説明

携帯電子機器

【課題】携帯電子機器の電池が共振を起こすとアンテナ及び電池で構成する放射体のいずれかの部分で熱損が生じる。これは、アンテナ放射効率を低下させる原因となる。そのため、アンテナ放射効率が改善した携帯電子機器が望まれる。
【解決手段】そこで、図1に示す携帯電子機器を提供する。図1に示す携帯電子機器は、アンテナと、アンテナに対して動作電圧を供給する電源回路と、電源回路に対し電力を供給する電池を備えている。さらに、アンテナの通信周波数と同調する共振回路が、電池の正極端子と電源回路間の第1の接続、又は、電池の負極端子と回路グランド間の第2の接続、のいずれかの接続の間に挿入されている。この共振回路が、電池が不要共振を起こしたとしても、その高周波電流を遮断する。同時に、アンテナが動作することにより生じる高周波電流が電池に流れることも遮断し、電池自身での熱損を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器に関する。特に、アンテナ及び電池を備えた携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯電子機器は広く普及し、高機能化が著しい。一台の携帯電子機器においてWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)やGSM(Global System for Mobile communications)等の異なる通信方式に対応する必要があることや、Bluetooth(登録商標)やWLAN(Wireless Local Area Network)等の無線通信に対しても対応することが強く求められているのが現状である。
【0003】
このように、通信方式の多様化や様々な通信アプリケーションの増加が要因となって、携帯電子機器内部のアンテナ数は増加の一途である。一方、アンテナ数が増加し、それに伴って通信周波数が増加すると、各アンテナが他のアンテナに及ぼす影響は非常に複雑になり、携帯電子機器に求められる性能を満足するために各アンテナ間の影響を低減することは非常に困難な状況となる。しかし、アンテナ数が増加したとしても、通信品質や使い勝手等の携帯電子機器に求められる性能及び品質の劣化は許されるものではない。
【0004】
また、携帯電子機器は常に持ち歩いて使用する機器であり、携帯電子機器には乾電池又は充電池等の電池が必要である。そして、この電池自身が携帯電子機器内部の回路やグランドから影響を受けて特定の周波数において共振を起こすことがある。電池のおける共振が、携帯電子機器の用いる通信周波数付近であるとアンテナの放射効率を劣化させる場合がある。
【0005】
そこで、特許文献1において、金属の突起を電池のセルに接触させることにより電池パックの共振周波数をずらし、電池が共振したことによるアンテナ特性への影響を回避する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2においては、携帯電話機の充電器内の内部配線と携帯電話機との間で共振が発生した際に、共振回路をグランド間に挿入し、内部配線との間で生じる共振の影響を低減する技術が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3において、アンテナと電池の端子を一体のものとして設計し、後の設計変更を軽減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−193873号公報
【特許文献2】特開2005−086939号公報
【特許文献3】特開2009−194427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0010】
上述のように、携帯電子機器が搭載するアンテナ数は増加の一途である。すると、通信周波数の種類も増加し、携帯電子機器内部のグランド等の影響により電池自身が共振した場合に、これらの通信周波数の帯域と重複する可能性が格段に高まり、アンテナ放射効率が劣化する懸念が増大する。従って、電池自身における共振のアンテナ放射効率に対する影響を低減することが求められる。
【0011】
その際に、特許文献3が開示するように、電池の端子をアンテナ等の他部品と一体化してしまうと、構造上の制約が多くなり、携帯電子機器を設計する際の自由度が低くなるという問題がある。また、特許文献3で開示された技術では、電池自身によるアンテナへの影響が考慮されておらず、この電池自身の影響によるアンテナ効率の低下を回避することは困難である。電池がアンテナと電気的に一体となっているため、アンテナを含めた物理的な調整で回避する必要があるためである。
【0012】
ここで、アンテナ放射効率は、放射電力と入力電力の比で表される。このアンテナ放射効率を低下させる原因としては以下の2つの理由が考えられる。
【0013】
第1の理由としては、アンテナの入力端で反射してしまう電力の存在である。
【0014】
第2の理由としては、放射体や絶縁体によって生じる熱損の存在である。携帯電子機器が備える電池、又は、特許文献2で開示されているように充電器の配線が、特定の周波数で共振を起こすと、これらの電池や配線とアンテナが一体となり放射体を形成する。この放射体の一部で熱損が生じると、本来であれば放射電力として使われるエネルギーが失われることになるのでアンテナ放射効率が低下する。
【0015】
また、電池自身が共振を起こしていない場合であっても、アンテナを動作させ通信を行なっている間、つまり、アンテナが高周波エネルギーを電磁波として空間に放射している間に、電池の正極端子及び負極端子に高周波電流が流れることがある。電池の正極端子及び負極端子に高周波電流が流れると、電池内部で用いられている絶縁体及び有機溶媒において熱損が生じる。この場合も電池から供給されるエネルギーが失われることになり、アンテナ放射効率の低下を引き起こす。
【0016】
このように、電池自身の共振によりアンテナと一体となって生じる熱損、及び、電池の正極端子及び負極端子に流れる高周波電流により生じる熱損、両者の影響を受けアンテナ放射効率は低下してしまう。
【0017】
以上のとおり、従来技術には、解決すべき問題点が存在する。
【0018】
本発明の一側面において、電池自身による共振及び電池に流れる高周波電流の影響を抑制し、アンテナ放射効率が改善した携帯電子機器が、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の視点によれば、アンテナと、前記アンテナに対して動作電圧を供給する電源回路と、前記電源回路と接続され、前記電源回路に対し電力を供給する電池と、前記アンテナの通信周波数と同調し、前記電池の正極端子と前記電源回路間の第1の接続、又は、前記電池の負極端子と回路グランド間の第2の接続、のいずれかの接続の間に挿入される共振回路と、を備える携帯電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の各視点によれば、電池自身による共振及び電池に流れる高周波電流の影響を抑制し、アンテナ放射効率が改善した携帯電子機器が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の携帯電子機器の概観を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る携帯電子機器の内部構成を示したブロック図である。
【図4】図3に示す共振回路の一構成例を示す図である。
【図5】図3に示す共振回路の一構成例を示す図である。
【図6】実機による検証を行なった際の携帯電子機器の構成を示す図である。
【図7】図6に示す構成におけるアンテナ放射効率の検証結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
初めに、図1を用いて本発明の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0023】
上述のように、携帯電子機器の電池が共振を起こすと、アンテナ及び電池で構成する放射体のいずれかの部分で熱損が生じる。また、携帯電子機器が通信動作を行なっている場合には、電池の正極端子及び負極端子に高周波電流が流れ、熱損が生じる。これらはいずれも、アンテナ放射効率を低下させる原因となる。
【0024】
そこで、図1に示す携帯電子機器を提供する。図1に示す携帯電子機器は、アンテナと、アンテナに対して動作電圧を供給する電源回路と、電源回路に対し電力を供給する電池を備えている。さらに、アンテナの通信周波数と同調する共振回路が、電池の正極端子と電源回路間の第1の接続、又は、電池の負極端子と回路グランド間の第2の接続、いずれかに挿入されている。この共振回路の働きにより、電池が不要共振を起こしたとしても、電池から流れる高周波電流は遮断される。同時に、アンテナが動作することにより生じていた高周波電流の発生を抑制し、電池自体の熱損を抑制する。その結果、アンテナ放射効率の改善を図ることができる。
【0025】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る携帯電子機器1の概観を示す斜視図である。携帯電子機器1はアンテナ10を備えている。以降の説明においては、アンテナ10はBluetooth(登録商標)用のアンテナとして動作するものとする。なお、Bluetooth(登録商標)用のアンテナは携帯電子機器1の内部に配置され、外部から視認することができない場合も多い。
【0026】
図3は、携帯電子機器1の内部構成を示したブロック図である。携帯電子機器1は、アンテナ10と、送受信回路20と、電池接続端子30と、電源回路40と、過電圧保護回路50と、温度検知用回路60と、残量表示用回路70と、共振回路80から構成されている。
【0027】
アンテナ10は、Bluetooth(登録商標)による無線通信用を実現するアンテナとして使用し、約2.4GHz帯で動作する。
【0028】
送受信回路20は、アンテナ10及び電源回路40と接続され、Bluetooth(登録商標)による無線通信を実現する。
【0029】
電池接続端子30は、正極端子31と、負極端子32と、制御端子33を備えている。なお、本実施形態の説明においては、制御端子33は1本として説明するが、これに限定されるものではない。制御端子を複数備えるものであってもよい。これらの端子は、電源回路40と接続され、負極端子32は回路基板のグランドに接地されている。また、電池接続端子30に接続される電池34は、リチウムイオン充電池であり、携帯電子機器1の電力供給源である。なお、電池34はアンテナ10の極めて近傍に配置されている。
【0030】
電池接続端子30は、携帯電子機器1に装着する電池34及び携帯電子機器1の回路基板以外とは、構造的及び電気的に独立している。構造的に独立しているとは、携帯電子機器1の筐体と固定されていないことを意味し、電気的に独立しているとは、回路基板以外との電気的な接続経路を持たないことを意味する。従って、電池接続端子30を実装する際の自由度が高くなり、設計工数及びコストの低減が可能となる。
【0031】
電源回路40は、電池接続端子30と接続され、電池34を電力供給源として、携帯電子機器の各部に電力を供給する。
【0032】
過電圧保護回路50は、電池34の電圧が満充電時の電圧を超えると、電池34に供給する電流を遮断して電池34を過充電から保護するための回路である。
【0033】
温度検知用回路60は、電池34の温度変化を検出するための回路である。
【0034】
残量表示用回路70は、電池34の残量を監視し、残量低下をユーザに知らせるための回路であり、携帯電子機器1に突然、電力が供給されなくなることを防止する。
【0035】
また、過電圧保護回路50及び残量表示用回路70は、電池接続端子30の正極端子31及び負極端子32と接続され、温度検知用回路60は負極端子32と制御端子33と接続されている。
【0036】
共振回路80は、電池接続端子30の負極端子32と回路基板のグランド接地の間(上述の第2の接続に相当する)に接続されている。共振回路80は、負極端子32回路基板のグランド接地の間(第2の接続)以外にも、電池接続端子30の正極端子31と電源回路40との間(上述の第1の接続)、又は電池接続端子30の制御端子33と電源回路40との間(以降、第3の接続と呼ぶ)に接続することができる。さらに、共振回路80は、第1の接続、第2の接続、第3の接続の一箇所に接続できるだけではなく、これらの組合せで接続することができる。例えば、第1の接続及び第2の接続の組合せとすることができる。
【0037】
ここで、共振回路80に用いる具体的な回路について説明する。共振回路80は、図4又は図5に示す共振回路のいずれであってもよい。図4は、共振回路801の構成を示す図である。共振回路801は、コンデンサC1とコイルL1を直列に接続し、グランド接地する構成である。図5は、共振回路802の構成を示す図である。共振回路802は、コンデンサC2とコイルL2を並列に接続する構成である。
【0038】
次に、携帯電子機器1がアンテナ10を使ってBluetooth(登録商標)による無線通信を行なっている際の共振回路80の役割について説明する。携帯電子機器1が、送受信を行なっているとアンテナから放射される電磁波及び回路基板を伝わる高周波電流の影響で電池34が共振する。その際の共振周波数は、2.4GHzである。
【0039】
このように、電池34が不要共振を起こしている状態で、2.4GHzのカットオフ周波数を持つ共振回路80を上述の第1の接続、第2の接続、第3の接続いずれかに挿入すると、アンテナ放射効率に対する電池の共振による影響は低下する。即ち、共振回路80のカットオフ周波数におけるインピーダンスは非常に高く、電池34が共振することにより発生する高周波電流(2.4GHz)は共振回路80において遮断され、共振回路80を超えて電源回路40に流れることはない。すると、電池34及びアンテナ10が一つの放射体を形成することにより、放射体のいずれかで生じていた熱損が低減されアンテナ放射効率を改善することができる。
【0040】
同時に、2.4GHzのカットオフ周波数を持つ共振回路80を第1の接続、第2の接続、第3の接続いずれかに挿入することにより、アンテナから放射され回路基板を伝わっていた高周波電流も遮断されることになる。すると、電池自身の共振が抑えられ、電池の絶縁体等で生じていた熱損も低減されることになる。これらの複合的な効果により、アンテナ10の放射効率の改善を図ることができる。
【0041】
図6は、図3に示す携帯電子機器1から、温度検知用回路60を外し、共振回路80として共振回路801を、制御端子33と電源回路40の間(第3の接続)に挿入した際の構成図である。図6に示す携帯電子機器1aを使って、共振回路80の有効性について検証を行なった。
【0042】
図7は、携帯電子機器1aから共振回路80を取り除いた場合のアンテナ放射効率と、共振回路80を挿入してアンテナ放射効率を測定した際の結果の一例を示す図である。なお、アンテナ効率の測定は、Bluetooth(登録商標)による無線通信時に行ない、共振回路80のカットオフ周波数は2.4GHzとしている。図7の縦軸は、アンテナ放射効率であり、横軸はアンテナ10の通信周波数を示している。図7の▲は、共振回路80が存在しない場合のアンテナ放射効率を示し、■は共振回路80が存在する場合のアンテナ放射効率を示している。
【0043】
図7からは、共振回路80の有無以外は全く同じ構成にも関わらず、2.4GHzにおけるアンテナ放射効率は1dB改善されていることがわかる。同時に、カットオフ周波数2.4GHzから外れた2.484GHzであっても、共振回路80が存在する場合の方が、アンテナ効率は優れていることがわかる。このことは、電池自身が共振を起こしていない場合であっても、共振回路80によって電池34自身の熱損を回避し、アンテナ放射効率の改善に寄与していると考えることができる。
【0044】
以上のように、アンテナ及び電池を備える携帯電子機器において、電池の接続端子に共振回路を挿入することにより、電池による共振による影響を回避し、アンテナ放射効率を改善することができる。
【0045】
ここで、電池の共振による影響は、電池とアンテナとの距離や配線により大きく左右される。さらに、電池の共振がいずれの周波数で起こるかは電池の正極端子及び負極端子にも依存する。これらの事実は、予め電池の共振を考慮して携帯電子機器の設計を行なうことは困難であることを意味している。
【0046】
電池の共振がアンテナ放射効率に影響を与えることが予めわかっていても、実機において検証しなければ電池の共振による影響度は判明せず、製品開発の最終段階において電池とアンテナの物理的位置を調整するといったことが必要であった。また、物理的な対応が必要ない場合であっても、共振回路の接続点が限られている対策であると、その接続点が必ずしも最適な接続点とは限らず、十分な性能改善が行なわれていないことも考えられる。
【0047】
しかし、本実施形態で説明した携帯電子機器1のように、共振回路を接続するポイントが、電池の正極端子又は負極端子だけではなく、制御端子にも接続可能であるとすれば、そのような問題も解消する。即ち、複数のポイントに共振回路を挿入できるように携帯電子機器の回路パターンを作成しておけば、実機の完成後、最も効果の高いポイントのみに共振回路を挿入すればよいためである。このことは、製品開発における設計工数及びコストの低減に貢献する。
【0048】
また、特許文献1で開示された技術では、電池パックを構成する金属タブの一部をセルに接触させることで、電池による共振周波数を変化させアンテナ特性への影響を回避している。しかし、電池がアンテナ特性へ影響のある周波数で共振しているかどうかは、電池を携帯電子機器に実際に接続してから特定されるので、実機において電池の共振による影響を確認した後に、金属タブの形状変更が必要になる可能性が高く、設計工数が増加するという問題がある。この点に関しても、本実施形態では回路基板上での回路定数が変更となるだけなので、設計工数は増加しない。
【0049】
さらに、本実施形態に係る携帯電子機器1では、電池接続端子をアンテナとは独立させている。特に、電池34が電池パックであれば、セル表面が他の金属に接触していない電池パックを用いる。その結果、電池による影響を回避するために、アンテナ自身の物理的調整を行なう必要はなく、設計工数及びコストが低減できる。
【0050】
なお、電池接続端子に制御端子が存在しない場合であっても、正極端子と電源回路の間、又は負極端子と回路基板グランドの間に共振回路を挿入することにより同様の効果が得られる。また、Bluetooth(登録商標)のようなシングルバンド用アンテナに限らず、他の周波数帯に対応したマルチバンド用アンテナにおいても同様の効果が得られ、アンテナを2本以上搭載している携帯電子機器においても同様である。例えば、シングルバンドではなくデュアルバンドのアンテナを搭載していた場合、ある周波数帯での影響を回避するために、第1の接続に共振回路を挿入し、他の周波数帯での影響を回避するために、第2の接続に異なる共振回路を挿入することも可能である。さらに、電池を2個以上搭載している携帯電子機器においても、各電池の各端子に対して共振回路を挿入すれば、同様の効果を得ることができる。
【0051】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)アンテナと、前記アンテナに対して動作電圧を供給する電源回路と、前記電源回路と接続され、前記電源回路に対し電力を供給する電池と、前記アンテナの通信周波数と同調し、前記電池の正極端子と前記電源回路間の第1の接続、又は、前記電池の負極端子と回路グランド間の第2の接続、のいずれかの接続の間に挿入される共振回路と、を備える携帯電子機器。
【0053】
(付記2)さらに、前記電池が制御端子を備え、前記制御端子と前記電源回路が接続される場合には、前記共振回路は、前記第1の接続、前記第2の接続、又は、前記制御端子と前記電源回路間の第3の接続、のいずれかの接続の間に挿入される携帯電子機器。
【0054】
(付記3)前記電池と前記電源回路とは、電池接続端子を介して接続され、前記電池接続端子は前記電池及び回路基板に限り接触している携帯電子機器。
【0055】
(付記4)前記共振回路を複数備える携帯電子機器。
【0056】
(付記5)さらに、前記アンテナを複数備え、複数の前記共振回路には、それぞれのアンテナの通信周波数と同調するものを含む携帯電子機器。
【0057】
(付記6)前記電池は、セル表面が他の金属と接触していない電池パックである携帯電子機器。
【0058】
(付記7)前記電池は、乾電池又は充電池のいずれかである携帯電子機器。
【0059】
(付記8)前記共振回路は、コンデンサとコイルを並列に接続したものである携帯電子機器。
【0060】
(付記9)前記共振回路は、コンデンサとコイルを直列に接続し、一端を接地したものである携帯電子機器。
【0061】
(付記10)前記アンテナはマルチバンド用アンテナである携帯電子機器。
【0062】
(付記11)前記アンテナはシングルバンド用アンテナである携帯電子機器。
【0063】
(付記12)複数の前記アンテナは、シングルバンド用アンテナ又はマルチバンド用アンテナのいずれかである携帯電子機器。
【0064】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。例えば、リチウムイオン充電池に限らず、他の種類の電池であっても構わない。
【符号の説明】
【0065】
1、1a 携帯電子機器
10 アンテナ
20 送受信回路
30 電池接続端子
31 正極端子
32 負極端子
33 制御端子
34 電池
40 電源回路
50 過電圧保護回路
60 温度検知用回路
70 残量表示用回路
80、801、802 共振回路
C1、C2 コンデンサ
L1、L2 コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナに対して動作電圧を供給する電源回路と、
前記電源回路と接続され、前記電源回路に対し電力を供給する電池と、
前記アンテナの通信周波数と同調し、前記電池の正極端子と前記電源回路間の第1の接続、又は、前記電池の負極端子と回路グランド間の第2の接続、のいずれかの接続の間に挿入される共振回路と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
さらに、前記電池が制御端子を備え、前記制御端子と前記電源回路が接続される場合には、前記共振回路は、前記第1の接続、前記第2の接続、又は、前記制御端子と前記電源回路間の第3の接続、のいずれかの接続の間に挿入される請求項1の携帯電子機器。
【請求項3】
前記電池と前記電源回路とは、電池接続端子を介して接続され、前記電池接続端子は前記電池及び回路基板に限り接触している請求項1又は2の携帯電子機器。
【請求項4】
前記共振回路を複数備える請求項1乃至3のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
さらに、前記アンテナを複数備え、複数の前記共振回路には、それぞれのアンテナの通信周波数と同調するものを含む請求項4の携帯電子機器。
【請求項6】
前記電池は、セル表面が他の金属と接触していない電池パックである請求項1乃至5のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記電池は、乾電池又は充電池のいずれかである請求項1乃至6のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記共振回路は、コンデンサとコイルを並列に接続したものである請求項1乃至7のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記共振回路は、コンデンサとコイルを直列に接続し、一端を接地したものである請求項1乃至7のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記アンテナはマルチバンド用アンテナである請求項1乃至9のいずれか一に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−124676(P2012−124676A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272839(P2010−272839)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】