説明

携帯電話機およびインクリメンタル検索プログラム

【課題】携帯電話機が備える複数のアプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とし、待ち受け画面からいずれかの数字キーを入力するだけで、携帯電話機に格納されているすべての文字データを検索する。
【解決手段】複数のアプリケーションを備え、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とする携帯電話機10であって、待ち受け状態でキー入力があったときに、操作されたキーの種別を判定する入力キー判定部13と、いずれかの数字キーが操作される毎に、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なう検索処理部14と、前記インクリメンタル検索が行なわれる毎に検索結果を表示する表示部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションを備え、各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とする携帯電話機および携帯電話機にインストールされて実行されるインクリメンタル検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機が備える電話帳を検索する手法が提案されている。例えば、特許文献1には、文字による絞り込み検索を行う際の検索時間を短縮することを目的とした電話帳検索方法が開示されている。この電話帳検索方法では、例えば、テンキーを介して文字「あ」を入力すると、この文字が検索用文字表示エリア表示される。そして、「あ」で始まる全ての登録名称が読み出され、いずれか一つを反転して他の登録名称とは区別して、電話帳検索結果表示エリアに表示される。また、電話帳検索結果表示エリアでは、スクロール可能となっている。次に、絞り込み検索により、所望の登録名称を見つけ出した場合、電話帳検索結果表示エリアにおける反転表示位置を所望の登録名称まで移動し、電話帳キーを押すと、反転表示されている登録名称に対応する電話番号が読み出され、登録名称と共に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−152360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯電話機における従来の検索方法では、携帯電話機が備える各機能、すなわち、各アプリケーションのいずれかを起動してから、そのアプリケーションが管理する情報を検索するため、検索対象範囲が限定されている。例えば、ユーザが以前通話した相手に電話をかけようとする場合、電話帳アプリケーションや発信履歴を表示するアプリケーションのいずれかを起動してから検索を行なう必要があった。
【0005】
近年、携帯電話機が多様化し、多くの機能が携帯電話機に搭載されるようになってきていることから、ユーザは、電話帳(アドレス帳)のみならず、発着信履歴、再生しようとする音楽データや動画データ、表示したい写真や画像、さらに機能(アプリケーション)についての検索を必要とする場合が多くなってくると考えられる。このような状況において、従来のように、いずれかのアプリケーションを起動しなければ検索をすることができないのは、検索を行なうまでのユーザの操作が煩雑となり、利便性を欠くこととなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、携帯電話機が備える複数のアプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とし、待ち受け画面からいずれかの数字キーを入力するだけで、携帯電話機に格納されているすべての文字データを検索することができる携帯電話機およびインクリメンタル検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の携帯電話機は、複数のアプリケーションを備え、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とする携帯電話機であって、待ち受け状態でキー入力があったときに、操作されたキーの種別を判定するキー判定部と、いずれかの数字キーが操作される毎に、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なう検索部と、前記インクリメンタル検索が行なわれる毎に検索結果を表示する表示部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように、各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機内のすべての文字データを一括して検索することが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明の携帯電話機において、前記検索部は、各数字キーおよび前記数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうことを特徴としている。
【0010】
このように、各数字キーおよび数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機の操作上、よく知られている“テキスト入力”に準じた入力を行ない、検索を実行することが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明の携帯電話機において、前記検索部は、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうことを特徴としている。
【0012】
このように、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、いわゆる“あいまい検索”を行なうことができる。例えば、携帯電話機の「1.@あ」のキーに、文字グループとして、“ア行”を対応付けることにより、ユーザが「1.@あ」のキーを操作したときは、“ア行”に含まれる文字を含む文字列の検索を行なうことが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0013】
(4)また、本発明の携帯電話機において、前記文字データは、前記各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であることを特徴としている。
【0014】
このように、文字データは、各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であるので、各アプリケーションで取り扱われるデータが、テキスト、画像、動画、音声などであっても、文字入力によって検索を行なうことが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明のインクリメンタル検索プログラムは、複数のアプリケーションを備える携帯電話機にインストールされ、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とするインクリメンタル検索プログラムであって、判定部において、待ち受け状態でキー入力があったときに、操作されたキーの種別を判定する処理と、検索部において、いずれかの数字キーが操作される毎に、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なう処理と、表示部において、前記インクリメンタル検索が行なわれる毎に検索結果を表示する処理と、を含む一連の処理を、携帯電話機で読み取り可能および実行可能にコマンド化されたことを特徴としている。
【0016】
このように、各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機内のすべての文字データを一括して検索することが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0017】
(6)また、本発明のインクリメンタル検索プログラムにおいて、前記検索部において、各数字キーおよび前記数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なう処理を含むことを特徴としている。
【0018】
このように、各数字キーおよび数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機の操作上、よく知られている“テキスト入力”に準じた入力を行ない、検索を実行することが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0019】
(7)また、本発明のインクリメンタル検索プログラムにおいて、前記検索部において、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なう処理を含むことを特徴としている。
【0020】
このように、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、いわゆる“あいまい検索”を行なうことができる。例えば、携帯電話機の「1.@あ」のキーに、文字グループとして、“ア行”を対応付けることにより、ユーザが「1.@あ」のキーを操作したときは、“ア行”に含まれる文字を含む文字列の検索を行なうことが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0021】
(8)また、本発明のインクリメンタル検索プログラムにおいて、前記文字データは、前記各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であることを特徴としている。
【0022】
このように、文字データは、各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であるので、各アプリケーションで取り扱われるデータが、テキスト、画像、動画、音声のいずれかであっても、文字入力によって検索を行なうことが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機内のすべての文字データを一括して検索することが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の外観を示す図である。
【図3】本実施形態に係る携帯電話機が、文字特定検索を行なう場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】数字キーを用いた検索動作の具体例を示すフローチャートである。
【図5A】図4に対応する画面表示例を示す図である。
【図5B】図4に対応する画面表示例を示す図である。
【図5C】図4に対応する画面表示例を示す図である。
【図5D】図4に対応する画面表示例を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る携帯電話機が、あいまい検索を行なう場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】数字キーを用いた検索動作の具体例を示すフローチャートである。
【図8A】図7に対応する画面表示例を示す図である。
【図8B】図7に対応する画面表示例を示す図である。
【図8C】図7に対応する画面表示例を示す図である。
【図8D】図7に対応する画面表示例を示す図である。
【図9A】第2の実施形態に係るあいまい検索を行なう場合のバッファの挙動を示す図である。
【図9B】第2の実施形態に係るあいまい検索を行なう場合のバッファの挙動を示す図である。
【図9C】第2の実施形態に係るあいまい検索を行なう場合のバッファの挙動を示す図である。
【図10A】検索結果を選択する場合の動作を示すフローチャートである。
【図10B】図10Aのステップに対応する画面表示例を示す図である。
【図10C】図10Aのステップに対応する画面表示例を示す図である。
【図10D】図10Aのステップに対応する画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。携帯電話機10は、入力部11でキー入力を受け付ける。また、制御部12は、入力キー判定部13、検索処理部14、および検索条件DB15を備えている。入力キー判定部13は、ユーザにより操作されたキーを判定し、キー操作内容を表示部17に反映する。検索処理部14は、検索条件に従って、携帯電話情報DB16のインクリメンタル検索を実行する。検索条件DB15は、検索方法と、検索対象データの設定情報を格納する。携帯電話情報DB16は、携帯電話機10が保持するデータを格納する。携帯電話機10は、複数種類のアプリケーションを備えており、携帯電話情報DB16は、各アプリケーションが管理する文字データを格納する。表示部17は、例えば、液晶パネルで構成されており、文字、画像等の情報を表示する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機の外観を示す図である。図2に示すように、携帯電話機10には、複数の数字キー11aが設けられている。数字キー11aは、例えば、「1.@あ」、「2ABCか」といったように、一つのキーに複数種類の文字が対応付けられている。この数字キーとは、電話番号を入力するときに使用するためのキーであり、数字に対応しているものである。本明細書では、数字に対応していないキーを、数字キーとは呼称しないものとする。
【0027】
また、決定キー11bは、入力した文字を決定したり、アプリケーションの選択を決定したりするために設けられている。なお、本実施形態では、決定キー11bが、カーソルを上下に移動させる上下キー、およびカーソルを左右に移動させる左右キーとしての機能を併せ持っているものとする。また、携帯電話機10は、画面17aに文字、画像等の情報を表示する。また、決定キー11bは、センターボタンやセンターキーとも呼称され、いずれも同様の機能を果たす。
【0028】
さらに、携帯電話機10には、「*」、「゛」、「。」、「、」等を入力するための*キー11c、「♯」、「改行マーク」等を入力するための♯キー11d、発呼を行なうための発信キー11e、電源の投入や終話を行なうための終話キー11f、入力した情報を削除したり、画面を元に戻したりするためのクリアキー11gが設けられている。なお、♯キー11dは、直前の入力文字を逆方向に変換する機能を割り当てられている。例えば、ユーザが、カタカナ入力時に「1」「1」「1」「#」「#」とキーを押すと、それぞれ「ア」「イ」「ウ」「イ」「ア」が表示される。また、*キー11cは、直前の入力文字に濁点、半濁点の付加や小書き仮名化が割り当てられている。例えば、ユーザが、カタカナ入力時に「6」「*」「*」「*」「*」とキーを押すと、それぞれ「ハ」「バ」「パ」「ハ」「バ」が表示される。また、同様に「4」「4」「4」「*」「*」「*」とキーを押すと、それぞれ「タ」「チ」「ツ」「ッ」「ヅ」「ツ」が表示される。
【0029】
次に、以上のように構成された本実施形態に係る携帯電話機の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る携帯電話機が、文字特定検索を行なう場合の動作を示すフローチャートである。まず、待ち受け状態において(ステップS1)、ユーザがキー入力を行なうと、そのキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれかであるかどうかを判断する(ステップS2)。操作されたキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれでもない場合は、従来と同様の機能画面が表示される(ステップS3)。一方、ステップS2において、操作されたキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれかである場合は、検索処理を行ない(ステップS4)、検索結果を表示部17に表示する(ステップS5)。
【0030】
次に、さらにキー入力があったかどうかを判断し(ステップS6)、上下キー(決定キー11b)で結果選択が行なわれた場合は、検索結果画面を表示する(ステップS5)。また、ステップS6において、キー入力があり、1〜9の数字キーのいずれかである場合で、直前の入力と同一のキーである場合は、入力中の文字を変換し、検索処理を行なう(ステップS4)。また、ステップS6において、キー入力があり、1〜9の数字キーのいずれかである場合で、直前の入力とは異なるキーである場合は、次の文字の入力を受け付けて、検索処理を行なう(ステップS4)。また、ステップS6において、キー入力があり、♯キー、*キーのいずれかである場合で、直前の入力が1〜9の数字キーのいずれかである場合は、入力中の文字を変換して、検索処理を行なう(ステップS4)。
【0031】
また、ステップS6において、キー入力があり、♯キー、*キーのいずれかである場合で、直前の入力と同一のキーである場合、かつ、1〜9が入力済みである場合は、入力中の文字を変換して、検索処理を行なう(ステップS4)。また、ステップS6において、キー入力があり、♯キー、*キーのいずれかである場合で、上記のいずれにも該当しない場合は、「♯」、「*」を入力して、検索処理を行なう(ステップS4)。
【0032】
また、ステップS6において、キー入力があり、それが右キー(決定キー11b)であった場合は、入力中の文字を確定し、検索処理を行なう(ステップS4)。また、ステップS6において、キー入力があり、それがクリアキーであった場合は、最新の入力済み文字を1文字削除して、検索処理を行なう(ステップS4)。また、ステップS6において、キー入力があり、それが終話キー11fであった場合は、終了し、待ち受け画面に戻る(ステップS1)。次に、ステップS6において、キー入力があり、それが決定キー11bであった場合は、検索結果が決定され、検索結果の詳細が画面に表示される(ステップS7)。さらに、決定キー11bが操作されることにより、その結果が実行され、実行画面が表示される(ステップS8)。このとき、例えば、電話の発信、音楽再生などが行なわれる。
【0033】
図4は、数字キーを用いた検索動作の具体例を示すフローチャートであり、図5A〜図5Dは、図4に対応する画面表示例を示す図である。また、図4中、実線で囲まれたステップは、携帯電話機10の動作を示し、点線で囲まれたステップは、ユーザによるキー操作を示す。図4において、待ち受け画面が表示されている状態では(ステップS10)、図5Aに示すような画面が表示される。次に、ユーザが「1」キーを押下すると(ステップS11)、「1」、「ア」、「.」が表示される(ステップS12)。ここでは、これらを含む文字列が検索され、図5Bに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「青田」、「赤井」、「麻田」、「ファミリーメート」、「110」、「090−****−1157」などが表示される。
【0034】
次に、ユーザがさらに「1」キーを押下すると(ステップS13)、「11」、「イ」、「@」を表示する(ステップS14)。ここで、これらを含む文字列が検索され、図5Cに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「石田」、「井上」、「セブンイレバン」、「110」、「090−****−1157」などが表示される。次に、ユーザが「3」キーを押下すると(ステップS15)、前回変換した「イ」が確定し、「113」、「イサ」、「@d」が表示される(ステップS16)。ここで、これらを含む文字列が検索され、図5Dに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「相崎」などが表示される。
【0035】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、各数字キーおよび数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、携帯電話機の操作上、よく知られている“テキスト入力”に準じた入力を行ない、検索を実行することが可能となる。これにより、これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る携帯電話機は、あいまい検索を行なう。ハードウェア構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
図6は、第2の実施形態に係る携帯電話機が、あいまい検索を行なう場合の動作を示すフローチャートである。まず、待ち受け状態において(ステップS30)、ユーザがキー入力を行なうと、そのキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれかであるかどうかを判断する(ステップS31)。操作されたキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれでもない場合は、従来と同様の機能画面が表示される(ステップS32)。一方、ステップS31において、操作されたキーが、1〜9の数字キー、♯キー、*キーのいずれかである場合は、それに対応するキーの文字データをバッファに格納する(ステップS33)。そして、検索処理を行ない(ステップS34)、検索結果を表示部17に表示する(ステップS35)。
【0038】
次に、さらにキー入力があったかどうかを判断し(ステップS36)、上下キー(決定キー11b)で結果選択が行なわれた場合は、検索結果画面を表示する(ステップS35)。また、ステップS36において、キー入力があり、それがクリアキーであった場合は、直前に入力された文字を一文字削除して、検索処理を行なう(ステップS34)。また、ステップS36において、キー入力があり、それが右キー(決定キー11b)であった場合は、ステップS33でバッファに格納された文字を変換し、バッファをクリアして(ステップS37)、検索処理を行なう(ステップS34)。
【0039】
また、ステップS36において、キー入力があり、以下の(1)〜(4)の場合は、バッファをクリアし(ステップS38)、その文字をバッファに格納して(ステップS33)、検索処理を行なう(ステップS34)。これらの場合は、バッファに格納された文字を変換しない。
(1)キー入力が1〜9の数字キーであって、直前の入力とは異なるキー入力がなされた場合。
(2)キー入力が♯キーまたは*キーであって、直前の入力と同一の入力、かつ、1〜9の数字キーの入力がない場合。
(3)キー入力が♯キーであって、直前の入力が*キーである場合。
(4)キー入力が*キーであって、直前の入力が♯キーである場合。
【0040】
また、ステップS36において、キー入力があり、以下の(5)〜(7)の場合は、その文字をバッファに格納して(ステップS33)、検索処理を行なう(ステップS34)。
(5)キー入力が1〜9の数字キーであって、直前の入力と同一のキー入力がなされた場合。
(6)キー入力が♯キーまたは*キーであって、直前の入力と同一の入力、かつ、1〜9の数字キーが入力済みである場合。
(7)キー入力が♯キーまたは*キーであって、直前の入力が1〜9の数字キーである場合。
【0041】
また、ステップS36において、キー入力があり、それが終話キー11fであった場合は、終了し、待ち受け画面に戻る(ステップS30)。
【0042】
次に、ステップS36において、キー入力があり、それが決定キー11bであった場合は、検索結果が決定され、検索結果の詳細が画面に表示される(ステップS39)。さらに、決定キー11bが操作されることにより、その結果が実行され、実行画面が表示される(ステップS40)。このとき、例えば、電話の発信、音楽再生などが行なわれる。
【0043】
図7は、数字キーを用いた検索動作の具体例を示すフローチャートであり、図8A〜図8Dは、図7に対応する画面表示例を示す図である。また、図7中、実線で囲まれたステップは、携帯電話機10の動作を示し、点線で囲まれたステップは、ユーザによるキー操作を示す。図7において、待ち受け画面が表示されている状態では(ステップS50)、図8Aに示すような画面が表示される。次に、ユーザが「1」キーを2回押下すると(ステップS51)、「11」、「アア」、「..」が表示される(ステップS52)。ここでは、
[「1」,「ア行」,「.,@,−,_,/,:,〜」]
×[「1」,「ア行」,「.,@,−,_,/,:,〜」]
を含む文字列が検索される。すなわち、文字グループとして、「ア行」と「ア行」の両方を含む文字列が検索される(あいまい検索)。そして、図8Bに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「相崎」、「青田」、「110」、「090−****−1157」などが表示される。
【0044】
次に、ユーザが右キー(決定キー11b)を押下すると(ステップS53)、「11」、「イ」、「@」を表示する(ステップS54)。ここでは、「11」、「イ」、「@」を含む文字列が検索され、図8Cに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「相崎」、「石田」、「井上」、「110」、「090−****−1157」などが表示される。次に、ユーザが「5」キーを押下すると(ステップS55)、「115」、「イナ」、「@j」が表示される(ステップS56)。ここでは、
[「11」,「イ」,「@」]×[「5」,「ナ行」,「J,K,L,j,k,l」]
を含む文字列が検索される。そして、図8Dに示すように、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、「井上」、「090−****−1157」などが表示される。
【0045】
図9A〜図9Cは、第2の実施形態に係るあいまい検索を行なう場合のバッファの挙動を示す図である。まず、数字キーのうち、「1キー」が押下されると(ステップ丸1)、バッファに「1」が格納され、検索対象表示は「1」、「ア」、「.」となる。次に、「1キー」が押下されると(ステップ丸2)、バッファにさらに「1」が格納され、検索対象表示は「11」、「アア」、「..」となる。次に、「2キー」が押下されると(ステップ丸3)、それまでバッファに格納されていた「11」がクリアされてバッファに2が格納され、検索対象表示は「112」、「アアカ」、「..a」となる。
【0046】
次に、「2キー」が押下されると(ステップ丸4)、バッファにさらに「2」が格納され、検索対象表示は「1122」、「アアカカ」、「..aa」となる。次に、「右キー」が押下されると(ステップ丸5)、それまでバッファに格納されていた「22」がクリアされて、検索対象表示は「1122」、「アア キ」、「..b」となる。次に、「クリアキー」が押下されると(ステップ丸6)、直前入力文字が一文字分削除されて、検索対象表示は「11」、「アア」、「..」となる。次に、「2キー」が押下されると(ステップ丸7)、バッファに「2」が格納され、検索対象表示は「112」、「アアカ」、「..a」となる。次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸8)、バッファに「3」が格納され、検索対象表示は「1123」、「アアカサ」、「..aad」となる。次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸9)、バッファにさらに「3」が格納され、検索対象表示は「11233」、「アアカササ」、「..add」となる。
【0047】
次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸10)、バッファにさらに「3」が格納され、検索対象表示は「112333」、「アアカサササ」、「..addd」となる。次に、「クリアキー」が押下されると(ステップ丸11)、それまでバッファに格納されていた「333」がクリアされ、直前入力文字が一文字分削除されて、検索対象表示は「11233」、「アアカササ」、「..add」となる。次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸12)、バッファに「3」が格納され、検索対象表示は「112333」、「アアカサササ」、「..addd」となる。次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸13)、バッファにさらに「3」が格納され、検索対象表示は「1123333」、「アアカササササ」、「..adddd」となる。次に、「3キー」が押下されると(ステップ丸14)、バッファにさらに「3」が格納され、検索対象表示は「11233333」、「アアカサササササ」、「..addddd」となる。
【0048】
次に、「♯キー」が押下されると(ステップ丸15)、バッファにさらに「♯」が格納され、検索対象表示は「11233333♯」、「アアカサササササ♯」、「..addddd♯」となる。次に、「右キー」が押下されると(ステップ丸16)、それまでバッファに格納されていた「333♯」がクリアされ、検索対象表示は「11233333♯」、「アアカササ シ」、「..add e」となる。次に、「4キー」が押下されると(ステップ丸17)、バッファに「4」が格納され、検索対象表示は「11233333♯4」、「アアカササ シタ」、「..add eg」となる。次に、「右キー」が押下されると(ステップ丸18)、それまでバッファに格納されていた「4」がクリアされ、検索対象表示は「11233333♯4」、「アアカササ シタ」、「..add eg」となる。
【0049】
次に、「5キー」が押下されると(ステップ丸19)、バッファに「5」が格納され、検索対象表示は「11233333♯45」、「アアカササ シタナ」、「..add egj」となる。次に、「クリアキー」が押下されると(ステップ丸20)、それまでバッファに格納されていた「5」がクリアされ、直前入力文字が一文字分削除されて、検索対象表示は「11233333♯4」、「アアカササ シタ」、「..add eg」となる。次に、「クリアキー」が押下されると(ステップ丸21)、直前入力文字が一文字分削除されて、検索対象表示は「11233333♯」、「アアカササ シ」、「..add e」となる。
【0050】
図10Aは、検索結果を選択する場合の動作を示すフローチャートであり、図10B〜図10Dは、図10Aのステップに対応する画面表示例を示す図である。また、図10A中、実線で囲まれたステップは、携帯電話機10の動作を示し、点線で囲まれたステップは、ユーザによるキー操作を示す。まず、検索結果画面が表示される(ステップS60)。ここでは、例えば、図10Bに示すような画面が表示される。図10Bでは、カーソルが最上位の位置にある状態を示している。次に、ユーザが上下キーを下向きに3回操作したとする(ステップS61)。このとき、3番目の検索結果を選択した状態となる(ステップS62)。この状態を、図10Cに示す。図10Cでは、カーソルが最下位の位置にある状態を示している。次に、ユーザが決定キー11bを押下したとすると(ステップS63)、該当エントリの表示がなされる(ステップS64)。このとき、図10Dに示すように、図10Cで選択した検索結果の詳細情報が表示される。また、図10Dでは、カーソルが電話番号上にあるため、決定キー11bを操作することにより、その電話番号で発信をすることが可能となる。
【0051】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうので、いわゆる“あいまい検索”を行なうことができる。例えば、携帯電話機の「1.@あ」のキーに、文字グループとして、“ア行”を対応付けることにより、ユーザが「1.@あ」のキーを操作したときは、“ア行”に含まれる文字を含む文字列の検索を行なうことが可能となる。これにより、ユーザの検索操作を簡略化し、利便性の向上を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10 携帯電話機
11 入力部
11a 数字キー
11b 決定キー
11c *キー
11d ♯キー
11e 発信キー
11f 終話キー
11g クリアキー
12 制御部
13 入力キー判定部
14 検索処理部
16 携帯電話情報DB
17 表示部
17a 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションを備え、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とする携帯電話機であって、
待ち受け状態でキー入力があったときに、操作されたキーの種別を判定するキー判定部と、
いずれかの数字キーが操作される毎に、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なう検索部と、
前記インクリメンタル検索が行なわれる毎に検索結果を表示する表示部と、を備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記検索部は、各数字キーおよび前記数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記検索部は、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なうことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記文字データは、前記各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項5】
複数のアプリケーションを備える携帯電話機にインストールされ、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを検索対象とするインクリメンタル検索プログラムであって、
判定部において、待ち受け状態でキー入力があったときに、操作されたキーの種別を判定する処理と、
検索部において、いずれかの数字キーが操作される毎に、前記各アプリケーションで管理される文字データのすべてを対象として、前記操作された数字キーに対応する文字列のインクリメンタル検索を行なう処理と、
表示部において、前記インクリメンタル検索が行なわれる毎に検索結果を表示する処理と、を含む一連の処理を、携帯電話機で読み取り可能および実行可能にコマンド化されたことを特徴とするインクリメンタル検索プログラム。
【請求項6】
前記検索部において、各数字キーおよび前記数字キーの押下回数に対応付けられた複数種類の文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なう処理を含むことを特徴とする請求項5記載のインクリメンタル検索プログラム。
【請求項7】
前記検索部において、各数字キーに対応付けられた文字を含む文字グループ内のいずれかの文字を含む文字列のインクリメンタル検索を行なう処理を含むことを特徴とする請求項5記載のインクリメンタル検索プログラム。
【請求項8】
前記文字データは、前記各アプリケーションで取り扱われるデータのメタ情報であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のインクリメンタル検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公開番号】特開2010−212841(P2010−212841A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54654(P2009−54654)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】