明においては、前記照光色変更シートのスライド方向が、前記操作部の面に対して平行な方向であることが好ましい。
【0008】
また、本発明においては、前記照光色変更シートに連結されたスライド手段を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記操作キーの輪郭に沿って光透過部が設けられていることが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記照光部は、前記操作部と前記プリント基板との間に配置される導光シートを有することが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記導光シートは、前記発光素子からの光を導光して前記操作キーを照明する照明領域と、該照明領域以外を遮光する遮光領域と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照光部によって操作キーを照光することが可能となり、さらに操作キーに対応した照光色パターンを有した照光色変更シートによって、操作キーを所望の色の光で照光することが可能である。本発明では、異なる照光色パターンを有した照光色変更シートと取り替えるだけで、操作キーを照光する色を変えることができる。つまり、操作部自体を取り替えるよりも簡単な作業で済むとともにコストを削減することが可能である。また、照光色変更シートを替えるだけで、携帯電子機器の操作部におけるカラーバリエーションを増やすことができるので、生産性も良くなりコスト削減が図れる。
【0013】
また、照光色変更シートを操作部に対してスライド可能に設け、複数の照光色変更パターンを有したものとすることで、照光色変更シートをスライドさせるだけで操作キーの照光色を適宜可変することが可能である。これにより、ユーザーにより好みの照光色を選択することができる。さらに、外光に応じて照光色の選択が可能になるため、明所あるいは暗所に応じて操作キーを明示し易い照光色で照光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における携帯電話機の全体構成を説明する図であって、(a)は携帯電話機の利用時の状態(開状態)を示す平面図、(b)は(a)の側面図である。
携帯電話機100(携帯電子機器)は、画面表示部9を一面に有する第1の筐体1と、操作パッド8を一面に有する第2の筐体2とがヒンジ3を介して結合された携帯電話機本体100Aを有し、画面表示部9と操作パッド8とが対向して互いの各筐体1,2が重ね合わさる状態で折畳み収納される。また、図1(a),(b)に示すように開いた形で通常の使用がなされる。
【0016】
第1の筐体1の内面(第2の筐体2との重ね合わせ面)には、ヒンジ3と逆側の端部の近傍に、受話用のスピーカー10が設けられている。また、画面表示部9は、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイからなるものである。
【0017】
第2の筐体2の内面(第1の筐体1との重ね合わせ面)には、ヒンジ3と逆側の端部の近傍に送話用のマイクロフォン6が設けられている。そして、操作パッド8は、通話キー、終話キー、数字キー等の押圧操作可能な複数の操作キー7を備えている。操作キー7は、透光性の樹脂材料に数字や文字等の機能表示が印刷されたものからなる。
【0018】
次に、本実施形態における携帯電話機100の特徴部分の構成を詳述する。図2は、携帯電話機100の第2の筐体2の概略構成を示す斜視分解図である。よって、以下の説明では、携帯電話機100の第2の筐体2について詳しく説明する。
【0019】
第2の筐体2は、箱状のフロントケース2aとリアケース2bとを備えている。これらフロントケース2aとリアケース2bとの間には、プリント基板11、プリント基板12、接触シート13、押圧シート14、導光シート15(照光部)、照光色変更シート16などが収容され、フロントケース2aの上面側には、操作パッド8が設けられる構成とされている。
【0020】
操作パッド8は、操作キー7の部分が、透光性及び可撓性を有する樹脂部材から構成されており、ユーザーが操作キー7を押下することで変形可能となっている。操作キー7以外の部分、すなわち枠部4においては不透明であってもよく、硬質の材料により構成されている。本実施形態における操作キー7には、数字や文字などの表示部分に光透過部24が設けられている。すなわち、操作キー7には数字や文字の外形を模るようにして機能表示が印刷され、ゆえに数字や文字などの表示部分が透明になっている。この光透過部24を照射光が透過することによって各操作キー7の機能表示が浮かび上がり、ユーザに視認されることになる。このような操作パッド8は、その裏面側がフロントケース2aの凹部2A内に貼着されている。なお、フロントケース2aの中央には開口40が設けられており、ユーザによる操作キー7の押下を許容できる形状になっている。
一方、第2の筐体2内に収容され且つ操作パッド8から最も離れた最下層には、プリント基板11が収容されている。
【0021】
プリント基板11は、携帯電話機100の動作を司る制御回路が実装されたもので、リアケース2bと接触するようにしてその内側に収容されている。このプリント基板11の表面には、マグネシウム合金からなる剛性板17が設けられている。
【0022】
プリント基板12は、プリント基板11上に剛性板17を介して配置されており、その表面側に操作キー7の回路パターンが形成されている。そして、各操作キー7に対応する位置に、操作キー7の押圧によって電気的に導通する固定端子18が複数設けられ、これら各固定端子18が上述したプリント基板11に接続されている。各固定端子18の真上に各操作キー7が配置されるようになっている。このようなプリント基板12の長手方向両側の端部には、それぞれ一対のLED19がハンダなどによって実装されている。
【0023】
LED19は、複数の波長の光を含んで投射するものが好ましく、例えば、白色光を投射するもの、例えば、白色発光ダイオードなどのように可視光線の全部の波長の光を含んで投射する発光体であることが望ましい。
【0024】
接触シート13は、シリコンなどの弾性材料からなるもので、プリント基板12の固定端子18の各々に対応する複数の接触部20(メタルドーム)を有している。接触部20は、ドーム状を呈し、その内側にプリント基板12の固定端子18と導通可能な接続端子(不図示)が設けられている。通常、接続端子は、固定端子18に対して開放(離間)状態とされており、対応する操作キー7がユーザーにより押圧されると、接触部20が変形して接続端子が固定端子18に接触し、電気的に導通されるようになっている。これにより、接続端子と固定端子18との接触によって操作キー7がユーザによって操作されたことが、プリント基板12に設けられた回路パターンを介してプリント基板11へと伝達される。
【0025】
押圧シート14は、接触シート13の上方(表面側)に配置され、接触シート13に設けられたドーム状の接触部20を押圧するための突起部21が各操作キー7に対応して複数設けられている。この押圧シート14と上記接触シート13は、LED19からの光を遮断しないようにするためにLED19の表面を覆わない大きさで形成されており、プリント基板12よりも小さい。具体的には、プリント基板12よりも長さ方向が短くなっていて、押圧シート14及び接触シート13がプリント基板12上に積層された場合に少なくともLED19が露出することになる。
【0026】
導光シート15は、押圧シート14及び接触シート13と同形状とされており、長さ方向両側の端部に露出するLED19からの光を導光して操作パッド8を照明するものである。そして、上記LED19から取り込んだ光が内部で反射を繰り返しつつ全体に亘って伝搬するようになっている。本実施形態における導光シート15は、内部を伝播する光を出射して操作キー7を照射する照明領域15Aと、それ以外の領域で光を遮蔽する遮蔽領域15Bとを有している。このような導光シート15の表面(光出射面)15aには遮光膜22がパターン形成されている。
【0027】
遮光膜22は、各操作キー7に対応する位置に、平面視において操作キー7と略等しい大きさの開口22aを複数有しており、これによって導光シート15の照明領域15Aと遮蔽領域15Bとが設定されている。すなわち、開口22aが照明領域15Aを定めることになり、それ以外の領域が遮蔽領域15Bとなる。
【0028】
そして、このような導光シート15の内部で伝搬している光が照明領域15Aから操作パッド8に向かって出射されて、操作キー7が照光される。本実施形態では、導光シート15とLED19とによって操作パッド8を照光する照光部23が構成されている。また、導光シート15は、導光性を高めるために比較的撓み難い構成となっているが、接触シート13が押圧シート14の突起部21に押圧されてその押圧力が接触部20に集中して内部の接続端子(不図示)を固定端子18に導通させるため、操作キー7の操作性が低下することはない。
【0029】
本実施形態の携帯電話機100には、操作パッド8と照光部23との間であって導光シート15の光出射面15a上に照光色変更シート16が設けられている。照光色変更シート16は、透光性および可撓性を有する材料から構成され、各操作キー7に対応する複数の色材25の配列パターン16Aを有している。色材25は、操作キー7と対向するとともに、平面視において操作キー7と略等しい大きさを有するものである。
【0030】
ここで、配列パターン16Aにおける各色材25の配色は適宜設定され、例えば操作キー7ごと、あるいは操作キー7の機能ごとにその色が異ならせてあってもよい。そして、導光シート15の照明領域15Aから出射された照射光がこの照光色変更シート16に入射すると、各色材25によって所定の色の光となって対応する操作キー7を照明する。
【0031】
また、上述した導光シート15には、光出射面15a上に設けられた遮光膜22によってその照明領域15Aおよび遮蔽領域15Bが区画形成されているため、仮に隣り合う色材25の色が異なっていたとしても照光色が混じり合うことはない。
【0032】
本実施形態における携帯電話機100では、照光色変更シート16により、各操作キー7を色材25の色に応じて照光させることができる。照光色変更シート16は着脱可能に取り付けられ、操作キー7の照光色を変更したい場合には、配列パターン16Aとは異なる配列パターンを有した別の照光色変更シートと取り替えることが可能である。これにより、操作キー7における照光色のカラーバリエーションが増えるので、ユーザーは好みに応じた携帯電話機100を選択することができる。
【0033】
従来、操作キー7の照光色を変更する場合には、操作パッドごと差し替える必要があったため手間も費用もかかってしまっていた。これに対して本実施形態であれば、操作パッド8自体は共通で、照光色変更シート16を取り替えるだけで済むことから、照光色(携帯電話機100)の照光色のカラーバリエーションを容易に増やすことができる。上記構成の照光色変更シート16は、生産性も良く、照光色パターンの異なる操作パッド8を数種類用意しておく場合に比べてその製造コストを格段に抑えることが可能である。
【0034】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態における携帯電話機200の全体構成を説明する図、図4は、第2実施形態における携帯電話機200の第2の筐体2における要部構成を説明する図、図5は、携帯電話機200の照光色変更シート36の概略構成を示す平面図である。以下に示す第2実施形態の携帯電話機200の基本構成は、上記第1の実施形態と略同様であるが、照光色変更シート36及びその周辺の構成において異なっている。よって、以下の説明では、照光色変更シート36及びその周辺の構成について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図において、図1及び図2と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
【0035】
本実施形態の携帯電話機200は、図4に示すように、第2の筐体2の長さ方向に沿ってスライド可能な照光色変更シート36を備えている。照光色変更シート36は、図4に示すように、操作キー7に対応する色材25の第1の配列パターン36Aと、同じく操作キー7に対応する色材26の第2の配列パターン36Bとの2組の配列パターンを有している。そして、同一の操作キー7に対応する、第1の配列パターン36Aにおける色材25と第2の配列パターン36Bにおける色材25とが、照光色変更シート36の長さ方向に並んで配置されており、配列パターン36A,36Bのうち、操作キー7に対応する配列パターンを選択することで操作キー7の照光色を可変できるようになっている。本実施形態における各色材25,26は、特に操作キー7の表示部分に対応するようにして表示部分と対向する位置に設けられており、その大きさが少なくとも表示部分を含む大きさであればよい。
このような照光色変更シート36には、後述するスライドキー28が連結されている。
【0036】
導光シート27は、照光色変更シート36の下方(操作パッド8とは反対側の面側)に配置され、各配列パターン36A,36Bにおける各色材25,26に対応する大きさの照明領域27Aと、照明領域27A以外の遮蔽領域27Bとを有している。導光シート27の表面(光出射面)27aには、照明領域27A及び遮蔽領域27Bを設定する遮光膜29が設けられている。
【0037】
遮光膜29は、各操作キー7に対応する位置に複数の開口29aを有しており、これによって導光シート27の照明領域27Aと遮蔽領域27Bとが設定されている。開口29aは、平面視において操作キー7及び色材25,26と略等しい大きさで形成されている。
【0038】
スライドキー28は、図3に示すように、第2の筐体2の側面に具備され、係る携帯電話機200を閉じた状態においても外面に露出する位置に設けられていて、地点Aと地点Bとの間で移動可能に構成されている。このスライドキー28は、直接または不図示の連結部材を介して照光色変更シート36と連結されており、図4中の矢印で示すように、スライドキー28の移動に伴って照光色変更シート36を操作パッド8に対してスライドさせることが可能である。ここで、照光色変更シート36のスライド方向は、操作パッド8の面に対して平行な方向となる。
【0039】
本実施形態の携帯電話機200では、図4に示すように、スライドキー28が地点Aに位置する場合に、照光色変更シート36の第1の配列パターン36Aが操作キー7に対応している。そして、スライドキー28を地点Bへ移動させることによって、図5に示すように照光色変更シート36の第2の配列パターン36Bが操作キー7に対応することになる。このようにして、スライドキー28の移動に伴って照光色変更シート36における配列パターン36A,36Bのうち、操作キー7(特に、表示部分)に対応する配列パターンを選択することによって、操作キー7の照光色を適宜変更することが可能になっている。なお、照光色変更シート36の移動後の状態において、その下方に配置された押圧シート14の各突起部21の真上に、第1の配列パターンの各色材25あるいは第2の配列パターンの各色材26の中央部分が位置するようになっている。これにより、混色が防止されたものとなる。
【0040】
本実施形態の携帯電話機200によれば、スライドキー28によって照光色変更シート36を移動させることで、操作キー7の照光色を可変させることができる。そのため、照光色変更シート36を付け替えなくても、ユーザの意向に応じて操作キー7の照光色を随時変更することが可能である。例えば、外光に応じて照光色を選択することも可能になるので、操作性が向上する。
【0041】
なお、スライドキー28に他の機能を付加してもよい。例えば、操作キー7の操作を制限するキーロック機能を付加してもよい。
また、スライドキー28は、携帯電話機200の側面でなくてもよく、ユーザによって操作しやすい箇所であればどこでも構わない。
【0042】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0043】
例えば、先の実施形態では、操作キー7の数字や文字などの表示部分に光透過部24が設けられているが、さらに操作キー7の輪郭に沿うようにして光透過部24が設けられていてもよい(図4)。操作キー7の輪郭が透過性とされた、いわゆるフレームキーシートを用いることによって、操作キー7の場所を把握し易く、暗所であってもユーザによるキー操作が容易になる。
また、操作キー7の表示部分以外の領域に光透過部24を設けてもよい。
【0044】
また、先の実施形態では、プリント基板12の長手方向両側に一対ずつ計4つのLED19を配置し、導光シート15の長手方向両側の端部に各LED19が位置する構成となっているが、図6に示すように、プリント基板12上の所定位置に複数のLED19を配置し、導光シート15の、各LED19に対応する位置に形成された開口部15b内にそれぞれ挿入させる構成としてもよい。これにより、LED19の設置数を増やせるので、導光シート15においてより均一な照明光を射出させることが可能であるとともに、全体の照度を高めることが可能である。
なお、実際には、導光シート15とプリント基板12との間に配置された接触シート13Aにも、導光シート15の各開口部15bに対応した複数の開口部が形成されている(図6においては、導光シート15の開口部15bとプリント基板12のLED19との位置関係を分かり易くするために、接触シート13Aは外形のみを表現し簡略化してある)。
また、上記構成は一例であり、LED19の数などは図示したものに限らず適宜変更可能である。また、第2の実施形態の導光シート27にも図6におけるLED19の配列に対応した開口部を設けることが可能である。但し、導光シートの平面性を確保するため、プリント基板12に実装するLED19の数を制限するなどして開口部の数を少なくすことが好ましい。こうすることで、導光シート27上の照光色変更シート36をスムーズにスライドさせることができる。
【0045】
また、先の実施形態では、照光色変更シート16における色材25の平面視の大きさを操作キー7と略等しい大きさとしたが、複数の操作キー7に対応(対向)する大きさで形成してもよい。この構成は、隣り合う操作キー7同士の照射光が同色であった場合に好適である。これにより、照光色変更シート16に対して色材25をパターン形成するのが容易になる。
【0046】
また、先の実施形態では、色材25の平面視における形状を操作キー7に対応して矩形状としたが、光透過部24を含む大きさであればその形状は問わず、例えば円形でも楕円形状であってもよい。
【0047】
また、先の実施形態では電子情報装置として、図1,3に示されるような携帯電話機100,200を例に挙げて説明したが、これに限らず、PHS、PDA、PC、モバイルツール、電子辞書、電卓、複写機等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施形態における携帯電話機の全体構成を説明する図、(a)平面図、(b)側面図。
【図2】携帯電話機の第2の筐体の概略構成を示す斜視分解図。
【図3】第2実施形態における携帯電話機の全体構成を説明する図、
【図4】第2実施形態における携帯電話機の第2筐体の要部構成を説明する図。
【図5】携帯電話機の照光色変更シートの概略構成を示す平面図。
【図6】導光シート及びプリント基板における変形例を示す平面図。
【符号の説明】
【0049】
100,200…携帯電話機(携帯電子機器)、2a…フロントケース、2b…リアケース、4…枠部、7…操作キー、8…操作パッド(操作部)、11、12…プリント基板、13,13A…接触シート、14…押圧シート、15,27…導光シート、15A,27A…照明領域、15B,27B…遮蔽領域、16A,36A,36B…配列パターン、16,36…照光色変更シート、17…剛性板、18…固定端子、19…LED(発光素子)、20…接触部(メタルドーム)、22…遮光膜、23…照光部、24…光透過部、25,26…色材、28…スライドキー(スライド手段)、40…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キーを有する操作部と、
前記操作キーの回路パターンが形成されたプリント基板と、
前記プリント基板に実装された発光素子を有し前記操作部を照光する照光部と、
前記操作部と前記照光部との間に配置され、前記操作キーに対応する色材の配列パターンを有した照光色変更シートと、を有し、
前記照光色変更シートが取替え可能である
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
操作キーを有する操作部と、
前記操作キーの回路パターンが形成されたプリント基板と、
前記プリント基板に実装された発光素子を有し前記操作部を照光する照光部と、
前記操作部と前記照光部との間に配置され、前記操作キーに対応する色材の配列パターンを有した照光色変更シートと、を有し、
前記照光色変更シートが、前記配列パターンを複数組有するとともに前記操作部に対してスライド可能に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記照光色変更シートのスライド方向が、前記操作部の面に対して平行な方向である
ことを特徴とする請求項2記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記照光色変更シートに連結されたスライド手段を有する
ことを特徴とする請求項2または3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記操作キーの輪郭に沿って光透過部が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記照光部は、前記操作部と前記プリント基板との間に配置される導光シートを有する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記導光シートは、前記発光素子からの光を導光して前記操作キーを照明する照明領域と、該照明領域以外を遮光する遮光領域と、を有する
ことを特徴とする請求項6記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−81478(P2010−81478A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249654(P2008−249654)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】