説明

携帯電子機器

【課題】本発明は、筐体に設けられ、筐体の厚さに依存することなく外部物品を狭持することが可能な狭持部を備えた携帯電子機器を提供する。
【解決手段】筐体と、前記筐体の前面に設けられた表示部と、前記筐体を支持する支持部材と、を備える携帯電子機器において、前記筐体は、背面に嵌合部を備え、前記支持部材は、前記嵌合部と接続する接続部と、前記接続部から延出して設けられ、外部物品を狭持する狭持部と、を備え、前記接続部は、前記嵌合部を中心とし回動自在に支持され、前記狭持部は、対向する2枚の平板を備える携帯電子機器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
調律器等の携帯電子機器は、使用する際に譜面台等の他の物品に載置されることがある。しかし、もともとこれら他の物品は携帯電子機器を載置するようには設計されていないため、載置した携帯電子機器が不安定で落下しやすい。また、譜面台に設置する場合は、演奏中に携帯電子機器が邪魔になって譜面がめくりにくくなる等の問題がある。
【0003】
この問題に対して、筐体の背面に譜面台の譜面受部挿入用の溝を設け、譜面台へ装着可能な音楽用小型電子機器が開示されている。(特許文献1)
また、携帯電子機器の保護カバーであって、保護カバーから延出して設けられた係止部によって、外部物品に設置可能にする保護カバーが開示されている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−325594号公報
【特許文献2】特開2008−203438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、開示された音楽用小型電子機器は、本体に溝を設けているため、溝の深さが本体の厚さに依存してしまう。そのため、音楽用小型電子機器を譜面台に安定して設置するためには、溝を深くする必要があり、本体を厚くしなければならない。
【0006】
また、開示された携帯電子機器の保護カバーは、携帯電子機器と別体であるため、携帯電子機器を直接外部物品に設置することができない。また、携帯電子機器の前面に設けられた表示部を保護するためには、保護カバーは携帯電子機器よりも大きくなくなってしまう。また、携帯電子機器を外部物品に安定して設置するために係止部を大きくした場合、係止部が携帯電子機器の厚さより長くする必要がある。しかし、そのような構成にした場合、係止部は外部物品に設置していないときに邪魔になってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、筐体に設けられ、筐体の厚さに依存することなく外部物品を狭持することが可能な狭持部を備えた携帯電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
【0009】
本発明は、筐体と、前記筐体の前面に設けられた表示部と、前記筐体を支持する支持部材と、を備える携帯電子機器において、前記筐体は、背面に嵌合部を備え、前記支持部材は、前記嵌合部と接続する接続部と、前記接続部から延出して設けられ、外部物品を狭持する狭持部とを備え、前記接続部は、前記嵌合部を中心とし回動自在に支持され、前記狭持部は、対向する2枚の平板で構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の構成により、筐体に設けられた支持部材は、接続部から延出して設けられた対向する2枚の平板からなる狭持部を有しているため、筐体の厚さに依存せず、外部物品を狭持することが可能である。
【0011】
また、本発明の携帯電子機器は、前記狭持部を構成する2枚の前記平板が平面視略凹型であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の携帯電子機器において、前記筐体は、背面に開口部を備え、前記開口部は、側面に前記嵌合部を備えるとともに、前記支持部材を収納することを特徴とする。
【0013】
筐体の背面に開口部を設けることにより、支持部材を筐体に収納することができる。
【0014】
また、前記開口部は、前記狭持部を固定する少なくとも1つ以上の固定部を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記固定部は、前記狭持部の2枚の前記平板と嵌合する凸部からなることを特徴とする。また、前記固定部は、弾性体で形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明の構成により、狭持部を収納するとき、狭持部の2枚の平板の間に形成される溝に固定部の凸部が嵌合される。そのため、固定部は回動を規制する障壁として機能し、狭持部を安定して固定することができる。
【0017】
また、前記開口部は、前記狭持部の回動を規制する少なくとも1つ以上の回動規制部を前記開口部の底面に設けることを特徴とする。また、前記支持部材は、前記接続部の端部に第1の突起部を設け、前記回動規制部は、第2の突起部で構成され、第1の突起部が第2の突起部にぶつかることにより前記第1の突起部を係止することを特徴とする。また、前記第1の突起部及び第2の突起部のうち、少なくとも一方は弾性体で形成されることを特徴とする
本発明の構成により、支持部材側の第1の突起部が、回動規制部側の第2の突起部を越えるまで狭持部を回動させる場合、第2の突起部が第1の突起部に対して収納する方向への回動を規制する障壁として機能し、第1の突起部を係止することができる。これにより、狭持部が外部物品を狭持するとき、筐体を安定して外部物品に固定することができる。
【0018】
また、前記支持部材が平面視略コの字型であることを特徴とする。また、前記開口部は、平面視略コの字型に形成され、平面視略コの字型の支持部材を収納することを特徴とする。
【0019】
支持部材を平面視略コの字型にすることにより、狭持部が外部物品を狭持する部分を備えつつ、開口部も支持部材に合わせたコの字型に形成することができる。これにより、背面における開口部の領域を減らすことができるため、携帯電子機器を小型にすることができる。
【0020】
また、前記狭持部において、2枚の前記平板の対向する面同士の間隔が、前記接続部側から前記平板の端部側に向かって広がることを特徴とする。
【0021】
本発明の構成により、平板の対向する面同士の間隔が場所によって異なっているため、外部物品の様々な厚みに対応し、装着することが可能になる。
【0022】
また、前記狭持部において、2枚の前記平板は、前記接続部から前記平板の端部までの長さが異なることを特徴とする。
【0023】
本発明の構成により、長さが長い方の平板の対向する面の突出部分を外部物品に沿うように配置し、狭持部を水平移動させることで、外部物品を挿入することができる。すなわち、平板の突出部分が外部物品を挿入するための補助として機能するため、携帯電子機器を容易に外部物品に取り付けることができる。
【0024】
また、前記狭持部において、少なくとも2枚の前記平板の対向する面が弾性体で形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明の構成により、狭持部は外部物品を安定して狭持することができる。
【0026】
また、前記開口部は、前記狭持部を収納するとき、前記狭持部が接触する部分に衝撃を吸収する緩衝部を備えることを特徴とする。前記緩衝部は、前記開口部の底面に設けられることを特徴とする。
【0027】
本発明の構成により、狭持部が筐体に接触するとき、筐体に対して、余計な振動を与えることを防ぐことができる。
【0028】
また、前記狭持部は、クリップで形成されることを特徴とする。
【0029】
本発明の構成により、狭持部は外部物品を容易に狭持することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の携帯電子機器によれば、筐体に設けられた支持部材は、接続部から延出して設けられた対向する2枚の平板からなる狭持部を有しているため、外部物品を安定して狭持することができる。また、支持部材の狭持部の長さが筐体の厚さに依存しないため、携帯電子機器を小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る携帯電子部品の正面図及び背面図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電子機器の筐体の斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯電子機器の支持部材の斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る携帯電子機器の背面図である。
【図5】第1実施形態に係る携帯電子機器であり、図4のA−A線に相当する部分における側面断面図である。
【図6】第1実施形態に係る携帯電子機器を外部物品に取り付ける状態を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る携帯電子機器を平坦な面で支持する状態を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。
【図9】第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。
【図10】第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。
【図11】第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。
【図12】第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。
【図13】第2実施形態に係る携帯電子機器の筐体の斜視図である。
【図14】第2実施形態に係る携帯電子機器の支持部材の斜視図である。
【図15】第3実施形態に係る携帯電子機器の筐体の斜視図である。
【図16】第3実施形態に係る携帯電子機器の支持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る携帯電子機器の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の携帯電子機器は、調律器、メトロノーム、メトロノーム付調律器や、ストップウォッチ、ICレコーダー、音楽再生用携帯電子機器、動画再生用携帯電子機器機、携帯電話等の携帯電子機器に適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る携帯電子機器の説明図である。図1(a)は携帯電子機器の正面図であり、図1(b)は携帯電子機器の背面図である。第1実施形態の携帯電子機器は、筐体101を備えている。また、筐体101の正面には、表示部102、スピーカー103、操作キー104が設けられている。また、筐体101の背面には、筐体を支持する支持部材121、支持部材121を筐体から取り出すための窪み部111が設けられている。なお、筐体101の正面には、表示部102が設けられていればよく、必ずしもスピーカー103、操作キーを設ける必要はない。また、操作キー104は、携帯電子機器の起動及び終了の操作、各機能の設定、切替、又は調節などの操作などを実行するものである。なお、操作キー104は、必ずしも筐体101の正面に設けられている必要はなく、側面や背面に設けられていてもよい。表示部102は、液晶ディスプレイ等からなり、携帯電子機器の動作状況、操作キーを通じて入力された各種の設定値等の情報を表示する。
【0033】
図2は、図1に示した筐体101の背面側の斜視図である。筐体101の背面には、支持部材(図示しない)と接続する嵌合部114が設けられている。嵌合部114によって、支持部材は嵌合部を中心とし回動自在に支持される。図2に示すように、嵌合部114は、円筒状に形成されている。また、嵌合部114は、図示しないが、開口部112の対向する側面にも同様に形成されている。また、図2では、嵌合部114は、2つの円筒で形成されているが、2つを接続させ、開口部112の対向する側面同士と接続する1つの円筒にしてもよい。嵌合部114は、例えば、弾性を有するゴム、プラスチック、又はバネ等の弾性体で形成することができる。これにより、支持部材と容易に接続することが可能になる。
【0034】
また、筐体の101の背面には、開口部112が設けられている。開口部112は、嵌合部114を側面に設けることにより、支持部材を開口部112に収納することができる。窪み部111は、開口部112に隣接して設けられている。
【0035】
また、開口部112の側面には、支持部材を固定する固定部115が設けられている。固定部115により、支持部材を安定して固定し、余計な振動を防ぐことができる。固定部115は、凸部で形成されている。図2では、固定部115は1つの凸部で形成されているが、開口部112の側面の数箇所に分けて複数の凸部を同一線上に配置してもよい。また、固定部115は、例えば、弾性を有するゴム、プラスチック、又はバネ等の弾性体で形成することができる。これにより、支持部材を容易に固定することができる。
【0036】
また、開口部112の側面には、支持部材の回動を規制する回動規制部113が設けられている。回動規制部113は、支持部材の回動を規制するため、支持部材を外部物品に安定して固定することができる。回動規制部113は、例えば支持部材の収納方向への回動を規制することができる。回動規制部113は、突起部(第2の突起部)で構成されている。回動規制部113は、例えば、弾性を有するゴム、プラスチック、又はバネ等の弾性体で形成することができる。また、回動規制部112は開口部112の側面において支持部材が回動する方向に複数並んで設けられていてもよい。その場合、支持部材の複数回の回動を規制することができる。
【0037】
また、筐体101の側面には、外部と接続するためのコネクタ105が設けられている。筐体101は、例えばイヤホン用、電源用のコネクタを設けることができる。また、外部からの携帯電子機器への情報入力するためのコネクタを設けることができる。また、調律器等の場合、電子楽器等のプラグと接続するジャックなどのコネクタを設けることができる。なお、コネクタ105は、外部と接続する必要がない場合は、必ずしも設ける必要はない。
【0038】
また、開口部112の底面には、支持部材と接触したときに、筐体101への振動を緩衝する緩衝部116を設けられている。緩衝部116は、ウレタン、スポンジ等の発泡素材を用いることができる。なお、緩衝部116は、必ずしも開口部112の底面に設けられる必要はなく、支持部材が接触する部分に設けられればよい。
【0039】
筐体の背面に設けられた支持部材を固定する固定部115、支持部材を回動規制する回動規制部113、及び緩衝部116は、筐体への支持部材の接触を妨げ、支持部材から筐体への余計な振動を抑えることができる。調律器などの携帯電子機器の場合、基準音などの音を発生するときに支持部材が接触すると、発生する音と異なる耳障りな雑音や騒音が発生し、演奏者は調律を正確に行うことができなくなる。しかし、本実施形態に係る携帯電子機器は、余計な振動を抑えることができるため、雑音や騒音の発生を防ぐことができる。また、調律器だけではなく、音を発生する携帯電子機器において、雑音や騒音の発生を防ぐことができるため、使用者に正確な音を伝えることができる。なお、筐体への振動を防ぐ必要がない場合は、必ずしも固定部115、回動規制部113、及び緩衝部116を設ける必要はない。
【0040】
図3は、図1に示した支持部材121の斜視図である。支持部材121は、嵌合部114と接続する接続部123を備えている。接続部123は、図2に示した嵌合部114と接続するため、嵌合部114と円筒状の嵌合穴を有している。これにより、接続部123は、嵌合部114を中心として回動自在に支持される。また、嵌合穴に嵌合部114を挿入するために、接続部123の一部に接続部123の外壁から嵌合穴まで貫通する嵌合部挿入口を有している。嵌合部挿入口は、例えば、弾性を有するゴム、プラスチック、又はバネ等の弾性体で形成することができる。また、嵌合部挿入口は、接続部123の外壁の上部側に形成されているが、嵌合部114を挿入できればよく、必ずしも上部側に形成する必要はない。また、嵌合部114を嵌合穴の開口端から挿入する場合は、必ずしも嵌合部挿入口を形成する必要はない。また、嵌合穴は、支持部材121の両端に設けられている。なお、嵌合部114が図2に示した開口部112の対向する側面同士と接続する1つの円筒の場合、嵌合穴は、支持部材121の接続部123を貫通する嵌合部114と同形状の円筒状に形成することができる。その場合、嵌合部挿入口も嵌合穴と同様に接続部123を貫通する形状に形成する。
【0041】
また、支持部材121は、接続部123から延出して設けられ、外部物品を狭持する狭持部122を備えている。狭持部122は、対向する2枚の平板で構成されている。図3に示すように、2枚の平板が対向して配置しており、平板の端部又は接続部123において一体になっているため、平板の間に溝が形成されている。この溝に外部物品を挿入することで狭持することができる。なお、外部物品とは、平板間の溝に挿入できるもの、例えば外部物品の一部に平板等を有するものである。狭持部122は、例えば、譜面台、棚、台など平板間の溝と同程度の厚さの平板等を有する外部物品に狭持できる。また、狭持部122において、少なくとも2枚の平板の対抗する面、すなわち平板間の溝の側壁を弾性体で形成することができる。これにより、狭持部122は、密着性が向上するため、外部物品を密着して狭持することができる。また、狭持部122の少なくとも一方の端部が外側に向かって緩やかなアーチ状に折り曲げられていてもよい。また、狭持部122の少なくとも一方の端部を凸型に形成してもよい。このようにすることで、狭持部が外部物品を凸型部分で挟み込む形になり、平板の端部の弾性力によって、外部物品をさらに確実に狭持することができる。また、狭持部122は図2に示した固定部115により固定される。すなわち、狭持部122を開口部112に収納する方向に回動し、図2に示した開口部112側の平板の端部が固定部115に当たる。さらに、狭持部122を収納する方向に押すことで、開口部112側の平板が固定部115を乗り越える。このとき、固定部115が弾性体で形成されている場合、容易に固定部115を乗り越えることができ、乗り越えた後の狭持部を確実に固定できる。これにより、2枚の平板の間に固定部115が嵌合され、狭持部122を固定することができる。なお、図3では、2枚の平板が同様の形状であるが、外部物品を狭持できる部分があれば異なっていてもよい。
【0042】
また、支持部材121は、接続部123の外壁の一部に突起部(第1の突起部124)を設けている。支持部材側の第1の突起部124が、図2に示した第2の突起部を有する回動規制部113を乗り越えるまで狭持部を回動させたとき、第2の突起部が第1の突起部124に対して収納する方向への回動を規制する障壁として機能し、第1の突起部を係止する。これにより、狭持部122が安定して外部物品に狭持することができる。また、第2の突起部、すなわち回動規制部113が図2に示した開口部112の側面において固定部に向かって複数並んで設けられている場合、第1の突起部124の回動を複数の位置で規制することができる。また、第1の突起部124が2つの第2の突起部に嵌合されることにより、支持部材121を安定して固定することができる。
【0043】
また、第1の突起部124及び図2に示した第2の突起部を有する回動規制部113のうち少なくとも一方を弾性体で形成することができる。これにより、第1の突起部124は、容易に第2の突起部を乗り越えることができ、その後第1の突起部124が障壁である第2の突起部にぶつかって、乗り越えた後の支持部材121の回動を確実に規制できる。
【0044】
なお、筐体101の背面には必ずしも開口部112を設ける必要はない。その場合、嵌合部114は、筐体101の背面には突出する第1の2つの柱状の部品を設置させ、第1の2つの柱状の部品の対向する側面の間に配置することができる。この場合、対向するそれぞれの側面には嵌合部を設けることによって、支持部材121の接続部123の嵌合穴と嵌合させることができる。また、筐体101の背面と支持部材121が平行になるとき、狭持部122の2枚の平板の接続部123側と反対の端部の下部にさらに背面から突出する第2の2つの柱状の部品を配置する。第2の2つの柱状の部品は、対向する側面の間に第2の2つの柱状の部品を接続する板状の部品が配置される。この板状の部品は狭持部122の2つの平板の接続部123側と反対の端部側の表面上に固定部と同様の凸部を有することにより、2枚の平板の間に固定部115が嵌合され、狭持部122を固定することができる。また、背面に回動規制部113と同様の回動規制部を設けることによって、支持部材121の回動を規制できる。回動規制部は、例えば第2の突起部と同様の突起部からなり、開口部112を有するときと同様に支持部材121の回動を規制できる。また、開口部がない場合の凸部及び突起部は、例えば弾性部材で形成することができ、支持部材の固定又は回動規制を安定して行うことができる。
【0045】
図4は、第1実施形態に係る携帯電子機器の背面図であり、支持部材121を回動させ、所望の位置で止まっている状態を示す。窪み部111を利用して、支持部材を回動させた状態を背面側から見ると、開口部112、固定部115が確認できる。
【0046】
図5は、第1実施形態に係る携帯電子機器であり、図4のA−A線に相当する部分における側面断面図である。
【0047】
図5(a)は、支持部材121を開口部112に収納する状態を示す図である。図5(a)に示すとおり、支持部材121は、筐体101に収納されている。この際、支持部材121は完全に開口部112からはみ出さない方が好ましい。接続部123は、嵌合部114と略同形状の嵌合穴を有しており、嵌合部114と接続している。図5(a)に示すとおり、狭持部122の2枚の平板と固定部115とが嵌合されており、狭持部122が回動することができない。そのため、狭持部122は固定部115により固定されている。固定部115の開口部112の側面方向の長さは、狭持部122の2枚の平板間より短ければよいが、嵌合する部分の少なくとも一部を同一の長さにすると、確実に固定することができる。
【0048】
図5(b)は、支持部材121の狭持部122を回動自在になっている状態を示す図である。図5(a)の状態から、狭持部122を回動する方向に押して引き出すことで、開口部112側の平板が固定部115を乗り越える。これにより、狭持部122を回動自在にすることができる。また、固定部111が弾性体で形成されている場合、平板が固定部115を効率よく乗り越えることができる。また、接続部123の嵌合穴に遊びを設けることにより、一旦支持部材121を嵌合部114側に引き上げ、開口部112側の平板が固定部115を乗り越えたとき、支持部材121を引き下げ固定することができる。その際、支持部材121が元の位置に戻ったとき固定されるように嵌合穴の嵌合部114に対する固定部分と遊び部分の形状、大きさを異なるように形成する必要がある。
【0049】
図6は、第1実施形態に係る携帯電子機器を外部物品に取り付ける状態における図4のA−A線に相当する部分の側面断面図を示す図である。図6は、例えば、調律器等の携帯電子機器を譜面台の譜面受けに挿入した状態である。また、音楽又は動画再生用携帯電子機器などを、棚の突出部分に挿入するものでもよい。図6に示すとおり、支持部材121の狭持部122は外部物品106の平板等で形成された突出部分に挿入される。狭持部122は、接続部123から延出して設けられている。そのため、狭持部分の長さは、筐体の厚さに依存されることなく、確実に外部物品を狭持できる長さにすることができる。また、開口部112を設ける場合は、開口部112の底面の面積を広くすることで、狭持部122の長さを長くすることができる。これにより、狭持部122は安定して外部物品を狭持することができる。このとき、図示しないが、支持部材121は図2に示した回動規制部113により回動規制された状態になっている。そのため、支持部材121は収納方向に回動しないよう固定される。すなわち、筐体101は、支持部材121の回動規制により、一定の角度で固定された状態になる。この角度は、回動規制部113の位置によって決まる。すなわち、回動規制部113の位置を変更することで、筐体の角度を変更でき、使用者の見やすい角度にすることができる。なお、筐体101に回動規制部113が設けられなくてもよい。回動規制部113が設けられていない場合は、筐体は垂直方向、すなわち重力方向に平行な状態になる。この場合、外部物品が安定に固定されていれば、筐体は一定の角度を維持することができる。
【0050】
図7は、第1実施形態に係る携帯電子機器を水平な面で支持する状態における図4のA−A線に相当する部分の側面断面図を示す図である。図7に示すとおり、筐体101は、狭持部122と筐体101の背面の一辺とで水平な面に対して支持されている。すなわち、支持部材121はスタンドとして機能する。このとき、支持部材121は、回動規制部113によって回動規制された状態で筐体101を支持してもよいが、回動規制されていない状態で筐体101を支持してもよい。狭持部122は、水平な面に載置されているため、筐体101の背面の一辺が載置される位置を決めることによって、水平な面に対して安定して固定される。また、筐体101の背面の一辺の載置される位置を変えることによって、筐体101と水平な面との間の角度を変えることができる。これにより、使用者の視認しやすい位置にすることができる。
【0051】
図8は、第1実施形態に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。図8では、支持部材122の回動を説明する図である。
【0052】
図8(a)は、支持部121が回動自在になっている状態である。図4のB―B線の断面には、回動規制部113及び窪み部111が配置されている。このとき、窪み部111によって、狭持部122を引き出し、回動自在にする。
【0053】
図8(b)は、支持部材121が回動規制部113によって回動規制されている状態を示す。支持部材121は、接続部123の外壁の一部に突起部(第1の突起部124)を設けている。図8(b)に示すように、支持部材側の第1の突起部124が、第2の突起部を有する回動規制部113を乗り越えるまで狭持部を回動させたとき、第2の突起部が第1の突起部124に対して収納する方向への回動を規制する障壁として機能し、第1の突起部を係止する。これにより、狭持部122が安定して外部物品に狭持することができる。なお、回動規制された状態から、狭持部122を収納する方向へ押すことによって、第1の突起部124が第2の突起部を乗り越え、回動自在にすることができる。また、回動規制部113が弾性体で形成されている場合、第1の突起部124が回動規制部113を効率よく乗り越えることができる。また、接続部123の嵌合穴に遊びを設けることにより、一旦支持部材121を回動規制部113側と反対側に引っ張り、第1の突起部124が回動規制部113を越えたとき、支持部材121を元の位置に戻し固定することができる。その際、支持部材121が元の位置に戻ったとき固定されるように嵌合穴の嵌合部114に対する固定部分と遊び部分の位置又は形を異なるように形成する必要がある。
【0054】
図9は、第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。なお、図8と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。図9に示すように、開口部112の開口側の端辺のうち、支持部材121の第1の突起部124側の端辺には、第1の突起部124を遮蔽する突出部分を有する遮蔽部117が設けられている。これにより、第1の突起部124を遮蔽するため、見栄えを良くすることができる。また、狭持部122の2枚の平板が固定部111より開口部112側に押されてしまった場合、第1の突起部124が遮蔽部117にぶつかることによって、支持部材121の回動を止めることができる。
【0055】
図10は、第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。なお、図8と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。図10に示すように、狭持部122において、2枚の前記平板の対向する面同士の間隔が、図3に示した接続部123から狭持部122の平板の端部に向かって広がっている。これにより、狭持部122を外部物品の突出部分に挿入しやすくなる。また、狭持部122が外部物品の突出部分の様々な厚みに対応し、挿入することができる。また、狭持部122において、少なくとも2枚の平板の対抗する面、すなわち平板間の溝の側壁を弾性体で形成することができる。これにより、狭持部122は、密着性が向上し外部物品を密着して狭持することができる。
【0056】
図11は、第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。なお、図8と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。図11に示すように、狭持部122において、2枚の平板は、接続部123から狭持部122の平板の端部までの長さが異なっている。すなわち、2枚の平板は平面視した場合、異なった形状をしている。これにより、長さが長い方の平板の対向する面の突出部分を外部物品に沿うように配置し、狭持部122を水平移動させることで、外部物品を挿入することができる。すなわち、平板の突出部分が外部物品を挿入するための補助として機能するため、支持部材121を容易に外部物品に取り付けることができる。また、狭持部122において、少なくとも2枚の平板の対抗する面、すなわち平板間の溝の側壁を弾性体で形成することができる。また、狭持部122において、2枚の平板は接続部123から狭持部122の平板の端部までの長さが異なっていて、かつ、2枚の前記平板の対向する面同士の間隔が、図3に示した接続部123から狭持部122の平板の端部に向かって広がっている構造に形成してもよい。
【0057】
図12は、第1実施形態の変形例に係る携帯電子機器であり、図4のB―B線に相当する部分における側面断面図である。なお、図8と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0058】
図12(a)において、狭持部122は、クリップで形成されている。この形態においても、狭持部122は図3に示した接続部123から延出して設けられている。また、この形態においても、2枚の平板は、平板間を連結するする連結部により一体になっている。連結部にはバネ等が設けられており、挟むこれにより、外部物品の突出部分に挿入しやすくなる。また、これにより、外部物品の突出部分の様々な厚みに対応し、挿入することができる。また、クリップにすることにより、外部物品の突出部分を確実に挟み込むことができる。また、狭持部122の少なくとも一方の端部が外側に向かって緩やかなアーチ状に折り曲げられていてもよい。また、狭持部122の少なくとも一方の端部を凸型に形成してもよい。このようにすることで、狭持部が外部物品を挟み込む形になり、平板の端部の弾性力によって、外部物品を確実に狭持することができる。なお、図12では、狭持部122において、収納時に開口部側の平板が、接続部から延出されているが、反対側の平板が延出していてもよい。
【0059】
図12(b)において、狭持部122は、図12(a)と同様にクリップで形成されている。図12(b)は、図12(a)と異なり、狭持部122の平板同士の間隔を開いたときに2枚の平板が略平行になる。そのため、外部物品の突出部分が平板状である場合、支持部材121はより安定して外部物品を狭持することができる。なお、図12では、狭持部122において、収納時に開口部側の平板が、接続部から延出されているが、反対側の平板が延出していてもよい。
【0060】
なお、狭持部122がクリップで形成されているものを図12に示したが、クリップの形態はこれに限定されるものではなく、2枚の平板で狭持できる構成のクリップならよい。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係る携帯電子機器の筐体の斜視図である。図13に示す第2実施形態体に係る筐体201の開口部(図示しない)及び支持部材221は平面視略コの字型に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0061】
図13では、支持部材221が平面視コの字型に形成されている。すなわち、支持部材221において狭持部222を形成する部分を減らしている。この場合、筐体の開口部についても平面視で同様の形状にすることができる。また、窪み部211は、筐体において支持部材221の平面視凹み部分、すなわち中央部に形成されている。図13では、支持部材の平面視コの字型の凹み部分に形成しているが、支持部材221の平面視凸部分側に形成されてもよい。
【0062】
図14は、第2実施形態に係る携帯電子機器の支持部材の斜視図である。第2実施形態においても、狭持部222は、接続部から延出して設けられ、対向する2枚の平板で形成されている。収納部221がコの字型に形成されている。図14では、2枚の平板は同様の形状であるが、異なっていてもよい。また、図14では、平板の凹部分が台形になっているが、平板が凹部分を有していればよい。また、支持部材221は、平面視コの字型であるが、2枚の平板で外部物品を狭持できる部分を有していればよい。
【0063】
支持部材221を平面視略コの字型、すなわち狭持部222の平面における面積を減らすことにより、狭持部が外部物品を狭持する部分を備えつつ、開口部も平板に合わせたコの字型に形成することができる。これにより、背面における開口部の領域を減らすことができるため、筐体内部において使用できる領域が増加させることができる。また、筐体内部の領域をさらに有効に使用することができるため、携帯電子機器を小型にすることもできる。
(第3実施形態)
図15は、第3実施形態に係る携帯電子機器の筐体の斜視図である。図15に示す第3実施形態体に係る支持部材321の狭持部の2枚の平板は、狭持部分、すなわち凸部分が接続部の異なる端部から延出している点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0064】
図15では、支持部材321の狭持部の平板のうち、開口部側の平板と開口部側と反対の平板とが、接続部の異なる端部から延出した凸部分を設けている。この場合、図13と同様に、筐体の開口部(図示しない)は、コの字型に形成されている。
【0065】
図16は、第3実施形態に係る携帯電子機器の支持部材の斜視図である。狭持部322の平板のうち、開口部側の平板と開口部側と反対の平板とが、接続部の異なる端部から延出した凸部分を設けている。この場合においても、狭持部322は、接続部から延出し、対向する2枚の平板、すなわち、開口部側の平板及び開口部側と反対の平板を備えている。また、2枚の平板は、平面視コの字型に形成されている。2枚の平板の凸部分によって、外部物品を狭持することができる。このようにすることで、第2実施形態と同様の効果に加え、狭持部322の構成を最小限にするとともに、外部物品を狭持することが可能になる。また、この構成により狭持部322は外部物品を挿入しやすくなる。なお、それぞれの平板の凸部分は、図16と反対の接続部の端部から延出していてもよい。
【符号の説明】
【0066】
101、201、301 筐体
102 表示部
103 スピーカー
104 操作部
105 コネクタ
106 外部物品
111、211、311 窪み部
112 開口部
113 回動規制部
114 嵌合部
115 固定部
116 緩衝部
117 遮蔽部
121、221、321 支持部材
122、222、322 狭持部
123、223、323 接続部
124、224、324 第1の突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体の正面に設けられた表示部と、前記筐体を支持する支持部材と、を備える携帯電子機器において、
前記筐体は、背面に嵌合部を備え、
前記支持部材は、前記嵌合部と接続する接続部と、前記接続部から延出して設けられ、外部物品を狭持する狭持部とを備え、
前記接続部は、前記嵌合部を中心とし回動自在に支持され、
前記狭持部は、対向する2枚の平板で構成されることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、背面に開口部を備え、
前記開口部は、側面に前記嵌合部を備えるとともに、前記支持部材を収納することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記開口部は、前記狭持部を固定する少なくとも1つ以上の固定部を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記固定部は、前記狭持部の2枚の前記平板と嵌合する凸部からなることを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記固定部は、弾性体で形成されることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記開口部は、前記狭持部の回動を規制する回動規制部を前記開口部の底面に設けることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記支持部材は、前記接続部の端部に第1の突起部を設け、
前記回動規制部は、第2の突起部で構成され、第1の突起部が第2の突起部にぶつかることにより前記第1の突起部を係止することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第1の突起部及び第2の突起部のうち、少なくとも一方は弾性体で形成されることを特徴とする請求項7に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記支持部材は、平面視略コの字型に形成されることを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記開口部は、平面視略コの字型に形成され、平面視略コの字型の前記支持部材を収納することを特徴とする請求項9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記開口部は、前記狭持部を収納するとき、前記狭持部が接触する部分に衝撃を吸収する緩衝部を備えることを特徴とする請求項2から10のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記緩衝部は、前記開口部の底面に設けられることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記狭持部において、少なくとも2枚の前記平板の対向する面が弾性体で形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項14】
前記狭持部において、2枚の前記平板の対向する面同士の間隔が、前記接続部から前記平板の端部に向かって広がることを特徴とする請求項1から13に記載の携帯電子機器。
【請求項15】
前記狭持部において、2枚の前記平板は、前記接続部側から前記平板の端部側までの長さが異なることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項16】
前記狭持部は、クリップで形成されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−158673(P2011−158673A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19763(P2010−19763)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】